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まえがき

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どのような便益があり得るか? より重要な ( ハイリスクの ) プロセス及びそれらのアウトプットに焦点が当たる 相互に依存するプロセスについての理解 定義及び統合が改善される プロセス及びマネジメントシステム全体の計画策定 実施 確認及び改善の体系的なマネジメント 資源の有効利用及び説明責任の強化

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品質マニュアル(サンプル)|株式会社ハピネックス

ISO 9001:2015 から ISO 9001:2008 の相関表 JIS Q 9001:2015 JIS Q 9001: 適用範囲 1 適用範囲 1.1 一般 4 組織の状況 4 品質マネジメントシステム 4.1 組織及びその状況の理解 4 品質マネジメントシステム 5.6 マネジ

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ISO 9001:2015 改定セミナー (JIS Q 9001:2015 準拠 ) 第 4.2 版 株式会社 TBC ソリューションズ プログラム 年版改定の概要 年版の6 大重点ポイントと対策 年版と2008 年版の相違 年版への移行の実務

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図表 11に都道府県別取得件数 ( 上位 10 位 ) を 図表 12に産業分野別取得件数 ( 上位主要産業分野 ) を 図表 13に産業分野別取得件数の推移を示します 産業分野別件数 ( 図表 12) では最も多いのが 建設 の15,084 件 次いで 基礎金属 加工金属製品 の6,434 件 電

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ISO/TC176/SC2/N1291 品質マネジメントシステム規格国内委員会参考訳 ISO 9001:2015 実施の手引 目次 1.0 序文 2.0 ISO 9001:2015 改訂プロセスの背景 3.0 ユーザグループ 4.0 実施の手引 4.1 一般的な手引 4.2 ユーザグループのための具

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組織 (organization) 自らの目的を達成するため 責任 権限及び相互関係を伴う独自の機能をもつ 個人 又は人々の集まり 注記 1 組織という概念には 法人か否か 公的か私的かを問わず 自営業者 会社 法人 事務所 企業 当局 共同経営会社 非営利団体若しくは協会 又はこれらの 一部若しく

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5. 文書類に関する要求事項はどのように変わりましたか? 文書化された手順に関する特定の記述はなくなりました プロセスの運用を支援するための文書化した情報を維持し これらのプロセスが計画通りに実行されたと確信するために必要な文書化した情報を保持することは 組織の責任です 必要な文書類の程度は 事業の

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目次 1. 一般 目的 適用範囲 参照文書 用語及び定義 内部監査 一般 内部監査における観点 内部監査の機会 監査室

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IAF ID 2:2011 Issue 1 International Accreditation Forum Inc. 国際認定機関フォーラム (IAF) IAF Informative Document ISO/IEC 17021:2006 から ISO/IEC 17021:2011 への マネ

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目次 0. 序文 適用範囲 引用文書 用語と定義 一般要求事項 法的及び契約上の事項 法的責任 認証の合意 ライセンス, 認証書及び適合マークの使用.

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する 2 利害関係者がこれを入手できる ISO14001 では利害関係者が入手可能なものとして 環境方針がある 環境方針と併せて利害関係者が要請した場合 渡すことが出来る状態にすることが必要である 一般的には自社のホームページに掲載していれば 誰でも入手可能な状態と言える (3) 環境マニュアルの例

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2 序文この規格は,2004 年に第 2 版として発行された ISO 14001:2004,Environmental management systems -Requirements with guidance for use を翻訳し, 技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工

目次 4. 組織 4.1 組織及びその状況の理解 利害関係者のニーズ 適用範囲 環境活動の仕組み 3 5. リーダーシップ 5.1 経営者の責務 環境方針 役割 責任及び権限 5 6. 計画 6.1 リスクへの取り組み 環境目標

4.4 マネジメントシステム プロセス 5 リーダーシップ 5.1 リーダーシップ コミットメント 組織の状況を考慮し リスク ( 不確かさに影響 ) 及び機会 ( 何かをするのによい時期 ) として取り組むことを決定した情報から適用範囲に含まれていない範囲が存在していませんか恣意的に限定した適用範

説明項目 1. 審査で注目すべき要求事項の変化点 2. 変化点に対応した審査はどうあるべきか 文書化した情報 外部 内部の課題の特定 リスク 機会 利害関係者の特定 QMS 適用範囲 3. ISO 9001:2015への移行 リーダーシップ パフォーマンス 組織の知識 その他 ( 考慮する 必要に応

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目 次 1. タムラグループの環境活動 1 2. グリーン調達基準 1 第 1 章総則 1 第 2 章取引先様への要求事項 3 第 3 章材料 部品等の選定基準 3 第 4 章取引先様への調査内容 4 附則 5

第 18 回 JAB/ISO 9001 公開討論会 2012 年 3 月 13 日 ISO 9001 認証の ブランド価値を高める 東京大学大学院飯塚悦功

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1 主要機関の情報 ISO 改訂に関する情報 ( 調べ ) (1)( 一社 ) 日本規格協会 (JAS) の情報 第 21 回 ISO/TC207( 環境管理 ) 総会報告

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3-2 環境マネジメント規格の制定・改訂の動き

目 次 目次は制定時に全面的に見直すページ 1. 適用範囲 6 2. 関係文書 (Related documents) 引用文書 (Normative documents) 認定の一般基準 認定の固有基準及び指針 認定の規則 関連文書 (R

何故 2 つの規格としたのですか (IATF 16949:2016 及び ISO 9001:2015)? 2 つの規格となると 1 つの規格の場合より, 読んで理解するのが非常に難しくなります 1 まえがき 自動車産業 QMS 規格 IATF と ISO との間で,IATF を統合文書と

図 1 プロセスを基礎とした品質マネジメントシステムの拡大モデル この規格は JIS Q 9001 との整合性を維持するように また その他のマネジメントシステム規格と両立するように作成されている これらの規格は 相互に補完し合うが 独立して使用することもできる 附属書 A は 組織がその強み 弱み

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統合化の概要次回の改訂時迄には ISO D Guide83 に沿って整合性を図った 要求事項の定義 要求事項タイトル 要求事項の順番 そして定期的な適切性や妥当性有効性等の強化を含む見直しによって追加補充や変更点への対応を含めた対応が必要とされるが 統合化の構成の概要は 以下の通りススムパートナーズ

薬食機発 0131 第 1 号平成 25 年 1 月 31 日 各都道府県衛生主管部 ( 局 ) 長殿 厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室長 薬事法に基づく登録認証機関の基準改正に伴う留意事項について ( その 2) 薬事法 ( 昭和 35 年法律第 145 号 以下 法 という )

ISO規格改正≪ISOご担当者様必携≫

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IAF 活動報告 公益財団法人日本適合性認定協会認定センター

1 監督 検査の意義監督 検査は 会計法 に基づき 契約の適正な履行を確保するための手段です 監督は 通常 製造又は役務の請負契約の履行過程において 必要な立会 工程管理 材料 部品等の審査又は試験 細部設計書の審査 承認等の方法により 検査では確認できない部分について 契約物品に対する要求事項が確

ISO 9001 ISO ISO 9001 ISO ISO 9001 ISO 14001

第16部 ソフトウェア・プロセスの改善

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1 適用範囲 2 引用規格 3 用語の定義 69の用語 4- 組織の状況新規 4.1- 組織とその状況の理解 [1] 2 組織は 組織組織の目的目的と戦略戦略の方向方向に関係する内外の課題課題を決定しなければならない これらの課題は 想定された結果を達成する上で品質マネジメントシステムの能力に影響す

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Copyright Compita Japan ISO33k シリーズとは? これまで使用されてきたプロセスアセスメント標準 (ISO/IEC 本稿では以降 ISO15504 と略称する ) は 2006 年に基本セットが完成し 既に 8 年以上が経過しています ISO

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説明項目 1. 審査で注目すべき要求事項の変化点 2. 変化点に対応した審査はどうあるべきか 文書化した情報 外部 内部の課題の特定 リスク 機会 関連する利害関係者の特定 プロセスの計画 実施 3. ISO 14001:2015への移行 EMS 適用範囲 リーダーシップ パフォーマンス その他 (

3 参照基準次に掲げる基準は この基準に引用される限りにおいて この基準の一部となる - プライバシーマーク付与適格性審査実施規程 - プライバシーマーク制度における欠格事項及び判断基準 (JIPDEC) 4 一般要求事項 4.1 組織 審査業務の独立性審査機関は 役員の構成又は審査業務

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1 BCM BCM BCM BCM BCM BCMS

ISO 制定 / 改訂の経緯 1996 年 : ISO 発行 (JIS Q14001 発行 ) 2004 年 : ISO 第 2 版発行 (JIS Q14001 発行 ) 2011 年 : ISO/TC207/SC1において 改訂を行うことを決定 2012 年 ~

再生材料や部品の利用促進を具体的に進めていることから その努力を示すものとして 本規格では マテリアルリサイクル及びリユースのみを対象としている 機器製造業者が直接その努力に関わるという 観点からも 本規格では 再生資源をマテリアルリサイクルのみに限定している Q5) 自らが資源循環利用をコントロー

文書管理番号

JISQ45100原案(本体)

プロジェクトマネジメント知識体系ガイド (PMBOK ガイド ) 第 6 版 訂正表 - 第 3 刷り 注 : 次の正誤表は PMBOK ガイド第 6 版 の第 1 刷りと第 2 刷りに関するものです 本 ( または PDF) の印刷部数を確認するには 著作権ページ ( 通知ページおよび目次の前 )

概要 このホワイトペーパー ( 白書 ) は 2014 年 5 月に発行された現在のドラフト版である ISO/ DIS9001 ( 以下 DIS9001) の内容に関する見解を述べたものです このホワイトペーパーは DIS9001 のすべての要求事項を完全に解説するものではなく DIS9001 で提

柔軟な文書化要求 それぞれの詳細説明は の ISO/FDIS14001:2015 規格説明会資料に譲りますが いずれもその考え方は既に ISO14001:2004 に含まれており 2015 年版への改訂に当たり EMS に関する 意図した成果 の達成に向けて IAF が強調しておきたいことを記載した

Transcription:

品質マネジメントシステム - 基本及び用語 JIS Q 9000 :2015 (ISO 9000:2015) (JSA) 平成 27 年 11 月 20 日 改正 日本工業標準調査会審議 ( 日本規格協会発行 )

日本工業標準調査会標準第一部会適合性評価 管理システム規格専門委員会構成表 氏名 所属 ( 委員会長 ) 棟近雅彦 早稲田大学 ( 委員 ) 阿部 隆 一般社団法人日本鉄鋼連盟 石飛博之 国立研究開発法人国立環境研究所 岩本佐利 一般社団法人日本電機工業会 大石美奈子 公益社団法人日本消費生活アドバイザー コンサル タント 相談員協会 太田秀幸 独立行政法人製品評価技術基盤機構 奥野麻衣子 三菱 UFJ リサーチ & コンサルティング株式会社 椛島裕美枝 イオン株式会社 木村昌司 一般社団法人日本建設業連合会 小林憲明 一般財団法人日本品質保証機構 ( 日本マネジメント システム認証機関協議会 ) 新見裕一 公益財団法人医療機器センター 水流聡子 東京大学 中川 梓 公益財団法人日本適合性認定協会 長谷川幸生 一般財団法人日本船舶技術研究協会 平岡靖敏 一般財団法人日本規格協会 二木幹夫 一般財団法人ベターリビング 細谷 恵 主婦連合会 松本芳彦 一般社団法人日本化学工業協会 矢野忠行 一般財団法人日本品質保証機構 (JIS 登録認証機関協 議会 ) 山田 秀 筑波大学 主務大臣 : 経済産業大臣制定 : 平成 12.12.20 改正 : 平成 27.11.20 官報公示 : 平成 27.11.20 原案作成者 : 一般財団法人日本規格協会 ( 108-0073 東京都港区三田 3-13-12 三田 MT ビル TEL 03-4231-8530) 審議部会 : 日本工業標準調査会標準第一部会 ( 部会長酒井信介 ) 審議専門委員会 : 適合性評価 管理システム規格専門委員会 ( 委員会長棟近雅彦 ) この規格についての意見又は質問は, 上記原案作成者又は経済産業省産業技術環境局国際標準課 ( 100-8901 東京都千代田区霞が関 1-3-1) にご連絡ください なお, 日本工業規格は, 工業標準化法第 15 条の規定によって, 少なくとも 5 年を経過する日までに日本工業標準調査会の審議に付され, 速やかに, 確認, 改正又は廃止されます

目次 ページ 序文 1 1 適用範囲 1 2 基本概念及び品質マネジメントの原則 2 2.1 一般 2 2.2 基本概念 2 2.3 品質マネジメントの原則 4 2.4 基本概念及び原則を用いた QMS の構築 発展 8 3 用語及び定義 10 3.1 個人又は人々に関する用語 10 3.2 組織に関する用語 11 3.3 活動に関する用語 13 3.4 プロセスに関する用語 15 3.5 システムに関する用語 16 3.6 要求事項に関する用語 18 3.7 結果に関する用語 20 3.8 データ, 情報及び文書に関する用語 23 3.9 顧客に関する用語 26 3.10 特性に関する用語 27 3.11 確定に関する用語 28 3.12 処置に関する用語 29 3.13 監査に関する用語 31 附属書 A( 参考 ) 概念の相互関係及び図示 34 参考文献 48 用語索引 ( 五十音順 ) 50 用語索引 ( アルファベット順 ) 54 解説 58 (1)

まえがき この規格は, 工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき, 一般財団法人日本規格協会 (JSA) から, 工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり, 日本工業標準調査会の審議を経て, 経済産業大臣が改正した日本工業規格である これによって,JIS Q 9000:2006 は改正され, この規格に置き換えられた この規格は, 著作権法で保護対象となっている著作物である この規格の一部が, 特許権, 出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意を喚起する 経済産業大臣及び日本工業標準調査会は, このような特許権, 出願公開後の特許出願及び実用新案権に関わる確認について, 責任はもたない (2)

日本工業規格 JIS Q 9000:2015 (ISO 9000:2015) 品質マネジメントシステム - 基本及び用語 Quality management systems-fundamentals and vocabulary 序文この規格は,2015 年に第 4 版として発行された ISO 9000 を基に, 技術的内容及び構成を変更することなく作成した日本工業規格である なお, この規格で点線の下線を施してある参考事項は, 対応国際規格にはない事項である この規格は, 品質マネジメントシステム (QMS) の基本概念, 原則及び用語を示しており, また, 他の QMS 規格の基礎となるものである この規格は, より効果的かつ効率的に QMS を実施し, 他の QMS 規格の価値を実現するために, 利用者が品質マネジメントの基本概念, 原則及び用語を理解するのに役立つことを意図している この規格は, 組織がその目標を実現するのを助けるために, 確立された品質に関する基本概念, 原則, プロセス及び資源を統合する枠組みに基づく, 明確に定義された QMS を示している この規格は, 組織の規模, 複雑さ又はビジネスモデルを問わず, 全ての組織に適用できる その狙いは, 製品及びサービスによって, 顧客及び利害関係者のニーズ及び期待を満たし, 満足を達成するという責務及びコミットメントに対する組織の認識を高めることにある この規格は,2.2 に規定した基本概念を支援する七つの品質マネジメントの原則を含んでいる 2.3 には, それぞれの品質マネジメントの原則に対して, 各原則の 説明, 組織がその原則に取り組む理由を説明する 根拠, その原則からもたらされる 主な便益, 及びその原則の適用に際し組織が 取り得る行動 を規定している この規格は, この規格の発効時点における,ISO/TC 176( 品質管理及び品質保証 ) によって作成された全ての品質マネジメント規格及び QMS 規格, 並びにそれらの規格に基づくセクター別 QMS 規格に適用される用語及び定義を含んでいる 用語及び定義は, 概念の順に配列し, 巻末には五十音順及びアルファベット順の索引を記載した 附属書 A には, 概念の順序を形成する一連の概念の体系図を示した 注記 ISO/TC 176 によって作成された QMS 規格に頻繁に用いられ, かつ, 特定の辞書的な意味をもつ幾つかの追加的な言葉の手引は, 次の URL に示された用語集にある http://www.iso.org/iso/03_terminology_used_in_iso_9000_family.pdf 1 適用範囲この規格は, 次の組織及び人に広く適用できる, 品質マネジメントの基本概念及び原則について規定する - 品質マネジメントシステムの実施を通して持続的成功を求める組織 - 要求事項に適合する製品及びサービスを一貫して提供するための組織の能力について, 信頼感を得よ