保税制度における基礎知識

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ⅱ) 無償取得(1) 付与対象に対して当社又は当社グループ会社が任意に定める方法で無償で付与するパートナーポイントを取得する方法 により取得されたパートナーポイント = 当社又は当社グループ会社が任意に設定したパートナーポイント使用期限まで ⅲ) 無償取得(2) 当社又は当社グループ会社との契約に基

また 立入調査は 市職員又は市長が委任した者が行い 調査者については身分等を示す証明書を携帯し 関係者からの請求があった場合は提示しなければならないため 立入調査員証 ( 様式第 2 号 ) により身分を証明するものとします 参考 < 基本指針 > 一 7(p.12~13) <ガイドライン> 第 3

Transcription:

6. 保税非違と処分 1 保税地域に対する処分 2 処分内容の決定 3 近年の保税非違の傾向 4 保税非違の具体例 5 最後に

1 保税地域に対する処分 自主管理 現在の保税制度は 倉主等による自主的な管理のうえに成り立っている (1. 保税地域制度概説参照 ) 搬出入や取扱い等の貨物管理を法令 社内貨物管理規定 (CP) に従って適正に行い それらの事実を迅速かつ的確に記帳する必要がある 税関は倉主等による適正な自主管理に期待し 事後又は臨時に記帳や貨物管理をチェックし 適正な自主管理が行われているか確認する 不適切な貨物管理や手続があって 関税法の規定に違反があった場合 税関は倉主等に対して 処分を行うことができる 当初の許可要件に合致しなくなり 倉主として不適格であると認められる場合 1

1 保税地域に対する処分 指定保税地域 保税蔵置場 保税工場 根拠規定 関税法第 41 条の 2 関税法第 48 条 関税法第 61 条の 4( 関税法第 48 条の準用 ) 処分の種類 搬入停止処分 搬入停止処分 許可の取消し 搬入及び保税作業停止処分 許可の取消し 処分の事由 貨物管理者 ( その代理人 支配人その他の従業者を含む ) が 保税業務について関税法の規定に違反したとき 被許可者 ( その代理人 支配人その他の従業者を含む ) が 保税業務について関税法の規定に違反したとき 被許可者が 関税法第 43 条第 2 号 ~ 第 10 号のいずれかに該当することとなったとき 被許可者 ( その代理人 支配人その他の従業者を含む ) が 保税業務について関税法の規定に違反したとき 被許可者が 関税法第 43 条第 2 号 ~ 第 10 号のいずれかに該当することとなったとき 搬入停止保税作業停止許可取消し 2

1 保税地域に対する処分 根拠規定 保税蔵置場に対する処分 関税法第 48 条許可の取消等 1. 税関長は 次の各号のいずれかに該当する場合においては 期間を指定して外国貨物又は輸出しようとする貨物を保税蔵置場に入れることを停止させ 又は保税蔵置場の許可を取り消すことができる 1 許可を受けた者 ( その者が法人である場合においては その役員を含む ) 又はその代理人 支配人その他の従業者が保税蔵置場の業務についてこの法律の規定に違反したとき 2 許可を受けた者について第四十三条第二号から第十号まで ( 許可の要件 ) のいずれかに該当することとなったとき 2. 税関長は 前項の処分をしようとするときは 当該処分に係る保税蔵置場の許可を受けた者にあらかじめその旨を通知し その者若しくはその代理人の出頭を求めて意見を聴取し 又はその他の方法により 釈明のための証拠を提出する機会を与えなければならない 指定保税地域に対する処分 関税法第 41 条の 2 外国貨物の搬入停止等 保税工場に対する処分 関税法第 48 条許可の取消等 1. 税関長は 指定保税地域において貨物を管理する者 ( その者が法人である場合はその役員を含む 以下この条において 貨物管理者 という ) 又はその代理人 支配人その他の従業者が指定保税地域の業務についてこの法律の規定に違反したときは 期間を指定して 当該貨物管理者の管理に係る外国貨物又は輸出しようとする貨物を当該指定保税地域に入れることを停止させることができる 2. 税関長は 前項の規定により貨物を指定保税地域に入れることを停止させようとするときは 当該貨物管理者及び当該指定保税地域の土地又は建設物その他の施設の所有者又は管理者にあらかじめその旨を通知し これらの者若しくはその代理人の出頭を求めて意見を聴取し 又はその他の方法により 釈明のための証拠を提出する機会を与えなければならない 関税法第 61 条の 4 保税蔵置場についての規定の準用 1. 税関長は 次の各号のいずれかに該当する場合においては 期間を指定して外国貨物又は輸出しようとする貨物を保税工場に入れ 若しくは保税工場において保税作業をすることを停止させ 又は保税蔵置場の許可を取り消すことができる 1 許可を受けた者 ( その者が法人である場合においては その役員を含む ) 又はその代理人 支配人その他の従業者が保税工場の業務についてこの法律の規定に違反したとき 2 許可を受けた者について第四十三条第二号から第十号まで ( 許可の要件 ) のいずれかに該当することとなったとき 2. 税関長は 前項の処分をしようとするときは 当該処分に係る保税工場の許可を受けた者にあらかじめその旨を通知し その者若しくはその代理人の出頭を求めて意見を聴取し 又はその他の方法により 釈明のための証拠を提出する機会を与えなければならない 3

1 保税地域に対する処分 処分の事由 1. 貨物管理者 被許可者 ( その代理人 支配人その他の従業者を含む ) が 保税業務について関税法の規定に違反したとき 禁止されている行為を行い 若しくは許可又は承認を要する行為について 当該許可又は承認を受けることなく当該行為を行うこと ( 例 ) 他所蔵置の許可を受けることなく 保税地域以外の場所に外国貨物を置くこと 許可を受けることなく 保税地域にある外国貨物を見本として一時持ち出すこと 承認を受けることなく 置くことができる期間を超えて外国貨物を保税蔵置場等に置くこと 承認を受けることなく 外国貨物を運送すること 税関への届出若しくは報告等又は自主的な記帳を要する行為について 当該届出 報告等又は記帳を怠ること ( 例 ) 外国貨物等にかかる記帳を怠り 又は虚偽の記帳等をすること 保税蔵置場等の貨物の収容能力の増減又は改築 移転その他の工事を行うことにつき 税関への届出を怠ること 当該違反のあった保税地域のみが処分の対象となる ただし 指定保税地域の場合は 一つの指定保税地域で同一の貨物管理者が管理している場所につき すべてが処分の対象となります 例 ) 大阪港港頭地区指定保税地域の中で A 岸壁と B 岸壁にコンテナーヤード C 地区に市営倉庫を借り受けて貨物管理をしている者につき 搬入停止処分に相当する保税非違が発生した場合 これら 2 箇所のコンテナーヤードと 1 箇所の市営倉庫すべてが搬入停止処分となる 4

1 保税地域に対する処分 処分の事由 2. 被許可者が 関税法第 43 条第 2 号 ~ 第 10 号のいずれかに該当することとなったとき 欠格条項 第 2 号 : 被許可者が関税法の規定に違反して刑に処せられ 又は通告処分を受け その刑の執行を終わり 若しくは執行を受けることがなくなった日又はその通告の旨を履行した日から 3 年を経過していない 第 3 号 : 被許可者が関税法以外の法律の規定に違反して禁錮以上の刑に処せられ その刑の執行を終わり 又は執行を受けることがなくなった日から 2 年を経過していない 第 4 号 : 被許可者が暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反し 又は刑法第 204 条 ( 傷害 ) 第 206 条 ( 現場助勢 ) 第 208 条 ( 暴行 ) 第 208 条の 2 第 1 項 ( 凶器準備集合及び結集 ) 第 222 条 ( 脅迫 ) 若しくは第 247 条 ( 背任 ) の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯し 罰金の刑に処せられ その刑の執行を終わり 又は執行を受けることがなくなった日から 2 年を経過していない 第 5 号 : 被許可者が暴力団員等である 第 6 号 : 被許可者が前各号のいずれかに該当する者を役員とする法人である場合又はこれらの者を代理人 支配人その他の主要な従業者として使用する者である 第 7 号 : 被許可者が暴力団員等によりその事業活動を支配されている者である 第 8 号 : 被許可者の資力が薄弱であるため関税法の規定により課される負担に耐えないと認められる その他保税蔵置場 ( 保税工場 ) の業務を遂行するのに十分な能力がないと認められる 第 9 号 : 保税蔵置場 ( 保税工場 ) の許可を受けようとする場所の位置又は設備が保税蔵置場 ( 保税工場 ) として不適当であると認められる 第 10 号 : 保税蔵置場 ( 保税工場 ) の許可を受けようとする場所について保税蔵置場 ( 保税工場 ) としての利用の見込又は価値が少ないと認められる 第 9 号又は第 10 号 上記以外 当該違反のあった保税地域のみが処分の対象となる 被許可者が許可を受けた保税地域すべてが処分の対象となる 5

1 保税地域に対する処分 処分の事由 関税法上の保税制度に背くこと 処分 搬入停止保税作業停止許可取消し しかし たとえ保税非違に該当しなくても 貨物管理体制が不適切であり 税関が指導を行っても改善が見込まれない場合は 欠格条項の第 8 号 保税蔵置場 ( 保税工場 ) の業務を遂行するのに十分な能力がない として 許可取消となる可能性があります 例えば 内国貨物 輸出未許可の内国貨物を輸出許可済み貨物と誤って搬出してしまった 内国貨物 ( 輸出しようとする貨物を除く ) は記帳義務がないため 保税非違には該当しないが 度重なる税関の指導があったにも関わらず改善が見込まれない場合は 業務遂行能力がないものとして処分となる可能性があります 6

2 処分内容の決定 関税法基本通達 48-1 貨物管理者 被許可者 ( その代理人 支配人その他の従業者を含む ) が 保税業務について関税法の規定に違反したとき (4 ページ ) 点数制 1 により決定 (8~10 ページ ) 欠格条項のうち第 2 号 ( 第 6 号で役員等が第 2 号に該当する場合を含む ) に該当することとなったとき (5 ページ ) 点数制 2 により決定 (11~12 ページ ) 関税法の規定に違反したことにより 刑に処せられ 又は通告処分を受けた場合 例 輸出禁制品の輸出 輸入禁制品の輸入 輸入禁制品の蔵置及び運送 関税ほ脱 無許可輸出入 欠格条項のうち第 3 号 ~ 第 10 号 ( 第 6 号で役員等が第 2 号に該当する場合を除く ) に該当することとなったとき (5 ページ ) 原則許可の取消し 例えば 保税蔵置場の被許可者が経営不振に陥り 許可手数料を納付したり倉主責任を負ったりするのに支障があると認められる場合 欠格条項第 8 号に該当 許可取消し 7

2 処分内容の決定 点数制 1 基礎点数 非違の態様 禁止されている行為を行い 若しくは許可又は承認を要する行為について 当該許可又は承認を受けることなく当該行為を行うこと 保税地域外蔵置 無許可見本持出 未承認長期蔵置 未承認運送 etc. 税関への届出若しくは報告等又は自主的な記帳を要する行為について 当該届出 報告等又は記帳を怠ること 記帳義務違反 無届増減坪 無届工事 etc. 注 1 注 2 基礎点数 10 件以下 3 2 ( 注 1) 非違件数が 10 件を超える場合 その超える件数 10 件まで毎に当該点数を加算 ( 注 2) 合計点数は 60 点を限度とする 件数の算定は B/L AirWaybill Shipping Order Dock Receipt 等を単位とする B/L 単位で 25 件分の基礎点数 3 点の非違が発生した場合 3 点 +3 点 (10 件を超える分 )+ 3 点 (20 件を超える分 ) で 9 点ということになります 8

2 処分内容の決定 点数制 1 加算点数 加算点数表 1 関与者による加算 関与者 被許可者 ( 被許可者が法人である場合は その役員 ) 代理人又は支配人その他の主要な従業者 総合責任者 関税法基本通達 43-2(3) 加算点数 30 10 貨物管理責任者 顧客 ( 荷主 ) 責任者 委託関係責任者等 加算点数表 3 過去に搬入停止処分に至らない非違があった場合の加算 期間 加算点数 非違が最後に行われた日から 1 年を経過する日まで 10 非違が最後に行われた日から 1 年を経過した日から 2 年を経過する日まで 非違が最後に行われた日から 2 年を経過した日から 3 年を経過する日まで 7 5 加算点数表 2 過去の搬入停止処分歴による加算 期間 A 処分通知日以後 搬入停止処分期間の末日まで B 処分通知日から 1 年を経過する日まで (A を除く ) C 処分通知日以後 1 年を経過した日から 2 年を経過する日まで D 処分通知日以後 2 年を経過した日から 3 年を経過する日まで 加算点数 基礎点数 2+10 基礎点数 1.5+10 基礎点数 +10 基礎点数 0.5+10 非違が故意に行われた場合の加算 当該非違が関税ほ脱若しくは無許可輸入を目的として行われた場合又はこれらの事実を隠ぺいするために行われた場合 20 点上記以外の理由で非違が故意に行われたと認められる場合 10 点 9

2 処分内容の決定 点数制 1 減算点数 1 自発的に非違があった旨の申し出があった場合の減算 ( 基礎点数 + 加算点 ) からその 1/2 に相当する点数を減算 ただし 税関が具体的な非違の指摘をした後に申し出があった場合 過去にも同様の非違が行われた場合 その他減算することが適当でないと認められる場合は 減算されない 2 直ちに再発防止のための方策を講じた場合 ( 基礎点数 + 加算点 ) から上記 1 を減算した点数から 10 点を限度として減算 ただし 過去にも同様の非違が行われた場合 その他減算することが適当でないと認められる場合は 減算されない 自ら非違を発見して税関に申し出ること 直ちに改善策を講じることで 処分が軽くなる または処分を免れる可能性があります! 10

2 処分内容の決定 基礎点数 点数制 2 被許可者が個人の場合 被許可者が法人で 役員 代理人 支配人その他の主要な従業者が非違を起こした場合 罰 条 法第 43 条第 2 号 点数 法第 43 条第 6 号に係る同条第 2 号 法第 108 条の4 法第 109 条 法第 109 条の2 第 1 項から第 4 項 120 70 法第 110 条 法第 111 条第 1 項から第 3 項 法第 112 条第 1 項 110 60 法第 109 条の2 第 5 項 90 50 法第 111 条第 4 項 法第 112 条第 3 項 法第 113 条 64 40 法第 112 条の2 法第 113 条の2 36 28 法第 114 条 法第 114 条の2 16 8 法第 115 条 法第 115 条の 2 法第 115 条の 3 12 法第 116 条 法第 117 条 処罰の根拠となった罰条の点数 例えば 貨物管理責任者が個人的な海外旅行からの帰国の際に わいせつビデオを密輸入しようとしたが 税関の入国検査で発見され 通告 ( 罰金 ) 処分を受けた場合 輸入禁制品の輸入 ( 関税法第 109 条 ) により通告処分を受けたことになるので 基礎点数 70 点となり 原則として被許可者が許可を受けたすべての保税地域が処分の対象となる 11

2 処分内容の決定 点数制 2 加算点数期間加算点数 加算点数表 2 過去の搬入停止処分歴による加算 A 処分通知日以後 搬入停止処分期間の末日まで B 処分通知日から 1 年を経過する日まで (A を除く ) C 処分通知日以後 1 年を経過した日から 2 年を経過する日まで 基礎点数 2+10 基礎点数 1.5+10 基礎点数 +10 D 処分通知日以後 2 年を経過した日から 3 年を経過する日まで 基礎点数 0.5+10 減算点数 1 自発的に非違があった旨の申し出があった場合の減算 ( 基礎点数 + 加算点 ) からその 1/2 に相当する点数を減算 ただし 税関が具体的な非違の指摘をした後に申し出があった場合 その他減算することが適当でないと認められる場合は 減算されない 2 直ちに再発防止のための方策を講じた場合 ( 基礎点数 + 加算点 ) から上記 1 を減算した点数から 10 点を限度として減算 ただし 過去にも同様の非違が行われた場合 その他減算することが適当でないと認められる場合は 減算されない 12

2 処分内容の決定 点数制 合計点数 基礎点数 + 加算点 - 減算点 10 点以下 処分なし 11 点 ~99 点 搬入停止処分 (60 点 ~99 点 ) 場合により許可取消し搬入停止期間は 10 点を超える点数 1 点につき 1 日 100 点以上 原則 許可取消し ただし 次回非違があった場合 加算点数表 3 による加算の可能性が発生する 例 合計点数が 23 点 23-10=13 13 日間の搬入停止処分 処分の通知 処分に関する意見聴取等の通知書 当該処分に係る保税地域の被許可者にあらかじめその旨を通知 ( 関税法第 48 条第 2 項 ) 当該処分に係る保税地域の被許可者に処分を行う際に通知 処分通知書 不服申立て等について 13

3 近年の保税非違の傾向 全国の保税非違発生件数 H23 年 H24 年 H25 年 H26 年 H27 年 指定保税地域 11 15 13 10 15 保税蔵置場 88 93 85 69 93 保税工場 3 8 7 11 7 保税展示場 0 0 0 0 0 総合保税地域 1 4 1 1 2 計 103 120 106 91 117 全国の処分実施件数 H23 年 H24 年 H25 年 H26 年 H27 年 指定保税地域 1 4 0 0 0 保税蔵置場 2 5 4 7 7 保税工場 0 0 0 0 1 保税展示場 0 0 0 0 0 総合保税地域 0 0 0 1 0 計 3 9 4 8 8 件数は 平成 28 年 4 月 21 日現在で通報のあったもの 平成 24 年度に保税蔵置場の許可取消処分案件 1 件あり 許可取得場所での営業が確認できない 許可手数料が未納となっている 直近の貨物取扱い実績がない といったことから 保税蔵置場としての業務遂行能力がないと判断されたもの 14

3 近年の保税非違の傾向 直近 5 年間 (H23~27 年 ) における全国で発生した保税非違件数の内訳 態様別件数 記帳義務違反の内訳 台帳未作成 151 22 11 3 19 13 10 記帳義務違反 ( 関税法第 34 条の 2 等 ) 無届収容能力増減 無届工事 ( 関税法第 44 条 ) うち NACCS 管理資料取得 保存漏れによる台帳未作成 記帳漏れ 168 51 42 未承認蔵入 移入 総保入 ( 関税法第 43 条の 3 第 1 項等 ) うち誤搬出による記帳漏れ 56 保税地域外蔵置 ( 関税法第 30 条第 1 項 ) うち見本一時持出に関する記帳漏れ 53 未承認保税運送 ( 関税法第 63 条 ) うち貨物取扱に関する記帳漏れ 11 417 無許可見本一時持出 ( 関税法第 32 条 ) 欠格条項該当 その他 誤記帳 94 輸出貨物積み残しによる誤記帳 55 虚偽記帳 4 発見端緒別件数 15 8 3 保税業務検査 27 34 倉主等からの申し出 保税取締り 巡回等 253 他部門等からの通報 196 机上事務 調査等 保税工場でよく発生する非違 製品を保税工場の許可を受けていない場所に蔵置 製品や副産物の搬出 ( 国内引取り ) についての未記帳 総量管理適用指定工場における過大または過小な外貨原料引き落とし 移入承認を受けずに保税作業に投入または蔵置期間を超えて蔵置 製品につき保税運送承認を受けることなく搬出 設備の設置や改修工事についての無届 許可を受けることなく保税工場外で保税作業の一部 ( 製品の試運転等 ) を実施 外部からの通報 特定保税承認者に対する事後監査 15

4 保税非違の具体例 貨物の誤搬出による記帳漏れ 保税地域 貨物 A についての輸入許可書 貨物 B 貨物 A 貨物 B 輸入許可済み貨物 A を搬出するつもりが 誤って輸入未許可貨物 B を搬出してしまった 皆さんの保税地域での業務に当てはめて考えてみてください 無許可輸入について問われる可能性も このような非違が発生する原因としてどんなことが考えられますか? このような非違を発生させないための対策としてどんなことが考えられますか? 16

4 保税非違の具体例 輸出貨物積み残しによる誤記帳 保税地域 輸出許可済貨物 1CT 積み忘れ 輸出許可書 (10CT) 10CT で搬出記帳 輸出許可済み貨物 10CT を搬出するつもりが 誤って 1CT を積み残してしまった 9CT しか搬出していないのに 10CT 搬出したと記帳したことによる誤記帳 皆さんの保税地域での業務に当てはめて考えてみてください 9CT 搬出 このような非違が発生する原因としてどんなことが考えられますか? このような非違を発生させないための対策としてどんなことが考えられますか? 17

4 保税非違の具体例 見本一時持出に関する記帳漏れ 保税地域 見本持出許可申請書 持出し 見本 商品説明会 戻し入れ 見本として持ち出した貨物の記号 番号 品名 数量 持出許可期間 持出先 持出年月日を保税台帳の記帳しなければならない ( 電磁的記録届を提出し NACCS の管理資料を保税台帳としている場合は NACCS の MHO 業務 (Sea-NACCS) 又は MMO 業務 (Air-NACCS) が必要 ) 検査 分析 皆さんの保税地域での業務に当てはめて考えてみてください 記帳 (NACCS の見本持出確認登録 ) を忘れたことによる記帳漏れ 関税法施行令第 29 条の 2 第 1 項第 6 号 etc. このような非違が発生する原因としてどんなことが考えられますか? このような非違を発生させないための対策としてどんなことが考えられますか? 18

4 保税非違の具体例 NACCS 管理資料取得 保存漏れによる台帳未作成 保税地域担当者 取出要求 管理資料情報 バックアップ 電磁的記録を保税台帳として保存する旨の届出を行った保税地域は NACCS から配信される管理資料情報を保存することで 保税台帳を作成したものとみなされる 管理資料情報を保存していなかったことによる保税台帳未作成 皆さんの保税地域での業務に当てはめて考えてみてください このような非違が発生する原因としてどんなことが考えられますか? このような非違を発生させないための対策としてどんなことが考えられますか? 19

4 保税非違の具体例 無届収容能力増減 無届工事 保税地域 国内貨物用倉庫 保税地域 収容能力増 ( 増坪 ) 保税地域 改築 移転その他の工事 収容能力減 ( 減坪 ) 保税地域 保税地域 国内貨物用倉庫 貨物収容能力増減等の届 これらの行為は 既に受けた許可内容を変更するものであり 無秩序に放置すると税関取締や許可要件に影響する また 保税地域の許可手数料にも影響する 届け出ることなく 収容能力を増減 工事を行った 皆さんの保税地域での業務に当てはめて考えてみてください このような非違が発生する原因としてどんなことが考えられますか? このような非違を発生させないための対策としてどんなことが考えられますか? 20

4 保税非違の具体例 未承認蔵入 移入 保税蔵置場 承認不要 要蔵入承認 (IS 承認 ) 3 ヶ月間 2 年間 搬入 承認を受けることなく 3 ヶ月以上蔵置してしまった 保税工場 原料品 承認不要 ( みなし蔵置場 ) 3 ヶ月間保税作業投入まで 蔵置 加工 製造 要移入 (IM) 承認 2 年間 製品 搬入 皆さんの保税地域での業務に当てはめて考えてみてください 承認を受けることなく 3 ヶ月以上蔵置してしまった 承認を受けることなく 保税作業に投入してしまった このような非違が発生する原因としてどんなことが考えられますか? このような非違を発生させないための対策としてどんなことが考えられますか? 21

5 最後に 知識不足 人は誰でも間違いをします 保税業務も例外ではありません 連絡ミス 思い込み 不十分な引継ぎ 非違の防止のためには 貨物管理の要である 貨物管理責任者 が 搬入 蔵置 搬出等の各段階において 適切かつ確実に関与すること 充実した社内研修 教育を継続的に行うこと 厳正な内部監査を実施すること 非違の ゼロ を目指し 今一度 貨物管理に関する基本動作を徹底しましょう 22