大規模養豚における飼養管理と衛生対策

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Transcription:

豚の疾病と対応 ( 有 ) サミットベテリナリーサービス 石川弘道

養豚獣医師の変遷 70 年代 : 豚個体の治療が中心 80 年代 : 予防衛生が主体になってくる しかし 予防注射業務が主体 90 年代 : 衛生管理プログラムの作成 衛生管理指導が主体になる 21 世紀 : 経営指導を含めた総合コンサルタント業務に移行する

獣医サービスの 3 本柱 1. 定期農場訪問サービス 2. 緊急診断サービス 3. 屠場サーベランス

豚群の問題点確認までの過程 記録システム 豚群の定期的検査 目標値 比較 データの分析 実際の成績 疾病 生産障害 症状有り 症状無し 評価 問題点の確認

生産記録と目標値 目標値の設定 目標値の修正 モニタリング 生産阻害原因の究明 改善対策の実行

交配 妊娠舎チェックポイント ( データ ) 交配頭数 分娩率 受胎率 離乳後交配日数 非生産日数 雌 雄豚比率 流産数 母豚死亡数 候補豚数 精密検査結果 ( 抗体検査 病原検査など )

交配 妊娠舎のチェックポイント 母豚のボディーコンデション 妊娠ステージに合わせた給餌量 オリモノの有無 豚舎内の清潔度 環境温度 水 雄豚 雌豚比率 雄豚の使用頻度

分娩舎チェックポイント ( データ ) 分娩腹数 総産子数 ( 実数 平均 ) 生存子豚数 ( 実数 平均 ) 離乳腹数 離乳子豚数 ( 実数 平均 ) 生時体重 離乳体重 育成率 ( 哺乳中事故率 ) 精密検査結果 ( 抗体検査 病原検査など )

分娩舎のチェックポイント 分娩舎の清潔度 母豚のボディーコンデション 母豚への給餌量 哺乳子豚の状態 ( 下痢 くしゃみ バラツキ ) 温度管理 飲水管理 里子の実施状況

里子実施上の注意 分割授乳を実施し 初乳を十分に飲ませた後に実施する 分娩後 3 日以内に実施する 分娩日が同一のものに限る 発育遅延豚を後から生まれた豚に もどし里子 をしない 部屋間を移動するような里子は実施しない

分娩舎での管理ポイント 1. 室温 :18 ー 20 2. 給水量 :2 リットル / 分 3. 母豚の給餌量 : 平均 5kg5 以上 ピークで 8kg8 以上 4. 分割授乳の実施 5. 初乳を飲ませた後の里子の実施 6. 衛生的な歯切り 断尾 去勢

授乳期中の目標給餌量推奨値授乳期中の目標給餌量推奨値授乳日齢未経産豚経産豚分娩 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 0.5kg 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 6.0 6.5 7.0 7.5 0.5~1.5kg 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 6.0 7.0 8.0 9.0 10.0

離乳舎チェックポイント ( データ ) 離乳舎移動頭数 移動時総体重 死亡頭数 肥育舎移動頭数 移動時総体重 消費飼料量 精密検査結果 ( 抗体検査 病原検査など )

離乳舎のチェックポイント オールイン オールアウト実施の有無 洗浄 消毒 乾燥の実施の有無 環境制御の良否 ( 温度 湿度 ) 適正飼育密度 飲水 給餌量 子豚の状態 ( 発育程度 健康度 バラツキ )

肥育舎チェックポイント ( データ ) 肥育舎導入頭数 肉豚出荷頭数 出荷体重 出荷日齢 飼料消費量 死亡頭数 精密検査結果 ( 抗体検査 病原検査など )

肥育舎のチェックポイント オールイン オールアウト実施の有無 洗浄 消毒 乾燥の実施の有無 適正飼育密度 環境制御の良否 ( 温度 湿度 ) 給餌量 飲水 豚の状態 ( 咳 下痢 メヤニ 発育程度 )

体重 (kg) 最小飼育面積 床の形式と 1 頭当たりの最小面積 平床 部分スノコ床 全面スノコ床 ( m2 ) ( m2 ) ( m2 ) 4~11 0.37 0.18 0.18 11~18 0.28 0.25 18~27 0.56 0.35 0.3 27~45 0.74 0.45 0.45 45~68 0.93 0.60 0.56 68~95 1.11 0.84 0.74 95~ 0.9 0.84

子豚 肉豚の快適温度帯 離乳舎体重 kg 快適温度帯 ( ) 6~8 28~33 10 25~30 20 22~28 肥育舎体重 kg 快適温度帯 ( ) 25 24~30 45 20~26 65 19~25 85 18~25 105 17~25

肉豚環境コントロールの指標 室温の日格差 湿度 入気初速 離乳舎 2.5 以内 65% 2~3m/ 秒 肥育舎 5.0 以内 65% 4m/ 秒

離乳以降の豚の管理 離乳から出荷まで ( 体重 6kg から 120kg) 5 ヶ月で体重で 20 倍になる その間餌を約 300kg 食べる 生産コストの半分は餌代 したがって肥育豚の増体 飼料要求率は重要

離乳時の標準体重 日齢 体重 kg 21 6 28 9 35 12

3 週齢離乳における目標体重 日齢体重 kg 1 日増体 (g) 飼料要求率 21 6.0 ー ー 28 7.0 140 1.25 35 9.5 357 1.33 42 11-12 420 1.38 49 14-16 571 1.40 56 18-21 714 1.41

4 週齢離乳における目標体重 日齢体重 kg 1 日増体 (g) 飼料要求率 28 8.5 ー ー 35 9.25 142 1.28 42 12.9 520 1.38 49 17.0 580 1.40 56 22-23 714 1.49

離乳子豚発育指標 日齢 標準体重 (KG) 期間内 DG (g/ 日 ) 期間内飼料要求率 期間内飼料摂取量 トータル (kg) 1 日当り (g) 累積飼料摂取量 トータル (kg) 1 日当り (g) 21 6.1 - - - - - - 28 7.5 195 1.25 1.7 243 1.7 243 35 10.2 386 1.30 3.5 500 5.2 371 42 13.2 431 1.39 4.2 600 9.4 448 49 16.6 454 1.54 4.9 700 14.3 511 56 20.9 613 1.62 7.0 1000 21.3 609 63 25.4 658 1.74 8.0 1143 29.3 698 平均 460 1.50 4.9 700 - -

離乳子豚の水の重要性 離乳子豚の採食料は, 水の供給によって制限される 特に最初の 2 週間が重要で それにより十分な餌の食い込みができ, 病気への抵抗性も獲得できる 高蛋白の餌を給与されている子豚は 窒素を尿中に排泄さるためにも, 十分量の水を必要とする

給水に関する 12 のチェック項目 1. 導入前に清潔にしておく 子豚が導入される前に, 給水器は清潔にしておく 配管の中を除去するような洗浄 ( 塩素など ) が, より効果的である 2. 給水のチェック 微生物の汚染 水の硬度 鉄分の含有量をチェックしておく 微生物は病気の引き金となる 硬度の高い水は 配管やニップルの詰まりの原因となる 鉄分の高い水は消化管の微生物の増殖を助長する 3. ドリンカーのチェック すべてのニップル カップをチェックし, 破損しているものは取り替える

給水に関する 12 のチェック項目 ( 続き ) 4. 常に飲水できること 障害物があったり, 故障していて水が飲めなかったり 水圧が強すぎたり 弱すぎたりして水が飲めないことがないように 5. 十分量の水量の確保 体重 12kg までは,1 分間に 250ml, それ以降肥育舎に移動前まで 500ml の給水量が必要 塩分 6. 塩分 飲水中の塩分は食下量を下げ 健康に悪影響をおよぼす

給水に関する 12 のチェック項目 ( 続き ) 7. 給水器の位置を教えてやる 離乳舎に移動後最初の 6~12 時間は, 給水器から水をたらしておいたり, カップに水を受けておいたりする 8. 脱水に対し すばやい行動を起こす 離乳後最初の 1 日はカップに水を蓄えておく 電解質水は子豚の脱水緩和に役立つ 9. 給水器の高さは 子豚の肩の高さに調節する 小さい子豚がとどく配慮が必要

給水に関する 12 のチェック項目 ( 続き ) 10. 汚れを取り除く 常に子豚が新鮮な水が飲めるように 汚れは取り除いておく カップは豚房の隅に設置する 11. 水の消費をモニターする 子豚が毎日よく水を飲んでいるか 観察する 12. 練り餌を給与している農場でも, 新鮮な水が飲めるようにしておく 食塩中毒を防ぐ意味からも重要

飲水に関すること 水の消費量 離乳後週正体重 (kg) 1 日の水の消費量 1 週 6-7 1.0 2 週 8-9 1.4 3 週 11-13 2.0 4 週 14-16 2.4

給水器の床面からの高さ 体重 高さ (cm) 水量 (ml/ 分 ) 5 30-45 300 15-30 45-50 500

動物に与える負担温度 ( 体感温度 ) 変化した湿度 (±%) 換算温度変 (± ) 基準相対湿度 :60% 2 4 6 8 10 15 20 25 30 環境温度 36 1.2 2.4 3.6 4.8 6.0 9.0 12.0 15.0 18.0 34 1.1 2.3 3.4 4.5 5.7 8.5 11.3 14.2 17.0 32 1.1 2.1 3.2 4.3 5.3 8.0 10.7 13.3 16.0 30 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 7.5 10.0 12.5 15.0 28 0.9 1.9 2.8 3.7 4.7 7.0 9.3 11.7 14.0 26 0.9 1.7 2.6 3.5 4.3 6.5 8.7 10.8 13.0 24 0.8 1.6 2.4 3.2 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 22 0.7 1.5 2.2 2.9 3.7 5.5 7.3 9.2 11.0 20 0.7 1.3 2.0 2.7 3.3 5.0 6.7 8.3 10.0 18 0.6 1.2 1.8 2.4 3.0 4.5 6.0 7.5 9.0 16 0.5 1.1 1.6 2.1 2.7 4.0 5.3 6.7 8.0 14 0.5 0.9 1.4 1.9 2.3 3.5 4.7 5.8 7.0 12 0.4 0.8 1.2 1.6 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 10 0.3 0.7 1.0 1.3 1.7 2.5 3.3 4.2 5.0 ウインドウレスのすべて ( 岩谷信 チクサン出版社 ) より

飼料摂取量不足時のチェックポイント 1 A: 飼料摂取量の目標値を設定していますか? 1. どの程度 目標値を下回っていますか? 2. どの日齢または場所で下回っていますか? B: 飼料摂取量の目標値を達成していますか? 1. 不断給餌が確実にされていますか? 2. 収容頭数に見合った口数が確保されていますか? 3. 給餌器が適切な場所に設置されていますか? 4. 給餌器のデザインが適切ですか? 5. 餌の出方は適切ですか? また無駄な量は出ていませんか? C: 水は常に新鮮なものが与えられていますか? 1. ニップルドリンカーの数は十分ですか? 2. 受け皿のあるドリンカーはいつも清潔に保たれていますか? 3. ドリンカーの高さは適切ですか? 4. 豚が飲みやすくなっていますか?

飼料摂取量不足時のチェックポイント 2 D: 豚舎内環境は摂取量が最大になるように調整されていますか? 1. 寒い季節でも豚舎内が暑すぎることはないですか? 2. 夏場 あらゆる手段を使って温度を下げる努力をしていますか? 3. 豚舎内温度を毎日確認していますか? E: 病気が食下量を下げる原因になっていると思いますか? 1. もしそうならば 獣医師に相談していますか? F: 餌に食下量を下げる原因が考えられますか? 1. 餌の内容をチェックしていますか? 2. カビの汚染や雑草の種の混入をチェックしていますか? 3. 栄養価のアンバランスが食欲不振の原因となっていませんか?

豚の食餌行動 給餌器の口数が十分な場合は 給餌回数のピークは朝と夕方である ( 夜は休む ) 1 口 /10 頭は朝と夕方にピークがくる 1 口 /20 頭朝から夕方までずっと豚が採食している 1 口 /30 頭朝から深夜まで採食している 総摂取量は減少する 食事に要する時間は 大きい豚の方が1 回に食べる量が多くなり 1 回に要する時間は短くなる 小さい豚は長時間かかる そのため給餌器が混み合う したがって口数は多い方が良い 必要口数離乳直後 : 2 頭に 1 口肥育前期 : 10 頭に 1 口肥育後期 : 15 頭に 1 口ウエット : 20 頭に 1 口 餌こぼしについて : 通常 5% 程度無駄になっている 主な理由 1 けんか 給餌器が大きすぎて2 頭が頭を突っ込もうとする 2 餌箱の中に足を突っ込む 体重 40kgで餌箱の深さ10cm 80kgで25cmが推奨値

飼料摂取量を左右する要因 1 遺伝 : 純粋種より雑種の方が摂取量は多い 性差 : 雄の方が雌より摂取量は多い この傾向は体重 25kg 以上で顕著となる 体重 : 体重の増加とともに摂取量が増える 気温 : 高温は食下量を下げる 体重 気温 食下量 ~20kg 1 上昇 1.0% ~80kg 1 上昇 2.2% 100kg 1 上昇 2.5% 給餌器 : ウエットフィダーはドライより6% 多い 飼育密度 : 27~54kg 平均摂取量 =1.542+0.856S-0.404S 2 44~92kg 平均摂取量 =1.619+1.833S-0.873S 2 (S は 1 頭当りの平米数 )

飼料摂取量を左右する要因 2 水 : 新鮮で十分な水が飲めることが必要 餌の形状 : 育成豚肥育豚 ペレット少ない多い マッシュ多い少ない 疾病 : 免疫高い摂取量少ない 免疫低い摂取量多い

豚の細菌性疾病 脚弱 関節炎 下痢 呼吸器症状 神経症状 繁殖障害 その他 APP 炭疽 AR ブルセラ クロストリジウム 豚丹毒 大腸菌 マイコプラズマ グレーサー病 レプトスピラ パスツレラ 増殖性腸炎 サルモネラ ストレプトコッカス 豚赤痢 破傷風 抗酸菌症

豚のウイルス病とその主な症状 脚弱 関節炎下痢呼吸器症状神経症状繁殖障害皮膚病変 オーエスキー病 豚コレラ サイトメガロウイルス 脳 心筋炎ウイルス エンテロウイルス 口蹄疫 PED TGE パルボウイルス 呼吸器コロナ PRRS ロタウイルス インフルエンザ ポックス 豚水痘症 サーコウイルス 日本脳炎

豚に呼吸器病を起こす病原体 一次病原体 ADV PRRSV SIV PRCV M.hyopneumoniae B.bronchiseptica A.pp 二次病原体 PCMV P.multocida S.suis H.parasuis M.hyorhinis A.pyogenes

豚呼吸器病発生要因 豚 感染 病原体 発病 ストレス 汚染 環境

呼吸器病対策の基本 いつ どこで 発生し 原因病原体は何かをつきとめることが必要 そのために 農場の記録が必要 病理解剖が必要 血清学的検査が必要

環境温度の急変 低い湿度 高い飼育密度 新たな病原体の侵入 すきま風 病気に弱い豚の体質 肺炎発生の要因

PRDC 豚呼吸器病症候群 複数の病原体が感染して豚に呼吸器病を起こす PRRS, マイコプラズマがその主役 最近ではサーコウイルス 2 も PRDC に関与していることが判明 マイコプラズマが PRRS の病変を長引かせ 病変を増悪させる PRRS は S.suis,B.bronchi Salmonella,H.parasuis などの発症を助長する PRRS の肺炎は 感染後 3 日から表れ 他の病原体の感染がなければ 2 週間程度で回復する マイコプラズマは病変中に長期間存在する

App 感染子豚に 4 つの湿度環境が およぼす影響 試験区湿度 30~4 0% 41~50% 51~6 4% 65~80% 1 日 増体重 (g) 434.30 456.66 488.58 574.48 飼料要求率 2.89 2.65 2.29 2.07 鄭賢圭 子豚の App 対策としての湿度管理 PIG JOURNAL 2001.11 月号

現場で実施している疾病対策 1. 母豚への馴致の徹底 2. 初乳の十分量の摂取 ( 分割授乳 ) 3. 異常子豚の早期淘汰 4. ストレスを軽減する飼養管理 5. 免疫を強化するための栄養管理 6. オールイン オールアウトと正しいピッグフロー 7. 戦略的な投薬 ワクチネーション

1. 馴致とは 農場には種々の微生物が存在し 繁殖障害 下痢 肺炎などの病気の原因となる 繁殖候補豚を この自農場の微生物叢に馴らすことを馴致と言う

2. 馴致の方法 1) 140 日齢から 150 日齢で種豚を導入する 2) 導入後 PRRS パルボ 豚丹毒 オーエスキー病 AR などの必要なワクチンを接種する 3) 導入後 1 週間を過ぎたら 糞 胎盤 虚弱豚の内臓を 7 日間連続投与する 具体的には 当日採材した新鮮な糞と水を 1 対 1 の割合で混ぜ よくかき回し 1 頭 1 回当たり約 300c c を給餌の時に餌にふりかけて食べさせる 胎盤は 4~5 頭に 1 個程度投げ入れる 虚弱豚は淘汰したものを 4~5 頭に 1 頭の割合で投げ入れる 4) 馴致終了から 60~90 日間の回復期間を設けて交配する 5) 馴致は隔離豚舎で行う

PRRS 免疫の 研究と実際 : 現場で知る必要があるのは これだけ 臨床症状ウイルス排泄エライザ抗体血液 PCR 1 陰性豚 シロ なし なし 完全にマイナス (0.0 以下 ) マイナス 1 日以内 ウイルス暴露 不明 (600 日以上?) 2 ウイルス排泄豚 アカ あり あり マイナス / プラス ( 上昇 ) プラス 1 ヶ月プラス 2 ヶ月 回復期間 3 免疫豚 ピンク なし なし プラス / マイナス ( 平行 下降 ) マイナス 資料提供 : 大竹聡氏大竹聡氏より提供

更新豚の馴致 ( 馴致 = 暴露 + 回復 ) 繁殖豚群に繰入 母豚群の免疫安定化 資料提供 : 大竹聡氏 ( 大竹聡氏より提供 )

6 つの条件 母豚免疫安定化 ピンク の確認法 臨床繁殖障害が無い 母豚群全体としてエライザ抗体値にバラツキが無く 低い値で一定 ウイルス血症の母豚 即ちウイルス排泄豚がいない ( 血液 PCR 陰性 ) 母子感染 ( 胎盤感染もしくは哺乳中水平感染 ) が一切無い 分娩舎での哺乳中子豚の健康状態が良い 生産される子豚がウイルスを持っていない ( 哺乳中子豚の血液 PCR 陰性 ) 資料提供 : 大竹聡氏

PRRS が母豚群で安定している農場

PRRS 母豚群が不安定な農場

PRRS60 日齢以降で動きがある農場

PRRS90 日齢以降で感染している農場

初乳 : なぜ 24 時間以内が重要なのか? 母豚の側の理由 子豚側の理由 : 分娩後 24 時間以内の母乳に抗体を豊富に含み以後急速に減速する為 : 初乳中の抗体を吸収できるのは生後 24 時間以内だから 分割授乳の勧め 1 腹の子豚に均等に初乳を飲ませる有効な方法 お金は 1 銭もかからない やってしまえば意外と簡単 豚の健康の一歩は まず分割授乳から 手軽さの割に効果は絶大

分割授乳の方法 1 腹のうち 大きい子豚半分をカゴや 保温箱内に閉じ込めて小さい子豚を自由に放しておく 朝分娩し終わっていたら その日の朝と午後各 1 時間づつ大きい子豚を閉じ込める 朝まだ分娩が終わっていなくて 午前中に分娩が終了した場合は その日の午後と翌日の午前各 1 時間づつ大きい子豚を閉じ込めておく 分割授乳を実施している間は付き添っている必要はなく 他の作業をしていて良い 原則的に全腹実施する

分割授乳中の仔豚

新生子豚免疫系の特徴 免疫不全で生まれてくる 自分で病気に打ち勝つ事ができない 母体抗体が胎盤を通過しない 初乳を飲んで始めて乳汁抗体が吸収される

ストレスとは? 豚が不快と感じる刺激に対する防御反応!

ストレス要因 飲水不足 高い飼育密度 急激な温度変化 高温および低温 すきま風 栄養不良 虐待 分娩 離乳 環境や豚舎の変化 病気の暴露

ストレスを感じた時豚に何が起 こるか? 副腎皮質ホルモンの分泌が多くなり 免疫力が落ちる ( 副腎機能低下 ) 病気に対する抵抗力が落ちる 食下量および飲水量が減る 増体量が低下する より高い環境温度を必要とする

32 AN ILLUSTRATION OF COMFORT TEMPERATURES FOR LEAN GENOTYPE PIGS ON CONCRETE OR SLATTED FLOORS 快適温度 ( 低脂肪系豚におけるコンクリートまたはスレート床での快適温度 ) 28 24 20 Weaning 21 days 7kg weigh onto slate. Move to 2 nd stage at 15kg weight onto concrete floors. Move to a totally slatted at 30kg weight. 16 12 1 5 10 20 30 40 50 60 70 80 Birth Weight of Pig 出生豚体重

離乳子豚の水の重要性 離乳子豚の採食料は, 水の供給によって制限される 特に最初の 2 週間が重要で それにより十分な餌の食い込みができ, 病気への抵抗性も獲得できる 高蛋白の餌を給与されている子豚は 窒素を尿中に排泄さるためにも, 十分量の水を必要とする

給水に関する 12 のチェック項目 1. 導入前に清潔にしておく 子豚が導入される前に, 給水器は清潔にしておく 配管の中を除去するような洗浄 ( 塩素など ) が, より効果的である 2. 給水のチェック 微生物の汚染 水の硬度 鉄分の含有量をチェックしておく 微生物は病気の引き金となる 硬度の高い水は 配管やニップルの詰まりの原因となる 鉄分の高い水は消化管の微生物の増殖を助長する 3. ドリンカーのチェック すべてのニップル カップをチェックし, 破損しているものは取り替える

給水に関する 12 のチェック項目 ( 続き ) 4. 常に飲水できること 障害物があったり, 故障していて水が飲めなかったり 水圧が強すぎたり 弱すぎたりして水が飲めないことがないように 5. 十分量の水量の確保 体重 12kg までは,1 分間に 250ml, それ以降肥育舎に移動前まで 500ml の給水量が必要 塩分 6. 塩分 飲水中の塩分は食下量を下げ 健康に悪影響をおよぼす

給水に関する 12 のチェック項目 ( 続き ) 7. 給水器の位置を教えてやる 離乳舎に移動後最初の 6~12 時間は, 給水器から水をたらしておいたり, カップに水を受けておいたりする 8. 脱水に対し すばやい行動を起こす 離乳後最初の 1 日はカップに水を蓄えておく 電解質水は子豚の脱水緩和に役立つ 9. 給水器の高さは 子豚の肩の高さに調節する 小さい子豚がとどく配慮が必要

給水に関する 12 のチェック項目 ( 続き ) 10. 汚れを取り除く 常に子豚が新鮮な水が飲めるように 汚れは取り除いておく カップは豚房の隅に設置する 11. 水の消費をモニターする 子豚が毎日よく水を飲んでいるか 観察する 12. 練り餌を給与している農場でも, 新鮮な水が飲めるようにしておく 食塩中毒を防ぐ意味からも重要

飲水に関すること 水の消費量 離乳後週正体重 (kg) 1 日の水の消費量 1 週 6-7 1.0 2 週 8-9 1.4 3 週 11-13 2.0 4 週 14-16 2.4

ピッグフロー ( 豚の流れ ) とは 豚の生産段階で発育にしたがった豚の移動 ( 流れ ) 分娩舎 離乳舎 肥育舎

繁殖農場 ( 豚舎 ) 好ましい生産方式 離乳農場 ( 豚舎 ) 肥育農場 ( 豚舎 )

好ましくない生産方式 繁殖農場 ( 豚舎 ) 離乳農場 ( 豚舎 ) 肥育農場 ( 豚舎 )

A 農場の生産方式 24 日齢離乳 -40 日齢離乳 -60 日齢 24 日齢 -40 日齢 60 40 日齢 -110-90 日齢

表ー 1 病性鑑定結果 2004 年 1 月 PRRS+App 2 月 PRRS+ +マイコフ ラス マ 2005 年 1 月 PRRS+App 4 月レンサ球菌病 6 月サーコウイルス感染 2006 年 1 月 PRRS( ( 流産 )

% A 農場における子豚事故率の推移 35.0 30.0 25.0 20.0 15.0 10.0 5.0 0.0 3 5 7 9 3 5 7 9 3 5 H16.1 11 H17.1 11 H18.1