豊中市千里ニュータウン地区住環境保全に関する基本方針 1. 経過と方針千里ニュータウンは 昭和 36 年 (1961 年 ) から昭和 44 年 (1969 年 ) にかけて開発された わが国で初めての大規模なニュータウンです このニュータウンは 単なる大量の住宅建設にとどまらず

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千里ニュータウン地区の今後の土地利用の考え方 豊中市 はじめに市は 平成 4 年 (1992 年 )7 月に 千里ニュータウン地区住環境保全に関する基本方針 ( 以下 基本方針 という ) を策定し 同地区内で計画される建築物などに対して その用途をはじめ 建築物の建て方 ( 容積率 建ぺい率 高さ

大谷周辺地区 及び 役場周辺地区 地区計画について 木原市街地 国道 125 号バイパス 役場周辺地区 (43.7ha) 美駒市街地 大谷周辺地区 (11.8ha) 地区計画の概要 地区計画とは住民の身近な生活空間である地区や街区を対象とする都市計画で, 道路や公園などの公共施設の配置や, 建築物の

立川市絶対高さを定める高度地区指定に関する検討方針 平成 26 年 5 月 立川市 0

PowerPoint プレゼンテーション

指定標準 適用区域 建ぺい率 容積率 建築物の高さの最高限度 m 用途地域の変更に あたり導入を検討 すべき事項 ( 注 2) 1. 環境良好な一般的な低層住宅地として将来ともその環境を保護すべき区域 2. 農地等が多く 道路等の都市基盤が未整備な区域及び良好な樹林地等の保全を図る区域 3. 地区計

スライド 1

第 Ⅱ ゾーンの地区計画にはこんな特徴があります 建築基準法のみによる一般的な建替えの場合 斜線制限により または 1.5 容積率の制限により 利用できない容積率 道路広い道路狭い道路 街並み誘導型地区計画による建替えのルール 容積率の最高限度が緩和されます 定住性の高い住宅等を設ける


筑豊広域都市計画用途地域の変更 ( 鞍手町決定 ) 都市計画用途地域を次のように変更する 種類 第一種低層住居専用地域 第二種低層住居専用地域 第一種中高層住居専用地域第二種中高層住居専用地域 面積 約 45ha 約 29ha 建築物の容積率 8/10 以下 8/10 以下 建築物の建蔽率 5/10

Microsoft Word - (新)滝川都市計画用途地域指定基準121019

金沢都市計画地区計画の変更

Microsoft Word - 岡崎駅南リーフレット案【最終】

調布都市計画深大寺通り沿道観光関連産業保護育成地区の概要

名前 第 1 日目 建築基準法 2 用途規制 1. 建築物の敷地が工業地域と工業専用地域にわたる場合において 当該敷地の過半が工業地域内であると きは 共同住宅を建築することができる 2. 第一種低層住居専用地域内においては 高等学校を建築することができるが 高等専門学校を建築する ことはできない

山手地区の概要 面積 約50ha 用途地域 工業地域 建ぺい率 60 容積率 200 高さの限度 第一種高度地区 最高限20m 2

Microsoft Word - ●決定⑤地区計画-2.docx

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都市計画法に基づく手続きの予定スケジュール 岩手県事前協議 平成 8 年 5 月 ~7 月 住民説明会 平成 8 年 8 月 9 日 都市計画案の縦覧 ( 意見書の提出期間 ) 平成 8 年 9 月 5 日 ~9 月 0 日 釜石市都市計画審議会 平成 8 年 0 月中旬 岩手県本協議 平成 8 年

スライド 1

□高度地区見直し案

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市街化調整区域内における地区計画について

地区計画とは 地区計画とは 土地や建築物の所有者など地区の皆さんが合意を図りながら道路や公園などの配置 建築物の用途 容積率 高さ 色やデザイン等のルールをきめ細かく定め そのルールに基づいて建築行為等を行うことにより より良いまちづくりをすすめる手法のひとつです 地区の特性に応じて必要な項目を選択

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目次 Ⅰ 運用基準の策定にあたって P1 1 策定の目的 P1 2 運用基準の位置づけ P1 Ⅱ Ⅲ 土地利用のあり方 P1 地区計画の活用 P2 1 地区計画とは P2 2 地区計画の活用類型 P2 (a) 地域資源型 P3 (b) マスタープラン適合型 P3 (c) 街区環境整序型 P3 (d)

旧(現行)

地区計画パンフレットP.1

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スライド 1

( 対象区域 ) 第 5 地区計画の対象区域は 工業団地 ( 国母工業団地 南部工業団地 機械金属工業団地 ファッション工業団地 ( アリア ディ フィレンツェ ) をいう 以下同じ ) の区域内及び隣接地又は近接地 ( おおむね工業団地から500メートル以内 ) とする ( 区域の設定 ) 第 6

本日の説明内容 1 板橋駅西口周辺地区のまちづくり 2 板橋駅西口地区都市計画素案について 1 市街地再開発事業 2 地区計画 3 高度利用地区 4 高度地区 3 今後のスケジュール 1

目次 方針策定の背景 1-1. 用途地域指定の基本的な考え方 1-2. 住居系 [ 第一種低層住居専用地域 ] [ 第二種低層住居専用地域 ] [ 第一種中高層住居専用地域 ] [ 第二種中高層住居専用地域 ] [ 第一種住居地域 ] [ 第二種住居地域 ] [ 準住居地域 ] [ 田園住居地域 ]

Ⅰ 用途地域指定の基本方針 1 用途地域別 市街地像 と指定の基本方針 1 2 境界の設定 4 3 用途地域見直しの時期 5 4 その他の地域地区や地区計画の活用 6 Ⅱ 用途地域の指定基準 第一種低層住居専用地域 7 第二種低層住居専用地域 9 第一種中高層住居専用地域 11 第二種中高層住居専用

区域の整備 開発及び保全に関する方針地区施設の整備の方針建築物等の整備の方針 (2) 公園 緑地の整備方針地域に親しまれる やすらぎと憩いの空間を形成するとともに 西武立川駅から玉川上水に向けて形成される緑のネットワークの拠点となるよう公園や緑地を配置する (3) その他の公共空地の整備方針各敷地の


区域の整備 開発及び保全に関する方針 地区施設の整備の方針 建築物等の整備の方針 (1) 道路の整備方針区域内外との円滑な交通ネットワークの形成と歩行者等の安全で快適な歩行環境の向上を図るため 街区幹線道路及び区画道路を整備する 生活利便施設や良質な街並みを形成する住宅等の立地を誘導し 地域拠点にふ

日本橋・東京駅前地区

案の理由書 1 南大浜地区本地区は石垣島の南部に位置し 字大浜 字真栄里 字平得の3 字を含み 用途地域が指定されている市街地の東側に隣接する地区です 本地区は 農振農用地区域が除外されたことにより 農業的土地利用と都市的土地利用が混在し 道路 公園 下水道等の都市基盤整備が不十分なまま無秩序な開発

新千里西町B団地地区地区計画


用途地域変更の考え方 ( 素案 ) 1 駅 駅前広場 アクセス道路沿道の土地利用の促進 駅 北側沿道 25m 以内及び沿道南側街区を近隣商業地域へ変更 18

地区整備計画書地区整備計画建築物等に関する事項地区の区分 地区の名称地区の面積 建築物等の用途の制限 建築物の敷地面積の最低限度 建築物の延べ床面積の敷地面積に対する割合の最高限度建築物の建築面積の敷地面積に対する割合の最高限度 壁面の位置の制限 独立住宅地区 A 約 21.9 ha (1) 長屋

東京都市計画用途地域の変更 ( 東京都決定 ) 都市計画用途地域を次のように変更する ( 中野区分 ) 種類面積容積率建ぺい率 第一種低層住居専用地域 第 二 種 低層住居 専用地域 /10 15/10 4/10 5/10 外壁の後退距離の限度 建築物の敷

区域の整備 開発及び保全の方針地区整備計画 久世荒内 寺田塚本地区地区計画 名称久世荒内 寺田塚本地区地区計画 位置城陽市久世荒内 寺田塚本及び平川広田 面積約 22.1ha 建 築 物 等 に 関 す る 事 項 地区計画の目標 土地利用の方針 地区施設の整備方針 建築物等の整備方針 地区の区分

北部大阪都市計画彩都地区計画 ( 案 ) 北部大阪都市計画彩都地区計画を 次のとおり変更する 1. 地区計画の方針 名称彩都地区計画 位 置 茨木市大字粟生岩阪 大字宿久庄 大字清水 大字佐保 大字泉原 大字千提寺 大字大岩 大字福井 大字大門寺 大字生保 大字安威 山手台一丁目 山手台三丁目 山手

公津西地区地区計画運用基準

再販入札⇒先着順物件調書

用途地域の指定のない地域の建築形態規制\(素案\)

計画書

1801長岡の都市計画.indd

1. 目的 本町の第 3 次総合計画において 本町の将来像である ( みんなが主役 やすらぎと健康福祉のまち ) の実現に寄与すべく 本町の市街化調整区域における地区計画の運用にかかる基本的な方針を示すため 市街化調整区域における地区計画運用指針 ( 以下 運用指針 という ) を策定しました この

Microsoft Word - 物件一覧(A4判)

住宅地区 A 約 41.1 ha (1) 長屋 ( 住戸の数が 2 戸のものを除く ) (2) 建築基準法 ( 昭和 25 年法律第 201 号 以下 建基法 という ) 別表第 2( い ) 項第 3 号に掲げる共同住宅 ( 住戸の数が 2 戸のものを除く ) 寄宿舎又は下宿 (3) 建基法別表第

第2章

エ建替え後の建築物の絶対高さ制限を超える建築物の部分の水平投影面積の合計は 現に存する建築物又は現に建築の工事中の建築物の絶対高さ制限を超える建築物の部分の水平投影面積の合計を超えないこと オ建替え後の建築物の絶対高さ制限を超える建築物の部分の水平投影部分の形状は 現に存する建築物又は現に建築の工事

第 5 地区拠点地区計画の区域には 次に掲げる区域及び地域は含まないものとする (1) 農業振興地域の整備に関する法律 ( 昭和 44 年法律第 58 号 以下 農振法 という ) 第 8 条第 2 項第 1 号に規定する農用地区域 (2) 農地法 ( 昭和 27 年法律第 229 号 ) による農

都市計画変更素案に関する説明会 建築規制の変更に関する説明会 特定整備路線補助 29 号線 井 東 込区間 (JR 横須賀線 区界 ) 沿道 日時 : 平成 29 年 8 3 ( ) 場所 : 品川区 伊藤 学校 前方右側に手話通訳者を配置しております 必要な方はお近くの席にお移り願います 1 本日

3. 市街化調整区域における地区計画の基本的な考え方 3. 市街化調整区域における地区計画の基本的な考え方 4. 地区計画の策定に当たっての留意点 4. 地区計画の策定に当たっての留意点 このガイドラインに示す事項以外に 開発許可の要件を満たすことが 2. このガイドラインに示す事

大阪市再開発地区計画にかかる

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平方・中野久木物流施設地区

周南4市市街化調整区域における地区計画運用指針

都市計画の概要

大阪狭山市市街化調整区域における地区計画のガイドライン(案)

(案)

5h-3h H=4m (7) 最低限 5h-3h H=4m (8) 容積率 (%) 300% 準 5h-3h H=4m (9) 5h-3h H=4m (10) 最低限 5h-3h H=4m (11) 最低限 (12) 最低限 4h-2.5h H=4m (7) 第一種中高層住居専用地域 建ぺい率 (%

藤沢市地区計画運用基準 施行平成 30 年 4 月 1 日 る 本運用基準は, 地区計画の届出に際しての審査の画一化及び円滑化を図るため, 必要な事項を定め 項目第 1 建築物等の用途の制限に関する事項第 2 建築物の容積率の最高限度に関する事項第 3 建築物の建蔽率の最高限度に関する事項第 4 建


その他当該区域の整備 開発及び保全に関する方針 近隣商業地区では 周辺地域との調和のとれた緑のネットワークの形成を図るため 敷地内の緑化や屋上緑化 壁面緑化を推進し その他の地区においても 緑豊かで潤いのある環境を創出するため 敷地内の緑化を推進する 位置東久留米市南沢五丁目地内 面積約 6.3ha

都市計画図 外神田二・三丁目地区(PDF)

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(案)

2

(2) 路地街区 ア路地街区の内部で 防火性の向上と居住環境の改善を図るため 地区施設等に沿った建築物の高さの最高限度及び壁面の位置の制限を定めることにより 道路斜線制限を緩和し 3 階建て耐火建築物の連続した街並みを形成する イ行き止まりの路地空間では 安全性の確保のため 2 方向の避難を目的とし

東京都市計画高度地区変更(練馬区決定) 【原案(案)】

1. 市街化調整区域における地区計画ガイドライン策定の目的市街化調整区域は 市街化を抑制すべき区域であるとともに 豊かな自然環境を育成 保全すべき区域である そのため 都市計画法において開発行為や建築行為が厳しく制限されている 本市都市計画マスタープランにおいても 将来都市構造の基本的な考え方の一つ

(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

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平井二丁目付近地区地区計画の概要 平井二丁目付近地区地区計画の概要をお示しします 詳しくは 同封の 平井二丁目付近 地区計画書 計画図 をご確認ください 地区計画の区域地区計画の対象区域は 下図のとおりです 平井二丁目付近地区 ( 約 28.6ha) 江戸川区平井一丁目 平井二丁目及び 小松川三丁目

渋谷区用途地域等一覧表

1 目的 建築基準法第 68 条の 5 の 5 第 1 項及び第 2 項に基づく認定に関する基準 ( 月島地区 ) 平成 26 年 6 月 9 日 26 中都建第 115 号 建築基準法 ( 昭和 25 年法律第 201 号 以下 法 という ) 第 68 条の 5 の 5 第 1 項 及び第 2

能勢町市街化調整区域における地区計画のガイドライン

鹿嶋市都市計画法の規定による市街化調整区域における

福知山都市計画地区計画の変更(福知山市決定)

別紙 40 東京都市計画高度地区の変更 都市計画高度地区を次のように変更する 面積欄の ( ) 内は変更前を示す 種類面積建築物の高さの最高限度又は最低限度備考 第 1 種 約 ha 建築物の各部分の高さ ( 地盤面からの高さによる 以下同じ ) は 当該部分から前面道路の反対側の境界線 高度地区

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印西都市計画地区計画の変更 ( 印西市決定 ) 都市計画滝野地区地区計画を次のように変更する 名称滝野地区地区計画 位 置 印西市滝字新野及び字大割 滝野一丁目 滝野二丁目 滝野四丁目 滝野五丁目 滝野六丁目及び滝野七丁目の全部の区域並びに滝字大門及び滝野三丁目の各一部の区域 面積約 56.3 ha

計画的な再開発が必要な市街地 特に一体的かつ総合的に再開発を促進すべき地区 市町名 名称 再開発の目標 土地の合理的かつ健全な高度利用及び都市機能の更新に関する方針 特に整備課題の集中がみられる地域 ( 課題地域 ) 地区名 西宮市 C-4 浜脇 ( 約 175ha) 居住環境の向上 良好な都市景観

上野原市規則第××号

建物の建築の基準についての 都市計画変更 案に関する説明会 大田区東馬込二丁目 ( 補助 29 号線沿道地区 ) 高度地区の変更 防火地域の変更 用途地域の変更 日時 : 平成 30 年 11 月 19 日 ( 月 ) 場所 : 大田区立馬込小学校 大田区 1 本日の説明項目 1 本説明会の主旨 2

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目 次 平方北部物流施設地区地区計画計画書 1P 平方北部物流施設地区地区計画計画図 3P 平方北部物流施設地区地区計画 地区整備計画 の内容の解説 4P (1) 建築物等の用途の制限 5P (2) 建築物の敷地面積の最低限度 6P (3) 建築物等の高さの最高限度 6P (4) 壁面の位置の制限

絶対高さ制限を定める高度地区についてのQ&A

区域の整備 開発及び保全に関する方針地建築区物等整に関備する計事項画地区計画ガイド八日市出町地区 八日市出町地区 地区計画の内容 名称八日市出町地区地区計画 位 置 金沢市八日市出町の一部 面積地区計画の目標土地利用の方針建築物等の整備方針 約 10.7 ha 本地区は 市中心部の南西約 4kmに位

地区計画の届出とは

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Transcription:

2018.8.8 豊中市千里ニュータウン地区住環境保全に関する基本方針 1. 経過と方針千里ニュータウンは 昭和 36 年 (1961 年 ) から昭和 44 年 (1969 年 ) にかけて開発された わが国で初めての大規模なニュータウンです このニュータウンは 単なる大量の住宅建設にとどまらず 大阪都市圏における良好な住宅地の供給を図るため 計画的な土地利用 施設配置計画に基づき 旧市街地の持つ諸々の問題点を排除した理想的な生活環境の創出を目的として整備され 良好な住環境を形成しています このため 昭和 61 年 (1986 年 ) に豊中市が策定した 豊中市新総合計画 において 無秩序な開発が進行しないよう 千里ニュータウン地区とその周辺を 住環境保全ゾーン として位置付け 将来に亘って適切な規制 誘導を図りながら 良好な住環境の形成に努めることとしました しかし 千里ニュータウン地区においては 建設完了後約 20 年が経過した頃から 低層住宅地区では 世代交替などを契機に 宅地の細分化問題が また 中高層住宅地区では 生活水準の向上に伴い住居規模の問題や設備の老朽化等に起因する建替え問題が発生してきました そのため 平成元年 (1989 年 )2 月に 千里ニュータウン地区における住環境保全に対する基本的な考え方 案を 千里ニュータウン地区の住民の皆様方に対し提案したところ 種々のご意見をいただきました 市として この問題は行政と住民が一体となって より良いまちづくりを進めるため 地元住民の皆さんの意見の反映を図るべく 学識経験者の客観的な意見もとり入れることとし 平成元年 (1 989 年 )6 月 7 名の学識経験者で構成された 豊中市千里ニュータウン地区住環境懇談会 を設置し 千里ニュータウンの将来の土地利用のあり方について 様々な角度から検討がなされ 平成 2 年 (1990 年 ) 末同懇談会より意見の提起を受けました その内容は 公的機関の計画的な開発による現状のゆとりある緑豊かな住環境が形成された経過を配慮し 第 1 種低層住居専用地域では すでに地元で行われている建築制限の申し合わせ事項など 住民の皆さんの主体的な努力の尊重 第 1 種中高層住居専用地域での建替え等に関しては 一律に制限を加えるのみでなく 当該敷地の持つ条件 周辺状況 建物の形態等 総合的な観点から 当初案に対しある程度の緩和を認めても良いとし 緩和を行う場合は 第三者機関においても客観的 専門的な評価を加え 住環境の維持 保全を図ることが望ましい というものです 豊中市は この意見提起を参考とし 千里ニュータウン地区の住環境保全のための基本的な事項を 豊中市千里ニュータウン地区住環境保全に関する基本方針 ( 以下 基本方針 という ) としてまとめ 平成 4 年 (1992 年 )7 月 1 日から運用を開始しました

2. 適用地域と内容 (1) 適用地域この 基本方針 の適用地域は千里ニュータウン ( 千里丘陵住宅新住宅市街地開発事業の区域 ) の豊中市域とします 当該地域の建築物の用途形状等を踏まえ 低層住宅地区 中高層住宅地区 ( 一般地区 医療センター地区 除外地区に細分 ) 近隣センター地区 及び 中央センター地区 ( 東町地区と西町地区に細分 ) に区分して適用します 各地区の区分は別表 1 のとおりです ( 別紙地区別図参照 ) なお 現状の建築物の用途等を変更しようとする場合は 別途協議してください (2) 内容各地区における基本方針の内容は別表 2 のとおりです なお 別表 2 記載事項のうち 主な補足説明事項は次のとおりです 1 低層住宅地区 の 壁面位置の制限 における 北側 及び 道路 の定義について 壁面位置の制限 における 北側 とは 真北に直交する線と敷地の境界線のなす角が 45 以内の面とします 壁面位置の制限 における 道路 とは 市道として認定されている幅員 1.5m 以上のもの ( 自転車 歩行者専用道路を含む ) とします 2 中高層住宅地区 の 容積率の最高限度 及び 建築物の高さの最高限度 における 周辺状況及び計画内容により緩和 について 別紙 容積率の割増し基準 に適合していると判断した場合は その算定式で算出された床面積を用いた容積率を限度とし 高さの制限は適用しないものとします ( ただし現行法規制の範囲内 ) 3 地区計画 地区整備計画が策定された地区の取扱い 低層住宅地区において地区計画 地区整備計画が策定された地区については 地区計画 地区整備計画で策定された項目以外の 基本方針 の項目を適用するものとします 中高層住宅地区において地区計画 地区整備計画が策定された地区については 基本方針 の項目のうち 駐車場の設置台数 駐輪場の設置台数 プレイロット等の設置面積 についてのみ適用するものとします 4 新千里東町医療センター地区の取扱い 新千里東町医療センター地区については 建築協定が締結されており 基本方針 の項目のうち 駐車場の設置台数 駐輪場の設置台数 についてのみ適用するものとします 5 容積率の最高限度 建ぺい率の最高限度 建築物の高さの最高限度 壁面位置の制限 及び 容積率の割増し基準 について 用語の定義及び算定方法については 建築基準法に準ずるものとします 3. その他 (1) 自治会申し合わせ 低層住宅地区 については 各自治会で建築に関する申し合わせを取り決めていますので 建築にあたっては事前に各自治会に問い合わせてください (2) 千里ニュータウン地区の今後の土地利用の考え方千里ニュータウンをとりまく社会経済環境は変化しており 千里ニュータウンにおいても 団地の建て替えや千里中央地区の再整備の動きが本格化しています また 基本方針 の内容は 土地 建物所有者の権利の制限や義務付けにつながるものであり こうしたことは 地区計画や建築協定など 法令に基づくルールに従って行なうことが適切であると考えられます

そこで 平成 15 年 (2003 年 )6 月に 4 名の学識経験者と 3 名の市職員で構成する 千里ニュータウン地区における土地利用のあり方及び地区計画等の活用に関する調査委員会 を設置し 千里ニュータウンの良好な住環境を維持しながら 再生 を推進するための考え方について検討を行い 千里ニュータウン地区の今後の土地利用の考え方 ( 案 ) を策定しました そして この案について同年 10 月に地元説明会を開催すると共に 本市のホームページへの掲載や印刷物の配布などによって市民の皆さんにお知らせしてご意見をお聴きし 千里ニュータウン地区の今後の土地利用の考え方 ( 以下 土地利用の考え方 という ) として取りまとめました 本市は 基本方針 に対する協力をお願いしつつ 土地利用の考え方 の内容の実現に向けた取り組みを支援していきます (3) 別表 2 の修正経過について 1 地区計画の都市計画決定により 次のとおり該当する地区を 地区計画が策定された地区 に移行しました 低層住宅地区平成 23 年 11 月 14 日新千里南町 1 丁目地区平成 25 年 11 月 12 日新千里南町 2 丁目地区平成 29 年 8 月 18 日新千里西町 2 丁目地区新千里北町 1 丁目地区平成 30 年 8 月 8 日新千里西町 3 丁目地区 中高層住宅地区 [ 一般地区 ] 平成 19 年 2 月 23 日新千里西町 B 団地地区平成 21 年 2 月 20 日新千里東住宅地区新千里南町団地地区平成 22 年 2 月 19 日新千里西町団地地区平成 28 年 8 月 19 日新千里北住宅地区新千里南住宅地区 近隣センター地区平成 29 年 3 月 25 日新千里東町近隣センター地区 中央センター地区 ( 千里中央地区 ) 平成 18 年 2 月 21 日千里中央地区 2 建築協定の認可により 次のとおり該当する地区を移行しました 中高層住宅地区 [ 医療センター地区 ] 平成 20 年 9 月 12 日新千里東町医療センター地区 別表 2 では 新千里東町地区 と表記 3 建築基準法の改正に伴い 次のとおり変更しました 平成 21 年 4 月 13 日地階部分の容積率の緩和規定が設けられたため 中高層住宅地区の内容のうち 緩和規定を削除 4 制限項目の内 駐車場 駐輪場の設置台数を次のとおり見直しました 平成 27 年 4 月 1 日設置台数について緩和規定を追加 (4) 問い合わせ先 基本方針 に関する問合せ先は下記のとおりです 問い合わせ先 豊中市都市計画推進部千里ニュータウン再生推進課 ( 第 2 庁舎 4 階 ) TEL:0668582674 FAX:0668549534 E メール senrint@city.toyonaka.osaka.jp

別表 1 中高層住宅地区 地区名町名住居表示番号等 平成 27 年 (2015 年 )4 月現在 低層住宅地区 一般地区 新千里北町 1 丁目 2 番 ~17 番 19 番 ~21 番 2 丁目 1 番 ~18 番 22 番 ~39 番 3 丁目 5 番 ~18 番 新千里西町 2 丁目 4 番 ~ 6 番 8 番 ~20 番 3 丁目 4 番 ~24 番 新千里南町 1 丁目 6 番 ~11 番 2 丁目 14 番 ~28 番 3 丁目 10 番 ~37 番 新千里北町 1 丁目 1 番 18 番 22 番 2 丁目 19 番 40 番 ~41 番 住居表示のない区域のうち地番が461 463 465 の敷地 3 丁目 1 番 ~ 4 番 新千里東町 2 丁目 2 番 ~ 7 番 3 丁目 1 番 ~ 4 番 5 番 1 号 7 番 新千里西町 2 丁目 1 番 ~ 3 番 7 番 21 番 ~24 番 3 丁目 1 番 新千里南町 1 丁目 1 番 ~ 5 番 2 丁目 1 番 9 番のうち地番が 2 丁目 92 の敷地 12 番 23 号と地番が 2 丁目 12 2 の敷地 3 丁目 2 番 ~ 9 番 (2118を除く) 上新田 1 丁目 19 番 1 号 2 丁目 24 番 3 号 医療センター地区 除外地区 新千里北町 2 丁目 21 番 新千里東町 3 丁目 5 番 2 号 ~ 5 号 新千里西町 3 丁目 3 番 新千里南町 2 丁目 11 番 新千里南町 2 丁目 2 番 ~ 8 番 9 番 5 号 ~18 号 10 番 3 丁目 1 番 中央センター地区 近隣センター地区 東町地区 東泉丘 2 丁目 20201 20211 20214 20221 20222 2 番 27 号 新千里北町 2 丁目 20 番 新千里東町 3 丁目 6 番 新千里西町 3 丁目 2 番 新千里南町 2 丁目 12 番 1 号 ~11 号と地番が2 丁目 1215の敷地 新千里東町 1 丁目 全て 2 丁目 1 番 西町地区新千里西町 1 丁目全て

別表 2 制限項目 地区計画が策定された地区 ( 1) 低層住宅地区 その他の地区 地区計画が策定された地区 ( 2) 一般地区 中高層住宅地区 医療センター地区 その他の地区新千里東町地区その他の地区 除外地区 新千里東町近隣センター地区 近隣センター地区 その他の地区 東町地区 ( 千里中央東地区 ) 中央センター地区 ( 千里中央地区 ) 西町地区 ( 千里中央西地区 ) 現行法規制の概要 第 1 種低層住居専用地域建ぺい率 =40% 容積率 =80% 外壁後退 =1.5m 第 1 種高度地区 第 1 種中高層住居専用地域 ( 一部第 2 種中高層住居専用地域 ) 建ぺい率 =60% 容積率 =200% 第 2 種高度地区 近隣商業地域建ぺい率 =80% 容積率 =200% 準防火地域第 2 種高度地区 商業地域建ぺい率 =80% 容積率 =600% 防火地域 建築物の用途 一戸建て専用住宅を基本とする ( 計画内容により緩和 ) 住宅 公益的施設 ( 計画内容により緩和 ) 建築協定の内容による 医療施設と住宅 当該用途地域内に建築できる建築物の用途 近隣サービス施設と住宅 容積率の最高限度 80%( 現行法規制のとおり ) 原則として 150% を基本とする ( 周辺の状況及び計画内容により緩和 ) 200% ( 現行法規制のとおり ) 原則として 150% を基本とする ( 周辺の状況及び計画内容により緩和 ) 200% ( 現行法規制のとおり ) 200% ( 現行法規制のとおり ) 建ぺい率の最高限度 40%( 現行法規制のとおり ) 50% 60%( 現行法規制のとおり ) 50% 60%( 現行法規制のとおり ) 80%( 現行法規制のとおり ) 建築物の敷地面積の最低限度 230 m2 建築協定の内容による 建築物の高さの最高限度 10m 軒高 =7m 原則として 40m を基本とする ( 周辺の状況及び計画内容により緩和 ) 原則として 40m を基本とする ( 周辺の状況及び計画内容により緩和 ) 原則として 40m を基本とする ( 周辺の状況及び計画内容により緩和 ) 0 壁面位置の制限 敷地境界線より 1.5m 2 階北側部分は 3.0m( 北側が道路の場合 2 階北側部分の 3.0m は緩和 ) 敷地境界線より 3.0m 以上容積率又は高さを緩和した場合は道路側は 5.0m 以上 ( 敷地の形状及び規模等により緩和 ) 建築協定の内容による 建築物の形態又は意匠の制限 建築物等の形態 意匠については周辺の環境と調和のとれたものとする 建築物等の形態 意匠については周辺の環境と調和のとれたものとする 建築物の形態 意匠については周辺の環境と調和のとれたものとする 建築物の形態 意匠については周辺の環境と調和のとれたものとする 建築物の形態 意匠については周辺の環境と調和のとれたものとする 垣又はさくの構造の制限 道路に面する部分は生垣等良好な景観形成が図られる形態とする 自動車駐車場 ( 以下 駐車場 ) の設置台数 1 戸当たり 1 台以上 原則として戸数の 100% 以上 ( 但し 将来必要となった場合に戸数の 100% 以上の駐車場を確保できる計画とした場合には 戸数の 80% 以上とする ) 住宅以外については業務用 従業員及び施設利用者用として延面積 150 m2に 1 台以上 原則として戸数の 100% 以上 ( 但し 将来必要となった場合に戸数の 100% 以上の駐車場を確保できる計画とした場合には 戸数の 80% 以上とする ) 原則として戸数の 100% 以上 ( 但し 将来必要となった場合に戸数の 10 0% 以上の駐車場を確保できる計画とした場合には 戸数の 80% 以上とする 医療施設部分は別途協議 ) 原則として戸数の 100% 以上 ( 但し 将来必要となった場合に戸数の 100% 以上の駐車場を確保できる計画とした場合には 戸数の 80% 以上とする ) 原則として戸数の 100% 以上 ( 但し 将来必要となった場合に戸数の 10 0% 以上の駐車場を確保できる計画とした場合には 戸数の 80% 以上とする ) 及び業務用 施設利用者用として近隣サービス施設延面積 300 m2に 1 台以上 ( ただし 立地 地形の状況からやむをえないと判断したときは別途協議するものとする ) 住宅以外については業務用 従業員用及び施設利用者用として延面積 150 m2に 1 台以上住宅については中高層住宅地区に準じた運用を行う 自転車駐車場 ( 以下 駐輪場 ) の設置台数 原則として住宅戸数の 200% 以上 ( 但し 将来必要となった場合に戸数の 200% 以上の駐輪場を確保できる計画とした場合には 戸数の 150% 以上とする ) 原則として住宅戸数の 200% 以上 ( 但し 将来必要となった場合に戸数の 200% 以上の駐輪場を確保できる計画とした場合には 戸数の 150% 以上とする ) 住宅については中高層住宅地区に準じた運用を行う プレイロット等の設備面積 住宅建設戸数が 50 戸以上の場合 敷地面積の 3% 以上 住宅建設戸数が 50 戸以上の場合 敷地面積の 3% 以上 住宅建設戸数が 50 戸以上の場合 敷地面積の 3% 以上 1 地区計画が策定された地区 1 新千里南町 1 丁目地区 2 新千里南町 2 丁目地区 3 新千里西町 2 丁目地区 4 新千里北町 1 丁目地区 5 新千里西町 3 丁目地区 2 地区計画が策定された地区 1 新千里西町 B 団地地区 2 新千里東住宅地区 3 新千里南町団地地区 4 新千里西町団地地区 5 新千里北住宅地区 6 新千里南住宅地区 3 公的賃貸住宅における駐車場設置台数については 別紙 公的賃貸住宅における駐車場設置基準 による 4 既存物件についても 当該基本方針の基準を適用する ( 平成 4 年 7 月 1 日以降建築された物件に限る )