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症例 ある日の外来にて 55 歳男性 二次健診の上部消化管内視鏡で 萎縮性胃炎と迅速ウレアーゼ試験陽性を指摘

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Clinical Question H.pylori 除菌療法へのプロバイオティクス 追加の効果を検証した研究は散在する その効果はどのようなものなのだろうか

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Step 1 疑問の定式化 P I C O ピロリ菌除菌を行う患者プロバイオティクス追加プロバイオティクス追加なし除菌率 副作用 治療の論文を検索

Pubmed で Step 2 論文の検索 Helicobacter pylori, eradication, probiotics, adverse event, meta analysis と検索 2 件がヒットし より趣旨に 合うものを選択

Aliment Pharmacol Ther 2007 Jan 15;25(2):155-68

Step3 論文の批判的吟味

論文の背景 ピロリ菌除菌によりPUD 胃癌 萎縮性胃炎の発症率が減少すると言われている Am J Gastroenterol 1993; 88: 1870-5. Lancet 1990; 335: 1233-5. しかし 除菌率は 65-90% であり 10-35% の患者が除菌失敗し 再度除菌を行う Aliment Pharmacol Ther 2002; 16: 1669-75 また 除菌の際に使用する抗菌薬の副作用として 下痢 嘔気嘔吐等がある これによって内服を止めてしまう患者がいる Aliment Pharmacol Ther 1992; 6: 427-35

論文の目的 プロバイオティクスを追加することで 除菌率を向上させたり 副作用を減らしたという研究はいくつか報告をされている しかしながら 各々の研究は小規模であり 統計学的な有意差を証明出来ていない 今回 プロバイオティクスの有用性を証明するためにメタアナリシスを行った

論文の PICO P ピロリ菌除菌を行う患者 I 抗菌薬とPPIにプロバイオティクスを追加 C 抗菌薬とPPIのみ O 除菌率及び副作用の発症率

Step3 論文の批判的吟味

結果は妥当か 1 関連する研究の検索は 詳細かつ網羅的か 2 レビューは明確でかつ適切な適格基準を採用していたか 3 研究において選択バイアスや報告バイアスの可能性はあるか 4 一次研究は方法論的に質が高かったか 5 研究の評価は再現可能か

1 関連する研究の検索は 詳細かつ網羅的か?

検索した研究の条件 (1)RCTで行なわれている (2) 過去にH.pyloriの除菌に成功していない症例 (3) 症状は問わない (4) 除菌成功か否かは尿素呼気試験にて判定 (5) 標準治療群と それらにプロバイオテクスを加えた群で比較 (6) 除菌失敗歴を有する患者の二次除菌を対象とした研究も含める (7) 除菌率および副作用発症率が明記されている

検索方法 用いたデータベース Pubmed, Embase, the Cochrane Controlled Trials Register, the Science Citation Index, the Chinese, Biomedical Database を用いて検索 用いた検索ワード Helicobacter pylori (H. pylori) probiotic, probiotics, yeast, yogurt, Lactobacillus, Bifidobacterium, Saccharomyces, Lactococcus, Streptococcus,Enterococcus を検索

検索方法 言語や出版の形式で制限はあるか 英語か中国語で書かれたもののみを採用学術論文雑誌は検索したか リファレンス 主要学会の抄録も調べた個々の論文の参考文献まで調べたか リファレンスも調べている

検索方法 個々の研究者や専門家に連絡を取ったか 連絡を取り 追加の検査や未出版の論文を調べている 出版されていない研究も探したか 上記記載 同じ研究が複数報告されていないか 場合はかぶった最新のもののみを使用 英語以外で書かれた研究も探したか 探した

検索結果 論文形式が該当しない 対象が動物 臨床試験ではない 関係がない論文 19 論文が除外 10: 除菌のレジメがダメ 1: 除菌率や副作用率の記載なし 1: 胆石の形成との関連を調査 3: ロシアの文献 1: レジメンが重複 1: オルニチンデカルボキシラーゼ活性の影響 2: 腸内微生物叢 中国データベース 2 例 14 例が該当

Statistical analysis 除菌率及び副作用の減少は Mantel-Haenszel method を元にした fixed-effects modle を用いた アウトカムは上記改善の OR を測定した 研究間の異質性はカイ 2 乗検定を用いた P 値 0.10 未満を異質性の基準とした 明らかな異質性がある場合は fixed-effects model ではなく random model を用いた

2 レビューは明確かつ適切な 適格基準を採用したか?

組み込まれた患者の範囲 ( 年齢の高い患者と低い患者 重症度の高い患者など ) は全般を通して似たような結果だと言えるか 大人と子供が混合している 研究の介入または暴露の範囲 ( 高い投与量 専門家による検査の解釈と非専門家による検査の解釈など ) は全般を通して似たような結果だと言えるか プロバイオテクスの種類は様々であるが 介入期間は似ている

アウトカムを測定するための方法の範囲 ( 追跡期間が短期と長期など ) は全般を通して似たような結果だと言えるか 4 週間以上経過後に検査を行っている 結果として 実際に患者 介入及びアウトカムの範囲全般を通じて似たような結果だったか ( すべての研究が似たような結果だったかなど ) 多少ばらつきがあるが 概ね似たような結果である

検査法にばらつきあり 4 週以上 大半が UBT

子供も該当 プロバイオテクス種類は様々 除菌法は基準を満たしている

3 研究において選択バイアスや 報告バイアスの可能性はないか?

評価者バイアス ( 選択バイアス ) はないか Tong と Shen の 2 人が独立して全ての文献を評価している 意見が一致しない場合は 第 3 者 (Ran) が介入をしている 評価者バイアスは小さいと判断 出版バイアスはないか ファンネルプロットで非対称 Egger s regression test では 非対称性なし (P=0.242) 明らかな出版バイアスはないと判断 詳しくかつ網羅的な検索が行われている

4 一次研究は方法論的に 質が高かったか?

Jadad score 以下 3 項目を元に 0~5 点中 3 点以下であれば低質 ランダム割付か ダブルブラインドか 投与中止や脱落を記載しているか Jadad score3 点以下の研究が散見される

5 研究の評価は再現可能か?

以下 3 より再度掲載 2 人の研究者が個別に論文を抽出した 2 人の研究者が個別に適格基準と合致するかを検討した 意見が異なった場合は 2 人の合意または 3 人目の評価者によって決定された 複数名で評価されており 再現可能と考える

結果は何か 6 結果は研究同士で似ていたか? 7 レビューの全体的な結果は何か? 8 結果はどれくらい正確か?

6 結果は研究同士で似ていたか?

研究結果のばらつきを評価する ばらつきの視覚的評価 点推定値はどの程度似ているか 信頼区間の重なりはどの程度か ばらつきを評価するための統計的検定 異質性検定 (Yes か No かの判定 p 値で示される ) I 2 検定 ( 研究間の結果の違いで説明されるばらつきを定量化する )

Figure 2 ばらつきあり異質性 :P=0.65 有意差なし I 2 検定 =0% 異質性は低い Figure 4 ばらつきあり異質性 :P=0.23 有意差なし I 2 検定 =25.6% 異質性は中等度 Figure 5 ばらつきあり異質性 :P=0.18 有意差なし I 2 検定 =31.1% 異質性は中等度

Figure 6 ばらつきあり異質性 :P=0.46 同質 I 2 検定 =0% 異質性は低い Figure 7 ばらつきあり異質性 :P=0.22 同質 I 2 検定 =26.9% 異質性は中等度 Figure 8 ばらつきあり異質性 :P=0.03 異質 I 2 検定 =65.3% 異質性は高度

7 レビューの全体的な結果は何か? 8 結果はどれくらい精確か?

除菌率 プロバイオテクス VS プラセボ 異質性 :P=0.65 同質 I 2 検定 =0% 異質性は低い総合結果 :OR 1.84 有意差あり信頼区間 :95%CI 1.34-2.54 精確とは言えない

全副作用 プロバイオテクス VS プラセボ 異質性 :P=0.23 同質 I 2 検定 =25.6% 異質性は低 中等度総合結果 :OR 0.44 有意差あり信頼区間 :95%CI 0.30-0.66 精確

副作用 : 下痢 プロバイオテクス vs プラセボ 異質性 :P=0.18 同質 I 2 検定 =31.1% 異質性は中等度総合結果 :OR 0.34 有意差あり信頼区間 :95%CI 0.22-0.52 精確

副作用 : 心窩部痛 プロバイオテクス vs プラセボ 異質性 :P=0.46 同質 I 2 検定 =0% 異質性は低い総合結果 :OR 0.62 有意差あり信頼区間 :95%CI 0.39-0.93 精確とは言えない

副作用 : 嘔気 プロバイオテクス vs プラセボ 異質性 :P=0.22 同質 I 2 検定 =26.9% 異質性は低 中等度総合結果 :OR 0.58 有意差あり信頼区間 :95%CI 0.38-0.88 精確とは言えない

副作用 : 味覚障害 プロバイオテクス vs プラセボ 異質性 :P=0.03 異質 I 2 検定 =65.3% 異質性は高度総合結果 :OR 0.38 有意差あり信頼区間 :95%CI 0.17-0.85 精確とは言えない

Step4 情報の患者への適応

結果を患者のケアに どのように適応できるか? 1 患者にとって重要なアウトカムの全てが 考慮されたか? 2 いずれかの想定されるサブグループ効果は 信頼できるか? 3 全体的なエビデンスの質はどれほどか? 4 利益やコストは考えられるリスクに見合うか?

1 患者にとって重要なアウトカムの すべてが考慮されたか? 除菌率の向上 副作用の軽減 重要なアウトカムは十分 考慮されていると考える

2 いずれかの想定される サブグループ効果は信頼できるか? 仮説は解析の後ではなく解析の前に設定されたか? 結果の前に計画をされている サブグループの差は 検定された数少ない仮説効果のうち 1 つか? サブグループは 3 つのみ サブグループの差は 複数の研究間ではなく研究内の比較によって示唆されるか? 研究内の比較によって示唆される サブグループ効果は信頼できる

2 いずれかの想定される サブグループ効果は信頼できるか? サブグループの差は 大きいか? 症状あり 大人 ラクトバチルスに関しては有意差は大きい サブグループの差は 研究全般にわたり一貫しているか? ラクトバチルスに関しては一貫している サブグループの差は 統計的に有意か? 統計的に有意である 仮説のサブグループの差を支持する外部エビデンスはあるか? 本文中には記載なし サブグループ効果は信頼できる

3 全体的なエビデンスの質は どれほどか? GRADE システム問題にしている疑問に関する非直接的なエビデンスしかない clinical question に対して直接的なエビデンスである 研究やその遂行に問題がある デザインや遂行に大きな問題はない 不精確である ( 信頼区間が広い ) OR 1.84(1.34-2.54) 信頼区間は広め 結果が一貫していない ( 効果のばらつき ) 各々の結果は多少ばらつきを認める 出版バイアスの確率が高い 検討しており 低いと思われる 全体的なエビデンスの質は高いと判断

4 利益やコストや考えられる リスクに見合うか? 除菌の向上率は 1.12 倍であり NNT は 11.4 であることから おおよそ 10 人に 1 人は効果が出ることになる 仮にビオスリーを処方した場合も 1g の薬価は 6.2 円であり 1 日 3g を 1 週間内服したとしても 130 円程度である 副作用としても腹部膨満感程度の軽度の症状しかない

実際の症例への適応 プロバイオテクスの効果を説明し 薬価と副作用を説明したところ 患者はプロバイオテクスの処方を希望した 除菌治療にプロバイオテクスの追加を行った

Step5 1 4 の Step の評価

Step1 臨床的に意味のある疑問の定式化を行う事が出来た Step2 Pubmed から ピロリ菌除菌の際のプロバイオテクスの有効性を示すメタアナリシスを検索することが出来た Step3 JAMA user s guide を用いて批判的吟味を行い 内的妥当性の評価を行った Step4 本症例に対して外的妥当性もあると判断し 治療を行えた

論文のまとめ ピロリ菌除菌を行う際に 通常治療に加えてプロバイオテクスを追加することで 除菌率の向上及び副作用 ( 下痢 心窩部痛 嘔気 ) の減少に有効なことが示された