SCM ビジネスモデル研究会 HDI の国際認定及び ITIL の仕組みと今後の動向 HDI-Japan 中森基雄 2005 年 2 月 26 日
目次 HDIとは ITILとは HDIとITILとの関係 HDI 国際認定 HDIサポートセンター認定制度と認定企業 ITILのサービスマネジメントプロセス ITIL 事例紹介 3 4 8 10 18 19 36 HDI と ITIL の現状と今後の動向 39 2
HDI とは HDI:Help Help Desk Institute サポートサービス業界をリードする世界最大の組織 1989 年設立 CEO ロン マンズ 会員数 : 全世界約 20,000 米国拠点 : コロラド 欧州拠点 : ロンドン 日本拠点 : 東京 ( シンクサービス ) HDI-Japan ( シンクサービス株式会社 ) 日本のサポートサービス業界のレベルアップを目指す HDI アジア拠点 Web による情報提供 ( 情報発信 情報交換 ) とメンバーシップ 国際認定制度 ( 個人 組織 ) とトレーニングコース カンファレンスと展示会 ( 国内及び米国 ヨーロッパへの参加ツアー ) 機関誌 サポートワールド 業界調査報告書 専門書などの出版 ワールドクラス コンサルティング 3
ITIL とは ITIL は 企業や組織の効率を上げ 運用コストを下げ IT スタッフが共通の認識を持って業務を行うことができるようなベストプラクティスの導入のためのフレームワークを提供する ITIL 指導書 ベストプラクティス 品質標準 The Information Technology Infrastructure Library アイティル と読む 1980 年代後半に英国政府機関 (OGC:Office of Government Commerce) によって作成された一連の指導書 IT サービス管理のための統合されたプロセス中心のベストプラクティス ( 最良実践モデル ) を包括的に示した書籍セット ISO9001 のすべての要件に対応できるプロセスとしているため ITIL は ISO 品質基準に準拠した品質標準である 公共物 ITILは英国王位著作権となり完全な公共物で どこにも独占されていない物 4
ITIL のポジション 戦略 ビジョン ミッション 目標 ゴール 測定指標 プロセス ITIL 処理手続き 運用マニュアル ワーク 操作マニュアル 5
サービスマネジメント機能構成 現場組織 品質柔軟性コスト管理 Why! ビジネスプロセス How / What? IT サービス提供 効果 現場組織 効率化 効果 IT サービス提供 サービスマネジメント ITIL 効率化 6
ITIL フレームワーク サービスマネジメント導入計画 サービス サポート ビジネス ビジネス 展望 セキュリティ管理サービス ICT インフラ 管理 テクノロジ デリバリ アプリケーション管理 Source: OGC 7
社外ITIL のスコープ 社内HDI から見た ITIL People Process IT Technology Knowledge Non IT 8
サービスマネジメント導入計画ビジネス展望サービスサポートHDI の インフラ管理アプリケーション管理 リバリITIL から見た HDI ービスデセキュリティ管理 サービスデスクサスコープ 9
HDI 国際認定 個人認定 CSS (Customer Support Specialist) サポート業界初心者向け入門プログラム HDA (Help Desk Analyst) 業務経験の少ない人向けプログラム ( 経験半年 ~2 年くらい ) HDSA (Help Desk Senior Analyst ) サポートエンジニアやリーダー向けプログラム ( 経験 2 年 ~5 年くらい ) HDM (Help Desk Manager) スーパーバイザ マネージャ センター長向けプログラム 組織認定 SCC (Support Center Certification) 優れた活動をしているサポートセンターの国際認定 10
HDI 国際スタンダード HDI スタンダード 11
サポートセンタースタッフに必要なスキル TOP10 (HDI Practices Survey 2004) 1. うまく聞くスキル ( リスニング ) 2. 問題解決スキル 3. 電話対応力 4. 速く学習できる能力 5. 人間関係スキル 6. プレッシャーに負けない能力 7. 話すスキル 8. チームプレースキル 9. 変化に対応できる能力 10. 論理思考能力 12
サポートセンター モデル スタンダード #1 #2 方針と戦略 #5 #6 従業員満足 リーダーシップ #3 従業員管理 プロセス 顧客満足 #7 #4 サポート資源 実行結果 #8 効果的要因 結果 上記 8 要素それぞれに, 合計 67 のスタンダードと それぞれ 4 段階の評価基準がある 13
HDI 国際組織認定プログラム概要 ヘルプデスク及びカスタマサポート業界の拡大 発展により 国際的なサポートスタンダードが必要になってきた HDI はこの業界ニーズにこたえ 国際サポートセンター認定プログラム [Support Center Certification (SCC) program] を作成した HDI のサポートセンター認定は, 各要素別ガイドラインから構成され 国際基準であり 認定プログラムが含まれていることから サポートセンターの改善 向上に寄与する HDI は 1999 年に組織と個人の 2 つの国際オープンスタンダードコミティを形成し 世界各国のサポートスペシャリストが参加して 組織と個人のサポートスタンダードが作られた 14
国際オープン スタンダードコミティ 組織のコミティは既存の品質基準 EFQM (European Foundation for Quality Management) マルコムボルドビッチ アワード ISO9000などをベースとして 21 世紀の新しいサポートセンター認定プログラムを完成した 組織認定オープン スタンダードコミティには以下のような世界中の業界リーダーから代表者が参加している Bank of America Sun Microsystems Pink Elephant NCR Corporation Sprint JPC Group Intervox Group Help Desk Solutions IHS Support Solutions Joslin & Associates HDI England HDI Benelux HDI Scandinavia HDI-Japan etc. 15
HDI 国際組織認定の狙い センター全体及び詳細にわたるサービス品質改善 収益性の向上 / プロフィットセンター 顧客満足度の向上 成功するセンターの戦略的プラン立案 サービスの効果的な供給 サポート テクノロジの有効活用 企業ビジネスを補完するサポート構造 TCO/ROI の最適化 経営者によるサポートサービスの理解 働きやすい環境と従業員の定着率 職務内容 教育 キャリアパス 評価の一貫性 etc. 16
HDI 国際組織認定の効果 多くの利点 効果 : 国際スタンダードに基づくセンターの改善 最高の自社センター像に向かう 国際レベルの優秀センターであることの証明 従業員のモラル向上と定着率の向上 競合他社に対する優位性の証明 サポートセンターに関連する各組織の連携強化 HDI 認定センターロゴの使用 HDI との合同プレスリリース /HDI Web での紹介 HDI サポートワールドなど出版物での紹介 HDI 国際カンファレンスなどでの紹介 17
HDI 認定取得センター ( 一部 ) 18
ITIL サービスマネジメント 拡張性高い資源を保証キャパシティ管理 可用性管理 レスポンスを保証 IT サービス継続性管理 サービス継続を保証 予算内運営を保証 IT サービス財務管理 サービスレベル管理 品質保証 早い解決 インシデント管理 IT インフラ 問題管理原因追求影響抑制 構成管理 リリース管理 変更管理 最新情報提供 スムーズな提供 変更の影響抑制 19
サービスサポートのプロセス インシデント管理 サービスデスクで受け付けるインシデントをできるだけ早く解決し 通常の IT サービス提供の状態に戻すことを目指す 問題管理 インシデントの中から問題インシデントを拾い 根本原因を調べて現場への影響を最小なものにすることを目指す 構成管理 サービス対象のシステム構成情報を特定し 管理し 維持し 検証して最新の情報を提供することを目指す 変更管理 すべての変更を効果的に管理し 変更の影響を最小限にして IT サービス運営を改善することを目指す リリース管理 IT サービスの変更実施の全体を視野に入れ 顧客に新システムや新サービスを準備し利用できるようにすることを目指す 20
サービスデリバリのプロセス IT サービス継続性管理 起こりうる障害や災害を想定し ビジネスに影響する IT サービス中断を事前に防止して継続的なサービス供給を保証する 可用性管理 IT インフラの能力 IT サービス サポート組織を最大限に活用し 持続性の高いサービス提供を保証する キャパシティ管理 障害 災害時およびインシデントのピーク時を予測し そのために必要な資源を管理して継続的なサービス供給を保証する IT サービス財務管理 IT サービスを提供するための予算を設定し その予算内でサービスの運営を行うことを保証する サービスレベル管理 SLA によりサービスレベル目標を同意し 実績を確認し レビューし 改善することにより IT サービス品質を保証する 21
サービスデスクのゴール 顧客に対し IT サービスのシングルコンタクトポイントを提供する 顧客に対し 承認されたサービスレベルや優先順位の範囲内で ビジネスに与える影響を最小限に抑えるように通常業務の回復を促進する SPOC : Single Point Of Contact 22
ヘルプデスクからサービスデスクへ ヘルプデスク インシデントの素早い解決インシデントの監視 管理顧客のリクエストが受け入れられるように保障サポートサービスのプロ集団 サービスデスク グローバル化サービスマネジメント環境に統合されたビジネスプロセスインシデントの管理だけではなく 他のプロセスとのインターフェイスを提供 ( 顧客からの変更要求 契約更新 ソフトウェアライセンス サービスレベル管理 構成管理 可用性管理 IT サービス財務管理 IT サービス継続性管理 ) 23
サービスデスクの機能 顧客との最初の接点としてコンタクトを受け付ける (SPOC) インシデントを最初に判別し 締結されたサービスレベル範囲内で問題解決するか 適切な者にインシデントをアサインする サービスレベル遵守状況をモニタリングし 必要に応じて処理のエスカレーションを行う 完了確認に至るまで インシデントのライフサイクルを管理する 完了確認に至るまで リクエストのライフサイクルを管理する 顧客との間で サービスレベルの調整や改善についてコミュニケーションをとる 社内 2 次サポート部門や外部サポートベンダーとの間でコミュニケーションをとる 顧客のトレーニングやスキルアップのニーズを高める サービス改善のための管理情報や奨励情報を提供する 構成管理や問題管理 チェンジマネジメント サービスレベル管理のような他のサービスマネジメントプロセスとのインターフェイスを提供する 24
サービスデスクのインシデント システム構成資産情報 アプリケーションイベント ネットワークイベント セキュリティイベント 運用イベント 顧客リクエスト 変更 質問電話 E メール FAX インターネット サービスデスク 情報管理エスカレーションモニタリング アプリケーションサポート ネットワークサポート ハードウェアサポート システムサポート ベンダーサポート 営業 購買 契約 経理 25
インシデント管理とは できるだけ速く通常業務の回復を促進し ビジネスに与える影響を最小限に抑える 受付 記録 明確化 初期サポート 優先順位付け ( 優先度 重要度 ) 調査 分析 解決 復旧 完了 オーナーシップ モニタリング トラッキング コミュニケーション 情報管理 26
問題管理とは 悪いインシデントの影響とそれがビジネスに及ぼす問題を最小限に抑え IT インフラ上の不具合原因を捉えてその再発防止を行う 問題コントロール エラーコントロール 問題の事前防止 主要な問題のレビュー 情報管理 27
変更管理とは すべての変更に関する迅速で効率的な取扱を確実に実施するために取るべき標準化された方法と手順で 変更が日常オペレーションへ及ぼす影響を最小なものにするために行われる 変更リクエストの受理 ( フィルタリング ) 明確化 ( 優先順位付け 分類 ) 変更の承認 ( 評価 認可 変更計画作成 ) 調整 実施 ( 構築 テスト実施 導入 導入後レビュー ) 情報管理 28
構成管理とは 構成管理で決められたコントロールと範囲内で すべての IT コンポーネントを定義し 記録し 報告すること 企画 定義 コントロール ステータス管理 確認 監査 情報管理 29
リリース管理とは IT サービスの変更実施の全体を視野に入れ 技術的あるいは技術以外の両方の視点から準備をし 顧客に新システムや新サービスを配布して利用できるようにすること リリース計画作成 リリースプロジェクト承認 リリース準備 導入 設定 情報管理 30
IT サービス継続性管理とは 何かトラブルや災害が起こっても 要求され同意された時間内に必要な IT 技術とサービス環境が復旧するのを保証すること ビジネス継続性管理目標作成 ビジネス影響分析 リスク評価 ビジネス継続戦略策定 体制 導入計画策定 導入 運用管理 情報管理 31
可用性管理とは ビジネスの目標を達成するための要件と決められたコストの範囲内で IT インフラとサービス サポート組織の可用性を最適化すること 可用性要件定義 ビジネスインパクト評価 可用性設計 障害復旧設計 可用性の改善 可用性の測定と報告 情報管理 32
キャパシティ管理とは ビジネス要件と決められたコストの範囲内で 現在および将来のキャパシティ ( 許容量 ) とパフォーマンスを保証すること モニタリング チューニング 変更実施 データの格納 需要管理 モデリング アプリケーションサイジング キャパシティ計画策定 33
IT サービス財務管理とは IT サービスを提供する上で必要な IT 資産とリソースを 高い費用対効果を持って供給すること 予算管理 コスト実績測定 課金 34
サービスレベル管理とは 顧客のビジネス目標と合致するために SLA を締結し モニタリングとレポーティングを通じて定期的に IT サービス品質を維持したり向上させたりすること 機能定義 ( 計画 ) 導入プロセス ( 実施 ) 実施状況管理プロセス ( チェック ) 定期レビューの実施 ( アクション ) 情報管理 35
問題インシデント管理インシデント管理ルートコーズ管理顧客問題管理プロセス充実による効果発揮 Service Point Customer Service 銀行本部 店舗 ATM 等を対象としてすべての IT サービスを実施 ユーザー インシデント監視 問題監視 根本原因追求 顧客満足度向上 サービスデスク 問題管理の充実ルートコーズ排除ナレッジベース充実対応品質 ( 初回解決率 解決時間 ) 向上現場効率向上サポート全体コスト削減 利用 問題の記録 ベース 原因の記録 理ナレッジ 企業 企業全体のビジネスチャンス拡大 36
更管理変更準備 実施変リリース管理変更管理プロセス充実による効果発揮 Business System Service Centre Server 2,500 台 PC50,000 台 4,000 以上の Notes アプリ 10,000 人の SAP ユーザー 専任チームによる徹底した変更管理 変更管理からリリース管理へのスムーズな連携 ユーザーへの影響の最小化 顧客満足度向上 サービスデスク内への影響の最小化 従業員満足度向上 ITIL プロセス 変更管理専任チーム サービスデスク ユーザー 変更計画作成 KB メンテナンス ユーザーへの連絡 連絡受信 変更リリース 一時ユーザー窓口ユーザー窓口引継ぎ 変更管理専任チームへコール ユーザー窓口 サービスデスクへコール 37
問題管理プロセス充実による効果発揮 Media Technology Solutions Service Desk BBC 全拠点の放送機材を含む IT 機器に関するサービス提供 ユーザー コール 1 次窓口 要件 ニーズの取得 定義 指摘 改善提案 インシデント 問題管理専任チームの目標 エスカレーション対象問題インシデントの削減 エレベーション 2 次窓口 モニタリング 問題管理 ( エスカレーション ) 専任チーム 月 135 件 インシデント 指摘 改善提案 月 50 件 (5 ヶ月間 ) サービスデスク全体の品質向上顧客満足度の向上 問題 DB 38
HDI の今後 グローバル化 未開発地域への進出 : 中国 シンガポール 韓国等 トレーニング ITIL をカバー : ナレッジセンターサポート サービスデスク等 センター認定 今年中にバージョンアップ : セキュリティ面を強化 イベント ITIL をテーマにしたものを強化 : カンファレンス ツアー等 39
ITIL バージョン 3 ITIL Version 2 eデリバリ化 効果的反映 バーチャル化 ITIL Version 3 よりビジネスニーズに照準を合わせる より現場への適用が容易にできる より成功度合いが容易に測れる よりサプライヤへの適用が容易にできる キーマーケットへの製品提供が統合化される 40
ITIL 開発計画 ステップ 1 2005 年夏 ステップ 2 2006 年春 ステップ 3 進行中 ビジネス展望 2 ITIL // COBIT インターフェイス 入門書 プロセスモデル 必要なら Foundation 改訂 コアとなる編集者の選定 (2005 年春から ) コアとなる ITIL ガイドの改訂 (2006 年 3 月まで ) 品質チェック (2006 年 3 月まで ) ツールのライセンスを追加 出版物のライセンスを追加 ステップ 4 2006 年秋 ITIL 標準の照合と更新 評価認定基準の更新 V3 V3のレビューと V4 V4の概要計画策定 41
新プロセスモデル 範囲の見直しと更新 V3 のステップ 1 として出版 著作権を持つがフリー Key となるのは - V3 出版の構造と定義 - 筋の通った完結型のプロセス 基礎となるのは - 計画策定 - ツールのサポート - 評価認定基準 - 測定指標と改善のプロセス - 他スタンダードとのインターフェイスの定義 (COBIT 等 ) 42
ありがとうございました HDI ITIL 中森基雄 シンクサービス株式会社 (HDI-Japan) 215-0021 川崎市麻生区上麻生 3-13-1 ベルクレエ新百合ヶ丘 1205 044-969-5031 nakamori@thinkservice.co.jp www.hdi-japan.com