平成 22 年度すけとうだら音響調査実施要領 平成 22 年 5 月独立行政法人水産総合研究センター北海道区水産研究所
1. 調査目的我が国周辺水域における水産資源の適切な管理による持続的利用のための科学的データを収集する 資源評価調査 の一環として 北海道西部日本海の沿岸域において 計量魚群探知機とトロールなどの漁具を用いてスケトウダラ稚魚 幼魚の現存量を迅速に把握するための情報を収集することを目的とする 2. 調査海域および調査定線 定点表 1 および図 1 に示す 3. 調査期間平成 22 年 5 月 7 日 ~5 月 28 日 (22 日間 ) 調査日程を表 2 に示す 4. 調査船 ( 独 ) 水産総合研究センター北海道区水産研究所調査船北光丸総トン数 :902 トン 全長 : 約 65 m 全幅 : 約 12 m 漁船登録番号 :HK1-1360 連絡先 船舶電話 :090-3023-0829 船舶 FAX:090-3024-0832 ( 停泊時は電話 FAX ともに 0154-42-0873) 5. 調査担当研究室北海道区水産研究所亜寒帯漁業資源部資源評価研究室 TEL: 0154-92-1714 FAX: 0154-91-9355 6. 乗船調査員 調査員 補助調査員 千村昌之山下夕帆小岡孝治磯野岳臣鳥越悦子小出利明前川智大 北海道区水産研究所 長崎在住 釧路在住 1
7. 主な調査項目 1) 魚探航走による音響データの収集 2) トロール曳網による標本採集 3) 釣りによる標本採集 4)XBT による海洋観測 8. 調査項目の詳細 1) 魚探航走による音響データの収集計量魚群探知機を作動させながら 表 1 および図 1に示した調査定線を昼夜 1 回ずつ航走して音響データの収録を行う 魚群探知機の周波数は 38, 70, 120 および 200 khz の 4 周波を使用する 魚探航走する時間帯は 原則として昼間 5:00-18:00 夜間 20:00-3:00 とする 魚探航走中は 11 12 ノットの船速を維持する ただし 海況によっては船速を適宜変更することがある 音響ノイズ低減のため 両舷機 コンビでの運用を基本とする 定線航走中は 計量魚探以外の音響測器類は全て停止する ( 音響測深機も停止する ) 音響データの収録作業および XBT の投下準備のため 定線への入出や定点通過の 3 分前と 1 分前を調査員に連絡する 調査員は魚探にアノテーションを入れるとともにその時刻 位置などを魚探野帳に記録する 定線航走中 特徴のある魚探反応が認められた際も調査員は魚探にアノテーションを入れるとともに魚探反応の性状 観測位置 時刻などを魚探野帳に記録する 2) トロール曳網による標本採集魚探反応の魚種とサイズの確認のため 昼間の航走時 目立った魚探反応について中層トロール網 ( 図 2) もしくは離着底トロール網 ( 図 3) による漁獲試験を行う 曳網地点 曳網水深 曳網時間などについては 漁具の設置状況や海底の状態などを考慮し 船長と協議の上決定する 曳網地点が XBT 観測定点から離れている場合は 揚網終了後に XBT あるいは CTD による海洋観測を実施することがある 操業時は 投網開始時 ワープセット時 中間地点 (5 分ごと ) 揚網開始時 揚網終了時にそれぞれ操業野帳に時刻 位置 網深度などの情報を野帳に記入する 採集された魚類標本については 魚種ごとに漁獲量を計量する そのうえでスケトウダラについては 船上で体長穿孔 魚体精密測定 耳石の摘出と保管を行う マダラについては魚体精密測定 耳石の摘出と保管 胃袋の摘出と冷凍保存を行う ハツメについては体長穿孔を行い ホッケについては冷凍パンに入れて冷凍保存する また スケトウダラとホッケの 0 歳魚は全数を小分けして冷凍保存する 2
3) 釣りによる標本採集海底地形が複雑でトロール曳網が困難な魚探反応について 釣りによる標本採集を行う 利尻根や武蔵碓上の水深 100 m 以浅の地点を予定している 採集された魚類標本については 魚種ごとに漁獲量を計量したのち 体長穿孔などを行う 4)XBT による海洋観測夜間の航走中 調査定線上に設けた定点において XBT による水温観測を行う 調査深度は海表面から海底直上までとする XBT の投下準備のため 測点通過の 3 分前と 1 分前を調査員に連絡する 9. その他調査海域内の各漁協の管轄水域に含まれる定線を航走する数日前に各定線の航走予定日などを該当する漁協に宛て FAX にて通知する 安全対策 海上衝突予防法等 関係法令を遵守する 作業中は見張り要員を増員して見張りを厳重にし 他船には十分注意し 事故防止に万全を期す 調査中止基準 風速 20m/s を超える場合又は波高 4m を超える場合は調査を中止し 避泊又は臨時寄港の措置を取ることとする 3
表 1 調査定点 定点 緯度 ( 北緯 ) 経度 ( 東経 ) 定点 緯度 ( 北緯 ) 経度 ( 東経 ) γ1 45 40.0 141 40.0 キ1 44 25.0 140 27.0 γ2 45 40.0 141 20.0 キ2 44 25.0 140 17.0 γ3 45 40.0 141 0.0 キ3 44 25.0 140 7.0 γ4 45 40.0 140 40.0 F1 44 20.0 141 30.0 γ5 45 40.0 140 20.0 F2 44 20.0 141 20.0 γ6 45 40.0 140 0.0 F3 44 20.0 140 0.0 β1 45 30.0 141 40.0 F4 44 20.0 140 40.0 β2 45 30.0 141 20.0 F4 44 20.0 140 30.0 β3 45 32.7 141 0.0 F5 44 20.0 140 20.0 β4 45 30.0 140 40.0 F6 44 20.0 140 8.0 β5 45 30.0 140 20.0 G1 44 10.0 141 30.0 β6 45 30.0 140 0.0 G2 44 10.0 141 20.0 α1 45 20.0 141 32.0 G3 44 10.0 141 0.0 α2 45 20.0 141 20.0 G4 44 10.0 140 40.0 α3 45 20.0 141 5.0 G4 44 10.0 140 30.0 α4 45 20.0 140 59.0 G5 44 10.0 140 20.0 α5 45 20.0 140 40.0 G6 44 10.0 140 9.0 α6 45 20.0 140 20.0 オ1 44 5.0 141 4.0 α7 45 20.0 140 0.0 オ2 44 5.0 140 55.0 A1 45 10.0 141 31.0 オ3 44 5.0 140 45.0 A2 45 10.0 141 21.0 H1 44 0.0 141 32.5 A3 45 10.0 141 6.7 H2 44 0.0 141 20.0 A4 45 10.0 141 0.0 H3 44 0.0 141 0.0 A5 45 10.0 140 40.0 H4 44 0.0 140 40.0 A6 45 10.0 140 20.0 H5 44 0.0 140 20.0 A7 45 10.0 140 0.0 H6 44 0.0 140 0.0 B1 45 0.0 141 32.0 H7 44 0.0 139 57.5 B2 45 0.0 141 20.0 I1 43 50.0 141 20.0 B3 45 0.0 141 0.0 I1 43 50.0 141 5.0 B4 45 0.0 140 40.0 I2 43 50.0 141 0.0 B5 45 0.0 140 20.0 I3 43 50.0 140 40.0 B6 45 0.0 140 0.0 I4 43 50.0 140 20.0 B6 45 0.0 139 57.0 I5' 43 50.0 140 14.0 B7 45 0.0 139 53.0 J1 43 40.0 141 18.0 C1 44 50.0 141 38.0 J2 43 40.0 141 0.0 C2 44 50.0 141 20.0 J3 43 40.0 140 40.0 C3 44 50.0 141 0.0 J4 43 30.0 140 20.0 C4 44 50.0 140 40.0 J5 43 30.0 140 15.0 C5 44 50.0 140 20.0 K1 43 30.0 141 13.0 C6 44 50.0 140 0.0 K2 43 30.0 141 0.0 C6 44 50.0 139 53.0 K2 43 30.0 140 51.5 C7 44 50.0 139 40.0 K3 43 30.0 140 40.0 D1 44 40.0 141 40.0 K4 43 30.0 140 20.0 D2 44 40.0 141 20.0 K5 43 30.0 140 8.0 D3 44 40.0 141 0.0 L1' 43 20.0 141 10.0 D4 44 40.0 140 40.0 L2 43 20.0 141 0.0 D5 44 40.0 140 20.0 L3 43 20.0 141 40.0 D6 44 40.0 140 0.0 L4' 43 20.0 140 35.0 D6 44 40.0 139 55.0 L5' 43 20.0 140 18.0 D7 44 40.0 139 40.0 L6' 43 20.0 140 10.0 E1 44 30.0 141 36.5 L7 43 20.0 139 0.0 E2 44 30.0 141 20.0 E3 44 30.0 141 0.0 E4 44 30.0 140 40.0 E5 44 30.0 140 20.0 E5 44 30.0 140 15.0 E6 44 30.0 140 0.0 E7 44 30.0 139 50.0 4
表 2 調査日程 月日 曜日 昼 夜 5 月 7 日金 釧路出港 航走 5 月 8 日土 航走 航走 5 月 9 日日 魚探較正 ( 鴛泊沖 ) γライン 5 月 10 日月 γライン βライン 5 月 11 日火 βライン αライン 5 月 12 日水 αライン Aライン 5 月 13 日木 Aライン Bライン 5 月 14 日金 Bライン Cライン 5 月 15 日土 Cライン Dライン 5 月 16 日日 Dライン なし 5 月 17 日月 C Dライン Eライン 5 月 18 日火 Eライン F キライン 5 月 19 日水 F キライン G オライン 5 月 20 日木 G オライン なし 5 月 21 日金 G オライン Hライン 5 月 22 日土 Hライン Iライン 5 月 23 日日 Iライン Jライン 5 月 24 日月 Jライン Kライン 5 月 25 日火 Kライン Lライン 5 月 26 日水 Lライン なし 5 月 27 日木 小樽入港 小樽港 5 月 28 日金 小樽港 小樽港 5
図 1 調査定線 調査定点 6
図 2 調査で使用する中層トロール網 (NET SPIDER TRAWL 340-MR 型 ) 7
図 3 調査で使用する離着底トロール網 (NOB-61-K1) 8