Web キャンパス資料 超音波シミュレーションの基礎 ~ 第 4 回 ComWAVEによる超高速超音波解析 ~ 科学システム開発部 Copyright (c)2006 ITOCHU Techno-Solutions Corporation
本日の説明内容 ComWAVEの概要および特徴 GPGPUとは GPGPUによる解析事例 CAE POWER 超音波研究会開催 (10 月 3 日 ) のご紹介
超音波シミュレーションソフト ComWAVE TM ComWAVEは 超音波の見える化により 製品 設備 各種構造物の超音波検査 計測の最適化 各種超音波装置の設計 超音波計測ノイズの評価など 様々な超音波現象を評価できます
ComWAVE の特徴 1. 有限要素法を採用し 超音波伝搬現象を忠実に再現 2. 異方性 不均質性材料を忠実にモデル化 3. 数十億要素の大規模問題への対応によりフル3D 超音波解析を実現 4.AスコープおよびBスコープ表示機能により 実験結果と容易に比較可能 5. 拡張リスタート機能 6. プローブ遅延時間自動計算機能 7. レイリー減衰機能 8. プローブテンプレート機能により 複雑なフェーズドアレイプローブ等を容易に作成 9. モデル作成 表示機能 10.GPGPU による超高速計算に対応
ComWAVE の並列化効果 (CPU コアを使用した場合 ) 何れも 5,000 ステップ ( メッシュサイズ 0.065mm の時 鋼中伝播で約 45μs) の計算に必要な時間 (h) の概算値 (CPU: Pentium Xeon 3.0GHz (64bit) を使用 ) 処理要素数と並列化数の計算時間 (h) との関係 ( 注 1) 処理要素数 ( 必要メモリ ) ( 解析対象空間 : 波長 λを基準 ( 注 2)) 500 万 (350MB) (8.5λx8.5λx8.5λ) 2000 万 (1.4GB) (13.6λx13.6λx13.6λ) 5000 万 (3.5GB) (18.4λx 18.4λx 18.4λ) 1 億 (7.0GB) (23.2λx 23.2λx 23.2λ) 5 億 (35GB) (39.7λx 39.7λx 39.7λ) 10 億 (70GB) (50λx 50λx 50λ) 20 億 (140GB) (63λx 63λx 63λ) 1CPU コア 処理 CPU 数と計算時間 (h) 4CPU コア 8CPU コア 16CPU コア 32CPU コア 1CPU 4CPU 8CPU 16CPU 32CPU 1.065 0.3 0.2 0.135 0.1 4.26 1.2 0.8 0.54 0.4 10.65 3 2 1.35 1 21.3 6 4 2.7 2-30 20 13.5 10-60 40 27 20 - - 80 54 40 注 1) 一般的に計算時間は計算機環境に大きく依存するため 計算時間は目安として参照ください 注 2)1 波長あたり 20 要素で分割した際の解析対象空間を概算しています 並列化高速計算技術 汎用 FEM ComWAVE 必要メモリ 120GB/1 億要素 6GB/1 億要素 相対 CPU 時間 約 10 倍 1
ComWAVE GPGPU 版について マルチ GPU 対応 GPGPU(General Purpose GPU) とは? GPU(Graphics Processing Unit) を画像処理以外の汎用的な用途で利用 数百規模の演算コアを持つ CAE の分野に浸透しつつある NVIDIA Tesla c2050( メモリ 3GB): 約 5 千万要素の計算が可能 NVIDIA Tesla c2075( メモリ 6GB): CPU (Xeon W5590) GPGPU (Tesla C2075) 約 1 億要素の計算が可能 CPU vs GPU 性能比較 Floating Point Performance Memory Bandwidth 53.3 GFLOPS 32 GB/s 1030 GFLOPS 144 GB/s GPGPU の特長 CPUと比較して 演算性能が高い (10 倍 ) CPU と比較して メモリ プロセッサ間のデータ転送効率 ( メモリバンド幅 ) が高い (5 倍 ) GPGPU の利用により 計算時間の大幅な短縮が可能 またマルチ GPU により大規模計算も可能 これまで計算不可能であった問題も計算できる可能性が出てきた
GPGPU 版 (2 次元溶接部モデルの計算例 ) - 全要素数 : 493,868 要素 - 時間ステップ数 : 4,808 (20us) - 使用メモリ : 30 MB Displacement 3 2 1 0-1 -2 driving wave 5MHz -3 0 1 2 Time (μsec) 10 mm 36 mm
GPGPU 版 (2 次元溶接部モデルの計算例 ) - 全要素数 : 493,868 要素 - 時間ステップ数 : 4,808 (20us) - 使用メモリ : 30 MB 計算時間 [sec] 相対速度比 [1/core] CPU single 1,411 1 Tesla c2050 single 212 6.7
GPGPU 版 (2 次元溶接部と不均質材混合モデルの計算例 ) - 全要素数 : 493,868 要素 - 時間ステップ数 : 4,808 (20us) - 使用メモリ : 30 MB Displacement 3 2 1 0-1 -2 driving wave 5MHz -3 0 1 2 Time (μsec) 10 mm 36 mm
GPGPU 版 (2 次元溶接部と不均質材混合モデルの計算例 ) - 全要素数 : 493,868 要素 - 時間ステップ数 : 4,808 (20us) - 使用メモリ : 30 MB 計算時間 [sec] 相対速度比 [1/core] CPU single 4,557 1 Tesla c2050 single 225 20
GPGPU 版 (3 次元ステンレス鋼溶接部モデルの計算例 ) φ3.0 Displacement 3 2 1 0-1 -2 driving wave 5MHz -3 0 1 2 Time (μsec) 20mm - 全要素数 : 4,700 万要素 - 時間ステップ数 : 1,800 (10us) 10mm - 使用メモリ : 2.8GB
GPGPU 版 (3 次元ステンレス鋼溶接部モデルの計算例 ) 計算時間 [sec] 相対速度比 [1/core] CPU single 141,765 1 Tesla c2050 single 3,130 45 Tesla c2050 x 2 1,628 87
GPGPU による十億要素規模の計算例 GPGPUによるマトリクスアレイを用いたステンレス鋼溶接部横波探傷解析例 940,710,330 要素 (55μmメッシュ) 6,477 steps(50μs) 3x8の送受信分離型マトリクスアレイ探傷周波数 :2MHz( 横波入射角度 60 度 ) 計算時間 [hours] 相対速度比 [1/10cores] 10 CPU コア 103.5 1 Tesla c2075 10 枚 受信側断面 9.8 10.6 25mm 楕円き裂 : 長さ 20mm, 深さ 3mm 42mm 送信側断面
GPGPU による十億要素規模の B スコープ計算例 セクタスキャン +10-10 2 度毎に解析を 10 ケース実施 ( 展開角 20 度 ) 10 CPUコア 10ケース Tesla c2075 10 枚 10ケース 計算時間 [hours] 相対速度比 [1/10cores] 1,035 1 98 10.6
GPGPU 版 ( 超音波ワイヤーボンディングの計算例 ) 11.2mm 全要素数 :208,435,744 ステップ数 :18,473 (25μs) 要素大きさ :10μs 入力周波数 :100kHz, 振幅 10μm 金線 φ30μm 3mm 15.5mm 金線先端とチップとの接触を考慮 先端部半透明表示
GPGPU 版 ( 超音波ワイヤーボンディングの計算例 )
GPGPU 版 ( 超音波ワイヤーボンディングの計算例 ) 下図は 14μs での変形図 ( 変位 :30 倍に拡大 青 ~ 赤は 0~30μm) 計算時間 [hours] 相対速度比 [1/4cores] 4 CPU コア 73.5 1 Tesla c2075 4 枚 10.5 7 ボンディングシミュレーションのメリット 有限要素法の大規模解析により ホーン全体と 数 μmの金線とチップの接触による相互作用を同時に計算可能 ボンディング装置形状の違いばかりでなくチップ形状や接合部位 チップ固定場所の違いによる接触状況を詳細に解析することが可能 これにより最適な接合条件等の評価をシミュレーションにより確認することが可能
まとめ GPGPU を利用することで, 超音波シミュレーションを 10 倍から 80 倍もの速度で実施できることを示しました この 数十倍におよぶ高速化は 単に計算できるということにとどまらず 今まで時間的に不可能であった多数のパラメーターサーベイ計算による最適設計や3 次元モデルによる画像化 (B Cスコープ ) 解析を可能にするなど シミュレーシションの可能性を大きく広げるものです
超音波研究会 開催のお知らせ CAE POWER 2012 内で同時開催 超音波研究会 ( プロダクトセッション内で開催 ) 開催日 :10 月 3 日 ( 水 ) 場所 : 目黒雅叙園予定講演 : 富山大学様 IHI 様 川崎重工業様 首都大学東京様 東京大学様 WAI 社他 テーマセッション内では 元日本航空専門学校谷村様のご講演もございます 特設サイト :http://www.e-uketsuke.jp/caepower2012/ アンケート内に申込み URL を掲載