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4 単元の評価規準 コミュニケーションへの関心 意欲 態度 外国語表現の能力 外国語理解の能力 言語や文化についての知識 理解 与えられた話題に対し 聞いたり読んだりした 1 比較構文の用法を理解 て, ペアで協力して積極 こと, 学んだことや経 している 的に自分の意見や考えを 験したことに基づき

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(Microsoft Word - \207U\202P.doc)

Transcription:

研修成果報告書 浅口市立六条院小学校教諭蜂谷智史 1 長期研修目標所属校がある浅口市では 小学校第 1 学年から外国語の授業が設定されていたり 独自の年間指導計画や音声教材を作成したりと 外国語教育の取組が積極的に行われている そして 所属校では歌やゲーム リピート練習等の外国語に慣れ親しむ活動をこれまで重ねてきた結果 外国語に対する関心や理解の面で成果が見られる また 岡山県では 小学校外国語活動 外国語科の授業づくりについて周知を図るために 小学校教員の指導力向上を目指して研修パッケージの作成 配付を行ったり 各種研修会や授業公開等を開催したりする等の取組を行っている また 地域によって配置状況に差はあるものの 英語専科教員や ALT を配置し 指導体制の充実も図っている しかし 新学習指導要領の趣旨を踏まえた授業づくり 特に 自分の考えや気持ちを伝え合う活動 ( 言語活動 ) については 共通理解がまだ不十分である このような現状を踏まえ 新学習指導要領で示されている外国語活動 外国語科の授業の在り方について 所属校における教育実践を通して理解を深め 岡山県内の教員に授業づくりについての提案を行う 2 研修成果 (1) 研修講座 小学校外国語活動研修講座 を受講し 授業参観や研究協議 講演の聴講等を通して 新学習指導要領の趣旨を踏まえた外国語教育の授業づくりについて理解を深めた さらに 中学校英語研修講座 高等学校英語研修講座 を受講し 小 中 高等学校の 10 年間の外国語教育を通して 聞くこと 話すこと 読むこと 書くこと のバランスの取れた資質 能力の育成を目指すことについて確認することができた また 小中一貫カリキュラムの作成や授業公開の実施等 小中連携の取組の具体について学ぶこともできた その中でも 文科省初等中等教育局教育課程課情報教育 外国語教育課 山田誠志教科調査官の講演では 英語は教えたり教えられたりするものではなく 内容を伝え合うための手段であり 考えや気持ちを伝えたい という思いを児童生徒にもたせることが重要であると確認できた また その際には目的や場面 状況等を児童生徒が意識してコミュニケーションを行うことが重要であることも確認でき 自身の研究を進めていく上で 目的や場面 状況等を設定する重要性を再認識することができた (2) 県外先進校視察視察先である岐阜市では 平成 16 年度から市内の全小学校を 教育課程特例校 として 小学校低学年 中学年から英語教育を実施している さらに 視察校である長良西小学校は 昨年度まで文部科学省の 英語教育強化地域拠点事業 と 岐阜県教育委員会の 英語教育イノベーション戦略事業 の指定を受けており 外国語教育に熱心に取り組んできている 授業参観では 第 1 学年から第 4 学年までの外国語活動と 第 5 学年 第 6 学年の外国語科の授業を合計 18 時間参観した 全教員で外国語の授業の進め方の共通理解を図っており どの授業も学級担任が T1 ALT が T2 として授業を展開していた 授業の最初に帯活動として行われる Small Talk では コミュニケーション方略 ( コミュニケーションを継続させたり 広めたり 深めたりするための表現 ) を紹介 確認したり 児童が発話することができなかった表現について指導した後に ペアを替えて再度 Small Talk を行うことで 活動により深まりをもたせたりしていた また 英語を使って自分の考えや気持ちを伝え合う必然性のある活動が単元に位置付けられた授業を参観することができた - 3 -

3 校内研修の企画 実施対象浅口市立六条院小学校教員 20 名 (1) 校内研修の目的及びテーマの設定所属校の現状として 歌やゲーム リピート練習等が活動の中心となる授業が多く 新学習指導要領で求められている言語活動が不十分であることが挙げられる そのため 言語活動を取り入れた授業について共通理解を図ることを目的として 校内研修を企画した テーマは これからの外国語活動 外国語科の授業づくり と設定した (2) 校内研修の概要研修は全教員を対象とした ( 図 ) 内容は次のとおりである 1 中学年では 聞くこと 話すこと を中心とした外国語活動を通じて外国語に慣れ親しみ 高学年から段階的に文字を 読むこと 書くこと を加えて総合的に教科学習を行うことを確認 2 外国語によるコミュニケーションが生涯にわたる様々な場面で必要になることや 他教科同様 知識 技能が実際のコミュニケーションにおいて活用され 思考 判断 表現することを繰り返すことを通じて 学習内容の理解が深まっていく図校内研修の様子ことについて共通理解 3これまで多く行われていた歌やゲーム 単純なリピート等は言語材料 ( 表現 ) を理解したり練習したりする活動であり これからは自分の考えや気持ちを伝え合う言語活動も求められていることを伝達 4 目的や場面 状況等を設定した言語活動について 演習を通して共通理解 (3) 実施後の評価校内研修実施後のアンケートにおいて 外国語教育がどのように変わるのかを理解することができた どのような力の育成が求められているのかを理解することができた 新学習指導要領の趣旨を踏まえた外国語活動 外国語科の授業の在り方について理解することができた の 3 項目について質問した その結果 全ての項目において参加教員全員が 理解できた もしくは どちらかというと理解できた という肯定的な回答であったことから 今回の研修は言語活動を取り入れた授業について共通理解を図ることに有効であったと考える また 児童が 伝えたい と感じる場面を設定することが重要であることが分かった 学年や発達段階に合わせて言語活動を工夫していかないといけない 等の感想が見られた 実際の授業においても 校内研修を実施する前までは歌やゲーム リピート練習等が多く見られたが 実施後は自分の考えや気持ちを伝え合う言語活動が位置付けられた授業が増えてきた その一方で 具体的な授業の流し方をもっと知りたい 今年度は英語専科の教員がいるが 自分が教える立場になるかもしれないと思うと まだまだ勉強が必要 英語の発音が不安なので よいサイトやツールがあれば知りたい といった意見もあり 新学習指導要領の全面実施に向け 今後も校内研修を継続していくことの必要性を強く感じた 4 今後の展望長期研修員として 各研修講座や県外先進校視察等を通して 目的や場面 状況等を設定する重要性を再認識したり 考えや気持ちを伝え合う必然性のある活動の具体について学んだりすることができた また 校内研修を通して 言語活動を取り入れた授業について共通理解を図ることもできた 今後は 所属校や浅口市の外国語教育の推進役として 研修会や授業公開等を通して授業づくりの考え方を共有し合い 教員の外国語教育の指導力向上と児童の資質 能力の育成を目指していきたい - 4 -

0G12-02 小学校外国語活動 外国語科 目的や場面 状況等を設定した外国語活動 外国語科の授業づくり 浅口市立六条院小学校教諭蜂谷智史 研究の概要小学校外国語活動 外国語科において コミュニケーションの目的や場面 状況等を設定した言語活動の充実が求められている 本研究では 目的や場面 状況等を設定する際の留意点を整理し 言語活動を充実させることに有効であるかを検証した その結果 興味 関心 必然性 相手意識 の三つの留意点を踏まえた授業において 有効性が見られた キーワード小学校外国語活動 外国語科 言語活動 目的 場面 状況 Ⅰ 主題設定の理由 浅口市では 小学校第 1 学年から外国語の授業時間が設定されていたり 独自の年間指導計画や音声教材を作成したりと 外国語教育に積極的に取り組んでいる しかし 所属校や浅口市内の他の小学校の授業の実態として 自分の考えや気持ちを伝え合う活動が十分ではなく 歌やゲーム リピート練習等が活動の中心であった また 小学校英語教育に関する調査研究報告書 (2017 国立教育政策研究所 ) では 外国語活動が歌やゲームだけで終わってしまい 児童が自分の立場で自分の考えや気持ちを指導者や友達と伝え合うコミュニケーションにまで至っていない可能性がある 1) と指摘し 自分の考えや気持ちを伝え合う活動が全国的にも不十分であるとしている 小学校学習指導要領解説外国語活動 外国語編 (2018 文部科学省 以下 新学習指導要領 という ) では 言語活動を通して コミュニケーションを図る素地 ( 外国語科は 基礎 ) となる資質 能力を次のとおり育成することを目指す 2) という目標が示され 言語活動の重視が挙げられている その言語活動については 新学習指導要領において 実際に英語を用いて互いの考えや気持ちを伝え合う 活動 3) と定義の捉え直しがなされた また 新学習指導要領では 学んだことの意味付けを行ったり 既得の知識や経験と 新たに得られた知識を言語活動で活用したりすることで 思考力 判断力 表現力等 を高めていくことが大切 4) としている そして そのための具体的な学習過程として 1 設定されたコミュニケーションの目的や場面 状況等を理解する 2 目的に応じて情報や意見などを発信するまでの方向性を決定し コミュニケーションの見通しを立てる 3 目的達成のため 具体的なコミュニケーションを行う 4 言語面 内容面で自ら学習のまとめと振り返りを行う 4) という流れが示されている このことから この学習過程に沿って学習を進め 言語活動の充実を図るためには 目的や場面 状況等を適切に設定することが重要であると言える そこで 小学校外国語活動 外国語科において 目的や場面 状況等を適切に設定した言語活動を単元の中心に据えた授業を行うことで 言語活動の充実が図られると考え 本主題を設定した Ⅱ 研究の目的 小学校外国語活動 外国語科において 目的や場面 状況等を設定する際の留意点を整理する その留意点を踏まえて目的や場面 状況等を設定した言語活動を単元の中心に据えた授業を実践することで 資質 能力の育成へとつながる言語活動を充実させることに有効であるかを検証し 具体的な授業づくりの方策を提案する - 5 -

Ⅲ 本研究の立場 他の教科等と同様に 小学校外国語活動 外国語科においても 知識及び技能 思考力 判断力 表現力等 学びに向かう力 人間性等 といった三つの資質 能力の育成を目指しており そのことについて 幼稚園 小学校 中学校 高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について ( 答申 ) (2016 中央教育審議会 ) では 見方 考え方 を働かせながら 一連の学習過程を経て思考を深め 自分の思いや考えを表現すること等を通じて 児童の発達段階に応じた 見方 考え方 を成長 発展させることが重要であり その結果 資質 能力が育成されることが示されている 本研究では 資質 能力を育成するための学習過程の中心となる言語活動の設定に焦点を当てることとした Ⅳ 研究の内容 1 文献研究言語活動や 目的や場面 状況等の設定について 新学習指導要領では次のように示されている 言語活動を設定するに当たっては 児童が興味 関心をもつ題材を扱い 聞いたり話したりする必然 性のある体験的な活動を設定することが大切である 5) 言語活動は相手意識と中身のある活動が基本であり そのためには ペア ワークやグループ ワー クなどの学習形態を工夫し 児童が本当に伝えたい内容を話したり 友達の話す内容を聞いたりするこ とができる場面を設定することが大切である 6) また 小学校外国語活動 外国語研修ガイドブック (2017 文部科学省 ) では 題材の選定について 次のように示されている 題材は 児童の生活場面や学習場面に関わりのあること つまり 児童がこれまでに意識的にも無意 識的にも 普段見たり聞いたりしてきた もの こと 人 などから 児童の興味 関心に沿 ったものを選ぶことが大切である 7) さらに 泉 (2017) は 新学習指導要領の概要や指導者が押さえておくべき事柄を述べている その中には 次のような記述がある 児童の発達 認知段階や興味 関心に合致し 児童に関連した身近なテーマや内容を題材として取り 上げ コミュニケーションをする意味や目的がある楽しい活動や発問を工夫しながら 児童に深く考え させるような 豊かな体験的活動を取り入れたいものです 8) また 意味のある文脈の中で 英語を用いる必然性がある場面や状況を与えて 指導者も英語で児童 とやり取りを行います 8) 小学校では 英語でコミュニケーションを行う目的や 英語が使われる場面を設定し 状況に応じて 児童が相手のことを考えながら 自分の意見や考えを表現し伝え合うことが大切だと考えられます 8) これらの文献の下線部から 興味 関心 必然性 相手意識 が重要な視点であることが分かった このことを踏まえ 目的や場面 状況等を設定する際の留意点として 本研究では 次の 3 点に整理した ( ア ) 興味 関心 児童の生活場面や学習場面と関連し 興味 関心に沿っているか ( イ ) 必然性 児童にとって自分の考えや気持ちを英語で伝え合う必然性があるか ( ウ ) 相手意識 児童が伝え合う相手を意識できているか - 6 -

2 研究の仮説小学校外国語活動 外国語科の授業において ( ア ) 興味 関心 児童の生活場面や学習場面と関連し 興味 関心に沿っているか ( イ ) 必然性 児童にとって自分の考えや気持ちを英語で伝え合う必然性があるか ( ウ ) 相手意識 児童が伝え合う相手を意識できているかの三つの留意点を踏まえて目的や場面 状況等を設定した言語活動を単元の中心に据えた授業を行えば 資質 能力の育成へとつながる言語活動の充実が図られるであろう 3 研究の進め方中学年の外国語活動においては 新学習指導要領では 自分の考えや気持ち等を伝え合う力の素地を養う という目標が示されている その一方で 高学年の外国語科においては 自分の考えや気持ち等を伝え合うことができる基礎的な力を養う と示されており 外国語活動で音声や基本的な表現に慣れ親しんだことを踏まえ 定着をねらっている そのため 本研究では 三つの留意点を踏まえて目的や場面 状況等を設定した言語活動を単元の中心に据えた授業を 外国語活動と外国語科の両方において計画 実施する そして 共通する留意点を考察し 授業づくりの方策を提案する 4 検証の方法第 3 学年の外国語活動 ( 実践 1) と第 5 学年の外国語科 ( 実践 2) において 授業中の児童の様子や振り返りの際のワークシート 実践の前後に行った質問紙による意識調査から 相手を意識しながら自分の考えや気持ちを伝えることができているかの視点で検証を行った 5 実践 1( 外国語活動 ) 対象浅口市立六条院小学校第 3 学年児童 (2 学級合計 63 名 ) (1) 授業実践の計画ア単元の概要 本単元では 家族への学芸会の招待カードを作成し 渡すために 欲しい色 形のパーツについて教員に伝え 受け取るというやり取りができるようになることをねらう 形の言い方や欲しいパーツの尋ね方や答え方 気に入っている点を伝える表現に慣れ親しみながら 学習を進め 第 4 時と第 5 時では 学習した表現を使ったやり取りを通して招待カードを作成する活動を行う イ単元計画各時間のねらいと主な活動を表 1 に示す 下線は単元の中心に据えた言語活動 時 1 2 3 4 5 世界には様々な文化や習 日本語と英語には音の相 色や形の言い方や 欲しい 欲しいパーツを尋ねたり 形の言い方や気に入って ねらい 主な 活動 単元名 This is for you. しょうたいカードを作ろう (Let's Try!1 Unit7) 目標 欲しいパーツを尋ねたり答えたりして伝え合おうとする ( 関心 意欲 態度 ) 形の言い方や 欲しいパーツを尋ねたり答えたりする表現 気に入っているところを伝える表現に慣れ親しむ ( 慣れ親しみ ) 世界には様々な文化や習慣があることや 日本語と英語には音の相違点があることを知る ( 気付き ) 慣があることを知る Let's Watch and Think デモンストレーション 単元の見通しをもつ 表 1 実践 1 における各時間のねらいと主な活動 違点があることを知る 形の言い方に慣れ親しむ 語の導入 ( 形 ) 語の練習 ( 形 ) ゲーム You are! パーツを尋ねたり答えた りする表現に慣れ親しむ Let's Play 2 ゲーム Matching Game 答えたりして伝え合おう とする 表現の導入 ( やり取り ) Let's Listen カード作成 1 いるところを伝える表現 に慣れ親しむ カード作成 2 表現の復習 発表会 ( グループごと ) - 7 -

ウ三つの留意点を踏まえた目的や場面 状況等の設定 教員とのやり取りによってパーツを受け取り 貼り合わせ 学芸会の招待カードを作成すること と設定した また その設定をするに当たり 三つの留意点を踏まえ 次のような指導の工夫を行った ( ア ) 児童の生活場面や学習場面と関連し 興味 関心に沿っているか〇国語科のローマ字学習や学芸会と関連付け 学芸会の招待カードを作成する ( イ ) 児童にとって自分の考えや気持ちを英語で伝え合う必然性があるか〇児童に 伝えたい という意識をもたせるために お店屋さんごっこ形式にし 店員役の教員や ALT とのやり取りによって 欲しい色 形のパーツが得られるようにする ( ウ ) 児童が伝え合う相手を意識できているか〇 何のために伝えるのか 伝わるようにするためにはどうしたらよいか と児童に発問する そうすることにより 欲しいパーツを得るために伝えることや 話す声の大きさや速さ 表情に気を付けたり 場合によってはジェスチャーを付け加えたりすることが有効であることを児童と一緒に確認する 〇第 4 時と第 5 時のカード作りの際には 声や表情 ジェスチャー等を意識することができている児童を称揚する エ本単元で目指す 言語活動が充実した姿 相手に伝わるように工夫しながら 積極的に自分の欲しいパーツを英語で伝える とした (2) 授業実践の結果 ア児童の様子第 4 時と第 5 時のカード作りの際には 全児童が教員とのやり取りを通して欲しいパーツを伝え パーツを得ることができた そして それぞれがカードを完成させることができた また 僕はおじいちゃんにあげる ハートを 4 枚並べて お母さんが好きなクローバーを作る といった声も聞かれた さらに 欲しいパーツを児童が教員に伝える際 教員が間違ったパーツを意図的に渡したり 困った表情で悩んでいたりすると 全児童が繰り返し伝えたりジェスチャーで形や数を表したりして伝えたりすることができた ( 表 2) イ振り返りワークシートの内容 表 2 カード作りの場面でのやり取り T What do you want? S A yellow star and a green square, please. T OK. A yellow star and a green rectangle... Here you are. ( 間違ったパーツを意図的に渡そうとする ) S No. A yellow star and a green square. ( 欲しいパーツを繰り返し言ったり ジェスチャーで正方形を表したりして 長方形ではないことを教師に伝えようとする ) T Oh, sorry. A green square... Here you are. ( 正しいパーツを渡す ) S Thank you. T You are welcome. Bye. S Bye. 積極的に活動することができましたか という問いについて 積極的にできた もしくは まあまあできた と回答した児童は 第 4 時は 61 人中 59 人 第 5 時は 61 人中 60 人だった また 渡す人の気持ちを考えながら作った 等の記述が見られた ウ意識調査の比較 自分の考えや気持ちを伝えることができていますか という問いについて できている もしくは どちらかといえばできている と肯定的な回答をした児童は 実践前は 63 人中 40 人だったが 実践後は 62 人中 57 人だった (3) 考察国語科のローマ字学習や学芸会と関連付け 招待カードを作成するという内容にしたことにより 欲しいパーツを伝えるという言語活動に全児童が積極的に取り組むことができるようになった また やり取りによってパーツを得られるという設定にしたり 招待カードを渡す相手を意識させたりしたことにより 考えや気持ちを伝え合うことができた児童の人数が増加することにつながった さらに 伝え合う際に気を付けることを児童と確認したことにより 伝わるように繰り返したりジェスチャーを付けたりすることにつながった このことから 相手に伝わるように工夫しながら 積極的に自分の欲しいパーツを英語で伝える という姿が見られ 言語活動 - 8 -

が充実したと考える しかし 友達の支援を必要とする児童や やり取りに自信がもてない児童もいたことから 慣れ親しみながら既習の表現を復習し それらを十分活用しながらやり取りを行うことができるような単元構成にする必要があったことが課題として挙げられる 6 実践 2( 外国語科 ) 対象浅口市立六条院小学校第 5 学年児童 (2 学級合計 63 名 ) (1) 授業実践の計画ア単元の概要 本単元では 児童にとって身近な内容である学校生活を扱い 自分たちの夢の時間割を考え その時間割を ALT や友達に伝えることができるようになることをねらう そして 教科や職業の言い方や時間割を伝える表現について理解を深めながら 学習を進めていく そして 第 4 時では 既習の表現を用いて夢の時間割とその理由 つまり職業を併せて伝え合う活動を行う イ単元計画各時間のねらいと主な活動を表 3 に示す 下線は単元の中心に据えた言語活動 時 1 2 3 4 世界の子供たちの学校生活につい 教科の言い方に慣れ親しむ 職業を表す語の成り立ちの面白さ 他者に配慮しながら 時間割やそ ねらい ての相違点を知る を知る の理由等を伝え合おうとする 主な 活動 単元名 What do you have on Monday? 夢の時間割を紹介しよう (We Can!1 Unit3) 目 標 他者に配慮しながら 時間割やその理由等を伝え合おうとする ( 関心 意欲 態度 ) 教科の言い方や なぜその時間割が夢なのかを伝える表現に慣れ親しむ ( 慣れ親しみ ) 世界の子供たちの学校生活についての相違点や 職業を表す語の成り立ちの面白さを 知る ( 気付き ) Let's Watch and Think 1 デモンストレーション 単元の見通しをもつ 語の導入 ( 教科 ) 表 3 実践 2 における各時間のねらいと主な活動 Let's Listen 語の練習 ( 教科 ) ゲーム Keyword Game Matching Game 語の導入 ( 職業 ) 語の練習 ( 職業 ) Let's Watch and Think 3 時間割の作成 時間割の伝え合い STORY TIME ウ三つの留意点を踏まえた目的や場面 状況等の設定本単元の中心に据えた言語活動の目的や場面 状況等は 夢の時間割を作成し それをペアやグループで ALT や友達と伝え合うこと と設定した また その設定をするに当たり 三つの留意点を踏まえ 次のような指導の工夫を行った ( ア ) 児童の生活場面や学習場面と関連し 興味 関心に沿っているか〇将来就きたい職業と関連付け その職業に就くための時間割を ALT や友達と伝え合う 〇第 3 時の Let s Watch and Think 3 では なぜこの職業とこの時間割がつながるのか と児童に発問し 理由があって職業と時間割が結び付いていることに気付かせ 就きたい職業に就くための時間割を自分も作りたい と感じることができるようにする ( イ ) 児童にとって自分の考えや気持ちを英語で伝え合う必然性があるか 互いのことを知るために 自分ことを伝えよう と児童に伝え 一人一人が単元の見通しをもち 自分も ALT に話したい 知ってほしい という意識が生まれるようにする 伝え合いにより新たな気付きがもたらされ 伝え合うことのよさを感じられるようにする ( ウ ) 児童が伝え合う相手を意識できているか〇話す側は声の大きさや速さ 表情に気を付けたり 必要に応じてジェスチャーを付けたりすることが有効であることや 正しく伝わっているかを意識する必要があることを確認する 〇聞く側はうなずいたり言葉を返したり 場合によっては聞き返したりする等 反応を返しながら聞くことや 感想をもちながら聞くことが大切であることを確認する エ本単元で目指す 言語活動が充実した姿 相手に伝わるように工夫しながら 既習の表現を用いて積極的に夢の時間割を ALT や友達に伝えたり 友達の時間割を聞いて感想をもったりする とした - 9 -

(2) 授業実践の結果ア児童の様子第 4 時の時間割の伝え合いの際には 実践 1 と同様に 多くの児童が積極的に時間割を作成したり伝え合ったりする様子が見られた また 第 3 時で学習した baseball player という表現から スポーツ名 +player がスポーツ選手を意味することに気付き 既習のスポーツを表す表現を用いて table tennis player や basketball player とワークシートに記入し 伝える児童もいた 児童からは 言語活動前には 教科と職業の言い方を覚えたい 早く時間割を作って伝えたい 言語活動中には 分かってもらえてうれしい ( 話す側児童 ) その時間割 いいね ( 聞く側児童 ) 等の発言が聞かれた さらに 指で 1 2 と表しながら順に伝えたり 連続する教科を伝える際には two P.E. と話しながら指で 2 を表したりする児童もいた イ振り返りワークシートの内容 積極的に活動することができましたか という問いについて 肯定的な回答をした児童は 58 人中 54 人だった また こんな夢があったんだ と思えたので楽しかった 私と同じ職業だけど違う時間割の人がいて この時間割もいいな と思った 等の記述が見られた ウ意識調査の比較 自分の考えや気持ちを伝えることができていますか という問いについて 肯定的な回答をした児童は 実践前は 59 人中 26 人だったが 実践後は 60 人中 56 人だった (3) 考察将来就きたい職業と関連付けたことにより 第 4 時の伝え合い活動等に積極的に取り組むことができるようになった また 伝え合う目的を示したり 伝え合うことのよさを実感させたりしたことにより 考えや気持ちを伝え合うことができた児童の人数が大きく増加したり 既習の表現を用いて伝え合う姿が見られたりした さらに 伝え合う際に気を付けることを児童と確認したことにより 相手に分かりやすいようジェスチャーを交えながら伝える児童が見られた このことから 相手に伝わるように工夫しながら 既習の表現を用いて積極的に夢の時間割を AL T や友達に伝えたり 友達の時間割を聞いて感想をもったりする という姿が見られ 言語活動が充実したと考える しかし 伝え合う活動の際 スムーズに伝えられない児童もいたことから 時間割を伝える表現の定着を図るための活動が不十分であったことが課題として挙げられる Ⅴ 研究のまとめ 本研究では 目的や場面 状況等を設定する際の留意点として 興味 関心 必然性 相手意識 の 3 点に整理した それらの留意点を踏まえて目的や場面 状況等を設定した言語活動を単元の中心に据えることで 相手に伝わるように工夫しながら積極的に伝える姿が見られ 言語活動を充実させることに有効であることが分かった このことから 言語活動を行う際には 児童や学校の実態や扱う内容に応じて 三つの留意点を踏まえた目的や場面 状況等を設定することが重要であると考える しかし 実践 1 2 の考察の中で述べた課題から 単元の中心となる言語活動につなげるための 表現を理解したり練習したりするための活動 も十分行う必要があることも併せて提案する 今後は本研究の成果を生かし 所属校の教員とともに 他学年 他単元においても三つの留意点を踏まえた言語活動を中心に据えた授業実践を重ね 留意点の汎用性を高めていきたい 引用文献 1) 国立教育政策研究所 (2017) 小学校英語教育に関する調査研究報告書概要 p.3 2) 文部科学省 (2018) 小学校学習指導要領解説外国語活動 外国語編 p.11, p.67 3) 文部科学省 (2017) 小学校外国語活動 外国語研修ガイドブック p.23 4) 文部科学省 (2018) 小学校学習指導要領解説外国語活動 外国語編 p.53, p.98 5) 文部科学省 (2018) 小学校学習指導要領解説外国語活動 外国語編 p.29 6) 文部科学省 (2018) 小学校学習指導要領解説外国語活動 外国語編 p.52 7) 文部科学省 (2017) 小学校外国語活動 外国語研修ガイドブック p.45 8) 金森強 本多敏幸 泉惠美子 (2017) 小学校外国語教育はどう変わるか 主体的な学びをめざす小学校英語教育 教科化からの新しい展開 p.16-19 参考文献 中央教育審議会 (2016) 幼稚園 小学校 中学校 高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について ( 答申 ) 文部科学省 (2018) 初等教育資料平成 30 年 7 月号 東洋館出版社 - 10 -