1/20 VOC 排出抑制の取り組み 2017 年 1 月 26 日アイシン精機株式会社安全衛生環境部
2/20 目次 1. アイシン精機のご紹介 2. 環境に対する取り組み 3. 化学物質管理とは? 4.VOC 削減について 5. 当社取り組み事例紹介 6.VOC 削減活動に向けて
1-1. 会社概要 3/20 社名 : 設立 : 本社 : 資本金 : 従業員 : アイシン精機株式会社 1965 年 8 月 31 日 愛知工業と新川工業との合併でアイシン精機 ( 株 ) 誕生 愛知県刈谷市朝日町 2 丁目 1 番地 450 億円単独 14,089 名 連結 99,389 名 工場 : 11 工場 連結対象会社 : 192 社 アイシングループでは 世界 20カ国からなるグローバルネットワークを形成し自動車部品 住生活関連製品を提供
1-2. アイシングループ概要 アイシン精機 アイシングループの中心企業として幅広く事業を展開 4/20 2015 年実績連結製品別売上割合 3.2% 5.2% 9.8% パワースライドドアシステム 電動アクティブスタビライザー ウォーターポンプ 商用車用 AT ベッド 寝装品 家具 17.6% 売上高 32431 億円 44.8% 主要製品分野 アドヴィックス 先進のブレーキシステムサプライヤー ボディ関連 情報関連他 住生活関連機器その他 19.4% アイシン高丘 鋳造部品のトップメーカー ブレーキブースター & マスターシリンダー ESC モジュレーター アイシン エーアイ MT のトップメーカー ブレーキ及びシャシー関連 アイシン エィ ダブリュ AT とカーナビのトップメーカー エンジン関連 ドライブトレイン関連 ブレーキディスクローター アイシン化工化成品 摩擦材 樹脂部品の専門メーカー SUS 鋳鉄複合エキゾーストマニホールド 前輪駆動車用 6 速 MT 後輪駆動車用 6 速 MT 塗布型制振材 セグメント湿式摩擦材 AWD8 速 AT カーナビゲーションシステム
1 3. アイシン精機概要 ( 単独 ) 5/20 自動車部品および住生活 エネルギー関連商品を通して豊かな社会づくりに貢献しています 自動車部品 ドライブトレイン関連 ブレーキおよびシャシー関連 ボディ関連 エンジン関連 情報関連他 住生活関連機器その他 単独売上高 81421 億円 ボディ関連 37.6% エンジン関連 15.7% ドライブトレイン関連 18.1% 15.2% ハ ワースライト ト アシステム / ハ ワーハ ックト アシステム ト アロック ハ ワーシート サンルーフなど ウォーターホ ンフ オイルホ ンフ インテークマニホールト 可変ハ ルフ タイミンク (VVT) など 商用車用オートマチックトランスミッション オートメーテット マニュアルトランスミッション クラッチテ ィスク / クラッチカハ ーなど ブレーキおよびシャシー関連 2015 年実績 電動アクティフ スタヒ ライサ ー エアサスヘ ンションシステム 電動チルト & テレスコヒ ックステアリンク コラムなど 情報関連他 8.0% インテリシ ェントハ ーキンク アシスト 駐車アシストシステム ト ライハ ーモニターシステムなど 5.4% 住生活関連機器その他 ヘ ット 寝装品 ミシン シャワートイレ カ スヒートホ ンフ エアコン (GHP) 電動車いすなど
2-1. アイシン連結環境の目指す姿 6/20 16.3.31 公表 4 つの環境軸で推進 第 6 次アイシン連結環境取組みプラン レベル 環境経営 次世代環境配慮製品 環境対策製品 販売サーヒ スオフィス 生産 2005 年 生産拠点海外 2008 年 自動車部品業界トッフ ランナー 非生産拠点 2010 年 自動車業界トッフ ランナー 2015 年時点 ~2020 年 産業界トッフ ランナー 範囲ク ローハ ル統一 第 6 次プランの特徴 目指すところ 確かなものづくりを通じて 地球環境への取り組みを進め社会と調和した成長と発展をめざします 1. 取組範囲 : 国内外 193 社 2.4 つの環境軸を中心に推進 3. 取り組み項目 19 項目
2-2. 環境取り組み活動 7/20 2020 年第 6 次アイシン連結環境取組みプラン 低炭素社会の構築 循環型社会の構築 自然共生社会の構築 1 化学物質管理の取り組み環境負荷物質の削減を推進 VOC( 揮発性有機化合物 ) の排出削減 全テーマ共通の基盤活動 本日のテーマ
3-1. 化学物質管理とは? 8/20 インプット どんな成分のものを どれくらいの量 どのように使用するか? 生産系化学物質管理 使用禁止物質化審法禁止物質 大気汚染防止法悪臭防止法化管法 PRTR VOC 対象 : 従業員 アウトプット どこからどこに どんな成分が どれくらいの量移動したか? 製品系 審査 労働安全衛生法毒劇法 消防法高圧ガス保安法 対象 : お客様 対象 : 地域住民 リサイクル法化管法 PRTR ELV RoHS REACH 規則 水質汚濁防止法悪臭防止法化管法 PRTR 土壌汚染対策法 廃棄物処理法化管法 PRTR 各国法規顧客要求 順守 ひとつの材料を購入して使用するには多種多様な法律に対応する必要がある PRTR : (PollutantReleaseandTransferRegister) 化学物質排出移動量届出制度 日本で1999( 平成 11) 年化管法により制度化 ELV : (End of Life Vehicles の略 : 廃棄車両 ) に関する欧州指令 RoHS : 電子 電気機器のSOC( 環境負荷物質 ) 使用を制限する欧州指令 REACH 規則 : ( 化学物質に関する 登録 評価 認可 及び 制限 に関する規則 ) の略 欧州における包括的な化学物質規制
3-2. 現状の把握 9/20 VOC 排出抑制を取組む第 1 段階として化学物質の情報管理が必要 自社で購入している材料 ( 種類 使用量 ) を管理 材料別の成分情報 使用条件 (VOCの排出係数等) を把握 取り扱う部署 材料種類などエクセルファイル管理でほぼ問題ないが 情報量が増えた場合には システム化検討も必要となる * 一般的には成分情報は SDS で入手 社内で購入材料の成分情報をデータベース化して化学物質管理するしくみが重要 SDS : 平成 23 年度までは一般的に SDS (Material Safety Data Sheet : 化学物質等安全データシート ) と呼ばれていましたが 国際整合の観点から 現在では SDS に統一 CAS No: 米国化学会の一部門である CAS(Chemical Abstracts Service) が運営 管理する化学物質登録システムから付与される化学物質に固有の数値識別番号
4-1.VOC とは? 10/20 VOC とは 経産省 HP より 揮発性有機化合物 (Volatile Organic Compounds) の略称で 一般的には塗料 印刷インキ 接着剤 洗浄剤 シンナーなどに含まれる 有機溶剤 などが該当します
4-2. 当社 VOC を排出している施設 11/20 ( 単位 : 設備数 ) 施設からの VOC 排出量 2014 年実績 20トン / 年以上 10トン / 年以上 5トン / 年以上 1トン / 年以上 1 塗装施設 乾燥施設 3 3 3 4 2 化学製品製造 0 0 0 0 3 工業用洗浄施設 乾燥施設 0 0 0 17 4 印刷施設 乾燥施設 5VOC 貯蔵施設 0 0 0 0 0 0 0 1 6 接着剤使用施設 乾燥施設 0 0 0 18 該当施設は すべて 1t 未満
4-3.VOC 排出抑制活動の経緯 12/20 1)VOC 排出量推移 総排出量 (t/ 年 ) 2020 年度排出量目標値 03 07 08 09 10 11 12 13 14 15 20 2) 活動 調査 新工法 材料代替化の確立 削減活動実施 増やさない活動へ移行 1 ヶ月毎 各部署の VOC 排出量を集計モニタリング管理
4-4.VOC 排出削減の考え方 13/20 材料の無駄を減らす 環境負荷物質を使用しない 出さない 青枠は本日事例紹介
5-1. 削減事例紹介 14/20 2 塗着効率向上 ねらい : 改善前 塗装治具の改良で製品間の隙間を減らし無駄な塗料損失を減らす ( 多数個一括処理 ) 改善後 15 個掛け 18 個掛け 改善前 ワーク 無駄 無駄 無駄 改善後 ワーク ワーク ワーク 無駄 無駄 効果 : 塗料使用量削減により VOC 排出量従来比 20% 削減
5-2. 削減事例紹介 15/20 4 スプレーガス削減 ねらい : 改善前 スプレー缶の噴射剤を圧縮空気に変更しブタンガス排出量を削減 改善後 ハード面 エアーガン 工場エアー 噴射剤入りスプレー 大量の場合エアガンによるスプレー 洗浄溶剤 ハード面 エアー充填スプレー 手動式でも OK 少量の場合エアカートリッジによるスプレー 洗浄溶剤 工場エアー 効果 : 圧縮エアー使用により スプレー洗浄剤の VOC 排出量従来比 24~46% 削減
5-3. 削減事例紹介 16/20 6 使用工程の密閉 ねらい : 改善前 塗装設備の囲いパネルを小型化し 排気ダクト風量を調整し溶剤蒸発速度を抑制 ハード面 改善後 溶剤の蒸発するエリアを縮小 ソフト面 排気ダクトの風量適正化 効果 : 設備のコンパクト化 排気風量適正化 ( 抑制 ) により接着剤塗布時 VOC 排出量従来比 18% 削減
5-4. 削減事例紹介 17/20 78 溶剤回収 リサイクル ねらい : 洗浄溶剤の交換タイミング適正化および リサイクル装置導入により溶剤回収 ハード面 密閉状態で廃溶剤をリサイクル 浴槽に蓋 ソフト面 溶剤更新サイクルを見直し 2 ヶ月 3 ヶ月 / 回 洗浄性試験を実施し検証 廃溶剤回収 廃液を密閉状態で保存 リサイクル溶剤は汎用洗浄溶剤として再利用 効果 : 溶剤回収再生利用により 洗浄溶剤の VOC 排出量従来比 48% 削減
5-5 削減事例紹介 ⑨排ガス除去装置 18/20 燃焼法(その他) ねらい VOC防除装置を新たに導入せず既存のコージェネレーションでVOC含有排気ガスを燃焼 VOC設備の専用排気ダクトを増設 安全性 耐久性等の事前検証を実施し 通常運転 されているコージェネレーションの空気取入口から 希薄VOCの排気ガスを取り入れ燃焼させる 効果 コージェネレーションでVOC含有排気ガスを燃焼させることにより VOC排出量従来比 95 削減
5-6. 削減事例紹介 19/20 9 排ガス除去装置燃焼法 ( エネルギー削減 ) ねらい : VOC 削減と CO2 削減を両立し環境負荷を減らす 自社の工程を十分に調査し VOC 排出状態に合わせた設備選定 安全性 耐久性等の事前検証を実施し 希薄 VOC の排気ガスを燃焼させ 浄化空気をリユースすることにより空調エネルギーを削減 効果 : VOC を濃縮 燃焼により排出量従来比 93% 削減 空気リユースで CO2 排出量 200t/ 年削減
6.VOC 削減活動に向けて 20/20 1VOC 削減活動の第一歩は購入材料の成分情報管理が重要 2 無駄な材料の使用削減を実施することにより 生産コスト VOC 削減が見込めるため 地道な活動が必要 3 環境負荷物質含有量が少ない材料に変更する場合 他法規の改正による材料変更や VA 材料提案時に折り込むと進めやすい 4 防除装置等でVOC 排出を抑制する場合 対策コストが高額になるため長期計画に盛込んで進めることが必要