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演習 Ⅰ 2011/07/27 D 班 A08CB096 A08CB099 A09CB007 A09CB025 A09CB035 mixi への依存性と自己開示の関連について 問題 最近は mixi や twitter といったソーシャルネットワーキングサイト ( 以下 SNS と示す ) という言葉を耳にすることが多い SNS とは 友人 知人間のコミュニケーションを円滑にする手段や場を提供し 趣味や嗜好 居住地域 出身校 あるいは 友人の友人 といったつながりを通じて新たな人間関係を構築する場を提供する 会員制のサービスのことである また 人のつながりを重視して 既存の参加者からの招待がないと参加できない というシステムになっているサービスが多いが 最近では誰も自由に登録できるサービスも増えている 平成 17 年の総務省の発表によると SNS 利用者は 399 万人であり この人数は今なお増加し続けている 尾上 (2007) によれば 現代社会は情報社会といわれているが パソコン 携帯電話の普及に伴い 人間関係の構築方法 対人関係用式などが大きく変化しているとある 女子大学生の日常における情報伝達ツールの使用と友人関係 自己隠蔽の程度が検討されている その結果多くの女子学生がメールや SNS を積極的に利用し 新たな出逢いにも繋げていることが分かった また 自己隠蔽傾向の高い人ほど SNS 利用時間が長くなり 自己開示に関するリスクを感じる人ほど友人と一緒に過ごす時間を大切だと感じない傾向があった 湯田 小野 藤原 (2006) によると mixi について mixi は 知り合い系 とも呼ばれており もともと知合いである人同士が交流する場として 多く活用されている つまり 実際の社会的な友人 知人関係の人的ネットワークがオンライン上に転写されている傾向があるとも考えられる そのうえで さまざまな既存の仲間との交流や 旧友との再会や 新規に仲間や友人を求める活動を システムが支援している このことから 実際の社会的な友人 知人関係の人的ネットワークがオンライン上に転写されている傾向があるとも考えられる mixi を SNS の代表として抜き出し本研究を進めることで より実際の自己開示やコミュニケーション力を測れると考えた また 川浦ら (2005) の先行研究によれば 最もよく利用する SNS として 94.5% の人が mixi をあげている たくさんの回答を得るために mixi に限定することにした 目的 本研究では 先行研究である尾上 (2007) と比較し 本研究の結果が正しいか実証すること 1

を目的とした 女子大生における mixi への依存性と自己開示の関連性について調べるために mixi への依存性 尺度を 5 件法を用いて作成し 同時に自己開示尺度 ( 中村 1983) を用いた また 自分たちで作成した尺度と既存尺度との間にどのような関連性があるのかを調査することも目的の一つとした 仮説 mixi への依存度が高い人ほど 自己開示尺度が高いという仮説を立てた 方法 1. 調査対象者 S 大学の女子大学生 73 名 (18~22 歳 ) を対象に質問紙調査を行った そのうち 有効回答数は 72 名 平均年齢は 20.96(SD=2.10) であった なお 回収したデータのうち 欠損値のあった1 名のデータは分析から除外した 2. 実施日時 場所 2011 年 6 月 15 日の講義時間内に質問紙を配布し 集団法にて実施した 3. 手続きまず始めに mixi への使用頻度をはじめとする実態を調査するため 個人の携帯やパソコンを持っていますか mixi を知っていますか mixi を利用していますか の 3 項目を はい いいえ の 2 択で行った mixi を利用していますか に対し いいえ と回答した者には 回答の終了を指示した まず mixi への依存性尺度では 先行研究として利用した尾上 (2007) を参考にし 女子大生 5 人の自由記述を収集して質問項目を作成した 下位尺度を積極性尺度 mixi 外での繋がり 親密性尺度 チェック依存度の4つに分類し 計 25 項目となり 各項目に対し 1= あてはまらない 2= ややあてはまらない 3= どちらともいえない 4= ややあてはまる 5= あてはまる の 5 段階で評定を行った 次に 自己開示尺度 ( 中村 1983) を用いて その関連性についても調査した 自己開示尺度 ( 中村 1983) は 自己開示 と呼ばれている自分自身について他者に話すことにおいて 自己開示する人ほど精神的に健康であるということを測定する尺度である また 態度 趣味 勉強 金銭 パーソナリティ 身体 外観の 6 領域の内容に関して 同棲の友人にどの程度話すかを各項目に対して 1= 何も語らない うそを言う 2= いちおう語る 3= 十分詳しく語る の 3 段階で評定を行った また 自己開示尺度の 9 については 共産主義について説明したものを呈示した 2

4. 結果の処理まず始めに 回答してもらった質問紙の全てのページにおいて欠損値がないかをチェックし 欠損値のない質問紙のみフェイスシートに通し番号をふった エクセルにて ID 年齢 項目を入力し 逆転項目には印をつけた 欠損値のないデータを全て入力した後 逆転項目の修正を行った 質問紙作成の際に重複してしまっていた 1 項目を以降の分析から除外した 統計分析は SPSS にて行った 結果 1. 実態調査の結果実態調査としては 3 つの質問を行った まず始めに 個人の携帯やパソコンを持っていますか という質問から行った 個人の携帯電話やパソコンの所持率は 100% だった 次に mixi を知っていますか という質問を行った mixi の認知度においても 100% だった 最後に mixi を利用していますか という mixi の利用状況については 利用している人が 68% だった これらの mixi の実態調査を figure1 に示した 120 figure1 mixiの実態調査 100 80 60 40 % 20 0 所持率認知度利用状況 2.mixi への依存性尺度の分析まず 依存性尺度 25 項目の平均値 標準偏差を算出した 次に残りの 19 項目に対して主因子法による因子分析を行った 固有値の変化は 4.93,3.83,2.46,1.81,1.18, というものであり 3 因子構造が妥当であると考えられた そこで再度 3 因子を仮定して主因子法 Promax 回転による因子分析を行った その結果 十分な因子負荷量を示さなかった 3 項目を分析から除外した 削除した項目は お友達機能 ( 例 : マイミク ) を利用する際自分から申請する mixi での友人には 個人的な相談や悩み事を打ち明ける 入浴中にチェックする の 3 項目である 再度主因子法 Promax 回転による因子分析を行った Promax 回転後の最終的な因子パターンと因子間相関を 3

Tabel1 に示した なお 3 因子で 25 項目の全分散を説明する割合は 50.41% であった Table1 mixiの依存性尺度の因子分析結果 (Promax 回転の因子パターン )(n=72) * 印は逆転 j 項目を示す 項目内容 1 2 3 親密度 * マイミクシィの顔を知らない ( 会ったことがない ) 0.821 0.093-0.165 6 項目 マイミクシィの本名を知っている 0.782 0.16-0.02 α=.81 mixiでの友人は 顔を合わせる友人である 0.739 0.166 0.024 マイミクシィ の職業や通っている学校を知っている 0.677 0.205-0.001 * マイミクシィの家族構成は知らない 0.575-0.158 0.053 mixi とは別に メールや電話をする 0.371-0.133 0.209 使用度 学校での休み時間にチェックする 0.083 0.81-0.013 5 項目 就寝前にチェックする 0.155 0.735-0.13 α=.77 移動中 ( 乗り物の中など ) にチェックする 0.204 0.69-0.016 友人との食事中にチェックする -0.001 0.498-0.121 *mixi はあまり更新しない -0.196 0.457 0.219 積極性 mixiでは 誰とでも関わることができる 0.358-0.252 0.827 6 項目 mixiを利用して知り合いになった人がいる -0.364 0.1 0.586 α=.77 *mixi 上で友人をたくさん作ろうとは思わない -0.135 0.208 0.542 mixi を通して 友人の幅は広がった -0.337 0.263 0.522 *mixi では 自分から関わりに行くことは少ない -0.109 0.363 0.394 マイミクシィの生年月日を知っている 0.321 0.158 0.371 因子間相関 1 2 3 1 0.054-0.103 2 0.054 0.217 3-0.103 0.217 第 1 因子は 6 項目で構成されており マイミクシィの職業や通っている学校を知っている マイミクシィの本名を知っている マイミクシィの顔を知らない ( 会ったことがない ) など マイミクシィとの親密性の項目が高い負荷量を示していた そこで 親密度 因子と命名した 第 2 因子は 5 項目で構成されており 移動中 ( 乗り物の中など ) にチェックする 友人との食事中にチェックする 学校の休み時間にチェックする など mixi をチェックする内容の項目が高い負荷量を示していた そこで 使用度 因子と命名した 第 3 因子は 6 項目で構成されており mixi を通して 友人の幅は広がった mixi では誰とでも関わることができる mixi を利用して知り合いになった人がいる など mixi 内での積極性を表す項目が高い負荷量を示していた そこで 積極性 因子と命名した 3. 下位尺度間の関連 mixi への依存性尺度の 3 つの下位尺度に相当する項目の平均値を算出し 親密度 下位尺度得点 ( 平均 3.17,SD 0.87) 使用度 下位尺度得点 ( 平均 3.22,SD0.90) 積極性 下位尺度得点 ( 平均 2.61,SD0.92) とした 内的統合性を検討するために書く下位尺度の α 係数を算出したところ 親密度 で α=0.81 使用度 で α=0.77 積極性 で α=0.76 と十分な値が得られた 4

mixi への依存性尺度の下位尺度のそれぞれの平均 SD α 係数をまとめたものを Table2 に示した Table.2 mixiへの依存性尺度の下位尺度の平均 SD α 係数 平均 SD α 親密度 3.74 0.87 0.81 使用度 3.22 0.90 0.77 積極性 2.61 0.92 0.76 4. 自己開示尺度の分析 次に 自己開示尺度 36 項目の平均値 SD を算出したところ 平均値 1.79(SD=0.52) であっ た α 係数を算出したところ 0.98 であった 5.mixi への依存性尺度と自己開示尺度の関連 mixi への依存性尺度の総得点および 3 つの下位尺度と 自己開示尺度の相関係数を算出した その結果 親密度 尺度と自己開示の間には r=.22 使用度 尺度と自己開示の間には r=.05 積極性 尺度と自己開示の間には r=.004 であった mixi への依存性尺度の下位尺度 親密度 と自己開示との間に弱いながらも相関がみられた 使用度 と自己開示 積極性 と自己開示には 相関がみられなかった Table3 自己開示と mixi の依存性依存性と各下位尺度間各下位尺度間の相関係数 親密度 使用度 積極性 自己開示尺度 親密度.152 -.085.221 使用度.152.286 *.054 積極性 -.085.286 * -.004 自己開示尺度.221.054 -.004 *p<.05 考察 (1)mixi への依存性尺度について因子分析の結果 3 因子構造がみられ それぞれ 新密度 使用度 積極性 と命名した 親密度 因子については あらかじめ想定していた下位尺度が支持されたと言えるだろう また 積極性 因子も あらかじめ想定していた下位尺度が支持されたと言えるだろう 使用度 因子については SNS が情報ツールとして生活の中でどれほど需要があるのかを測ることができ それによって依存性を測ることができると考えるために必要な因子であると考えられる また 内的統合性を検討するα 係数は 新密度 因子 使用度 因子 積極性 因子で十分な値が得られた 5

(2)mixi への依存性尺度と自己開示尺度との関連について mixi への依存性尺度の下位項目と自己開示尺度には 親密性 との間に 正の相関が得られた 仮説を立てていたように mixi への依存度が高いことで 情報が公に晒される場である mixi の友人との 親密性 と 自己開示の相関が高くなった このことは 項目内容から相手の顔を知っていたり mixi とは別にメールや電話をする という項目があるため mixi 外の生活の中で友人になったマイミクシィとの関わりが高いことが考えられるのではないか 親しい友人のため 自己開示が高くなったと考える また 使用度 において自己開示との相関が低かった 使用度においては 主にチェックをする項目が多かったので 自分のことを公開する日記を書くという結果よりも 友人の記事をチェックしたり 情報を得るためのものだったと考えると 自己開示との相関がでなかったのではないかと考えられる 積極性 においても 自己開示との相関が低かった mixi では誰とでも関われたり 友人をたくさん作ろうと考えることについて 自分のことを知ってほしいからだと想定していたが マイミクシィの数が表示されることや キリ番という仕組みがあることから 数に固執しているだけで 情報が公開されることについて自覚がない場合があることが考えられるのではないか また mixi には公開範囲というものを日記や写真 ボイス等の機能によって変えることができるため 全体公開を利用していない場合は自己開示が低いと考えられるのではないか これらのことから 先行研究 ( 尾上 2007) と同じように,mixi への依存性と自己開示の相関はみられないと考えられる 実態調査から分かるように 個人の携帯電話やパソコンを所持することが定着しているが 日常の中での交流と ネットを通しての交流には違いがあるのではないか 外見をはじめ 偽ることもできるネットでの交流には自己開示との相関はのぞめないのではないだろうか 4. 今後の課題今回 私たちが作成した mixi への依存性尺度 そのものの信頼性は認められたと言えるだろう しかし 自己開示との相関はほとんどみられなかった その原因として mixi に多種多様な機能があることを考慮して質問紙を作らなかったため 使用目的についての実態調査も同時に調査する必要があったのではないかと考えられる また 質問紙を実施する際に 教示がわかりにくかったため 統一性のある結果が得られなかったと考えられる また mixi には公開範囲という機能があるため その範囲によっても 差が表れるのではないだろうか また マイミクシィにおける内わけとして mixi 外での交流のある友人と mixi 内のみの友人の割合も同時に調査必要があると考えられる 6

参考 引用文献 堀洋道 山本真理子 (2001). 心理測定尺度集 Ⅰ サイエンス社 276-279 加藤幹生 (2010). mixi とソーシャルネットワーク学習院大学計算機センター第 21 回特別研究 研究会 講演 133-170 川浦康至 坂田正樹 松田光恵 (2005). ソーシャルネットワーキング サービスの利用に関する調査 mixi ユーザーの意識と行動 (23),91-110 尾上恵子 (2007). 女子学生の人間関係構築における諸要因について一宮女子短期大学紀要 46,15-22 湯田聴夫 小野直亮 藤原義久 (2006). ソーシャル ネットワーキング サービスにおける人的ネットワークの構造 ( 事例分析, 特集 ネットワーク生態学 生命現象から社会文化現象の新しいパースペクティブ~) 情報処理学会論文誌 47(3),865-874 7