第 12 回こども急性疾患学公開講座 よくわかる突発性発疹症 その症状と対応 ~ 発熱受診患者解析結果を交えて ~ 神戸大学大学院医学研究科内科系講座小児科学分野 長坂美和子

Similar documents
pdf0_1ページ目

なくて 脳以外の場所で起きている感染が 例えばサイトカインやケモカイン 酸化ストレスなどによって間接的に脳の障害を起こすもの これにはインフルエンザ脳症やH HV-6による脳症などが含まれます 三つ目には 例えば感染の後 自己免疫によって起きてくる 感染後の自己免疫性の脳症 脳炎がありますが これは

pdf0_1ページ目

ヒトヘルペスウイルス群 (human herpesviruses) n HHV-1: 単純ヘルペスウイルス (herpes simplex virus: HSV) 1 型 n HHV-2:HSV 2 型 n HHV-3: 水痘帯状疱疹ウイルス (varicella zoster virus: VZV

2017 年 2 月 1 日放送 ウイルス性肺炎の現状と治療戦略 国立病院機構沖縄病院統括診療部長比嘉太はじめに肺炎は実地臨床でよく遭遇するコモンディジーズの一つであると同時に 死亡率も高い重要な疾患です 肺炎の原因となる病原体は数多くあり 極めて多様な病態を呈します ウイルス感染症の診断法の進歩に

肝臓の細胞が壊れるる感染があります 肝B 型慢性肝疾患とは? B 型慢性肝疾患は B 型肝炎ウイルスの感染が原因で起こる肝臓の病気です B 型肝炎ウイルスに感染すると ウイルスは肝臓の細胞で増殖します 増殖したウイルスを排除しようと体の免疫機能が働きますが ウイルスだけを狙うことができず 感染した肝

検査項目情報 水痘. 帯状ヘルペスウイルス抗体 IgG [EIA] [ 髄液 ] varicella-zoster virus, viral antibody IgG 連絡先 : 3764 基本情報 ( 標準コード (JLAC10) ) 基本情報 ( 診療報酬 ) 標準コード (JLAC10) 5F

検査項目情報 EBウイルスVCA 抗体 IgM [EIA] Epstein-Barr virus. viral capsid antigen, viral antibody IgM 連絡先 : 3764 基本情報 ( 標準コード (JLAC10) ) 基本情報 ( 診療報酬 ) 標準コード (JLA

pdf0_1ページ目

pdf0_1ページ目

pdf0_1ページ目

2017 年 3 月臨時増刊号 [No.165] 平成 28 年のトピックス 1 新たに報告された HIV 感染者 AIDS 患者を合わせた数は 464 件で 前年から 29 件増加した HIV 感染者は前年から 3 件 AIDS 患者は前年から 26 件増加した ( 図 -1) 2 HIV 感染者

糖尿病診療における早期からの厳格な血糖コントロールの重要性

10,000 L 30,000 50,000 L 30,000 50,000 L 図 1 白血球増加の主な初期対応 表 1 好中球増加 ( 好中球 >8,000/μL) の疾患 1 CML 2 / G CSF 太字は頻度の高い疾患 32

別紙 1 新型インフルエンザ (1) 定義新型インフルエンザウイルスの感染による感染症である (2) 臨床的特徴咳 鼻汁又は咽頭痛等の気道の炎症に伴う症状に加えて 高熱 (38 以上 ) 熱感 全身倦怠感などがみられる また 消化器症状 ( 下痢 嘔吐 ) を伴うこともある なお 国際的連携のもとに

Microsoft Word - 【要旨】_かぜ症候群の原因ウイルス

イルスが存在しており このウイルスの存在を確認することが診断につながります ウ イルス性発疹症 についての詳細は他稿を参照していただき 今回は 局所感染疾患 と 腫瘍性疾患 のウイルス感染検査と読み方について解説します 皮膚病変におけるウイルス感染検査 ( 図 2, 表 ) 表 皮膚病変におけるウイ

蚊を介した感染経路以外にも 性交渉によって男性から女性 男性から男性に感染したと思われる症例も報告されていますが 症例の大半は蚊の刺咬による感染例であり 性交渉による感染例は全体のうちの一部であると考えられています しかし 回復から 2 ヵ月経過した患者の精液からもジカウイルスが検出されたという報告

インフルエンザ(成人)

2)HBV の予防 (1)HBV ワクチンプログラム HBV のワクチンの接種歴がなく抗体価が低い職員は アレルギー等の接種するうえでの問題がない場合は HB ワクチンを接種することが推奨される HB ワクチンは 1 クールで 3 回 ( 初回 1 か月後 6 か月後 ) 接種する必要があり 病院の

Microsoft Word - 届出基準

サーバリックス の効果について 1 サーバリックス の接種対象者は 10 歳以上の女性です 2 サーバリックス は 臨床試験により 15~25 歳の女性に対する HPV 16 型と 18 型の感染や 前がん病変の発症を予防する効果が確認されています 10~15 歳の女児および

2015 年 8 月 27 日放送 第 78 回日本皮膚科学会東京支部学術大会 3 シンポジウム2 基調講演薬疹の最新動向と今後の展望 昭和大学皮膚科教授末木博彦 はじめに本日は薬疹の最新情報と今後の展望についてお話しさせていただきます 最初に薬疹の概念が変遷しボーダレス化が進んでいるというお話 続

<4D F736F F D2089BB8A7797C C B B835888E790AC8C7689E6>

学位論文要旨 牛白血病ウイルス感染牛における臨床免疫学的研究 - 細胞性免疫低下が及ぼす他の疾病発生について - C linical immunological studies on cows infected with bovine leukemia virus: Occurrence of ot

免疫学的検査 >> 5F. ウイルス感染症検査 >> 5F560. 検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 H 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( ピンク ) 血液 6 ml 血清 検体ラベル ( 単項目オーダー時

2017 年 8 月 9 日放送 結核診療における QFT-3G と T-SPOT 日本赤十字社長崎原爆諫早病院副院長福島喜代康はじめに 2015 年の本邦の新登録結核患者は 18,820 人で 前年より 1,335 人減少しました 新登録結核患者数も人口 10 万対 14.4 と減少傾向にあります


東邦大学学術リポジトリ タイトル別タイトル作成者 ( 著者 ) 公開者 Epstein Barr virus infection and var 1 in synovial tissues of rheumatoid 関節リウマチ滑膜組織における Epstein Barr ウイルス感染症と Epst

はじめに この 成人 T 細胞白血病リンパ腫 (ATLL) の治療日記 は を服用される患者さんが 服用状況 体調の変化 検査結果の経過などを記録するための冊子です は 催奇形性があり サリドマイドの同類薬です は 胎児 ( お腹の赤ちゃん ) に障害を起こす可能性があります 生まれてくる赤ちゃんに

Microsoft Word - ③中牟田誠先生.docx

2013 年 1 月 10 日放送 第 111 回日本皮膚科学会総会 10 教育講演 45-4 HSV 感染症 Up date( 性器ヘルペスを中心として ) 愛知医科大学皮膚科 教授渡辺大輔 はじめに単純ヘルペスウイルス (herpes simplex virus:hsv) は 皮膚 粘膜に初感染

検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( ピンク ) 血液 6 ml 血清 I 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 茶色 )

も 医療関連施設という集団の中での免疫の度合いを高めることを基本的な目標として 書かれています 医療関係者に対するワクチン接種の考え方 この後は 医療関係者に対するワクチン接種の基本的な考え方について ワクチン毎 に分けて述べていこうと思います 1)B 型肝炎ワクチンまず B 型肝炎ワクチンについて

2014 年 10 月 30 日放送 第 30 回日本臨床皮膚科医会② My favorite signs 9 ざらざらの皮膚 全身性溶血連鎖球菌感染症の皮膚症状 たじり皮膚科医院 院長 田尻 明彦 はじめに 全身性溶血連鎖球菌感染症は A 群β溶連菌が口蓋扁桃や皮膚に感染することにより 全 身にい

日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール

緑膿菌 Pseudomonas aeruginosa グラム陰性桿菌 ブドウ糖非発酵 緑色色素産生 水まわりなど生活環境中に広く常在 腸内に常在する人も30%くらい ペニシリンやセファゾリンなどの第一世代セフェム 薬に自然耐性 テトラサイクリン系やマクロライド系抗生物質など の抗菌薬にも耐性を示す傾

より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

Microsoft PowerPoint - 冨岡先生HP用スライド.pptx

実践!輸血ポケットマニュアル

染症であり ついで淋菌感染症となります 病状としては外尿道口からの排膿や排尿時痛を呈する尿道炎が最も多く 病名としてはクラミジア性尿道炎 淋菌性尿道炎となります また 淋菌もクラミジアも検出されない尿道炎 ( 非クラミジア性非淋菌性尿道炎とよびます ) が その次に頻度の高い疾患ということになります

クローン病 クローン病の患者さんサポート情報のご案内 ステラーラ を使用される患者さんへ クローン病に関する情報サイト IBD LIFE による クローン病治療について ステラーラ R を使用されているクローン病患者さん向けウェブサイトステラーラ.j

知っておきたい関節リウマチの検査 : 中央検査部医師松村洋子 そもそも 膠原病って何? 本来であれば自分を守ってくれるはずの免疫が 自分自身を攻撃するようになり 体のあちこちに炎 症を引き起こす病気の総称です 全身のあらゆる臓器に存在する血管や結合組織 ( 結合組織 : 体内の組織と組織 器官と器官

耐性菌届出基準

2015 年 11 月 5 日 乳酸菌発酵果汁飲料の継続摂取がアトピー性皮膚炎症状を改善 株式会社ヤクルト本社 ( 社長根岸孝成 ) では アトピー性皮膚炎患者を対象に 乳酸菌 ラクトバチルスプランタルム YIT 0132 ( 以下 乳酸菌 LP0132) を含む発酵果汁飲料 ( 以下 乳酸菌発酵果

汎発性膿疱性乾癬のうちインターロイキン 36 受容体拮抗因子欠損症の病態の解明と治療法の開発について ポイント 厚生労働省の難治性疾患克服事業における臨床調査研究対象疾患 指定難病の 1 つである汎発性膿疱性乾癬のうち 尋常性乾癬を併発しないものはインターロイキン 36 1 受容体拮抗因子欠損症 (

01-02(先-1)(別紙1-1)血清TARC迅速測定法を用いた重症薬疹の早期診断

検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 5. 免疫学的検査 >> 5G. 自己免疫関連検査 >> 5G010. 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( ピンク

Transcription:

第 12 回こども急性疾患学公開講座 2015.9.5 よくわかる突発性発疹症 その症状と対応 ~ 発熱受診患者解析結果を交えて ~ 神戸大学大学院医学研究科内科系講座小児科学分野 長坂美和子

こんな症状の経験はありますか? 生まれて初めての発熱! 機嫌はちょっと悪いけど比較的元気かな? でも高熱が続く 3 5 日でやっと熱が下がったと思ったらぶつぶつがでてきた! 突発性発疹症

突発性発疹症 典型的な経過としては 38~40 度の高熱が 3 5 日続き 解熱前後で全身に発疹が出現します ウイルス感染症の一つです 2~3 歳までにほとんどの児がこのウイルス感染症をおこします * 約 70~80% の児が突発性発疹症の症状を呈する * 約 20~40% は症状を認めない ( 不顕性感染 )

突発性発疹 ~ 原因はなに?~ 原因ウイルス : ヒトヘルペスウイルス 6B(HHV 6B) ヒトヘルペスウイルス 7(HHV 7) ウイルス 別名 初感染 潜伏感染 HHV 1 HSV1 ヘルペス性歯肉口内炎 口唇ヘルペス角膜ヘルペス HHV 2 HSV2 新生児ヘルペス 性器ヘルペス 性器ヘルペス HHV 3 VZV 水痘 帯状疱疹 HHV 4 EBV 伝染性単核球症 バーキットリンパ 腫 HHV 5 CMV 無症候性 先天性 CMV 感染症 間質性肺炎網膜炎など HHV 6A? 脳炎? HHV 6B 突発性発疹 脳症 移植後脳炎 熱性けいれん? HHV 7 突発性発疹 脳症? HHV 8 KSHV 血管炎? カポジ肉腫

突発性発疹 ~ 感染したらどうなるの?~ 初感染後に抗体ができ 成人のほぼ 100% がウイルスに対する免疫を保有しています 免疫の獲得 ただし HHV 6B と HHV 7 は別のウイルスですので突発性発疹症に 2 回かかることがあります ウイルスは初感染のあとに潜伏感染します 免疫力が低下した時などに再活性化することがあります 再活性化

突発性発疹症 ~ どこから感染するの?~ 経路経口感染飛沫感染接触感染 唾液を介して 咳やくしゃみ 皮膚や粘膜の直接的 手などを通じた間接的な接触 ウイルスは既感染の人の唾液に含まれるため家庭内での感染が多いと考えられています 感染力は弱いため保育園などで流行することは通常ありません

突発性発疹症 ~ どんな症状がでるの?~ 典型的な経過では発熱と解熱前後の発疹を認めます そのほかに認める症状としては * リンパ節腫脹 * 大泉門膨隆 * 熱性けいれん * 下痢 * 咳 鼻水などの感冒症状 まれに脳炎や脳症 肝炎 血小板減少性紫斑病などの重篤な合併症をきたすことがあります

突発性発疹症 ~ 熱性けいれんが起きたら?~ 手足をガクガクさせる発作をおこす事が多いです ( 通常は左右対称に起こります ) 2 3 分程度で自然におさまります 衣服をゆるめ呼吸が楽になる体勢をとりましょう 可能であれば持続時間や発作の様子を記録しておいてください けいれんがおさまったら意識の状態を確認しましょう すぐに止まった時には焦らず受診してください 5 分以上持続する場合 意識が戻らないときはただちに受診を 救急搬送を依頼してもかまいません

突発性発疹症 ~ 経過のまとめ ~ ときに熱性けいれんを起こす 唾液などを介した感染 発熱 38~40 度 発疹全身性の小さな赤色丘疹かゆみはない 潜伏期 10-14 日間 有熱期 3-5 日間 ウイルス血症 咳や鼻水下痢などの症状 発疹期 2-3 日間 まれに脳症 脳炎などの重篤な合併症 潜伏感染期成人の抗体保有率ほぼ 100% 唾液中にウイルスを排泄 再活性化移植後肝炎 脳炎など薬剤性過敏性症候群

突発性発疹症 ~ 対応は?~ 基本的には自然治癒します 特別な治療は必要ありません 発熱時と同じく全身の状態に注意して観察します 顔色が悪くないか? 意識状態はしっかりしているか? 水分摂取はできるか? おしっこはでているか? 意識状態が悪くなったり痙攣を認める場合には脳症などの重篤な合併症の可能性があります 速やかに小児科を受診してください

突発性発疹症 ~ 脳症について ~ 年間約 70~100 例ほどが報告されています 小児ではインフルエンザ脳症に続いて2 番目に多いです 脳症の代表的な経過 早発性けいれん ( 重積 ) 遅発性けいれん ( 群発 ) 約半数で後遺症を残す 四肢麻痺 片麻痺 意識障害 発熱 38~40 度 発疹 発語障害 精神発達遅延 てんかん発作

突発性発疹症 ~ 脳症を疑うとき ~ 痙攣重積や意識障害を伴います 治療としてはステロイドパルス療法 抗痙攣薬の投与 抗ウイルス薬の投与などが行われます 後遺症として てんかん発作や精神発達遅延などを起こすといわれており予後不良なこともあります 5 分以上持続するけいれんや意識障害を認めるときには速やかに病院を受診しましょう

突発性発疹症 ~ 病態解明の重要性 ~ 突発性発疹症は自然治癒しますが ときには脳症のような後遺症を残す合併症を発症することもあります ウイルスがどのようにヒトに感染するかを明らかにすることで脳症など重篤な合併症の発症を予測したり治療法を開発することができる可能性があります ウイルスの詳しい研究が重要となります

HHV 6B はどうやって細胞に感染するの? HHV 6Bは直径 200nmのウイルス 主にヒトのリンパ球に感染します ウイルスの細胞への侵入 ウイルス糖タンパク質 融合 受容体 結合 侵入 核 血液中へ ( ウイルス血症 ) 細胞質 細胞内で増殖

HHV 6B はどうやって細胞に感染するの? 神戸大学の研究チームが 受容体は CD134 である ということを明らかにしました ( 神戸大学臨床ウイルス学教室 ) HHV-6B gh gq2gq1 gl ウイルス糖タンパク質 ヒトのリンパ球に発現 ( 特に活性化されたリンパ球 ) 受容体 CD134 実際に HHV 6B 感染がある場合に増加しているか? 細胞質

こんなふうに研究しています 発熱で受診し採血をした患者さん検査後の残りの検体を使用します 白血球の一つである単核球を分離 抗体価を確認 CD134 ウイルスの DNA を調べることで HHV 6B の感染があるかを調べます CD134 が細胞表面に多く発現しているかを調べます 初感染か既感染かを判断

こんなふうに研究しています 発熱時の末梢血 :161 例 ( 全血 血清 血漿 ) 全血 :161 例末梢血単核球の分離 血清 血漿抗体価測定 :125 例サイトカイン測定 CD134 発現を調べる フローサイトメトリー :161 例 DNA 抽出 :161 例 ウイルス DNA を調べる PCR 法 :161 例 陰性 陽性 :24 例

これまでの研究結果 161 例中 24 例で HHV 6B 感染 ( 突発性発疹 ) と診断しました 症例の年齢分布 随伴症状 ( 人 ) 15 10 5 0 男児 女児 <5 か月 6 11 か月 1 歳 2 歳 3 歳 神経症状 36% 呼吸器症状 21% 発熱のみ 25% 消化器症状 18%

CD134 分子の発現は増加しているか? 症例 :2 か月男児 発熱初日に採血 予防接種後の発熱で受診 ウイルスDNA: 陽性 抗体価 : 上昇なし CD134 の発現増加あり しかし HHV 6B 感染を認めたほかの 23 例では CD134 分子の動きは認められませんでした

研究結果のまとめ 1 161 例中 24 例で HHV 6B 感染を認めました 初感染年齢のピークは 1 歳前後で 中には 5 か月未満 3 歳以上での初感染も認めました 熱性痙攣の合併が多かったですが これは痙攣の合併があると受診率があがるためと考えられます

研究結果のまとめ 2 CD134 分子の発現増加については 1 例で認めたのみでした 発熱期はウイルス血症を起こして体内でウイルスが増加しており すでに CD134 分子の発現は低下している可能性が考えられました 今後はサイトカインなどを解析し 初感染時に体に起こる反応も調べる予定です

本日のまとめ 突発性発疹症は 3 5 日続く高熱と解熱前後の発疹を特徴とするウイルス感染症です 乳幼児期にほとんどの児がこのウイルスに感染します 自然治癒する疾患であり予後は良好ですが まれに脳症を引き起こし後遺症を残すことがあります 今回の検討では CD134 分子の発現増加はほとんど認められませんでしたが 今後サイトカインという物質で体の反応も調べる予定としています