贈賄の防止 平成 27 年 10 月 5 日 西村あさひ法律事務所 弁護士木目田裕
1. 贈賄は 割りに合わない 別紙参照 〇逮捕 起訴 懲役 時には 関係者自殺も 〇大きく報道 社会的非難 〇官公庁との取引停止民間であっても取引停止銀行も融資引上げ 新規与信停止 業界から退場 中小では倒産した例もある 1
2. 贈収賄とは何か? 職務に関し 公務員 事業者 5 年以下の懲役 見返り お礼供与 申込み 約束金銭接待 贈答子弟の採用 3 年以下の懲役又は 250 万円以下の罰金 注 : 便宜供与 や 不正 は必ずしも必要ない 刑罰の加重要件に過ぎない 請託 ( 具体的なお願いごと ) があれば収賄者は 7 年以下の懲役職務上の不正があれば収賄者は 1 年以上の有期懲役 ( 最大 20 年 ) 2
〇公務員 = 政治家 国家公務員 地方公務員 みなし公務員国立病院機構の医師 職員等 = みなし公務員地方の公立病院の医師 職員等 = 地方公務員又はみなし公務員 民間病院は? 医師 職員等が 不正に 医療機器等を選定してリベート受領 接待 贈答 刑法の背任罪 相手方の業者も背任の共犯 民間でも節度のある付き合いが必要 〇接待贈答時代は変わっている 今は 単なる接待贈答でも贈収賄で摘発される 別紙参照 社交儀礼の範囲内であれば賄賂に該当しないと言われる しかし 見返りやお礼の接待は100% 賄賂 金額僅少は通用しない 金額 頻度 回数 企業と公務員の関係等で賄賂性を判断する 年に何回も同一公務員の接待を繰り返すと それだけ繰り返して接待する以上は 企業に理由があるはず なお つけ回しは 現金授受と同じで 即賄賂 3
贈収賄の捜査の流れ 概ね 21~22 日 自白なら概ね 2~3 ヶ月 2/1 警察逮捕 2/2 2/21 身柄送検起訴 自白 否認 3 月初め 保釈 別の収賄 ( 余罪 ) で再逮捕 4 月 5 月中 第 1 回第 2 回公判公判 判決 4 月第 1 回公判 数回公判 自白なら 年内 ~ 年明け 判決 3 月末 起訴 5 月以降 第 1 回公判 6 月中 判決 4
国家公務員倫理法 国家公務員倫理規程 利害関係あり 利害関係者 : 許認可等の申請者 補助金等の交付 立入検査 監査 行政処分 行政指導 所管する業界において事業を営む企業 契約関係 金銭 物品の贈与や接待を禁止 割り勘の場合でもゴルフや旅行を禁止 利害関係者との間でも禁止されない行為の例 宣伝用物品 記念品を受領すること 学生時代の友人からの香典 祝儀 職務として出席した会議での簡素な飲食 立食パーティー 利害関係者でも割り勘なら会食できる (1 万円超は倫理監督官への事前の届出 ) 利害関係なし 本省課長補佐級以上が 5 千円超の贈与等を受けたときは 各省庁の長へ報告 2 万円超については公開の対象となる 違反した場合 公務員は懲戒処分の対象となる 地方公務員や独立行政法人も 国家公務員倫理法と概ね同内容の倫理規程あり < 公務員の声 > 利害関係者でなくても 5,000 円超は贈与等報告 会費制 割り勘 の方がよいお土産などは貰いたくない 5
3. 社内の体制作り 〇トップの断固とした明確なメッセージ 役職員はトップをみている 接待贈答は駄目 と言っても 売上げも大事 だから ただの建前 本音は違う となったら 役職員は贈賄を行う 〇公務員との接遇ルール 全ての贈収賄が 始まりは接待贈答から ルールがあれば 役職員は 会社のルールで駄目なんです と言い訳できる 〇倫理教育 1 人 1 人の役職員の気持ちから変えていく 6
講師略歴等 木目田裕 ( きめだひろし ) 1991 年東京大学法学部卒 1993 年検事任官 東京地検特捜部検事 米国ノートルデイム ロースクール客員研究員 法務省刑事局付 ( 総務課 刑事課 ) 金融庁総務企画局企画課課長補佐等を経て 2002 年 7 月退官 同年 8 月弁護士登録 西村あさひ法律事務所パートナー弁護士 株式会社大庄 楽天証券株式会社 株式会社アドバンスクリエイトの各社外取締役 主な著書 論文 : 危機管理一般 実例解説企業不祥事対応 -これだけは知っておきたい法律実務( 第 2 版 ) ( 共著 経団連出版 2014 年 ) 日本版司法取引が企業活動に与える影響 ( 商事法務 2052 号 2014 年 ) 企業等不祥事における第三者委員会- 日本弁護士連合会 企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン を踏まえて- (( 商事法務 1918 号 2010 年 ) 弁護士からみた証券取引等監視委員会の法執行 ( 金融法務事情 1900 号 2010 年 ) 企業のコンプライアンス体制の確立と米国の訴追延期合意-Deferred Prosecution Agreement- ( 商事法務 1801 号 2007 年 ) 企業犯罪捜査 犯則調査等の動向と企業の対応 (NBL842 号 2007 年 ) 外国公務員贈賄防止 米国反トラスト法における日本企業が関わる刑事事件について ( 公正取引 777 号 2015 年 ) 押さえておきたい外国公務員贈賄防止法制のポイント 独占禁止法( カルテル規制 ) のポイント ( 石油開発時報 183 号 2014 年 ) 外国公務員に対する贈賄防止のための留意点とリスク対策 ( 講演録 日本貿易会月報 727 号 2014 年 ) FCPA 違反防止のための社内規程モデル ( 上 )( 下 ) ( ビジネス法務 2013 年 8 月号 9 月号 ) 米国 FCPAと中国 アジア各国を中心とする贈収賄の実情と対策 ( 講演録 経営法友会 482 号 2014 年 ) 米国 FCPAガイドラインを踏まえた日本企業の実務上の対応 ( 商事法務 1989 号 2013 年 ) 外国公務員贈賄防止法制をめぐる実務上の対応 ( 講演録 日本貿易会月報 2009 年号 ) 7
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