ヒト用医薬品のGDPガイドライン(94/C 63/03)

Similar documents
Q4.25 バルク保管用の設備が製品の要求事項に従って設計されていることを保証するシステムの存在 Q4.26 必要な場合 製品を酸化や吸湿から保護するため 保管タンク内に窒素ブランケットシステムや除湿設備が備えられているか Q4.27 ブランケットガスの品質は 製品との適合性があるか Q4.28 必

帳簿一覧 フローチャート 品質の確保に関するフローチャート 苦情処理フローチャート 不具合及び回収に関するフローチャート 設置管理医療機器の取扱に関するフローチャート 記録書式 管理者の継続的研修受講状況記録票 品質等点検表 苦情処理記録票 不具合等に関する報告書 回収処理記録票 教育訓練実施記録票

< F2D816995BD90AC E30398C8E303493FA88EA959489FC90B3>

Microsoft Word - 04_品質システム・品質保証モデル_TCVNISO doc

<90528DB88EBF96E2955B2E786C73>

ISO9001:2015規格要求事項解説テキスト(サンプル) 株式会社ハピネックス提供資料

ISO9001:2015内部監査チェックリスト

指導事項 < 品質保証責任者の業務 > 省 81 省 82 省 83 省 84 施第 2-6(3) 品質管理業務を統括すること 品質管理業務が適正かつ円滑に行われていることを確認すること 必要な場合 総括に文書により報告すること 品質管理業務の実施に当たり 必要に応じ ( 回収 製造販売の停止等 )

(Microsoft Word -

ISO 9001:2015 から ISO 9001:2008 の相関表 JIS Q 9001:2015 JIS Q 9001: 適用範囲 1 適用範囲 1.1 一般 4 組織の状況 4 品質マネジメントシステム 4.1 組織及びその状況の理解 4 品質マネジメントシステム 5.6 マネジ

ISO 9001:2015 改定セミナー (JIS Q 9001:2015 準拠 ) 第 4.2 版 株式会社 TBC ソリューションズ プログラム 年版改定の概要 年版の6 大重点ポイントと対策 年版と2008 年版の相違 年版への移行の実務

Microsoft Word - 奈良県GQP-GVPガイドライン doc

Microsoft Word _ネットQA(その2)set

どのような便益があり得るか? より重要な ( ハイリスクの ) プロセス及びそれらのアウトプットに焦点が当たる 相互に依存するプロセスについての理解 定義及び統合が改善される プロセス及びマネジメントシステム全体の計画策定 実施 確認及び改善の体系的なマネジメント 資源の有効利用及び説明責任の強化

電子的な管理 記録の管理 記録の保管に関する SOP 文書化の基準(Good Documentation Practice*) ( 注 :* この部分については適切な訳が見出せない ) 4.3 変更の管理 変更管理の手順 製造変更の管理 変更の独立した承認 適格性評価又はバリデーションへ

ISO9001やさしい規格解釈

食肉製品の高度化基準 一般社団法人日本食肉加工協会 平成 10 年 10 月 7 日作成 平成 26 年 6 月 19 日最終変更 1 製造過程の管理の高度化の目標事業者は 食肉製品の製造過程にコーデックスガイドラインに示された7 原則 12 手順に沿ったHACCPを適用して製造過程の管理の高度化を

<4D F736F F D F815B B E96914F92B28DB8955B>

実地審査チェックリスト (改 0) QA-057_____

<4D F736F F D2093FA96F AD D B9F8B8B834B >

15 変更管理

Microsoft PowerPoint - US cGMP検討会用080226(資料3-1).ppt

<4D F736F F D208DBB939C97DE8FEE95F18CB48D EA98EE58D7393AE8C7689E6816A2E646F63>

バリデーション基準 1. 医薬品 医薬部外品 GMP 省令に規定するバリデーションについては 品質リスクを考慮し 以下の バリデーション基準 に基づいて実施すること 2. バリデーション基準 (1) バリデーションの目的バリデーションは 製造所の構造設備並びに手順 工程その他の製造管理及び品質管理の

何故 2 つの規格としたのですか (IATF 16949:2016 及び ISO 9001:2015)? 2 つの規格となると 1 つの規格の場合より, 読んで理解するのが非常に難しくなります 1 まえがき 自動車産業 QMS 規格 IATF と ISO との間で,IATF を統合文書と

品質マニュアル(サンプル)|株式会社ハピネックス

<4D F736F F D2088E396F BB91A28BC EF C8EA695DB8AC78BE695AA816A C826F8AEE8F808F918EE88F878F B2E646F63>

はじめに 監査には定型があるわけではない また, 監査を掘り下げる深さに限度があるわけではない それは,GMP システムの整備には 完璧 がないのと同じである もし監査の際, 完璧な GMP システムを有している と宣言する製造所があった場合には, 疑って監査に臨む必要がある 100% 完全に信頼で

精米 HACCP 規格 ~ 精米工場向け HACCP 手法に基づく 精米の食品安全 品質管理 衛生管理 食品防御の取組み ~ 第 1 版 2016 年 3 月 16 日 第 1 目的一般社団法人日本精米工業会の精米 HACCP 規格は 精米工場で製造する精米が消費者及び実需者より信頼される製品精米と

(Microsoft Word - \230a\226\363\224[\225iJ2-1.doc)

<4F F824F B4B8A B818E968D802E786C73>

Microsoft Word - 4-2”©„Èfi_„�Ł\.doc

New Takeda Quality Management System Draft for Discussion

14個人情報の取扱いに関する規程

PowerPoint プレゼンテーション

パラダイムシフトブック.indb

SGEC 附属文書 理事会 統合 CoC 管理事業体の要件 目次序文 1 適用範囲 2 定義 3 統合 CoC 管理事業体組織の適格基準 4 統合 CoC 管理事業体で実施される SGEC 文書 4 CoC 認証ガイドライン の要求事項に関わる責任の適用範囲 序文

<4D F736F F D20939D8D87837D836A B B816996E BB8DEC8F8A816A F90BB8DEC E646F63>

1 施設設備の衛生管理 1-1 食品取扱室の清掃及び保守点検 < 認証基準 > 床 内壁 天井 窓 照明器具 換気扇 手洗い設備及び排水溝の清掃手順 保守点検方法が定められていること 床及び排水溝の清掃は1 日に1 回以上 その他の清掃はそれぞれ清掃の頻度の記載があること 保守点検頻度の記載があるこ

Microsoft Word - ISO 9001要求事項のエッセンス 改 国府保周

製造

PYT & Associates Attorney at law

Microsoft Word - 規則11.2版_FSSC22000Ver.4特例.doc

北里大学病院モニタリング 監査 調査の受け入れ標準業務手順 ( 製造販売後臨床試験 ) 第 1 条 ( 目的 ) 本手順書は 北里大学病院において製造販売後臨床試験 ( 以下 試験とする ) 依頼者 ( 試験依頼者が業務を委託した者を含む 以下同じ ) が実施する直接閲覧を伴うモニタリング ( 以下

文書管理規程 1.0 版 1

卵及び卵製品の高度化基準

<4D F736F F D2095B68F E838A F939D8D8794C55F>

<4D F736F F F696E74202D2091E F D508CA48B8689EF B836792B28DB88C8B89CA D CE3947A957A A2E >

(2) 情報資産の重要度に応じた適正な保護と有効活用を行うこと (3) 顧客情報資産に関して 当法人の情報資産と同等の適正な管理を行うこと (4) 個人情報保護に関する関係法令 各省庁のガイドライン及び当法人の関連規程を遵守すると共に これらに違反した場合には厳正に対処すること ( 個人情報保護 )

別添 医薬品の適正流通 (GDP) ガイドライン 平成 30 年 12 月 平成 30 年度厚生労働行政推進調査事業 GMP QMS 及び GCTP のガイドラインの国際整合化に関する研究 分担研究 医薬品流通にかかるガイドラインの国際整合性に関する研究 分担研究者木村和子

12_モニタリングの実施に関する手順書 

特定個人情報の取扱いに関する管理規程 ( 趣旨 ) 第 1 条この規程は 特定個人情報の漏えい 滅失及び毀損の防止その他の適切な管理のための措置を講ずるに当たり遵守すべき行為及び判断等の基準その他必要な事項を定めるものとする ( 定義 ) 第 2 条 この規定における用語の意義は 江戸川区個人情報保

保総発第○○○号

「GMP担当者研修・認定講座」の運用規定(案)

ISO13485:2005 と本邦における QMS との違いについて ( いわゆる追加的要求事項と呼ばれる事項について よく質問があります 品質マニュアル ( 品質管 理監督基準書 ) 作成の際に参考になると幸いです 条項ごとに解説を記載しましたので 参考にしてください 追加的要求事項 1: 製造所

5、ロット付番

個人情報分析表 類型 K1: 履歴書 職務経歴書 社員基礎情報 各種申請書 誓約書 同意書 入退室記録 教育受講者名簿 理解度確認テスト 本人から直接取得 社員管理に利用する 保管庫に保管する 廃棄する 残存 1. 同意を得ないで取得する 1. 目的外利用する 1. 紛失する 1. 廃棄物から情報漏

目次 4. 組織 4.1 組織及びその状況の理解 利害関係者のニーズ 適用範囲 環境活動の仕組み 3 5. リーダーシップ 5.1 経営者の責務 環境方針 役割 責任及び権限 5 6. 計画 6.1 リスクへの取り組み 環境目標

個人情報の取り扱いに関する規程

「GMP担当者研修・認定講座」の運用規定(案)

018QMR 品質計画書作成規程161101

スライド 1

る として 平成 20 年 12 月に公表された 規制改革推進のための第 3 次答申 において 医療機器開発の円滑化の観点から 薬事法の適用範囲の明確化を図るためのガイドラインを作成すべきであると提言したところである 今般 薬事法の適用に関する判断の透明性 予見可能性の向上を図るため 臨床研究におい

( 内部規程 ) 第 5 条当社は 番号法 個人情報保護法 これらの法律に関する政省令及びこれらの法令に関して所管官庁が策定するガイドライン等を遵守し 特定個人情報等を適正に取り扱うため この規程を定める 2 当社は 特定個人情報等の取扱いにかかる事務フロー及び各種安全管理措置等を明確にするため 特

< C582C C58B4B8A6982C682CC95CF8D58935F88EA C30382D31312D33302E786C73>

<4D F736F F F696E74202D208DEC90AC C8E817A836F838A B AEE8F802E B8CDD8AB B83685D>

Microsoft Word - 【発送版】製造所の登録通知

Microsoft Word - 【発出版2】製造所取扱いに関するQ&A -

マイナンバー対策セミナー(実践編) 「マイナンバー対策マニュアル」を利用した具体的な対策方法について

特定個人情報の取扱いの対応について

表 3 厚生労働省新旧ガイドライン目次比較 は新ガイドラインで追加された項目 コンピュータ使用医薬品等製造所適正管理ガイドライン 第 1 目的 1. 総則 1.1 目的 第 2 適用の範囲 2. 適用の範囲 第 3 開発業務 1. 開発検討段階 (1) 開発段階の責任体制の確立 (2) 開発マニュア

Microsoft PowerPoint - ISO9001規格要求事項の理解

<4D F736F F F696E74202D C8E8DC58F4994C5817A88C092E890AB A835E838A F2E B8CDD8AB B83685D>

別記様式 2 地方整備局長 知事 支社支社長 印 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律第 11 条 社会保険等未加入 業者 の通知について 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律 ( 以下 法 という ) 第 11 条に基づき 弊社の発注工事において社会保険等未加入業者の存在が

目次 1. 一般 目的 適用範囲 参照文書 用語及び定義 内部監査 一般 内部監査における観点 内部監査の機会 監査室

はじめて医療機器を製造販売または製造される方へ

ISO19011の概要について

上場会社監査事務所登録制度に係る規定要綱案

目次 表紙... 1 目次... 2 改訂記録 目的 対象 製造部門 品質部門組織 PET 薬剤製造施設 ( 施設長 ) の責務 製造管理者の責務 各責任者の責務... 7 ( 別紙 1) (

(Microsoft PowerPoint - GVPGQP\203t\203H\203\215\201[\203A\203b\203v.pptx)

IAF ID 2:2011 Issue 1 International Accreditation Forum Inc. 国際認定機関フォーラム (IAF) IAF Informative Document ISO/IEC 17021:2006 から ISO/IEC 17021:2011 への マネ

前文 この文書の最初の項では コーデックス規格委員会により採択された危害分析 重要管理点 (HACCP) システムの原則について説明している 第 2 項では適用の詳細は食品の取扱い状況によって異なる可能性があることを認識して このシステムの適用のための一般的なガイドラインを示している 1) HACC

1 適用範囲 2 引用規格 3 用語の定義 69の用語 4- 組織の状況新規 4.1- 組織とその状況の理解 [1] 2 組織は 組織組織の目的目的と戦略戦略の方向方向に関係する内外の課題課題を決定しなければならない これらの課題は 想定された結果を達成する上で品質マネジメントシステムの能力に影響す

HACCP 自主点検リスト ( 一般食品 ) 別添 1-2 手順番号 1 HACCP チームの編成 項目 評価 ( ) HACCP チームは編成できましたか ( 従業員が少数の場合 チームは必ずしも複数名である必要はありません また 外部の人材を活用することもできます ) HACCP チームには製品

<4D F736F F D2088E396F EBF B B836788CB978A95B6>

HACCP-tohu

<945F96F B3816A2E786264>

privacypolicy

【事務連絡】偽造医薬品省令Q&A

8. 内部監査部門を設置し 当社グループのコンプライアンスの状況 業務の適正性に関する内部監査を実施する 内部監査部門はその結果を 適宜 監査等委員会及び代表取締役社長に報告するものとする 9. 当社グループの財務報告の適正性の確保に向けた内部統制体制を整備 構築する 10. 取締役及び執行役員は

米国のHIPAA法における 個人情報等の保護に関する規定について

Advance_LIMS+ESER_ pdf

カスタマーの 100%返金保証 会社は すべてのカスタマーに購入後 30 日以内の 100%返金保証を提供しています カスタマーが何らかの理由で会社の 製品に満足できない場合 カスタマーは交換のため または購入価格から送料等を差し引いた製品代金の全額払い戻しの ため その製品 使用 未使用にかかわら

個人情報保護に関する規定 ( 規定第 98 号 ) 第 1 章 総則 ( 目的 ) 第 1 条学校法人トヨタ学園および豊田工業大学 ( 以下, 総称して本学という ) は, 個人情報の保護に関する法律 ( 平成 15 年法律第 57 号, 以下, 法律という ) に定める個人情報取り扱い事業者 (

Privacy Policy Code of Ethics - JP

< F2D8EE888F882AB C8CC2906C>

スライド 1

薬食機発 0131 第 1 号平成 25 年 1 月 31 日 各都道府県衛生主管部 ( 局 ) 長殿 厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室長 薬事法に基づく登録認証機関の基準改正に伴う留意事項について ( その 2) 薬事法 ( 昭和 35 年法律第 145 号 以下 法 という )

p81-96_マンション管理ガイド_1703.indd

プライバシーポリシー EU 版 /GDPR 対応 株式会社オールアバウトライフワークス ( 以下 当社 といいます ) は 個人情報保護の重要性を認識し 個人情報保護に関する方針 規定及び運用体制を含む個人情報保護に関するマネジメントシステムを確立 運用し 適切な取扱いと継続的な改善に努めることを目

Transcription:

ヒト用医薬品の GDP ガイドライン (94/C 63/03) ( 欧州経済領域関係テキスト ) 緒言本ガイドラインは ヒト用医薬品の卸売販売に関する 1992 年 3 月 31 日の閣僚理事会指令 92/25/EEC 第 10 項に従って作成された 本ガイドラインは 医薬品の販売に関与する団体間の商業的関係にも業務上の安全性に関する疑念にも言及するものではない 原則共同体の製薬企業は 市場で規制を受ける医薬品を製造するために GMP 遵守により高度の品質保証を実施し 医薬品の品質の目的を達成している この方針は 販売のために出荷された製品が適切な品質を有していることを確実なものにしている この品質レベルは販売網を通じて保持されるべきであり その結果として品質を保証された医薬品が 一般大衆に医薬品を販売する資格を持つ小売店の薬剤師やその他の人達に品質の劣化なしに販売される 製薬企業における品質マネジメントの概念は 医薬品 GMP の共同体ガイド第 1 章に記載されており 医薬品販売に関連する場合は考慮されるべきである 品質マネジメント及び品質システムの一般的概念は CEN 基準 (29 000 シリーズ ) に記載されている 更に 卸売業者により提供される製品及びサービスの品質を保持するために 指令 92/25/EEC は 卸売業者が欧州共同体委員会により出版された GDP の原則及びガイドラインを遵守しなければならないことを求めている 医薬品の販売業者 ( 卸売業者 ) により行われる品質システムは 以下の点を確保すべきである 販売する医薬品は 欧州共同体の規制に従って保証されること 輸送中を含めた全ての時間の保管条件が観察されること 他の医薬品とのコンタミが避けられること 保管されている医薬品の適切な回転が行われること 医薬品は安全で堅固な場所に適切に保管されることこれに加えて品質システムは 正しい医薬品が正確なあて先に満足すべき時間内で配送されることを確保すべきである 追跡システムは不良品を発見でき 効率的な回収法を持つべきである 職員 1. 各販売所で管理責任者が任命され 彼は品質システムが実施され維持されることを 1/5

確保するために明確な権限及び責任を持つべきである 彼は自ら責任を果たすべきである この人は適切な資格を有するべきである : 薬学の学位が望ましいけれども 資格要求については卸売業者のある地域の欧州メンバー国により決められている 2. 医薬品倉庫に関わる主要な職員は 医薬品や原薬が適切に保管され取り扱われることを保証するための十分な能力及び経験を有するべきである 3. 職員は彼らに割り当てられた職務に関して教育 訓練を受け 教育 訓練項目が記録されるべきである 文書 4. 全ての文書は所管当局の要求に応じて開示できる形のものでなければならない 注文 5. 卸売業者からの注文は 指令 92/25/EEC 第 3 項に従って医薬品を供給する権限のある人または指令 75/319/EEC2 第 16 項に従って許可されている製造業または輸入業許可権者にだけ発送されるべきである 手順 6. 文書化された手順には 医薬品または販売活動の品質に影響を及ぼす種々の対応方法を記載すべきである : 例えば 配送品の受領及びチェック 保管 構造設備の清掃及びメンテナンス ( 防虫 防鼠管理を含む ) 保管条件の記録 在庫品及び輸送中の積送品の安全性 販売可能な在庫品の引き取り 顧客の注文記録を含む記録 返送品 回収計画等 これらの手順は 品質システムの責任者により承認され 署名され 日付が記載されるべきである 記録 7. 記録は各対応がなされた時点で また全ての重要な活動または出来事が追跡可能な方法で行われるべきである 記録は明瞭ですぐに閲覧できるべきである それらは少なくとも5 年間保存すべきである 8. 購買または供給日 受領または供給された医薬品名及び品質 及び供給業者または荷受人の名前及び住所を示す記録は 購買及び販売毎に保持されるべきである 製造業者と卸売業者間及び卸売業者間の処理のために ( すなわち 公衆に医薬品を供給する権限を持つ人への出荷を除いて ) 記録は 例えばバッチ番号を用いることにより 医薬品の販売元及び販売先についての追跡可能性を確保すべきである その結果 全ての医薬品供給業者または供給された業者が確認できる 2/5

構造設備 9. 構造設備は 医薬品の適切な管理及び販売を確保するために適したものであること 監視装置は校正されること 受領 10. 荷受場所は 荷降ろし作業中に悪天候から配送品を保護できる構造であること 受け取り領域は 保管領域から分離されていること 配送品は 容器包装が損傷されていないこと及び積送品が注文通りであることを確認するために 受け取り時に検品されること 11. 特別な保管制限の対象となる医薬品 ( 例えば 麻薬 特別な保管温度が必要とされる医薬品 ) は 記載された指示及び関連する法規制に従って 区分され保管されること 保管 12. 医薬品は普通 他の製品から区別して また光 湿気 または温度による劣化を避けるために 製造業者により指定された条件下で保管されること 温度は監視され 定期的に記録されること 温度記録は定期的にレビューされること 13. 特定温度の保管条件が必要とされる場合は 保管領域には特定温度が保持されなかった時にそれを示す温度記録計または他の装置が設置されること 管理は 関連保管領域の全ての部分が特定温度範囲内に保持されるのに適切なものであること 14. 保管施設は清潔で ゴミ ほこり及び害虫がないこと 漏出や破損 微生物汚染及び交差汚染に対して 適切な予防手段が講じられること 15. システムが正確に作動していることを 定期的及び随時チェックできる保管ローテーション ( 先入れ先出し ) を確保できるシステムであること 品質保証期日または保証障期間の切れた医薬品は 使用可能な医薬品から分離し販売も供給もすべきではないこと 16. 封緘破れ 包装の破損またはコンタミの可能性がある医薬品は 販売可能な在庫から回収すべきであり それらがもし即座に廃棄できないなら 明確に区分して保管されるべきで その結果間違って販売されたり他の製品に混在することがなくなる 顧客への配送 17. 配送は 関係する欧州メンバー国内の公衆に医薬品を販売する権限のある他の卸売業者または人にだけ行われるべきである 18. 公衆に医薬品を供給する権限のある または資格のある人への全ての供給品に対して 日付け 医薬品の名前及び剤形 供給された品質 供給業者及び受け取り手の名前及び住所の確認を可能にする文書が同封されるべきである 3/5

19. 卸売業者は 公衆に医薬品を供給する資格のある人に定常的に供給している医薬品を 緊急の場合には直ちに供給できる状態にしておくべきである 20. そのような場合には 次のような方法で輸送されるべきである : a) 確認票が失われない b) 他の製品や原料とコンタミしたり されたりしない c) 漏出 破損及び窃盗に対して適切な予防が行われる d) 安全であり また許容できない程度の暑熱 寒冷 光 湿気またはその他の好ましくない影響に曝されず また微生物や害虫の汚染を受けない 21. 管理された温度での保管が必要とされる医薬品も 特別な方法で適切に輸送されるべきである 返品欠陥のない医薬品の返品 22. 返品されてきた欠陥のない医薬品は 処分に関して決定が行われるまで 再販売を防止するために販売可能な在庫から切り離して保管すべきである 23. 卸売業者の注意下に置かれた医薬品は 以下の場合にだけ販売可能な在庫に戻すべきである : a) 商品が元の未開封の容器に入っており状態が良好な場合 b) 商品が適切な条件下で保管され取扱われていたことが分かる場合 c) 残存使用期限が受け入れられるものである場合 d) それらが権限のあるヒトにより試験され評価される場合 この評価は 製品の性質 要求される特殊な保管条件及び出荷後の経過時間を考慮すべきである 特殊な保管条件が必要とされる製品には 特に注意が払われるべきである 必要であれば 製品の製造販売承認保有者や製造業者の有資格者 (QP) のアドバイスを請うべきである 24. 返品の記録が残されるべきである 責任者は 在庫に戻されるべき商品を正式に出荷すべきである 販売可能な在庫に戻された製品は 先入れ先出しのシステムが有効に機能するように配置されるべきである 緊急対応計画及び回収 25. 緊急回収及び非緊急回収方法のための緊急対応計画が 文書で記載されるべきである 回収の実施及び調整の責任者が指定されるべきである 26. 回収が行われた時点で回収作業が記録されるべきであり 記録は製品が販売された地域の欧州メンバー国の所管当局に公開されるべきである 27. 緊急対応計画の有効性を確実なものとするために 販売記録のシステムは即座に医薬品販売先の確認及び連絡を可能にすべきである 回収の場合には 卸売業者は全ての回収対象の顧客または回収されるバッチを受け取った顧客だけに情報伝達する 4/5

ことを決定する 28. 同じシステは 卸売業者の許可を行ったメンバー国及びその他のメンバー国の出荷に対して同様に適用すべきである 29. バッチ回収の場合には バッチが販売された全ての顧客 ( 卸売業者 小売業者または病院薬剤師及び公衆に医薬品を販売する資格のある個人 ) は 適切な緊急度で情報伝達を受けるべきである これには卸売業者の許可を行ったメンバー国以外のメンバー国の顧客も含まれる 30. 製造販売承認保有者により また適切な場合には所管当局により承認された回収通知は 回収が小売業者レベルにも行われるべきかどうかを指示すべきである 通知は 回収された製品が直ちに販売可能な在庫から収去され それらが製造販売承認保有者の指示に従って返送されるまで 厳重な場所に区分して保管されることを要求すべきである 偽せ医薬品 31. 販売網で見つけられた偽せ医薬品は 混乱を避けるために他の医薬品から分離して保管すべきである それらは販売されないように明確に表示されるべきであり また所管当局及び元の製品の製造販売承認保有者に速やかに伝達されるべきである 販売不可として分類される医薬品に関する特殊な規定 32. いかなる返品 拒絶品及び回収の実施 また偽せ医薬品の受領も それが行われた時点で記録されるべきであり 記録は所管当局に公開されるべきである 各々のケースで これらの医薬品の廃棄に関する正式な決定が行われるべきであり この決定は文書化され記録されるべきである 卸売業者の品質システムに責任のある者が また関連する場合は 製造販売承認保有者が決定を行うプロセスに含まれるべきである 自己点検 33. 本ガイドラインの実施及び遵守を監視するために 自己点検が行われ ( 記録され ) るべきである 卸売業者の活動に関するメンバー国への情報の提供 34. 販売許可されたメンバー国以外のメンバー国に医薬品を販売しようとする または販売する卸売業者は その他のメンバー国の所管当局の要求に対して 元のメンバー国での販売許可 いわゆる卸売業者の活動の性質 保管及び販売拠点の住所 適切な場合には販売領域に関する情報に対処すべきである 適切な場合には この ( これらの ) その他のメンバー国の所管当局は 彼らの地域での卸売業者での活動に関してあらゆる公共サービス義務を課せられた卸売業者に情報伝達するであろう 5/5