2013 年 3 月 24 日 ( 日 ) 25 日 ( 月 ) 52 回目 Ⅵ-054 八福の教え 八福の教え 054 マタ 5:3~12 ルカ 6:20~26 1. はじめに (1) 文脈の重要性 1 文脈を無視して 山上の垂訓のある言葉を取り出すことが余りにも多い 2イエスは 神の国の福音をも

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2013 年 3 月 10 日 ( 日 ) 11 日 ( 月 ) 51 回目 Ⅵ-054 山上の垂訓 山上の垂訓 054 マタ 5:1~2 ルカ 6:17~19 1. はじめに (1) 呼び名について 1マタ 5:1~8:1 は 通常 山上の垂訓 ( 説教 ) と呼ばれる 2しかし この名称は 説教

(2) ロマ 7:1~6 の要約 1 律法の大原則 * 律法は 人に対して権限を持つ * 律法は 死んだ人には権限を持たない 2 結婚関係の例話 * 夫が生きている間は 結婚の律法によって制約されている * それを破れば 姦淫の女と呼ばれる * 夫が死ねば 結婚の律法から解放される * 再婚しても

2011 年 07 月 17 日 ( 日 ) 18 日 ( 月 )29 ローマ人への手紙 8:12~17 聖化の力 ( 聖霊 )(3) 養子の霊 1. はじめに (1) 聖化 に関する 8 回目の学びである 最終回 1 最大の悲劇は 律法を行うことによって聖化を達成しようとすること 2この理解は ク

2011 年 06 月 26 日 ( 日 ) 27 日 ( 月 )26 ローマ人への手紙 7:14~25 律法からの解放 (3) ロマ書 7 章クリスチャン 1. はじめに (1) 聖化 に関する 5 回目の学びである 1 最大の悲劇は 律法を行うことによって聖化を達成しようとすること 2この理解は

このメッセージは メシアの義とパリサイ人の義について学ぼうとするものである Ⅰ. 真の信仰者の特徴 (5:13~16) 1. 地の塩 (13 節 ) あなたがたは 地の塩です もし塩が塩けをなくしたら 何によって塩けをつけるのでしょう もう何の役にも立たず 外に捨てられて 人々に踏みつけられるだけで

2011 年 10 月 16 日 ( 日 ) 17 日 ( 月 )42 ローマ人への手紙 11:25~36 拒否の解決 (3) イスラエルの救い 1. はじめに (1)10 月 13 日 ( 木 ) の日没から仮庵の祭りが始まった 1 第 7 の月の 15 日 満月 2 満月を眺めながら イスラエル

2012 年 1 月 22 日 ( 日 ) 23 日 ( 月 )54 ローマ人への手紙 15:4~13 希望から希望へ 1. はじめに (1) 文脈の確認 11~8 章が教理 29~11 章がイスラエルの救い 312~16 章が適用 (2)14:1~15:13 は 雑多な問題を扱っている 1 超道徳

2017 年 10 月 8 日 ( 日 ) 9 日 ( 月 ) 15 回さらにすぐれた契約 さらにすぐれた契約 ヘブル 8:1~13 1. はじめに (1) この手紙が書かれた理由を再確認する 1 信仰が後退しつつあった第 2 世代のメシアニック ジューたちへの励まし (2) ユダヤ教の 3 つの柱

* ユダヤ人の歴史家ヨセフスもまた同じような書き方をしている 5 テオピロは ルカの執筆活動を支援するパトロンであった可能性が高い 6 もしそうなら テオピロはローマ人クリスチャンであったと思われる (2)1~2 節は ルカの福音書の要約である 1 前の書 というのは ルカの福音書 のことである 2

2012 年 2 月 26 日 ( 日 ) 27 日 ( 月 )59 ローマ人への手紙総まとめ 総まとめ 1. はじめに (1) 執筆の意図 1 使徒としての使命 * 所々 かなり大胆に書いた (15:15) 2 使徒としての奉仕の原則 * 他人の土台の上に建てない (15:20) * これまで ロ

創世記5 創世記2章4節b~25

2012 年 1 月 15 日 ( 日 ) 16 日 ( 月 )53 ローマ人への手紙 14:13~15:3 キリスト者の自由 1. はじめに (1) 文脈の確認 11~8 章が教理 29~11 章がイスラエルの救い 312~16 章が適用 (2)12 章は 基本的には教会内の行動についての勧めであ

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2011年度 牧羊者 第Ⅳ巻

2018 年 5 月 27 日 ( 日 ) 28 日 ( 月 ) 14 回 ペテロの第 2 のメッセージ (2) ペテロの第 2 のメッセージ (2) 使徒 3:17~26 1. はじめに (1) ペンテコステの日に教会が誕生した 1ペテロの第 1 回目のメッセージにより 3,000 人ほどの人たち

2 奇跡 3 父 4 聖書 4. メッセージのゴール (1) イエスを誰だと言うか (2) イエスを信じる者の幸いとは何か このメッセージは イエスの業と主張について考えようとするものである Ⅰ. イエスと父は一体である (19~29 節 ) 1. 行動において まことに まことに あなたがたに告げ

2017 年 8 月 13 日 ( 日 ) 14 日 ( 月 ) 7 回 第 2 の警告 (2) 第 2 の警告 (2) ヘブル 4:1~13 1. はじめに (1) この手紙が書かれた理由を再確認する 1 信仰が後退しつつあった第 2 世代のメシアニック ジューたちへの励まし 2 彼らは 迫害と誤

聖 書 へブル12:11,12 (第41講)

創世記5 創世記2章4節b~25

2017 年 7 月 2 日 ( 日 ) 3 日 ( 月 ) 1 回 ヘブル人への手紙のテーマ ヘブル人への手紙のテーマ ヘブル 1:1~3 1. はじめに (1) 著者 1いくつかの名が上げられてきた * パウロ * ルカ ( パウロがヘブル語で書いたものを ルカがギリシア語に翻訳した ) * バ

神学総合演習・聖霊降臨後最終主日                  2005/11/16

2 イエスの戒めを守るなら イエスの愛に留まることになる (2) その教えを話した理由は 弟子たちが喜びに満たされるためである 1イエスは 自分が経験している喜びを弟子たちに与えようとしている 2イエスの喜びは 父なる神への従順 ( 喜ばせること ) によって生まれる 3ヘブ 12:2 Heb 12

牧会の祈り

(3) まっすぐにしなさい 1 されば衰へたる手 弱りたる膝を強くし ( 文語訳 ) 2ギリシア語の アノルソオウ である 上げる まっすぐにする 強くする 3ルカ 13:13(18 年も病の霊につかれ 腰が曲がって 伸ばすことができない ) Luk 13:13 手を置かれると 女はたちどころに腰が

Heb 11:7 信仰によって ノアは まだ見ていない事がらについて神から警告を受けたとき 恐れかしこんで その家族の救いのために箱舟を造り その箱舟によって 世の罪を定め 信仰による義を相続する者となりました (1) ノアは 神から警告を受けた 1 創 6:17 Gen 6:17 わたしは今 いの

2017 年 7 月 16 日 ( 日 ) 17 日 ( 月 ) 3 回 御使いに勝る御子 (2) 御使いに勝る御子 (2) ヘブル 2:1~9 1. はじめに (1) この手紙が書かれた理由を再確認する 1 信仰が後退しつつあった第 2 世代のメシアニック ジューたちへの励まし 2 彼らは 迫害と

2019 年 7 月 28 日 ( 日 ) 29 日 ( 月 ) 70 回 12 人の弟子たちの救い 12 人の弟子たちの救い 使徒 19:1~7 1. はじめに (1) 第三次伝道旅行が始まった 1 使 18:23~21:17( 紀元 53 年の春から 56 年の春 ) 2パウロは ひとりで出かけ

3 仲介者としての祭司たちが存在していた (2) 新約時代の状態 1すべての信者が まことの聖所に入ることができる * 天の聖所で 神の臨在の前に出ることができる 2これは 万人祭司の教えである 3 訳文の比較 こういうわけですから 兄弟たち 私たちは イエスの血によって 大胆にまことの聖所に入るこ

た 義認 の祝福を述べたものでしょうか しかしこの 1 節は 2 節の頭に なぜなら という言葉があるように 2 節と密接に関連しています ですから 2 節を見て行くことによって 1 節の意味を確かめることができます 2 節が述べていることは何でしょうか それは罪と死の原理からの解放です 私たちが

に知恵と英知と知識とあらゆる仕事において 神の霊を満たした (2~3 節 ) (1) ユダ部族のフル その子ウリ その子ベツァルエル 1フルとはモーセの手を両側から支えた 2 人のうちのひとり ( 出 17 章 ) 2フルの孫がベツァルエルである (2) 神の霊を満たした 1 知恵 (wisdom)

ます しかしこれでは義に飢え渇いているとはとても言えないのではないでしょうか また自分の生活を振り返って こう質問してみてください 自分は果たして毎日をどんな基準によって歩んでいるだろうか と 神から見て何が正しいことかを考え その義に従って義の道を歩もうとしているか それとも義のことはあまり考えず

2012 年 7 月 1 日 ( 日 ) 2 日 ( 月 ) 17 回目 Ⅴ-020~021 バプテスマのヨハネの登場 バプテスマのヨハネの登場 ルカ 3:1~2 マコ 1:2~6 1. はじめに (1) 文脈の確認 1バプテスマのヨハネの誕生 2イエスの誕生 3イエスの幼少期 (2) 今日の箇所は

2018 年 2 月 4 日 ( 日 ) 5 日 ( 月 ) 29 回 善行の勧めと信仰上の勧め 善行の勧めと信仰上の勧め ヘブル 13:1~17 1. はじめに (1) この手紙は ユダヤ教への回帰を考えていた第 2 世代のメシアニック ジューたちを励ますために書かれた 1 教理的学び 2 学んだ

(1) イゼベル 彼にとっては ネバテの子ヤロブアムの罪のうちを歩むことは軽いことであった それどころか彼は シドン人の王エテバアルの娘イゼベルを妻にめとり 行ってバアルに仕え それを拝んだ (1 列 16:31) 1オムリの子アハブは イゼベルと結婚し バアル礼拝をイスラエルに導入した 2 預言者

2010 年 4 月 18 日 ( 日 ) 19 日 ( 月 ) ハーベストフォーラム東京出エジプト記 19 出エジ 19 出エジプト記 14 章 15 節 ~15 章 21 節 紅海を渡る 1. 文脈の確認 (1) イスラエルの民は 430 年後にエジプトを脱出した (2) エジプト脱出の記録は

2014 年 10 月 7 日 ( 火 ) 60 分で分かる創世記 60 分で分かる創世記 1. はじめに (1) 60 分で分かる〇〇 のシリーズを開始する 11 節 1 節の解説も重要であるが 鳥瞰図的な理解も必要である 2その場合重要なのは センス オブ プロポーション である (2) 創世記

6ユダヤ人は 人種的 宗教的理由によって サマリヤ人を軽蔑した * ユダヤの格言 私の目が サマリヤ人を見ることがないように 7サマリヤ人も ユダヤ人を軽蔑し 敵対した * ユダヤ人がエルサレムから下ることは許したが 上ることは許さなかった 8 現代もサマリヤ人の子孫たちが存在している ( 千名以下

* ダニエル書 3 捕囚期後 (3) * ハガイ書 * ゼカリヤ書 * マラキ書 (5) 預言者たちが語ったメッセージの要約 1 神の主権と聖なるご性質 2 契約の民イスラエルの不従順の罪 3 悔い改めへの招き 4 迫り来る神の裁きと捕囚 5イスラエルの民を攻撃する周辺国への裁き 6 捕囚からのレム

(1) 神殿の聖所と至聖所を分ける幕である 1 長さが約 18 メートル 厚さが約 10 センチ 2この幕の内側に入れたのは 大祭司だけである それも年に一度だけ 3 大祭司 アロンの家系 ケハテ氏族 レビ族 イスラエルの民 全人類 (2) この幕が 上から下まで真っ二つに裂けた 1 神の御手がこれ

牧会の祈り

このメッセージは 父なる神について考えようとするものである Ⅰ. 聖書が使用する比喩的言葉 1. 神という言葉について (1) ヘブル語でエロヒム ( エル ) ギリシア語でセオス 1 普通名詞 神々を指す言葉である 2 日本語の神も 多くの神々を指す言葉である 3 聖書の神は どういう神かを示す必

2017 年 6 月 11 日 ( 日 ) 12 日 ( 月 ) 39 回 新しいエルサレムの特徴 ( 後半 ) 新しいエルサレムの特徴 ( 後半 ) 黙 22:1~5 1. はじめに (1) 旧約聖書の預言のハイライトは メシア的王国である 1 黙示 20 章は メシア的王国が千年で終わることを啓

第二に 聖さを得るために 私たちはすべての人との平和を追い求めなければなりません 私たちの思いの内にある敵対心や闘争心などを放っておかず 平和的に生きるように努めなければなりません へブル書の著者は このことについて 非常に厳しく警告しています 私たちが神の聖さにあずかる者とならない限り 主を見るこ

良いこと となります ともするとクリスチャンは こう考えやすいかもしれません 私は人がどう考えるかは気にしない 神がどう思われるかだけを心に留める と 確かにそこに真理はあるのですが そのあまり 人々がどう考えるかを顧慮しない傍若無人な態度を取るのが良いのではありません パウロはここで 人々がどう見

Ⅰ. 管理人の不正の発覚 (1~2 節 ) 1.1 節 a Luk 16:1 イエスは 弟子たちにも こういう話をされた (1) イエスは 弟子たちに話している 1これは 弟子訓練のためのたとえ話である 2 聴衆が誰かを判断することが たとえ話の解釈のために重要である (2) その周りで パリサイ人

しイエス様は 5 章 20 節でこう言っておられました わたしはあなたがたに言います あなたがたの義が 律法学者やパリサイ人の義にまさっていなければ あなたがたは決して天の御国に入れません 律法学者やパリサイ人は 当時のユダヤの社会で最も道徳的な人たちと敬われていた人々です 彼らは当然 自分たちは正

  聖 書 へブル12:11,12 (第41講)

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1 それは キリストにのみ適用される御名である (2) 旧約聖書では 御使いたちは 神の子たち と呼ばれた Job 38:7 そのとき 明けの星々が共に喜び歌い / 神の子たちはみな喜び叫んだ 1 新約聖書では 信者が 神の子たち と呼ばれる ( ヨハ 11:52) 2しかし 御子 ( ヒュイオス


2. アウトライン (1) 過去の回顧 (1~4 章 ) (2) 律法の解説 (5~26 章 ) (3) 未来の展望 (27~30 章 ) (4) 指導者の交代 (31~34 章 ) 3. 結論 (1) 律法の本質 (2) イスラエルの将来 (3) 申命記とイエスの教え 申命記を通して イエスの教え

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2010 年 2 月 21 日 ( 日 ) 22 日 ( 月 ) ハーベストフォーラム東京出エジプト記 13 出エジ 13 出エジプト記 9 章 13 節 ~10 章 29 節 最後の 3 つの災い 1. 文脈の確認 (1) エジプトに主からの 10 の災いが下る (2)10 の災いの記述は 考え抜

(1) 千年王国の最後に サタンが底知れぬ所から再び解き放たれる 1 その理由は 再び人類を試すためである 2 神は 人類がいかに堕落しているかを証明される (2) 千年王国にも罪は存在する 1 千年王国が始まった時点では 未信者は存在しない 2 千年王国では ほぼ理想に近いような生活環境が実現する

聖書 : ピリピ 3:1~3 説教題 : 神の御霊による礼拝 日時 :2017 年 2 月 26 日 ( 朝拝 ) ピリピ人への手紙第 3 章に入ります この手紙は全部で 4 章からなっていますので 今日から後半部に入ることになります パウロは 最後に 私の兄弟たち と始めます この手紙はまだ半分ま

2 を重んじてきた人たちがいたからでした そういう人たちに対して 自分は宗教に熱心であると思っても つまり 形 を整えることに一生懸命であっても と語りかけているのです 今の私たちに当てはめるならば 洗礼を受けたといっても とか どんなに礼拝を守っているとしても とか あるいは 奉仕を一生懸命やって

牧会の祈り

4きょう取り上げる 3~5のパターンは ユダヤ的に解釈する必要がある 5イエス時代のユダヤ教のラビたちの旧約聖書引用法 * 直接引用とその成就 * その箇所の解釈ではなく 適用である * きょうの3~5 のパターンは すべて適用である 6マタイは 5 つの引用によってイエスのメシア性を証明しようとし

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裁きます けれども 実は自分たち自身も その基準には到達できていないのです これが偽善の始まりです 律法主義に陥ると 相手をこき下ろし けれども こき下ろしている基準に自分自身が満ちていないことが起こります 高らかに主張している人ほど 実はその教えを行なっていないという問題が起こるのです パウロは

た私の霊が住んでいる大事な住居として用いるようにされており 私であるという強い自意識を持ちながら からだも心も性格もあらゆる特徴も 私らしさという特質を持った者として生かされているのです * それは 後に与えられると言われている霊のからだ 朽ちないからだと表現されている 天に属するよみがえりのからだ

1 説 教 聖日礼拝 北浜チャーチ 黒田 禎一郎 2017 年 6 月 4 日 ( 日 ) 主 題 : すべてを感謝しましょう! テキスト :1コロサイ人への手紙 3 章 17 節 はじめに たった一度しかない人生 私たちはどのように生きているでしょうか? 生き方を知っている人は幸いです しかし 多

らしめ ということばが使われています 箴言 13:24 むちを控える者はその子を憎む者である 子を愛する者はつとめてこれを懲らしめる また箴言 22:15 愚かさは子どもの心につながれている 懲らしめの杖がこれを断ち切る また申命記 8:5 あなたは 人がその子を訓練するように あなたの神 主 があ

B2 神はどのようなお方か 1Chro.29:10-12 Dt.10:12-13 Ps.95:1-7 B3 イエス キリストはどのようなお方か John.14:8-10 Mk.6:31-56 John.10:30-33 Heb.2: John.4:2-3 2John.7-10 B4 三位

大阪インターナショナルチャーチ アリステア・マッケナ師 2015/6/28

Derek Prince Ministries Asia-Pacific THE TEACHING LEGACY OF DEREK PRINCE MINISTRIES ARCHIVE The Battlefield of the Mind - Derek

に住む者に私たちの血の復讐をなさらないのですか (1) ここで場面は 地から天に移行する 1 大患難時代を通して継続している状況の描写である (2) ヨハネは キリストに対する信仰のゆえに殉教の死を遂げた人々の幻を見た 1 彼らは 祭壇の下にいた 2 旧約時代のいけにえの血が祭壇の土台に注がれたこと


イエスさまの公的な活動は 2 年から 3 年と言われます その短い時間の中で人々に与えた影響は 考えられないほど大きいものでした ここに今日 わたしたちが集まって礼拝しているのも そのせいです けれどもその 2 年ないし 3 年のイエスさまの活動はずっと順調であったわけではありません イエスを愛し慕

2016 年 10 月 2 日 ( 日 ) 3 日 ( 月 ) 7 回 フィラデルフィアの教会 フィラデルフィアにある教会 黙 3:7~13 1. はじめに (1) 黙示録の 3 区分 1 黙 1:19 は 黙示録を 3 区分している Rev 1:19 そこで あなたの見た事 今ある事 この後に起こ

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いでしょう (1)2 重の質問 1 弟子たちは いくつかのたとえ話とその解き明かしを聞いてきた 2ここでイエスは 弟子たちに考えるチャンスを与えている 3 弟子たちは 奥義としての王国 の性質について考え始める (2) イエスのたとえ話は 弟子たちが想像したものとは大いに異なる 1 種のたとえでは

* ペリシテ人の古代都市ガザは 前 93 年に破壊され 前 57 年に再建された * この道路は ガザの遺跡を通過し 新ガザに至る荒野の道である 5 ピリポは その命令に従順に従った 2.27b~28 節 Act 8:27b すると そこに エチオピヤ人の女王カンダケの高官で 女王の財産全部を管理し

2016 年 12 月 10 日 ( 日 ) 11 日 ( 月 ) 16 回 ラッパの裁き 5 ラッパの裁き 5 黙 9:1~11 1. はじめに (1)6 章から 9 章までの流れ 16 章で 巻き物の封印が解かれる 最初の 6 つの封印 * ここから大患難時代が始まる 27 章は 挿入句である

を与えられて 祈りつつ取り組んで行くように導かれる ですから私たちは自分の願い事を一方的に神に祈る祈りはやめて まず聖書を通してまず神を見上げること 御名を賛美することから始めたいのです そのような神への賛美また信仰告白から始まる祈りこそ祝福される祈りの基礎です さて第 2 の祈りは 御国が来ますよ

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Rev 7:1 この後 私は見た 四人の御使いが地の四隅に立って 地の四方の風を堅く押さえ 地にも海にもどんな木にも 吹きつけないようにしていた (1) この後 私は見た 1 物事の時間的流れではなく ヨハネが見た幻の順番を示している 2この幻は 神の裁きが迫っていることを示唆している 3 地の四方

イゼベルという女は 商売繁盛のために信仰を妥協するよう しきりに教会の人々に勧めました では これらの背景を踏まえて 学びに入りましょう 今日の聖書個所には 大切なポイントが 5 つあります 1. イエスの描写 (18 節 ) ここでイエスは 燃える炎のような目と光り輝くしんちゅうのような足のお方だ

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2 イエスは大胆に わたしは道です と言われました イエスが歩まれた道です イエスが示された道です 正しく この人を見よ! です それが聖書の教えです 私たちはこの一年間 幸いなみ言葉を心に覚えて進みたいと願います 今日は この年間聖句から次の2 点を考えてみましょう 大切なポイント 1. 勝利者イ

はじめに ユダの手紙 中川健一 はじめに (1) 聖書フォーラム運動の広がり 1 聖書は霊感を受けて書かれた誤りなき 神のことば である 2ヘブル的聖書解釈 3 聖書研究から日本の霊的覚醒( 目覚め ) が 4 学びと行動の両輪が必要である (2) 異端について 1 英語で cult あるいは he

1 パンの家 という意味 農業生産の豊かな地 ダビデの町とも呼ばれた 2ガリラヤのベツレヘムと区別するために ユダヤのベツレヘムと書かれている 年代 200 軒の家 クリスチャンとイスラム教徒が平和に住んでいる 4 今日 パレスチナ自治区 2 万 2 千人 クリスチャンは迫害に会っている

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聖 書 へブル12:11,12 (第41講)

2008 年 7 月 27 日 ( 日 ) 28 日 ( 月 ) ハーベストフォーラム東京創世記 8 創世記 8 創世記 3 章 14 節 ~24 節 アダム契約 イントロ : 1. 前回までの復習 (1) 創世記には 11 の区分 ( トルドット ) がある (2) 第 1のトルドットには 人類の

1.1 節 Rev 14:1 また私は見た 見よ 小羊がシオンの山の上に立っていた また小羊とともに十四万四千人の人たちがいて その額には小羊の名と 小羊の父の名とがしるしてあった (1) ヨハネは キリストの再臨後の状況を見ている 1 実際にキリストの再臨が起こるのは 19 章になってからである

一 マリヤへの恵みある教会に 何かというと 恵まれた女よ おめでとう と言う人がいました 女性のための聖書のクラスで 誰かが正しい答えを言ったら 恵まれた女よ おめでとう 感謝なことの証しをしたら 恵まれた女よ おめでとう 誰かが牧師に祈ってもらっている姿を見たら 恵まれた女よ おめでとう 彼女はい

2013 年 5 月 26 日 ( 日 ) 27 日 ( 月 ) 61 回目 Ⅵ-057 獄中のバプテスマのヨハネ (1) 1 投獄されたという事実は すでにマタ 4:12 で紹介されていた 2 投獄の理由は マタ 14:3~4 で解説される 実は このヘロデは 自分の兄弟ピリポの妻ヘロデヤのことで

は歯が痛くなるとズキンズキンとして何をしていても繰り返し襲って来る痛みに悩まされますが そのように 絶えず痛みがある と言わずにいられないような痛みを感じ続けていた 一体それはどんな悲しみ 痛みだったのでしょうか それが同胞ユダヤ人の不信仰に関することでした パウロがどんなに同胞 同国人のことを思っ

よと言っておられます あなたが思っているような安定した生活を送ることはできない 心地よい生活ではない 狐や空の鳥以下の生活であると なぜイエス様ともあろう大先生の生活がこういうものなのでしょう その答えは一言で言えば 私たちのため ということです マルコの福音書 10 章 45 節 : 人の子も 仕

                 

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  聖 書 へブル12:11,12 (第41講)

勧めるところから始まります それは いつでも祈るべきであり 失望しない ことです 1B 祈りによって C 忍耐を尽くす訴え :1 いつでも祈るべきであり 失望してはならないことを教えるために イエスは彼らにたとえを話された 18:2 ある町に 神を恐れず 人を人とも思わない裁

サーチライト with Pastor Jon Courson 黙示録 22 章パート 2 1 サーチライト With Pastor Jon 黙示録 22 章パート 2 このメッセージはアップルゲートクリスチャンフェローシップの ジョン コーソン牧師が公開したメッセージを アメリカ在住の日本人クリスチ

  聖 書 へブル12:11,12 (第41講)

聖書マタイによる福音書 11:15~19 ( 第 53 講 ) 題 肉の思いから解放された信仰によって変えられる ( 序 ) 自己願望から物事を見る弊害を理解する * すべての人間は アダムが犯した罪人として 汚染された DNA を受け継ぎ 自己中心の生き方をするようになってしまいました それが当た

Transcription:

054 マタ 5:3~12 ルカ 6:20~26 1. はじめに (1) 文脈の重要性 1 文脈を無視して 山上の垂訓のある言葉を取り出すことが余りにも多い 2イエスは 神の国の福音をもたらされた 3 当時のユダヤ人たちの関心事 * 自分の義は 神の国に入るにふさわしいものか 4 彼らが教えられていた唯一の義は パリサイ人の義であった * 口伝律法を行うことによる義である 5イエスは 信仰による義を紹介された (2) 山上の垂訓の本質 1 山上の垂訓は メシアによる律法解釈 である * パリサイ人は 律法の外面的な服従にこだわった * イエスは 内面的服従と 外面的服従の両方を強調した 2 山上の垂訓は 救いの道を示したものではない * もしそれが救いの道を示したものであるなら 業による救いが可能となる * 聖書が教える方法は 常に 信仰と恵みによるものである 3 山上の垂訓は 現代のクリスチャンに適用すべきものではない * もしそうなら 私たちは 613 のモーセの律法を実行せねばならなくなる * ただし 山上の垂訓から多くの教訓を学ぶことができる * 新約時代の律法とは キリストの律法 ( ガラ 6:2) のことである * 山上の垂訓の教えの多くが キリストの律法 に登場する * 十戒の内九戒までが キリストの律法 に登場する (3) 八福の教えの本質 1 信仰による義を獲得した人たちの特徴 ( すでに得た ) * イエスをメシアと信じる信仰 2 信仰による義を獲得した人たちが目指すべき目標 ( 完成への途上にある ) 3 神に全面的に信頼した結果 内面の変化を経験する 4 外面のみを強調するパリサイ的義とは異なる 1

2. アウトライン (1) 神の前での謙遜 (2) 悔い改め (3) 神の恵みへの信頼 (4) 神の義への渇望 (5) 責任転嫁からの脱却 (6) 信仰の結果 (7) キリストの紹介 (8) 迫害 3. 結論 : 八福の教えと新約時代のクリスチャン このメッセージは 八福の教えの本質について学ぼうとするものである Ⅰ. 神の前での謙遜 心の貧しい者は幸いです 天の御国はその人たちのものだから (3 節 ) (1) 物質的貧しさとは違う 1 経済的弱者 社会的弱者は 神の愛の対象である 2と同時に 裕福な者も神に愛されている (2) 内面的な貧しさである 1 現実的に 客観的に 自己評価ができている人 2 自分の義に信頼を置いていない人 3 傲慢 ( プライド ) とは正反対の性質を持った人 4 神にのみ信頼を置いている人 ( 例話 ) 綿畑に投資した人が財産すべてを失った Ⅱ. 悔い改め 悲しむ者は幸いです その人たちは慰められるから (4 節 ) (1) 人生で味わうさまざまな悲しみとは違う (2) 罪に関する悲しみのことである 1 罪に対する感受性が豊かな人 2

2 結果として 神に対して罪を告白する人 (3) イザ 61:3 シオンの悲しむ者たちに 灰の代わりに頭の飾りを 悲しみの代わりに喜びの油を 憂いの心の代わりに賛美の外套を着けさせるためである 彼らは 義の樫の木 栄光を現す 主 の植木と呼ばれよう 1シオンの悲しむ者たちとは 信仰による義人たちである 2 彼らは 頭に灰をかぶり 断食をし 喪に服したような状態である 3 神は彼らに喜びを与え 彼らを祝福される 4 彼らは 義の樫の木 栄光を現す 主 の植木 と呼ばれる Ⅲ. 神の恵みへの信頼 柔和な者は幸いです その人たちは地を受け継ぐから (5 節 ) (1) モーセのような人 ( 民 12:3) モーセはその人となり柔和なこと 地上のすべての人にまさっていた ( 口語訳 ) (2) 主イエスのような人 ( マタ 11:29) わたしは柔和で心のへりくだった者であるから わたしのくびきを負うて わたし に学びなさい そうすれば あなたがたの魂に休みが与えられるであろう ( 口語訳 ) (3) 静かで 動じることのない強さを持った人 1 神への絶対的な信頼がある 2 神の権威を認め それに従っている 3 神の恵みによって生きている 4 自分を実態以上に大きく見せる必要はない (4) 詩 37:11 しかし柔和な者は国を継ぎ 豊かな繁栄をたのしむことができる ( 口語訳 ) Ⅳ. 神の義への渇望 義に飢え渇く者は幸いです その人たちは満ち足りるから (6 節 ) (1) 飢え渇きは人間の本能である 1 食物 3

2 愛 3 神 (2) ここでは 霊的な意味で 飢え渇きという言葉が使用されている 1 完全な基準に基づいて生きたいという願い 2この文脈では モーセの律法が完全な基準である 3 聖い生活への渇望 Ⅴ. 責任転嫁からの脱却 あわれみ深い者は幸いです その人たちはあわれみを受けるから (7 節 ) (1) 自分に厳しく 他者にやさしい人 1 他者の必要に敏感に答える人 ( 例話 ) 罪を犯した直後のアダムとエバ (2) 詩 18:25 あなたは 恵み深い者には 恵み深く 全き者には 全くあられ (3) 箴 11:17 いつくしみある者はおのれ自身に益を得 残忍な者はおのれの身をそこなう ( 口語訳 ) Ⅵ. 信仰の結果 心のきよい者は幸いです その人たちは神を見るから (8 節 ) (1) これこそ 信仰による救いの結果である 1 魂の奥底に真理が宿っている (2) 正しい動機で行動を起こしている 1 神に喜ばれる行為を行っている 2 これは パリサイ人の義と大いに異なる点である (3) 神を見る 1 イエスが神であることを認識する 4

2 神を実感として感じることができるようになる (4) 詩 24:3~5 だれが 主 の山に登りえようか だれが その聖なる所に立ちえようか 手がきよく 心がきよらかな者 そのたましいをむなしいことに向けず 欺き誓わなかった人 その人は 主 から祝福を受け その救いの神から義を受ける Ⅶ. キリストの紹介 平和をつくる者は幸いです その人たちは神の子どもと呼ばれるから (9 節 ) (1) 政治的平和とは無関係の箇所である (2) キリストを伝達する人 (3) 信者同志の間に平和をつくる人 Ⅷ. 迫害 義のために迫害されている者は幸いです 天の御国はその人たちのものだから わたしのために人々があなたがたをののしり 迫害し ありもしないことで悪口を浴びせるとき あなたがたは幸いです 喜びなさい 喜びおどりなさい 天ではあなたがたの報いは大きいから あなたがたより前にいた預言者たちを 人々はそのように迫害したのです (10~12 節 ) (1) 常に神の基準によって生きている人 1たとえ迫害が来ても 生き方を曲げない (2) イエスをメシアと信じたユダヤ人にとっては 迫害は現実的なことであった (3)2 テモ 3:12 確かに キリスト イエスにあって敬虔に生きようと願う者はみな 迫害を受けま す 結論 : 1. 八福の教えは 信仰による義を得た者の特徴を示している 5

(1) と同時に 信仰者が生きるべき目標を示している 2. 八福の教えを実行することによって 義とされるのではない (1) いかなる律法を行ったとしても それによって義とされることはない 3. では そのようにして八福の教えを実行することができるのか (1) 悲劇的信仰者の姿 1 最大の悲劇は 律法を行うことによって聖化を達成しようとすること 2この理解は クリスチャン生活を律法主義的生活に追い込む (2) ロマ書 7 章クリスチャンとロマ書 8 章クリスチャンの違い 1 前者は 自分で自分に重荷を課している 2その人が苦しむのは 自然の成り行きである 3 後者は 聖霊の導きで歩む 4その結果として 祝福と平安が与えられる (3) ロマ 8:3~4 肉によって無力になったため 律法にはできなくなっていることを 神はしてくださいました 神はご自分の御子を 罪のために 罪深い肉と同じような形でお遣わしになり 肉において罪を処罰されたのです それは 肉に従って歩まず 御霊に従って歩む私たちの中に 律法の要求が全うされるためなのです 1キリストを信じた瞬間 私たちは罪に対して死に 解放された 2その結果 御霊に従って歩む自由が与えられた 3 御霊に従って歩むなら 結果的に律法の要求が全うされる 4これが聖化である 5すべての鍵は 位置的真理 を思い出すことである (4) 昇天のイエスは 大祭司として執りなしをしておられる 6