2019年度事業計画書

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基本方針 IoT(Internet of Things) やビッグデータ 人工知能 (AI) 等の技術の進展により 産業構造や社会構造が大きく変わりつつあるなか IT エレクトロニクス産業は わが国の経済成長ならびに社会の高度化を支える基盤として 重要な役割を担っている 当協会は 世界に先駆け 高度

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2014 年度事業計画書 2014 年 3 月 25 日 一般社団法人日本テレワーク協会 1

< 基本方針 > 一般社団法人移住 交流推進機構 ( 以下 JOIN という ) は 地方に新しい生活や人生の可能性を求めて移住 交流を希望する方々への情報発信や そのニーズに応じた地域サービスを提供するシステムを普及することにより 都市から地方への移住 交流を推進し 人口減少社会における地方の振興

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

デジタル時代の新たな IT 政策の方向性について ~ デジタル時代に対応した 新たな社会システム への移行に向けて ~ 平成 30 年 12 月 19 日 高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部 官民データ活用推進戦略会議決定 1. 基本的な考え方 近年 デジタル技術やデジタル技術を活用したサービ

構成 1 第 1 章 IoT 時代の新たな地域資源 1. IoT 時代の新たな地域資源とその可能性 2. 新たな地域資源の活用に向けた基本的視点 第 2 章地域におけるオープンデータ ビッグデータ利活用の推進 1. 地域におけるオープンデータ利活用の現状と課題 2. 地域におけるビッグデータ利活用の

平成 29 年 4 月 12 日サイバーセキュリティタスクフォース IoT セキュリティ対策に関する提言 あらゆるものがインターネット等のネットワークに接続される IoT/AI 時代が到来し それらに対するサイバーセキュリティの確保は 安心安全な国民生活や 社会経済活動確保の観点から極めて重要な課題

女性の活躍促進や仕事と子育て等の両立支援に取り組む企業に対するインセンティブ付与等 役員 管理職等への女性の登用促進 М 字カーブ問題の解消には企業の取組が不可欠 このため 企業の自主的な取組について 経済的に支援する 経営上のメリットにつなぐ 外部から見えるようにし当該取組の市場評価を高めるよう政

平成 30 年 9 月 10 日修正 海外ベンチャー企業連携 案件組成イベント Global Connection 2018 募集要領 平成 30 年 7 月 10 日 IoT 推進ラボ 経済産業省 (IoT 推進ラボ事務局 : 一般財団法人日本情報経済社会推進協会 ) 0

学生確保の見通し及び申請者としての取組状況

平成 29 年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備 ( 我が国のデータ産業を巡る事業環境等に関する調査研究 ) 報告書概要版 平成 30 年 3 月 経済産業省 ( 委託先 : みずほ情報総研株式会社 )

により 都市の魅力や付加価値の向上を図り もって持続可能なグローバル都 市形成に寄与することを目的とする活動を 総合的 戦略的に展開すること とする (2) シティマネジメントの目標とする姿中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりという将来に向けた大規模プロジェクトの推進 並びに産業振興 都市観光 地

2018 年度事業計画書 Ⅰ 基本方針 1. 健康関連分野を取り巻く環境と直近の動向 健康医療分野が政府の日本再興戦略の重点分野に位置づけられ 健康 医療戦略が策定されるなど 予防や健康管理 生活支援サービスの充実 医療 介護技術の進化などにより 成長分野としてマーケットは大きく拡大することが期待さ

企業の人材確保支援 中小企業人材支援センターによる採用 定着支援や 障がい者の雇用促進 企業の成長を担うプロ人材の採用支援等により 大阪産業を支える中小企業の人材確保を支援する 大阪働き方改革支援センターの人材確保支援の機能を強化し 大阪人材確保推進会議と協働して製造 運輸 建設の 3 分野を中心に

制度見直しに関する主な方向性については 次の通り考えるものとする 1. ビッグデータ時代におけるパーソナルデータ利活用に向けた見直し 個人情報及びプライバシーの保護に配慮したパーソナルデータの利用 流通を促進するため 個人データを加工して個人が特定される可能性を低減したデータに関し 個人情報及びプラ

平成23年9月29日WG後修正

データ流通 活用に関する取組状況等 ο 官民データ活用推進基本法 ( 平成 28 年 12 月公布 施行 ) や データ流通環境整備検討会 AI IoT 時代におけるデータ活用 WG 中間とりまとめ ( 平成 29 年 3 月 ) 等を受け 総務省 / 経済産業省の 情報銀行の認定に係る指針 Ver

(2) 熟練技能者等の派遣による若年技能者等に対する実技指導ものづくりマイスター対象職種以外の職種で企業等から実技指導の要請を受けた場合 熟練技能者等を派遣し実施します (3) 学校単位の製作実演のイベント熟練技能者等を小中学校 訓練施設等へ派遣し 製作実演 ものづくり体験等を行う ものづくり体験教

JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

【日証協】マイナンバー利活用推進小委員会提出資料

参考資料 2 下請等中小企業の取引条件改善への取組について 平成 30 年 12 月中小企業庁

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

取組みの背景 これまでの流れ 平成 27 年 6 月 日本再興戦略 改訂 2015 の閣議決定 ( 訪日外国人からの 日本の Wi-Fi サービスは使い難い との声を受け ) 戦略市場創造プラン における新たに講ずべき具体的施策として 事業者の垣根を越えた認証手続きの簡素化 が盛り込まれる 平成 2

1) 3 層構造による進捗管理の仕組みを理解しているか 持続可能な開発に向けた意欲目標としての 17 のゴール より具体的な行動目標としての 169 のターゲット 達成度を計測する評価するインディケーターに基づく進捗管理 2) 目標の設定と管理 優先的に取り組む目標( マテリアリティ ) の設定のプ

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個人情報保護法の3年ごと見直しに向けて

2020 年に向けた社会全体の ICT 化推進に関する懇談会 の開催について 1 平成 26 年より 総務大臣の懇談会として 2020 年に向けた社会全体の ICT 化推進に関する懇談会 を開催 アクションプランに基づき 2020 年以降のレガシーを視野に入れつつ ICT 化に向けた施策を進めてきた

女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組指針について

第5回 国際的動向を踏まえたオープンサイエンスの推進に関する検討会 資料1-1

H28秋_24地方税財源

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2015 年度 ~2017 年度中期経営経営計画 14 中計 1. 当社が目指すもの企業理念と Vision E 2.11 中計 中計 (2nd STAGE / 2012~ 年度 ) の成果 - Vision E における 11 中計の位置づけと成果 - 1

が実現することにより 利用希望者は認証連携でひもづけられた無料 Wi-Fi スポットについて複数回の利用登録手続が不要となり 利用者の負担軽減と利便性の向上が図られる 出典 : ICT 懇談会幹事会 ( 第 4 回 )( 平成 27(2015) 年 4 月 24 日 ) 2. 現状 日本政府観光局

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4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な

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市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

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新設 拡充又は延長を必要とする理地方公共団体の実施する一定の地方創生事業に対して企業が寄附を行うことを促すことにより 地方創生に取り組む地方を応援することを目的とする ⑴ 政策目的 ⑵ 施策の必要性 少子高齢化に歯止めをかけ 地域の人口減少と地域経済の縮小を克服するため 国及び地方公共団体は まち

【課題1】海外の企業・人材が東京でビジネスをしやすい環境づくり~【参考】民間によるビジネス交流拠点の例

資料 5 総務省提出資料 平成 30 年 12 月 21 日 総務省情報流通行政局

一般社団法人送電線建設技術研究会関西支部社会保険等の加入促進計画 1. はじめに 平成 27 年 4 月 24 日制定 建設産業においては 健康保険 厚生年金保険及び雇用保険 ( 以下 社会保険等 という ) の 1 法定福利費を適正に負担しない企業が存在し 技能労働者の医療 年金など いざというと

目次 要旨 1 Ⅰ. 通信 放送業界 3 1. 放送業界の歩み (1) 年表 3 (2) これまでの主なケーブルテレビの制度に関する改正状況 4 2. 通信 放送業界における環境変化とケーブルテレビの位置づけ (1) コンテンツ視聴環境の多様化 5 (2) 通信 放送業界の業績動向 6 (3) 国民

02 IT 導入のメリットと手順 第 1 章で見てきたように IT 技術は進展していますが ノウハウのある人材の不足やコスト負担など IT 導入に向けたハードルは依然として高く IT 導入はなかなか進んでいないようです 2016 年版中小企業白書では IT 投資の効果を分析していますので 第 2 章

寄附文化の醸成に係る施策の実施状況 ( 平成 26 年度に講じた施策 ) 別紙 1 < 法律 制度改正 > 総務省 ふるさと納税の制度拡充 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 学校法人等への個人寄附に係る税額控除の要件の緩和 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 特例控除の上限の引上げ

挨拶 本協会会長 稲野和利

CSR(企業の社会的責任)に関するアンケート調査結果《概要版》

資料3

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子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

主な論点 資料 4 1. ワーク ライフ バランスの推進 生産性向上等の観点から 働き方とともに休み方を見直すことの必要性 重要性 (1) 有給休暇取得状況と長時間労働の国際比較 (2) 休暇取得と生産性との関係 (3) 仕事と仕事以外の生活の充実 2. 秋の連休の大型化等を実現する上での課題 (1

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企画書タイトル - 企画書サブタイトル -

もっと女性が活躍できる建設業 推進パッケージ 建設業における女性活躍は 官民挙げた もっと女性が活躍できる建設業行動計画 ( 昨年 8 月策定 ) を受け 5 年以内に女性倍増 を目指して官民で様々な取組がスタート 昂じている機運を業界全体で持続 浸透させ取組を加速化するためには 地域ぐるみの活動の

資料 3 時代の要請を受けた 消費者保護の課題について 平成 31 年 4 月 経済産業省商務 サービスグループ 商取引監督課

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持続可能な自治会活動に向けた男女共同参画の推進について(概要)

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別添

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併せて 先進事例を統一的なフォーマットでデータベース化する また 意欲ある地域が先進的な取組みを行った人材に 目的に応じて容易に相談できるよう 内閣官房において 各省の人材システムを再点検し 総合的なコンシェルジュ機能を強化する 各種の既存施策に加え 当面 今通常国会に提出を予定している 都市再生法

新興国市場開拓事業平成 27 年度概算要求額 15.0 億円 (15.0 億円 ) うち優先課題推進枠 15.0 億円 通商政策局国際経済課 商務情報政策局生活文化創造産業課 /1750 事業の内容 事業の概要 目的 急速に拡大する世界市場を獲得するためには 対象となる国 地

2016年度 事業計画書(第一次補正)

ICT-ISACにおけるIoTセキュリティの取組について

一般社団法人電子情報技術産業協会 PROFILE

ANNUAL REPORT

5. 政治経済学部 ( 政治行政学科 経済経営学科 ) (1) 学部学科の特色政治経済学部は 政治 経済の各分野を広く俯瞰し 各分野における豊かな専門的知識 理論に裏打ちされた実学的 実践的視点を育成する ことを教育の目標としており 政治 経済の各分野を広く見渡す視点 そして 実践につながる知識理論

仮訳 日本と ASEAN 各国との二国間金融協力について 2013 年 5 月 3 日 ( 於 : インド デリー ) 日本は ASEAN+3 財務大臣 中央銀行総裁プロセスの下 チェンマイ イニシアティブやアジア債券市場育成イニシアティブ等の地域金融協力を推進してきました また 日本は中国や韓国を

Bカリキュラムモデル簡易版Ver.5.0

福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律 について <1. 特定復興再生拠点区域の復興及び再生を推進するための計画制度の創設 > 従来 帰還困難区域は 将来にわたって居住を制限することを原則とした区域 として設定 平成 29 年 5 月復興庁 地元からの要望や与党からの提言を踏まえ 1 帰還困難区

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平成 29 年 4 月 14 日 第 7 回参考資料 : 官民戦略プロジェクト 10 取組状況 首相官邸 平成 29 年 5 月 12 日 第 8 回資料 1:Society5.0で実現する新たな経済 社会システム~ 第 4 次産業革命推進に際しての戦略分野第 8 回資料 2: 日本の 人材力 の抜


貿易特化指数を用いた 日本の製造業の 国際競争力の推移

審査の品質管理において取り組むべき事項 ( 平成 27 年度 ) 平成 27 年 4 月 28 日 特許庁 特許 Ⅰ. 質の高い審査を実現するための方針 手続 体制の整備 審査の質を向上させるためには 審査体制の充実が欠かせません そこで 審査の効率性を考慮しつつ 主要国と遜色のない審査実施体制の確

まず ひと の暮らしを豊かにするために ものづくりとサービス デザインを組み合わせて新たな製品やサービスを創出するなど 地域の産業集積の強みを活かした中小企業によるイノベーションを促進することである また 環境 エネルギー 健康 医療 福祉 航空宇宙 ロボット等の分野において 異業種連携や新事業展開

スライド 1

2018年度事業報告書

スライド 1

システムの開発は 国内において 今後の普及拡大を視野に入れた安全性の検証等に係る研究開発が進められている 一方 海外展開については 海外の事業環境等は我が国と異なる場合が多く 相手国のユーザーニーズ 介護 医療事情 法令 規制等に合致したきめ細かい開発や保守 運用までも含めた一体的なサービスの提供が

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資料9

企業中小企(2) 所得拡大促進税制の見直し ( 案 ) 大大企業については 前年度比 以上の賃上げを行う企業に支援を重点化した上で 給与支給総額の前年度からの増加額への支援を拡充します ( 現行制度とあわせて 1) 中小企業については 現行制度を維持しつつ 前年度比 以上の賃上げを行う企業について

今年度も本部 支部との連携を強化し 高等学校を中心とした講師派遣を行い 自立した消費者の育成 支援を図ります また 設立当初より取り組んできた学校における消費者教育用テキストの作成及び講座で会得したスキルを活かし 児童 生徒 学生のみならず 教師や保護者等に対する消費者啓発も行っていく予定です (2

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評価項目 評価ポイント 所管部局コメント 評価 国際交流に関する情報の収集及び提供事業国際交流活動への住民の参加促進事業国際理解推進事業在住外国人に対する相談事業在住外国人に対する支援事業 安定 確実な施設運営管理 公正公平な施設使用許可や地域に出向いた活動に取り組むなど新たな利用者の増加に努め 利

第6回議論における補足資料

国立女性教育会館の機能と取り組み

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11

携帯電話の料金その他の提供条件に関する タスクフォース 取りまとめ 平成 27 年 12 月 16 日

中堅 中小企業等の海外展開支援 海外展開戦略等支援事業 59.9 億円 - 専門家による実務相談 海外戦略策定 販路開拓等の総合的支援を実施 中小企業 小規模事業者海外展開戦略支援事業 20.0 億円 - 国内外展示会 商談会等への出展等を支援 ふるさと名物応援事業 30.0 億円 - 農産品等を含

G7 ICT マルチステークホルダー会議からの成果を歓迎する 6. 我々は 2016 年 6 月 21 日から 23 日にかけてメキシコのカンクンで開催される イノベーション 成長及び社会の繁栄をテーマとした デジタル経済に関する OECD 閣僚級会合の成果に期待する 7. 我々は デジタル連結世界

Transcription:

2019 年度事業計画書 2019 年 5 月 29 日 一般社団法人電子情報技術産業協会

基本方針 IoT やビッグデータ 人工知能 (AI) 等の技術の進展により 産業構造や社会構造が大きく変わりつつある中 IT エレクトロニクス産業は わが国の経済成長ならびに社会の高度化を支える基盤として また あらゆる産業のつなぎ役として 重要な役割を担っている 当協会は Connected Industries 1 を通じた Society 5.0 2 の実現に向け ベンチャー 海外を含むあらゆる企業 産業と連携し 成長分野に関わる課題の検討や政府への提言 データ利活用の推進など 会員の新たな取り組みを促進するための活動にスピード感を持って取り組む また 会員の競争力強化のため 税制改正要望やグローバルなデータ流通促進等の事業環境整備に着実に取り組んでいく これらの事業を推進することにより 会員企業の更なる成長 ひいては わが国の経済 社会の発展と課題解決に貢献していく 1 様々なつながりにより新たな付加価値が創出される産業社会 例えば モノとモノがつながる (IoT) 人と機械 システムが協働 共創する 人と技術がつながり 人の知恵 創意をさらに引き出す 国境を越えて企業と企業がつながる 世代を超えて人と人がつながり 技能や知恵を継承する 生産者と消費者がつながり ものづくりだけでなく社会課題の解決を図ることにより付加価値が生まれる 2 必要なもの サービスを 必要な人に 必要な時に 必要なだけ提供し 社会の様々なニーズにきめ細かに対応でき あらゆる人が質の高いサービスを受けられ 年齢 性別 地域 言語といった様々な違いを乗り越え 活き活きと快適に暮らすことのできる社会 1

重点事業 当協会は Connected Industries を通じた Society 5.0 の推進を活動の指針とし 2019 年度は 重点事業として以下の活動を推進する 1. データの連携や利活用の推進 (1) 新たな市場創出に関する取り組み当業界は あらゆる産業における情報インフラを支え CPS/IoT ビジネスの中心的役割を担っており Society 5.0 の推進に貢献している このような背景を踏まえ データ利活用のメリットを積極的に活かした幅広い活動を通じ 社会課題解決への貢献と 当業界の事業領域の拡大に繋がる取り組みを推進し 関連するあらゆる産業との一層の連携を強化する 1 事業者間データ連携新市場創出に向け 情報インフラを支える当業界が中心となって データフォーマット 通信規格 標準化 セキュリティ / セーフティ対策 AI など データ連携に関する技術課題やプライバシーデータの取扱い 人材育成等について 事業者間連携を促進するために 各部会や社会課題解決型の共創プログラム等でユーザー企業も交えて 協調領域をまとめる 2 プロジェクト連携あらゆる産業との連携を視野に 会員企業だけでなく 非会員企業も含めたテーマ毎のプロジェクト化を進めるために 各部会や社会課題解決型の共創プログラム等で新事業を検討 推進する 3 政策連携関係省庁と連携し 各部会や社会課題解決型の共創プログラム等で進めた新市場創出に向けた政策提言 税制要望 事業連携を推進する 個人情報保護法や競争法等の領域において ビッグデータ活用とプライバシー保護の両立 データ利活用促進による個人のニーズに合った新たなサービス提供に向けたルール作りやセキュリティ確保 国内におけるオープンデータ活用の価値醸成等の共通課題の検討を行い 規制 制度改革要望など政府へ働きかける また プラットフォーマーに対する国際的な法適用の在り方とハーモナイゼーションについて検討し 政府とも連携して海外政府等に働きかける 2

(2) 新たな成長分野の市場把握とアピール Connected Industries を通じた Society 5.0 の実現に向けて重要となる新たな成長分野の社会への貢献度を指標化するため IT ソリューションサービスの利活用分野別統計の精度向上に努めるとともに 経年変化などの情報発信を強化する 併せて 会員企業と他産業 他分野企業との積極的交流による情報収集を図る 2. 地域におけるデジタル関連投資の促進政府の 生産性革命 を受け 中小企業をはじめ企業規模を問わず ものづくり企業や小売り 観光を含む非製造業などあらゆる産業 分野の企業に対して データ利活用した生産性向上を支援するため 政府 自治体 関係団体などとともにデジタル関連投資を促す 3. オープンコミュニケーションの推進 (1)CEATEC を通じた Society 5.0 時代に向けた日本の共創力の発信あらゆる産業 業種を網羅する Society 5.0 の総合展 として CEATEC を主催し 政府や関係団体 ベンチャー 海外との連携を通じた政策 産業 技術のつながり力および日本の IT エレクトロニクス業界の技術力やテクノロジーを活用したソリューション等を国内外へ発信する また 人 技術 情報が一同に会する場の実現に向け 出展誘致および来場誘致の推進 共創を発信する企画や IoT 人材の育成 確保に資する企画立案等に取り組む 加えて 更なる国際化に向け CEATEC の存在感を海外にも訴求する (2) ベンチャー企業との連携 CPS/IoT 社会実装の鍵となるベンチャー企業を支援するため JEITA ベンチャー賞への応募企業の拡充と推薦機関の拡大 連携 ベンチャー優遇特例制度による受賞企業の JEITA 事業への参画促進を図る また 会員企業と受賞企業との交流を促進するため ビジネスマッチングイベントの実施や JEITA 講演会等への招待を行う 加えて 会員企業と地域ベンチャーの交流の促進を図る (3) 人材育成の推進 Society5.0 の実現に不可欠な IoT 人材の育成を支援するために CEATEC の学生の来場者の増加を図るとともに CEATEC での IoT 関連カンファレンスや IoT 応用例の展示を活用する IT エレクトロニクス産業の人材確保においては 大学院 大学 高専向けの講演会 セミナー等を実施し 業界の魅力を発信する 中長期の視点からも当業界の魅力を伝えるため 大学への積極的な講師派遣 理数系 3

離れが懸念される小中高向けの出前授業の実施 2020 年よりプログラミング教育が導入される小学校に対するアルゴリズム学習ソフト等の教材の提供を行う また 電子部品業界の女性活躍推進と業界認知度向上や リカレント教育 標準化に関わる人材強化の観点からも 当産業の将来を担う人材を育成するための活動を行う 4. 会員各社の競争力強化 (1) 通商課題への対応会員の競争力強化の一環として 日米欧の産業界と連携して G7 G20 APEC WTO などでの働きかけや 半導体に関する政府 / 当局間会合 (GAMS) 世界半導体会議(WSC) での合意形成により デジタル分野の通商政策の推進 国際的なルールメーキングへの参画をより一層促進する 1 AI 5G 等をキーにグローバルなデータ流通促進グローバルなデータ流通とその活用は AI 5G 等の最先端分野の発展に不可欠であり 国境を越えたデータ利活用の自由化を図る 具体的には 日米欧の産業界と連携し 官民対話などを通じて G7 G20 におけるデジタル分野の自由化を支援する 活動に当たっては海外事務所との情報共有と連携を密にする 2 自由貿易協定や経済連携協定の早期締結支援東アジア地域包括的経済連携 (RCEP) WTO 電子商取引交渉等の早期締結を支援する (2) 各国規制 法制度 規格等への対応各国で顕著となっている自国優先主義に基づく市場歪曲的措置の拡大を阻止し 会員企業の競争力強化を図る 1 データ流通規制 サイバーセキュリティ法への対応中国 ベトナムなど各国における越境データ流通規制あるいはサイバーセキュリティ法制に対し 日米欧の官民連携により拙速な実施を食い止め事業への影響の軽減を図る 2 自国優先主義政策への対応米国国防権限法における輸出管理強化 特定企業の政府調達からの排除 投資規制 通商法 301 条に基づく関税措置などについて動向を注視し 事業の継続性が担保されるよう働きかけを行う 4

3 各国の製品含有化学物質規制への対応中国 欧州 中東地域等の化学物質規制に対し 会員企業の海外ビジネスを不当に阻害することのないよう 過度の規制について適切な措置を求めるべく 国内外の関連機関と緊密な連携をはかり ロビー活動を実施する 4 適合性評価 認証の国際調和安全 /EMC 等規格基準 認証の国際調和の対応強化に向けて 政府と連携し 新興国等の規制動向把握 施策提言 現地面談等を実施し 会員各社の国際競争力強化を目指す (3) 税制改正への対応デジタル関連投資を促進するための税制などデジタル時代における税制の在り方を検討する また 連結納税制度や税務関連手続きの電子化 簡素化など事務負担の軽減について政府に働きかける (4) 技術政策への対応 第 6 期科学技術基本計画 に向け 研究開発の在り方 技術政策 施策等について業界意見を提言書としてまとめ 技術戦略シンポジウムで広く情報発信する 日本政府の AI 戦略に対する業界意見の反映と海外への発信の支援を行う 具体的には 内閣府で検討されている 人間中心の AI 社会原則 (7 原則 ) 案 について G20 G7 を経て CEATEC を活用して海外への発信の支援を行う また AI に関するルール策定の動向を踏まえた標準化戦略を検討するとともに分野別標準開発における課題等について取り組む IoT の社会実装に伴い 個人利用から業務利用へと市場の拡大が期待されるウェアラブルエレクトロニクスや高齢化社会におけるヘルスケア等をはじめとする新規 既存分野の標準化活動を推進する 汎用機を含む IT 機器への私的録音録画補償金を回避し 真にクリエータへの対価還元を実現できるコンテンツ流通モデル ( 契約と技術 ) により 日本経済の成長に繋げられるよう政府関係機関に提言する 5. 社会的要請への対応 (1)IoT 時代を見据えた環境貢献 1 省エネ ソリューションモデルの普及啓発 Society5.0 につながる AI IoT を活用した省エネ ソリューションモデルの普及を図るべく エネルギーなどの削減貢献量の定量化や社会的課題克服への波及的効果等の分析を行う 5

2 IoT 時代のデータセンター等の包括的省エネ IoT 時代を迎え 大容量データの高度な解析への要求が高まることを受けて 機器とデータセンターの連携による包括的省エネを推進する 3 IoT による省エネ リノベーション ( 連携制御 ) 政府等と連携し グローバル市場やユーザー業界において IoT による全体最適 ( 需給双方向連携 ) が適用可能で 既存インフラの効率改善や省エネ貢献可能な 連携制御 技術の普及を図る (2) 適正取引の推進経済産業省が推進している下請取引の適正化をさらに進めるため JEITA が策定した 適正取引の推進とパートナーとの協創に向けた自主行動計画 に基づき 会員企業向け講習会の実施 ベストプラクティス事例の収集 公開 下請法遵守マニュアル の活用推奨等の啓発活動 人材育成の支援を行うとともに 中小企業庁 / 経済産業省が定める業種横断的なフォローアップ指針を踏まえ会員企業の取り組み状況のフォローアップを行う また 政府の下請取引適正化関連政策に関して 当業界として必要な検討 対応を電機電子関連団体と連携して行う (3) 働き方改革への対応働き方改革関連法の施行 (2019 年 4 月 ) を踏まえ ソリューションサービス分野において 残業労働時間の短縮やテレワーク比率の向上等働き方改革を推進するとともに 業界としての取組みにつきユーザーの理解 協力を得られるよう働きかけを行う 新たに創設される外国人受入れ制度について 電気 電子情報関連分野の特性を踏まえ 経済産業省との連携 関連協議会への参画を通じ 外国人材の適正な受入れに協力する (4) 安全 安心な暮らしへの対応社会環境の変化を踏まえ 製品の安全性確保 事故の未然防止 再発防止に資するため 消費者目線での製品安全の在り方を追求し IT エレクトロニクス業界全体の意識醸成を図るとともに 消費者の誤使用防止に向け幅広い安全啓発活動を展開する また 製品の IoT 化による製品安全の高度化と安全性確保に向けて 政府関係機関に協力し推進する (5)BCM(Business Continuity Management) への取り組み広く産業を支える業界として 事業の継続性確保に向けて 地震等の災害から製造設備の被害を軽減し 罹災からの早期復旧を図るため BCM 活動の周知 普及活動を行う 6

(6)CSR(Corporate Social Responsibility) に関する取り組み会員企業のサプライチェーンを主に対象とした当業界の CSR 意識向上のため OECD ILO と連携して普及啓発を行うと共に 会員企業が顧客から遵守を要請される企業行動規範に関して 企業行動規範の策定団体との対話を行う また 米国 EU 等における紛争鉱物資源等の規制に関して 会員企業の事業が円滑に進むよう 情報収集と課題解決に向けて取り組む (7) 放送 通信サービスの多様化へ向けた取り組み東京オリンピック パラリンピックの開催を見据え 政府や関係団体 放送事業者等と連携し 4K8K 放送の周知 啓発に取り組む また 放送や通信に関連した中長期的なビジネスの拡大に向け 5G など新たな通信インフラの活用による事業拡大の可能性検討や視聴関連データに係る有効活用の実現に向けた環境整備などを検討する 6. 情報発信強化の取り組み政策提案や委員会活動の成果および業界の取り組みなどに関する情報発信を強化することにより 業界のプレゼンス向上ならびに政策や国内外の関連産業との連携を加速させ わが国の経済 社会の発展と課題解決に貢献することを目指す 主催する展示会 (CEATEC InterBEE) や各種セミナー WEB や広報活動などを通して 社会全体に広く発信する 7. 会員増強および委員会活動活性化に向けた取り組み Connected Industries を通じた Society 5.0 の推進に向け JEITA として成長分野の取り込みに対応するため 新規会員の拡充による会員増強と委員会活動の活性化 会員の委員会への参画促進などに取り組む そのために部会 委員会活動の充実 CEATEC の活用 ベンチャー賞の実施 会員企業幹部との関係構築等を行うとともに 更なる組織再編の検討および 2020 年度からの新たな会費制度への速やかな移行に向けて適宜対応を図る 以上 7