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87 図1 A helnatoxylin 皮膚筋炎例 Case eosin HE 染色 I 18 例における免疫染色 B 抗72 kd HE染色 A で好塩基性の萎縮線維は抗72 kd HSP C 抗65 kd HSP B 抗65 kd HSP D 抗ユビキチソ 400 HSP C 抗ユビキチソ D すべてに陽性である 筋細胞膜下に染色性が強いが細胞質も染色されている 29 神経原性筋萎縮群5 18例 28 正常対 照0 4例で発現を認めた 疾患群による比較では筋 炎群に72 kd 72 kd HSP陽性線維は図4に示すように MHCクラスII分子 HLA DR 陰性であること HSP発現例が多い傾向を認めたが 他の疾患群でも認められ疾患特異性に乏しかっ た 72 kd 7 があった 図3 HSPの発現様式は筋細胞膜に発現がみ が多かった 筋炎群で72 kd る症例につぎ HLA ABC HSPの発現がみられ HLA DR発現との関 られるものと さらに細胞質にも発現がみられる 連を統計学的に検討した 表4 MHCクラス1 2つが認められた いずれも少数の筋線維にみら 分子 HLA ABC は1例を除き すべての筋線維 れることが多く 細胞質にも発現しているものは が陽性でありその関連については結論が得られな 再生線維と考えられる萎縮線維であることが多 かった MHCクラスII分子 HLA DR 陽性線 かった 図1 維群では陰性線維群と比較し 72 kd 72 kd HSP陽性線維はN CAM陽性線維で HSPの出現 率が有意に多い例は17例中1例のみで 残りの9 HE染色上再生線維であることが多かった しか 例は出現率に有意差がなく 7例はむしろ有意に し 筋炎群では72 kd 出現率が少なかった p 0 001 HSP陽性線維がN CAMの 発現とは関連なく多数見られる例があった 図 2 また多発筋炎で 少数の抗72kd HSP陽性線 維の近傍の血管周囲に抗N CAM anti RVは72 kd HSP陽性であり かつRVを持つ 線維の細胞質も陽性であった 図5 TAは陽性 のものと陰性のものとが混在していた 図6 コ Leu 19 CD56 陽性の単核球が認められる例 症例1一 一1381 アはその周囲が淡饗していた

88 図2 大腸癌に伴った皮膚筋炎例 Case I 35 におけ る免疫染色 A 抗72 kd HSP B 抗N CAM 200 雛束周囲の筋線維にN CAM陽性線維を認めるが 多数の72 kd HSP陽性線維は抗N CAM陰性で こ の72 kd HSPの発現は壊死再生現象とは関連なく 発現していることが示唆される 2 65 kd 65 kd HSPの発現に関して HSPは筋炎群1 15例 7 筋ジストロ フィー群0 9例 ミオパチー群2 19例 11 各々 の症例でRV 図3 TAに一致して陽性 神経原性群 B 抗72 kd I 7 における免疫染色 HSP C 抗N CAM 200 0 16例 正常対照0 2例で発現が認められた 筋炎 群での陽性例は72 kd 慢性多発筋炎例 Case A HE染色 少数の抗72 kd HSPの陽性線維が多数見 HSP陽性筋線維 が おもに perifascicular丘bersに認められる 間質の血管周囲 られた症例で その陽性線維は萎縮した再生線維 に認められる単核球の一部 は抗N CAM と考えられる線維であり 図1 非萎縮再生線維 anti Leu 19 CD56 陽性でNK細胞 もしくは MHC非拘束性のT細胞と考えられる での発現は認められなかった 3 ユビキチンの発現に関して ユビキチンは筋炎群3 15例 20 筋ジストロ 陽性である萎縮線維が多く 図1 非萎縮再生線 フィー群0 9例 ミオパチー群2 19例 11 神 維での発現は認められなかった TA 経原性群0 16例 正常対照0 2例で発現が認められ に陰性であった た ユビキチン陽性線維には72 kd 65 kd HSPが 1382一 RVはとも

90 ドへ ぐ ドな P競 縛 ぎ 臨壽ほ ビ こ 卜 塗 拳碩硲 ギ 秘ザ ジ 聯 レ マ 1 ノ Aい1ご 丁 暖 箋 劇撫 ヤメ弊ウY凋 申 澗ン 嚢妙趣ご セピけド で 礫 憲 ヅ鞍芦贋 薙蝿 三部翻 こ擁 釜 磁許 断慰誉ざ 2執撫 ぐ吟 轟ふ1 ゼ 図4 HSP 傑写 多発筋炎 Case B 抗HLA ABC ゆヒ 竃 鰍 C町 漸 A 抗72 kd 転註彰 貸ダ贈 4 ぷ 憾 峯諮 メ 斜 蔵 ご 畷 ヤ I 9 例における免疫染色 C 抗N CAM D 抗HLA DR 200 抗72 kd HSP陽性筋線維の多くはN CAM陽性線維 た HLA ABCはすべての筋細胞膜での発現がみられた でありかつHLA DR陰性であっ にて染色され TAを持つ線維の細胞質も染色性 かし一部の筋炎例ではN CAM陰性の非再生線 がみられた 維に72 kd 考 案 現象とは別の発現機序が推定される その一つの 今回の検討では HSPが筋線維において再生線 維や RV らず72 kd 可能性として抗原提示への関連があげられる TA コアの近傍に発現することを確 認指摘した またPM DMで65 kd HSPの発現がみられた この場合再生 HSPのみな HSPが非再生線維に発現している例 HSPはimmunomodulationに関与していると 考えられている7 9 一部のHSP 65 kd HSP HSP70など は抗原の処理 提示の過程で MHC があること この発現はMHCクラスII分子と関 クラス1もしくはII分子と抗原ペプチドとの結合 連が少ないことを明らかにした に関与している また感染症や腫瘍免疫において HSP陽性線維は再生途上の小径線維であるこ とが多く 多くの72 kd HSP自体が抗原として働いている これらのこと HSP陽性線維はN CAM からHSP自体の自己免疫疾患の発生機序への関 陽性であった N CAMは細胞表面に存在する糖 与が考えられている7 9 実際 ヒトでも慢性関節 蛋白で おもに神経系の細胞間接着に関与してい リュウマチでマイコバクテリアのHSP60に対し る 筋組織では筋衛星細胞 脱神経筋 再生筋で て強く反応する関節液T細胞が証明された20 の発現が報告されている14 16 すなわち72 kd HSP発現線維の多くは再生線維と考えられた し 多発筋炎においては Hohlfeldら4 は65 kd HSPとMHCクラス1分子がすべての筋線維に 一1384一

91 懸 図5 Rimmed A HE染色 vacuole RV を伴う遠位型ミオパチー Case B 抗72 kd RV は72 kd ターンはN CAM HSP C 抗N CAM III 1 における免疫染色 D 抗HLA ABC 200 HSP陽性であり RVを持つ線維自体も細胞質に染色性が認められる このパ HLA ABCの染色性と非常に類似している 発現し 浸潤細胞がγ δt細胞である1例を報告 HSP70の抗体は証明されてない22 しかし最近の した γ δt細胞はhsp60を認識することか 研究ではHSP60のみならずHSP70も抗原提示に ら21 65 kd 関与していることが示唆されている7 9 23 今後 HSPのimmunomodulationへの関 与が示唆された その後 彼らは他の多発筋炎例 HSP70との関連に関する検討が必要である での検討で65 kd いる非壊死再生線維に陽性であり 皮膚筋炎では 通常の抗原提示はMHC拘束が存在し MHC の発現がT細胞への抗原提示に必要である 筋細胞束の周囲の細胞に陽性であると報告し HSPが抗原としてPM DMの発症に関与してい た5 るなら MHCクラス1 II分子との関連があるこ HSPが炎症性細胞が侵入して 筋細胞束周囲の筋線維はMHCクラスII分子 HLA DR が陽性であることが多く12 と65 kd HLA DR HSP しろPM DMにおいて65 kd HSPの出現率をMHC クラス1分子発現の有無で検討できなかった MHCクラス1分子の関連は否定できないが 多 が非再生線維に発現している症例もなかった む HSPより72 kd HSPの陽性率の方が高く 72 kd では多くの症例でMHCクラス1分子はすべて の筋線維で陽性で 72 kd HSPとの関連が示唆されたが 今回の検 討では関連は認められなかった また65 kd とが期待される21 24 今回の検討ではPM DM群 HSPが非再生 くのMHCクラス1分子陽性線維はHSPが陰性 であり両者の関連についてはさらに検討を要す 線維に発現していた PM DMでは血液中の る しかしHSPとMHCクラスII分子は同一筋 HSP60に対する自己抗体は証明されているが 線維に両者が発現しているものは有意に少なく 一1385一