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5. 開発計画 5-10. 国際協力に基づいた打ち合わせ実績の例 平成 20 年 9 月 29 日 : 第 1 回設計会議 平成 20 年 12 月 12 日 : NASA 側 SRR/SDR 平成 21 年 2 月 27 日 : 第 3 回設計会議 平成 21 年 6 月 29 日 : すざく /ASTRO-H 国際会議 ( 小樽 ) 平成 21 年 7 月 30 日 : 第 5 回設計会議 これまでに 海外メンバーおよび担当メーカーを含めた衛星全体会議を合計 7 回実施 ミッション機器個別の海外メンバーとの打ち合わせは TV 会議を利用してほぼ毎週開催している 64

5. 開発計画 5-11. 開発体制 : 広報 教育活動 ASTRO-Hを通じた宇宙科学の広報 教育活動を 衛星開発フェーズから 国際的な規模で行なう 一般向けの広報 初等教育 高等教育それぞれを対象とする 特徴 : 広報 教育の専門機関を持つNASAと協力し 単発的ではなく組織的な広報 教育活動を目指す デザイン 内容などは積極的に民間会社を活用する これまでの実績 : 2008 年 12 月 : ASTRO-H ホームページ公開 http://astro-h.isas.jaxa.jp 2009 年 6 月 : ASTRO-H 広報教育チームを結成現在日 : 3 名 米 : 3 名 欧 : 1 名 2009 年 6 月 : 広報用パンフレット作成 ( 日本語版 英語版 ) 2009 年 7 月 : JAXA 相模原キャンパス一般公開にてサイエンスカフェ開催 2009 年 8 月 : NASA/GSFCの広報教育専門メンバーとの協力を開始 65

6-1. リスク管理方針 (1) リスク管理方針 ASTRO-Hプロジェクトのリスクについては JAXAの標準である リスクマネジメントハンドブック (JMR-011) に基づき ASTRO-Hリスクマネジメント計画書 としてまとめ 開発期間を通して維持管理を行う (2) リスク管理の実施計画プロジェクト内外の役割と責任を決定し リスク管理を実行する体制を構築する JAXA 経営企画部 プロジェクトのリスクマネジメントの把握 リスクが顕在化した場合の全社的対応 ( 資金 スケジュール再配分 体制強化等 ) 安全 信頼性推進部 JAXAの活動のルールの設定 ハンドブックの制定 維持改訂 プロジェクトのリスクマネジメントの支援 宇宙科学研究本部宇宙科学プログラムSE 室 プロジェクトのリスクマネジメントの把握 リスクが顕在化した場合の本部内対応 ( 資金 スケジュール再配分 体制強化等 ) ASTRO-H プロジェクトマネージャー プロジェクトのリスクマネジメントの責任者 リスクマネジメントの計画 リスクマネジメントの実行 ( 識別 評価 対処 監視 ) リスク情報の伝達 ( 関係者への伝達 後続への反映 ) 企業 企業内のリスクマネジメントの計画 リスクマネジメントの実行 66

6-2. リスク管理方法 リスク管理の実行 プロジェクトの開始から終了まで 継続的に以下のリスク管理を実行し 開発へのフィードバックを図る プロジェクトの開始から終了まで継続的に実施する リスク項目の識別リスクの評価リスク項目への対処リスク項目の監視 1 設計結果に基づく知見 既開発衛星からの知見 不具合情報システム 信頼性解析手法 独立評価等からリスク 項目を識別する 2 発生可能性 影響度からリスクの大きさを評価する (*) 3 許容できないリスクに対し対処策または代替策を準備 許容できるリスクは監視を継続する 4リスク項目の対処状況を監視し リスク項目が完了基準を満たした場合は完了とする 未了のリスクについては 再度リスクの識別 評価を行う (*) リスク中以上は特に詳細に管理する 発生可能性 大 中 小 リスク大リスク中リスク小 小 - 中 - 大 発生の影響度 リスク情報の伝達 5 関係者への伝達を行い リスク情報を共有する プロジェクト完了後は後続プロジェクトへの反映 教 訓をまとめる 67

6-3. リスク識別と対処方針 ( プロジェクトレベルのマネジメントリスク ) ASTRO-H プロジェクトリスク識別結果のうち 総合プロジェクトに関する主要なリスクの開発研究段階での処置 ( 実績 ) 及び開発段階での計画を以下に示す 1 リスク項目 ( 注 ) H-IIAロケット打上げの遅延 カテゴリ1 プロジェクトロケット 開発研究段階での処置 H-IIA 打ち上げの遅延に備え 代替ロケットを想定し それらのロケットに適合できる衛星設計要求とした また 打上げ遅延の状況に応じた対応を取る計画とした 開発段階での計画打上げ遅延を総合プロジェクトレベルのリスクとして管理を継続する 2 衛星開発の遅延 カテゴリ2 衛星 開発作業項目をブレークダウンし 衛星開発の全フェーズでクリティカルパスを明確化するとともに WBS 毎のスケジュールの進捗管理を十分に行ってスケジュール遅延を未然に防ぐこととした ブレークダウンした作業毎のコスト スケジュール進捗管理を十分に行って コスト増加 スケジュール遅延を防止する 3 円滑な国際協力上で生じる問題に起因する技術及びコスト上のリスク カテゴリ4 衛星 情報共有のための定期的な打合せを行った また国際メンバーによるTechnical Working Groupおよび国際システムエンジニアリングチーム (JSET) を立ち上げ 緊密な情報共有を行った 設計会議 Technical Working Group JSETなどを通じて緊密な情報共有を行うとともに 双方において独立した点検が実施されるようにつとめる 4 5 6 7 外的要因 ( 他のミッションでの不具合など ) により安全性 設計基準が変わる カテゴリ1 JAXA 内での衛星開発体制整備の遅れ及び大学研究機関における開発体制の変更 カテゴリ3 打ち上げ後の衛星の機能停止 カテゴリ2 相乗り衛星変更に伴うH-IIA202から 204へのロケットへ変更の可能性 カテゴリ1 衛星 JAXA 内外の他ミッションにおける不具合情報の収集に努め 明らかになった時点でスケジュール及びコストのインパクトが最小になるように対策を実施することとした JAXA 内外の他ミッションにおける不具合情報の収集を継続するとともに 安全性 設計基準の変更を総合プロジェクトレベルのリスクとして管理を継続する --- WBSに従ってチームを定義し 必要なレビューを受け 開発を推 開発研究段階で本リスク対処は完了 進することで 体制を整備し 大学共同機関における開発体制を確 立した ミッション機器に関しては人的バランスを考えたチーム作 りを行い 国際協力も含めて人的リソースを確保した 衛星 衛星 FMEAに基づいた衛星のロバスト性を確認した 他衛星の経験を設計に反映させ 信頼性 ロバスト 性を十分確保した衛星システム設計を行う ロケット H-IIA202ロケットによる打上げを前提とした設計を進めると同時 H-IIA202ロケットによる打上げを前提とした開発 に 打上げロケットの変更を総合プロジェクトレベルのリスクとし を進めると同時に 打上げロケットの変更を総合プ て管理することとした ロジェクトレベルのリスクとして管理を継続する ( 注 ) カテゴリ1:JAXA/ プロジェクトのコントロールが困難な外的要因が主で 必要に応じて追加コスト スケジュール見直しを要するものカテゴリ2: 内的要因が主で 開発研究段階で新たにリスクとして識別されたものカテゴリ3: 内的要因が主で 開発研究段階で処置されたため リスクが低減したものリスク小 : リスク中 : リスク大 : カテゴリ4: 外的要因が主で 開発研究段階で処置されたため リスクが低減したもの 68

6-4. リスク識別と対処方針 ( 技術リスク ) 実現性の見通しがあるものの クリティカルな技術として開発研究段階から意識する必要があった以下のものに関しては 可能な限りのフロントローディング (p.29 参照 ) を行い 技術課題をできるだけ早く明らかにするとともにその解決をはかった また Technical Working Group を設置し 早い段階でレビューを受けることによって潜在的な課題を明らかにする リスク項目 ( 注 ) サブシステム開発研究段階での処置結果開発段階での計画 1 JT 冷凍機を用いた冷却系 カテゴリ2 ミッション (SXS) JT 冷凍機のEM 設計 製作 性能評価試験を行ない JT 冷凍機の冷却能力の評価を行なった この結果を踏まえて SXS 全体のPM 設計 熱解析を進めている 日米間担当機器のインタフェース調整に着手した SXSのPM 製作 試験により設計 解析の妥当性を評価する SXSのPMはJT 冷凍機 デュワー NASA 担当の ADR センサ等 設計評価に必要なコンポーネントを全て含む 試験結果を FM 設計に反映する システム成立判定基準をよく吟味し 早期に 成立要件をリストアップした そのリストの 2 固定式 伸展式光学ベンチと軌道上アライメント カテゴリ3 システム 構造系 姿勢系 中で 構造インタフェース確定までにそれら要件の成立性確認を完了させるための具体的スケジュールを個々に設定し 進捗管理を行った 早期に設計に着手し 機上アライメ 設計 構造解析を継続する 熱歪み試験により設計 解析の妥当性を確認する 結果をFM 設計へ反映する ント計測装置を搭載してリスク軽減をはかる こととした また 構造解析にも着手した ( 注 ) カテゴリ1:JAXA/ プロジェクトのコントロールが困難な外的要因が主で 必要に応じて追加コスト スケジュール見直しを要するものカテゴリ2: 内的要因が主で 開発研究段階で新たにリスクとして識別されたものカテゴリ3: 内的要因が主で 開発研究段階で処置されたため リスクが低減したものカテゴリ4: 外的要因が主で 開発研究段階で処置されたため リスクが低減したものリスク小 : リスク中 : リスク大 : 69

略語集 70