原子力規格委員会シンポジウム平成 26 年度活動報告 原子力発電所緊急時対策指針 (JEAG ) の改定について 平成 27 年 6 月 4 日 ( 一社 ) 日本電気協会原子力規格委員会 運転 保守分科会 緊急時対策指針検討会

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島根原子力発電所原子力事業者防災業務計画の届出について

第 6 節原子力事業者防災業務計画の修正第 2 章原子力災害予防対策の実施第 1 節防災体制第 2 節原子力防災組織の運営第 3 節放射線測定設備及び原子力防災資機材の整備第 4 節応急措置及び原子力災害対策活動で使用する資料の整備第 5 節応急措置及び原子力災害対策活動で使用 利用する施設及び設備

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政府と福島県が相互の動向を把握していなかった福島県が独自に半径 2km圏内に避難指示を出した30 分後に政府が半径 3km圏内に避難指示 住民への情報伝達の困難防災行政無線の回線不足や地震 津波による通信機器の損壊 緊急時モニタリング実施できず使用できたのは24か所のモニタリングポスト中 1か所モニ

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目次 第 1 ガイドラインの目的 第 2 避難計画作成に当たっての留意事項 第 3 避難計画の内容等 ( 避難計画の作成例 )

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二と (第二条関係)第三任務原子力規制委員会は 国民の生命 健康及び財産の保護 環境の保全並びに我が国の安全保障に資するため 原子力利用における安全の確保を図ることを任務とすること (第三条関係)第四所掌事務一原子力規制委員会は 第三の任務を達成するため 次に掲げる事務をつかさどること 1原子力利用

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( 考慮すべき視点 ) 内管について 都市ガスでは需要家の所有資産であるがガス事業者に技術基準適合維持義務を課しており 所有資産と保安責任区分とは一致していない LPガスでは 一般にガスメータの出口より先の消費設備までが需要家の資産であり 資産区分と保安責任区分が一致している 欧米ではガスメータを境

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はじめに 道では 北海道行政基本条例 に基づき 道政の基本的な方向を総合的に示す計画として 新 北海道総合計画 を策定し 政策展開の基本方向の一つとして 安心で心豊かな北海道ライフスタイル を掲げ 安全 安心な生活の確保 に向け 防災 減災の体制づくり を進めています 保健福祉部では 特に 子ども

することを可能とするとともに 投資対象についても 株式以外の有価証券を対象に加えることとする ただし 指標連動型 ETF( 現物拠出 現物交換型 ETF 及び 金銭拠出 現物交換型 ETFのうち指標に連動するもの ) について 満たすべき要件を設けることとする 具体的には 1 現物拠出型 ETFにつ



第 1 章 東京電力福島原子力発電所事故調査委員会の報告書を受けて政府が講じた措置 提言 2: 政府の危機管理体制の見直し 緊急時の政府 自治体 及び事業者の役割と責任を明らかにすることを含め 政府の危機管理体制に関係する制度についての抜本的な見直しを行う 提言 2 1) 政府の危機管理体制の抜本的

特定個人情報の取扱いの対応について


(2) 異常現象と認識しているにもかかわらず 情報収集を行った後に通報することとなっている場合には 異常現象と認識した時点で通報する体制とすること (3) 従業員 ( 協力会社等の従業員を含む ) が異常現象の判断に迷うことにより通報が遅れるおそれのある場合には 異常現象の通報に関する教育 訓練の内

10 地震 火山噴火対策等の推進について 近年 我が国は様々な災害に見舞われている 東日本大震災後も 平成 28 年の熊本地震 本年 6 月の大阪府北部地震及び9 月の北海道胆振東部地震など大規模な地震が発生し 多大な人的 物的被害が発生した 地方公共団体においては 突然発生する大規模自然災害に備え

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二国家行政組織法第三条第二項の規定に基づいて 環境省の外局として 原子力規制委員会を設置すること 第三任務原子力規制委員会は 国民の生命 健康及び財産の保護 環境の保全並びに我が国の安全保障に資するため 原子力利用における安全の確保を図ること 原子力に係る製錬 加工 貯蔵 再処理及び廃棄の事業並びに

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法律 出典 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律 ( 昭和 35 年 8 月 10 日法律第 145 号 ) 政令 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令 ( 昭和 36 年 1 月 26 日政令第 11 号 ) 省令 医薬品 医療機器等の品質

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事務ガイドライン ( 第三分冊 )13 指定信用情報機関関係新旧対照表 Ⅰ-2 業務の適切性 現行改正後 ( 案 ) Ⅰ-2 業務の適切性 Ⅰ-2-4 信用情報提供等業務の委託業務の効率化の観点から 内閣総理大臣 ( 金融庁長官 ) の承認を受けて信用情報提供等業務の一部を委託することが可能とされて

( 社会福祉施設用作成例 ) (4) 施設管理者は, 緊急時連絡網により職員に連絡を取りましょう (5) 施設管理者は, 入所者の人数や, 避難に必要な車両や資機材等を確認し, 人員の派遣等が必要な場合は, 市 ( 町 ) 災害対策本部に要請してください (6) 避難先で使用する物資, 資機材等を準

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原子力規格委員会シンポジウム平成 26 年度活動報告 原子力発電所緊急時対策指針 (JEAG4102-2010) の改定について 平成 27 年 6 月 4 日 ( 一社 ) 日本電気協会原子力規格委員会 運転 保守分科会 緊急時対策指針検討会

JEAG4102-2010 改定の経緯と必要性 1 ( 経緯 ) 1.1974 年の米国 TMI 事故により 旧原安委は防災指針を作成 その後 電力事業者は緊急時において電気事業者が実施すべき対策活動をまとめるために 原子力発電所緊急時対策指針 (JEAG4102-1996) を策定した 2.1999 年の JCO 東海工場臨界事故により 原子力災害対応の法制化 オフサイトセンター設置などがなされた その後 電力事業者は 使用資機材の例示や通報内容 通報様式の例示のため 1996 年版を改定し JEAG4102-2010 を策定した 3.2011 年の福島第一原子力発電所事故により 独立した原子力規制機関のもと 欧米に準拠した原子力緊急時対応体系が原子力災害対策指針等によって構築された ( 必要性 ) 1. 原子力災害対策特別措置法および関連規則等の改正を JEAG4102-2010 に反映するとともに その運用解釈を明確にする必要がある 2. 原子力災害対策指針で規定された緊急時活動レベル (EAL) の枠組みを 詳細化して民間基準として保持する必要がある 3. 防災基本計画改定 原子力災害対策指針策定等 福島第一事故以降 改定等された対応基準を反映するとともに 原子力事業者の対応状況を反映する必要がある

JEAG4102-2010 の改定スケジュール 2 2012.04.05 緊急時対策指針検討会開催 改定内容について検討開始 2012.06.27 原子力災害対策特別措置法の改定 2012.10.31 原子力災害対策指針の策定 2013.02.20 運転 保守分科会へ指針改定方針を報告 福島第一原子力発電所事故の教訓反映等について質疑応答 2013.06.18 原子力規格委員会へ指針改定方針を報告 原災法第 10 条 第 15 条とEALの関係等について質疑応答 2014.02.03 運転 保守分科会へ指針案を中間報告 EALマトリックス表の考え方等について質疑応答 2014.03.31 原子力規格委員会へ指針案を中間報告 深層防護第 5 層 予測の扱い等について質疑応答 2014.05.21 運転 保守分科会へ指針案を中間報告 地域防災計画との関係 想定シナリオ等について質疑応答 2014.06.20 原子力規格委員会へ指針案を中間報告 ICRP 勧告との関係 住民防護への関与等について質疑応答 2014.11.25 運転 保守分科会へ指針案を上程 書面審査を実施 2014.12.24 原子力規格員会へ指針案を上程 書面投票を実施 2015.03.24 公衆審査 開始 2015.05.23 公衆審査 終了

改定内容 : 法令改正の反映 (1/2) 3 1. 福島第一原子力発電所事故以降 改正された原災法関連法令等を反映する あわせて 背景 根拠等を可能な限り解説した (1) 緊急時計画の協議を行う都道府県を 隣接 から 隣接 + 周辺 30km に拡大 (2) 各種届出先を 経済産業大臣 から 内閣総理大臣 + 原子力規制委員会 へ (3) 防災訓練実施結果を原子力規制委員会へ報告するなどの追加 災害対策基本法 原子力災害対策特別措置法 原災法施行令 原災法施行規則 原子力安全委員会防災指針 ) 改正 災害対策基本法 改正原子力災害対策特別措置法 原災法施行令 改正 通報事象等規則測定設備を定める告示業務計画等命令緊急時応急対策等拠点等に関する内閣府令事業所外運搬に係る事象等に関する省令 ( 廃止 ) 確認に係る視点 ( 内規 ) 事業所外運搬に係る事象の通報手続等に関する省令 原子力災害対策指針 ( 告示 ) 緊急事態判断基準等解説

2. 改正された原災法関連法令等で整備が求められるワーク改定内容 : 法令改正の反映 (2/2) 4 施設等の整備 運用等を反映した (1) 原子力発電所緊急時対策所等へのテレビ会議システムの設置 (2) 後方支援を行う原子力事業所災害対策支援拠点の整備 運用 (3) 事業者本店等への原子力施設事態即応センターの設置 (4) 原子力発電所データを ERSS に常時伝送する設備の整備 (5) 原子力規制庁緊急時対応センター 原子力施設事態即応センター等の拠点間を結ぶネットワークの整備 運用 (6) 各拠点の非常用電源 資機材等の整備 (7) 原子力緊急事態支援組織の設置 レスキューロボット等の維持 運用 規制庁 ERC 規制委員等 即応センター 緊急時対策監応急対策委員 支援組織 ネット緊対所 官邸 内閣総理大臣規制委員長等 ERSS 常時伝送 原子力発電所 現地規制事務長 支援拠点

改定内容 :EAL の設定 (1/3) 5 1. 原子力災害対策指針で規定される緊急時活動レベル (EAL) の枠組みを プラント状況に応じて詳細化するとともに 運用を明確にした (1) 原子力災害対策指針からの要求事項の具体化に当たって 考え方の指針を示す = 要求事項 = 各実用発電用原子炉の特性及び立地地域の状況に応じたEALの設定については 原子力規制委員会が示した EALの枠組みに基づき原子力事業者が行う なお 原子力規制委員会が示すEALの枠組みの内容は 表 2 の通りである 表 2 各種緊急事態を判断するEALの枠組みについて 省略 (2) 緊急事態区分 (3 区分 ) につて 原子力事業所で認識できるパラメータ等を例示する 指針事態原子力災害対策指針の定義法定事象原災法令の定義等警戒事態その時点では公衆への放射線による影響やそのなしおそれが緊急のものではないが 原子力施設における異常事象の発生又はそのおそれがあるため 情報収集や 緊急時モニタリングの準備 早期に実施が必要な災害時要援護者等の避難等の防護措置の準備を開始する必要がある段階である 施設敷地緊急事態 全面緊急事態 原子力施設において公衆に放射線による影響をもたらす可能性のある事象が生じたため 原子力施設周辺において緊急時に備えた避難等の主な防護措置の準備を開始する必要がある段階である 原子力施設において公衆に放射線による影響をもたらす可能性が高い事象が生じたため 確定的影響を回避し 確率的影響のリスクを低減する観点から 迅速な防護措置を実施する必要がある段階である 特定事象 (10 条事象 ) 原子力緊急事態 (15 条事象 ) 原子力施設等の異常時において事業者が通報すべき事象 ( 原子力災害の予防に関する原子力事業者の義務の一部 ) 原子力事業者の原子炉の運転等 ( 原子力損害の賠償に関する法律により放射性物質又は放射線が異常な水準で当該原子力事業者の原子力事業所外へ放出された事態をいう

改定内容 :EAL の設定 (2/3) 6 2.EALは国 自治体を含めて 共通認識が重要であり 以下の考え方で 全国共通のEAL 番号を EALの設定方法 に記載した (1) 原子力災害対策指針表 2 をベースに 緊急事態区分の EAL 番号を付す この番号毎に指針 通報事象等規則をベースとした EAL 略称をつける (2) このEAL 番号は 止める 冷やすといった防護機能ベースでの区分 (EAL 区分 ) と その区分毎の連番とする 連番はBWR PWR FBR ATRを統合した共通番号とする 従って各炉では連番とならない (3) 準備できた事業者は 原子力事業者防災業務計画に EAL 番号と指針事象 ( および必要に応じた解釈 ) を書き込む このEAL 番号により 原子力災害対策指針の求める 事業者の検討 を示す公開資料が引用できる (4) 原子力事業者防災業務計画に基づく通報 報告は EAL 番号とEAL 略称で行う 標準 EAL マトリックス表 EAL 区分 原子力災害対策特別措置法および原子力災害対策指針に基づく標準 EAL マトリックス表 炉区分警戒事象 1 特定事象緊急事態事象 1 EAL 番号 指針番号 EAL 略称 EAL 番号 EAL 番号 規則条文 指針番号 2 3 AL** 4 GE** 5 EAL 略称 1 緊急事態区分を現地において知覚できるものとして 警戒事象 特定事象 緊急事態事象 の 3 区分 2 1: 放射線 放射性物質の放出 2: 止める 3: 冷やす 4: 閉じ込める 5: その他の脅威 の 5 区分 ( 番外として 事業所外運搬 ) 3 BWR PWR FBR ATR の 4 炉区分 4 原子力災害対策指針の炉区分 緊急事態区分ごとの番号 (1~14 等 ) 5 原子力災害対策特別措置法施行令の条 項 号 ( 例 : 令 6-2-1) または通報事象等規則の条 項 号 枝符号

改定内容 :EAL の設定 (3/3) 7 3. 改定版の付属資料 EAL の設定方法 とし 以下の構成とした (1) 目的原子力災害対策指針の EAL の枠組みに基づき 原子力事業者防災業務計画に EAL を設定する場合の指針を与えることを目的として作成すると記載した (2) 適用範囲緊急事態区分に基づき BWR および PWR の EAL 設定に適用すると記載した (3) 定義緊急事態区分 緊急時活動レベル等の資料で用いる用語の定義を行った (4) EAL 設定の考え方 EAL 設定の目的 緊急事態区分は 3 段階 指針に解釈を加え EAL とする EAL 認識区分を設ける AL SE GE という呼称を用いることについて記載した (5) 標準 EAL マトリックス表の作成 EAL 認識区分ごとに 2 桁の数字で EAL 番号を設定 標準 EAL マトリックス表を提示 原子力防災管理者の判断項目を設けることについて記載した (6) 原子力事業者防災業務計画の EAL 防災業務計画は標準 EAL マトリックス表をベースに作成すること その際 EAL 設定の原則を参照すること 重要区域等の表を作成すること NEI99-01 を参考にした障壁喪失の EAL を設定すること および根拠集 (EAL ベーシス ) について記載した 別表として 標準 EAL マトリックス表 BWR PWR の EAL 例および重要施設一覧表を添付した

改定内容 : 防災基本計画修正等の反映 8 1. 大きな枠組みを 原子力災害対策指針を適用させ 予防対策 を 事前対策 緊急事態応急対策等 を 応急処置および緊急事態応急対策 ならびに 事後対策 を 中長期対策 とした 2. 原子力事業者が決める必要のある 関係周辺都道府県の法令要求距離の測定方法 ( 敷地境界から道府県境界までの距離 ) の基準を記載した 3. 発災害した原子力事業所を支援する原子力事業者 ( 本店等 ) の体制について記載した 4. 原子力防災組織の業務の一部を 協定により協力会社等が実施する場合の防災業務計画記載の様式および記載例を用意した 5. シビアアクシデントに係る教育 訓練を記載した 6. 事故時プラントデータの保存等 映像を含めた緊急時の活動記録を残すこと記載した 7. 原子力発電所の緊急時対応要員の安定ヨウ素剤の予防投与の基準 (OIL 基準 ) を例示した 8. 防災基本計画第 12 編原子力災害対策編で求められる避難住民対応等 オフサイト対応活動を記載した 等

その他改定に当たって考慮した事項 9 1. 改定する JEAG4102 も 2010 版と同様 原子力規格委員会規格作成の手引きの 一律に定めることが困難又は不適当な数多くの事項がある場合 に該当するため 電気技術指針とした 2.JEAG4102 は 原子力災害対策特別措置法で求められる原子力事業者防災業務計画の作成 修正に関するガイダンスであるが 2010 版と同様 国際化の観点から 緊急時対策指針という名称を継続させた 3. その他 改定版に反映した事項は以下のとおり 1 訓練の計画 実施 評価を行うにあたり 原子力安全推進協会の 原子力防災訓練ガイドライン を参考とするよう求めた 2 原子力事業者防災業務計画は, 住民や緊急時対応要員を防護するための緊急時計画であり, 深層防護の第 5 層に位置づけられることを解説した 3 原子力事業者の本店組織は オンサイト対策を支援し, オフサイト対策を実施又は支援することを解説した 4 福島第一原子力事故の教訓から 緊急時統合システム (ICS:incident command system) 導入の有効性を解説した

今後の取り組み 10 1.JEAG4102 を普及するため 講習会を計画する 2. 原子力事業者の防災訓練で得た教訓や最近の課題認識から JEAG4102の追補版の発刊について 検討を進める (1) 複数のEALを同時に宣言した場合や プラント状況が好転した場合 (EAL 宣言のリセット ) の用いる通報様式と記載内容 (2) 付属資料 EALの設定方法 に記載したEAL 判断基準等について 訓練実績等を元にした記載の明確化および詳細化 (3) オンサイト緊急時対応要員の被ばく限度 (100mSv 250mSv) に伴う 必要な手続き 3.IAEA の安全要求 (GSR Part7) の改定等 海外動向について 引き続き緊急時対策指針検討会でフォローする

参考資料

関係する法令 計画等の経緯 1 原災法 省令等の改正 ~H24.3 H24.4~H25.3 H25.4~ 1/30 設置法政府案 防災業務計画作成修正原子力防災管理者選任 10 条通報等義務オフサイトセンター設置等 6/27 規制庁設置法制定 原災法改正 3/18 9/19 施行令適用期限 9/6 原子力規制委員会発足 施行令等改正 改正原災法適用 ( 当面のEAL 反映 ) 9/14 省令等公布 9/12 規則等改正 (EALの枠組み反映) 原子力災害対策指針の作成 PAZ UPZ EAL OIL 安定ヨウ素剤投与等 10/31 対策指針制定 (PAZ UPZ EAL OIL) 6/5 対策指針改定 ( ヨウ素剤 モニタリング等 ) 2/28 対策指針改定 9/5 対策指針改正 (OIL 当面のEAL 等 ) (EAL 枠組み等 ) 防災基本計画の修正他 各機関対策要員の動き情報の流れ避難措置の対応等 9/6 中央防災会議 防災基本計画改定 10/19 原子力防災会議 原災対策マニュアル改訂 中央防災会議 1/17 防災基本計画改定 9/3 原子力防災会議原災対策マニュアル改正 各自治体地域防災計画の見直し 原子力事業者防災業務計画 対策本部の設置住民避難の場所 方法緊急時モニタリング等 都道府県地域防災計画修正 市町村地域防災計画修正 3/18 省令適応期限 自治体協議 修正届 都道府県地域防災計画修正 市町村地域防災計画修正 EAL 適用 修正自治体協議 修正届

原子力災害対策関係法の体系 2 災害対策基本法原子力基本法原子力規制委員会設置法 原子力災害対策特別措置法 読替え適用 国 緊急事態応急対策委員 中央防災会議 (H25.1.17 修正 ) 防災基本計画 ( 原子力災害対策編 ) 指定行政機関防災業務計画 ( 原子力災害対策編 ) ( 原子力防災会議 ) (H25.9.3 改定 ) 原子力災害対策マニュアル 原子力防災会議 基づき作成 抵触しないよう作成 適合して作成 施策の推進 地域防災計画 ( 原子力災害対策編 ) 自治体 原子力緊急事態判断 基づき作成 (H25.9.5 改定 ) 原子力災害対策指針原災法第 6 条の 2 EAL 等 法第 7 条抵触しないよう作成 協議 EAL 等原災法第 28 条基づき作成 指定公共機関防災業務計画 防災訓練の実施義務等 原子力事業者防災業務計画 事業者 10 条,15 条

原災法関係法改正の概要 3 原災法条文従来改正後 (JEAG4102 反映 ) 業務計画協議 届 ( 第 7 条 ) 防災組織 管理者届先 ( 第 8,9 条 ) 所在都道府県 所在市町村 関係隣接都道府県と協議 所在 関係都道府県は関係周辺市町村に意見を聞く 届けは経済産業大臣 経済産業大臣 所在都道府県 所在市町村 関係隣接都道府県に届出 所在 隣接都道府県は関係周辺市町村に写し送付 関係隣接都道府県は関係周辺都道府県 ( 要件は 30km 圏内および原子力災害対策計画があること 政令 ) 届けは内閣総理大臣および原子力規制委員会 経済産業大臣は原子力規制委員会 関係隣接都道府県は関係周辺都道府県 原子力規制委員会は内閣総理大臣へ 所在 周辺都道府県は関係周辺市町村に写し送付 特定事象通報 ( 第 10 条 ) 応急措置報告 ( 第 25 条 ) 放射線測定設備 ( 第 11 条 ) OFC 管轄大臣 ( 第 12 条 ) 防災訓練報告 ( 第 13 条の2) 原災本部 ( 第 17 条 ) 合同協議会 ( 第 23 条 ) 災対法の読替え適用 ( 第 28 条 ) 経済産業大臣 ( 運搬は国土交通大臣も ) 所在都道府県 所在市町村 関係隣接都道府県に通報 所在 隣接都道府県は関係周辺市町村に通報 設備現況届 資機材現況届は経済産業大臣 所在都道府県 所在市町村 関係隣接都道府県 設備検査申請は経済産業大臣 名称は 緊急事態応急対策拠点施設 経済産業大臣が指定 OFC 資料提出は経済産業大臣 経済産業大臣は内閣総理大臣及び原子力規制委員会 ( 運搬は国土交通大臣も ) 関係隣接都道府県は関係周辺都道府県 所在 周辺都道府県は関係周辺市町村に通報 経済産業大臣は内閣総理大臣及び原子力規制委員会 関係隣接都道府県は関係周辺都道府県 設備検査申請は原子力規制委員会 名称を 緊急事態応急対策等拠点施設 内閣総理大臣が指定 OFC 資料提出は内閣総理大臣 ( 追加 ) 防災訓練の実施結果を原子力規制委員会に報告 原子力緊急事態宣言から解除宣言まで 原子力緊急事態解除宣言後も引き続き存続 ( 事後対策では使わないといった表現を削除 ) ( 追加 ) 災対法第 39 条指定公共機関防災業務計画災対法第 47 条の 2 防災教育の実施の努力義務

原災法関係法関係制定規則等の概要 4 条項省令要求内容 ( 要旨 ) JEAG 反映内容 2-2-1 緊急時対策所および同所の非常用通信機器 テレビ会議システムの整備及び運用 原子力防災関連資機材の保守点検 および故障時の対応等を記載 2-2-2 原子力事業所災害対策支援拠点の整備及び運用 ( 後方支援拠点 ) 後方支援拠点の整備 緊急時の立上 げ等を記載 2-2-3 原子力施設事態即応センターおよび同センターの非常用通信機器 テレビ会議システムの整備及び運用 2-2-4 原子力事業所内情報等伝送設備の整備及び運用 (ERSS 常時伝送設備 ) 2-2-5 緊急時対策所 原子力事業所災害対策支援拠点 原子力施設事態即応センター及び原子力事業所内情報等伝送設備の非常用電源の整備 自然災害時の機能の維持 2-2-6 総理大臣官邸 原子力規制庁 緊急事態応急対策等拠点施設を接続する情報通信ネットワーク 緊急時対策所 原子力施設事態即応センターの非常用通信機器 テレビ会議システム 原子力事業所内情報等伝送設備との接続の確保 2-2-7 原子力事業所で容易に立ち入ることができない場所において使用する遠隔操作が可能な装置その他の資材又は機材及びこれらを管理するための組織の整備及び運用 事態即応センターの整備 緊急時の立上げ等を記載 ERSS 常時伝送設備の整備 および故障時の対応等を記載 各設備等の自然災害耐力の確保 故障時の対応等を記載 国ネットワーク接続の整備 障害発生時の対応等を記載 原子力緊急事態支援組織との協定 ロボット等による緊急時の対応等を記載

原子力防災設備等の指針区分 5 省令要求等 JEAG4102 で規定する範囲 JEAG4627 で規定する範囲 緊急時対策所対策本部の設置場所 代替指揮所機能および仕様等の基準 原子力事業所災害対策支援拠点 ( 後方支援拠点 ) 原子力施設事態即応センター原子力事業所内情報等伝送設備 (ERSS 常時伝送設備 ) 国ネットワーク接続装置 体制 保守点検 緊急時の展開 機能 仕様 体制 保守点検 緊急時の展開 代替センター 保守点検 代替手段 機能 仕様 体制 保守点検 緊急時の展開 代替手段 - - 機能および仕様等の基準 ( データ伝送項目含む ) - 原子力緊急事態支援拠点施設体制 緊急時の展開ー 集合 退避場所機能 仕様 緊急時の展開ー 医療処置室 気象観測設備 機能 仕様 保守点検 緊急時の展開 代替手段 機能 仕様 保守点検 緊急時の展開 代替手段 ー ー 安全パラメータ表示システム 保守点検 緊急時の展開 機能 仕様等の基準 ( 重要パラメータの定 義含む ) 事故一斉放送装置保守点検 緊急時の展開ー 本店対策本部室対策本部の設置場所 代替施設ー

原子力災害対策指針の反映概要 6 項目原子力災害対策指針の記載内容 JEAG 反映内容 1(1) 原子力事業者が 災害の原因である事故等の収束に一義的な責任を有する IAEA の SF-1 の規定を解説に記載 2(2)1 (1) 原子力災害事前対策の基本的考え方 原子力事業者 国 地方公共団体等が 様々な行動をとらなければならない 大項目を 原子力災害予防対策 から 原子力災害事前対策に変更する 2(2)2 原子力事業者は 警戒事態 ( 施設敷地緊急事態 全面緊急事態 ) に該当する事象の発生及び施設の状況について直ちに国 ( 自治体 ) に連絡 ( 通報 ) しなければならない 新たに EAL による通報を記載する 2(2)2 緊急事態区分に該当する状況であるか否かを原子力事業者が判断するための基準 EAL を設定する 新たに EAL の設定方法 を作成する 2(6) 地方公共団体は 国 原子力事業者及び あらかじめ緊急時モニタリング計画を作成する 2(12) 原子力事業者においては 規制機関を中心とする国においては 組織の 安全文化 への理解とその維持 向上に努力する姿勢を育成するべきである 3(2) 通報の際 原子力事業者は 緊急事態区分に応じた防護措置の提案を行うことが望ましい 3(5) 防災業務関係者の放射線防護に係る指標は 放射線業務従事者に対する線量限度を参考とするが 防災活動に係る被ばく線量をできる限り少なくする努力が必要である 地域防災計画に反映されて後に個別事業者の対応になるため JEAG には記載しない 概念であり 反映しない 緊急事態区分毎の EAL 番号により通報を行う ICRPPub103 国内導入を受けて検討する

原子力災害対策指針で用いられる用語 7 用語説明 JEAG 反映内容等 EPZ(Emergency Planning Zone) 防災対策を重点的に充実すべき地域 ) PAZ(Precautionary Action Zone) 予防的防護措置を準備する区域 UPZ(Urgent Protective Action Zone) 緊急時防護措置を準備する区域 PPA(Plume Protection Planning Area) プルーム通過時の被ばくを避けるための防護措置 EAL(Emergency Action Level) 緊急時活動レベル OIL(Operational Intervention Level) 実用上の運用レベル あらかじめ異常事態の発生を仮定し 施設の特性等を踏まえて その影響の及ぶ可能性のある範囲を技術的知見から十分な余裕を持たせつつ定めた範囲 ( 廃止 ) 急速に進展する事故を考慮し 重篤な確定的影響等を回避するため 緊急事態区分に基づき 直ちに避難を実施するなど 放射性物質の環境への放出前の予防的防護措置 ( 避難等 ) を準備する区域 ( 原子力災害対策指針に反映 ) 国際基準等に従って 確率的影響を実行可能な限り回避するため 環境モニタリング等の結果を踏まえた運用上の介入レベル (OIL) 緊急時活動レベル (EAL) 等に基づき避難 屋内退避 安定ヨウ素剤の予防服用等を準備する区域 ( 原子力災害対策指針に反映 ) プルーム通過時の被ばくを避けるための防護措置を実施する区域 ( 今後検討 ) 緊急事態区分 ( 住民避難等実施レベル 要員展開レベル 情報周知レベルなどで区分 ) をプラントの漏洩量や温度の観測値などで判断する基準 施設毎に決定する必要がある ( 原子力災害対策指針に反映 ) 緊急防護措置 ( 避難 屋内退避 飲食物摂取制限等 ) を行うかどうかを判断するための放射線量や放射性物質濃度に関する基準 ( 原子力災害対策指針に反映 ) 従来から JEAG に記載なし ( 概ね5km) 付属資料 EALの設置方法 に記載する ( 概ね30km) 付属資料 EALの設置方法 に記載する 特に反映しない 付属資料 EAL の設置方法 に記載する 国際放射線防護委員会 (ICRP)2007 年勧告 (Pub.103) の国内制度等への取入れ等とあわせて反映検討する

モニタポスト ( 敷地境界付近 ) EAL による通報等事象のイメージ 排気筒他で濃度限度 50 倍以上の放射性物質が検出された 8 モニタポストで5μSv/h 以上指定エリアモニタ数値に異常 10 条通報 SE01 15 条報告 GE01 敷地境界付近の放射線量の上昇 原子炉格納容器 1 次冷却材 蒸気発生器 原子炉容器 燃料 放射性ガス 排気筒 アニュラス部 アニュラス排気系ファン よう素除去フイルター SE03 10 条通報 GE03 15 条報告通常放出経路での気体放射性物質の放出 SE04 10 条通報火災 爆発等により管理区域外において50μSv/ 時間の放射線が検出された場合 停止機能異常のおそれ AL11 AL21 原子炉冷却材の漏えい GE04 15 条報告 10 条通報なし SE21 10 条通報原子炉冷却材漏えいによる非常用炉心冷却装置が作動した場合 火災 爆発等により管理区域外において 5 msv/ 時間の放射線が検出された場合 15 条報告 GE11 原子炉停止失敗又は停止確認不能 GE21 15 条報告原子炉冷却材漏えい時における非常用炉心冷却装置による注水不能 プラントの事象の例

防災基本計画改正の概要 9 章節項新たな記載項目 ( 要旨 ) JEAG 反映内容 1-5-1 原子力事業者等は原子炉の状態等をERSSへ常時伝送す 原子力防災設備に位置づける る 1-5-1 国 事業者の拠点を結ぶTV 会議システムを整備する 原子力防災設備に位置づける 2-1-1 原子力防災管理者からの警戒事象発生時の連絡 EAL による通報を記載 2-1-2 国 事業者等は 警戒事象が発生した場合 TV 会議で連絡体制を確認 2-1-4 事業者は可能な限り速やかに損害賠償請求への対応体制を整備すること TV 会議の運用を記載 緊急事態応急対策において 準備体制を構築することを記載 2-1-6 国は 事業者の応急措置の監督を行うこと発電所対策本部に国職員が入ること記載 2-2-4 自治体 事業者は 国の協力を得て 住民等のスクリーニング 除染を実施すること 3-1 国は 事後対策において自治体 事業者の協力でモニタリングを実施すること 3-2 国 自治体 事業者は地域の除染 廃棄物管理を行うこと 3-3 事業者は 復興過程被災者に仮設住宅等の提供など生活支援を行うこと 緊急事態応急対策および原子力災害事後対策に関係防災機関と連携してオフサイト対応を行うことを記載

ICRP 2007 年勧告の特徴及び主な内容 10 放射線審議会基本部会 中間報告 国際放射線防護委員会 (ICRP)2007 年勧告 (Pub.103) の国内制度等 への取入れに係る審議状況について ( 平成 22 年 1 月 ) より放射線防護の基本原則の維持 正当化の原則放射線被ばくの状況を変化させるようなあらゆる決定は 害よりも便益が大となるべきである 防護の最適化の原則被ばくの生じる可能性 被ばくする人の数及び彼らの個人線量の大きさは すべての経済的及び社会的要因を考慮に入れながら 合理的に達成できる限り低く保つべきである 線量限度の適用の原則患者の医療被ばく以外の 計画被ばく状況における規制された線源のいかなる個人の総線量は 委員会が特定する適切な限度を超えるべきではない 8. 防護規準 (2) 緊急時被ばく状況 ( 職業被ばく ) 参考レベル ( 残存線量参照 ) 救命活動 ( 情報を知らされた志願者 ): 救命者のリスクより利益があれば 制限なし 緊急救助活動 :500mSv 又は 1000mSv 救助活動 :100mSv 以下 1 つの全体的な防護戦略に統合されたすべての対策 : 計画を立てるときに 状況に応じて 20mSv から 100mSv の間

ICRP 基本原則と EAL 11 原子力安全委員会 原子力施設等の防災対策について の見直しに関する考え方について ( 中間とりまとめ ) より

原災法第 10 条等と米国 EAL の関係 12 旧原子力安全委員会 原子力施設等の防災対策について より

緊急時準備および計画に関する国際基準 13 米国基準 10CFR50.47 Emergency plans 緊急時計画 (b) 緊急時計画は以下の基準を満足しなければならない (4) 緊急時分類 緊急時アクションレベルの設定 Appendix E 生産 利用施設のための緊急時計画及び対策 Ⅳ. 緊急時計画の内容 B. 緊急時アクションレベルを用いた放出量の決定 影響の評価 緊急時アクションレベルは自治体と合意しNRCの認可を受ける RG 1.101 原子力発電所の緊急時計画及び対策 NUREG-0396 軽水炉の放射線緊急時対応計画策定のベース NUREG-0654 原子力発電所放射線緊急時計画および支援準備の準備と評価の基準 Appendix 1 原子力発電所の緊急時対応レベルガイドライン NEI 99-01 緊急時アクションレベルの設定方法 IAEA 基準 原子力の安全に関する条約 第 16 条 緊急事態のための準備 IAEA SF-1 安全の基本原則 (2006) 原則 9 緊急時の対応と準備 原子力または放射線の. 異常事象に対する緊急時の準備と対応のための取り決めを行なわなければならい IAEA GS-R-2 原子力または放射線の緊急事態に対する準備と対応 (2002) 改正中 IAEA GS-G-2.1 原子力または放射線緊急時の準備に関するアレンジメント (2007) PAZは3~5km UPZは5~30km IAEA GSG-2 原子力または放射線緊急時の準備と対応の適用に関する基準 (2011.3) EAL OILを例示