平成 27 年度新生児聴覚検査実施状況のまとめ 平成 29 年 1 月 鳥取県福祉保健部子育て王国推進局 子ども発達支援課 新生児聴覚検査は 聴覚障がいを早期発見し 早期に児及び保護者に支援を行うことを目的としている 平成 27 年度は 県内の分娩取扱産科施設 16か所について 新生児聴覚検査実施状況の調査を行った ( 全分娩取扱施設で実施 ) 平成 27 年度の県全体の新生児聴覚検査実施率は98.7%( 前年度同比 ) で高い実施率を保持している このことは 医療機関等のご理解とご協力により 保護者の理解が進んだことによると考えられ 新生児聴覚検査の早期発見及び早期支援体制の構築に繫がっている 県全体で難聴の確定診断を受けたのは 26 人 ( 両側難聴 14 人 / 一側難聴 12 人 ) で 新生児聴覚 (5,841 人 ) の約.4% であった 聴覚障がい児発見と支援 治療の全体像 出生 入院児数 5,916 人 新生児聴覚 5,841 人 (98.7%) 未実施児数 75 人 (1.3%) 難聴児数 ( 確定診断 ) 26 人 (.4%) 両側 :14 人 (.24%) 一側 :12 人 (.21%) 主な支援 治療 補聴器の装用 補装具費の支給 身障手帳交付対象外児への補聴器購入等助成 投薬 手術 人工内耳手術 ( 両側高度難聴 ) 聾学校等への相談 etc 参考 県出生届出数 4,628 人 1 新生児聴覚検査実施状況について NICU 入院児の検査実施率は99.2% で 前年度と比べ.6% 減少した NICU 入院児を除いた検査実施率は 98.7% で 前年度と比べ.1% 増加した 未実施の理由は 保護者が希望しない 費用がかかるため などであった 2 精密検査実施状況について NICU 入院児の難聴児数は 両側難聴が 3 人 ( 軽度 :1 人 中等度 :1 人 高度 :1 人 ) 一側難聴が1 人 ( 軽度 ) であった NICU 入院児を除いた難聴児数は 両側難聴が 11 人 ( 軽度 :7 人 中等度 :2 人 高度 :2 人 ) 一側難聴が11 人 ( 軽度 :4 人 中等度 :1 人 高度 :4 人 聴力精査中 :2 人 ) であった 3 市町村及び保健所訪問指導等実施状況について 相談件数は 2 件 ( 新生児訪問での相談 :1 件 健診 予防接種等の場 :1 件 ) で 保健師による 支援継続等が実施されている 4 療育 教育指導実施状況 新生児聴覚検査を受けてとなり 療育 教育を開始したのは2 人で いずれも県内精密検査実施機関からの紹介によるものであった 1
資料 1 新生児聴覚検査実施状況 県全体の検査実施率は 98.7%( 前年度同比 ) となった 検査実施状況 年度 出生 入院児数 (A) (B) 実施率 (B/A 1) 27 年度 26 年度 25 年度 24 年度 23 年度 5,916 5,841 98.7% 5,587 5,515 98.7% 5,71 5,648 98.9% 5,672 5,56 97.1% 6,73 5,682 93.6% (1)NICU 入院児の状況 1 実施状況 全体の検査実施率は 99.2% であり 昨年度と比べ.6% 減少した 実施率を別で見ると 東部が 97.7%( 前年度 2.3% 減 ) 中部 1%( 前年度比 1.2% 増 ) 西部は 1%( 前年度同比 ) となっている 未実施 (4 例 ) は 生後早期に死亡 (3 例 ) 重症奇形 (1 例 ) によるものであった 検査実施状況検査結果精密検査紹介数 医療機関入院児数 実施率 パス 率 県内耳鼻科 県外耳鼻科 東部 175 171 97.7% 17 1.6% 1 中部 78 78 1.% 78.% 西部 274 274 1.% 265 9 3.4% 9 527 523 99.2% 513 1 1.9% 1 2 検査機器別実施状況すべての NICU 医療機関で 検査機器は AABR を使用 (2)NICU 入院児を除いた状況 1 実施状況 検査実施率は 98.7% であり 前年度と比べ.1% 増加した (H24 年度 :96.8% H25 年度 :98.9% H26 年度 :98.6%) 未実施の理由は 保護者が希望しない 費用がかかるため などであった 実施率を別で見てみると 東部は 98.9%( 前年度同比 ) 中部は 97.1%( 前年度比.4% 増 ) 西部は 99.1%( 前年度同比 ) となっている 2
医療機関出生児数 検査実施状況入院中検査確認検査 (1 ヶ月健診時 ) 精密検査紹介数 実施率 パス 率 パス 県内耳鼻科 県外耳鼻科 東部 2,259 2,233 98.9% 2,26 注 1)27 1.21% 18 8 9 中部 848 823 97.1% 88 注 2)15 1.82% 13 2 西部 2,282 2,262 99.1% 2,238 注 3)24 1.6% 1 13 14 5,389 5,318 98.7% 5,252 66 1.24% 28 21 36 2 検査結果 : パス 正常 要再検査 注 1: 入院中検査でとなった 27 例のうち1 例は確認検査を行わず精密検査機関に紹介 注 2: 入院中検査でとなった 15 例は確認検査を行わず精密検査機関に紹介 注 3: 入院中検査で利ファーとなった 24 例のうち1 例は耳介奇形があったため 1ヶ月健診前に耳鼻科に照会 2 検査機器別実施状況県全体としての検査機器ごとの率は下表のとおりである ( 併用は AABR に計上 ) 検査実施 16 施設のうち AABR 使用は 1 施設 (62.5%) OAE 使用は 4 施設 (25%) 併用 2 施設 (12.5%) である 検査機器 AABR OAE 27 年度 ( 参考 )26 年度 検査件数 (B) (C) 率 (C/B) 4,93 33.81% 1,225 33 2.69% 5,318 66 1.24% 4,955 83 1.68% 併用は AABR に計上 2 精密検査実施状況 県全体で難聴の確定診断を受けたのは 26 人で 新生児聴覚 (5,841 人 ) の約.4% であった (1)NICU 入院児の状況 1 精密検査の受診状況新生児聴覚検査の結果 県内精密検査機関 ( ) への紹介は 1 人 うち 精密検査機関を受診したのは 4 人だった 精密検査紹介数 受診状況 県内 NICU からの紹介 県外医療機関から紹介 精密検査受診者数 東部 1 中部 西部 9 4 27 年度 1 4 県内精密検査機関 : 県立中央病院 日赤病院 県立厚生病院 鳥取大学医学部附属病院 山陰労災病院 の 5 機関 2 実施状況出産のための入院中の検査でとなっていた児が 精密検査で正常とされたいわゆる偽陽性は 4 人中 人 (%) であった 3
県内 NICU からの紹介 スクリーニング結果 県外医療機関からの紹介 精密検査結果 検査機器一側難聴両側難聴正常 確定診断未 全県 4 AABR 1 3 1 3 3 難聴児の聴力の内訳と紹介人数 NICU 入院児の難聴児の聴力の内訳は以下のとおりである 県内の聾学校及び 県外の難聴児教育施設等への紹介はなかった 紹介件数 程度 一側難聴 両側難聴 県内の聾学校へ 県外の難聴児教育施設等へ 軽度難聴 1 1 全県 中等度難聴 1 高度難聴 1 1 3 (2)NICU 入院児を除いた状況 1 精密検査の受診状況新生児聴覚検査の結果 県内精密検査機関への紹介は 36 人 県外耳鼻科への紹介 2 人であり 県内精密検査機関を受診したのは 43 人だった 精密検査紹介数 (1 ヶ月健診 ) 受診状況 県内産科からの紹介 県外医療機関から紹介 精密検査受診者数 東部 9 1 1 中部 13 11 西部 14 4 22 27 年度小計 36 5 43 2 実施状況出産のための入院中の検査でとなっていた児が 精密検査の結果 正常とされたいわゆる偽陽性は全体で 43 人中 2 人 AABR では 27 人中 12 人 (44.4%) OAE では 16 人中 8 人 (5.%) であった OAE がやや偽陽性が高かった スクリーニング結果 精密検査結果 県内産科からの紹介 県外産科からの紹介 検査機器人数一側難聴両側難聴正常 確定診断未 全県 38 5 AABR OAE 27 16 6 8 12 1 5 3 8 43 11 11 2 1 4
3 難聴児の聴力の内訳と紹介人数 NICU 入院児を除いた難聴児の聴力の内訳は以下のとおりである 県内の聾学校への紹介は 4 人 県外の難聴児教育施設等への紹介は 4 人だった 軽度難聴 4 7 全県中程度難聴 1 2 2 3 高度難聴 4 2 程度一側難聴両側難聴正常不明 不明の 3 人のうち 1 人は確定診断未 2 人は聴力精査中 県内の聾学校へ 紹介件数 県外の難聴児教育施設等へ 4 4 9 11 2 3 4 4 3 市町村及び保健所訪問指導等実施状況市町村保健師が実施した訪問指導等の内訳は以下のとおりである 新生児訪問の際に保護者から相談を受けた事例が 1 人 健診 予防接種等の場で相談を受けた事例が 1 人であった 関係機関からの指導依頼 区分 相談件数 新生児スクリーニンク 実施医療機関から 聴覚精検実施医療機関から 保健所から の機関から 新生児訪問での相談 健診 予防接種等の場 の経路による相談 電話相談 東部市町村 保健所 中部市町村 保健所 西部市町村 保健所 2 1 1 2 1 1 4 療育 教育機関での指導実施状況聾学校での療育 教育の開始人数は 2 人であった いずれも 県内精密検査機関からの紹介によるものである 療育 教育機関 人数 紹介者 耳鼻科医保健師 聾学校 2 2 2 2 5 参考平成 27 年度鳥取県出生届出数 4,628 人 5