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α α α α α α

映像情報メディア学会誌 Vol. 71, No. 10 2017 図 1 レーザビーム方式 図 3 PLAS の断面構造 図 3 に PLAS の断面構造を示す PLAS はゲート電極上の チャネル部の部分的な領域のみをフォトマスクとエッチン グなしに結晶化することが可能である 従来のラインビー ム装置はゲート電極上 テーパー上 ガラス上などの表面 の結晶性制御の課題がある 一方この装置はゲート上の チャネル部のみを部分的に結晶化することができるので結 晶性制御が容易である 図 2 プロセスフロー 3 結果 部分レーザアニール装置を用いる 図 1 11 この装置は 3.1 G10 基板上のゲート電極上の TFT チャネル部などの任意の 結晶化に 351 nm XeF エキシマレーザを使用した 移動 部分的な箇所を結晶化アニールすることができ ボトム 度のエネルギー密度とショット回数依存を図 4 に示す 350 ゲート構造における結晶性や TFT 特性の基板面内ばらつ mj/cm2 以下では移動度はエネルギー密度に比例した 一 きを改善することが可能である レーザアニールの位置合 方 350 mj/cm 2 以上では微結晶化に起因する急激な移動度 わせは 高速 高解像度カメラでゲート電極をキャプチャ の低下が確認された したがってわれわれは 300 350 し 目標の TFT チャネル部をリアルタイムで計算 mj/cm2 のエネルギー密度を採用した Excimer Laser Annealing フィードバック制御することで行う この技術により G10 などの大型基板において高精度な位置合わせと高ス ループットを達成することが可能である PLAS はエキシ マまたは YAG レーザどちらも使用できる 図 2 に α-si TFT と PLAS TFT のプロセスフローを示す PLAS チャネルエッチング型 CE TFT のプロセスフロー は α -Si TFT のものと基本的には同じであり 脱水素ア ニール レーザアニール 2nd n+/α-si CVD の工程が追 加されるのみである そのため α-si と同じ 4 5 枚のフォ トマスクで製造が可能であり コストメリットがある PLAS CE TFT と比較して PLAS エッチストッパー型 ES TFT はバックチャネルダメージとチャネル部 Si の膜 厚分布に対して強みがある このプロセスでは SiO2 のフォ トリソとエッチング工程がさらに追加され 5 枚マスクプ 図 4 PLAS CE TFT の移動度のエネルギー密度 ショット回数依存 ロセスになる J220

論 文 G10 大型基板向けの革新的な LTPS 技術で製造した 19.5 型 4K LCD 図 5 PLAS CE, ES TFT の伝達特性 図 6 PLAS ES TFT の伝達特性のレーザ幅依存性 レーザー幅 X = 12 μ m W/L = 10/4 μ m レーザ幅 X = 4, 6, 7, 9, 11 μ m W/L = 10/6.3 μ m Vds = 10 V ソース-ドレイン間電圧 Vds = 10 V 3.2 表 1 TFT 特性まとめ CE ES TFT プロセス比較 PLAS CE TFT と ES TFT の伝達特性を図 5 に示す レ ー ザ 条 件 は 3 0 0 m J / c m 2 2 0 回 シ ョ ッ ト ま た は 3 5 0 mj/cm 2 50 回ショット レーザ幅は 12 μ m である CE TFT 300 mj/cm 2 20 shots の CE TFT は移動度が 7.32 cm2/vs しきい値電圧 Vth が 1.48 V 最小オフ電流 Ioff が 37.1 pa であった 300 mj/cm2 20 shots の ES TFT は 移動度が 11.41 cm2/vs, Vth が 1.67 V, Ioff が 50.7 pa であっ た ES TFT の方が CE TFT よりも大きな移動度を示した さらに 350 mj/cm2 50 shots の ES TFT は移動度 28.01 cm2/vs を示し 量産されている IGZO よりも大きい値を示 した 3.3 部分レーザアニール 伝達特性のレーザ幅依存を図 6 に示す PLAS CE TFT はチャネル部 Si の残膜により 特性がばらつくことが懸念 される ここではその影響を最小限にするため PLAS ES TFT 構造を用いてレーザ幅依存性を調査した レーザ幅はレーザアニールのマスクで フォトリソ工程 の増加なしに製作した レーザ条件は 300 mj/cm 2 20 回 図 7 移動度と Ion Vg = 30 V のレーザ幅依存性 ショットである レーザ幅 X=11 μ m では 移動度 11.3 cm2/vs を示し Vth は 4.2 V Ioff は 77.7 pa だった その 他のレーザ幅の TFT 特性を表 1 に示す さらに移動度とオ ン電流 Ion Vg=30 V のレーザ幅依存を図 7 に示す Ion と レーザアニールなど 異なる特性を持つ TFT をレーザア Ioff はレーザ幅に比例した 一方 Vth はレーザ幅にほと ニールのマスクにより同時に作り分けることができること んど依存しなかった 移動度はレーザ幅に対して若干の増 を示す さらにこのコントロール可能な TFT 技術は 2 加が確認された これはレーザ照射面積が大きくなると照 T1C 二つの TFT に一つのキャパシタを有する 回路など 射時温度上昇が大きくなるためと想定される 絵素内に複数の TFT がある 例えば OLED バックプレー PLAS 技術はレイヤを追加することなく 同一レーザ条 ンのようなものにも適用が可能である 3.4 件でもレーザ幅で電流値を制御することが可能である こ 光安定性 れは 例えば低いオフ電流が求められる絵素 TFT には幅 dark と light 測定環境下の TFT 特性を図 8 に示す PLAS の小さいレーザアニール 高いオン電流が求められる gate CE TFT ES TFT ともに dark 環境下から light 環境下で driver on array のような駆動回路 TFT には幅の大きい の Vth シフトはほとんどなかった 図 8 a b 一方 αj221

映像情報メディア学会誌 Vol. 71, No. 10 2017 図 8 Dark から 80000 cd/m2 環境下の伝達特性 Vds = 10 V 図 11 G10 ラインにおいて試作した 19.5 型 4K LCD 表 2 19.5 型 4K 試作パネルの仕様 図 9 NBTIS 下での Vth シフト Vg=-30 V, Vds=0 V 60 80000 cd/m2 ぞれ 0.25 と 0.75 の間では Vth のシフトに差は確認されな かった この結果は TFT の実効領域はレーザアニールさ れた領域によってのみ決められ α-si 領域の影響は考える 必要がないことを示している この LTPS 同等の光耐性 は PLAS が OLED バックプレーンや HDR TV 屋外用 ディジタルサイネージに適していることを示している 3.5 パネル表示品位 G10 ラインで PLAS ES TFT の 19.5 型 4K LCD を試作し た 図 11 表 2 ムラもなく良好な表示品位を示した わ れわれは G10 工場にて 2017 年には高解像度 高精細 高輝 図 10 NBTIS のレーザ幅依存 度屋外用ディジタルサイネージなどの大型パネルの量産を Vg = -30 V, Vds = 0 V, 60 80000 cd/m2 予定している 4 む Si の Vth はマイナス方向に大きく変化し オフ電流も悪化 す び 表 3 に示すように われわれは Oxide TFT と同等の移動 した 図 8 c NBTIS 試験による Vth シフトを図 9 に示す PLAS CE 度と LTPS と同等の光安定性を持つ PLAS TFT をボトム TFT と PLAS ES TFT の Vth シフトはそれぞれ 0.76 V と ゲート構造で開発した この革新的な技術は α-si TFT を最 0.34 V であり α-si TFT の 1.86 V よりも小さかった ここ も容易にかつ安価に高移動度へ転換することが可能である 本論文では Ion と Ioff が 新たなレイヤを必要とせずに で PLAS CE TFT と PLAS ES TFT の差はチャネルエッ チダメージによるものと考えられる レーザの幅を変えるだけでコントロールできることが示さ われわれは残された α-si 領域についても調査した レー れた 加えて 良好な光耐性も示された PLAS の光安定 ザ幅の異なる PLAS CE TFT の NBTIS 結果を図 10 に示 性は OLED バックプレーンや HDR TV 屋外用ディジタル す レーザ幅 X=4 μ m と 12 μ m レーザ領域の割合はそれ サイネージとしても期待される さらに G10 やそれ以上 J222