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Issue 1 Requirements for the Migration to Page 2 of 10 国際認定フォーラム (IAF) は IAF メンバーによって認定された適合性評価機関 (CAB) が発行する適合性評価結果が全世界で受け入れられるよう 認定機関 (AB) 間における相互承認協定を世界的規模で運用することによって 貿易を推進し 規制当局を支援している 認定は 認定された CAB が認定の範囲内において業務を行う能力をもつことを保証することによって 事業及びその顧客にとってのリスクを軽減する IAF メンバーである AB 及びそれらに認定された CAB は 適切な国際規格及びその一貫した適用のための該当する IAF 基準文書に適合することが要求される IAF 国際相互承認協定 (MLA) に加盟している AB は 認定プログラムの運用に信頼を与えるために 選任された相互評価チームによる定期的な評価を受ける IAF MLA の構造と範囲は IAF PR 4-Structure of IAF MLA and Endorsed Normative Documents に詳述されている IAF MLA は 5 つのレベルで構成されている レベル 1 は全ての認定機関に適用される基準 ISO/IEC 17011 を規定している レベル 2 の活動と 対応するレベル 3 の規準文書との組合せを MLA のメインスコープと称し レベル 4( 該当する場合 ) 及びレベル 5 の関連する規準文書の組合せを MLA のサブスコープと称する MLA のメインスコープは 例えば 製品認証のような活動と 例えば ISO/IEC 17065 などの関連する基準文書を含む メインスコープレベルにおける CAB による証明は 同等に信頼できると見なされる MLA のサブスコープは 例えば ISO 9001 などの適合性評価に関する要求事項と 該当する場合 例えば ISO TS 22003 などのスキーム固有の要求事項を含む サブスコープレベルにおける CAB による証明は同等と見なされる IAF MLA は 市場による適合性評価結果の受け入れに必要な信頼性を提供する IAF MLA 加盟認定機関に認定された機関によって IAF MLA の適用範囲内で発行される証明は 世界中で認知されることができ それによって国際貿易を推進する Issued: 18 January 2018 Application Date: March 2018, Issue 1 2018

Issue 1 Requirements for the Migration to Page 3 of 10 IAF 基準文書への序文 この文書で使用されている用語 should ( 望ましい ) は 規格の要求事項を満たすことの 認知された手段であることを示す 適合性評価機関 (CAB) は この要求事項を同等の方法で満たすことも それを認定機関 (AB) に対して実証できれば可能である この文書で使用されている用語 shall ( なければならない ) は 関連する規格の要求事項を反映したそれらの規定が強制されることを示す 労働安全衛生マネジメントシステム (OHSMS) の規格開発の背景 ( 注記 : 多くの国で 労働安全衛生 occupational health and safety 又は OH&S は 労働安全衛生 occupational safety and health 又は OSH と呼ばれるが これら 2 つの用語は同義である ) OHSMS の規格開発は 1990 年代前半に始まり 結果として 1996 年には BS 8800 が発行された 同年の ISO ワークショップでは OHSMS 国際規格を開発することが適切であるか否かが討議されたが 時期尚早であるという決定がされた OHSAS プロジェクトグループが 1990 年代後半に結成され OHSAS 18001 が 1999 年に OHSAS 18002 が 2000 年に発行された また 2000 年には AS/NZ 4801 も発行され 続く 2001 年には ILO の OSH ガイドラインが 2003 年には ANSI Z10 が発行されている 2007 年には OHSAS 18001 の改訂版が 2008 年には OHSAS 18002 の改訂版が発行されている ANSI Z10 は 2013 年に改訂された OHSAS 18001 の完全な著作権は OHSAS プロジェクトグループにあるものの 同グループは多くの国家標準化団体とロイヤリティーフリーのライセンス及び著作権について合意に至った これによって 国家レベルでの OHSAS 18001 の採用及び使用が後押しされ 様々な組織によるその実施が促進された それ以降 世界的な労働安全衛生文化の改善につながった OHSMS 国際規格開発に関する ISO の諮問が 2007 年に行われたが 再度 時機を見るという決定がされた 最新の OHSAS 規格及び認証調査 (2011 年のデータ ) によれば 127 か国が主に OHSAS 18001 の採用又は適応によって OHSMS 規格を使用しており この分野で国際規格が必要とされていることが示されている この結果を受けて 2013 年 3 月に新規規格提案が ISO に提出され これが ISO 45001 労働安全衛生マネジメントシステムー要求事項及び利用の手引の開発プロジェクトへと繋がった 立法機関 / 規制機関の中には その地域の法的枠組みの中で OHSAS 18001 に言及しているものもあり 移行 (migration) プロセスではこのことを考慮する必要があることに注意することが望ましい また OHSAS 18001 に類似しているものの完全に一致していない 他の OHSMS 規格を有する国も存在するが これらの規格はこの IAF 基準文書では含まれていない ISO による ISO 45001 開発プロジェクトは これらの規格との調和を取り ベストプラクティスを共有することを求めている Issued: 18 January 2018 Application Date: March 2018, Issue 1 2018

Issue 1 Requirements for the Migration to Page 4 of 10 目次 1. 序文... 5 2. 移行... 5 2.1 一般... 5 2.2 OHSAS 18001:2007 に対して認定された認証の有効性... 6 3. 認証及び認定に関与する利害関係者に対する特定のガイダンス... 6 3.1 OHSAS 18001:2007 を使用している組織... 6 4. IAF の移行要求事項... 7 4.1 OHSAS 18001:2007 から ISO 45001:2018 への認証の移行の実施... 7 4.2 認定機関及び認証機関に対する一般要求事項... 7 第 1 版作業 : IAF 技術委員会承認 : IAF メンバー発行日 : 2018 年 1 月 18 日問い合わせ先 : Elva Nilsen IAF Corporate Secretary 電話番号 : +1 613 454-8159 Email: secretary@iaf.nu 承認日 : 2017 年 12 月 27 日適用日 : 2018 年 3 月 Issued: 18 January 2018 Application Date: March 2018, Issue 1 2018

Issue 1 Requirements for the Migration to Page 5 of 10 OHSAS 18001:2007 から ISO 45001:2018 への移行 (Migration) に関する要求事項 1. 序文 この文書は OHSAS 18001:2007 から ISO 45001:2018 へ移行 (migration) するための要求事項を提供するものであり 国際認定フォーラム (IAF) によって OHSAS プロジェクトグループ及び ISO の協力で 利害関係者に対して 考慮を必要とする移行の取決めに関する助言を ISO 45001 を実行前に行うために用意されたものである この文書は 関連する利害関係者が考慮しなければならない活動を特定し ISO 45001 の内容の理解を深めるものである これらの移行要求事項は 同じ認証機関による OHSAS 18001:2007 から ISO 45001:2018 への移行にのみ適用される この文書によって利益を受ける関係する利害関係者には下記のものが含まれる i) OHSAS 18001:2007 認証を受けた 及び / 又は使用している組織 ii) 認定機関 (AB) iii) 認証機関 (CB) iv) 立法機関及び規制機関 v) 通商 / 契約 / 調達局 vi) 働く人 vii) 社会 2. 移行 2.1 一般 OHSAS プロジェクトグループは ISO 45001:2018 を完全にレビューし これを OHSAS 18001:2007 と置き換えることを追認している 従って ISO 45001:2018 が発行されたら OHSAS 18001:2007 の正式な状態は 3 年の移行期間を考慮して 廃止 されると考えられる このことは OHSAS プロジェクトグループによって OHSAS 18001:2007 を使用している NSBs( 国家標準化団体 ) 及び地域の法的枠組みの中で OHSAS 18001:2007 を採用していることが知られている立法機関 / 規制機関に通知される IAF OHSAS プロジェクトグループ及び ISO は ISO 45001:2018 の発行日から 3 年の移行期間に合意している 注記 : OHSAS 18001:2007 への参照は BS OHSAS 18001:2007 及び全ての同等の国家規格にも適用される Issued: 18 January 2018 Application Date: March 2018, Issue 1 2018

Issue 1 Requirements for the Migration to Page 6 of 10 IAF 決議 2016-15 が 2016 年 11 月 4 日にインドのニューデリーで開催された IAF 総会で可決され ISO 45001:2018 への 3 年間の移行期間が承認された IAF OHSAS プロジェクトグループ及び ISO は この移行プロセスについて必要なチャンネルを全て使って連絡することが計画されている 訓練パッケージ 普及啓発及びウェビナーは OHSAS 18001:2007 又は同等の国家規格に対して認証された既存の顧客に適切に通知し 新規格に移行することを奨励することを可能にするため IAF OHSAS プロジェクトグループ及び ISO のメンバーによって開発 実施されていることの事例である 2.2 OHSAS 18001:2007 に対して認定された認証の有効性 IAF は ISO 45001:2018 の移行期間終了後 ISO 45001:2018 で認定された認証の受け入れのみを促進する 移行期間中に発行された OHSAS 18001:2007 で認定された認証の満了日は 3 年間の移行期間の終了に対応していなければならない 注記 : 地域の法律 / 規制によって 認定された OHSMS 認証が要求され 当該法律 / 規制が ISO 45001 を参照するよう改訂されていない場合は BS OHSAS 18001( 又は同等の国家規格 ) の認定された認証の有効性は延長される場合がある 3. 認証及び認定に関与する利害関係者に対する特定のガイダンス 全ての組織にとって 必要とされる変更の程度は 現行のマネジメントシステム 組織構造及び慣習の成熟度及び有効性に依存する 従って 現実的な資源及び時間的関係を特定するため 影響分析 / ギャップ評価を実施することを強く推奨する 3.1 OHSAS 18001:2007 を使用している組織 OHSAS 18001:2007 を使用している組織は 下記の処置を取ることが推奨される i) ISO 45001 のコピー ( 又は 早期の計画作成及び適応が望まれる場合は 早期の FDIS のコピー ) を得る ii) 新しい要求事項を満たすために取り組む必要がある OHSMS のギャップを特定する iii) 実行計画の策定 iv) 全ての新しい力量ニーズが満たされ OHSMS の有効性に影響を与える全ての関係者の認識の形成を確実にする v) 既存の OHSMS を新しい要求事項を満たすように更新し 有効性を検証する vi) 該当する場合は 認証機関と移行の取決めの連絡をする Issued: 18 January 2018 Application Date: March 2018, Issue 1 2018

Issue 1 Requirements for the Migration to Page 7 of 10 注記 : 利用者は 国際規格草案 (DIS) 又はその後の国際規格 (IS) 前の草案段階の文書が作成された後 規格の作成に技術的な変更が起こる可能性があることを知っておくことが望ましい 組織は DIS 又はその後の IS 前の草案段階の文書で準備を開始できるが 技術的な内容が最終決定するまで つまり 国際規格最終草案 (FDIS) 段階に至るまで 又は規格が発行されるまで OHSMS の大きな変更は実施すべきではない 4. IAF の移行要求事項 4.1 OHSAS 18001:2007 から ISO 45001:2018 への認証の移行の実施 この文書は DIS 又はその後の IS 前の草案段階の文書の作成中に変更が起こり得ることを考慮して ISO 45001:2018 の新しい要求事項の早期計画及び採用を可能にすることを意図している DIS 又はその後の IS 前の草案段階の文書の作成中に 活動を計画することが奨励されるが 規格が発行されるまでは更なる技術的変更が起こり得るため 組織は注意を払うことが推奨される 認証機関は DIS 段階又は最新の IS 前の草案段階の文書の作成中に行われた全ての評価活動の記録を取り ISO 45001:2018 への移行審査時に完全な検証を実施しなければならない 4.2 認定機関及び認証機関に対する一般要求事項 4.2.1 認定機関 実施は 追加の審査時間が必要になる場合に注意して 可能な限り 通常の計画された活動の中で検証されなければならない 加速する時間枠の中で認定を要請する認証機関のため 追加の審査が必要となる場合がある 認定機関は 可能な限り早期に 移行の取決め及び要求事項を認定された認証機関に連絡しなければならない 移行の取決めには下記が考慮されることが推奨される i) 労働安全衛生リスクの管理の審査に関連する教育 訓練を含む 審査員及びその他の要員の教育 訓練と力量の確認 注記 : 認定機関は DIS 段階で教育 訓練を開始することが奨励されているが 最新の草案段階の文書と最終的に発行された規格との違いに対処するため 追加的な教育 訓練が必要となり得る ii) 認定機関は 新規格に対する認定をできるだけ早期に可能にするため DIS 又は最新の草案段階の文書の作成中に可能な限りの活動を実施するなど 使用できる時間を十分に活用できるよう 移行プログラムを作成しなければならない 草案文書の使用に関わるリスク 及び最終文書に関して見込まれる追加的な活動の必要性を認識すること Issued: 18 January 2018 Application Date: March 2018, Issue 1 2018

Issue 1 Requirements for the Migration to Page 8 of 10 iii) ISO 45001:2018 への移行を含む審査は 新規格の運用の結果として 認証機関が実施する変更に焦点をあてなければならない 要求事項の一貫した解釈 力量 報告 審査方法に関する一切の変更を第一に考慮することが望ましい 審査には 依頼者に対する移行に関連する認証機関の取決めのレビューも必要になる iv) 認定された OHSAS 18001:2007 認証書のみを発行する 認定された OHSAS 18001:2007 の認証機関について 認定機関は少なくとも 1 審査人 日の文書レビューを実施しなければならない a. レビューの結果が肯定的である場合 新しい認定証を発行してもよい b. 審査の結果が否定的である場合は 認定機関は追加的な評価が必要であるかを決定する ( つまり 追加の文書レビュー又は事務所審査又は認証機関が実施する審査への立会い ) 注記 1: 認定機関は ISO/CASCO WG48 が OHSMS の審査及び認証に固有の力量要求事項を含む ISO/IEC TS 17021-10 を開発中であることに留意することが望ましい 更に OH&SMS に関する新しい IAF MD が開発中であること これは全ての ISO 45001:2018 認定活動に使用されなければならないことに留意すること 4.2.2 認証機関 認証機関は DIS 段階から依頼者に説明を開始することが奨励され 要請があれば 依頼者のシステムと DIS のギャップ分析を開始することができる 認証機関は ISO 45001:2018 への移行審査の時に完全に検証をするために DIS 段階又は最新の IS 前の草案段階の文書の作成中に行われた全ての評価活動を記録しなければならない ISO 45001:2018 に対する認定された認証は 認証機関が新規格の認証を提供することに対し認定を受け ISO 45001:2018 への適合性を組織が実証した後でのみ発行されなければならない OHSAS 18001:2007 認証された組織との合意に基づき 認証機関は 移行活動を定期的なサーベイランス 再認証監査又は特別審査で実施することができる 移行審査が 計画されたサーベイランス又は再認証と連動して行われる場合 ( つまり 進行的又は段階的手法 ) ISO 45001:2018 によって示されている既存及び新しい要求事項をカバーするため 少なくとも 1 審査人 日を追加することが必要とされる 各依頼者及び移行審査は固有のものであり ISO 45001:2018 の適合性を十分に立証するために 審査工数は必要に応じて最小工数以上に増やすことを認識すること 認証機関は 移行の取決めをできるだけ早期に依頼者に連絡しなければならない これは DIS 又は最新の IS 前の草案段階の文書作成中に実施されることが推奨される 認証機関は 下記の事項に取組むために 移行計画を作成しなければならない i) 審査員及びその他の要員の教育 訓練と力量の確認 Issued: 18 January 2018 Application Date: March 2018, Issue 1 2018

Issue 1 Requirements for the Migration to Page 9 of 10 ii) 注記 1: 認証機関は DIS 段階で教育 訓練を開始することが奨励されているが 認証機関は 追加的な教育 訓練が DIS 又は最新の草案段階の文書と最終的に発行された規格との違いに対応するのに必要であるかもしれないことを認証機関は意識することが望ましい 注記 2: 認証機関は ISO/CASCO WG 48 が OHSMS の審査及び認証に固有の力量要求事項を含む ISO/IEC TS 17021-10 を開発中であることに留意することが望ましい 更に OH&SMS に関する新しい IAF MD が開発中であること これは全ての ISO 45001:2018 認定活動に使用されなければならないことに留意すること 依頼者との連絡に関する認証機関の取決め iii) 新規格への適合性の審査に関する認証機関の取決め 例えば 一回の訪問になるのか それとも段階的な方法をとるのか iv) 認証機関は 移行プロセスの間 顧客の OHSAS 18001:2007 への継続的な適合性をどのように確実なものとするのか v) 認証機関は DIS 又は最新の IS 前の草案段階の文書の作成中に行われた全ての評価活動の結果の利用をどのように計画するのか vi) ISO 45001:2018 発行から 3 年間に移行を完了できなかった依頼者に関して取られる処置 例えば 認証を回復させるために必要な審査のレベル また 下記も合わせて確実にしなければならない i) 新しい要求事項に適合するために依頼者の対応が必要な事項は 全て明確に特定した指摘事項として提起しなければならない ii) 特定された未解決の事項が全て適切に対応され マネジメントシステムの有効性が実証された時にのみ 審査員は 発行された ISO 45001:2018 に対する認証を推薦することができる iii) ISO 45001:2018 に対する認証のためのいかなる推薦が行われる前に 過去の移行審査における全ての指摘事項が是正処置及び適合性に関して評価されていることを検証する記録が利用できなければならない iv) 認証機関は移行段階において新しい要求事項への依頼者の適合性の評価が OHSAS 18001:2007 への継続的な適合を妨げないことを確実にしなければならない v) DIS 又は FDIS で評価活動が行われた場合 当該活動の有効性が決定プロセスで考慮されたことを確実にするためのレビューが意思決定者によって行われること vi) 全ての未解決の重大な不適合に対する処置が レビュー 容認 検証された後 そして 全ての軽微な不適合に対する依頼者の是正処置計画がレビュー 容認された後のみ ISO 45001:2018 に対する認証を発行する決定が行われなければならない 注記 : 全ての認定機関及び認証機関は 例え異なる規格に関連していても この移行プロセスにおいても考慮すべき非常に重要な AAPG 文書 ISO 9001:2015 への移行における AB 及び CAB の最適実施要領 を意識することが期待される この AAPG 文書は下記のサイトから無 Issued: 18 January 2018 Application Date: March 2018, Issue 1 2018

Issue 1 Requirements for the Migration to Page 10 of 10 料でダウンロードできる http://www.iaf.nu/articles/accreditation_auditing_practices_group_(aapg)/20). ISO 14001:2015 の移行に関する IAF ID 10 も 最適な実施要領に関して参照されることが望ましい OHSAS 18001:2007 から ISO 45001:2018 への移行 (Migration) に関する IAF 基準文書の終わり 追加情報 : この文書又は他の IAF 文書について追加の情報を必要とする場合 IAF メンバー又は事務局に連絡して下さい IAF メンバーの連絡先詳細については IAF ウェブサイト参照 - http://www.iaf.nu 事務局 : IAF Corporate Secretary, Telephone: 1 +613 454-8159 Email: secretary@iaf.nu Issued: 18 January 2018 Application Date: March 2018, Issue 1 2018