市場調査部レポートウィークリー アウトルック 米中貿易摩擦と日米通商協議 2018 年 8 月 3 日 ( 金 ) 発行 No.186 各通貨ペアの投資戦略については Weekly 投資戦略ガイド をご参照ください 原則 毎月曜 更新 ( 次回は 8 月 6 日 ) です ファンダメンタルズ <<

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当社が特許を取得しておりますオリジナル注文 トラリピ (特許番号 特許第 号)は 時間 や手間はかけない でもしっかり運用できる 注文手法として おかげさまで多くのお客様よりご支持を いただいております アイデアとテクノロジーでNIPPONの資産運用の未来を創る という当社の掲げる理

相場環境 5 月の重要なイベント スケジュールを以下に概観します (4 月 27 日南北首脳会談 ) 5 月 1 日 NAFTA 再交渉の暫定合意目標 ( 鉄鋼 アルミ関税猶予が期限切れ ) 1-2 日米 FOMC(5/23 に議事録公表 ) 8-10 日米四半期国債入札 ( 年債 )

また 23 日にはデットシーリング ( 債務上限 ) が復活します 当面 財務省が 奥の手 を使って資金をやり 繰りするので すぐに問題にはなりません しかし 18 年 3 月ごろには限界が来るとみられており その時点ま でにデットシーリングが引き上げられなければ デフォルト ( 債務不履行 ) の

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< 豪州債券市場の市況および今後の見通し > 2016 年の豪州債券市場では 金利が低下しました 年初から 2 月にかけては 中国株をはじめ世界の株式市場が下落するなど市場のリスク回避姿勢が強まる中 金利低下が進みました 1 月末に日銀のマイナス金利導入発表を受け 欧州など他国でもさらなる金融緩和期

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一部新興国市場が動揺 アルゼンチンは前四半期から経済危機に陥っていましたが トルコでは 6 月に再選された大統領が米国と対立したこと等を契機に 8 月に通貨が急落しました ブラジルや南アフリカ インドの通貨も下落が加速する局面が見られ 中国元も緩やかに値を下げました これまでのところ個別国の問題とい

株式市場 米国株 景気 企業業績は依然として堅調 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 貿易摩擦への懸念から下落米国株式市場は下落しました トランプ米大統領が鉄鋼やアルミニウムの輸入を制限する方針を表明したことから 世界的な貿易摩擦への懸念が高まり下落して始まりました その後 貿

FOMC 2018年のドットはわずかに上方修正

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りえない と明言しました こうした発言を受けて 国債利回りが改めて低下に向かうのか 9 月 日の次回会合に向けて追加 緩和期待が再び高まるのか その結果として円の上昇圧力が低下するのか 大いに注目されます 他方 米利上げ観測は低いままです FF レート ( 政策金利 ) 先物に基づけば

(2) 資産構成割合の推移 ( 給付確保事業 ) 1 資産配分実績の基本ポートフォリオからの乖離の推移 2 実践ポートフォリオと資産配分実績の推移 3. 運用受託機関 平成 29 年 3 月末現在 2

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<4D F736F F F696E74202D2090E695A C815B C838B A837E B5F959F896990E690B62E >

米国株 投資家心理が落ち着けば 上昇基調に回帰と想定 株式市場 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 長期金利の上昇を契機に急落米国株式市場は下落しました 月初に発表された1 月の雇用統計において 時間当たり賃金が市場予想を上回る伸び率となったことを受けて 長期金利が約 4 年ぶ

相場環境 8 月の為替相場は 夏枯れ だったかもしれません ただ ブルームバーグが集計する 16 通貨のなかで 円は対ドルでの実績変動率 (8/26 までの 1 か月間 ) が南アランドに次ぐ大きさでした ( 以下 ブラジルレアル ポンド NZ ドル 豪ドル カナダドル ユーロ等の順 ) 今後 1

1. 30 第 1 運用環境 各市場の動き ( 4 月 ~ 6 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは狭いレンジでの取引が続きました 海外金利の上昇により 国内金利が若干上昇する場面もありましたが 日銀による緩和的な金融政策の継続により 上昇幅は限定的となりました : 東証株価指数 (TOPIX)

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株式市場 米国株 トランプ氏の政策への期待感後退で調整も MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は上昇しました 11 月 8 日 ( 現地 ) に行われた大統領選挙でトランプ氏が当選し 減税やインフラ投資の拡大などの同氏の政策に注目が集まりました 債券市場では金利が上

1. 30 第 2 運用環境 各市場の動き ( 7 月 ~ 9 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは上昇しました 7 月末の日銀金融政策決定会合のなかで 長期金利の変動幅を経済 物価情勢などに応じて上下にある程度変動するものとしたことが 金利の上昇要因となりました 一方で 当分の間 極めて低い長

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ドル上昇トレンド 赤色スパンの向きは 上昇方向であり ドル長期上昇トレンドを示しています そして 買いシグナ ルが点灯していますが すでに 逆行パターン から 順行パターン に変化しています 遅行スパンは ゾーンやローソク足の上方を推移しており 長期的にも短期的にも ドル買い優勢 を示しています 尚

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株式市場 米国株 新政権の政策期待による上昇も一服 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は上昇しました ISM( 全米供給管理協会 ) 指数など月初に発表された経済統計がおおむね良好であったことを受け 月前半の株式市場は堅調に推移しました 月半ば以降は 高値警戒感な

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株式市場 米国株 国内の政策動向や海外の政治動向などに注目 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場はほぼ変わらずとなりました 月初には 2 月末のトランプ大統領の議会演説を好感して 株価は大幅上昇となりました しかし その後は 新政権の経済政策に対する期待が徐々に後退

サマリー 1 市場の関心は米大統領選の行方に集まっています 世論調査においてドナルド トランプ氏の優勢が報じられると 市場の更なる丌確実性が懸念され リスク資産からの資金流出が記録されました 10 月の MSCI 世界株価指数はマイナス 2.01% MSCI 新興国株価指数は 0.18% と新興国が

株式市場 米国株 高値警戒感の高まりなどから上昇一服も MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は上昇しました トランプ政権で閣僚などの人事において一部で混乱が見られましたが トランプ大統領の発言などにより減税 金融規制緩和などへの期待が高まったことや 発表された米国企

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( 平成 3 年 11 月 2 日 ) ユーロ / 円 ワイタ ーハ ント (25 日線 ) 3.% 7/ / ( 円 / ユーロ ) / / /15 7/13 8/1 9/7 1/5 11/

取引高について 2006 年の日経 225mini の開始以降 取引高は増加傾向 ( 単位 ) 300,000, ,000, ,000,000 日経 225mini 日経 225 先物 150,000, ,000,000 50,000,

気になるのは 2015 年 8 月の中国人民元切り下げのケースです 後に チャイナ ショック (*) と呼ばれましたが 人民元が切り下げられた 8 月 11 日と 12 日には VIX 指数はほとんど動きませんでした 人民元切り下げ ( 背景は ) 中国景気悪化 世界景気への懸念 から まず新興国市

株式市場 米国株 年末商戦や金利動向に注目 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米中首脳会談への期待から上昇米国株式市場は上昇しました 前半は中間選挙の結果が市場の事前想定通りとなったことなどから安心感が広がり株価は上昇しました 中旬では一部のハイテク企業が需要見通しを引き下げたこと

Economic Indicators_  定例経済指標レポート

為替相場展望2018年9月号

受益者の皆様へ 平成 28 年 2 月 15 日 弊社投資信託の基準価額の下落について 平素より弊社投資信託をご愛顧賜り 厚くお礼申しあげます さて 先週末 2 月 12 日 ( 金 ) 以下のファンドの基準価額が 前営業日の基準価額に対して 5% 以上下落しており その要因につきましてご報告いたし

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定期調査の質問のうち 代表的なものの結果 1. 日本の株価を 企業のファンダメンタルズと比較してどう評価するか 問 1. 日本の株価は企業の実力( ファンダメンタルズ ) あるいは合理的な投資価値にくらべて 1. 低すぎる 2. 高すぎる 3. ほぼ正しく評価されている 4. わからないという質問で

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したがって 今回 遅行スパンアタッカー を用いたトレード方法を解説しますが 敢え て スパンモデル は一切利用せず スーパーボリンジャー のみを使ったトレード方法を取り上げます 理由は 極力 判断をシンプルにすることで 初心者の方でも 比較的楽にトレード出来ることを目的とし 遅行スパンアタッカー を

株式市場 米国株 先行き不透明感強いがファンダメンタルズは良好 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は下落しました 堅調な経済指標の発表を受けて米国の年内利上げ観測が高まったことで 金利動向の影響を受けやすいディフェンシブセクターの一部が軟調に推移しました また 米

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第 1 四半期運用実績 ( 概要 ) 運用利回り +1.54% 収益率 ( ) ( 第 1 四半期 ) (+1.02% 実現収益率 ( )) 運用収益額 +3,222 億円 総合収益額 ( ) ( 第 1 四半期 ) (+1,862 億円 実現収益額 ( )) 運用資産残高 ( 第 1 四半期末 )

為替相場展望2018年12月号

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2019/10/5(土曜日) 楽天証券サービス開始20周年記念投資セミナー(東京) 「2020年に向けての相場展望と 投資ストラテジー」

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株式市場 米国株 国内外の政治動向に注目 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 好調な企業決算発表を受けて上昇米国株式市場は上昇しました 月前半までは2017 年 1-3 月期の決算発表内容が総じて好調であったことが株価を支えました 月半ばには コミー前 FBI( 連邦捜査局 )

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低インフレ 乏しい利上げ観測労働市場に目を向けると 8 月の失業率は約 年ぶりの低水準となる5.3% に低下した 雇用者数も伸びており 一部では技術者不足の声も聞かれる RBAは今後数年 失業率は自然失業率とされる5.% を目指して低下が続くとの見方を示している ただ 賃金の上昇率は ~ 月期が前年

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2 / 4 < 足元の米国リート市場について > 月初来 四半期来 (2018 年 10 月以降 ) 米国リート 11.9% 10.4% 米国株式 14.7% 18.9% 2018 年 12 月 24 時点 ( 出所 ) ブルームバーグ米国株式 :S&P500 種株価指数 ( 米ドルベース トータル

変額年金 ( 特別勘定 ) の現況をご覧になる方に 特にご確認いただきたい事項 投資リスクについて 変額年金保険の特別勘定の資産運用は 国内外の株式および公社債 国内外のその他の有価証券 貸付金 コールローンおよび預貯金等を主な運用対象としておりますので 株価の下落や金利の変動 為替の変動などにより

2018 年は激動の年 年初来 トルコ株式指数はトルコリラベースで最大で約 24% 下落し トルコリラは日本円に対して最大で約 45% 下落しました トルコ株式 * の推移 ( トルコリラベース ) /12 18/03 18/06 18

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平成23年11月1日

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5/14( 月 ) 5/14( 月 ) 上場通貨ペアの価格変化 ( 対円 ) ( の清算価格対比 ) 1 主要 7 通貨ペア ( 対円 ) 1.5% スイスフラン / 円 -0.5% 0.5% 豪ドル / 円 -0.7% -0.5% NZ ドル / 円 -1.1% - 米ドル / 円 -1.2% -

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次に トランプ氏は政権移行チームを立ち上げ オバマ政権からのスムーズな引継ぎを行おうとします そうした中で トランプ政権 の主要メンバーの候補が明らかになるでしょう トランプ氏が 良く知られた (=ある程度評価が定まっている ) 優秀な人材を配そうとするのか それとも 論功行賞よろしく選挙戦で貢献し

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米国の対中包括関税 近く対象品目リスト公表へ 中国も対抗措置をとる構え 今回の米国による対中包括関税は 23 日発動の鉄鋼 アルミニウム関税に続くもので トランプ大統領が政権発足時に掲げた年間 8,000 億ドルにもおよぶ米貿易赤字削減に向けた施策の一環と位置付けられる 足元ではその約半分を占める中


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市場調査部レポートウィークリー アウトルック 米中貿易摩擦と日米通商協議 2018 年 8 月 3 日 ( 金 ) 発行 No.186 各通貨ペアの投資戦略については Weekly 投資戦略ガイド をご参照ください 原則 毎月曜 更新 ( 次回は 8 月 6 日 ) です ファンダメンタルズ << 相場環境 >> トランプ政権は 中国製品 2000 億ドル相当に関税を賦課する計画について 関税率を当初の 10% から 25% へ引き上げることを検討しているようです USTR( 米通商代表部 ) によれば 中国製品 2000 億ドル相当を対象とする意見公募期間は 8 月 20-23 日の公聴会を経て8 月 30 日に終了します トランプ政権は 公聴会前に関税率引き上げを公表する必要があり それまでに新たな材料が示される可能性があります 米上院は 1 日 米企業への外国からの投資について安全保障上の観点から審査を強化する法案を可決しました 同法案が正式に発効されれば 中国などの外国企業が米国に投資する際のハードルが高くなります 今後 通商協議が停滞している中国との対立が激しさを増す可能性もありそうです その場合 リスクオフの円高には注意しておく必要があります 6 月の日米首脳会談で合意された FFR(Free: 自由 Fair: 公正 Reciprocal: 相互的 ) は 当初の予定より遅れて 8 月 10 日 ( 米国時間 9 日 ) に米ワシントンで初回会合 ( 日米通商協議 ) が開催されます 日本も対象になっている鉄鋼 アルミ関税や 自動車関税などについて交渉が行われることになりそうです < 根岸 > 米ドル(/ 円 ) 日銀は 7 月 31 日 (1) フォワードガイダンス( 将来の指針 ) の導入 (2) 長期金利目標の柔軟化 (3) ETF 買入れ方針における買入れ比率の変更を決定 長短金利操作付き質的量的金融緩和 を微調整しました フォワードガイダンスでは 2019 年 10 月に予定されている消費税率引き上げの影響を含めた経済 物価の不確実性を踏まえ 当分の間 現在のきわめて低い長短金利の水準を維持することを想定している とされました 日銀が金融緩和の縮小には踏み込まなかったことから 結果判明後に市場は円売りの反応を示しました 米 FOMC は 8 月 1 日 金融政策の据え置きを決定しました 声明では 経済活動は 力強いペース (strong rate) で拡大 しているとされました 前回 6 月の 底堅いペース (solid rate) で拡大 と比較すると 当局者は経済への自信を深めたとみることが可能です FRB が利上げを継続すれば 日銀との金融政策の方向性の違いから米ドル / 円のサポートとなりそうです FRB が利上げを判断する 1 つの材料として 10 日の米 CPI には注目です FF レート先物によれば 9 月に年内 3 回目の利上げが行われる確率は 90.0% 12 1 Copyright 2018 MONEY SQUARE, INC. All rights reserved.

月に 4 回目の利上げが行われる確率は 68.9% です (2 日時点 ) < 根岸 > ユーロ 今週のユーロは軟調でした 貿易摩擦を背景にしたリスクオフの局面では 円 > 米ドル>ユーロの順で通貨が買われる傾向があります 米国と EU は 7 月 25 日に貿易戦争の回避で合意しましたが 注目されていた自動車関税は棚上げされました 貿易摩擦の激化は対円や対米ドルでユーロが弱含む材料となる可能性があり 引き続き注意が必要でしょう < 根岸 > 英ポンド BOE( 英中銀 ) は 8 月 2 日 政策金利を 0.25% 引き上げて 0.75% とすることを全会一致で決定しました 利上げは 2017 年 11 月以来です 英ポンドは利上げ決定後に上昇しましたが その後反落しました ブレグジットの不透明感などを背景に カーニー総裁が今後の利上げペースについて慎重な見方を示したことが材料視されました OIS( 翌日物金利スワップ ) によれば BOE が年内に追加利上げを行う確率は 10% 程度です 政策金利が当面据え置かれる見込みであることやブレグジットの不透明感を背景に 英ポンドは上値の重い展開となるかもしれません メイ英首相は ソフトブレグジット ( 穏健な EU 離脱 ) の方針を選択しました ただ 英国内の離脱強硬派から批判を受けていることに加えて EU のバルニエ主席交渉官は 離脱後の通商条件について英国案の主要部分を拒否しました 交渉後の手続きを踏まえると 英国は 19 年 3 月のブレグジットに向けて 18 年 10 月までに EU と合意する必要がありますが ブレグジット交渉は依然として難航しています < 根岸 > 豪ドル 豪ドルは引き続き 米国など各国の通商政策のほか 中国 人民元や上海総合指数の動向に注意が必要です 米中の貿易摩擦激化への懸念が強まる あるいは人民元安や上海総合指数が下落した場合 豪ドルにとってマイナス材料と考えられます 来週 (8 月 6 日の週 ) は 7 日に RBA( 豪中銀 ) の政策金利が発表されます 政策金利は現行の 1.50% に据え置かれる可能性が高いとみられます 注目は声明で それが市場の RBA の政策金利は当面据え置き との見方を変化させる内容になれば 豪ドルが反応する可能性もあります < 八代 > NZ ドル RBNZ(NZ 中銀 ) の政策金利が 8 月 9 日に発表されます RBNZ は政策金利を当面 据え置くことを示唆しているため 政策金利は現行の 1.75% に据え置かれるとみられます 今回の注目は 金融政策声明における政策金利やインフレの見通しです 前回 5 月は RBNZ が来年 (2019 年 )7-9 月期の利上げを想定していることが判明 また CPI( 消費者物価指数 ) 上昇率はインフレ目標中央値である +2% に到達するのは 2020 年 10-12 月期との見通しが示されました それらの見通しが変化すれば NZ ドルが反応する可能性があります 利上げ時期や CPI 上昇率の 2% 到達時期が前倒しされた場合 NZ ドルにとってプラス材料になりそうです < 八代 > 2 Copyright 2018 MONEY SQUARE, INC. All rights reserved.

カナダドル 市場では BOC( カナダ中銀 ) が年内に追加利上げを行うとの観測があります 年内利上げ観測は 引き続きカナダドルを下支えするとみられます 年内に行われる BOC の会合は 9 月 5 日 10 月 24 日 12 月 5 日です 来週 (8 月 6 日の週 ) 発表のカナダの主な経済指標は Ivey 購買部協会指数 (7 日 ) 住宅着工件数(9 日 ) 雇用統計(10 日 ) です それらが堅調な結果になれば BOC の年内利上げ観測は一段と強まる可能性があります その場合 カナダドルのさらなる支援材料になりそうです また NAFTA( 北米自由貿易協定 ) 再交渉に関するニュースにも目を向ける必要がありそうです メキシコの大統領が 12 月 1 日に交代するため 米国はメキシコとの合意を優先し メキシコの次にカナダとの合意を目指すとの観測があります 米国がメキシコと原則合意すれば 米国とカナダの合意への期待感が高まる可能性もあります そうなれば カナダドルにとってプラス材料と考えられます < 八代 > トルコリラ トルコリラは今週 (7 月 30 日の週 ) 対米ドルや対円で過去最安値を記録しました トルコが米国人のブランソン牧師を拘束している問題で 米国が 8 月 1 日にトルコの 2 閣僚に対して制裁を科したことが要因です トルコは報復の構えを見せており 両国の関係が一段と悪化するとの懸念が再燃しました トルコリラについては TCMB( トルコ中銀 ) が 7 月 24 日に政策金利を据え置いたことで TCMB の独立性をめぐる懸念が一段と強まり 下落圧力が加わりやすい地合いとなっています そのうえ トルコと米国の関係が悪化するとの懸念が再燃しました ブランソン牧師の問題をめぐる米国とトルコの対応に注意が必要です トルコリラの下落が続いた場合 市場の関心はトルコリラ安に対する TCMB の対応にも向く可能性がありま す 市場は今後 トルコリラ安への TCMB の対応を試す動き (= さらなるトルコリラ売り ) になる可能性もあり トルコリラの動きには引き続き 要注意です < 八代 > 南アフリカランド ランドは今週 (7 月 30 日の週 ) 対米ドルや対円で軟調に推移しました 米国と中国の貿易摩擦への懸念 ( リスクオフ要因 ) のほか 南アフリカの土地改革問題が ランドの重石となりました ラマポーザ大統領は 与党は 無償での土地収用を認める憲法改正を推進する と表明しました ラマポーザ大統領は 貧困解決策として白人が所有する土地を補償金なしで収用する方針を示しています ランドは引き続き 米中の貿易摩擦のほか 土地改革に関するニュースに目を向ける必要がありそうです 米中の貿易摩擦が一段と激化した場合 ランドには下落圧力が加わる可能性があります < 八代 > 3 Copyright 2018 MONEY SQUARE, INC. All rights reserved.

テクニカル ( Pick Up 通貨 : 米ドル / 円 カナダドル / 円 ) 米ドル / 円 (8/6-10 戦略アイデア ) コアレンジ :110.30-112.90 円 買い トラリピ 上図チャートにおける各メルクマールをそれぞれ確認すると 1) 21 日 MA( 移動平均線 ) が右肩上がりであること 2) 遅行スパンがローソク足の上方にあること 3) パラボリック SAR( ストップ アンド リバース ) がローソク足の下方にあること 4) ローソク足が 21 日 MA 付近にあること そして 5) DMI( 方向性指数 ) で +DI >-DI となりつつある ( 上図青色点線丸印 ) ことから 足もとの米ドル / 円は下方硬直性を伴うレンジ相場となっていることが視認できます 注意すべきメルクマールは BB( ボリンジャーバンド ) +2σ ラインの方向性 3 日 ( 本稿執筆 ) 時点では 前 述の通り 21 日 MA は右肩上がりとなっているのに対し BB +2σ ラインは横向き推移となっており これは 上値はある程度限定的である というシグナルと見た方がよさそうです 同時に 前述の通り ローソク足が 21 日 MA 付近にあることから ローソク足 ( レート ) は 居心地のいい 場所で推移している と捉えるべきでしょう 総合すると 足もとにおける米ドル / 円の下値メドは BB -2σ ラインを基準とする 110.30 円 上値メド は BB +2σ ラインを基準とする 112.90 円 と仮定し 当該レンジをベースとする 買い トラリピ を仕掛ける のも一案でしょう < 津田 > 4 Copyright 2018 MONEY SQUARE, INC. All rights reserved.

カナダドル / 円 (8/6-10 戦略アイデア ) コアレンジ :85.00-87.00 円 買い トラップ 上図チャートにおける各メルクマールをそれぞれ確認すると 1) 21 日 MA( 移動平均線 ) が右肩上がりであること 2) 遅行スパンがローソク足の上方にあること 3) パラボリック SAR( ストップ アンド リバース ) がローソク足の下方にあること 4) ローソク足がBB( ボリンジャーバンド ) +1σラインと同 +2σラインの間で推移する 上昇バンドウォーク となっていること そして 5) DMI( 方向性指数 ) で +DI>-DI となりつつある ( 上図赤色点線丸印 ) ことから 足もとのカナダドル / 円は典型的な上昇トレンド相場となっていることが視認できます 上図チャートからも見て取れる通り 各 BB が右肩上がりとなっている 21 日 MA に対してパラレルで推移し ていることから これからの時間におけるカナダドル / 円は 徐々に下値を切り上げていく相場展開となりそう です す 同時に 今後仮に ADX が右肩上がり推移となった場合は 上昇モメンタムが強まる可能性がありそうで 総合すると 足もとにおけるカナダドル / 円の下値メドは 21 日 MA を基準とする 85.00 円 上値メドは直 近高値 (5/22 上図青色三角印 ) を基準とする 87.00 円 と仮定し 当該レンジをベースとする 買い トラ ップトレード を仕掛けるのも一案でしょう < 津田 > ( 注 ) 戦略アイデア については 観測におけるタイムラグやそれに伴うメルクマール変化により 必ずしも Weekly 投資戦略ガイド と一致するものではありません 5 Copyright 2018 MONEY SQUARE, INC. All rights reserved.

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