第 8 回地理院地図パートナーネットワーク会議平成 29 年 11 月 13 日 気象庁内における地理院地図の利用状況 気象庁総務部情報利用推進課 佐藤豊 Japan Meteorological Agency

Similar documents
気象データ活用サービスの更なる発展に向けて 先端 IT 活用推進コンソーシアム (AITC) 第八回総会 (H ) 講演資料 Japan Meteorological Agency

気象庁 札幌管区気象台 資料 -6 Sapporo Regional Headquarters Japan Meteorological Agency 平成 29 年度防災気象情報の改善 5 日先までの 警報級の可能性 について 危険度を色分けした時系列で分かりやすく提供 大雨警報 ( 浸水害 )

布 ) の提供を開始するとともに 国民に対し分かりやすい説明を行い普及に努めること 図った 複数地震の同時発生時においても緊急地震速報の精度を維持するための手法を導入するとともに 緊急地震速報の迅速化を進める 特に 日本海溝沿いで発生する地震については 緊急地震速報 ( 予報 ) の第 1 報を発表

資料6 (気象庁提出資料)

再生可能エネルギーとは 国際エネルギー機関 (IEA) 再生可能エネルギーは 絶えず補充される自然のプロセス由来のエネルギーであり 太陽 風力 バイオマス 地熱 水力 海洋資源から生成されるエネルギー 再生可能起源の水素が含まれる と規定されています エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利

未来投資会議構造改革徹底推進会合 地域経済 インフラ 会合 ( 農林水産業 )( 第 6 回 ) 資料 6 気象データ利活用促進の取組の進捗 平成 30 年 2 月 13 日 気象庁 Japan Meteorological Agency

あおぞら彩時記 2017 第 5 号今号の話題 トリオ : 地方勤務の先輩記者からの質問です 気象庁は今年度 (H 29 年度 )7 月 4 日から これまで発表していた土砂災害警戒判定メッシュ情報に加え 浸水害や洪水害の危険度の高まりが一目で分かる 危険度分布 の提供を開始したというのは本当ですか

<4D F736F F D B4C8ED294AD955C8E9197BF E894A8AFA8B7982D191E495978AFA82C982A882AF82E996688DD091D490A882CC8BAD89BB82C982C282A282C4816A48502E646F63>


平成 29 年 7 月 20 日滝川タイムライン検討会気象台資料 気象庁札幌管区気象台 Sapporo Regional Headquarters Japan Meteorological Agency 大雨警報 ( 浸水害 ) 洪水警報の基準改正 表面雨量指数の活用による大雨警報 ( 浸水害 )

SPARQL とは SPARQL(" スパークル " と発音 [1]) は RDF クエリ言語の一種である その名称は再帰的頭字語になっており SPARQL Protocol and RDF Query Language の略 RDF クエリ言語とは Resource Description Fra

目次 1 降雨時に土砂災害の危険性を知りたい 土砂災害危険度メッシュ図を見る 5 スネークライン図を見る 6 土砂災害危険度判定図を見る 7 雨量解析値を見る 8 土砂災害警戒情報の発表状況を見る 9 2 土砂災害のおそれが高い地域 ( 土砂災害危険箇所 ) を調べたい 土砂災害危険箇所情報を見る

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft PowerPoint - 【XML気象データ】VLEDご紹介資料 ppt [互換モード]

アジェンダ 1. レキオスソフトのご紹介 2. 沖縄の産業と気象データの利活用 3. 具体的な気象データの利活用モデル

Microsoft PowerPoint - 参考資料 各種情報掲載HPの情報共有

火山防災対策会議の充実と火山活動が活発化した際の協議会の枠組み等の活用について(報告)【参考資料】

< F2D81798B438FDB817A95BD90AC E93788EC090D1955D89BF>

<4D F736F F D F193B994AD955C8E9197BF816A89C482A982E78F4882C982A982AF82C482CC92AA88CA2E646F63>

宮城県災害時気象資料平成 30 年台風第 24 号による暴風と大雨 ( 平成 30 年 9 月 29 日 ~10 月 1 日 ) 平成 30 年 10 月 3 日仙台管区気象台 < 概況 > 9 月 21 日 21 時にマリアナ諸島で発生した台風第 24 号は 25 日 00 時にはフィリピンの東で

津波警報等の留意事項津波警報等の利用にあたっては 以下の点に留意する必要があります 沿岸に近い海域で大きな地震が発生した場合 津波警報等の発表が津波の襲来に間に合わない場合があります 沿岸部で大きな揺れを感じた場合は 津波警報等の発表を待たず 直ちに避難行動を起こす必要があります 津波警報等は 最新

資料1-4気象庁資料

専門.indd

取組みの背景 これまでの流れ 平成 27 年 6 月 日本再興戦略 改訂 2015 の閣議決定 ( 訪日外国人からの 日本の Wi-Fi サービスは使い難い との声を受け ) 戦略市場創造プラン における新たに講ずべき具体的施策として 事業者の垣根を越えた認証手続きの簡素化 が盛り込まれる 平成 2

資料 5 総務省提出資料 平成 30 年 12 月 21 日 総務省情報流通行政局

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

PowerPoint Presentation

~ 二次的な被害を防止する ~ 第 6 節 1 図 御嶽山における降灰後の土石流に関するシミュレーション計算結果 平成 26 年 9 月の御嶽山噴火後 土砂災害防止法に基づく緊急調査が国土交通省により実施され 降灰後の土石流に関するシミュレーション結果が公表された これにより関係市町村は

土砂災害警戒情報って何? 土砂災害警戒情報とは 大雨警報が発表されている状況でさらに土砂災害の危険性が高まったときに, 市町村長が避難勧告等を発令する際の判断や住民の方々が自主避難をする際の参考となるよう, 宮城県と仙台管区気象台が共同で発表する防災情報です 気象庁 HP より :

火山活動解説資料 ( 令和元年 5 月 ) 栗駒山の火山活動解説資料 ( 令和元年 5 月 ) 仙台管区気象台地域火山監視 警報センター 火山活動に特段の変化はなく 静穏に経過しており 噴火の兆候は認められません 30 日の噴火警戒レベル運用開始に伴い 噴火予報 ( 噴火警戒レベル 1 活火山である

予報時間を39時間に延長したMSMの初期時刻別統計検証

本日のお話 大雨から身を守るために 1. 大雨をもたらす気象現象 2. 気象庁が発表する情報と対応 動 3. 急な大雨から身を守るために 4. 情報の入手方法 地震から身を守るために 1. 地震とは 2. 緊急地震速報とは 3. 緊急地震速報を 聞きしたときは 4. 緊急地震速報の入手方法 2

の科学技術を 据えた気象業務のあり ( 提言概要 ) 災害が激甚化する国 変 する社会において国 とともに前進する気象業務 重点的な取組事項 1 観測 予測精度向上に係る技術開発 技術に真に 脚した情報 データ提供のため 産学官や国際連携のもと 最新の科学技術に対応した技術開発を推進 目指すべき水準

<31352E91808DEC90E096BE8F EA94CA94C5816A2E786477>

02 IT 導入のメリットと手順 第 1 章で見てきたように IT 技術は進展していますが ノウハウのある人材の不足やコスト負担など IT 導入に向けたハードルは依然として高く IT 導入はなかなか進んでいないようです 2016 年版中小企業白書では IT 投資の効果を分析していますので 第 2 章

< F2D81798B438FDB817A95BD90AC E93788EC090D1955D89BF>

東北地方太平洋沖地震への 気象庁の対応について ( 報告 ) 気象業務の評価に関する懇談会 平成 23 年 5 月 31 日 気象庁 1

<4D F736F F F696E74202D2091E63289F18C9F93A289EF90E096BE8E9197BF288AF2958C926E95FB8B438FDB91E4292D312E >

Microsoft PowerPoint _HARU_Keisoku_LETKF.ppt [互換モード]

(Microsoft PowerPoint - \221\3463\211\361GISLandslide\214\244\213\206\211\357_ArcGIS\202\305\202\314\213C\217\333\203f\201[\203^\227\230\227p_\214\366\212J\227p.pptx)

三重県の気象概況 ( 平成 30 年 9 月 ) 表紙 目次気象概況 1P 旬別気象表 2P 気象経過図 5P 気象分布図 8P 資料の説明 9P 情報の閲覧 検索のご案内 10P 津地方気象台 2018 年本資料は津地方気象台ホームページ利用規約 (

報道発表資料(新宿駅屋内地図オープンデータ)

2018 年度事業計画書 Ⅰ 基本方針 1. 健康関連分野を取り巻く環境と直近の動向 健康医療分野が政府の日本再興戦略の重点分野に位置づけられ 健康 医療戦略が策定されるなど 予防や健康管理 生活支援サービスの充実 医療 介護技術の進化などにより 成長分野としてマーケットは大きく拡大することが期待さ

別紙 1600 年分の自然災害を振り返る災害年表マップ ~スマートフォン タブレット対応のお知らせと Web 技術者向け API 配信項目拡大のご案内 ~ 1. 災害年表マップについて災害年表マップは 過去の自然災害事例を発生年ごとに市区町村単位で Web 地図上に表示する Web サービスです 地

id5-通信局.indd

市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

豪雨災害対策のための情報提供の推進について

04_テクレポ22_内田様.indd

目次 1. 日立パワーソリューションズとは 2. DioVISTA の概要 3. DioVISTAの活用事例 [Storm] 4. DioVISTAの活用事例 [Flood] 5. まとめ 2

目次 1. はじめに 1 2. 協議会の構成 2 3. 目的 3 4. 概ね5 年間で実施する取組 4 5. フォローアップ 8

<4D F736F F F696E74202D208E518D6C8E9197BF325F94F093EF8AA98D CC94AD97DF82CC94BB92668AEE8F8082C98AD682B782E992B28DB88C8B89CA2E B8CDD8AB B83685D>

L アラート ( 災害情報共有システム ) の概要 1 情報発信 情報伝達 地域住民 市町村 災害時の避難勧告 指示 お知らせ等 収集 フォーマット変換 配信 テレビ事業者 システム接続 ケーブル地上波 デジタル TV データ放送など ( テキストで表示 ) 情報閲覧 入力 防災情報 お知らせ等 都

2.2. 各種データの取り込み, 編集および出力今回,Excel 形式のほか, ベクトルタイル形式, ラスタタイル形式,GeoJSON 形式データも上載せデータとして取り込み可能とした. 各種上載せデータは, データ一覧バーでオブジェクト単位の表示 編集ができる ( 図 -2). 固定吹き出し機能を

数値予報とは 2

< B8C608EAE B835E947A904D88EA C2E786C7378>

浸水深 自宅の状況による避難基準 河川沿いの家屋平屋建て 2 階建て以上 浸水深 3m 以上 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 浸水深 50 cm ~3m 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難上階に垂直避難 浸水深 50 cm未満 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 自宅に待

知創の杜 2016 vol.10


(c) (d) (e) 図 及び付表地域別の平均気温の変化 ( 将来気候の現在気候との差 ) 棒グラフが現在気候との差 縦棒は年々変動の標準偏差 ( 左 : 現在気候 右 : 将来気候 ) を示す : 年間 : 春 (3~5 月 ) (c): 夏 (6~8 月 ) (d): 秋 (9~1

<4D F736F F D2091E E8FDB C588ECE926E816A2E646F63>

高速かつ高精度な洪水シミュレータ「DioVISTA/Flood Simulator」を発売

Microsoft Word - 03.【参考】新旧対照表(中防災).docx

1-(1) 中部電力 ( 株 ) 大日本印刷 ( 株 ) と共同で 歩道上の路上変圧器を活用した情報発信の実証実験を実施 ~1/24 国交省実証実験の対象地域に選定 ~ 1 国交省実証実験の対象地域に選定 先週木曜日(1/24) 国土交通省から 無電柱化に伴う一般国道の歩道上に設置されている電力設備

<4D F736F F D CF6955C95B68F9182CC E815B836C CF68A4A977095B68FC

PowerPoint プレゼンテーション

2. エルニーニョ / ラニーニャ現象の日本への影響前記 1. で触れたように エルニーニョ / ラニーニャ現象は周辺の海洋 大気場と密接な関わりを持つ大規模な現象です そのため エルニーニョ / ラニーニャ現象は周辺の海流や大気の流れを通じたテレコネクション ( キーワード ) を経て日本へも影響

津地方気象台対象地域 : 三重県 平成 29 年 1 月 14 日から 16 日にかけての大雪に関する三重県気象速報 目次 1 気象の状況 (1) 概況 (2) 地上天気図及び気象衛星赤外画像 (3) レーダーエコー (4) 観測記録 2 特別警報 警報 注意報 府県気象情報の発表状況 3 被害状況

Microsoft PowerPoint - 洪水予報河川等.pptx

火山活動解説資料平成 31 年 4 月 19 日 19 時 40 分発表 阿蘇山の火山活動解説資料 福岡管区気象台地域火山監視 警報センター < 噴火警戒レベル2( 火口周辺規制 ) が継続 > 中岳第一火口では 16 日にごく小規模な噴火が発生しました その後 本日 (19 日 )08 時 24

Microsoft Word - cap5-2013torikumi

(00)顕著速報(表紙).xls

平成10年度 ヒートアイランド現象に関する対策手法検討調査報告書

An ensemble downscaling prediction experiment of summertime cool weather caused by Yamase

第 1 章実施計画の適用について 1. 実施計画の位置づけ (1) この 南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画 に基づく宮崎県実施計画 ( 以下 実施計画 という ) は 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 14 年法律第 92 号 以下 特措法 と

Microsoft Word - 615_07k【07月】01_概況

Microsoft PowerPoint - Ikeda_ ppt [互換モード]

2

天気予報 防災情報への機械学習 の利 ( 概要 ) 2

( 委員 ) 交通政策審議会気象分科会委員名簿 ( 平成 30 年 8 月 ** 日現在 ) いえだ家田 ひとし仁 政策研究大学院大学 教授 にいの 新野 ひろし宏 東京大学大気海洋研究所客員教授 やい 屋井 てつお鉄雄 東京工業大学副学長環境 社会理工学院 教授 やがさき矢ケ崎 のりこ紀子 東洋大

PP提案書テンプレート

<4D F736F F F696E74202D F B8817A93648AC E096BE8E9197BF E >

火山活動解説資料平成 31 年 4 月 14 日 17 時 50 分発表 阿蘇山の火山活動解説資料 福岡管区気象台地域火山監視 警報センター < 噴火警戒レベルを1( 活火山であることに留意 ) から2( 火口周辺規制 ) に引上げ> 阿蘇山では 火山性微動の振幅が 3 月 15 日以降 小さい状態

台風経路図 9 月 5 日 09 時温帯低気圧に変わる 9 月 4 日 14 時頃兵庫県神戸市付近に上陸 9 月 4 日 12 時頃徳島県南部に上陸 8 月 28 日 09 時南鳥島近海で台風第 21 号発生 -2-

Microsoft Word _あり方資料3.docx

untitled

Microsoft Word 最終【資料-4】.docx

<4D F736F F D FBC8D5D8DEC90AC88C4816A8B438FDB91AC95F CC91E5894A2E646F6378>

確認テスト本冊_地理34-55.indd

風力発電インデックスの算出方法について 1. 風力発電インデックスについて風力発電インデックスは 気象庁 GPV(RSM) 1 局地気象モデル 2 (ANEMOS:LAWEPS-1 次領域モデル ) マスコンモデル 3 により 1km メッシュの地上高 70m における 24 時間の毎時風速を予測し

( 委員 ) 交通政策審議会気象分科会委員名簿 ( 平成 30 年 8 月 20 日現在 ) いえだ家田 ひとし仁 政策研究大学院大学 教授 にいの 新野 ひろし宏 東京大学大気海洋研究所客員教授 やい 屋井 てつお鉄雄 東京工業大学副学長環境 社会理工学院 教授 やがさき矢ケ崎 のりこ紀子 東洋大

構成 1 第 1 章 IoT 時代の新たな地域資源 1. IoT 時代の新たな地域資源とその可能性 2. 新たな地域資源の活用に向けた基本的視点 第 2 章地域におけるオープンデータ ビッグデータ利活用の推進 1. 地域におけるオープンデータ利活用の現状と課題 2. 地域におけるビッグデータ利活用の

(案)

H28秋_24地方税財源

第8章 災害復旧計画

平成 29 年 4 月 14 日 第 7 回参考資料 : 官民戦略プロジェクト 10 取組状況 首相官邸 平成 29 年 5 月 12 日 第 8 回資料 1:Society5.0で実現する新たな経済 社会システム~ 第 4 次産業革命推進に際しての戦略分野第 8 回資料 2: 日本の 人材力 の抜

<4D F736F F F696E74202D E9197BF32817A96688DD08FEE95F C982C282A282C42E707074>

別添 中防災第 1 1 号 平成 29 年 5 月 31 日 各指定行政機関の長各指定公共機関の代表殿 中央防災会議会長 ( 内閣総理大臣 ) 安倍晋三 梅雨期及び台風期における防災態勢の強化について 貴殿におかれては 日頃から各般の施策を通じて災害対策の推進に御尽力をいただいているところであるが

< F2D B8C91CE8FC68FF095B CA08F4390B33139>

ISO9001:2015内部監査チェックリスト

結果を用いて首都圏での雪雲の動態を解析することができました ( 詳しい解説 は別添 ) こうした観測事例を蓄積し 首都圏降雪現象の理解を進め 将来的に は予測の改善に繋げていきたいと考えています 今回の研究成果は 科学的に興味深く 新しい観測研究のあり方を提案するものとして 日本雪氷学会の科学誌 雪

Transcription:

第 8 回地理院地図パートナーネットワーク会議平成 29 年 11 月 13 日 気象庁内における地理院地図の利用状況 気象庁総務部情報利用推進課 佐藤豊 Japan Meteorological Agency

気象庁の任務 ( 役割 ) 気象業務の健全な発達を図ることにより 災害の予防 交通の安全の確保 産業の興隆等公共の福祉の増進に寄与するとともに 気象業務に関する国際的協力を行う 気象業務の健全な発達とは 時々刻々と変化する自然現象 ( 気象 地震 火山等 ) に関する観測網の確立 維持 気象 地震動 火山現象 津波 高潮などの予報及び警報を行う態勢の確立 維持 観測 予報 警報に関する情報の迅速な交換 伝達の確保 観測の成果 予報 警報 調査 研究の成果の産業 交通等の社会活動における利用の促進 等 災害の予防交通安全の確保産業の興隆等 予報 警報をはじめ防災気象情報の的確な提供都道府県 市町村等への確実な情報の伝達 解説 気象庁 HPや報道機関を通じた国民への周知等 船舶の安全航行 沿岸施設の安全管理等を支援する情報の提供航空機の安全で効率的な運航を支援する情報の提供等 産業等の社会経済活動における気象情報の活用環境の整備 気象庁の観測 予測資料の公開 活用事例や利用技術の幅広い普及 民間による予報の精度の確保等 国際的協力 世界気象機関 (WMO) など国際的枠組を通じた 観測の統一的実施 観測データ 情報の交換の促進 二国間協力を通じた 途上国の気象機関の能力向上に資する技術協力の推進 先進的な気象技術の発展 高度化の推進 等 2

気象データとは ( 観測 解析 予測 予報 警報や情報 ) 観測 ( 国内外 ) 気象衛星観測網 高層気象観測網ラジオゾンデウィント フ ロファイラ航空機 レーダー気象観測網 地上気象観測網各気象官署アメダス観測 海洋気象観測網海洋気象観測船一般船舶 観測データ収集 解析 予測 情報作成 数値予報 スーパーコンピュータによる数値シミュレーション 予報官 ( 例 ) 雨量の予測図 データ提供 情報発表 数値予報データ GSM ガイダンス ( 気温 風 最高気温等 ) 週間アンサンブル ( 海面更正気圧 地上気圧等 ) 1 か月予報アンサンブル ( 気温 降水量 日照時間等 ) 他 天気予報防災気象情報 天気予報 ( 天気 気温等 ) 週間天気予報 ( 天気 気温等 ) 特別警報 警報 注意報台風情報 ( 位置 大きさ等 ) 1 か月予報 ( 気温 降水量等 ) 他 外国気象機関 24 時間体制で 担当区域の気象を監視 解析 予測し 天気予報や気象警報等の防災気象情報を発表 3

気象データの種類ー公的かつ巨大なビッグデーター 電文データ 文章化された情報を含むデータ ( 気象警報 注意報等 ) を 機械判読に適した形式 (XML 形式 ) で提供 気象警報 注意報 気象特別警報 / 警報 / 注意報 土砂災害警戒情報 記録的短時間大雨情報 台風に関する情報 高温注意情報等 気象予報 今日明日の天気予報 週間天気予報 異常天候早期警戒情報 季節予報 (1 か月予報 3 か月予報 暖 寒候期予報 ) 等 気象庁が 1 日に扱う気象データ量 1,600GB 地震 津波 火山 地震情報 ( 震源 震度等 ) 津波警報 / 注意報 / 予報 噴火警報 / 注意報 噴火速報 降灰予報等 数値データ 気象衛星 ひまわり標準データ NetCDF データ 衛星画像 (JPEG 形式 ) カラー画像 (PNG 形式 ) 高分解能雲情報等 スーパーコンピュータで予測 解析された 3 次元 / メッシュデータ等を 国際的ルール (GRIB 形式等 ) に基づいて提供 観測 アメダス ( 気温 降水量等 ) レーダー( エコー強度等 ) 雷観測データ 紫外線 潮位実況報等 ナウキャスト 高解像度降水ナウキャスト 竜巻発生確度ナウキャスト 雷ナウキャスト等 予測 ( 気象 ) 全球モデル GPV メソモデル GPV 局地モデル GPV アンサンブル GPV ( 週間 /1 か月 /3 か月予報等 ) 土砂災害警戒判定メッシュ情報等 予測 ( 海洋 ) 海水温 海流予報 GPV 波浪数値予報モデル GPV 地方海上分布予報等 海流分布予測 GRIB: 世界気象機関 (WMO) が規定する国際的な気象通報式 GPV: 格子点値 (Grid Point Value) 4

気象データ利用の流れ 民間事業者等は 顧客ニーズに合わせ きめ細かい情報やオーダーメイドの予報などを提供しています これを支援するため 気象庁が有する様々な気象データや情報は 気象業務支援センターなどを通じて 広く提供されています * 気象庁が保有する情報提供コンテンツ :947 種類 ホームページによる情報提供 5

気象情報の地図表示 観測や予報などを地図で表示して 防災気象情報をわかりやすく伝えます いつ どこで どれくらい を表現 面の情報 降水等の分布 危険度の分布など エリアの情報 気象警報 注意報 台風情報など 解析雨量 気象警報 注意報 洪水警報の危険度分布 台風進路予報 点 線の情報 アメダス ( 気温 ) 各地の震度 津波警報 注意報 気象の観測値 地震等の観測値 津波警報 注意報 など 図はすべて気象庁 HP 6

用途に応じ各種描画ツールの利用 庁内の様々な業務におけるデータの可視化には 汎用的な描画ツールを利用しています GMT(Generic Mapping Tool) GrADS(Grid Analysis and Display System) 自主開発 格子点データを地図上に作図 等値線や塗りつぶし機能 グラフ作成機能 公開資料にも用いています 近年 ウェブ地図技術の普及を背景として 地理院地図 の公開 オープンソース化により 庁内での利用例が広がってきています 実況監視や予報検証 情報作成のツールとして 平成 29 年九州北部豪雨の期間降水量分布図気象庁 HP より 観測点等の情報管理のツールとして ( 一覧表による管理から地図の併用へ ) 引き続いて 庁内における地理院地図の利用例を紹介します 7

気象庁内における地理院地図の利用例 (1) 世界の天候把握のための利用 地点観測の分布の下絵として地理院地図を利用 世界中の観測地における顕著な高温や低温を監視しています もちろん拡大することで詳細を確認 気象庁 HP で発表している異常気象のレポートを作成するためのツールのひとつ 8

気象庁内における地理院地図の利用例 (2) 観測点等の管理のための利用 観測点の配置 周辺状況を容易に把握するために利用 大阪管区気象台に設置している震度計 半径 200m の円を描画 ( 少し見にくいですが ) 地理院地図だと詳細な場所の把握が可能 地震が発生し 震度観測点周辺 ( 半径 200m 内 ) の被害状況調査を実施する際に利用 津波観測点 ( 左図 ) 震度観測点 ( 右図 ) の集約した管理に利用 9

気象庁内における地理院地図の利用例 (3) 地図上の操作を伴う利用 災害調査ツールとして地理院地図を利用 竜巻による被害 ( 平成 24 年 5 月 6 日 : つくば市 ) 気象庁 HP より 突風による災害が起こった場合 直ちに地元の気象台から現地調査に向かいます その際に携行する調査用端末におけるベース地図として地理院地図を利用しています 現地調査の中で地図上に被害状況等を記録します調査結果を精査 整理のうえ 報告書を発行します 10

気象庁内における地理院地図の利用例 (4) 地図上の操作を伴う利用 現業補助ツールとして地理院地図を利用 作成された情報は気象庁 HP を通じて発表地元自治体や海上保安庁 自衛隊等へも提供 観測に基づいた流氷の分布を参照して 流氷までの距離をツールを用いて測定します情報発表に用いる周辺地名の確認にも利用します 11

今後に向けて 地理院地図 を背景地図に利用すれば 大雨が降った地域 危険度の高い地域における 河川や道路の位置 地形の状況などを詳細に把握できます 気象庁 HP での発表においても機会を捉えて 地理院地図 を利用して 利便性の向上を目指していきたいと考えています 利用者が気象状況を把握しやすくなる タイル形式での気象情報の提供 解析雨量 : レーダーと雨量計の観測値を利用して解析した 1 時間降水量 (mm) の分布を示す 大雨警報 ( 浸水害 ) の危険度分布 : 短時間強雨による浸水害発生の危険度の高まりの予測を示す 12

国土交通省生産性革命プロジェクト 気象ビジネス市場の創出 と気象ビジネス推進コンソーシアム (WXBC) 13

生産性向上に向けた政府の施策いま なぜ 生産性革命 なのか 国土交通省生産性革命本部 ( 平成 28 年 3 月 7 日設置 ) 日本再興戦略 2016( 平成 28 年 6 月 2 日閣議決定 )< 抜粋 > 社会全体の生産性向上につながる 社会資本の整備 活用 関連産業の生産性向上 新市場の開拓を支える取組 生産性革命プロジェクト 20 のひとつに気象ビジネス市場の創出を選定 ( 平成 28 年 11 月選定 ) 本格的な人口減少社会に突入し 需給両面で大きな課題に直面 GDP600 兆円を実現するためには 企業が設備 イノベーション 人材といった未来への投資が不可欠 このため 1 新たな 有望成長市場 の戦略的創出 2 人口減少に伴う供給制約や人手不足を克服する 生産性革命 3 新たな産業構造を支える 人材強化 の三つの課題に向けて 更なる改革に取り組むことが求められる 未来投資戦略 2017( 平成 29 年 6 月 9 日閣議決定 )< 抜粋 > 小さなインプットでできるだけ大きなアウトプットを生み出す という 生産性革命 の考え方を施策全般へ組み込む Ⅱ Society5.0 に向けた横割課題 - 公共データのオープン化の促進 産官学による 気象ビジネス推進コンソーシアム 等を通じ 電力 観光 流通 保険 農業をはじめとする多くの産業分野での気象情報の利活用を促進し 新たな気象ビジネスを強力に創出するため 基盤的な気象観測 予測データの公開を進めるとともに 本年度中に省令等の必要な制度の見直しを行う 14

生産性革命プロジェクト 気象ビジネス市場の創出 データ分析している企業等の割合 現状 [%] IoTやAI等の技術の進展により 幅広い産業において気象 データを利用した生産性の飛躍的向上が見込まれるが 気 象データを高度に利用する取組は未だ低調 50 40 30 生産性を高めるこ とができる伸び代 31.2 自律化 M2M が 得意なデータ 20 10 気象データは 先端技術や他データと組合わせた活用による 生産性向上の潜在力はあるが 使われてない ダークデータ 46.7 5.7 2.0 1.3 1.3 0 図 平成27年版情報通信白書 総務省 より作成 課題 気象ビジネスの具体例 米国 米国海洋大気局 NOAA のリアルタ イム気象情報等を活用 土壌モニタリングや農業機器の稼動情 報等を組合わせ 生産管理等の高度な 農業クラウドソリューションを提供 課題1 産業界が求める気象サービスの提供 気象データを活用したビジネス支援サービスの実現 課題2 新たな気象ビジネスを実現する対話 連携 IoT AI技術を駆使し 気象データを高度利用した産業活動の促進 図 The Climate Corporation社ホームページより 具体的施策 気象サービス強化 ①基盤的気象データの オープン化 高度化 ②技術革新に応じた 制度の見直し 気象ビジネス連携強化 ③気象サービスと産業界のマッチング 気象ビジネス推進コンソーシアムを設立 15

気象ビジネス推進コンソーシアム WXBC について 産学官が連携して気象ビジネスを推進するため 気象事業者に加えて 産業界や先端技術に知見のある 学識経験者等を構成員としたコンソーシアムを構築 IoT AI等を活用した先進的なビジネスモデルの創出や新しい気象情報の利活用を進めるととともに 気 象ビジネスを推進するために継続的な情報改善や人材育成などの環境整備を実施 気象ビジネス推進コンソーシアム WXBC 先進的気象ビジネスモデルの創出 気象ビジネス推進の環境整備 関連技術の進歩に応じた気象 情報の利活用の促進 世界最高水準の技術の気象ビ ジネスへの展開 ユーザーとの対話を通じた 継続的な情報改善 気象情報高度利用ビジネス に係る人材育成 気象ビジネスフォーラム 産学官関係者が一堂に会する 対話の場 気象事業者と産業界のマッチ ング 産学官連携による気象ビジネスの共創 幅広い参画 気象庁 気象事業者 関係省庁 学界 気象 学界 関連団体 IoT AI オープンデータ 情報 通信業 農業 水産業 小売業 卸売業 製造業 金融業 保険業 電力 エネルギー 商業 サービス 業 運輸業 建設業 観光業 16

気象ビジネス推進コンソーシアム WXBC の発足と体制 気象ビジネス推進コンソーシアム は 3月7日の設立総会により正式に発足 同日 気象ビジネス フォーラム において 気象ビジネス創出に向けた議論やビジネスマッチングが活発に行われた 具体的な活動に向けて 2つのワーキンググループ 新規気象ビジネス創出 人材育成 を設置 周知 広報活動のため略称 WXBC やロゴも選定 1 設立総会 気象ビジネスフォーラム 2 コンソーシアムの体制 会長に越塚登教授 東京大学情報学環 を選 3月7日の設立総会により開き コンソーシアムが正式に発足 気象ビジネスフォーラム 末松副大臣ご出席 では シンポジウムの開 出 セミナーの実施や具体的なプロジェクトを 実施するためWGを整備 催 民間事業者のブース展示 ビジネスマッチング を実施 開催概要 日時 平成29年3月7日 火 場所 星陵会館 千代田区永田町 来場者数 総会 約200名 フォーラム 約400名 展示ブース 28ブース 総会 来場者アンケート結果 Q:今後もフォーラムに参加したいと思い ますか 5% 2% 1 是非参加したい 2 参加したい 3 どちらとも言えない 46% 47% プロジェクトの推進 運営委員会 事務局 気象庁 新規気象ビジネス創出WG セミナー等の企画立案 人材育成WG 3 コンソーシアム略称 ロゴ 略称を WXBC に決定し 以下のロゴを 選定して 今後更なる周知 広報を実施 無線等で気象を表す WX で気象を表すとともに WとBの間のXにより気象 Weather とビジネス Business が組み合わさることも表現 パネルディスカッション 民間事業者間のビジネスマッチング ロゴのモチーフ 水色は 気象 オレン ジは ビジネス を意味 し それらが交わり 右 上の赤い丸で表現される 新たな成果 を生み出 していくことを表現 17