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ISO 9001:2015 改定セミナー (JIS Q 9001:2015 準拠 ) 第 4.2 版 株式会社 TBC ソリューションズ プログラム 年版改定の概要 年版の6 大重点ポイントと対策 年版と2008 年版の相違 年版への移行の実務

どのような便益があり得るか? より重要な ( ハイリスクの ) プロセス及びそれらのアウトプットに焦点が当たる 相互に依存するプロセスについての理解 定義及び統合が改善される プロセス及びマネジメントシステム全体の計画策定 実施 確認及び改善の体系的なマネジメント 資源の有効利用及び説明責任の強化

ISO9001:2015内部監査チェックリスト

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目次 4. 組織 4.1 組織及びその状況の理解 利害関係者のニーズ 適用範囲 環境活動の仕組み 3 5. リーダーシップ 5.1 経営者の責務 環境方針 役割 責任及び権限 5 6. 計画 6.1 リスクへの取り組み 環境目標

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恣意的に限定した適用範囲になっていませんか 主力サイトは適用範囲外になっていませんか ( 当該サイト活動を適用範囲外することにより経営的に大きな影響を受けていませんか ) 環境マネジメントシステムの意図した成果 ( 箇条 4.1) に影響する部門 部署を除外していませんか 適用範囲に含まれるサイトと

説明項目 1. 審査で注目すべき要求事項の変化点 2. 変化点に対応した審査はどうあるべきか 文書化した情報 外部 内部の課題の特定 リスク 機会 関連する利害関係者の特定 プロセスの計画 実施 3. ISO 14001:2015への移行 EMS 適用範囲 リーダーシップ パフォーマンス その他 (

16年度第一回JACB品質技術委員会

2 序文この規格は,2004 年に第 2 版として発行された ISO 14001:2004,Environmental management systems -Requirements with guidance for use を翻訳し, 技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工

柔軟な文書化要求 それぞれの詳細説明は の ISO/FDIS14001:2015 規格説明会資料に譲りますが いずれもその考え方は既に ISO14001:2004 に含まれており 2015 年版への改訂に当たり EMS に関する 意図した成果 の達成に向けて IAF が強調しておきたいことを記載した

説明項目 1. 審査で注目すべき要求事項の変化点 2. 変化点に対応した審査はどうあるべきか 文書化した情報 外部 内部の課題の特定 リスク 機会 利害関係者の特定 QMS 適用範囲 3. ISO 9001:2015への移行 リーダーシップ パフォーマンス 組織の知識 その他 ( 考慮する 必要に応

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目 次 1. 適用範囲 P4 2. 引用規格 P5 3. 用語及び定義 P5 4. 組織の状況 P6 4.1 組織及びその状況の理解 P6 4.2 利害関係者のニーズ及びと期待の理解 P6 4.3 環境マネジメントシステムの適用範囲の決定 P6 4.4 環境マネジメントシステム P6 5. リーダー

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4.4 マネジメントシステム プロセス 5 リーダーシップ 5.1 リーダーシップ コミットメント 組織の状況を考慮し リスク ( 不確かさに影響 ) 及び機会 ( 何かをするのによい時期 ) として取り組むことを決定した情報から適用範囲に含まれていない範囲が存在していませんか恣意的に限定した適用範

する 2 利害関係者がこれを入手できる ISO14001 では利害関係者が入手可能なものとして 環境方針がある 環境方針と併せて利害関係者が要請した場合 渡すことが出来る状態にすることが必要である 一般的には自社のホームページに掲載していれば 誰でも入手可能な状態と言える (3) 環境マニュアルの例

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5. 文書類に関する要求事項はどのように変わりましたか? 文書化された手順に関する特定の記述はなくなりました プロセスの運用を支援するための文書化した情報を維持し これらのプロセスが計画通りに実行されたと確信するために必要な文書化した情報を保持することは 組織の責任です 必要な文書類の程度は 事業の

1 適用範囲 2 引用規格 3 用語の定義 69の用語 4- 組織の状況新規 4.1- 組織とその状況の理解 [1] 2 組織は 組織組織の目的目的と戦略戦略の方向方向に関係する内外の課題課題を決定しなければならない これらの課題は 想定された結果を達成する上で品質マネジメントシステムの能力に影響す

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目 次 1. 適用範囲 P4 2. 引用規格 P5 3. 用語及び定義 P5 4. 組織の状況 P7 4.1 組織及びその状況の理解 P7 4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解 P7 4.3 個人情報保護マネジメントシステムの適用範囲の決定 P7 4.4 個人情報保護マネジメントシステム P7

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目次 1. 一般 目的 適用範囲 参照文書 用語及び定義 内部監査 一般 内部監査における観点 内部監査の機会 監査室

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Transcription:

1 ISO14001 改正の動向 一般財団法人日本自動車研究所認証センター審査部部長浦宗秀和

目次 1. ISO14001 規格改正日程 2. ISO14001 規格改正の概要 2-1. 規格改正の目的 2-2. 現行規格との対比 2-3. 環境マネジメントシステムモデル 2-4. 主な用語及び定義 3. 要求事項の解説 ( 主要変更点 ) 3-1. 4 章組織の状況 3-2. 5 章リーダーシップ 3-3. 6 章計画 3-4. 7 章支援 3-5. 8 章運用 3-6. 9 章パフォーマンス評価 3-7. 10 章改善 4. 文書類一覧 5. 今後の対応 2 p3~4 p5 p6 p7~8 p9 p10~16 p17~21 p22~24 p25~30 p31~35 p36~38 p39~47 p48~51 p52 p53~54

1. ISO14001 規格改正日程 3 ISO は 6 月 27 日に ISO 14001( 環境マネジメントシステム ) の DIS (Draft International Standard) 版を発行 ISO 14001 改正版発行は 2015 年 6 月の予定 現在 ISO 14001 の認証を受けている組織に対しては 3 年間の移行期間が設けられる ISO 規格 JIS 規格 ISO14001 :2015 ISO14001 :2015 新規格への移行期間 2013 2014 2015 2016 ~2018 CD1 CD2 DIS FDIS IS 制定 (2015/6 予 ) JIS 制定 (2015/9 予定 ) 移行期間 (36ヶ月)

1. ISO14001 規格改正日程 ISO 規格は 通常次の 6 つの段階を踏んで作成され 36 ヶ月以内に国際規格の最終案がまとめられる 1) 新作業項目の提案 (NP New Work Item Proposal) 2) 作業原案 (WD Working draft) 3) 委員会原案 (CD Committee Draft) 4) 国際規格原案 (DIS Draft International Standard) 5) 最終国際規格案 (FDIS Final Draft International Standard) 6) 国際規格の発行 (IS International Standard) 4

2. ISO14001 規格改正の概要 改正版では要求事項が 4.1~10.2 項として規定された 詳細は 以下を参照 表 1. ー ISO/DIS 14001:2014 と ISO14001:2004 の条項対比 5 共通テキストの適用によって 規格全体の条項の順番 標題及び条文が様変わりする

2-1. 規格改正の目的 6 ISO では 2006 年から 2011 年にかけて ISO 9001 ISO 14001 ISO 27001 などの ISO マネジメントシステム規格の整合性を確保するための議論が行われ MSS 共通テキスト及び共通用語 定義が開発された ISO14001 の主たる改正の目的 組織の経営管理の一環とすること 組織の状況 利害関係者のニーズと期待の把握 環境パフォーマンスの改善をすること 製品のライフサイクルに係わる環境影響が対象であることを明確にすること 外部への環境情報発信義務の強化

2-2. 現行規格との対比 表 1. ISO/DIS14001:2014 と ISO14001:2004 の条項対比 7 部新規追加事項 共通 I SO/DIS 14001:2014 I SO14001:2004 テキスト 章タイトルと構成 章タイトルと構成 序文 序文 1 適用範囲 1 適用範囲 2 引用規格 2 引用規格 3 用語及び定義 3 用語及び定義 4 組織の状況 4.1 組織及びその状況の理解 4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解 4.3 環境マネジメントシステムの適用範囲の決定 4.4 環境マネジメントシステム 4.1 一般要求事項 5 リーダシップ 5.1 リーダシップ及びコミットメント 5.2 環境方針 4.2 環境方針 5.3 組織の役割 責任及び権限 4.4.1 資源 役割 責任及び権限 6 計画 4.3 計画 6.1 脅威と機会に関連するリスクへの取組み 6.1.1 一般 4.3.1 環境側面 6.1.2 環境側面の特定 4.3.2 法的及びその他の要求事項 6.1.3 順守義務の決定 6.1.4 脅威と機会に関連するリスク 6.1.5 取組みのための計画策定 6.2 環境目的及びそれを達成するための計画策定 6.2.1 環境目的 4.3.3 目的, 目標及び実施計画 6.2.2 環境目的達成するための取組み計画

2-2. 現行規格との対比 8 7 支援 7.1 資源 4.4.1 資源 役割 責任及び権限 7.2 力量 7.3 認識 4.4.2 力量 教育訓練及び自覚 7.4 コミュニケーション 7.4.1 7.4.2 7.4.3 一般内部コミュニケーション外部コミュニケーション 4.4.3 コミュニケーション 7.5 文書化された情報 7.5.1 一般 4.4.4 文書類 7.5.2 作成及び更新 4.4.5 文書管理 7.5.3 文書化された情報の管理 4.4.5 文書管理 4.5.4 記録の管理 8 運用 4.4 4.4 実施及び運用 8.1 運用の計画及び管理 4.4.6 運用管理 8.2 緊急事態への準備及び対応 4.4.7 緊急事態への準備及び対応 9 パフォーマンス評価 4.5 点検 9.1 監視 測定 分析及び評価 9.1.1 一般 4.5.1 監視及び測定 9.1.2 順守評価 4.5.2 順守評価 9.2 内部監査 4.5.5 内部監査 9.3 マネジメントレビュー 4.6 マネジメントレビュー 10 改善 10.1 不適合及び是正措置 4.5.3 不適合並びに是正処置および予防処置 10.2 継続的改善 4.1 一般要求事項

2-3. 環境マネジメントシステムモデル 9 組織の状況 環境マネジメントシステムの適用範囲 (4.3/4.4 項 ) 外部及び内部の課題 (4.1 項 ) 支援 運用 (7 章 8 章 ) Plan Do 計画 (6 章 ) リーダーシップ (5 章 ) パフォーマンス評価 (9 章 ) EMS の成果 利害関係者のニーズ及び期待の理解 (4.2 項 ) Act 改善 (10 章 ) Check 環境マネジメントシステムモデル

2-4. 主な用語及び定義 共通テキストの用語 組織 (organization) 利害関係者 (interested party) 要求事項 (requirement) マネジメントシステム (management system) トップマネジメント (top management) 有効性 (effectiveness) 方針 (policy) 目的 (objective) リスク (risk) 力量 (competence) 文書化された情報 (documented information) 10 プロセス (process) パフォーマンス (performance) 外部委託する (outsource) 監視 (monitoring) 測定 (measurement) 監査 (audit) 適合 (conformity) 不適合 (non- conformity) 是正処置 (corrective action) 継続的改善 (continual improvement) 共通テキストでは 21 DIS では 33 の用語が定義されている

2-4. 主な用語及び定義 11 環境マネジメントシステムの用語 3.1 組織 (organization) 3.18 リスク (risk) 3.2 トップマネジメント (top management) 3.19 力量 (competence) 3.3 マネジメントシステム (management system) 3.20 有効性 (effectiveness) 3.4 環境マネジメントシステム (environmental 3.21 要求事項 (requirement) management system) 3.5 利害関係者 (interested party) 3.22 順守義務 (compliance obligation) 3.6 環境方針 (environmental policy) 3.23 適合 (conformity) 3.7 文書化した情報 (documented information) 3.24 不適合 (non- conformity) 3.8 環境 (environment) 3.25 是正処置 (corrective action) 3.9 環境側面 (environmental aspect) 3.26 プロセス (process) 3.10 環境影響 (environmental impact) 3.27 測定 (measurement) 3.11 環境状況 (environmental condition) 3.28 監査 (audit) 3.12 パフォーマンス (performance) 3.29 継続的改善 (continual improvement) 3.13 環境パフォーマンス (environmental 3.30 手順 (procedure) performance) 3.14 汚染の予防 (prevention of pollution) 3.31 監視 (monitoring) 3.15 ライフサイクル (life cycle) 3.32 外部委託する (Outsource) 3.16 目的 (objective) 3.33 指標 (indicator) 3.17 環境目的 (Environmental objectives)

2-4. 主な用語及び定義 ISO/DIS 14001:2014 環境マネジメントシステム - 要求事項及び利用の手引き 3.15 ライフサイクル原材料の取得又は天然資源の産出から 使用後の処理までを含む 製品システムの連続的で かつ相互に関連する段階群 12 注記 1 ライフサイクルには 活動 製品及びサービスが含まれる また調達された物品及びサービスのほか 製品の使用後の処理並びにサービスの引き渡しが含まれることもある ライフサイクルの例として 設計 製造 輸送 梱包 最終消費 / 廃棄がある

2-4. 主な用語及び定義 13 注 ) 正式なライフサイクルアセスメントを行う要求事項はありません 出展 :JEMAI( 一般社団法人産業環境管理協会 ) の LCA 活動について 資源調達 製造 流通 使用 収集 運搬 リサイクル 適正処理のライフサイクル全般を考慮し 天然資源の使用量削減 資源再利用の可能性向上 エネルギー消費の削減 特定の化学物質の使用制限 廃棄物の発生抑制 等に向けた工夫 配慮を組み込むことにより 製品に係る環境負荷の低減に資することを目的に実施するものである

3.18 リスク 2-4. 主な用語及び定義 目的に対する不確かさの影響注記 1 影響とは 期待されていることから 好ましい方向又は好ましくない方向にかい離することをいう 14 注記 2 不確かさとは 事象 その結果又はその起こりやすさについての 関連情報 理解又は知識に たとえ部分的にでも不備がある状態をいう 注記 3 リスクは 起こり得る 事象 (ISO Guide 73:2009 3.5.1.3 で定義されている ) 及び 結果 (ISO Guide 73:2009 3.6.1.3) 又はこれらの組合せについて述べることによって その特徴を示すことが多い 注記 4 リスクは ある事象 ( その周辺状況の変化を含む ) の結果と それに関連する発生の 起こりやすさ (ISO Guide 73:2009 3.6.1.1) との組合せとして表現されることが多い

2-4. 主な用語及び定義 3.26 プロセスインプットをアウトプットに変換する 相互に関連する又は相互に作用する一連の活動 注記 1 プロセスは文書化することも しないこともある 15 下図は一般的なプロセスの繋がりの例を示す グリーン調達 資源調達 運営管理 化学物質管理 環境方針 目的設定 環境内部監査 Input 製品設計 環境適合設計 output output output 工程の設計生産 Input Input エネルギー管理 監視及び改善 WG 計画 output 環境教育 訓練 環境法令管理 廃棄物管理

2-4. 主な用語及び定義 3.7 文書化した情報組織が管理し 維持するよう 要求されている情報 及びそれが含まれている媒体 16 注記 1 文書化した情報は あらゆる形式及び媒体の形をとることができ あらゆる情報源から得ることができる 注記 2 文書化した情報には 次に示すものがあり得る - 関連するプロセスを含む 環境マネジメントシステム - 組織の運用のために作成された情報 ( また 文書類として参照できる ) - 達成された結果の証拠 ( また 記録として参照できる )

3-1. 4 章組織の状況 ( 要求事項の解説 ) 4.1 組織及びその状況の理解組織は 組織の目的に関連し かつ その環境マネジメントシステムの意図した成果を達成する組織の能力に影響を与える 外部及び内部の課題を決定しなければならない それらの課題には 組織が影響を及ぼす又は影響を受ける可能性のある環境状況も含まれる 17 1. 外部及び内部の主要課題を大きく捉える 2. 外部の課題 : 社会 経済 法令 技術 業界基準 天災などに関わる大きな課題など 内部の課題 : 経営分析の課題 強みと弱み 固有技術 資源 力量など 3. 組織と環境の間の影響は双方向含まれる 例 : 地球温暖化 資源の枯渇 天災などが組織に与える影響

3-1. 4 章組織の状況 ( 要求事項の解説 ) 4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解組織は 次の事項を決定しなければならない 環境マネジメントシステムに関連する利害関係者 それらの利害関係者の 関連するニーズ及び期待 ( 要求 ) それらのニーズ及び期待のどれが順守義務になるのか 18 1. 利害関係者 : 顧客 消費者団体 近隣住民 自治体 規制当局 依託業者 サプライヤー 業界団体など様々 2. ニーズや期待の中から順守義務を特定する 順守義務 : 法的及び組織が同意するその他の要求事項と同意詳細な順守義務の特定は 6.1.3 順守義務で実施

3-1. 4 章組織の状況 ( 要求事項の解説 ) 4.3 環境マネジメントシステムの適用範囲の決定組織は 環境マネジメントシステムの適用範囲を定めるために その境界及び適用可能性を決定しなければならない 19 この適用範囲を決定するとき 組織は 次の事項を考慮しなければならない 4.1( 組織及びその状況 ) に規定する外部及び内部の課題 4.2( 利害関係者のニーズ及び期待 ) に規定する順守義務 組織の単位 機能及び物理的境界 組織の活動 製品及びサービス 管理し 影響を及ぼすための組織の権限及び能力 適用範囲を一度定めたら 著しい環境側面 (6.1.2 参照 ) を持つことができる活動 製品及びサービスは環境マネジメントシステムの適用範囲に含めなければならない 環境マネジメントシステムの適用範囲は 文書化した情報として維持しておかなければならず かつ 利害関係者が入手可能でなければならない

3-1. 4 章組織の状況 ( 要求事項の解説 ) 20 4.4 環境マネジメントシステム組織は 環境パフォーマンスを高めるために この規格の要求事項に従って 必要なプロセス及びそれらの相互作用を含む 環境マネジメントシステムを確立し 実施し 維持し かつ継続的に改善しなければならない 組織は 環境マネジメントシステムを確立し 維持するとき 組織の状況に関する知識を考慮しなければならない 1. プロセス は 業務のやり方 流れと捉えると理解し易い この中には手順も含まれる 2. 3.26 用語及び定義 ( プロセス ) のプロセスフロー図参照

3-1. 4 章組織の状況 ( 要求事項の解説 ) 21 組織の状況課題顧客近隣住民行政外部委託先供給者 例 4.1 項組織及びその状況の理解 国際競争力をつけることが急務 技術力を高め 競争力を維持しながら グローバル化を高めていく 地域に根ざした会社として 地域の人々の信頼 コンプライアンス順守を目指す 外部課題 内部課題 円高による原料の高騰による原価 UPで収益率の低下 水濁法改正への対応 不良率削減による収益率の改善 順守評価 内部監査員力量の強化 地震時の製品供給の安定化 例 4.2 項利害関係者のニーズ及び期待の理解 低燃費車両の提供振動 騒音 臭気の低減公共用水の水質保全明確な情報共有 伝達供給量 価格の安定 順守義務

3-2. 5 章リーダシップ ( 要求事項の解説 ) 5.1 リーダーシップ及びコミットメントトップマネジメントは 次に示す事項によって 環境マネジメントシステムに関するリーダーシップ及びコミットメントを実証しなければならない 22 環境マネジメントシステムの有効性に対して説明責任を負う 環境方針及び環境目的を確立し それらが組織の戦略的な方向性及び状況と両立することを確実にする 組織の事業プロセスへの環境マネジメントシステム要求事項の統合を確実にする 環境マネジメントシステムに必要な資源が利用可能であることを確実にする 有効な環境マネジメント及び環境マネジメントシステム要求事項への適合の重要性を伝達する 環境マネジメントシステムがその意図した成果を達成することを確実にする 環境マネジメントシステムの有効性に貢献するよう人々を指揮し 支援する

3-2. 5 章リーダシップ ( 要求事項の解説 ) 継続的改善を促進する その他の関連する管理層がその責任の領域においてリーダーシップを実証するよう 管理層の役割を支援する 注記この国際規格で 事業 という場合 それは 組織の存在の目的の中核となる活動という広義の意味で解釈され得る 23 1. 経営層の EMS 上の役割 意識が明文化された 2. これらの要求事項には 以下のような対応方法がある マネジメントレビューにおける指示 伝達 環境方針 実施事項の教育 周知 環境委員会など経営層出席会議体で 進捗状況確認 対応議論

3-2. 5 章リーダシップ ( 要求事項の解説 ) 24 3. 事業プロセスへの EMS 要求事項の統合の例 事業プロセスと連動した組織の状況を考慮した EMS 運用 環境方針及び環境目的と組織方針 環境理念の整合 会社全体の目標管理の一部として環境実施計画も議論 事業プロセスと連動した本来業務の環境側面管理など

3-3. 6 章計画 ( 要求事項の解説 ) 6.1 脅威と機会に関連するリスクへの取組み 6.1.1 一般組織は 6.1 の要求事項を満たすためのプロセスを計画し実施しなければならない 25 6.1( すなわち 6.1.2~6.1.4) において環境マネジメントシステムの計画を策定するとき 組織は 4.1 に規定する課題及び 4.2 に規定する要求事項を考慮しなければならない 組織は プロセスが計画通りに実行されたことに信頼が得られるために必要な程度で 文書化した情報を維持しなければならない 6.1.2 著しい環境側面設定された環境マネジメントシステムの適用範囲の中で 組織は次の事項を行わなければならない a) ライフサイクルの視点を考慮しつつ 組織が管理でき 影響を及ぼすことができる 活動 製品及びサービスの環境側面及び関連する環境影響を特定する

3-3. 6 章計画 ( 要求事項の解説 ) b) 次の事項を考慮する 1) 計画された又は新規の開発 並びに新たな又は修正された活動 製品及びサービスを含む変更 2) 決定された異常な及び潜在的な緊急事態 26 組織は 環境に著しい影響を持つ 又は持つ可能性のある側面 ( すなわち 著しい環境側面 ) を決定しなければならない 組織は 組織の様々な階層及び機能の中に 著しい環境側面を伝達しなければならない 組織は次の事項についての文書化した情報を維持しなければならない 著しい環境側面を決定するために使った基準 環境側面及び関連する環境影響 著しい環境側面 注記著しい環境側面は 有害な環境影響 ( 脅威 ) 又は有益な環境影響 ( 機会 ) のどちらかに関係するリスクと成りえる

3-3. 6 章計画 ( 要求事項の解説 ) 1. 基本的に現行要求事項と同じであるが 以下の追加要求がある ライフサイクルの視点を考慮 ( 用語及び定義 3.15) 環境側面及び関連する環境影響を特定 著しい環境側面決定の基準 27 2. 環境側面決定の基準は 必ずしも定量的な基準である必要は無い 環境委員会で事業プロセスを考慮して決定する でも良い

3-3. 6 章計画 ( 要求事項の解説 ) 28 6.1.3 順守義務組織は 次の事項を行わなければならない a) 環境側面に関連する順守義務を特定し 参照する b) これらの順守義務の組織への適用方法を決定する 組織は 順守義務についての文書化した情報を維持しなければならない 1. 順守義務は環境側面への適用のみでなく 組織への適用が追加されている 組織に該当する要求事項ごとに以下のような考慮をすると良い 年間計画表で 申請 届出 報告などを運用 手順書 チェックシート 年間計画表などを用いて 監視 測定 点検

3-3. 6 章計画 ( 要求事項の解説 ) 1. 環境側面との重複感があるが 環境側面とは呼びにくい事象を捉える 例 : 順守評価員の力量 組織再編 設備助成金制度 ( 機会 ) など 29 6.1.4 脅威と機会に関連するリスク組織は 次の事項に取り組む必要がある脅威と機会に関連するリスクを決定しなければならない 環境マネジメントシステムがその意図した成果を達成することを確実にする 組織に影響する外部の環境状態の潜在的なものを含めて 望ましくない影響を防止又は軽減する 継続的改善を達成する 組織は 取り組む必要がある 脅威と機会に関連するリスクの文書化した情報を維持しなければならない

3-3. 6 章計画 ( 要求事項の解説 ) 30 6.1.5 取組みのための計画策定組織は 次の事項を計画しなければならない a) 脅威と機会に関連するリスク (6.1.4 参照 ) 著しい環境側面 (6.1.2 参照 ) 及び順守義務 (6.1.3 参照 ) への取組み b) 次の事項を行う方法 その取組みの 環境マネジメントシステムプロセスへの統合及び実施 これらの取組みの有効性の評価 1. 著しい環境側面 順守義務は現行とほぼ同等である 2. 脅威と機会に関連するリスクは 著しい環境側面の計画 対応に組み入れて実施しても良い 3. 取組みの有効性評価は 実施計画の進捗確認 内部監査 マネジメントレビューなどの場で可能

3-4. 7 章支援 ( 要求事項の解説 ) 7.2 力量組織は 次の事項を行わなければならない 組織の環境パフォーマンスに影響を与える業務をその管理下で行う人 ( 又は人々 ) に必要な力量を決定する 適切な教育 訓練又は経験に基づいて それらの人々が力量を備えていることを確実にする 該当する場合には 必ず 必要な力量を身につけるための処置をとり とった処置の有効性を評価する 31 注記適用される処置には 例えば 現在雇用している人々に対する 教育訓練の提供 指導の実施 配置転換の実施などがあり また 力量を備えた人々の雇用 そうした人々との契約締結などもある 組織は 力量の証拠として 適切な文書化した情報を保持しなければならない

3-4. 7 章支援 ( 要求事項の解説 ) 1. 対象者は著しい環境影響の原因となる作業を実施する人だけではなく 環境パフォーマンスに影響を与える業務を行う人 例 : 内部監査チーム 順守評価員 設計者など 2. 誰に何の力量が必要かのニーズを明確にし 教育 訓練などを行い 有効性評価 ( 力量判定 ) をする 3. 力量確保の処置は 教育 訓練だけではなく 配置替え 専門家への依託なども含まれる 32

3-4. 7 章支援 ( 要求事項の解説 ) 33 7.3 認識組織の管理下で働く人々が次の事項に関して認識をもたなければならない 環境方針 自分の仕事に伴う 著しい環境側面及び関連する顕在又は潜在の環境影響 環境パフォーマンスの向上によって得られる便益を含む 環境マネジメントシステムの有効性に対する自らの貢献 順守義務を含め 環境マネジメントシステム要求事項に適合しないことの意味 1. 現行要求と同等である 2. 認識 は 自覚 と同意に捉えて良い

3-4. 7 章支援 ( 要求事項の解説 ) 34 7.4.2 内部コミュニケーション組織は 著しい環境側面及び環境パフォーマンスを含めて 環境マネジメントシステムに関して 次の事項を行わなければならない a) 必要に応じて 環境マネジメントシステムに対する変更を含めて 組織の種々の階層及び部門間でコミュニケーションを行う b) コミュニケーションプロセスは 組織の管理下で働く全ての人々が 継続的改善に貢献することができることを確実にしなければならない 7.4.3 外部コミュニケーション組織は コミュニケーションプロセスによる決定及び順守義務による要求に従って 環境マネジメントシステムに関連する情報について外部へコミュニケーションを行わなければならない

3-4. 7 章支援 ( 要求事項の解説 ) 35 1. 内部及び外部コミュニケーションのプロセスを計画し 実施する 2. この計画には コミュニケーションの内容 実施時期 対象者 方法などを含む 3. コミュニケーションの結果は 必要に応じて文書化した情報 ( 記録 ) を作成する ( 苦情など ) 4. 外部コミュニケーションは コミュニケーションプロセスにおいて 順守義務 利害関係者の期待を考慮し 組織によって決定される

3-5. 8 章運用 ( 要求事項の解説 ) 36 8.1 運用の計画及び管理組織は 次に示す事項の実施によって 環境マネジメントシステム要求事項を満たすため 及び 6.1( 側面 リスク ) 及び 6.2( 環境目的 ) で決定した取組みを実施するために必要なプロセスを計画し 実施し かつ管理しなければならない プロセスに関する基準の設定 その基準に従った そして環境方針 環境目的及び順守義務からの逸脱を防ぐために プロセスの管理の実施 注記管理には 技術的管理 手順 文書化した手順等が含まれる それらは 階層 ( すなわち 除去 代替 管理 ) に従って実施され 単一で又は複合して使われる 組織は 計画した変更を管理し 意図しない変更によって生じた結果をレヒ ューし 必要に応じて 有害な影響を軽減する処置をとらなければならない

3-5. 8 章運用 ( 要求事項の解説 ) 37 組織は 外部委託したプロセスを 管理し又は影響を及ぼすことを確実にしなければならない これらのプロセスへ適用する管理又は影響の種類と程度は 環境マネジメントシステムの中で規定しなければならない ライフサイクルの観点に整合して 組織は次の事項を行わなければならない a) 必要に応じて 製品及びサービスの調達に対する環境上の要求事項を決定しなければならない b) 必要に応じて 環境上の要求事項が 製品及びサービスの開発 配送 使用及び使用後の処理のために 設計プロセスにおいて考慮されなければならない c) 契約者を含めて 関連する環境上の要求事項を 外部の提供者に伝達する d) 製品又はサービスの配送の間に 及び 製品又はサービスの使用及び使用後の処理の間における 潜在的な著しい環境影響についての情報を提供する必要性を考慮する 組織は プロセスが計画通りに実施されたという確信をもつために必要な程度の 文書化した情報を維持しなければならない

3-5. 8 章運用 ( 要求事項の解説 ) 38 1. 6 章で計画されたリスク及び環境目的への取組みプロセスの基準を設定する 基準とは 到達レベル 目標 判断基準など 2. 外部委託は EMS の適用範囲とするか否かで対応が異なるが 現行と同様である 3. ライフサイクルの観点 製品及びサービスの調達 に関する要求事項伝達 設計プロセス における環境配慮 契約者などへの環境上の要求事項 の伝達 著しい環境影響の情報提供 などの要求は 現行でも影響を及ぼす事が出来る側面 本来業務の側面などに特定されている場合があるが より具体的にライフサイクルの観点を考慮することを求めている

3-6. 9 章パフォーマンス評価 ( 要求事項の解説 ) 9.1 監視 測定 分析及び評価 9.1.1 一般組織は 次の事項を決定しなければならない 次の事項に関連した 必要とされる監視及び測定の対象 1) 著しい環境影響をもつ運用 2) 順守義務 3) 運用管理 4) 指標を用いた 組織の環境目的に対する進捗 該当する場合には必ず 妥当な結果を確実にするための 監視 測定 分析及び評価の方法 適切な指標を用いた 組織が環境パフォーマンスを評価する際に参照する基準 監視及び測定の実施時期 監視及び測定の結果の 分析及び評価の時期 39

3-6. 9 章パフォーマンス評価 ( 要求事項の解説 ) 40 組織には 必要に応じて 校正された又は検証された監視及び測定機器が使用され 維持されていることを確実にしなければならない 組織は 環境パフォーマンスを評価し 環境マネジメントシステムの有効性を評価するためにマネジメントレビュー (9.3 参照 ) へのインプットを提供しなければならない 組織は 監視 測定 分析及び評価の結果の証拠として 適切な文書化した情報を保持しなければならない 組織は コミュニケーションプロセスで決められたように また順守義務によって要求されたように 環境パフォーマンスに関連する情報を 内部及び外部へ 伝達しなければならない 1. 運用のキーとなる特性 は 対象 という表現に変更

3-6. 9 章パフォーマンス評価 ( 要求事項の解説 ) 41 2. 対象 方法 基準 測定評価の実施時期などは 6 章の計画段階で決定することになる 3. 監視測定の結果の分析 評価の方法を定める事が追加されている 例 : 単なる 評価でなく 推移傾向の分析など 4. マネジメントレビューではインプットの表現が無くなっているが ここに残っている 5. ここでは 環境パフォーマンスに関連する情報 を内部 外部へ伝達することを要求している その内容は 組織によって決定される

3-6. 9 章パフォーマンス評価 ( 要求事項の解説 ) 42 9.1.2 順守評価組織は 順守義務への適合を評価するためのプロセスを計画し 実施しなければならない 組織は 次の事項を行わなければならない : 順守を評価する頻度を決定する 順守を評価し 必要な場合には処置をとる 順守義務への適合の状況に関する知識及び理解を維持する 組織は 順守評価の結果の証拠として 文書化した情報を保持しなければならない 1. 頻度と合わせて時期も決定するのが適切である 2. 順守評価者の力量要求が追加されおり 教育等のプロセスに組み込む必要がある

3-6. 9 章パフォーマンス評価 ( 要求事項の解説 ) 43 9.2 内部監査 9.2.1 組織は 環境マネジメントシステムが次の状況にあるか否かに関する情報を提供するために 計画した間隔で内部監査を実施しなければならない a) 次の事項に適合している 環境マネジメントシステムに関して 組織自身が規定した要求事項 この国際規格の要求事項 b) 有効に実施され 維持されている 9.2.2 組織は 次に示す事項を行わなければならない a) 頻度 方法 責任及び計画に関する要求事項及び報告を含む 監査プログラムの計画 策定 実施及び維持 監査プログラムは 関連するプロセスの環境面の重要性 脅威と機会に関連するリスク 及び前回までの監査の結果を考慮に入れなければならない

3-6. 9 章パフォーマンス評価 ( 要求事項の解説 ) 44 b) 各監査について 監査基準及び監査範囲を明確にする c) 監査プロセスの客観性及び公平性を確保するために 監査員を選定し 監査を実施する d) 監査の結果を関連する管理層に報告することを確実にする 組織は 監査プログラムの実施及び監査結果の証拠として 文書化した情報を保持しなければならない 1. 監査プログラムでは 脅威と機会に関連するリスクを考慮することが追加されているが 現行要求とほぼ同等である 2. 監査手順の要求が削除されているが 従来通り作成することが望ましい

3-6. 9 章パフォーマンス評価 ( 要求事項の解説 ) 9.3 マネジメントレビュートップマネジメントは 組織の環境マネジメントシステムが 引き続き 適切 妥当かつ有効であることを確実にするために あらかじめ定めた間隔で 環境マネジメントシステムをレビューしなければならない マネジメントレビューは 次の事項を考慮しなければならない a) 前回までのマネジメントレビューの結果 取った処置の状況 b) 次の事項についての変化 環境マネジメントシステムに関連する外部及び内部の課題 順守義務 著しい環境側面 及び脅威と機会に関連するリスク c) 目的が達成された程度 d) 次に示す傾向を含めた 組織の環境パフォーマンスに関する情報 不適合及び是正処置 監視及び測定の結果 順守義務への適合 45

3-6. 9 章パフォーマンス評価 ( 要求事項の解説 ) 監査結果 e) 外部の利害関係者からのコミュニケーション f) 継続的改善の機会 g) 有効な環境マネジメントシステムを維持するのに必要な資源の妥当性 46 マネジメントレビューからのアウトプットには 次の事項を含めなければならない 環境マネジメントシステムの継続的な適切性 妥当性及び有効性に関する結論 継続的改善の機会に関する決定 資源の必要性を含む 環境マネジメントシステムのあらゆる変更の必要性 必要な場合 目的が達成されなかったときの処置 組織の戦略的な方向性との関係 組織は マネジメントレビューの結果の証拠として 文書化した情報を保持しなければならない

3-6. 9 章パフォーマンス評価 ( 要求事項の解説 ) 47 1. 考慮すべき事項として 著しい環境側面及び脅威と機会に関係するリスク が追加されている また 変化点を重視している 2. アウトプット要求に 結論 決定 という表現があるが ケースバイケースで良い どう対応するかの指示が重要 3. アウトプット要求の 組織の戦略的な方向性への影響 はこれと整合している 環境方針の改訂の必要性 に置き換えても良い

3-7. 10 章改善 ( 要求事項の解説 ) 48 10.1 不適合及び是正処置不適合が発生した場合 組織は 次の事項を行わなければならない a) その不適合に対処し 該当する場合には 必ず 次の事項を行う その不適合を管理し 修正するために 即時の処置をとる 有害な環境影響を緩和する その不適合によって起こった結果に対処する b) その不適合が再発又は他のところで発生しないようにするため 次の事項によって その不適合の原因を除去するための処置をとる必要性を評価する その不適合をレビューする その不適合の原因を明確にする 類似の不適合の有無 又はそれが発生する可能性を明確にする c) 必要な是正処置を決定し 実施する d) とった全ての是正処置の有効性をレビューする e) 必要な場合には 環境マネジメントシステムの変更を行う

3-7. 10 章改善 ( 要求事項の解説 ) 1. 予防処置 という表現がなくなったが EMS の取組み全体が予防処置に結び付いているという考え方である 環境パトロール も予防処置の一例である 2. 手順の要求が無くなり 確実なプロセスが踏めるような帳票があれば 対応することも可能である 49 是正処置は 環境影響を含めて 検出された不適合のもつ影響の大きさに応じたものでなければならない 組織は 次に示す事項の証拠として 文書化した情報を保持しなければならない 不適合の本質及びとった処置 是正処置の結果 10.2 継続的改善組織は 環境パフォーマンスを高めるために 環境マネジメントシステムの適切性 妥当性及び有効性を継続的に改善しなければならない

3-7. 10 章改善 ( 要求事項の解説 ) 50 3. 類似の不適合の有無 再発の可能性有無を明確にするための 水平展開 の具体的な要求が明記された 4. 文書化要求の中に 是正処置と結果以外に 不適合の本質 が追加されている これは不適合の真因であり 再発防止対策の起点となる重要な項目である

3-7. 10 章改善 ( 要求事項の解説 ) 51 EMS の継続的改善 利害関係者 Plan 利害関係者 Act Do EMS の要求事項 Check 管理された EMS 1. EMS の実施状況の監視 見直し結果に基づく是正処置の実施 2. EMS の枠組みについての見直しによる改善 ( マネジメントレビュー 文書の見直し ) 3. 目標の達成と レベルの向上を目指した目標の設定 4. 外部及び内部の課題の変化に即応したリスク対応

4. 文書類一覧 52 : 新たに作成が必要と思われる文書類 章 関連条項 文書及び記録 例 要求 推奨 EMSの適用範囲 4.3 環境マネジメントシステムの適 4 組織の状況 利害関係者とその要求事項 用範囲の決定 組織とその状況 5.2 環境方針 方針 5 リーダーシップ 5.3 組織の役割 責任及び権限 責任と権限 6.1.2 環境側面の決定 著しい環境側面の決定の基準 環境影響 6 計画 6.1.3 順守義務の決定 順守義務の特定と組織への適用方法 6.1.4 脅威と機会に関連するリスク 脅威と機会に関連するリスクの特定 6.2.1 環境目的 環境目的 7.2 力量 力量のニーズと付与方法及び評価 7.4コミュニケーション コミューニケーション手順 7 支援 7.4.1 一般 コミューニケーション記録 7.5 文書化した情報 7.5.1 一般 規格要求及び組織が決定した文書 7.5.3 文書化した情報の管理 運用の計画及び管理に伴う手順書 記録 8 運用 8.1 運用の計画及び管理 外部委託の管理要領 ライフサイクルを考慮した環境対応の手順 8.2 緊急事態への準備及び対応 緊急事態対応の手順 9.1 監視 測定 分析及び評価 9.1.1 一般 監視及び測定 分析評価の手順と記録 順守評価の結果 9 パフォーマ 9.1.2 順守評価ンス評価 監査プログラム及び監査結果 9.2 内部監査 監査計画 手順 9.3マネジメントレビュー マネジメントレビューの結果の記録 10 改善 10.1 不適合と是正処置 是正処置の手順 是正処置の結果

5. 今後の対応 53 ISO 14001:2015 版での対応について マニュアルに対する JARI-RB の考え 10 章構成に書き変えることは必須ではありません しかしながら今後の規格改正への対応 また 将来の他 MS との統合を考えると 10 章構成であることを推奨します

5. 今後の対応 54 1. 2015 年 IS 発行時点から 2015 年版の審査受付を開始します DIS FDIS での認証審査は行いません 2. 移行期間は 3 年間の予定であり 2018 年 (6 月予定 ) までに移行終了とします 3. 審査ご案内時に移行時期の確認をさせていただきます