平成21年度 介護サービス事業者における事故発生状況

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まちの新しい介護保険について 1. 制度のしくみについて 東温市 ( 保険者 ) 制度を運営し 介護サービスを整備します 要介護認定を行います 保険料を徴収し 保険証を交付します 東温市地域包括支援センター ( 東温市社会福祉協議会内 ) ~ 高齢者への総合的な支援 ( 包括的支援事業 )~ 介護予

2 居宅サービス事業所の状況

1102 請求誤りによる実績取り下げ 1109 時効による保険者申立ての取り下げ 1112 請求誤りによる実績取り下げ ( 同月 ) 1129 時効による公費負担者申立ての取り下げ 1142 適正化 ( その他 ) による保険者申立の取り下げ 1143 適正化 ( ケアプラン点検 ) による保険者申

2. 経口移行 ( 経口維持 ) 加算 経口移行 ( 経口維持 ) 計画に相当する内容を各サービスにおけるサービス計画の中に記載する場合は その記載をもって経口移行 ( 経口維持 ) 計画の作成に代えることができる 従来どおり経口移行 ( 経口維持 ) 計画を別に作成してよい 口腔機能向上加算 口腔

2 経口移行加算の充実 経口移行加算については 経管栄養により食事を摂取している入所者の摂食 嚥 下機能を踏まえた経口移行支援を充実させる 経口移行加算 (1 日につき ) 28 単位 (1 日につき ) 28 単位 算定要件等 ( 変更点のみ ) 経口移行計画に従い 医師の指示を受けた管理栄養士又

平成 28 年度介護保険事業状況報告 ( 年報 ) のポイント 1 第 1 号被保険者数 (28 年 3 月末現在 ) (29 年 3 月末現在 ) 3,382 万人 3,440 万人 ( 対前年度 +59 万人 +1.7% 増 ) ( 単位 : 万人 ) 3,500 3,000 2,500 2,0

介護保険事業状況報告 ( 全国計 ) 第 1 表第 1 号被保険者のいる世帯数 ( 単位 : 世帯 ) 前年度末現在当年度中増当年度中減当年度末現在 23,856,459 1,319, ,241 24,261,177 第 2 表第 1 号被保険者数 ( 単位 : 人 ) 年齢区分 前年度

福祉用具貸与 介護予防福祉用具貸与 心身機能が低下した高齢者に 日常生活の自立を助ける用具をレンタルします 自 宅 に 住 ん で 自 宅 で 受 け る サ ー ビ ス ( 生活環境を整える ) 貸与品目 福祉用具購入費の支給 住宅改修費の支給 手すり スロープ 歩行器 歩行補助杖 車いす ( 付

平成18年4月制度改正にかかる請求明細書・給付管理票の記載例について

各論第 3 章介護保険 保健福祉サービスの充実

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Microsoft PowerPoint - 資料3 地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に.pptx

通常の届出に係る加算等のサービス種類算定の開始時期 定期巡回 随時対応型訪問介護 届出が毎月 15 日以前になされた場合には看護翌月から 複合型サービス( 看護小規模多 16 日以降になされた場合には翌々月から機能型居宅介護 ) 夜間対応型訪問介護 ( 介護予防 ) 認知症対応型通所介護 ( 介護予

( 参考 ) 身体拘束廃止未実施減算の適用について 1 身体拘束禁止規定について サービスの提供にあたっては 当該入所者 ( 利用者 ) 又は他の入所者 ( 利用者 ) 等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き 身体的拘束その他入所者 ( 利用者 ) の行動を制限する行為を行ってはな

特別養護老人ホーム 優雅 社会福祉法人 桜寿会 ( 特別養護老人ホーム優雅 ) 福島県南会津郡南会津町田島字北下原 111 番 TEL: FAX: ( 郡山オフィス ) 福島県郡山市菜根一丁目 22 番 10 号 T

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Microsoft Word - Ⅰ-7_(資料7)_留意事項_

= 掲載済 12 短期入所生活介護 (P107~P121) 13 短期入所療養介護 (P122~P131) 16 福祉用具貸与 (P153~P158) 17 (P159~P170) 18 入居者生活介護 地域密着型入居者生活介護 (P171~P183) 20 介護老人福祉施設 地域密着型介護老人福祉

介護報酬体系見直しの概要

区西北部圏域 豊島区 北区 板橋区 練馬区 1,000百万円未満 500百人未満 居住系 在宅 51% 在宅 71% 居住系 13% 大 中 施設 19% 施設 36% 凡例 円グラフの大きさ 小 東京都 1,000百万円以上 10,000百万円未満 10,000百万円以上 500百人以上 1,00

北多摩南部圏域 東京都 武蔵野市 三鷹市 府中市 調布市 施設 36% 小金井市 狛江市 凡例 円グラフの大きさ 1,百万円未満 延べ 5百人未満 施設 居住系 1% 在宅 51% 在宅 71% 居住系 13% 大 中 小 1,百万円以上 1,百万円未満 1,百万円以上 5百人以上 1,百人未満 1

6. 介護給付費等の過誤処理について

平成 25 年度福岡市介護保険事故報告書 平成 26 年 5 月 福岡市保健福祉局高齢社会部高齢者サービス支援課

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地域包括ケアシステムの構築について 団塊の世代が 75 歳以上となる 2025 年を目途に 重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう 医療 介護 予防 住まい 生活支援が包括的に確保される体制 ( 地域包括ケアシステム ) の構築を実現 今後

平成29 年度介護報酬改定による介護職員処遇改善加算の拡充について【介護保険最新情報Vol.580】(厚生労働省老健局振興課、老人保健課:H )

06 参考資料1 平成30年度介護報酬改定における各サービス毎の改定事項について

同一建物に居住する利用者の減算 特別地域加算 前年度の 1 月あたりの平均実利用者数の分かる書類 ( 地域に関する状況 ) 1 訪問看護ステーション ( 規模に関する状況 ) 前年度の 1 月あたりの平均延訪問回数の分かる書類 13 訪問看護 2 病院又は診療所 3 定期巡回 随時対応サービス連携

月額報酬対象サービス月途中の事由 区分変更( 要介護 1~ 要介護 5の間 要支援 Ⅰ 要支援 Ⅱ) 小規模多機能型居宅介護介護予防小規模多機能型居宅介護複合型サービス ( 看護小規模多機能型居宅介護 ) 区分変更( 要介護 要支援 ) サービス事業所の変更( 同一サービス種類のみ ) 事業( 指定

総合事業に係る Q&A 国 注意事項 備考欄には厚生労働省が作成した Q&A の参照先を記載しています 1 介護予防 日常生活支援総合事業ガイドライン案についての Q&A 9 月 30 日版 2 総合事業ガイドライン案に係る追加質問項目について ( 平成 26 年 11 月 10 日全国介護保険担当

月額報酬対象サービス月途中の事由 区分変更( 要介護 1~ 要介護 5の間 要支援 Ⅰ 要支援 Ⅱ) 小規模多機能型居宅介護介護予防小規模多機能型居宅介護複合型サービス ( 看護小規模多機能型居宅介護 ) 区分変更( 要介護 要支援 ) サービス事業所の変更( 同一サービス種類のみ ) 事業( 指定

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Ⅰ-9_(資料9)_月額包括報酬の日割り請求にかかる適用_

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2 5 ページ ( 第 1 号訪問事業 ) 訪問介護 : ロング ライフ訪問介護事業所 訪問型サービス費 1,168 月 訪問型サービス費 2,335 月 * 訪問型サービス費 (Ⅲ) 3,704 月 20 分未満 20 分以上 30 分未満 30 分以上 60 分未満 60 分以上 20 分以上

小規模多機能型居宅介護 介護予防小規模多機能 区分変更 ( 要介護 1~ 要介護 5 の間 要支援 Ⅰ 要支援 Ⅱ) 型居宅介護く ) 区分変更 ( 要介護 要支援 ) サービス提供日 サービス事業所の変更 ( 同一サービス種類のみ ) ( 通い 訪問又は宿泊 ) 事業 ( 指定有効期間 ) 受給資

4 小規模多機能型居宅介護 介護予防小規模多機能型居宅介護 通い を中心として 利用者の様態や希望などに応じ 随時 訪問 や 泊まり を組み合わせてサービスを提供することにより 在宅生活の継続を支援するサービスです 介護予防小規模対機能型居宅介護は 介護予防を目的とした小規模多機能型居宅介護で 要支

様式第九(附則第二条関係)

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Ⅰ-9_(資料9)_月額包括報酬の日割り請求にかかる適用_

法人等が当該都道府県内で実施する介護サービス 介護サービスの種類か所数主な事業所等の名称 所在地 < 居宅サービス > 訪問介護 訪問入浴介護 訪問看護 訪問リハビリテーション 居宅療養管理指導 通所介護 通所リハビリテーション 短期入所生活介護 短期入所療養介護 特定施設入居者生活介護 福祉用具貸

この面に介護保険被保険者証の写しを貼付してください 様式 1 裏面

介護保険施設等における利用者の安全確保及び非常災害時の体制整備の強化・徹底について

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平成30年度介護報酬改定における各サービス毎の改定事項について

平成19年9月19日

請求事業者保険者付費明者細)給欄象地特例対請求額集計欄様式第二 ( 附則第二条関係 ) 居宅サービス 地域密着型サービス介護給付費明細書 ( 訪問介護 訪問入浴介護 訪問看護 訪問リハ 居宅療養管理指導 通所介護 通所リハ 福祉用具貸与 定期巡回 随時対応型訪問介護看護 夜間対応型訪問介護 地域密着

小規模多機能型居宅介護介護予防小規模多機能型居宅介護複合型サービス ( 看護小規模多機能型居宅介護 ) 区分変更( 要介護 1~ 要介護 5の間 要支援 Ⅰ 要支援変更日 区分変更( 要介護 要支援 ) サービス事業所の変更( 同一サービス種類のみ ) 事業( 指定有効期間 ) 事業所指定効力停止の

01 表紙 老人保健課

正誤表

【最終版】医療経営学会議配付資料 pptx

目次 1. このマニュアルの主な目的 1 2. 事故 病状急変等を防止するための注意点 2 3. 事故 病状急変時及び急病等発生時の注意点 4 4. 管理者の日常の注意点と事故 病状急変時及び急病等発生時の対応 5 5. 事故 病状急変時及び急病等発生時の連絡体制 6 6. 災害 ( 火災 地震等

Microsoft Word 厚生労働省事務連絡(システム変更に係る参考資料その9)送付版

スライド 1

届出書 体制等状況一覧表 ( 別紙 1-3) の添付書類一覧 定期巡回 随時対応型訪問介護看護 中山間地域等における小規模事業所加算 11 月当たりの平均延訪問回算定表 前年度の 4 月 ~2 月分 緊急時訪問看護加算 特別管理体制 ターミナルケア体制 サービス提供体制強化加算 (Ⅰ) サービス提供

サービスの種類要支援 1 2 の方要介護 1~5 の方 3 訪問介護 ( ホームヘルプ ) 介護予防訪問介護 利用者が自力では困難な行為について 同居家族の支援や地域の支えあい 支援サービスなどが受けられない場合には ホームヘルパーによるサービスを行います ホームヘルパーが居宅を訪問し 入浴 排泄

4 介護支援専門員証の有効期間を更新するためには 所定の研修の受講が必要です 更新のために必要な研修を受講された人は研修を受講後 有効期間満了の 1 か月前までに様式第 4 号 介護支援専門員証有効期間更新交付申請書 を提出手数料として 香川県証紙 4,200 円分が必要 有効期間満了日までの 5

14 訪問リハビリテーション 31 居宅療養管理指導 15 通所介護 1 病院又は診療所 2 介護老人保健施設 3 介護医療院 4 通常規模型事業所 6 大規模型事業所 (Ⅰ) 7 大規模型事業所 (Ⅱ) 特別地域加算 中山間地域等における小規模事業所加算 ( 地域に関する状況 ) 中山間地域等にお

都市部の高齢化対策に関する検討会資料

医療事故防止対策に関するワーキング・グループにおいて、下記の点につき協議検討する

2 スプリンクラー設備の設置基準の見直し 消防法施行令第 12 条第 1 項関係 スプリンクラー設備を設置しなければならない防火対象物又はその部分に 次に掲げるもの 火災発生時の延焼を抑 制する機能を備える構造として総務省令で定める構造を有するものを除く で延べ面積が 275 m2未満のものが追加さ

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サービス提供体制強化加算に関する届出書 [ 定期巡回 随時対応型訪問介護看護事業所 ] 1 事業所名 平成年月日 2 異動区分 1 新規 2 変更 3 終了 3 届出項目 1 サービス提供体制強化加算 (Ⅰ イ ) 2 サービス提供体制強化加算 (Ⅰ ロ ) 4 研修等に関 1 する状況 3 サービ

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請求事業者保険者別付費明者細)給欄象地特例対請求額集計欄様式第二の二 ( 附則第二条関係 ) 公費受給者番号保険者番号被介護予防サービス 地域密着型介護予防サービス介護給付費明細書 ( 介護予防訪問入浴介護 介護予防訪問看護 介護予防訪問リハ 介護予防居宅療養管理指導 介護予防通所リハ 介護予防福祉

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12. 短期入所生活介護 107

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(2) 医療処置の状況 医療処置の状況で あてはまるものはない は 特養入所待機者が約 6 割 施設入所者が 7 割近くとなっている 医療処置が必要な場合は 褥瘡 ( 床ずれ ) の処置 ( 特養入所待機者 % 施設入所者 %) 胃ろう 経管栄養 ( 特養入所待機者 % 施設入所者 %) が挙げられ

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Microsoft Word - 04 Ⅳ章 doc

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Microsoft Word  第4第QA (2)

01 表紙 老人保健課 - コピー

第 2 章高齢者を取り巻く状況 1. 人口構成と高齢化の状況 本市の総人口をみると 平成 24 年は 53,334 人 平成 29 年は 53,952 人と年々増加しています また 年齢 3 区分別にみると 0~14 歳の年少人口及び 15~64 歳の生産年齢人口は減少傾向にあるのに対し 65 歳以

予定 地域密着型通所介護 に関する Q&A 通所介護事業所のうち 小規模な通所介護事業 ( 利用定員が 18 人以下の予定 ) については 平成 28 年 4 月 1 日から 地域密着型通所介護 として地域密着型サービスに移行することになりました つきましては その取扱いについてまとめましたので参考

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みえ働きやすい介護職場取組宣言事業所募集要項 1 事業概要 自ら職場環境の改善に積極的に取り組んでいる福祉 介護事業所を宣言方式で募集し 証明した事 業所の宣言内容等をホームページで公表することで 働きやすい介護職場の環境整備と介護職場に対 するイメージアップを図り 新規就労の促進 介護職員の定着な


2 従事者の態度 1 家族 要旨 看護師の発言への不満と褥瘡処置材料の入所者負担について 概要 母は要介護 5 先月 右膝横に表皮剥離があると連絡があった 表皮剥離はいつものことなので仕方がないと思っていたが 最近になって看護師から電話で 覚悟してください と言われた 意味を尋ねると 医師から足の切

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住所地特例に係る事務の見直しの概要について Ⅱ- 資料 2 本事務は 介護予防 日常生活支援総合事業の実施時期に係わらず 平成 27 年 4 月から 全ての市町村において必要な事務であるので 留意されたい 1. 平成 27 年 4 月からの住所地特例に係る事務の見直しの概要 住所地特例の対象施設にサ

Transcription:

平成 29 年度介護サービス事故発生状況報告 ( まとめ ) 本報告は 平成 29 年度中 (H29.4.1~H30.3.31) に介護保険の事業者において 介護サービスの利用中に発生した利用者等の事故について 事業者から鹿児島市に提出のあった 指定介護サービス事業者事故報告書 ( 以下 事故報告書 という ) の内容に関して集計を行ったものです 事故報告書は 事故が発生した場合に医療機関の受診を要したものなどを 介護サービス事業者から保険者である鹿児島市へ報告するものです したがって 本報告の集計値が介護サービス事業者において発生した事故のすべてに関するものではないことをご了承願います 1 平成 29 年度事故報告書受付件数計 1,204 件 (H29.4.1~H30.3.31 受付分 ) 2 サービス事業者ごとの事故報告件数 < 表 1> サービス事業者 ( サービス種別 ) 件数割合 訪問介護 7 0.6% 通所介護 ( デイサービス ) 139 11.5% 通所リハビリテーション 40 3.3% ショートステイ ( 特養 老健 療養型 ) 56 4.7% 特定施設入居者生活介護 59 4.9% 介護老人福祉施設 336 27.9% 介護老人保健施設 156 13.0% 介護療養型医療施設 5 0.4% 小規模多機能型居宅介護 34 2.8% 認知症対応型共同生活介護 ( グループホーム ) 335 27.8% 地域密着型特定施設入居者生活介護 7 0.6% その他 30 2.5% 表 1 は サービス事業者ごとに事故報告書の提出があった件数を集計したものです 集計結果によると 介護老人福祉施設 ( 特別養護老人ホーム ) が 336 件 (27.9%) と最も多く 次いでグループホームからの報告が 335 件 (27.8%) となっており 入所や入居して常時利用者を介護している施設や居住系サービス事業者からの報告を合計すると 898 件 (74.6%) となっています これらの事業者においては 複数の利用者を限られた職員数で 24 時間 365 日介護しているため 事故発生のリスクが多いものと考えられます - 1 -

3 事故発生時間帯別件数 < 表 2> 事故発生時間帯件数割合 0:00~3:00 73 6.1% 3:00~6:00 91 7.6% 6:00~9:00 167 13.9% 9:00~12:00 239 19.9% 12:00~15:00 178 14.8% 15:00~18:00 172 14.3% 18:00~21:00 134 11.1% 21:00~24:00 70 5.8% 時間帯が不明なもの 80 6.5% 発生時間帯の集計は 3 時間単位で集計を行っています 表 2 は 事故の発生状況を時間帯別に集計したものです 事故の発生時間帯別の件数を見ますと 9 時 ~ 12 時が 239 件 (19.9%) と最も多く 次に 12 時 ~15 時が 178 件 (14.8%) となっています 事故報告書の集計からは早朝から深夜帯までどの時間帯でも事故発生のリスクがあることがわかります なお 実際に事故が発生した時間が不明なものや単に時間帯の記載がないものは 時間帯が不明なもの として分類しています 4 事故発生場所別件数 < 表 3> 事故発生場所 件数 割合 (%) 居室 病室 542 45.0% 廊下 72 6.0% 食堂 69 5.7% 浴室 脱衣所 84 7.0% トイレ 84 7.0% ホール フロア リビング 166 13.8% その他施設内 69 5.8% 施設外 18 1.5% 乗降 乗車中 27 2.2% 自宅 22 1.8% 不明 48 4.0% その他 3 0.2% 表 3 は 事故の発生場所別に件数を集計したものです 事故発生場所の 45% が居室 病室となっています 自室内で ベッドからトイレ ( ポータブルトイレを含む ) への移動や車椅子等への乗り移りのときなどの転倒による事故や ベッド上での寝返りやベッドからの移動時の転落事故が多数報告されています 次に 施設内のリビングルームや大広間 ( ホール ) 等 レクレーションや休憩時間 移動中に足元がふらつき転倒したケースの報告が多くなっています また インフルエンザ感染など 発生場所を特定できない事例については その他 として 発生場所が不明な事例については 不明 として分類してあります - 2 -

5 事故発生場所と発生時間帯 ( クロス集計 ) < 表 4> 発生時間帯 発生場所 居室 病室 廊下 食堂 浴室 脱衣所 トイレ ホール リビ ング 0:00 ~ 3:00 54 10 0 0 5 2 0 0 0 2 0 0 73 3:00 ~ 6:00 71 5 0 0 9 3 3 0 0 0 0 0 91 6:00 ~ 9:00 88 10 20 1 16 16 9 1 1 0 3 2 167 9:00 ~ 12:00 52 14 10 62 13 45 11 3 14 8 7 0 239 12:00 ~ 15:00 41 14 20 11 21 35 24 4 3 0 5 0 178 15:00 ~ 18:00 52 10 13 10 8 39 14 5 9 10 2 0 172 18:00 ~ 21:00 82 6 6 0 7 22 6 2 0 1 2 0 134 21:00 ~ 24:00 56 3 0 0 5 3 2 0 0 0 0 1 70 時間帯不明 46 0 0 0 0 1 0 3 0 1 29 0 80 合計 542 72 69 84 84 166 69 18 27 22 48 3 1,204 表 4 は 事故の発生時間帯 < 表 2> と発生場所 < 表 3> をクロス集計したものです この表によると 居室内での深夜から朝方 (21 時 ~9 時 ) の時間帯で 269 件 ( 全体の約 22%) の事故が発生していることがわかります この時間帯は夜勤時間帯で職員数が少ない中で 利用者が夜中就寝の途中で目を覚ましトイレ等へ行こうとして転倒するケースや 職員が他利用者の介助中に ひとりで離床しようとして転倒するケースが多く報告されています ( 自室内のトイレ ポータブルトイレは 居室 病室 でカウントしています ) その他施設内 施設外 乗降 乗車中 自宅 不明 その他 計 6 事故の原因 < 表 5> 事故の原因件数割合 転倒 627 52.1% 転落 120 10.0% 誤飲 誤嚥 38 3.0% 交通事故 20 1.7% 感染 88 7.3% 介助時 107 8.9% 不明 94 7.8% その他 110 9.2% 表 5 は 事故の原因を集計したものです 夜間に利用者がひとりでトイレに行こうとして転倒するケースが最も多く報告されています 加齢により身体的機能が低下していることに加えて そのことを自覚していない場合に転倒の危険性が高まってくるようです 利用者一人ひとりの行動パターンについての情報をなるべく多く収集し できるだけ多くの職員間でその情報を共有することが必要であると思われます 次いで 転落事故が 120 件 (10.0%) あり ベッドや車イスからの転落が主なものになっていますが 事故報告書の内容から転倒にカウントしているものもあります また 原因が不明なものが 94 件 (7.8%) となっていますが 入浴時やオムツ交換のときに 身体の腫脹等に気付き 骨折の発見につながるケースなどがあります - 3 -

7 けが等の状況 < 表 6> けが等の状況件数割合 (%) 骨折 415 34.5% 打撲 捻挫 脱臼 186 15.4% 切り傷 裂傷 擦過傷 155 12.9% 皮膚剥離 43 3.6% やけど 6 0.5% 誤嚥 17 1.4% 行方不明 9 0.7% 内出血 53 4.4% 怪我 異常なし 107 8.9% 経過観察 58 4.8% その他 155 12.9% 表 6 は けが等の状況を集計したものです けが等の状況で最も多かったものは 骨折 で 415 件 (34.5%) となっています 骨折には至らなかったが 打撲や擦り傷 裂傷等受傷したものが合計で 341 件 (28.3%) となっており事故報告の約 7 割が何らかのけがに至っていることがうかがえます また 怪我 異常なし (107 件 (8.9%)) とあるのは 転倒 転落等により骨折や後遺症等が疑われるため医療機関を受診したが 精密検査の結果 医師から異常がない旨の診断を受けたものなどになります 8 けがの原因及びその状況 ( クロス集計 ) < 表 7> けがの原因 けが等の状況 骨 折 打撲 捻挫 脱臼 擦過傷 切傷 裂傷 皮 膚 剥 離 や け ど 転倒 277 129 97 8 0 0 0 25 49 23 19 627 転落 31 21 27 6 0 0 0 3 17 12 3 120 誤飲 誤嚥 0 0 0 0 0 16 0 0 3 11 8 38 交通事故 1 1 0 0 0 0 0 0 17 1 0 20 感染 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 88 88 介助時 39 15 12 14 1 0 0 10 5 2 9 107 不明 47 10 10 4 0 0 0 14 1 3 5 94 その他 20 10 9 11 5 1 9 1 15 6 23 109 合計 415 186 155 43 6 17 9 53 107 58 155 1,204 誤 嚥 行 方 不 明 内 出 血 怪我 異常なし 経 過 観 察 そ の 他 計 表 7 は 事故の原因 < 表 5> 及びけが等の状況 < 表 6> をクロス集計したものです この表から 高齢の利用者が転倒した場合 骨折の危険性が非常に高いことが伺えます ( 転倒の件数 627 件に対し 骨折が 277 件 (44.2%)) さらに 転倒した場合 打撲や裂傷等 何らかのけが等に至るケースが多い (627 件中 536 件 ) ことがわかります - 4 -

また けが等の原因自体が不明なものの 94 件中 47 件が骨折事故として報告されています 逆に 転倒や転落等何らかの原因で病院を受診したが 診断の結果 異常がなかったケースも 107 件ありました 事故発生時には 結果的に大事に至らなかった場合でも 病院受診を行い医師の診断を仰ぐなど日頃からのリスクマネジメントの徹底が重要なことがわかります 本市の事業者においては 事故発生時における適切な対応に対する意識の高さを感じることができました ( まとめ ) 事故報告書による平成 29 年度中の介護サービス事業者におけるサービス利用中の事故の発生状況としては 施設等利用者の居室内における転倒を原因とした骨折事故が最も多く報告されています これらの施設や居住系サービス事業所においては 365 日 24 時間にわたって常に事故発生のリスクが潜んでいることから 利用者の行動パターンをどのように把握し 転倒などの事故のリスクをどのように軽減するか 日頃から職員間で情報を共有することが重要であると思われます 事故報告書は 事業者の責任を追及するものではなく 事故が発生した際の対応やその後の同様の事故に対する事業所内での未然防止対策の検討 見直しを喚起することが最大の目的と考えます よって この 介護サービス事故発生状況報告 ( まとめ ) の結果を参考に 今後の事業者内におけるサービス提供の際の事故発生に係る未然防止対策となることを期待します - 5 -