マグネシウム合金板の冷間プレス成形 マグネシウム合金部品の製造 豊橋技術科学大学森謙一郎平成 19 年 1kg 軽量 :1km/l 燃費向上 高張力鋼板 (7.8) チタン (4.5) アルミニウム (2.7) マグネシウム (1.8) 引張強度 / MPa 比重 比強度 / MPa マク ネシウム合金板 (AZ31) 25 1.8 139 アルミニウム合金板 (A552) 29 2.7 17 軟鋼板 (SPCC) 34 7.8 44 〇ダイカスト薄肉化, 高強度化生産性向上〇プレス成形温間 (~ ): 装置複雑冷間 : 成形性低 温間プレス成形品冷却水パンチヒーター 1. マグネシウム合金板の機械的特性 2. 冷間円筒 角筒深絞り加工, 曲げ加工 3. 小さな底角半径を持つ円筒容器の冷間 市販マグネシウム合金板の冷間深絞り加工 展伸用材 AZ31 マグネシウム合金板,.5mm Al Zn 2.5~3.5.7~1.3 (mass%) Mn.~.35 4. 小さな底角半径を持つ角筒容器の冷間 5. 角筒容器の底部ビード成形市販材に対し, 冷間において深絞り加工を行う パンチ 成形性の評価成形性の向上
焼なまし処理による成形性の変化 ( 絞り比 =1.32) 焼なまし処理による微視的組織の変化 (a) 焼なまし無し (b) 焼なまし有り (5, 1h) (a) 焼なまし無し 5μm (b) 焼なまし有り マグネシウム合金板の機械的性質 耐力 / MPa 引張強さ / MPa ビッカース硬さ Hv 伸び / % r 値 n 値 絞り比 =1.32 焼なまし無し 214 274 61.6 17.6 1.33.14 焼なまし有り 5, 1h 153 247 55.5 22.4 1.5.32 1mm 破断伸び /% 破断伸びおよび絞りと焼なまし温度の関係 25 15 1 5 絞り 未処理材の絞り 未処理材の破断伸び 破断伸び 35 4 45 5 55 6 焼なまし温度 / 25 15 1 5 絞り /% 結晶粒径および硬さと焼なまし温度の関係 結晶粒径 / m 25 15 1 5 硬さ 結晶粒径 未処理材の硬さ 35 4 45 5 55 6 焼なまし温度 / 8 7 6 5 4 1 硬さ /HV 限界絞り比 限界絞り比と焼なまし温度の関係 2 1.8 1.6 1.4 1.2 r=2mm r=5mm 1 35 4 45 5 55 6 焼なまし温度 T/ C 集合組織, 双晶変形, 結晶粒径,Mn 化合物の固溶
1. マグネシウム合金板の機械的特性 2. 冷間円筒 角筒深絞り加工, 曲げ加工 3. 小さな底角半径を持つ円筒容器の冷間 4. 小さな底角半径を持つ角筒容器の冷間 5. 角筒容器の底部ビード成形 パンチ 冷間円筒深絞り加工条件 パンチ直径 D p / mm パンチ肩半径 R p / mm クリアランス / mm 直径 D d / mm 肩半径 R d / mm ブランク板厚 / mm パンチ速度 / mm min -1 力 / kn 潤滑剤 18.6,18.8,19. 2,5.5,.6,.7 4.5 15 1 アルミニウム用油性潤滑剤二硫化モリブデンテフロンシート (t=.5mm) テフロンスプレー 円筒容器外観写真 各パンチ肩半径における肉厚ひずみ分布 ( 絞り比 1.65).2 (a) 割れ無 (Rp=2mm,r=1.7) (b) 割れ無 (Rp=5mm,r=1.7) 肉厚ひずみ.15.1.5 R p =5mm R p =2mm (c) パンチ肩部での割れ (Rp=2mm,r=1.75) 1mm (d) フランジ端部での割れ (Rp=5mm,r=1.75) -.5 -.1 2 4 6 8 1 12 14 16 18 中心からの距離 /mm 各潤滑剤における限界絞り比 (C=.6mm,R p =2mm) 1.8 C=.5mm 割れの形態 C=.6mm C=.7mm 限界絞り比 1.7 1.6 1.65 1.65 1.65 1.7 Rp=2mm 剥れ (r=1.56) 肩割れ (r=1.75) 肩割れ (r=1.77) Rp=5mm 1.5 アルミニウム用油性潤滑剤 テフロンシート テフロンスプレー 二硫化モリブデン 剥れ (r=1.56) フランジ割れ (r=1.75) フランジ割れ (r=1.77)
1.8 1.7 1.67 各パンチ形状における限界絞り比 1.72 1.7 1.7 18.8 パンチ 冷間角筒深絞り加工条件 R3.4 18.8 W 限界絞り比 1.6 C C=.18W,.24W,.3W 1.5 1.4 C=.7mm Rp=2mm C=.7mm Rp=5mm C=.6mm Rp=2mm C=.6mm Rp=5mm 1.47 1.47 C=.5mm Rp=2mm C=.5mm Rp=5mm.. 潤滑剤 : 二硫化モリブデン ブランク幅 W 変化絞り深さ 角筒容器外観 AZ61 と AZ31 における高温焼なましによる微視的組織の変化 m (a) C=.18W 割れ無 (r=1.38) (b) C=.24W 割れ無 (r=1.44) (c) C=.3W 割れ無 (r=1.44) 未処理材 (a)az61 T=5 (d) C=.18W 割れ有 (r=1.44) (e) C=.24W 割れ有 (r=1.5) (f) C=.3W 割れ有 (r=1.5) 未処理材 (b)az31 T=5 AZ61 と AZ31 における冷間深絞り加工性の差 限界絞り比の円筒容器における各部微視的組織 1μm φ18.6 1 双晶変形 : 多 割れ β=1.4 (a) AZ61 β=1.45 AZ61 AZ31 (c) 側壁部引張 圧縮変形 双晶変形 : 少 割れ β=1.61 (b) AZ31 β=1.67 AZ61 AZ31 AZ61 AZ31 (a) パンチ底部変形量 : 小 (b) パンチ肩部引張 引張変形
冷間 V 曲げ加工条件.5 R.1 パンチ 19.6 9 9 19.6 s Rp=.8,1,1.5,2 T=~5 試験片 :AZ61, AZ31 ( 幅 1mm) 9.8 AZ61,R p =1.mm における高温焼なましによる冷間曲げ加工性の向上 (a) 未処理 5mm クラック.5mm クラックなし (b) T=5 曲げ成形性に及ぼすパンチ先端半径と焼なまし温度の影響 パンチ R p=.8,1,1.5,2 9 T=5,R p =1.mm,, における冷間 V 曲げ加工後の微視的組織 双晶変形 : 多双晶変形 : 小 パンチ先端半径 Rp/mm : クラック無し : クラック有り 焼なまし温度 T/ 焼なまし温度 T/ 常温 4 5 常温 4 5 2. 2. 1.5 1.5 1..8 (a) AZ61 パンチ先端半径 Rp/mm 1..8 (b) AZ31 (b) (a) (c) (a) 内側圧縮 AZ61 AZ31 (b) 中央変形なし 1 m (c) 外側引張 1. マグネシウム合金板の機械的特性 2. 冷間円筒 角筒深絞り加工, 曲げ加工 3. 小さな底角半径を持つ円筒容器の冷間 4. 小さな底角半径を持つ角筒容器の冷間 5. 角筒容器の底部ビード成形 これまでの冷間深絞り加工実験結果大きな半径割れ (a) 焼なまし無し (β=1.32) (c) 角筒, 焼なまし有り (5 C, β=1.44) (b) 焼なまし有り (5 C, β=1.7)
絞りダイ角半径減少のための冷間 β=1.72 割れ (a)r p =1mm (b)r p =5mm 側パンチ容器外し側パンチコンテナ内わパンチ押えR バネ 平頭パンチを用いた冷間 φ18.6 パンチ φ. ネR5 外側パンチコンテナバ側パンチ内φ19.8 φ18.8 φ1 平頭パンチ 平頭パンチを用いた冷間 2 段成形の有限要素シミュレーション結果 外側パンチ内側パンチ平頭パンチを用いた冷間 2 段成形による容器断面形状実験結果 φ18.9 9.4 R5. φ18.9 7.2 R1.1 コンテナ (s=2.6mm) ンチ側壁高さ増加のためのしごき加工 しわ押R5 φ18.6 パえφ. (a) a=% 平頭パンチおよび平頭パンチとしごき加工を用いた冷間 2 段成形後の断面形状の比較 φ18.9 φ18.9 7.2 8.4 R1.1 R1.1 φ19.69 割れ しごきダイ (b) a=25% (a) 平頭パンチ (s=2.6mm) (b) 平頭パンチ,% しごき (s=2.8mm)
わ押え肉厚ひずみ 肉厚ひずみおよび硬さ分布の比較.3 1.2 硬さ分布 8.1 6 -.1 肉厚ひずみ 4 -.2 平頭 平頭, しごき 2 段目角部 -.3 2 4 6 8 1 12 14 16 中心からの距離 /mm 硬さ /HV 1. マグネシウム合金板の機械的特性 2. 冷間円筒 角筒深絞り加工, 曲げ加工 3. 小さな底角半径を持つ円筒容器の冷間 4. 小さな底角半径を持つ角筒容器の冷間 5. 角筒容器の底部ビード成形 角筒容器の冷間 2 段成形 ブランク R8.1 角筒容器の限界絞り比 パンチ. 18.8 27 容器外側パンチし側パンチ 19.8 18.8 1 コンテナ内(a)β=1.44 割れ (b)β=1.49 平頭パンチを用いた冷間 2 段角筒成形の有限要素シミュレーション結果コンテナパンチ外側パンチブランク内側パンチ容器 (a) 1 段目 平頭パンチを用いた冷間 2 段角筒成形の有限要素シミュレーション結果 5.4 R3.9 相当ひずみ.5.46.42.38.33.29.25.21.17.13.8.4. 3.8 R.9
ンパンテナゴ2 段成形された角筒容器の平行方向断面実験結果 2 段目にゴムパンチを用いた角筒容器の冷間 19. 19.5 5.2 (a) 1 段目 R3.7 18.9 3.5 R.6 (b) 2 段目 (s=2.8mm) ダイし わ押えパンチラ 18.8. R3.4 ンバーパンチパ容器 t=3.7 チ 19.8 19. コンテナ 18.9 角筒容器の精度向上実験結果 R1.7 3.5 R.6 (a) スチールパンチ (s=2.8mm) 18.9 3.8 R.5 R.3 (b) ゴムパンチ (s=3.mm) 肉厚ひずみ スチールパンチとラバーパンチの硬さおよび肉厚ひずみの比較.2.1 -.1 -.2 9 8 硬さ分布 7 6 5 肉厚ひずみ 4 スチールパンチ ラバーパンチ 2 段目角部 1 2 4 6 8 1 12 14 中心からの距離 /mm 硬さ /HV 1. マグネシウム合金板の機械的特性 底部ビード成形方法 2. 冷間円筒 角筒深絞り加工, 曲げ加工 チR : 大パ3. 小さな底角半径を持つ円筒容器の冷間 4. 小さな底角半径を持つ角筒容器の冷間 5. 角筒容器の底部ビード成形 1 段目 ンチムパンチ コ
パンムパンチパナゴムパンコンテンテナゴパンチムパムパンンチパンテナゴンテナゴ底部ビード成形方法 底部ビード成形方法 ンチR コンチチパR コンチR ンチチR チパパンチコ底角での割れ防止 1 段目 2 段目 底部ビード成形方法方法パンチ底部ビード成形方法 2 段目 ビード成形 底角半径の減少 2 段目 角筒容器における底部ビード成形条件 ンチパs 19.8 18.8 w =5, 6, 7 1kN. ゴムパパンチ器ンチ3.5 h =1.5, 2., 2.5 1. 5. 45 コンテナブランク :AZ31 (T=5 ) 板厚 :.5mm R8.1 27 潤滑剤二硫化モリブデン w=6mm,h=2.mm,, ゴムパンチにおける 2 段目の成形形状 r =2.2mm r =2.mm 5mm r =1.37mm (a) s =1.5mm (b) s =2.mm (c) s =3.mm
ゴムパンチと鋼パンチにおける底部ビード成形品 5mm クラック 充満率 Vc/Vd /% 1 1 8 6 4 容器ビード部への充満率に及ぼすゴムパンチ突起部幅と突起部高さの影響 充満率 Vc/Vd /% 8 6 4 成形品 Vc Vd (a) ゴムパンチ (w=6mm,h=2.mm) (b) 鋼パンチ (w=5mm,h=1.mm) 5 6 7 ゴムパンチ突起部幅 w /mm (h=1.5mm) 1.5 2. 2.5 ゴムパンチ突起部高さ h /mm (w=6mm) w=6mm における容器の底角半径に及ぼす突起部高さの影響 底角半径 r/mm 2. 1.6 1.2.8.4 r 5mm r=1.37mm マグネシウムプレス成形, まとめ 成形性向上 :5 の高温焼なまし : 底角半径の小さい容器, 底部にビードが付いた容器を成形できた. 1.5 2. 2.5 ゴムパンチ突起部高さ h/mm w=6mm, h=2.mm 参考文献 森謙一郎, マグネシウム合金板の冷間深絞り加工, アルトピア, 37-2(7), 15-. 森謙一郎, 辻浩和, 市販マグネシウム合金板の冷間深絞り加工, 塑性と加工,48-552(7), 41-45. 森謙一郎, マグネシウム合金板の冷間プレス加工, 工業材料,56-7(8), 68-71. 森謙一郎, マグネシウム合金容器の冷間プレス成形, プレス技術,46-8(8), 68-71. 森謙一郎, 西島進之助,C.J. Tan, 小さな角半径を有するマグネシウム合金容器の冷間, 塑性と加工,5-576 (9), 64-68.