資料 2 国際宇宙ステーション (ISS) 計画概要 平成 26 年 4 月 23 日 ( 水 ) 文部科学省研究開発局 1

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資料1-3 国際宇宙ステーション(ISS)計画概要

回収機能付加型宇宙ステーション補給機 (HTV-R) 検討状況 1. 計画の位置付け 2. ミッションの概要 3. 期待される成果 4. 研究の進捗状況 5. 今後の計画 平成 22 年 8 月 11 日宇宙航空研究開発機構 (JAXA) 有人宇宙環境利用ミッション本部 委 29-4

第73回宇宙政策委員会

宇宙開発委員会 推進部会 GXロケット評価小委員会(第8回)議事録・配付資料 [資料8-1]

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資料12-1-1_国際宇宙探査協働グループ(ISECG)での調整状況

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「きぼう」組立第3便ミッション(2J/A)の結果及び若田宇宙飛行士の長期滞在任務完了について

40号表1

構成 1. ISECG 国際宇宙探査ロードマップの概要と現状認識 2. 国際宇宙探査に向けた準備シナリオ ( 案 ) 3. シナリオを達成するための主要課題 2

2017 年訪日外客数 ( 総数 ) 出典 : 日本政府観光局 (JNTO) 総数 2,295, ,035, ,205, ,578, ,294, ,346, ,681, ,477

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将来有人宇宙活動に向けた宇宙医学 / 健康管理技術 研究開発に係る意見募集 ( 情報提供要請 ) 2018 年 12 月 10 日国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構有人宇宙技術部門宇宙探査イノベーションハブ 1. はじめに JAXA 有人宇宙技術部門 ( 部門長 : 若田光一 ) では 将来有人探

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資料2  SJAC提出資料

第 2 節商業宇宙利用機会の拡大 第 条宇宙ステーションの商業化 (a) 政策 議会は 国際宇宙ステーション建設の第一の目的は 地球軌道空間の経済的開発であることを宣言する さらに議会は 自由な競争市場が経済開発促進のために最も効率的な条件を作り出し それゆえに地球軌道空間の経済開発を支

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資料9-5 イプシロンロケットの開発及び打上げ準備状況(その1)

H-ⅡA ロケット 第 1 段 第 2 段とも液体酸素と液体水素を推進薬に使用している 2 段式ロケット H-Ⅱ ロケットの開発により得られた技術を基に 信頼性を確保しつつ 低コスト化を実現 並びに固体補助ロケットや固体ロケットブースタを標準型に追加することで ラインアップ化を実現 打上げペイロード

10-11 平成26年度 予算(案)の概要

目次 1. 宇宙科学 宇宙探査の現状 課題及び今後の検討の方向 2. 国際宇宙ステーション (ISS) の現状 課題及び今後の検討の方向 3. 宇宙太陽光発電システム (SSPS) の現状 課題及び今後の検討の方向 ( 参考 ) 我が国の主要な宇宙科学 宇宙探査計画の概要 宇宙科学 1. 宇宙物理学

JNTO

資料 H3ロケットの開発状況について

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国民 1 人当たり GDP (OECD 加盟国 ) ( 付表 2)OECD 加盟国の国民 1 人当たりGDP(2002~2009 年 ) 2002 年 2003 年 2004 年 2005 年 1 ルクセンブルク 58,709 ルクセンブルク 59,951 ルクセンブルク 64,016 ルクセンブル

新たな宇宙基本計画に向けた提言

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Contents

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社会保障給付の規模 伸びと経済との関係 (2) 年金 平成 16 年年金制度改革において 少子化 高齢化の進展や平均寿命の伸び等に応じて給付水準を調整する マクロ経済スライド の導入により年金給付額の伸びはの伸びとほぼ同程度に収まる ( ) マクロ経済スライド の導入により年金給付額の伸びは 1.6

目次 2 1.JAXAに対する国の監督 (1) 中長期目標 中長期計画 2.JAXAに対する国の監督 (2) 宇宙諸条約の履行 3.JAXAに対する国の監督 (3) 打上げ 射場管理業務 4.JAXAによる安全審査の概要 5.JAXAに対する国の監督 (4) 衛星管理 データ配布 6. 宇宙活動法に

2017 電波産業調査統計

1

スライド 1

世界の宇宙システムの保有状況 自前の打ち上げ能力を有する国は 9 カ国 地域 自国の衛星を保有する国の数は 50 カ国以上 早期かつ効果的に通信インフラを整備したい新興国が増加を牽引 ロケット製造能力及び衛星保有国 ( 日 米 EU 露 中 印ウクライナ イスラエル イラン ) 衛星保有国 (50

付録1 宇宙ステーション補給機技術実証機(HTV1)プロジェクトの評価票の集計及び意見

1. 世界における日 経済 人口 (216 年 ) GDP(216 年 ) 貿易 ( 輸出 + 輸入 )(216 年 ) +=8.6% +=28.4% +=36.8% 1.7% 6.9% 6.6% 4.% 68.6% 中国 18.5% 米国 4.3% 32.1% 中国 14.9% 米国 24.7%

将来宇宙輸送システムの性能諸元 各国において使用目的に応じたシステム構想が検討され 実用化に向けた研究が進められている Launcher One ( 米国 ) Dream Chaser ( 米国 ) Reusable Falcon ( 米国 ) Lynx Mk III ( 米国 ) SKYLON (

2. 新体制における文部科学省の役割 16

付録4 各国の将来宇宙探査計画の動向

SpX-12 ミッションの飛行計画 項目飛行計画 ( 実績反映版 ) 打上げ日時 2017 年 8 月 14 日 12 時 31 分 ( 米国東部夏時間 ) 2017 年 8 月 15 日 01 時 31 分 ( 日本時間 ) 射場 ロケット NASA ケネディ宇宙センター (KSC) 39A 射点

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世界の将来宇宙輸送システムに関する動向 ( 米国 1/4) 米国において 民間企業により 再使用型ロケットや再使用型有人宇宙往還機の開発が進められている また 軍では再使用型無人宇宙往還機が運用されている Falcon9-R 2011 年 米 SpaceX 社は Falcon9 を再使用化する構想を

JAXA提出資料

宇宙で求められるリーダーシップ

2. 輸入動向 長崎税関は 輸入数量 輸入価額ともに全国第 2 位 (10 間 ) 過去 10 間の輸入動向を見ますと 輸入数量 ( ) は 33 個 ( 対前 10 比 15.4% 減 ) 輸入価額 ( ) は 791 億 32 百万円 ( 同 81.0% 増 ) でした このうち長崎税関の輸入数

タイトル

参考:労働統計機関一覧|データブック国際労働比較2018|JILPT

種子島作業スケジュール 第 38 回宇宙開発委員会 (10 月 27 日 ) での報告以降の射場作業の状況について報告する ( 点線枠 ) 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 打上げ (1/20) 筑波 種子島への輸送 搬入後点検 全機結合 現在 打上げ最終準備完了

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OECD生徒の学習到達度調査(PISA2012)のポイント|国立教育政策研究所 National Institute for Educational Policy Research

経営理念 宇宙と空を活かし 安全で豊かな社会を実現します 私たちは 先導的な技術開発を行い 幅広い英知と共に生み出した成果を 人類社会に展開します 宇宙航空研究開発を通して社会への新たな価値提供のために JAXAは 2003年10月の発足以来 宇宙航空分野の基礎研究から開発 利用に至るまで一貫して行

図 1 生徒の科学に対する態度 (2006 年 2015 年 ) ( 項目例 ) 科学の話題について学んでいるときは たいてい楽しい 科学についての本を読むのが好きだ 図 1 生徒の科学に対する態度 2 科学の楽しさ 指標 の変化 ( 項目例

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2. 産業の振興 (2/6) 多くの日本企業が関わる きぼう 日本実験棟の開発 運用 船内実験室 日本実験棟 きぼう の開発及び運用に関わった企業数は 国内約 650 社 ( ) きぼう の開発 運用への参画は 企業における高度かつ裾野の広い有人宇宙技術の習得に繋がり 結果 産業基盤の維持と成熟に大

1999

資料17-3_光データ中継衛星の検討状況について

【資料20-1-1】 宇宙探査技術の分析案_ b_set72

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したがって今回は 一昨年と昨年の続編として 宇宙の歴史 3 と題し 内容は継続発展させて ほぼ 同規模のオーガナイズドセッションを企画することで 宇宙の歴史に関する研究蓄積とともに情報交換 提供に貢献したいと考えている 内容 : 一昨年の 宇宙の歴史 では 総論や通史に関する講演が多く パネルディス

2. 測位衛星のシステム提供者 ( プロバイダー ) 間の国際協力の重要性現在 全地球規模 ( 全球型 ) のグローバルな衛星測位システム (GNSS) として 米国の GPS 欧州の GALILEO ロシアの GLONASS 中国の北斗の 4 システムが整備される予定である また 地域型のシステム

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我が国の宇宙技術の世界展開

第42回宇宙産業・科学技術基盤部会

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リサーチ Press Release 報道関係者各位 2015 年 7 月 29 日 アウンコンサルティング株式会社 世界 40 カ国 主要 OS 機種シェア状況 2015 年 6 月 ~ iphone 大国 日本 高い Apple シェア率 ~ アジア 8 拠点で SEM( 検索エンジンマーケティ

1.ASEAN 概要 (1) 現在の ASEAN(217 年 ) 加盟国 (1カ国: ブルネイ カンボジア インドネシア ラオス マレーシア ミャンマー フィリピン シンガポール タイ ベトナム ) 面積 449 万 km2 日本 (37.8 万 km2 ) の11.9 倍 世界 (1 億 3,43

コンピュータ使用型調査について 情報通信技術 (ICT) を切り離すことができない現代社会にあって生徒の知識や技能を活用する能力を測るため また よりインタラクティブで多様な文脈の問題を提示するため コンピュータ使用型調査に移行された 科学的リテラシーのみ シミュレーションが含まれた新規問題を出題し

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国立大学法人京都大学と独立行政法人宇宙航空研究開発機構との

中国の高等教育の発展状況 1. 中国では 1990 年代末から大学を大幅に拡充した 大学入学者の人数は 12 年間で 6 倍に増え 2010 年は 650 万人が入学した ( 日本の約 11 倍 ) 2. 大学院も同様に大幅拡充され 大学院に在学する学生の数は 2000 年以降 10 年間で6 倍

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58 図1スイスのコミュニティ計画案 丁 図2フランスのコミュニティ計画案 図3アメリカのコミュニティ計画案

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ドーハ ラウンド交渉の一分野である貿易円滑化については 平成 26 年 11 月のWTO 一般理事会において 貿易円滑化協定に関する改正議定書 が採択され 今後 3 分の2 以上の加盟国が受諾した時点で本協定は発効することになりました 各 WTO 加盟国がこの協定を実施することにより 貿易規則の透明

第40回宇宙産業・科学技術基盤部会

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Transcription:

資料 2 国際宇宙ステーション (ISS) 計画概要 平成 26 年 4 月 23 日 ( 水 ) 文部科学省研究開発局 1

構成 1. ISS 計画とは 2. 各極の役割分担 3. 各極の利用権 4. 共通的なシステム運用経費分担 5. 日本の責任と権利 6. ISSの運用期間 7. ISSを巡る各国の動向 参考 ISS 計画への投資額 我が国のISS 年間経費 2

1. ISS 計画とは (1/4) 宇宙ステーション計画は 1984 年にレーガン米大統領が提唱し 1988 年に日 米 欧 加の 4 極間で宇宙基地協力協定 (IGA) に署名して開始 1998 年から軌道上での建設着手 日本 米国 ロシア 欧州 カナダの世界 15 カ国が協力して 大規模な有人宇宙施設を建設し 運用 2011 年に完成 ロシア実験棟 居住棟 ISS 形態 太陽電池パドル ( 米国 ) 日本実験棟 きぼう 宇宙ステーション補給機 HTV 結合部 ( 米国 ) 欧州実験棟米国実験棟 HTV ロボットアーム ( カナダ ) 我が国の参加 進行方向 H-IIB ロケットによる HTV 打上げ 想像図 3

1. ISS 計画とは (2/4) - 経緯 - 1984 年 : 米国は 開発したスペースシャトルを利用するとともに 西側諸国の結束強化のため 6 月のロンドンサミットでレーガン米大統領が宇宙基地計画を提唱し 西側先進国に参加を呼びかけた 我が国としての参加を判断 ( 宇宙開発委員会宇宙基地計画特別部会で議論 ) 1JEM による予備設計段階への参加を提言 (1985 年 ) 2 宇宙ステーションの詳細設計段階以降における基本的考え方を提言 (1987 年 ) 1986 年 : ( スペースシャトルチャレンジャー号事故 ) 1988 年 : 日 米 ESA 加盟国 加の政府間で 宇宙基地の詳細設計 開発 運用及び利用段階における協力に関する宇宙基地協力協定 (IGA) に署名 1989 年 : 日本の国会で承認 批准 1993 年 : ロシアを宇宙ステーション計画へ招請し 1994 年に国際宇宙ステーション (ISS) 計画が誕生 1998 年 : ロシア参加の ISS 計画に関する政府間協定を国会で承認し 批准 1998 年 : 軌道上の組立て開始 2011 年 : ISS 組立完了 2000 年 : 宇宙飛行士が常時滞在 スペースシャトル退役 2003 年 : ( スペースシャトルコロンビア号事故 ) 2009 年 : 6 人体制開始 4

1. ISS 計画とは (3/4) - 枠組み (IGA/MOU)- ロシア カナダ 欧州 ESA 加盟国政府 ESA ロシア連邦政府 FSA NASA: 米国航空宇宙局 FSA: ロシア連邦宇宙局 ESA: 欧州宇宙機関 CSA: カナダ宇宙庁 MEXT: 文部科学省 JAXA: 宇宙航空研究開発機構 政府間協定 (IGA) ( 多極間 ) 米国 米国政府 NASA 了解覚書 (MOU) ( 二極間 ) カナダ政府 CSA 日本 日本国政府 (GOJ) MEXT 援助 MOU 等の実施について MEXT を援助 JAXA 欧州参加国 (11 カ国 ): ベルギー デンマーク スペイン フランス ドイツ イタリア オランダ ノルウェー スウェーデン スイス イギリス IGA(Intergovernmental Agreement): 民生用国際宇宙基地のための協力に関するカナダ政府 欧州宇宙機関の加盟国政府 日本国政府 ロシア連邦政府及びアメリカ合衆国政府の間の協定 (1998 年 ) 1 国際宇宙基地の詳細設計 開発 運用及び利用を行うことに関する参加主体 ( 各国政府 ) 間の長期的な国際協力の枠組み ( 権利及び義務を含む ) 及び民生用国際宇宙基地の計画について定める政府レベルの多数者間協定 2 日本は 日本国政府 ( 外務省 ) が署名し 同年 国会の承認を得て批准している ( 条約発効は2001 年 ) 3IGAには運用終了期限についての定めはない 4 脱退する場合には 全体的な計画の継続を確保するため 脱退の条件について参加主体間で合意に達するよう努力することとなっている MOU(Memorandum of Understanding): 民生用国際宇宙基地のための協力に関する日本国政府とアメリカ合衆国航空宇宙局との間の了解覚書 (1998 年 ) 1IGA を実施するために 米国の ( 実施責任機関 ) である NASA と各極のの二者間で締結した合意文書 2 日本は 日本国政府 ( 外務省 ) が署名し 本文書においてそのとして科学技術庁 ( 当時 ) を指定 科学技術庁を援助する機関として NASDA( 当時 ) を指定 3IGA 発効後 国内手続き完了の通告を経て 2001 年に発効 5

1. ISS 計画とは (4/4) -MOU 上の記述 - ISS 計画とは : (MOU 第 2 条 ) カナダ 欧州宇宙機関 (ESA) 加盟国 日本 ロシア及び米国の15カ国が 約 400kmの地球周回低軌道上に 常時有人で民生用の宇宙ステーションを 建設 運用 利用する長期的な国際協力事業 (ISS: International Space Station) ISS の能力 : (MOU 第 2 条 ) 1 科学的探究及び応用並びに新たな技術開発のための宇宙における実験室 2 地球 太陽系及び宇宙の他の部分を観測するための高傾斜角の軌道上の常設観測施設 3 搭載物及び運搬機の係留 組立て 整備及び目的地への展開を行うための輸送中継点 4 搭載物及び運搬機の保守 修理 補給及び改修を行うための役務提供能力 5 大型の宇宙の構造物及びシステムの組立て及び検証を行うための組立能力 6 商業上の可能性を増大させ 及び商業的な投資を促進する宇宙における研究能力及び技術力 7 消耗品 搭載物及び予備品の貯蔵庫 8 将来ミッション ( 例えば 常設月面基地 火星有人ミッション 惑星ロボット探査 小惑星有人調査 地球同期軌道上の科学 通信施設 ) のための中継基地など 6

2. 各極の役割分担 (1/4) 要素の提供と運用 参加各極は 役割に応じて ISS の構成要素及び必要な地上設備を開発 提供し それを運用する責任を有する (MOU 第 2 条 2 項 第 3 条 第 6 条 2 項 第 9 条 2 項 ) 役割 (MOU 第 2 条 2 項 ) 参加極提供要素 (MOU 第 3 条 ) ISSの基礎となる要素を実現 米国 多目的実験棟 トラス構造物 連結部 太陽電池パネル等 ロシアサービス棟 ( 居住機能等を提供 ) ロシア実験棟等 ISSの能力を著しく向上させる要素を実現 日本 日本実験棟 ( きぼう ) システム及び利用者用の補給運搬容器 ( こうのとり ) ESA ISS の不可欠な一部をなすのに貢献カナダロボットアーム等 与圧実験室 システム及び利用者用の補給運搬容器 軌道調整推力を提供する軌道上移動機 下線は ISS の基礎となる要素 :ISS 運用 利用を可能にするための資源 ( 電力 居住機能など ) を提供する要素 7