第8章安全管理1 1 級土木 施工管理技士 テキスト
第 1 章土工 7 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 8 11 14 18 21 23 25 27 30 32 34 37 第 2 章コンクリート工 47 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 48 50 53 56 58 60 63 66
9. 10. 11. 12. 13. 69 75 79 83 87 第 3 章基礎工 93 1. 2. 3. 4. 5. 94 97 109 113 117 第 4 章 法規 119 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 120 128 136 146 152 156 161 167 174
第 5 章共通工学 179 1. 2. 3. 180 191 199 第 6 章施工計画 203 1. 2. 204 214 第 7 章工程管理 221 1. 2. 3. 4. 5. 6. 222 223 226 230 232 242 第 8 章安全管理 245 1. 2. 246 249
第 9 章品質管理 271 1. 2. 3. 4. 5. 272 281 282 283 286 第 10 章環境保全対策 295 1. 296
第 1 章 土木 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 土の判別分類土質試験原位置試験土の締固め土量変化率盛土材料と地山掘削盛土基礎地盤のり面保護工地下排水工法建設機械の適応条件締固め機械の適応条件軟弱地盤対策工法
土の判別分類 1 1 土の判別分類のための試験 1 土を判別分類し 土の概略の性質を把握するために 下表に示す試験により 土の 密度 含水比 粒度 コンシステンシー等を調べる 表-1 土の判別分類のための試験 試験の名称 含水量の判定 JIS A 1203 湿潤密度の判定 試験結果から求められるもの 含水比 湿潤密度 乾燥密度 土粒子の密度の規定 JIS A 1202 土粒子の密度 間隙比 飽和度 空気間隙率 相対密度の測定 粒度試験 JIS A 1204 ふるい分析 沈降分析 最大間隙比 相対密度 粒径加積曲線 有効径 均等係数 コンシステンシー試験 液性限界 液性限界の測定 JIS A 1205 塑性限界 塑性限界の測定 JIS A 1206 塑性指数 W ρt 試験結果の利用 土の締固め度の算定 ρt ρd e Sr 粒度 間隙比 飽和度 空気間隙 率の計算 va emax Dr D10 Uc WL WP IP 自然状態の粗粒土の安定性の 判定 粒度による土の分類 材料とし ての土の判定 塑性図による粗粒土の分類 自然状態の細粒土の安定性の 判定 2 細粒土 シルト以下の細粒分の含有量が 質量比で50 以上 は 含水比によってそ の性質が大きく変わるのでコンシステンシー試験 液性限界 塑性限界等 によっ てその影響を調べる 3 土のコンシステンシーとは 水の多少による柔らかさの程度を言う 細粒土は 含水比が大きいときは液状となり流動性を帯び 含水比の減少につれ液 性状となり やがて固体状になる WL 土が自重で流動するときの含水比 盛土の安定の判断に利用 ① 液性限界 大きくなるにつれて圧縮性が増加 WP 土が塑性を示す最小の含水比 材料土の適否の判断に利用 ② 塑性限界 Ws 体積収縮が完了した時の含水比 土の凍結性の判定に利用 ③ 収縮限界 IP IP WL WP 土の取扱いの判断に利用 ④ 塑性指数 塑性指数は 高いほど吸水による強度低下が著しい 8
図 -1 土の含水比と体積の関係 IP 第1章土工9
1. 2. 3. Ip 4. 3 Ip 0 10
1 第1章 土 工 土質試験 2 土の力学的性質を求める試験 1 土が外力を受けると 土中にせん断応力が発生する 土中のせん断応力がせん断抵 抗を超えると すべり破壊が起こる 土中の最大せん断抵抗をせん断強さsといい せん断試験により求める 表-2 土の力学的性質を求める試験 試験の名称 試験結果から求められるもの 試験結果の利用 せん断試験 JIS A 1216 直接せん断試験 一面せん断試験 せん断抵抗角 粘着力 φ c 基礎 斜面 擁壁などの安定計算 一軸圧縮試験 一軸圧縮強さ qu 細粒土の地盤の安定計算 粘着力 鋭敏比 せん断抵抗角 粘着力 三軸圧縮試験 e-logp 曲線 圧縮係数 圧密試験 JIS A 1217 c k φ c ac 体積圧縮係数 mv 透水係数 圧密係数 k cv 圧縮指数 粘土層の沈下量の計算 Cc 粘土の透水係数の実測 粘土層の沈下速度の計算 k 透水関係の設計計算 透水試験 JIS A 1218 透水係数 締固め試験 JIS A 1210 含水比 乾燥密度曲線 最大乾燥密度 ρdmax CBR試験 JIS A 1211 CBR値 最適含水比 細粒土の構造の判定 Wopt 路盤及び盛土の施工方法の決 定 施工管理 相対密度の計算 たわみ性舗装厚さの設計 2 CBR試験は 所定のモールドで土試料を突固め 突固めた土試料に貫入ピストンを 2mm圧入するときに要する荷重強さ MN/m2 と標準荷重強さ 6.9MN/m2 との比 を求め これにより地盤の支持力の算定及びたわみ性舗装の設 によりCBR値 計等を行う なお 荷重強さとは 単位面積当たりに作用する荷重をいう CBR 貫入に要した荷重強さ MN/m2 100 標準荷重強さ 6.9MN/m2 11
12 図 -2 CBR 試験
1. 2. 3. 4. 2 13 第1章土工
原位置試験 3 1 主な原位置試験 表-3 土工の調査に用いる主な原位置試験 試験の名称 試験結果から求められるもの 弾性波探査 地盤の弾性波速度 電気探査 地盤の比抵抗値 単位体積質量試験 JIS A 1214 標準貫入試験 JIS A 1219 スウェーデン式サウンディング JIS A 1221 湿潤密度 乾燥密度 V 試験結果の利用 地層の種類 性質 成層状況の推定 地下水の状態の推定 ρt ρd 締固めの施工管理 試験法 砂置換法またはカッター法 N値 土の硬軟 締り具合の判定 Wsw及びNsw値 土の硬軟 締り具合の判定 オランダ式二重管コーン貫入試験 コーン指数 qc 土の硬軟 締り具合の判定 ポータブルコーン貫入試験 コーン指数 qc トラフィカビリティーの判定 ベーン試験 粘着力 c 細粒土の斜面や基礎地盤の安定 計算 平板載荷試験 JIS A 1215 地盤係数 K 締固めの施工管理 現場透水試験 透水係数 k 透水関係の設計計算 地盤改良工法の設計 2 各種サウンディング 1 標準貫入試験 サウンディングの中では最も良く使 われている方法で ボーリングと併 用して実施されるので地層の判別も 容易である この試験は ボーリング ロッドの先端にサンプラーを取り付 け 63.5±0.5kgのハンマを76±1cm 自由落下させてボーリング孔先端地 盤中のサンプラーを30cm貫入させ るのに要する打撃回数 N値 を求め るもので 地層の判別や硬軟の判定 に利用される 一般に N値が5以下の 地層を軟弱層 20以上を良好な地盤 とみなす 支持層は砂質土 30 N 粘 性土 20 N 14 図-3 標準貫入試験 サウンディング
第1章 土 工 2 スウェーデン式サウンディング この試験は 荷重による貫入と回転貫 入を併用した原位置試験で 専用ロッ ドの先端にスクリューポイントを取り 付け 静的荷重を50Nから1KNまで順 次かけ地盤中に貫入させてその時の荷 重と貫入量の関係を記録する 1KNの 荷重をかけても貫入しなくなったとき はロッドを回転させて さらに25cm貫 入させるのに要する半回転数を記録す る この時の貫入量と半回転数の関係 から静的貫入抵抗を求め 土の硬軟や 締り具合を判定するために用いる 図-4 スウェーデン式サウンディング 3 ポータブルコーン貫入試験 底断面積 ロッドの先端に先端角30 6.45cm2の コ ー ン を 装 着 し た ハ ン ド ルの付いた貫入棒を1cm/secの速さで 人力により地中に貫入させ その時の コーン貫入抵抗から単位面積当たりの 貫入抵抗値を求めてコーン指数を求め る試験である この試験は コーン指数 により施工機械のトラフィカビリティ 走行性 の判定や 比較的浅い層の軟 弱地盤の土質調査などに用いられる 4 オランダ式二重管コーン貫入試験 図-5 ポータブルコーン貫入試験 コーンペネトロメータ この試験は 周面摩擦を取り除くため に二重管にしたロッドに 先端角60 断面積10cm2のマントルコーンを取り 付け 静的荷重によりマントルコーン を5cm貫入させたときの圧入力を測定 して コーン貫入抵抗 KN/m2 を求め るもので 土の硬軟 締り具合や土層の 構成を判定するために用いられる こ の試験は 圧入装置によりコーンを貫 入させるため比較的固い地盤 N値30 程度 にも適用できるが 装置が大掛か りで機動性に欠ける 図-6 オランダ式二重管コーン試験 15
5 ベーン試験 十字型の羽根 ベーン をロッドの先端に取り付けて地盤中に押し込み ロッドを 回転させてベーンが地盤をせん断するときのロッドのトルクから土の粘着力 c を求める 粘着力は軟弱地盤を判定するために用いられるほか 細粒土の斜面や基 礎地盤の安定計算などにも用いられる 図-7 ベーン試験 6 平板載荷試験 地表面におかれた直径30cmの鋼製円盤に段階的に荷重を加えていき 各荷重に対 する沈下量を測定して地盤反力係数 支持力係数または支持力値ともいう K値 を求める試験である この試験は道路の舗装の設計に必要な路床 路盤の地盤係数 の測定や盛土の締固め管理の試験に用いられる 図-8 平板載荷時試験 16
1. 2. 3. 4. 4 17 第1章土工
土の締固め 4 1 土の締固め及び土のせん断強さ 1 土粒子の間隙には 水と空気が含まれている 間隙から水と空気を追い出すと体積 が小さくなり密度が大きくなる 砂質土と飽和粘性土では この現象に大きな違い がある 砂質土では透水性が高いため 短時間で体積の減少が終了するが 飽和粘 性土では透水性が低いので 水の排水に時間がかかり体積の減少が遅れる 間隙中 の空気を追い出すことを締固め 間隙中の水を追い出すことを圧密といい 両者を 区別する 2 締固めエネルギーを大きくすると乾燥密度は大きくなるが 最適含水比は小さく なる 施工含水比は 締固め度の基準値が得られる範囲で 図-8に示すように 最適 含水比WoptからW2の範囲とする 図-9 締固め曲線 3 締固められた現場の土の密度 単位体積質量 試験は 次の方法で求める ① 砂置換法 現場密度を測定するために掘った穴の中に 乾燥砂を満たし 穴の体 積を求める方法 ② カッター法 土中にカッターを圧入し 土の試料を抜取り 取出した試料から土 の密度を測定する方法 ③ RI ラジオアイトソープ 法 ガンマ線密度計及び中性子水分計により密度およ び含水比を測定する方法 2 土の締固めの規定 1 品質規定方式 盛土に必要な品質を仕様書に明示し 締固めの施工法については施 工業者にゆだねられるものである 従って 締固め度 空気間隙率 土の強度などの 18
第1章 土 工 品質は 発注者が仕様書で規定する 最大乾燥密度 最適含水比を規定する方法 ① 乾燥密度による規定 締固め度Cd 現場における締固め後の乾燥密度 100 室内締固め試験の最大乾燥密度 乾燥密度による規定は最も一般的な方法で 締固め度は道路盛土で85 90 河川堤防で85 以上及び施工含水比は最適含水比を基準とした範囲内にある ことを規定したものである この規定は 自然含水比が施工含水比の上限を超え る粘性土には適用しにくい ② 空気間隙率または飽和度による規定 締固めた土の品質を確保する条件として 空気間隙率 10 20 以下 飽和度 85 95 以上 を規定する方法である 上 記①の乾燥密度による規定が困難な自然含水比の高い粘性土に適する 土の強度 変形特性を規定する方法 締固めた盛土の強度ある ③ 強度特性規定 いは変形特性を貫入抵抗 現場CBR 値 支持力 地盤係数 プルーフローリン グによるたわみなどの値によって規定する方法である 管理及び計算が簡単で あり 水の侵入による軟化 膨張 強度低下などの起こりにくい安定した盛土材 料 岩 玉石 砂等に適する 3 工法規定方式 工法そのものを仕様書に規定する方式である ① 締固め機械 回数の規定 ② 巻出厚等の施工方法の規定 表-4 土の締固め規定 締固めの規定 適性材料 規定 ① 乾燥密度による規定 粘土 シルト質土 締固め度 Cd ② 空気間隙率または飽和度によ る規定 高含水比材料 空気間隙率 Va ③ 強度特性による規定 玉石 砂利 砂 砂質土 CBR値 K値 貫入量 ④ 工法規定 岩塊 玉石 機種 転圧回数 飽和度 Sr 19
1. 2. 3. 4. 2 20