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資料 -3 事業継続ガイドラインの改定について 平成 25 年 7 月 24 日内閣府 ( 防災担当 ) 普及啓発 連携担当

1. 事業継続ガイドライン改定の背景 内閣府では 平成 15 年 中央防災会議に専門調査会を設置し 民間企業等の事業継続計画 (BCP) の必要性を取りまとめ 平成 17 年に 事業継続ガイドライン第一版 を策定 平成 21 年には 事業継続ガイドライン第二版 に改定した 本書及び関連文書をもとに 事業継続の 認識定着 ~ 計画策定 ~ 運用改善 を推進してきたが 並行して 現状の課題を把握し 本書の拡充について その必要性も検討してきたところである 事業継続ガイドライン ( 平成 17 年 平成 21 年 ) 解説書 ( 平成 19 年 ) ガイドライン 活用の状況 〇民間企業等における BCP 策定時の参考文献として 最初に挙げられる〇業界団体等が作成するBCP 関連の各種ガイドラインの参考文献にもなっているしかし 事業継続ガイドラインは BCP 文書を作成するための指針と考えられることがある 事業継続ガイドラインは 災害に特化した指針と考えられることがある 民間企業等における課題 社内の一部の人達の取組で満足している 雛形やテンプレートをそのまま利用し BCPの内容が自社の実状に合っていない 地震 BCP インフルエンザ BCPのように 継続するほど文書が増える コストが掛かると考えている 平時の取組に関して どこまでやるべきか どのようにやるべきかわからない 中小企業等では 必要性を感じても 対応できないと考えることがある 事業継続の取組を促進するため 事業継続ガイドライン のさらなる充実が必要!

2. 事業継続ガイドライン改定の目的と主なポイント 改定に当たり 前述の課題とともに 国内外の事業継続に関する動向や災害対応も踏まえ 時宜を得た改定の目的とした また その目的に応じ 主となるポイントを充実させた トピックス BCP 策定済企業の増加大企業 :27.6% 45.8% 中堅企業 :12.6% 20.8% 中小企業等への事業継続の取組の普及促進 BCP 策定後の運用不全 東日本大震災 (H23.3.11) タイ洪水 (H23. 秋 ) 国際規格 ISO22301 及び ISO22313 発行 改定の目的 BCM の普及啓発 有事のための BCP から平時からの BCM へ企業の意識転換を図ること 運用に係る内容充実 BCP 策定後の実効性向上を目指し 運用に関する内容を充実させること 災害等の教訓反映 東日本大震災等の災害への対応から得られた教訓を盛り込むこと 国際動向への留意 事業継続の国際標準である ISO223 シリーズとの関係性に留意すること 主なポイント 章立ての再構築による BCM の強調 BCM の実施 BCP/BCM の見直し 改善に関する章の拡充 事業継続戦略に関する章の新設経営者に言及する項目の追加 経営者に言及する項目の追加

3. 章立ての再構築による BCM の強調 BCP 策定後に取組が続かなかったり あるいは BCP の文書ばかりが厚くなり 管理コストは増える反面 実効性は無くなるなどの現状の課題を鑑み 第二版の内容について BCP の単なる文書化が目的とならないよう 平時からの取組 (BCM) を強調するように構成を見直した 第二版では 計画 としてひとまとめであったところを細分化し 章に格上げすることで BCM の流れを分かり易く示した 1 第二版で言うところの BCP は BCM に置き換わった 2 その上で BCP は緊急時の計画として あくまで計画の一部分であるとした ( 記載内容自体は拡充している ) 3 その他 3 つの計画は BCM に必要な平時に使用する計画として 定義した 4 文書化は別項目として 絶対条件では無い旨 記載した 事業継続マネジメント (BCM) の各プロセス ( 第三版 ( 案 ) より抜粋 )

4.BCM の実施 BCP/BCM の見直し 改善に関する章の拡充 社内の一部の人達の取組で満足していたり 中小企業等で実施方法が分からず躊躇しているような現状を踏まえ 多くの人達や様々な企業で平時から取り組み易くなるよう 教育 訓練に関する内容の充実 PDCA を意識した分かり易さを追求した 3 見直し 改善 (C)(A) の内容を拡充した どこからでも柔軟に BCM サイクルが実施可能であることを矢印で示した 例示等を拡充 2 計画 (P) に対応する形で 実施 (D) の章を作った 1BCM に必要な平時に使用する計画 (P) を定義した 事業継続マネジメント (BCM) の各プロセス ( 第三版 ( 案 ) より抜粋 )

5. 事業継続戦略に関する章の新設 特定事象のみの BCP を策定したことにより 想定外の事象には柔軟に対応できなかった知見から 幅広いリスクに対応 するための考え方を盛り込み さらには サプライチェーン等が途絶した経験をもとに 連携の重要性も踏まえた 代替戦略 に関する内容を充実した 事業継続戦略 ( 特に代替戦略 ) 及び対策 ( 連携などを含む ) について 説明を拡充 事業継続マネジメント (BCM) の各プロセス ( 第三版 ( 案 ) より抜粋 )

6. 経営者に言及する項目の追加 取組の現状や災害教訓 国際動向も踏まえ 経営者の平時からの関与や災害時のリーダーシップの重要性に関する内容を随所に追加した

7. 今後の取組について 事業継続ガイドライン改定後 その詳細な説明などを盛り込んだ解説書の策定を検討する 並行して 事業継続ガイドラインの項目に沿う 事業継続事例集の策定を進める その他 BCP/BCM の連携手法や BCP/BCM の動機付け施策の調査 分析を予定している 取組概要 平成 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 ~32 ~ 1 基本図書 ( 事業継続ガイドライン等 ) の充実による普及啓発 + 事業継続計画策定 運用促進方策に関する検討会による施策検討 現状分析 意見交換 2BCP 策定事例の収集 情報提供による普及啓発 3 事業継続に関する課題解決施策の設計 展開による普及啓発 4 企業の事業継続の取組に関する実態調査 調査会発足 現行検討会発足 防災基本計画 防災基本計画盛り込み位置づけ強化 ガイドライン ガイドライン第 1 版策定解説書策定第 2 版策定 ホームページ強化 ヒアリング開始 大 中堅企業への実態調査開始 特定分野の企業等への実態調査開始 ガイドライン ( 第 3 版 ) 解説書改訂予定 企業間連携訓練の調査 検討 / 設計 展開 ( 平成 22 年度 ~) 支援評価施策等の調査 検討 ( 平成 25 年度 ) 大企業 : ほぼ全て中堅企業 : 50% 8

活用し易さ向かり易さ向上時間と不可分な目標復旧レベルの存在を改めて言及分 参考 1 事業継続ガイドラインの変遷 第 1 版 (H17.8) 策定の趣旨企業が自ら事業継続に取組むことを促進するための指針として策定 特徴 1. 重大な災害リスクでかつ海外からも懸念の強い 地震 を想定した事業継続計画の策定を推奨 2. 多大な投資やコストが不可欠であるという立場をとらず 既存の資源を生かしつつ 知恵を出し合いながら取り組むことを推奨 3. サプライチェーンに組み込まれた中堅中小企業も念頭におき できる部分からの取り組みを推奨 4. 今後の国際規格化への合致を勘案 5. 生命の安全確保 二次災害の防止も重視し 従来の防災対策との整合性を確保することを推奨 6. 地域との協調 地域貢献 共助 相互扶助の考え方も要素に組み込むことを推奨 7. 継続的改善 既存のマネジメントシステムとの整合性を図ることを推奨 第 2 版 (H21.11) 改訂事項 1. 他のガイドラインとの相関関係の明示 主に自然災害を想定した例示を用いることから 自然災害以外のリスクに関しては適宜他のガイドラインを参照することを追記 2. 一般的に適用可能であることの明示 本ガイドラインが企業の規模や業種を問わず一般に適用可能である事業継続の枠組みを示していることを追記 3. 全てのビジネスリスクを対象としていることの明示 大規模水害や新型インフルエンザを含む感染症等への懸念の増大に伴い わが国における重大な災害リスクである 地震 だけでなく 他のビジネスリスクも対象としていることを改めて言及 4. 発展 定着につながる点検 是正措置の重視 上 企業統治のあり方に係る制度等が新たに導入されたこと 計画策定済 策定中の企業が増加してきたこと及び国際的な観点から 事業継続の取組み発展 定着につながる点検 是正処置の重要性を強調 5. 目標復旧時間と不可分な目標復旧レベルの存在明示 発生前より段階的な対処が求められ かつ影響が長期に亘るリスクへの対応を想定する際 継続すべき業務レベルの設定が重要となることから 目標復旧 9

参考 2 事業継続ガイドライン第二版の構成について 事業継続の取組みの流れ 2.1 方針 2.6 経営層による見直し 2.2 計画 2.5 点検および是正措置 2.2.1 検討対象とする災害の特定 2.2.2 影響度の評価 2.2.2.1 停止期間と対応力の見積もり 2.2.2.2 重要業務の決定 2.2.2.3 目標復旧時間の設定 2.4 教育 訓練の実施 2.2.3 重要業務が受ける被害の想定 2.2.4 重要な要素の抽出 2.2.5 事業継続計画の策定 2.2.5.1 指揮命令系統の明確化 2.2.5.2 本社等重要拠点の機能の確保 2.2.5.3 対外的な情報発信および情報共有 2.2.5.4 情報システムのバックアップ 2.2.5.5 製品 サービスの供給関係 2.3 実施および運用 2.3.1 事業継続計画に従った対応の実施 2.3.2 文書の作成 2.3.2.1 計画書およびマニュアルの作成 2.3.2.2 チェックリストの作成 2.3.3 財務手当て 2.3.4 計画が本当に機能するかの確認 2.2.6 事業継続とともに求められるもの 2.2.6.1 生命の安全確保と安否確認 2.2.6.2 事務所 事業所および設備の災害被害軽減 2.2.6.3 二次災害の防止 2.2.6.4 地域との協調 地域貢献 2.2.6.5 共助 相互扶助 2.2.6.6 その他の考慮項目 2.3.5 災害時の経営判断の重要性

参考 3 事業継続に関する課題解決施策の普及啓発 東日本大震災やタイ洪水等の経験を通じて 各企業や団体内のみならず 取引先企業を含めたサプライチェーン等について 事業継続性の確保が極めて重要であることが分かった しかし 取引先企業等の事業継続に係る連携訓練の実施率は極めて低いという問題がある そこで 内閣府では より多くの企業が連携訓練に取り組めるよう, 連携訓練の手引き を作成したところである 企業規模 事業継続に係る訓練の実施率 取引先等との連携訓練の実施率 大企業 50.3% 8.0% 中堅企業 24.6% 5.8% 全体 35.5% 7.0% その他企業全体 25.6% 5.7% 出典 : 内閣府 企業の事業継続に関する実態調査 ( 平成 24 年 3 月 ) 連携訓練の手引き ( 内閣府防災のホームページ ) http://www.bousai.go.jp/kyoiku/kigyou/topics/pdf/t ebiki13_03.pdf 11