木工 ( 家具 装備品製造業 ) 平成 30 年度 担当者 : 主任研究員木野村知弘
報告内容 1. 木工産業の構造 2. 木工産業の位置 3. 木工業界の推移 4. 岐阜県の木工産業 5. 岐阜県の家具産業 6. 業界の動向と課題 2
1. 木工産業の構造 * 木工産業は 木材 木製品製造業 と 家具 装備品製造業 により構成されている 製材業 木製品製造業 一般製材業ベニヤ 床板 木材チップ製造業その他特殊製材業 木材 木製品製造業 造作材 合板 建築用組立材料製造業 木製容器製造業 造作材 ( 建具を除く ) 製造業 合板 集成材 建築用木製組立材料製造業 銘木製造業等 竹 籐 きりゅう等容器製造業木箱製造業たる おけ製造業 その他の木製品製造業 木材薬品処理業コルク加工機素材 コルク製品製造業他に分類されない木製品製造業 家具製造業 木製家具 ( 漆塗りを除く ) 製造業金属製家具製造業マットレス 組スプリング製造業 家具 装備品製造業 宗教用具製造業 建具製造業 宗教用具製造業 建具製造業 その他の家具 装備品製造業 事務所用 店舗用装備品製造業窓用 扉用日よけ 日本屏風等製造業鏡縁 額縁製造業 3
2-1 国内における木工産業の位置 全国計 製造品出荷額等構成比 ( 百万円 ) 製造業計 317,247,286 1 輸送用機械器具製造業 67,871,680 21.4% 2 食料品製造業 28,823,914 9.1% 3 化学工業 28,643,581 9.0% 4 生産用機械器具製造業 20,368,694 6.4% 5 鉄鋼業 17,520,835 5.5% 6 電気機械器具製造業 17,215,564 5.4% 7 電子部品 デバイス 電子回路製造業 15,876,986 5.0% 8 金属製品製造業 14,968,438 4.7% 9 石油製品 石炭製品製造業 13,282,950 4.2% 10 プラスチック製品製造業 ( 別掲を除く ) 12,320,415 3.9% 11 はん用機械器具製造業 11,738,660 3.7% 12 非鉄金属製造業 9,749,207 3.1% 13 飲料 たばこ 飼料製造業 9,541,160 3.0% 14 窯業 土石製品製造業 7,517,917 2.4% 15 パルプ 紙 紙加工品製造業 7,295,636 2.3% 16 業務用機械器具製造業 6,895,425 2.2% 17 情報通信機械器具製造業 6,570,731 2.1% 18 印刷 同関連業 5,020,214 1.6% 木工産業合計 4,632,599 1.5% 19 その他の製造業 4,130,683 1.3% 20 繊維工業 3,750,002 1.2% 21 ゴム製品製造業 3,157,960 1.0% 22 木材 木製品製造業 ( 家具を除く ) 2,684,649 0.8% 23 家具 装備品製造業 1,947,950 0.6% 24 なめし革 同製品 毛皮製造業 354,036 0.1% * 木材 木製品製造業 の出荷額 2 兆 6,846 億円シェア 0.8% * 家具 装飾品製造業 の出荷額 1 兆 9,479 億円シェア 0.6% * 木工産業全体で 4 兆 6,325 億円の出荷 * 製造業全体の出荷額に占める割合は 1.5% 4
2-2 県内製造業における木工産業の位置 岐阜県 製造品出荷額等構成比 ( 百万円 ) 製造業計 5,594,376 1 輸送用機械器具製造業 1,016,717 18.2% 2 生産用機械器具製造業 508,736 9.1% 3 プラスチック製品製造業 ( 別掲を除く ) 482,113 8.6% 4 金属製品製造業 458,199 8.2% 5 窯業 土石製品製造業 370,521 6.6% 6 食料品製造業 363,980 6.5% 7 電気機械器具製造業 319,392 5.7% 8 化学工業 307,571 5.5% 9 はん用機械器具製造業 292,191 5.2% 10 鉄鋼業 251,748 4.5% 11 パルプ 紙 紙加工品製造業 210,247 3.8% 木工産業合計 188,240 3.4% 12 電子部品 デバイス 電子回路製造業 161,544 2.9% 13 繊維工業 139,941 2.5% 14 家具 装備品製造業 112,687 2.0% 15 非鉄金属製造業 105,572 1.9% 16 印刷 同関連業 90,771 1.6% 17 情報通信機械器具製造業 82,504 1.5% 18 飲料 たばこ 飼料製造業 75,553 1.4% 19 木材 木製品製造業 ( 家具を除く ) 70,833 1.3% 20 ゴム製品製造業 64,401 1.2% 21 その他の製造業 52,182 0.9% 22 業務用機械器具製造業 45,364 0.8% 23 石油製品 石炭製品製造業 10,384 0.2% 24 なめし革 同製品 毛皮製造業 1,225 0.0% 製造品出荷額 岐阜県の製造品出荷額に占める割合は 家具 装備品製造業が 2.0% 繊維工業に次ぐ第 14 位 木材 木製品製造業が 1.3% 飲料 たばこ 飼料製造業に次ぐ第 19 位 木工産業全体で見ると 岐阜県の製造品出荷の 3.4% を占める 5
3 木工産業出荷額 従業員 事業所の推移 ピーク時よりは半減しているものの 近年は回復傾向がある 家具 装備品製造業 全国 ( 平成 3 年と平成 29 年の比較 ) 岐阜県 ( 平成 5 年と平成 29 年の比較 ) 製造品出荷額 46.0% 製造品出荷額 57.4% 事業所数 28.8% 事業所数 39.5% 従業者数 41.5% 従業員数 55.0% 出所 : 経済産業省 岐阜県統計課 6
3 2 住宅着工戸数の推移 * ピーク時に比べると全国 岐阜県ともに大きく減少 今後も人口減による住宅着工 件数減少は必至だと思われる 住宅着工戸数 全国 平成 02 年 170 万戸 岐阜県 平成 08 年 2 万 3 千戸 平成 29 年 96 万戸 平成 29 年 1 万 1 千戸 56.4% 47.8% 平成 29 年建築着工統計調査 ( 国土交通省 ) 7
4 岐阜県木工産業の位置 木材 木製品製造業 は全国第 12 位 家具 装備品製造業 全国第 4 位 = = 出荷額は 700.3 億円 出荷額は 1,136.6 億円 木工産業としては 出荷額 1,836.9 億円で全国第 7 位 = = シェア 2.6% シェア 5.9% 8
4-1 岐阜県は 家具 装備品製造業 の割合が高い * 岐阜県の 家具 装備品製造業 の製造品出荷額は 愛知に次ぐ第 4 位 事業所数 従業者数 付加価値額 ( 従業者 29 人以下は粗付加価値額 ) 225 事業所 5,901 人 47,986 百万円 9
4-2 建具 ( 金属製を除く ) は全国第 2 位 * 岐阜県の 建具 ( 金属製を除く ) の出荷額は 全国第 2 位である 10
5 木製家具の品目別製品出荷額 -1 木製机 テーブル イス は全国第 1 位 * 全国出荷額 1,466 億円岐阜県 238 億円シェア16.2% * 木製机 テーブル イス は 飛騨 高山の家具 に代表されるが 特に イス の産地でもある 高山の脚物家具 が特徴である 11
5-1 木製家具の品目別製品出荷額 -2 木製棚 戸棚 は全国 2 位 全国出荷額合計 1,161 億円岐阜県 87 億円シェア 7.5% 木製ベッド は全国 6 位 全国出荷額合計 170 億円 岐阜県 8 億円 シェア 4.7% 12
5-2 木製家具の品目別製造品出荷額 -3 木製流し台 調理台 ガス台 ( キャビネットが木製のもの ) は全国 5 位 全国出荷額合計 1,533 億円 岐阜県 91 億円 シェア 6.0% 木製台所用品 は全国 5 位 全国出荷額合計 33 億円 岐阜県 2 億円 シェア 6.5% 13
5-3 木製家具製造品の出荷額と全国シェア * 出荷額はピーク時と比べ多くの品目で減少しているが 木製机 テーブル いす は10 年前の水準備をほぼ維持 * 一方全国シェアは 木製 テーブル いす 16.2% 木製家具全体では8.3% を占める 14
6. 木工業界の動向と課題 6-1 流通経路 * 近年は 問屋を介さず メーカーが直接 大手家具屋 量販店 小売店に納品されたり 自社ショールームを通じ消費者に直接販売するといった形態が増えてきた また 飛騨の家具 に見られるような ハウスメーカーを通じての販売が増加し さらに 拡大傾向が見られる 産地問屋 小売店 専門店 メーカー 消費地問屋メーカー系列販社 総合スーパー小売業専門店ホームセンター総合スーパーホームセンター百貨店百貨店通販業者その他通販業者 他 消費者 直販店 小売店 大型家具屋 住宅関連業者住宅関連業者 ( ハウスメーカー ) 出所 :( 財 ) 金融財政事情研究会 業種別審査辞典 15
6-2 木製家具業界の課題 小売店の減少 小売業界全体で不調が続いており その影響で販売経路を確保できない家具製造業者がハウスメーカーの取込に動いている 箱物家具の建具化 分譲住宅やマンションに見られる作り付けの収納システムやクローゼットの普及により 消費者が箱物家具を必要としなくなった 作り付けの収納システムやクローゼットは家具では無く建具であり 家具製造業者には参入できない 新設住宅着工戸数の減少 新設住宅の着工戸数が減少したことで 木製家具の需要が低下傾向にある 価格競争 海外生産品やアジア地域からの安価な輸入品を販売する大型量販店の台頭により 家具業界も価格競争に陥っている さらに 消費者の低価格志向が これに拍車をかけている 16
6-3 家具業界の主な動向 OEM の増加 * 独自の技術力を活かし 他社ブランドの製品を製造する OEM が増加している ハウスメーカーとの取引拡大 ショールームの建設 * 家具の需要は住宅新築時であり ハウスメーカーでは 建築中に家具もコーディネイトしているため 完成時には既に家具がきまっている このため ショールームを建設し ハウスメーカーやバイヤーに販売を行っている 独自のブランド力強化 * 材質を拘り デザインや機能性など他が真似できない製品づくり 外国材の使用の増加 * 外国の広葉樹は樹齢が長く成長が遅い このため 中の空気の層が少なく 密度が高くなるため 堅く丈夫な製品になる 17