自己決定の場を設定する 自己存在感を持たせる 共感的な人間関係を育成する準備活動のどの場面で どの子どもを生かすのか 見通しを持って授業に臨む 導入の場面する 深める場面り返りの場面2 確かな学力の育成 複雑で変化の激しい現代社会に子どもたちが主体的に関わり よりよい社会を創造していくためには 一人

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1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

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資料3 道徳科における「主体的・対話的で深い学び」を実現する学習・指導改善について

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平成 29 年度 全国学力 学習状況調査結果と対策 1 全国学力調査の結果 ( 校種 検査項目ごとの平均正答率の比較から ) (1) 小学校の結果 会津若松市 国語 A は 全国平均を上回る 国語 B はやや上回る 算数は A B ともに全国平均を上回る 昨年度の国語 A はほぼ同じ 他科目はやや下

Ⅰ 評価の基本的な考え方 1 学力のとらえ方 学力については 知識や技能だけでなく 自ら学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などの資質や能力などを含めて基礎 基本ととらえ その基礎 基本の確実な定着を前提に 自ら学び 自ら考える力などの 生きる力 がはぐくまれているかどうかを含めて学力ととらえる必要があ

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2、協同的探究学習について

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7 本時の指導構想 (1) 本時のねらい本時は, 前時までの活動を受けて, 単元テーマ なぜ働くのだろう について, さらに考えを深めるための自己課題を設定させる () 論理の意識化を図る学習活動 に関わって 考えがいのある課題設定 学習課題を 職業調べの自己課題を設定する と設定する ( 学習課題

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

41 仲間との学び合い を通した クラス全員が学習に参加できる 授業づくり自分の考えを伝え 友達の考えを聞くことができる子どもの育成 42 ~ペア グループ学習を通して~ 体育における 主体的 対話的で深い学び を実現する授業づくり 43 ~ 子どもたちが意欲をもって取り組める場の設定の工夫 ~ 4

平成23年度全国学力・学習状況調査問題を活用した結果の分析   資料

平成29年度 中学校英語科教育 理論研究

主語と述語に気を付けながら場面に合ったことばを使おう 学年 小学校 2 年生 教科 ( 授業内容 ) 国語 ( 主語と述語 ) 情報提供者 品川区立台場小学校 学習活動の分類 B. 学習指導要領に例示されてはいないが 学習指導要領に示される各教科 等の内容を指導する中で実施するもの 教材タイプ ビジ

(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

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考え 主体的な学び 対話的な学び 問題意識を持つ 多面的 多角的思考 自分自身との関わりで考える 協働 対話 自らを振り返る 学級経営の充実 議論する 主体的に自分との関わりで考え 自分の感じ方 考え方を 明確にする 多様な感じ方 考え方と出会い 交流し 自分の感じ方 考え方を より明確にする 教師

第 5 学年 社会科学習指導案 1 単元名自動車をつくる工業 2 目標 我が国の自動車工業の様子に関心を持って意欲的に調べ, 働く人々の工夫や努力によって国民生活を支える我が国の工業生産の役割や発展について考えようとしている ( 社会的事象への関心 意欲 態度 ) 我が国の自動車工業について調べた事

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2 研究の歩みから 本校では平成 4 年度より道徳教育の研究を学校経営の基盤にすえ, 継続的に研究を進めてきた しかし, 児童を取り巻く社会状況の変化や, 規範意識の低下, 生命を尊重する心情を育てる必要 性などから, 自己の生き方を見つめ, 他者との関わりを深めながらたくましく生きる児童を育てる

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第 2 学年 理科学習指導案 平成 29 年 1 月 1 7 日 ( 火 ) 場所理科室 1 単元名電流とその利用 イ電流と磁界 ( イ ) 磁界中の電流が受ける力 2 単元について ( 1 ) 生徒観略 ( 2 ) 単元観生徒は 小学校第 3 学年で 磁石の性質 第 4 学年で 電気の働き 第 5

し, 定期的に評価することで 自己の考え を自覚する場面を意図的に設定している 本教材の学習においては, 様々な情報の中から必要な情報を取り出し, 整理 分析し, それに基づいた自分の考えを表現する活動を通して, 自己の考えの深まりや広がり を実感させることによって, 課題改善につなげたいと考えてい

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課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

座標軸の入ったワークシートで整理して, 次の単元 もっとすばらしい自分へ~ 自分向上プロジェクト~ につなげていく 整理 分析 協同的な学習について児童がスクラップした新聞記事の人物や, 身近な地域の人を定期的に紹介し合う場を設けることで, 自分が知らなかった様々な かがやいている人 がいることを知

Taro-5年研究のまとめ

中学校第 3 学年社会科 ( 公民的分野 ) 単元名 よりよい社会をめざして 1 本単元で人権教育を進めるにあたって 本単元は 持続可能な社会を形成するという観点から 私たちがよりよい社会を築いていくために解決すべき課題を設けて探究し 自分の考えをまとめさせ これらの課題を考え続けていく態度を育てる

授業の構成要素 学び合う授業で育つ 3 つの力 資料 2 基礎 基本の力知識 理解 技能 問題解決力思考力 判断力 表現力 想像力 学ぼうとする力学習意欲 自己有用感 身に付けた知識 技能を活用したり その成果を踏まえた探究活動を行う中で学び合う授業を展開する 教師の役割 < 問題提示の工夫 > 多

3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

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平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

○数学科 2年 連立方程式

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2 各教科の領域別結果および状況 小学校 国語 A 書くこと 伝統的言語文化と国語の特質に関する事項 の2 領域は おおむね満足できると考えられる 話すこと 聞くこと 読むこと の2 領域は 一部課題がある 国語 B 書くこと 読むこと の領域は 一定身についているがさらに伸ばしたい 短答式はおおむ

エコポリスセンターとの打合せ内容 2007

人間関係を深めるとともに, 児童が自己の生き方についての考えを深め, 家庭や地域社会との連携を図りながら, 集団宿泊活動やボランティア活動, 自然体験活動などの豊かな体験を通して児童の内面に根ざした道徳性の育成が図られるよう配慮しなければならない その際, 特に児童が基本的な生活習慣, 社会生活上の

各教科 道徳科 外国語活動 総合的な学習の時間並びに特別活動によって編成するものとする 各教科 道徳科 総合的な学習の時間並びに特別活動によって編成するものとする

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愛媛県学力向上5か年計画

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り込んで獲得するものではなく 探究の過程を通して 自分自身で取捨 選択し 整理し 既にもっている知識や体験と結び付けながら 構造化され 身に付けていくものである そして こうした過程を経て獲得された知識は 実社会 実生活における様々な課題の解決に活用可能な生きて働く知識 すなわち概念として形成されて

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3 特別支援学級における学習指導案 特別支援学級においても 学習指導案は授業の設計図としての働きに変わりはありません しかし 特別支援学級では 児童生徒の実態から指導の内容や計画を考えることに大きな意味があります 通常の学級の学習指導案では 例えば 単元について は学習指導要領に沿った指導計画に基づ

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平成 30 年 6 月 8 日 ( 金 ) 第 5 校時 尾道市立日比崎小学校第 4 学年 2 組外国語活動 指導者 HRT 東森 千晶 JTE 片山 奈弥津 単元名 好きな曜日は何かな? ~I like Mondays.~ 本単元で育成する資質 能力 コミュニケーション能力 主体性 本時のポイント

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平成 年度言語活動の充実促進モデル校事業の研究より 豊かな表現力を培う 各教科等における言語活動の充実 伝え合う力 の育成

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第4章 道徳

平成 21 年度全国学力 学習状況調査結果の概要と分析及び改善計画 調査実施期日 平成 21 年 10 月 2 日 ( 金 ) 教務部 平成 21 年 4 月 21 日 ( 火 )AM8:50~11:50 調査実施学級数等 三次市立十日市小学校第 6 学年い ろ は に組 (95 名 ) 教科に関す

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2 単元の目標 廿日市市 についての魅力を目的意識や相手意識を明確にして地域内外に発信することができる 自分たちの住む 廿日市市 に愛着をもつことができる 3 単元の評価規準 学習方法 自分自身 他者や社会 課題発見力 思考力 判断力 表現力 主体性 自らへの自信 対象と積極的にかかわる中で, 課題

学習意欲の向上 学習習慣の確立 改訂の趣旨 今回の学習指導要領改訂に当たって 基本的な考え方の一つに学習 意欲の向上 学習習慣の確立が明示された これは 教育基本法第 6 条第 2 項 あるいは学校教育法第 30 条第 2 項の条文にある 自ら進んで学習する意欲の重視にかかわる文言を受けるものである

第 2 学年 * 組保健体育科 ( 保健分野 ) 学習指導案 1 単元名生涯の各段階における健康 ( イ ) 結婚生活と健康 指導者間中大介 2 単元の目標 生涯の各段階における健康について, 課題の解決に向けての話し合いや模擬授業, ディベート形式のディスカッションなどの学習活動に意欲的に取り組む

第○学年○組 学習指導案

第 4 学年算数科学習指導案 平成 23 年 10 月 17 日 ( 月 ) 授業者川口雄 1 単元名 面積 2 児童の実態中条小学校の4 年生 (36 名 ) では算数において習熟度別学習を行っている 今回授業を行うのは算数が得意な どんどんコース の26 名である 課題に対して意欲的に取り組むこ

61.8%

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Microsoft Word - ④「図形の拡大と縮小」指導案

1 発達とそのメカニズム 7/21 幼児教育 保育に関する理解を深め 適切 (1) 幼児教育 保育の意義 2 幼児教育 保育の役割と機能及び現状と課題 8/21 12/15 2/13 3 幼児教育 保育と児童福祉の関係性 12/19 な環境を構成し 個々 1 幼児期にふさわしい生活 7/21 12/

瑞浪市調査結果概略(平成19年度全国学力・学習状況調査)

○ ○ 科 学 習 指 導 案

2 図形の定義や性質を見いだすための算数的活動を取り入れる 2 枚の長方形, 長方形と三角形,2 枚の三角形を重ねて四角形を作る活動を取り入れ, 向かい合う辺の平行関係に着目させたり, 長さに着目させたりしながら, 四角形を定義できるようにする コンパスや分度器, ものさし等を使って, 四角形の構成

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<ICTの活用 > 第 3 時でデジタルカメラを使い子ども達の制作途中の作品を撮影し, 大型テレビを活用して提示する 道具の使い方の工夫を分かりやすく示したり, 作品の面白さを紹介したりすることで 自分の作品にも取り入れてみたい という活動への意欲付けになると考える 2 題材の目標 粘土を切ったりけ

ホームページ掲載資料 平成 30 年度 全国学力 学習状況調査結果 ( 上尾市立小 中学校概要 ) 平成 30 年 4 月 17 日実施 上尾市教育委員会

平成27年度公立小・中学校における教育課程の編成実施状況調査結果について

平成 30 年度なごや小学校努力点推進計画 1 研究主題なかまとともに感性輝くなごやっ子 (1 年次 ) 2 研究主題について本校では 昨年度までの努力点研究において 道徳や特別活動の時間を中心に 子ども一人一人の成長と互いの認め合いをめざすことで 子ども自らが なごや小でよかった と感じられるよう

子葉と本葉に注目すると植物の成長の変化を見ることができるという見方や, 植物は 葉 茎 根 からできていて, それらからできているものが植物であるという見方ができるようにしていく また, 学んだことを生かして科学的なものの見方を育てるために, 生活の中で口にしている野菜も取り上げて観察する活動を取り

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(3) 指導観公民的分野は地理的分野と歴史的分野の学びの積み重ねによるところが大きい 用語や概念も高度化し 生徒の感想にも 難しい と感じるものが多くなっている そこで その難しいと感じる公民の用語などは積極的に用語集を活用し 難しい言葉に対する抵抗感を少しでも和らげるよう授業でも活用している また

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日本・OECD共同イニシアチブプロジェクトの取組報告1 (岸学 東京学芸大学名誉教授)

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第 1 学年国語科学習指導案 日時 平成 27 年 11 月 11 日 ( 水 ) 授業 2 場所 八幡平市立西根中学校 1 年 2 組教室 学級 1 年 2 組 ( 男子 17 名女子 13 名計 30 名 ) 授業者佐々木朋子 1 単元名いにしえの心にふれる蓬莱の玉の枝 竹取物語 から 2 単元

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た, 導入で扱うイメージキャラクターについて, デザインやネーミングの意図, 理由について疑問や関心を持つことにより, より北広島町に興味を持つことが可能となる その他, 調べる際に新聞記事を利用することにより, 記事をスクラップすることができる 記録性 に優れ, 疑問を解決するための手立て, 情報

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(2) 授業者が学びの見通しを持つ ( 学習目標の明確化 ) 問題解決的な学習に取り組む際, どのような場面で, どのようにして, どのような力を子どもたちに付けるのか, 単元や授業における目標を明確にして学びを見通しておくことが大切です 目標が不明確であると, 作業や体験などの活動そのものに, 子

(3) 計画 学習課題学習内容時間 変わり方のようすをわかりやすく表すにはどうしたらよいか考えよう変わり方が大きいか小さいかを調べるにはグラフのどこに目をつけるとよいのだろう 2つの折れ線グラフからどんなことが分かるだろう折れ線グラフをかこう 変わり方を分かりやすく表す工夫 折れ線グラフの縦軸と横軸

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Transcription:

自己決定の場を設定する 自己存在感を持たせる 共感的な人間関係を育成する準備活動のどの場面で どの子どもを生かすのか 見通しを持って授業に臨む 導入の場面する 深める場面り返りの場面2 確かな学力の育成 複雑で変化の激しい現代社会に子どもたちが主体的に関わり よりよい社会を創造していくためには 一人ひとりが基礎的 基本的な知識 技能を習得し 自ら課題を見付け 主体的によりよく問題を解決する力を他者との協働的な学習を通して育成することが大切です また 感性を磨き 読解力や表現力を高めるためには 読書活動の充実を図ることが重要です 2-1 学習指導の充実 2-2 読書活動の充実 2-1 学習指導の充実 子どもたちがこれからの時代をたくましく そして自分らしく生き抜くためのもととなる確かな学力をはぐくむためには 生徒指導の3 機能を生かした授業を通して 子ども一人ひとりが安心し 自信を持って学習に向かうことができる基盤づくりに努めるとともに 主体的 対話的で深い学び の視点からの授業改善に取り組むことが大切です 確かな学びの基盤として ~ 生徒指導の 3 機能を生かした授業 ~ 子ども一人ひとりの学習の状況や 興味や関心を持っていることなどを把握し 学習 興味や関心を持ち 自ら学びに向かうことができるよう 資料や教材提示の仕方を工夫する 前時の振り返りに学習シートを活用するなど 一人ひとりの学習の成果が本時の学習に結び付いていることを実感させる 子どもの疑問を取り上げるなど 共に課題解決に取り組む必要感が生まれるような学習課題を設定 事象の観察や資料分析などの場面において 自分なりの見方や考え方を持つことができるよう 視点を示し 発問を工夫する 多様な教材 教具を準備し 子どもに学習方法を選択させたり 個で考える時間を十分に保障したりする 個々の考えのよさについて具体的に取り上げ 価値付ける 友達の考えのよさを見付ける場面を設定する 一人ひとりの学習状況を見取り つまずきに対して適切な支援を行う つぶやきや誤答など 子どもの反応を大切にする 友達の意見を最後まで聞くなど 学習ルールの徹底を図り 誰もが自信を持って意見を述べることができるようにする 学び合いの場を意図的に設定し 互いの考えを生かして よりよい考えを導き出すなど 集団で学ぶことのよさを実感させる 振 振り返りの視点を具体的に示すことで 学びの成果を実感したり 新たな課題に気付いたりできるようにする 子ども一人ひとりの成長を認めたり 取組の姿勢を称揚したりする 互いのよさに気付いたり 認め合ったりすることができるような子どもの振り返りを取り上げ 価値付ける 8

主体的 対話的で深い学び の視点からの授業改善 知識を相互に関連付け より深く理解することができるような 深い学び を実現するためには 見通しを持って学習に取り組み 学びを振り返り次につなげる 主体的な学び や 他者の考えにふれ 自分の考えを広げ深める 対話的な学び の視点を踏まえた活動を通して 子ども一人ひとりが 見方 考え方 を働かせながら課題解決に向かう授業づくりが大切です そのためには 子どもの実態を踏まえ 単元や題材ごと 各教科等の学習を通して育成を目指す資質 能力を子どもの具体的な姿として描いた上で 単元 題材づくりや本時の流れを構想することが重要です 主体的な学びの視点 見通しを持たせる 目的意識や問題意識を持って学習活動に臨んでいる 課題解決の方法について 自分なりの考えを持っている 振り返りの場面を工夫する 学習前後の自分を比較し 自分の変容や学ぶことのよさを実感している 本時の学習や 単元 題材を振り返り 次の学習を心待ちにしている 既習の学習内容や日常生活での体験と関連付けながら 解決方法を考えたり 課題が持つ意義を考えたりする場を設定する 指導のねらいを子どもの立場に立った具体的な言葉で提示したり 考え方の視点を明示したりする 学習過程における思考の道筋や 身に付いた知識や技能などについて 記述させたり発表させたりする 新たな課題に気付かせ 次の学習への意欲や必要感に結び付ける 対話的な学びの視点 個の学びの充実を図る 自分なりの疑問や意見 根拠などを持っている 自分の考えを見つめ直し 新たな気付きや理解に結び付けている 学び合いの充実を図る 互いの意見をよりよくするため 自分の考えを述べたり 別の案を提示したりしている 他者との交流を通して 自分の考えが深まったことを実感している 個別に考える時間を保障するとともに 一人ひとりの学習状況に合わせた適切な支援を行う 話合いの後には 自分の意見や考えとの比較や 自分の思考の変化について 記述させたり 発表させたりする 解決に必要なヒントを提示したり 板書を工夫して思考の流れを可視化したりするなど 考えを整理し 深めるための手立てを講じる 話合い活動の場面において それぞれのグループの状況に合わせ 子どもの考えを明確化するために発言やつぶやきをつないで問い返しをしたり 新たな視点を提示したりする 深い学び の視点見通しを持って粘り強く取り組んだり 他者の考えにふれ 自分の考えを広げたり深めたりする活動を通して 子ども一人ひとりが 見方 考え方 を働かせながら課題解決に向かう 各教科等の特質に応じた授業づくりが大切です それぞれの教科等における 見方 考え方を働かせ 学びが深まった子どもの姿 については 各教科等のページを参照 9

2-2 読書活動の充実 読書活動を通して感性を磨き 読解力や表現力を高めることができるよう 学校司書と連携し 多様な本にふれる機会の充実を図るとともに 本を身近に感じることができるような環境づくりに努めるなど 読書習慣の定着と読書意欲の向上のための取組を計画的に進めることが大切です 多様な本にふれる機会の充実 発達の段階に応じた読書活動の実施 学校司書と連携して 発達の段階に応じた 読み聞かせ ブックトーク 等を実施し 読書の様々な楽しみ方に気付かせる 学習内容と関連した様々なジャンルの本の紹介 各学年部や教科部等と連携したコーナー展示を工夫するなど 子どもの知的好奇心を醸成し 主体的な学習を支援する 本を身近に感じる環境づくり 子どもが足を運びたくなるような学校図書館 読書スペースづくり くつろいで本を読むことができるような机や書架の配置 テーマ性を持たせた本の展示 本の世界へと誘う図書館前の掲示など 魅力ある図書館づくりを進める 廊下や多目的ホールに本の展示スペースを設けるなど 子どもがいつでも本を手に取り 読むことができる環境の整備 充実を図る 学校司書と連携し 学級文庫や図書コーナーの定期的な更新を行う 学校図書館機能の充実学校図書館の 読書センター としての機能とともに 学習 情報センター としての機能を充実させるには 学校司書との連携を図ることが効果的です 取組例 学習に関連する郷土資料やパンフレット ポスター等を テーマごとにファイリングして活用する 科学技術や学問の進展などにより 誤った情報を記載していることが明らかになった図書は リストを作成した上で廃棄する 時事的テーマや書評 年中行事や季節に関連した新聞記事を切り抜き 保存する 新聞記事を活用する際のポイント テーマごとに分類したり ラミネート加工したりして保存すると 学習に活用しやすくなります テーマ性のある記事をまとめて掲示したり 記事と一緒に関連した図書を展示するコーナーを設置したりすることも効果的です H30NIE 実践校 ( 金足西小学校 ) の実践から 10

小学校プログラミング教育の実施に向けて 2020 年度から 小学校ではプログラミング教育が必修となります 子どもたちにプログラミングに取り組む楽しさや面白さを味わわせながら プログラミング教育が目指すねらいの実現に向けた取組を進めることが大切です プログラミング教育を進めるにあたって 小学校 6 年間を通して プログラミング教育の3つのねらいが達成されるよう 発達の段階に応じて系統的 計画的に教育課程に位置付けることが大切です プログラミング教育のねらい プログラミング的思考 を育成する コンピュータやプログラムの働きやよさなどに気付く コンピュータ等を上手に活用しようとする態度をはぐくむ 各教科等での学びをより確実なものとする 問題を細かい要素に分解し 解決するための手順を考え どのように要素を組み合わせると効率的に問題を解決できるかを コンピュータに触れつつ 試行錯誤を繰り返しながら論理的に考えることにより プログラミング的思考がはぐくまれます プログラミングに取り組むことを通じて コンピュータとはどのようなものか 仕組みはどうなっているのかなどについて理解し コンピュータの技術が生活を便利で豊かにすることに気付くことにより 情報技術と上手に関わり 活用しようとする態度がはぐくまれます 教科の学習内容についてプログラムをつくるためには その教科の知識 技能等をしっかりと身に付けることが必要となり プログラミングを通して 教科の学習内容の定着が図られます プログラミング的思考 : 自分が意図する一連の活動を実現するために どのような動きの組合せが必要であり 一つ一つの動きに対応した記号をどのように組み合わせたらいいのか 記号の組合せをどのように改善していけば より意図した活動に近づくのかを論理的に考えていく力 プログラミング教育の学習活動例 A 学習指導要領に例示されている単元等で実施 ( 各教科等の学びをより確実にするための学習活動 ) 正多角形の意味をもとに正多角形をかく (5 年算数 ) 身のまわりには電気の性質や働きを利用した道具があることなどに気付く (6 年理科 ) 情報技術に関わる内容を探究課題とする (3 年 ~6 年総合的な学習の時間 ) B 学習指導要領に例示されてはいないが 学習指導要領に示される内容を指導する中で実施 ( 各教科等の学びをより確実にするための学習活動 ) 様々なリズム パターンを組み合わせて音楽をつくる (3 年 ~6 年音楽 ) 都道府県の名称と位置を 特徴とともに理解する (4 年社会 ) 自動炊飯器に組み込まれているプログラムを考える (6 年家庭科 ) C 教育課程内で各教科とは別に実施 ( プログラミング的思考やコンピュータを上手に活用しようとする態度等を育成する学習活動 ) D クラブ活動など 特定の児童を対象として 教育課程内で実施 ( プログラミングに興味 関心を持つ児童が協力し プログラムを作成する学習活動 ) 参照 : 小学校プログラミング教育の手引き ( 文部科学省 ) 12

A 学習指導要領に例示されている単元等での授業実践例 単元名 正多角形と円 (5 年算数 ) 学習の位置付け 正多角形と円 の単元において 正多角形の基本的な性質や 円を使って正多角形をかくことができることを学習した後に 1~2 時間程度で行うことが想定される < 単元全体のイメージ > 正多角形 (4 時間 ) 本時 (1~2 時間 ) 円 (5 時間 ) 本時のねらい コンピュータで正多角形をかくことを通して 辺の長さや角の大きさなどの図形の構成要素についての理解を深めることができる 図形を正確にかいたり 簡単なプログラムの変更で他の正多角形をかくことができたりするなど コンピュータやプログラムのよさに気付くことができる 学習過程 1 図形をかくプログラムを全員で確認し ビジュアル型プログラミング言語 ( スクラッチ等 ) のブロックの意味や使用方法を理解する 2 正多角形の性質を確かめる 3 正三角形をかくプログラムを作成する 4グループや全体で 完成したプログラムの動作確認を行い かきやすさなどの視点から比較 検討する 5 正十二角形をかく方法を話し合う 作成したプログラムの例 (a) (b) 指導のポイント 一人ひとりがプログラムを作成する時間を保障する 修正をくり返しながら 完成させることの重要性を理解させた上で うまく図形をかくことができないプログラムを取り上げ その原因について話し合う場面を設定する 正三角形を正十二角形に変更した場合について 視点をもとに比較する場面を設定する < 例 > 定規や分度器などを用いた場合と コンピュータを使用した場合のどちらが図形をかきやすいか コンピュータを使用して図形をかく場合 (a) と (b) のどちらのプログラムが変更しやすいか 13