自己決定の場を設定する 自己存在感を持たせる 共感的な人間関係を育成する準備活動のどの場面で どの子どもを生かすのか 見通しを持って授業に臨む 導入の場面する 深める場面り返りの場面2 確かな学力の育成 複雑で変化の激しい現代社会に子どもたちが主体的に関わり よりよい社会を創造していくためには 一人ひとりが基礎的 基本的な知識 技能を習得し 自ら課題を見付け 主体的によりよく問題を解決する力を他者との協働的な学習を通して育成することが大切です また 感性を磨き 読解力や表現力を高めるためには 読書活動の充実を図ることが重要です 2-1 学習指導の充実 2-2 読書活動の充実 2-1 学習指導の充実 子どもたちがこれからの時代をたくましく そして自分らしく生き抜くためのもととなる確かな学力をはぐくむためには 生徒指導の3 機能を生かした授業を通して 子ども一人ひとりが安心し 自信を持って学習に向かうことができる基盤づくりに努めるとともに 主体的 対話的で深い学び の視点からの授業改善に取り組むことが大切です 確かな学びの基盤として ~ 生徒指導の 3 機能を生かした授業 ~ 子ども一人ひとりの学習の状況や 興味や関心を持っていることなどを把握し 学習 興味や関心を持ち 自ら学びに向かうことができるよう 資料や教材提示の仕方を工夫する 前時の振り返りに学習シートを活用するなど 一人ひとりの学習の成果が本時の学習に結び付いていることを実感させる 子どもの疑問を取り上げるなど 共に課題解決に取り組む必要感が生まれるような学習課題を設定 事象の観察や資料分析などの場面において 自分なりの見方や考え方を持つことができるよう 視点を示し 発問を工夫する 多様な教材 教具を準備し 子どもに学習方法を選択させたり 個で考える時間を十分に保障したりする 個々の考えのよさについて具体的に取り上げ 価値付ける 友達の考えのよさを見付ける場面を設定する 一人ひとりの学習状況を見取り つまずきに対して適切な支援を行う つぶやきや誤答など 子どもの反応を大切にする 友達の意見を最後まで聞くなど 学習ルールの徹底を図り 誰もが自信を持って意見を述べることができるようにする 学び合いの場を意図的に設定し 互いの考えを生かして よりよい考えを導き出すなど 集団で学ぶことのよさを実感させる 振 振り返りの視点を具体的に示すことで 学びの成果を実感したり 新たな課題に気付いたりできるようにする 子ども一人ひとりの成長を認めたり 取組の姿勢を称揚したりする 互いのよさに気付いたり 認め合ったりすることができるような子どもの振り返りを取り上げ 価値付ける 8
主体的 対話的で深い学び の視点からの授業改善 知識を相互に関連付け より深く理解することができるような 深い学び を実現するためには 見通しを持って学習に取り組み 学びを振り返り次につなげる 主体的な学び や 他者の考えにふれ 自分の考えを広げ深める 対話的な学び の視点を踏まえた活動を通して 子ども一人ひとりが 見方 考え方 を働かせながら課題解決に向かう授業づくりが大切です そのためには 子どもの実態を踏まえ 単元や題材ごと 各教科等の学習を通して育成を目指す資質 能力を子どもの具体的な姿として描いた上で 単元 題材づくりや本時の流れを構想することが重要です 主体的な学びの視点 見通しを持たせる 目的意識や問題意識を持って学習活動に臨んでいる 課題解決の方法について 自分なりの考えを持っている 振り返りの場面を工夫する 学習前後の自分を比較し 自分の変容や学ぶことのよさを実感している 本時の学習や 単元 題材を振り返り 次の学習を心待ちにしている 既習の学習内容や日常生活での体験と関連付けながら 解決方法を考えたり 課題が持つ意義を考えたりする場を設定する 指導のねらいを子どもの立場に立った具体的な言葉で提示したり 考え方の視点を明示したりする 学習過程における思考の道筋や 身に付いた知識や技能などについて 記述させたり発表させたりする 新たな課題に気付かせ 次の学習への意欲や必要感に結び付ける 対話的な学びの視点 個の学びの充実を図る 自分なりの疑問や意見 根拠などを持っている 自分の考えを見つめ直し 新たな気付きや理解に結び付けている 学び合いの充実を図る 互いの意見をよりよくするため 自分の考えを述べたり 別の案を提示したりしている 他者との交流を通して 自分の考えが深まったことを実感している 個別に考える時間を保障するとともに 一人ひとりの学習状況に合わせた適切な支援を行う 話合いの後には 自分の意見や考えとの比較や 自分の思考の変化について 記述させたり 発表させたりする 解決に必要なヒントを提示したり 板書を工夫して思考の流れを可視化したりするなど 考えを整理し 深めるための手立てを講じる 話合い活動の場面において それぞれのグループの状況に合わせ 子どもの考えを明確化するために発言やつぶやきをつないで問い返しをしたり 新たな視点を提示したりする 深い学び の視点見通しを持って粘り強く取り組んだり 他者の考えにふれ 自分の考えを広げたり深めたりする活動を通して 子ども一人ひとりが 見方 考え方 を働かせながら課題解決に向かう 各教科等の特質に応じた授業づくりが大切です それぞれの教科等における 見方 考え方を働かせ 学びが深まった子どもの姿 については 各教科等のページを参照 9
2-2 読書活動の充実 読書活動を通して感性を磨き 読解力や表現力を高めることができるよう 学校司書と連携し 多様な本にふれる機会の充実を図るとともに 本を身近に感じることができるような環境づくりに努めるなど 読書習慣の定着と読書意欲の向上のための取組を計画的に進めることが大切です 多様な本にふれる機会の充実 発達の段階に応じた読書活動の実施 学校司書と連携して 発達の段階に応じた 読み聞かせ ブックトーク 等を実施し 読書の様々な楽しみ方に気付かせる 学習内容と関連した様々なジャンルの本の紹介 各学年部や教科部等と連携したコーナー展示を工夫するなど 子どもの知的好奇心を醸成し 主体的な学習を支援する 本を身近に感じる環境づくり 子どもが足を運びたくなるような学校図書館 読書スペースづくり くつろいで本を読むことができるような机や書架の配置 テーマ性を持たせた本の展示 本の世界へと誘う図書館前の掲示など 魅力ある図書館づくりを進める 廊下や多目的ホールに本の展示スペースを設けるなど 子どもがいつでも本を手に取り 読むことができる環境の整備 充実を図る 学校司書と連携し 学級文庫や図書コーナーの定期的な更新を行う 学校図書館機能の充実学校図書館の 読書センター としての機能とともに 学習 情報センター としての機能を充実させるには 学校司書との連携を図ることが効果的です 取組例 学習に関連する郷土資料やパンフレット ポスター等を テーマごとにファイリングして活用する 科学技術や学問の進展などにより 誤った情報を記載していることが明らかになった図書は リストを作成した上で廃棄する 時事的テーマや書評 年中行事や季節に関連した新聞記事を切り抜き 保存する 新聞記事を活用する際のポイント テーマごとに分類したり ラミネート加工したりして保存すると 学習に活用しやすくなります テーマ性のある記事をまとめて掲示したり 記事と一緒に関連した図書を展示するコーナーを設置したりすることも効果的です H30NIE 実践校 ( 金足西小学校 ) の実践から 10
小学校プログラミング教育の実施に向けて 2020 年度から 小学校ではプログラミング教育が必修となります 子どもたちにプログラミングに取り組む楽しさや面白さを味わわせながら プログラミング教育が目指すねらいの実現に向けた取組を進めることが大切です プログラミング教育を進めるにあたって 小学校 6 年間を通して プログラミング教育の3つのねらいが達成されるよう 発達の段階に応じて系統的 計画的に教育課程に位置付けることが大切です プログラミング教育のねらい プログラミング的思考 を育成する コンピュータやプログラムの働きやよさなどに気付く コンピュータ等を上手に活用しようとする態度をはぐくむ 各教科等での学びをより確実なものとする 問題を細かい要素に分解し 解決するための手順を考え どのように要素を組み合わせると効率的に問題を解決できるかを コンピュータに触れつつ 試行錯誤を繰り返しながら論理的に考えることにより プログラミング的思考がはぐくまれます プログラミングに取り組むことを通じて コンピュータとはどのようなものか 仕組みはどうなっているのかなどについて理解し コンピュータの技術が生活を便利で豊かにすることに気付くことにより 情報技術と上手に関わり 活用しようとする態度がはぐくまれます 教科の学習内容についてプログラムをつくるためには その教科の知識 技能等をしっかりと身に付けることが必要となり プログラミングを通して 教科の学習内容の定着が図られます プログラミング的思考 : 自分が意図する一連の活動を実現するために どのような動きの組合せが必要であり 一つ一つの動きに対応した記号をどのように組み合わせたらいいのか 記号の組合せをどのように改善していけば より意図した活動に近づくのかを論理的に考えていく力 プログラミング教育の学習活動例 A 学習指導要領に例示されている単元等で実施 ( 各教科等の学びをより確実にするための学習活動 ) 正多角形の意味をもとに正多角形をかく (5 年算数 ) 身のまわりには電気の性質や働きを利用した道具があることなどに気付く (6 年理科 ) 情報技術に関わる内容を探究課題とする (3 年 ~6 年総合的な学習の時間 ) B 学習指導要領に例示されてはいないが 学習指導要領に示される内容を指導する中で実施 ( 各教科等の学びをより確実にするための学習活動 ) 様々なリズム パターンを組み合わせて音楽をつくる (3 年 ~6 年音楽 ) 都道府県の名称と位置を 特徴とともに理解する (4 年社会 ) 自動炊飯器に組み込まれているプログラムを考える (6 年家庭科 ) C 教育課程内で各教科とは別に実施 ( プログラミング的思考やコンピュータを上手に活用しようとする態度等を育成する学習活動 ) D クラブ活動など 特定の児童を対象として 教育課程内で実施 ( プログラミングに興味 関心を持つ児童が協力し プログラムを作成する学習活動 ) 参照 : 小学校プログラミング教育の手引き ( 文部科学省 ) 12
A 学習指導要領に例示されている単元等での授業実践例 単元名 正多角形と円 (5 年算数 ) 学習の位置付け 正多角形と円 の単元において 正多角形の基本的な性質や 円を使って正多角形をかくことができることを学習した後に 1~2 時間程度で行うことが想定される < 単元全体のイメージ > 正多角形 (4 時間 ) 本時 (1~2 時間 ) 円 (5 時間 ) 本時のねらい コンピュータで正多角形をかくことを通して 辺の長さや角の大きさなどの図形の構成要素についての理解を深めることができる 図形を正確にかいたり 簡単なプログラムの変更で他の正多角形をかくことができたりするなど コンピュータやプログラムのよさに気付くことができる 学習過程 1 図形をかくプログラムを全員で確認し ビジュアル型プログラミング言語 ( スクラッチ等 ) のブロックの意味や使用方法を理解する 2 正多角形の性質を確かめる 3 正三角形をかくプログラムを作成する 4グループや全体で 完成したプログラムの動作確認を行い かきやすさなどの視点から比較 検討する 5 正十二角形をかく方法を話し合う 作成したプログラムの例 (a) (b) 指導のポイント 一人ひとりがプログラムを作成する時間を保障する 修正をくり返しながら 完成させることの重要性を理解させた上で うまく図形をかくことができないプログラムを取り上げ その原因について話し合う場面を設定する 正三角形を正十二角形に変更した場合について 視点をもとに比較する場面を設定する < 例 > 定規や分度器などを用いた場合と コンピュータを使用した場合のどちらが図形をかきやすいか コンピュータを使用して図形をかく場合 (a) と (b) のどちらのプログラムが変更しやすいか 13