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詳細レビュー US ホワイトペーパー翻訳版 要約 データの急激な増加を経験している大規模な IT 組織は ディスク ベースのバックアップ戦略とネットワーク効率に優れた DR( ディザスタ リカバリ ) 戦略を高いコスト パフォーマンスで導入することに苦心しています パフォーマンスと容量の拡張性を両立し 複数サイトの DR の柔軟性 エンド ツー エンドの容易なバックアップ管理を提供するデータ重複除外バックアップ テクノロジーは ユーザーに対して運用の効率化とコストの節約をもたらすことを重視しています このホワイト ペーパーでは エンタープライズ バックアップ アプリケーション向けの業界で最高のパフォーマンスを発揮するインライン重複除外バックアップ ストレージ システムである EMC Data Domain Global Deduplication Array (GDA) を紹介し また この GDA が拡張性の高いパフォーマンスと容量 強化された複数サイト ディザスタ リカバリ 容易なエンド ツー エンドのバックアップ管理をどのように提供するのかについて説明します 2010 年 4 月

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目次 エグゼクティブ サマリー...4 はじめに...5 対象読者... 5 Global Duplication Arrayの概要...5 バックアップのための拡張性のあるインライン重複除外バックアップ ストレージ... 7 拡張性のある柔軟な複数サイトのディザスタ リカバリ... 8 よりシンプルなエンドー ツー エンドのバックアップ管理... 9 グローバル重複除外テクノロジー...11 複数のコントローラへのインライン グローバル重複除外の分配... 11 パフォーマンスの拡張... 12 容量のバランシング... 13 拡張性の高いアーキテクチャ... 13 データ損失への復旧性... 14 一般的な導入シナリオ...14 DR 要件がある場合とない場合のデータセンター バックアップ... 14 数百のリモート サイト向けのDRソリューション... 16 複数の大規模データセンターのサイト間データ保護... 16 結論...17 詳細レビュー 3

エグゼクティブ サマリー これまでの 5 年間 IT 業界は積極的にバックアップ アーキテクチャの再設計に向かって移行してきました テープに代わるオペレーション リカバリ用の新しいベスト プラクティスは 重複除外バックアップ ストレージ システムにバックアップすることです これにより テープに関連するオペレーションの問題が解決されると同時に 急激なデータ増大をも効果的に処理することが可能になります さらに テープをトラック搬送することで災害対策する場合と比べて 重複除外されたデータの WAN ベースのレプリケーションを使用すると 分散したデータセンターにあるデータの自動保護が提供されます 仮想化がプライベート クラウドの実現に向かって進化するにつれ 重複除外バックアップ ストレージがバックアップとリカバリの標準的な代替手段になることが証明されていきます しかし 重複除外バックアップ ストレージ コントローラは まだ 最大規模のデータセンターをサポートするまで個別に拡張できるほど高速ではありません 個別システムのグループが使用される場合 ジョブは実行できますが 重複のチェックは単一システム内だけで行われます グローバル重複除外でより規模の大きな高速のシステムを作成するには グローバルな重複除外を維持しながら マルチ コントローラ システムを有効に活用できるアーキテクチャ上の拡張が必要です EMC Data Domain Global Deduplication Array(GDA) は SISL(Stream-Informed Segment Layout) Scaling Architecture の拡張機能によって有効になるマルチ コントローラの Data Domain システムです GDA によって EMC は複数の重複除外コントローラにわたって効率を拡張し データセンター バックアップ統合のために新しいレベルの効率化を促進するシステムを提供することによって 重複除外バックアップ ストレージにおけるリーダーシップの地位を拡大しています GDA は 他のマルチ コントローラ重複除外バックアップ ストレージ システムとは異なり 最小限のハードウェアで高速パフォーマンスを発揮するために最適化されています 他の競合ソリューションでは 効率のよくないディスク I/O や重複除外後処理によるものであり パフォーマンスとレプリケーションが予測不可能であったり 他の制限事項があるため 効率面での妥協があり 管理がかなり難しくなります Global Deduplication Array は次の機能を提供します バックアップのために拡張可能なインライン重複除外バックアップ ストレージ十分に大規模で高速な単一の重複除外システムがない場合 非常に大量のバックアップ データを収容するために複数のシステムを導入する必要があり これは 時間が経つにつれて全体的な重複除外の効率の悪さとリソース利用のアンバランスさを生み出す可能性があります しかし 既存のマルチ コントローラ重複除外システムは 簡単かつ効率的で拡張性の高いインライン重複除外システムを提供できていません EMC Data Domain Global Deduplication Array は 2 つのコントローラにわたる単一の重複除外バックアップ ストレージ プールを提供します GDA は 重複除外の効率や運用の効率化を妥協することなく拡張し また バックアップ アプリケーションに対して透過的にリソース利用の自動ロード バランスを行います 拡張性のある柔軟な複数サイトのディザスタ リカバリ保護対象のデータセンターの規模とリモート サイトの数が増えるにつれ テープ ベースの DR( ディザスタ リカバリ ) ソリューションを管理するための複雑さとコストが飛躍的に増大します 既存のネットワーク インフラストラクチャは帯域幅に制限があり 地理的に分散している組織では複雑なトポロジーとなる可能性があります これが 従来のレプリケーションを DR に使用することを 実用性のない非常にコストのかかるものにします GDA は 拡張性と信頼性があり 管理しやすい DR ソリューションを提供して EMC Data Domain Replicator software を使用する数百ものリモート サイトを持つ大規模企業データセンターの数ペタバイトのデータを保護できます 詳細レビュー 4

よりシンプルなエンドー ツー エンドのバックアップ管理 大規模なバックアップ環境では 多くの場合 バックアップ サーバ ソフトウェア ストレージ システムなど 複数のハードウェアとソフトウェアのコンポーネントがあり それがエンド ツー エンドのバックアップ管理 キャパシティ プランニング システム管理に負担をかけています ハードウェアとソフトウェアのコンポーネントを最小化して 緊密に統合されたエンド ツー エンドのバックアップ アプリケーションのためにソフトウェアを活用することは 運用の効率化にとって重要です マルチ コントローラの GDA は バックアップとレプリケーションのポリシーに単一の大規模なストレージ プールを提供するので これによってバックアップ ポリシーの管理オーバーヘッドが大幅に削減されます 他のマルチ コントローラ製品と比べると GDA で提供される限定された数のハードウェア コンポーネントは 他の Data Domain アプライアンスを導入して管理するのと同じくらい簡単です Data Domain システムは 高速インライン重複除外により ディスク ベースのバックアップ ディザスタ リカバリ リモート オフィス データの保護に変革をもたらしました 代表的な単一コントローラの Data Domain システムは 競合する他のほとんどのマルチ コントローラ システムよりも高速です 他の多くの競合システムとは異なり Data Domain システムは 現在保存されているすべてのデータに対して新しいすべてのデータをグローバルに重複除外します さらに グローバルな重複除外システムを生み出す複数のコントローラを使用する多くの競合製品は 複雑さを増加させています GDA の設計目標は 最もシンプルで最も拡張性のあるマルチ コントローラのグローバルな重複除外システムを生み出すために 最も柔軟なコンポーネントと管理ポイントを必要最小限の数だけで実装することでした はじめに このホワイト ペーパーでは (GDA) を紹介し 拡張性の高いパフォーマンスと容量 強化された複数サイトのディザスタ リカバリ 容易なエンド ツー エンドのバックアップ管理を GDA がどのように提供するかについて説明します このホワイト ペーパーを読んで頂くと EMC Data Domain Global Deduplication Array が 100 テラバイトを超えて最大数百テラバイトまでものデータを保護するデータセンターで 最も難しいバックアップ リカバリ DR の問題をどのように解決するのかがご理解頂けます この後のセクションでは 革新的な EMC グローバル重複除外テクノロジーを含む GDA のユニークな特徴を説明し また 大企業におけるマルチ コントローラのグローバル重複除外システムへの一般的な導入シナリオも説明します 対象読者 このホワイト ペーパーは Data Domain Global Deduplication Array の詳細に興味を持つ EMC のお客様 テクニカル コンサルタント パートナー EMC とパートナーのプロフェッショナル サービス コミュニティのメンバーを対象としています Global Duplication Array の概要 は エンタープライズ バックアップ アプリケーション向けの業界で最速のインライン重複除外バックアップ ストレージ システムです GDA は 2 つの EMC Data Domain DD880 コントローラにわたるバックアップ アプリケーションに単一のインライン重複除外バックアップ ストレージ プールを提供します 数テラバイトのデータセットがコントローラ間で動的かつ透過的にロード バランスされ 容量管理 パフォーマンス管理 バックアップ管理を効率化します 詳細レビュー 5

図 1:Global Deduplication Array Global Deduplication Array は バックアップ ソフトウェアと強固に組み合わされて 業界をリードするインライン重複除外パフォーマンス 2 つのコントローラ間の動的な負荷の分散 運用の効率化を可能にします Symantec バックアップ ソフトウェアとともに使用するために GDA は EMC Data Domain OpenStorage software によって有効になります GDA ソフトウェアは バックアップ サーバに重複除外処理の一部を分散します これによってバックアップ サーバの CPU 使用率が低下し ネットワーク負荷が削減され システムのスループット パフォーマンスが向上します 今後 GDA は同様の方法で EMC NetWorker もサポートする予定です 処理するデータが数百テラバイトにもなるバックアップ環境において 管理者は多くのバックアップ ポリシーを GDA のターゲットとして それらのポリシーによって保護されるすべてのデータに共通の重複除外バックアップ ストレージ プールを活用できます GDA は 同程度の Data Domain 単一コントローラ システムに比べて 約 50% 高速のバックアップ スループットと 100% 高速のリストア スループットにより 数百もの同時実行バックアップ ジョブを処理し 限定されたバックアップ ウィンドウへのプレッシャーをより少なくして より短期間でより多くのバックアップを実行可能にします GDA を有効にする革新的なグローバル重複除外テクノロジーは パフォーマンスや容量の管理のために複雑なバックアップ ポリシーやロード バランス ポリシーを再構成する必要性を最小限に抑えます それに従い 非常に大きなデータセットは 管理の効率化によって簡単に保護できる一方で 全体的な重複除外の効率を最大化して物理ストレージ設置面積を最小化します DDD Replicator software によって GDA は ディサスタ リカバリ リモート オフィス バックアップ または複数サイトのテープ統合で使用する重複除外されたデータの WAN ( ワイド エリア ネットワーク ) ヴォールティングを自動化できます GDA は 小規模の Data Domain システムを使う数百ものリモート オフィスのレプリケーション統合をサポートできます サイト間の重複除外は WAN セグメント経由で転送されるが一意のデータだけとなるため 帯域幅要件をさらに抑えることが可能です 詳細レビュー 6

バックアップのための拡張性のあるインライン重複除外バックアップ ストレージ すべての世代の Data Domain システムは CPU 性能を活用した設計のため より大規模で高速になってきました 2004 年から 2009 年にかけて パフォーマンスでは 40 倍 容量では 60 倍に向上しています Data Domain の単一コントローラ システムは使い方がシンプルであり 多くの大規模データセンターにとってはジョブを実行するのに十分以上です ただし 大規模なマルチ コントローラ システムのほうが適切である場合もあります 独立した複数の重複除外システムにデータが分割されている場合 重複除外の効果が分散してしまうので ストレージ容量を削減する効果が限定されてしまいます また 時間が経つにつれ これらのシステムの使用は均等でなくなり バックアップ管理者はストレージ リソース利用のロード バランスを手動で行わざるを得なくなります GDA は 2 つの Data Domain コントローラの間に単一のグローバル重複除外バックアップ ストレージ プールを提供します コントローラにわたってインラインで重複除外している一方で GDA は最もハイエンドの Data Domain 単一コントローラ システムよりもさらにパフォーマンスと容量を拡張しながら コントローラにわたって処理をシームレスに分散させます グローバル重複除外 :GDA があると インライン グローバル重複除外は すべてのバックアップ サーバとレプリケーション ソースからシステムに送信されるすべてのバックアップ ジョブにわたって実施されます これは データが 2 つの Data Domain コントローラにわたって保存されていることを除けば 単一コントローラの Data Domain アプライアンスで使用されるのと同じ手法です 図 2: グローバル重複除外はすべてのバックアップ サーバとすべてのバックアップ ジョブにわたって実施される 重複除外されたデータはコントローラ間で効率よく分配される 容量の拡張 : 数百テラバイトのデータを持つ企業の場合 GDA は最大規模の単一コントローラである Data Domain システムの 2 倍のバックアップ データの容量を保存できます GDA は 複数のストレージ システムに分割できない非常に大きなバックアップを収容するのに十分な容量を提供し 多数のクライアントをサポートするために拡張して 数百ものバックアップ ジョブを同時に処理することができます また GDA は長期保存に必要な物理ストレージを大幅に削減することもできます 複数のコントローラにわたるグローバルなネームスペースによって GDA は使いやすい 1 つの大規模ストレージ プールをバックアップ アプリケーションに提供します 物理ストレージ容量は 1 つのコントローラに対して 1 つ 一度に 2 つの拡張シェルフを増加することで GDA に追加できます 限られたバックアップ ウィンドウ内で重要なすべてのバックアップを安全に完了し 高速リカバリのためにデータの十分なコピーを保存することは バックアップ環境の主な目標で 詳細レビュー 7

す そのため 保護するデータセットが大きくなればなるほど ターゲット バックアップ ストレージ システムがより高速で大規模になる必要が出てきます しかしながら システムが高速または大規模であるだけでは そのシステムが大規模企業のデータセンターの需要を満たせることにはなりません たとえば 高い取り込みスループットは システムが容量に対応できなかった場合には過剰な性能になります その反対に バックアップと重複除外の全体の処理速度が遅すぎる場合 システムは最後までその容量すべてを活用できることはありません 他の競合インライン重複除外システムとは異なり GDA は パフォーマンスと拡張性に正しいバランスを提供して 大規模な日次バックアップを実行し 主なデータセンターと DR サイトで十分なデータのコピーを保存するように設計されています スループットの拡張 :GDA は 業界で最速のインライン重複除外スループットを提供します これは 最速の単一コントローラ Data Domain システムよりも 50% 高速であり バックアップ ウィンドウを大幅に短縮したり 同じバックアップ ウィンドウ内でより多くのデータをバックアップすることができます GDA は両方のコントローラを有効に活用して この処理能力を利用してパフォーマンスを拡張し その一方でディスクの設置面積を最小限に抑えます 具体的には 2 つの方法が GDA のスループットを拡張します スループットを最大化するには より多くのバックアップ サーバに接続してより多くのバックアップ ジョブを同時に実行し バックアップ サーバでの分散セグメント処理を最大限に活用します ( グローバル重複除外テクノロジー セクションを参照) 同様に GDAは 両方のコントローラを使用すると 単一コントローラで達成できるものと比較して リストア パフォーマンスが比例して拡張し 災害からの大規模なデータセットのリカバリが短時間になります データの増加予測が難しいデータセンターでは 小さな単一コントローラの GDA から始めて 後で 2 番目のコントローラを追加するという柔軟性があり これによって 初期投資を保護しながら拡張を可能にできます 容量とパフォーマンスの透過的な自動ロード バランシング :GDA は バックアップ管理者に対してコントローラごとのバックアップ ポリシーのプロビジョンを要求せず また パフォーマンスと容量の管理のために個別のコントローラを監視することを要求しません バックアップ アプリケーションに透過的な GDA ソフトウェアは データを適切なコントローラに自動的に移動し コントローラ間のグローバルな重複除外効率を維持します その後 データはバックアップ サーバからコントローラに類似のデータとともに自動的に送信されます 時間が経過すると GDA は容量の使用率を監視し 標準の IP ベースのシステム接続経由でコントローラ間で重複除外されたデータを透過的に再バランシングします 同様に 単一コントローラの GDA にコントローラが追加された場合 拡張された容量のメリットを得るためにバックアップ ポリシーを変更する必要はありません GDA は両方のコントローラ間で容量の使用率を自動的にロード バランスします この柔軟な容量の拡張は 既存のバックアップ ポリシーを変更する必要がないことから バックアップ管理を大幅に削減します 拡張性のある柔軟な複数サイトのディザスタ リカバリ 数百テラバイトものデータが複数の場所に分散されている多くの大規模組織は Data Domain インライン重複除外システムを採用しています Data Domain Replicator software は ネットワーク効率に優れた DR のために使用され 複雑でテープ ベースのディザスタ リカバリからの移行を可能にしています Data Domain Replicator と高スループットの重複除外によって レプリケーションの設定と管理は容易になりました レプリケーションの開始や管理に必要な複雑な処理は一切存在せず 重複除外されて圧縮されたデータのみが WAN 経由で転送されるので 必要ネットワーク帯域幅は大きく削減されます それとは対照的に ポストプロセス型 重複除外バックアップ ストレージ システムは 重複除外を第 2 の手順として開始する前に ディスク上にデータをネイティブ形式で置いておきます これらのシス 詳細レビュー 8

テムではコスト パフォーマンスに優れたレプリケーションは 重複除外処理が終了した後でないと開始できません 導入実績が豊富な Data Domain Replicator software が利用することで GDA を ネットワーク効率に優れた信頼性と拡張性のあるレプリケーション ターゲットとして使用して 非常に大規模で分散されたバックアップ環境の厳格なネットワーク ベースのディザスタ リカバリ目標を満たすことができます GDA は 多くのリモート サイトと複数の大規模データセンターにレプリケーション トポロジーを提供することで最大の柔軟性を発揮します 最初のリリースでは Symantec NetBackup の最適化複製を使って GDA との間でレプリケートでき これによって Data Domain システム間のバックアップ イメージの複製を一元的に管理します 2010 年の後半には EMC NetWorker が同様のタイプのレプリケーション管理をサポートする予定です すべてのレプリケーション タイプに関する詳細については EMC Data Domain Replicator ホワイト ペーパーを参照してください Symantec NetBackup 最適化複製によって バックアップ管理者は NetBackup ポリシーを設定して GDA から別の Data Domain システムに個別のバックアップ イメージを選択的にレプリケートできます 従来のテープへの NetBackup ヴォールティングとは異なり データの複製を作成する時にバックアップ サーバからデータを読み取りません その代わりに NetBackup は データを保持している Data Domain ストレージ システムにデータの移動を委任し その後 高度に効率的なレプリケーションを使用してデータをオフサイトに移動できます NetBackup は ジョブのレプリケートを開始する時期を決定し 転送が完了したことを把握できます このアプローチを使用すると NetBackup は 送信先の Data Domain システムがバックアップ イメージのコピーを保持していることと それぞれのコピーを独立して管理できる保存期間を管理することができます GDA は高度に拡張性のあるディザスタ リカバリ ストレージ ソリューションを提供し 数百ものリモート サイトへの DR 統合を可能にします 統合機能が限定された競合製品とは異なり GDA は業界で最大のレプリケーション統合率を提供し サイト間データ重複除外を提供してリモート サイトからのデータを保護するために必要な WAN 帯域幅を削減します NetBackup Optimized Duplication 機能は さまざまなネットワーク帯域幅とトポロジーで構成された 高度に分散された組織に DR を実装するために使用できます 1 対 1 双方向 N 対 1 1 対 N 階層型の複製など 幅広いレプリケーション トポロジーをサポートします これらのトポロジーで Data Domain Replicator は サイト間重複除外も可能にします つまり レプリケーション トポロジーにユニークなセグメントを保存するシステムの数に関係なく そのユニークなセグメントが WAN を 1 回だけ転送されることを意味しています よりシンプルなエンドー ツー エンドのバックアップ管理 GDA は DD OpenStorage が単一コントローラの Data Domain システムで提供するのと同じ運用の効率化メリットを実現します これによって バックアップ アプリケーションは 各バックアップ ポリシーを個別の GDA コントローラに手動で設定することなく GDA をすべてのバックアップ ポリシーのターゲットとなる単一のグローバル ストレージ システムと見なすことができます バックアップ環境への GDA 統合はシームレスに行うことができ システムの拡張性とあいまって 複数システム導入に付随するその他の複雑さを排除します 多くの異機種のバックアップ サーバが導入され より多くのバックアップ ポリシーが作成されても 同一の Global Deduplication Array をターゲットにできるため 運用コストを大きく削減できます GDA は大規模な導入環境で重複除外バックアップ ストレージ システムの数を大幅に削減し それによって 追加の構成やバックアップ ポリシーの再構成などの全体の管理コストを削減します DD OpenStorage を使用すると バックアップ アプリケーションは 複数の Data Domain システムと GDA の間のデータのレプリケーションを制御して すべてのバックアップとその複製を追跡するための単一の管理ポイントをバックアップ管理者に提供できます よって 詳細レビュー 9

GDA は複数サイトのテープ統合戦略の鍵となる基本要素として構成されることになります GDA におけるリストア パフォーマンスの拡張性によって 数多くのリモート システムまたは大規模データセンター向けのテープの一元管理を伴う統合されたテープ操作が可能になり バックアップ環境の全体的な管理の複雑さがさらに削減されます 必要最小限の管理負担でバックアップ環境にシームレスに統合可能であるため 運用の効率化は Data Domain システムの根幹をなすものです すべての Data Domain システムと同様 GDA は複数の Data Domain システムを管理するための豊富な機能を備えたシンプルな Web ベースのアプリケーションである EMC Data Domain Enterprise Manager とともに出荷されます DD Enterprise Manager は GDA の単一システム ビューを提供するので ユーザーにとって特別な技術習得の必要性はありません これによって 中央のワークステーションから複数の Global Deduplication Array の管理ができ また システム内の個別のコントローラの稼働状態の情報が提供されるので 管理者は必要な部分の詳細まで知ることができます 一元的な管理は 最大の効率と ROI( 投資回収率 ) を推進するシステムの監視と制御を行うために必要な情報を管理者により多く提供します DD Enterprise Manager ダッシュボードは コントローラにわたるグローバル ビューと GDA 内の各コントローラの個別のビューを提供します ( 図 3) ダッシュボードの運用効率化によって管理コストが削減できます さらに DD Enterprise Manager を使用すると バックアップ アプリケーションの管理者は DD OpenStorage の機能を簡単で直感的に管理できます 管理者は シンプルなタスク ベースのウィザードを使うレプリケーションなど DD OpenStorage 固有の機能を簡単に構成できます 図 3:DD Enterprise Manager GUI は GDA ファイル システムの利用 システム ステータス 重複除外率のサマリー画面を提供する 管理者は DD Enterprise Manager の GUI ベースのインタフェースに加え SSH(Secure Shell) 経由の CLI( コマンド ライン インタフェース ) の包括的なセットによって Global Deduplication Array を管理することもできます CLI は初期システム構成とスクリプトによるその後の更新に活用できます SNMP による管理では 管理者が GDA システムと既存の SNMP 管理ツールを容易に統合できます シンプルなスクリプト機能と SNMP 管理によって 管理の柔軟性がさらに高まります すべての Data Domain システムには Autosupport と呼ばれる自動化されたメールでのシステム レポート機能が搭載されています この機能により EMC サポートおよび選択された管理者のリスト宛てに システム全体のステータスに関するカスタマイズ可能なメール通知が送信されます GDA は Autosupport メカニズムを活用かつ拡張して システム内のすべてのコントローラに統一の通知を提供し 管理者によるシステム運用 管理を容易にします 詳細レビュー 10

このアラートおよびデータ収集機能は管理者の介入を必要としないプロアクティブなサポートとサービスを可能にし 継続的な管理をさらに効率化します グローバル重複除外テクノロジー GDA は 他のすべての Data Domain システムを有効にする Data Domain SISL アーキテクチャをさらに発展させることで実装されています 拡張とコントローラ間の負荷のバランスをとりながら あらゆる動作に対して完成度が高く拡張性も優れた Data Domain テクノロジーが受け継がれています 複数のコントローラへのインライン グローバル重複除外の分配 GDA は 通常 1 つの Data Domain コントローラ内で実行されるインライン重複除外の処理を複数の処理ポイントに分割します バックアップ サーバに書き込まれたデータは Symantec OpenStorage などの組み合わせメカニズムを活用し バックアップ サーバに分散配置されたソフトウェア要素によって実行されます データ チャンクは バックアップ サーバ上で走査 分析された上で特定の GDA コントローラに送信されます その後 バックアップ サーバは選択した GDA コントローラとやり取りして チャンクの小さなセグメントのうちどれが新しくてどれが冗長であるかを セグメント フィンガープリントに基づいて判断します 新しいセグメントは圧縮されてコントローラに送信され コントローラはそれを自身のディスクに保存します GDA は バックアップ サーバに重複除外処理の一部を分散させます この機能は Data Domain OpenStorage プラグイン内の Symantec 製品で現在利用可能であり 2010 年の後半には EMC NetWorker でも利用可能になります 重複除外処理のこの分散はバックアップ アプリケーションに透過的です GDA ソフトウェアの分散要素は バックアップ サーバ上にデータの保存は行いません バックアップ サーバ上の重複処理分散要素は バックアップ イメージ データを平均で約 1 MB 以下の大きなチャンクに分割して そのチャンクをどのコントローラで保存するかを決定します これらのチャンクは コンテンツ パターンに基づいて確立されたもので 従来のブロックやファイル境界で整列されたものではありません ルーティングの決定はチャンク内のデータ構成に基づいており 類似のチャンクが常に同じデスティネーション コントローラに送信されることで 最適な重複除外とストレージ効率を確実に達成するようになります パターン マッチング分析機能は 洗練され Data Domain の研究開発部門で何年にも渡って改良されてきましたが その結果はチャンクをあるコントローラから別のコントローラに送信するというシンプルな方式になりました その結果 GDA は両方のコントローラ上で常に状態を監視する必要がなく それによってコントローラ間の通信は最小化され アプローチは効率化されて復旧性のあるものになりました このルーティングは より多くの容量の追加など システムのいかなる変化にも即座に対応します ルーティング機能は システムの利用度に応じて時間の経過とともに大幅に変化します 1 つのコントローラにあるデータがもう一方のコントローラにあるデータよりも多い場合 GDA は透過的かつ動的にデータの再バランシングを行います その後のチャンクは 新しいデスティネーションに自動的にルーティングされます チャンクのデスティネーション コントローラが決定されると 分散した GDA ソフトウェアは チャンクをより小さなセグメント (Data Domain の従来の 8 KB 以下 ) に分割して 各セグメントに対してフィンガープリントを計算します その後 選択されたデスティネーション コントローラのチャンクは どのセグメントがすでに保存されているかを判断し それからそのコントローラに保存するユニークなセグメントのみを圧縮して送信します このプロトコルは Data Domain Replicator software のディレクトリ レプリケーション プロトコルに由来するものなので 非常に完成度が高いものです 詳細レビュー 11

ローカル圧縮アルゴリズムは DD Enterprise Manager 経由で GDA 上で構成できます これによって ユーザーのデータセットを基にした最適の設定を選択する際の柔軟性がさらに提供されます デフォルトの設定は lz であり これは圧縮の設定の中でデフォルトの設定であり 圧縮フェーズでの CPU リソースの消費量が最も少ないものです 利用可能な設定としてはさらに gzfast と gz の 2 つがあり 実現可能な圧縮度合いと消費する CPU リソースの面ではどちらも lz よりも大きくなります 図 4: バックアップ サーバにセグメント処理を分散して複数のコントローラにわたってインライン重複除外を拡張する Data Domain グローバル重複除外アーキテクチャは 効率的に拡張しながら優れた重複除外を維持できます この独特のアーキテクチャによって グローバル重複除外はすべてのバックアップ サーバで実行され GDA にデータを送信し すべてのバックアップにわたって最適なストレージ効率を提供します パフォーマンスの拡張 インライン重複除外システムの書き込みパフォーマンスは データを保存する前に重複をどの程度速く発見 除外できるかによって判断されます グローバル重複除外ファイル システムは 複数のコントローラの処理能力を活かしてパフォーマンスを拡張します GDA は 同等の世代のコントローラの単一コントローラ システムよりも約 50% 高速のバックアップ スループットを提供することでこの拡張性を示します 図 4 に示すように バックアップ サーバ上のそれぞれのバックアップ ジョブは インテリジェントにチャンクに分割され その後 コントローラにルーティングされます また 読み取りがそれぞれのコントローラにディスパッチされるので GDA はリストア パフォーマンスも拡大します 各コントローラは個別に読み取りを処理します バックアップ サーバに重複除外処理を分散することによって バックアップのためのネットワーク トラフィックを最小化することもできます GDA ソフトウェアは ネットワーク 詳細レビュー 12

経由でユニークなデータのみを送信するので 必要なネットワーク帯域幅を 80~99% 削減します 容量のバランシング GDA は コントローラにわたって単一のストレージ プールを提供し 論理 ( システムに書き込まれた元々のデータ ) と物理 ( ストレージに保存される実際の重複除外データ ) の両方の容量バランスを調整します ストレージ プールの合計は システム コントローラ配下の物理容量の合計として提示されます チャンキングとルーティングのアルゴリズムは コントローラ間の重複除外を提供しながらデータを均等に分配するように設計されています コントローラ間で重複除外されたデータが利用するストレージの自動容量分散機能は バックアップ アプリケーションとバックアップ管理者にとって透過的に動作します この容量分散機能は 新しいコントローラが既存の単一コントローラ GDA に追加されるときに特に役に立ちます 容量分散機能がないと システムは最も新しいデータを新しく追加されたコントローラに送信することによって単純にストレージ容量を調整するので 新しいコントローラは即座にパフォーマンス ボトルネックになります 空いているコントローラにより多くのデータをルーティングすることは データが偏ってルーティングされることになるので アレイ全体の重複除外効率にも影響を与えます GDA は あるコントローラからもう一方のコントローラに重複除外されたデータのいくつかを再割り当てし 透過的に移行することでこの課題を解決します バックアップ サーバは 書き込まれたバックアップデータを 新しくバランシングされた情報に基づき 適切なコントローラにデータをルーティングします 拡張性の高いアーキテクチャ GDA は優れた拡張性をもつシステムであり リソース競合を起こさずにコントローラにわたって内部の処理すべてを強化します これは システムにおける運用を予測可能にし かつ 高速の処理を維持するために必要な要素と言えます 具体的に説明すると次のとおりです クリーニング スループットは 既に削除されたデータの領域を開放する作業を各コントローラ間で分散することで拡張されます これは 高い書き込みパフォーマンスを維持し 新しく利用可能な空き領域を管理するために必要です データのベリファイは 各データ チャンクの書き込み先コントローラへのデータの確認を分散して 各コントローラがデータを個別に並行してベリファイ動作が行えるように拡張されています コレクション レプリケーションは 同構成のシステム間で実行されます たとえば 2 つのコントローラのソース システムは 別の 2 つのコントローラのデスティネーション システムだけにレプリケート可能となります それぞれのソース コントローラのデータは デスティネーションのピア コントローラに並行してレプリケートされます データは独立してレプリケートされますが デスティネーション システムは常に受信済みのデータについてファイル システム レベルで一貫したビューを提示します Symantec OpenStorage の Optimized Duplication 機能は ソース システムでデータを読み取り デスティネーション システムでデータを書き込むために 双方のコントローラを活用してスケールします また GDA は同時実行の最適化重複除外ジョブを数百もの数に拡張します これによって リモート サイトにある多くの単一コントローラ システムからのデータをより大規模な GDA システム上に統合できるようになります 詳細レビュー 13

データ損失への復旧性 すべての Data Domain システムと同様 GDA は保護ストレージ つまり 最後の砦としてのストレージの役割を担います Data Domain システムの目標は バックアップ後にできるだけ早くエンド ツー エンドのデータ ベリファイと自動修復を確実にする一連の設計原則を適用することで ユーザー データを確実に保護することです SATA ドライブ上のビット反転などの障害に遭遇してしまうと データはそれ以降読み取り不可能になってしまうため Data Domain システムからのリストアは データ回復のための最終手段となるでしょう 既存の EMC Data Domain Data Invulnerability Architecture 要素のすべてを活用し 実証済みの Data Domain アーキテクチャを基に構築することで GDA は真のデータ復旧性に必要な基礎を備えます Data Invulnerability Architecture の詳細については EMC Data Domain Data Invulnerability Architecture ホワイト ペーパーを参照してください このアーキテクチャを拡張するため GDA は新しく複雑なデータ構造を使用せずに設計されています このようなシンプルな設計のおかげで ソフトウェア エラーによるデータ障害の可能性が激減しました GDA の両方のコントローラにわたってグローバルな重複除外が存在するにもかかわらず システムのすべてのコンポーネントの状態を一元的に追跡するために各コントローラによって更新する必要のあるグローバルなデータ構造を採用していません それぞれのコントローラは もう一方のコントローラがアクセスする必要のない独自のデータ構造を維持します これによって それぞれのコントローラは Data Invulnerability Architecture から単一コントローラの Data Domain 重複除外バックアップ ストレージ システムで何年もの使用ですでに実証されている同一のエンド ツー エンドのベリファイ ロジックを適用できます さらに それぞれのコントローラがエンド ツー エンドの確認機能を取り扱うので GDA でのデータ復旧性は コントローラがシステムに追加されるとそれにあわせて拡張され システム内のすべてのコントローラにわたる利用可能なリソースの利用を最大化します コントローラ間の通信を最小化し Data Invulnerability Architecture のプロセスを使用して GDA はすべての Data Domain システム内に構築された業界で実証済みのデータ保全の保護を活用することで データ復旧性をシンプルかつコスト パフォーマンスに優れた方法で提供します 一般的な導入シナリオ GDA の拡張性を様々な方法で活用し 次のような導入シナリオでの大規模なバックアップ環境構築と高度なディザスタ リカバリ戦略実現に対応できます DR がある場合とない場合のデータセンター バックアップ 数百のリモート サイト向けの DR ソリューション 複数の大規模データセンターのサイト間データ保護 DR 要件がある場合とない場合のデータセンター バックアップ 現在 限定されたバックアップ ウィンドウで数百テラバイトものデータを保護するために大規模なテープ ライブラリを使用しているデータセンターは プライマリ バックアップ ターゲットとして GDA を導入できます GDA は かつてないほどのパフォーマンスと拡張性を提供し 16 時間のバックアップ ウィンドウ内に 200 TB もの規模のバックアップ ポリシーを完了できます GDA は 複数のバックアップ サーバから同時にバックアップ データを取り込むことで エンタープライズ クラスのパフォーマンスを提供します ( 図 5 を参照 ) 詳細レビュー 14

図 5:DR 要件がない場合のデータセンター バックアップ 競合他社の重複除外バックアップ ストレージ システムとは異なり GDA は分散セグメント処理を活用して GDA に送信されるデータの量を削減し ネットワークの要件を最小限に抑えます 大規模企業環境では テープはオフサイト データ保護の主要なテクノロジーになっています データの DR に必要な時間を最小にしつつ かつ 大量のバックアップ データを保護するには ネットワーク効率に優れたレプリケーション テクノロジーと DR サイトでの拡張可能なターゲット システムが必要になります NetBackup OpenStorage の Optimized Duplication 機能と DD Replicator を使用すると GDA に保存されたバックアップ イメージは 図 6 に示すように WAN 経由でリモート DR サイトにある別の GDA( または他の任意の Data Domain システム ) に対して効率的にレプリケートできます 図 6:DR 要件がある場合のデータセンター バックアップ GDA を導入すると 限られた日次のレプリケーション ウィンドウ内で DR サイトにバックアップ イメージデータをレプリケートできます すべてのレプリケーション ポリシーは OpenStorage の Optimized Duplication 機能を使って NetBackup から一元的に管理されるため 管理オーバーヘッドが大幅に削減されます バックアップ イメージのリカバリに関しても NetBackup からも制御されます 図 6 では GDA がローカルのバックアップとリカバリ オペレーションに同時に使用できることに関連して レプリケーション ターゲットとして GDA を使用することの追加のメリットについてもご説明しています また GDA は既存のネットワークをサポートするために IP ネットワーク経由でデータをレプリケートする柔軟性も提供します 詳細レビュー 15

数百のリモート サイト向けの DR ソリューション 高度に分散された環境では すべてのリモート オフィスに独自のローカル バックアップ インフラストラクチャがあり それによって重要なデータの保護とリカバリが行われていることがあります 物理テープですべてのサイトの災害に対してデータを保護するには 非常に複雑でかつ費用がかかりすぎ また 柔軟に拡張することができません Data Domain システムでは それぞれのリモート サイトはローカルの Data Domain システムにデータをバックアップしてから NetBackup の Optimized Duplication 機能を使用して中央のデータセンターにあるターゲット GDA システムにそれらのバックアップ イメージをレプリケートできます 図 7: リモート サイト向けの DR ソリューション 図 7 は GDA が 数百テラバイトのデータがある数百ものリモート サイトを収容して DR 目的のためにデータ保護を行う理想的なレプリケーション ターゲットであることを示しています GDA は レプリケーション ターゲットとして業界で最大のレプリケーション統合における拡張性を提供します 最大の投資保護と最小のデータセンター設置面積のために GDA はプライマリ データセンターでローカル バックアップを保存するためにも使用できます 複数の大規模データセンターのサイト間データ保護 3 ヶ所以上の大規模データセンターのある企業は それぞれのデータセンターを保護する独立した DR サイトを持っていない可能性があります しかし 図 8 に示すように NetBackup OpenStorage の Optimized Duplication 機能と DD Replicator を使用すると それぞれの大規模データセンターは GDA を実装してローカル バックアップを保存し また 別のデータセンターにある 1 つのリモート GDA にレプリケートして それぞれの GDA を他の GDA の DR ターゲット システムにすることができます Optimized Duplication 機能によって GDA は双方向のレプリケーションをサポートし それぞれの GDA で同時に互いのコンテンツをレプリケートできます また NetBackup から一元的に管理されるレプリケーション ポリシーは バックアップがそれぞれの GDA に書き込まれると レプリケーションが自動的に開始されます 詳細レビュー 16

図 8: 複数の大規模データセンターのサイト間データ保護 GDA によって 複数のデータセンターのある大規模な組織は 投資を最大限に利用し 設置面積とエネルギー消費を最小限にして 既存のネットワーク インフラストラクチャを活用しながら 包括的で拡張性のあるコスト パフォーマンスに優れた DR ソリューションを実装することができます 結論 現在 自社のバックアップ アーキテクチャの再設計を行っている大規模な IT 組織は パフォーマンスと容量を拡張する重複除外バックアップ ストレージ システムを導入することに注目しています これらのシステムは ディザスタ リカバリと運用の効率化で妥協することなく 要求の厳しい自社のバックアップ ポリシーに対応する必要があります EMC Data Domain Global Deduplication Array(GDA) は 大企業のデータセンターのバックアップ リカバリ 柔軟な複数サイトのディザスタ リカバリに対して最適のパフォーマンス データ削減 運用の効率化を提供する 拡張性に優れたマルチ コントローラ インライン重複除外バックアップ ストレージ システムを提供します 市場で実証済みの Data Domain システム アーキテクチャの効率性と革新的なグローバル重複除外テクノロジーをベースにした GDA は バックアップとレプリケーションに単一の大規模ストレージ プールを提供して バックアップ ポリシー管理のオーバーヘッドを大幅に削減します 他のマルチ コントローラ システムと比べると GDA はパフォーマンスと拡張性の適切なバランスを提供し 大規模な日次バックアップを実施 プライマリ データセンターと DR サイトで十分なコピーを保持します また 大規模に分散されたバックアップ オペレーションのある組織に対しては GDA は レプリケーション ターゲットとして導入されたときに業界で最大のレプリケーション統合における拡張性を提供します 詳細レビュー 17