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他の章は下記をクリックして PDF 一覧からお入り下さい IT ライブラリー (pdf 100 冊 ) http://itlib1.sakura.ne.jp/ 目次番号 100 番 Google Apps と Office 365 の違いにつきまして 全 5 冊 500 ページ 33

SLA における比較 4

一般的なクラウドサービスでは 責任のあり方を SLA( サービスレベル契約 ) という形で規定しており その内容は サービスによってさまざまで 適用するトラブルの範囲や可用性の定義 一定のレベルを下回ったときの保証項目などに違いがあります トラブルによる業務停止は どのような業態の企業によっても避けるべきことに違いはありませんが 万がーの場合に どのような内容に従って保証が受けられるかは サービス選びの基準として事前に考慮しておく必要があります 5

たとえば SLA の対象がどのようになっているのかは サービスによって考え方が異なる場合があります Office365 では すべてのサービスを SLA の対象として包括的なものとして定義していますが Google Apps では新機能を事前に試すことができるベータテストを SLA の対象外としています 6

正式なサービスではない以上 SLA の対象外であることは明らかですが 便利な機能の場合 SLA を考慮せずに利用してしまうユーザーも少なくありません 自己責任の領域がサービスに含まれていることは ユーザーとして注意しておく必要があります 7

また Office365 では SLA で定義された稼働率を下回った場合に 規定されたサービス利用料金に相当する金銭が返金されますが Google APPS では 基本的にサービスクレジットとして サービス期間終了後に無償で追加されるサービス日数として提供されます ( 毎月の請求プランの場合のみ金銭で精算可能 ) このほか サービスの動作状況 ( 正常性 ) について 管理用画面から確認できるかどうかもサービスによって違いがあります 8

トラブルの切り分けが容易か 万がーの場合にどのような保証が受けられるのかをしっかりと確認しておく必要があります 9

SLAの対象となる機能および条件 稼働状況の確認方法 Google Apps サービス対象 Gmail Google カレンダー Google トーク Google ドライブとドキュメント Google グルーブ Google サイト Google Apps Vault 10

月間稼働率と返金率 99.9% 未満 3 日分 99% 未満 7 日分 95% 未満 15 日分 稼動状況 ステータスダッシュボード 11

12

Office365 サービス対象 Bing Maps Enterprise Platform Bing Maps Mobile Asset Management Duet Enterprise Online Dynamics CRM Online Exchange Online Archiving Exchange Online Exchange Online Protection Lync Online Office Web アプリケーション Project Online SharePoint Online Translator API Windows Azure Active Directory Rights Management Yammer Enterprise 13

月間稼働率と返金率 99.9% 未満 25% 99% 未満 50% 95% 未満 100% 稼動状況 管理者でサインインしたホーム画面 14

15

ロードマップにおける比較 16

常に革新を求めて進化を続ける Google では スビートが重視されており 開発途中のべータ版サービスをユーザーに提供する機会が多く そのサービスの本サービス化や廃止も 1 週間程度の短期間で決定されるケースが多いです ユーザーは結果的に 他には存在しない革新的なサービスを常に使い続けることができますが 自社で採用したいと考えていたベータ版サービスが廃止になるケースやサービス改善のために操作性が変更されることに対して 常に対応するための準備が欠かせないことになります 17

一方 Office365 は Google Apps のようなスピード感はないものの 重要な変更については 12 ケ月前に通知されるなど サーヒスの変更について ユーザーに十分な対応期間が与えられるケースが多いです 導入後に どのようにサービスを維持していくか サービスの変化にどこまで追従できるか 自社の意志決定や展開のスビード感なども考慮しながら 利用するサービスを選定すべきだと思います 18

19

社内への展開 導入の計画に閲わるチェックポイント Google Apps 優位な点 1 最新の機能を常に利用できる 2 ユーザーインターフェイスが迅速に改善される 20

検討すべき点 Google Apps 1 新機能のロードマップが明らかでない 2 機能によっては廃止される可能性がある 3 新機能より リリースは 1 週間前と期間が短い 21

Office365 優位な点 1 突然の変更に対する対応やコストがかからない 2 定期的な更新に加え要な変更は 12 力月前に通知される 3 ロードマップが公開されている 22

23

検討すべき点 Office365 1 将来導入される機能のテスト機会が多くはない 2 大規模な機能の改善に時間がかかる場合がある 24

サボート面における比較 25

サービスの停止や動作に問題が発生した際に どのような対処が期待できるのかもクラウドベースのグループウェアを選ぶ重要な基準となる 特に 社内のまとめ役となる管理担当者が 重大なトラブルに関して どのような方法で連絡することができ どのような対応をしてもらえるのかは 事前にしっかりと確認しておくことが重要です 26

Google Apps Office365 ともに サボートへの連絡方法としてさまざまな窓口が用意されています エンドユーザー向けにハウツーやよくある質問なとのコンテンツを用意したり ユーザー同士のコミュニケーションによるトラブルシューティングの場が用意されるほか メールでの問い合わせや電話でのやり取りを行なうことも可能です 27

ただし 利用方法はトラブルの重要度などによって区別されており Office365 では 使い方や簡単な障害についてはヘルプおよびコミュニティの参照や検索 トラブルシューティングの利用が推奨されています より複雑なトラブルについては Web 上のフォームからサービスリクエストを送信することができ サービスが利用できないなどの重大なトラブルの場合は VirtualChat と呼ばれる質問に自動回答するシステムを利用したり 直接 電話をかけることで その場で 24 時間の対応を受けることができます 28

一方 Google Apps も 軽微なトラブルに関しては ハウツーやよくある質問などを参照し 重大なトラプルに関してはメールや電話でのサポートを受けることができますが この際 Google Apps 技術サボートサービスガイドライン というガイドラインに沿った形で対応が分けられます Google では 顧客からのりクエストに優先度を設定することで 対応の時間や返答方法が区別されます 29

たとえば 優先度 1( 重大な影響 ) のトラブルについては 年中無休で 1 時間以内を目標に一次回答を返信するといった形態となります 必ずしも自社のリクエストが優先的に処理されるわけでなく トラブルが重大かどうかによって対応が変わることがある点は注意しておく必要があります 30

拡張性における比較 31

Office365 のユーザーやライセンス 認証などの機能は Windows Azure Active Directory として API が公開されており Windows Azure 上に展開したディレクトリサービスや自社内に設置した AD サーバーと連携させることも可能となっています また 業界標準のブロトコルや豊富に用意された外部連携用の API を活用することが可能なため 古くから自社内に設置して使い続けている業務システムと連携させたり CRM や ERP などの他社のクラウドサービスと Office365 の各種サービスを連携させることなども可能となっています 32

こう言った他のシステムとの連携においてもビジネス ニーズを基盤に開発して来た Office365 のほうが 個人向けに発達してきた Google Apps より優れていると思います 33

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Microsoft Office 2013 と並列で動作する Office 365 ProPlus 38

具体的な移行面における比較 39

クラウド型のグループウエアを導入する際 最も考慮する必要があるのは やはり既存システムからの移行です メールやカレンダー ドキュメント共有など 企業規模やニーズによって導入している機能に違いはあるものの これらの機能で利用している情報が Google Apps や Office365 の導入後も 問題なく使えるかどうかは非常に重要な問題です 40

特にメールに関しては 普段の業務と密接に関係しているだけに いかに手間なく そしてサービスを止めることなく短期間 かつシームレスに移行できるかどうかが重要です このようなニーズに対して Google Apps Office365 の両者ともに 規模と機能に応じたさまざまなソリューションを用意しています 41

10 名前後の小規模な環境のホスティングメールからの移行はもちろんのこと 1 より多くのアカウントを手間なく移行するためのディレクトリー同期 2 パスワード管理の煩雑さをなくすためのシングルサインオン構成 3 さらにローカルとクラウドのハイブリッド構成など 規模や利用形態のサービスごとに 既存システムから移行するためのさまざまなしくみが用意されています 42

どのような場合に どの方法を利用すればいいのかを検討しつつ Google Apps Office365 の特微や違いをケースごとにご説明します 43

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数百名以上の大規模な環境での移行はディレクトリー同期 +SSO で移行 45

ユーザー数が数百名を超えるような大規模な環境では どのような移行となるのだろうか? 基本的な考え方は 中規模な環境と同様にディレケトリー同期ツールを利用して Active Directory などから Google Apps や Office365 にユーザーを移行することになりますが 同時にシングルサインオン (SSO) の環境を整備しておくとがベターです 46

SSO の環境を構築すれば 認証はローカルの Active Directory で行うことができるため ローカルで利用しているアカウントをそのまま使ってクラウドサービスにサインインすることができます 方法としては Google Apps Office365 ともに Active Directory フェデレーションサービス 2.0 (ADFS2.0) を利用するのが一般的ですが 設定手順はそれぞれ異なる Office365 では ディレクトリー同期を含め 環境の構築に役立つ自習書などのドキュメントが充実しているので参考にするといいと思います 47

SSO が必要な大規模な環境の場合 作業を外部に委託する場合が多いですが テスト環境の構築や自力で移行する際には参考になります なお 両者ともパスワードの同期などを含めたより高度な同期やシングルサインオン環境を構築できるサードパーティ製の有料ツールが存在しますので これらの利用も検討する価値があると思います 48

シングルサインオンの構成例 ADFS サーバーを用意することで クラウドサービスの認証をローカルの Aclive Directory と連携させることができます 49

同期 OR AD FS 2.0 同一 ID/PW ユーザー情報 ユーザー Active Directory ディレクトリー 同期ツール 50

Google Apps ディレクトリー伺期による Google Apps へのアカウントと登録 ADFS サーバーの準備 ( インストール / サーバー証明書 ) Google Apps でのシングルサインオン設定 ADFS の設定 Google Apps の信頼 Active Directory へのメールアドレスのマッピング 51

移行のポイント Google Apps 設定手順を複数の場所で実行する必要がある シングルサインオン用のサードパーティ製ツール ( 有料 ) が数多く存在する 52

Office365 ディレクトリー同期による Office365 へのアカウント登録 ADFS サーバーの準備インストール / サーバー証明書 フェデレーション環境のセットアップ コマンド実行 53

移行のポイント Office365 PowerShell コマンドレットを使ったシンプルな設定 ローカルの Exhange を併用するハイブリッド環境も実現可能 シングルサインオン用のサードパーティ製ツール ( 有料 ) も利用できる 54

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Office365 は加えて プレミアサボートなどの有料サポートも提供されています また どちらもフォーラムなどでのコミュニケーションが活発なため 身近な疑問に関してはフォーラムなどで解決することが可能です 環境構築や技術などの理解に役立つドキュメントについては どちらも充実しているものの Google Apps は英文のまま掲載されているケースが多く見られれます 56

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Exchange Server からのデータ移行における比較 59

規模に関係なくメールや連絡先などのデータをローカルからクラウドに移行しなければならない場合もあります このような場合でも Google Apps Office365 のいずれもデータ移行に利用可能な各種ツールを用意しているため 此較的容易に移行することができます 60

たとえば ローカルに設置してある Exchanae サーバーからの移行の場合 Office365 では Exchange Server に接続するための設定を施した後に Office365 側から移行用のプログラムを起動することで ローカルのデータをウラウドへと移行することができます また ユーザーのバソコンに保存されている Exchange のデータファイルを探索してサーバーに吸い上げる無償ツールもあります 61

Google Apps も同様に Google Apps Migration for Microsoft Exchange をローカルにインストールすることで Exchange のデータをクラウドへ移行可能です ただし利用には条件もあります Office365 では 1000 以上のアカウント移行は Exchange 2010 以降でのみサポートされます Google Apps では バブリックフォルダーや 25MB 以上のメール 定期的な予定 グローバルアドレスリストなどが移行できません 62

Google Apps 登録 Exchange Google Apps Migration for Microsoft Exchange 63

移行のポイント 1 移行用サーバーに Outlook とユーザーリストの CSV ファイル必要 2PST ファイルを読み込み ユーザーごとに Google Apps へ移行 3 移行できない情報に注意 64

コントロールパネルから移行プログラムを実行 データを移行 Outlook Anywhere を有効メールボックスへのアクセス許可 Exchange Office365 を承認済みドメインとして追加 65

移行のポイント ローカルに Exchange を残さずにクラウドに移行する場合は Office365 のコントロールバネルからの操作で移行が可能 ローカル環境と共存するハイブリッド移行も可能 ( ディレクトリー同期 &SSO を併用 ) 66

運用管理ツールにおける比較 67

管理業務を担う Web 画面 自前のサーバーを設置しなくて済むのがクラウドサービスの特徴とはいえ 普段の管理業務から完全に解放されるわけではありません 人事異動によるユーザーの登録や変更 利用サービスの割り当て 各種レボートの参照など 各種設定や管理業務は必要不可欠です 68

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そこで注目したいのが Google Apps や Office365 を日常的に運用していくための管理機能の完成度です まずは Google Apps ですが Google のコーポレートデザインを踏襲したシンプルな構成の管理画面が提供されています 管理者アカウントでサインインすると ダッシュボードと呼ばれるメイン画面が表示され ここからメール カレンダーなど 実際にユーザーに利用させるサービスを追加することができます Google Apps では Google Apps Marketplace やパートナーで提供されている有料 / 無料のサービスも追加することができますが これらの追加もダッシュボードから構成可能です 71

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一方 Office365 では 管理者としてサインインすると 管理者の概要 と呼ばれるガイドページからスタートします 管理者のタスクがステップごとに紹介されており はじめて利用する場合でも何をすればいいのかが わかりやすいです 管理用のショートカットも配置されているので 操作に慣れた管理者なら すぐに管理業務に取り掛かれます 73

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機能や役割の割り当て方法 組織形態や従業員の役割に合わせて柔軟な機能や権限が与えられるかどうかを比較してみました Google Apps では ユーザーごとに割り当てる機能を区別したいときは 下位組織を作成し 組織単位でユーザーと機能を構成する必要があります 77

Office365 では ユーザーが利用できる機能は サブスクリプション画面内で管理します ここでは 契約中のプランを割り当てたり 特定機能の利用を許可 制限したりということが 個別に設定できます 78

ユーザーの役割の割り当て方にも Google Apps と Office365 では異なる点があります Google Apps では ユーザーごとに 特権管理者 グループ管理者 ユーザー管理者 ヘルプデスク管理者 サービス管理者 など 管理者の役割を設定することが可能です たとえばユーザーの登録が可能なアカウントを作成するなど 特定の管理権限を持ったユーザーを作成できる管理画面にアクセスした際は 与えられた管理業務のみが表示されるようになっています 79

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一方 Office365 は もう少し複雑な管理が可能です ユーザーへの管理者の役割の設定機能は Google Apps と同様のものが備わっています これに加えて Exchange や SharePoint などのアプリケーションごとに さらに細かく管理権限を設定も可能です たとえば 監査目的で他のユーザーのメールボックスを検索できる権限を付与したり SharePoint でサイトごとに管理する権限を個別のユーザーに設定したりすることができます 81

これにより ユーザー部門で現場のりーダーをたてて アプリケーションの管理をやりたい場合や アプリケーションごとに管理部門が異なる場合にも対応できます Google Apps の方がシンプルですが 実際のビジネスシーンでは複数のユーザーで管理業務を分担したり グループごとの管理はそのグループの長に委譲したりするケースもあるため 柔軟な運用をしたい場合は Office365 の方が適していると言えます 82

Google Apps の管理画面 Google のサービスらしくシンプルなユーザーインターフェイスを採用しています サービスの全体的な管理権限をユーザーに委譲することも可能です 83

Office365 の管理画面 サービス全体の管理業務だけでなく サービスごとの管理権までも細かく設定可能です 使いこなすことができれば 組織内で管理作業を効率的に分担できます 84

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他の章は下記をクリックして PDF 一覧からお入り下さい IT ライブラリー (pdf 100 冊 ) http://itlib1.sakura.ne.jp/ 目次番号 100 番 Google Apps と Office 365 の違いにつきまして 全 5 冊 500 ページ 9090

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