新約聖書の学び

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2. アウトライン (1) 過去の回顧 (1~4 章 ) (2) 律法の解説 (5~26 章 ) (3) 未来の展望 (27~30 章 ) (4) 指導者の交代 (31~34 章 ) 3. 結論 (1) 律法の本質 (2) イスラエルの将来 (3) 申命記とイエスの教え 申命記を通して イエスの教え

2010 年 4 月 18 日 ( 日 ) 19 日 ( 月 ) ハーベストフォーラム東京出エジプト記 19 出エジ 19 出エジプト記 14 章 15 節 ~15 章 21 節 紅海を渡る 1. 文脈の確認 (1) イスラエルの民は 430 年後にエジプトを脱出した (2) エジプト脱出の記録は

2015 年 9 月 8 日 ( 火 ) 60 分でわかる旧約聖書 (9) サムエル記第一 60 分でわかる旧約聖書 (9) サムエル記第一 1. はじめに (1) 書名 1 本来は サムエル記 という一書である 2 七十人訳が便宜的に第一と第二に分けた 3それ以降 その習慣が定着した ( ヘブル語

2017 年 10 月 8 日 ( 日 ) 9 日 ( 月 ) 15 回さらにすぐれた契約 さらにすぐれた契約 ヘブル 8:1~13 1. はじめに (1) この手紙が書かれた理由を再確認する 1 信仰が後退しつつあった第 2 世代のメシアニック ジューたちへの励まし (2) ユダヤ教の 3 つの柱

2011 年 10 月 16 日 ( 日 ) 17 日 ( 月 )42 ローマ人への手紙 11:25~36 拒否の解決 (3) イスラエルの救い 1. はじめに (1)10 月 13 日 ( 木 ) の日没から仮庵の祭りが始まった 1 第 7 の月の 15 日 満月 2 満月を眺めながら イスラエル

2017 年 8 月 13 日 ( 日 ) 14 日 ( 月 ) 7 回 第 2 の警告 (2) 第 2 の警告 (2) ヘブル 4:1~13 1. はじめに (1) この手紙が書かれた理由を再確認する 1 信仰が後退しつつあった第 2 世代のメシアニック ジューたちへの励まし 2 彼らは 迫害と誤

* ダニエル書 3 捕囚期後 (3) * ハガイ書 * ゼカリヤ書 * マラキ書 (5) 預言者たちが語ったメッセージの要約 1 神の主権と聖なるご性質 2 契約の民イスラエルの不従順の罪 3 悔い改めへの招き 4 迫り来る神の裁きと捕囚 5イスラエルの民を攻撃する周辺国への裁き 6 捕囚からのレム

2013 年 3 月 10 日 ( 日 ) 11 日 ( 月 ) 51 回目 Ⅵ-054 山上の垂訓 山上の垂訓 054 マタ 5:1~2 ルカ 6:17~19 1. はじめに (1) 呼び名について 1マタ 5:1~8:1 は 通常 山上の垂訓 ( 説教 ) と呼ばれる 2しかし この名称は 説教

2018 年 5 月 27 日 ( 日 ) 28 日 ( 月 ) 14 回 ペテロの第 2 のメッセージ (2) ペテロの第 2 のメッセージ (2) 使徒 3:17~26 1. はじめに (1) ペンテコステの日に教会が誕生した 1ペテロの第 1 回目のメッセージにより 3,000 人ほどの人たち

2011 年 06 月 26 日 ( 日 ) 27 日 ( 月 )26 ローマ人への手紙 7:14~25 律法からの解放 (3) ロマ書 7 章クリスチャン 1. はじめに (1) 聖化 に関する 5 回目の学びである 1 最大の悲劇は 律法を行うことによって聖化を達成しようとすること 2この理解は

Heb 11:23 信仰によって モーセは生まれてから 両親によって三か月の間隠されていました 彼らはその子の美しいのを見たからです 彼らは王の命令をも恐れませんでした (1) この節は モーセの信仰ではなく モーセの両親の信仰を記録している 1 彼らは その子の美しいのを見た * ギリシア語で ア

2017 年 2 月 21 日 ( 火 ) 60 分でわかる旧約聖書 (24) エレミヤ書 60 分でわかる旧約聖書 (24) エレミヤ書 1. はじめに (1) 預言者たちの中でのエレミヤの位置づけ 1 預言書を書いた預言者 (the writing prophet) * 王国が南北に分裂して以降

2014 年 10 月 7 日 ( 火 ) 60 分で分かる創世記 60 分で分かる創世記 1. はじめに (1) 60 分で分かる〇〇 のシリーズを開始する 11 節 1 節の解説も重要であるが 鳥瞰図的な理解も必要である 2その場合重要なのは センス オブ プロポーション である (2) 創世記

Heb 11:7 信仰によって ノアは まだ見ていない事がらについて神から警告を受けたとき 恐れかしこんで その家族の救いのために箱舟を造り その箱舟によって 世の罪を定め 信仰による義を相続する者となりました (1) ノアは 神から警告を受けた 1 創 6:17 Gen 6:17 わたしは今 いの

2 1. 神の 恵み によって 誇れる人 1) ギデオン ギデオンという人は勇士として知られていますが 元々はそうではありませんでした むしろ彼は臆病者でありました 彼はミデアン人の襲撃を恐れ 酒ぶねの中で 隠れるようにして小麦を打っていました 士師記 6 章 6:14 すると 主は彼に向かって仰せ

2014 年 10 月 7 日 ( 火 ) 60 分で分かる創世記 (2) イスラエルの歴史 (12~50 章 ) 1アブラハム (12:1~25:18) 2イサク (25:19~26:35) 3ヤコブ (27:1~36:43) 4ヨセフ (37:1~50:26) 3. 結論 (1) 創世記とキリス

に知恵と英知と知識とあらゆる仕事において 神の霊を満たした (2~3 節 ) (1) ユダ部族のフル その子ウリ その子ベツァルエル 1フルとはモーセの手を両側から支えた 2 人のうちのひとり ( 出 17 章 ) 2フルの孫がベツァルエルである (2) 神の霊を満たした 1 知恵 (wisdom)

(2) ダビデの最後の言葉 (23:1~7) サムエル記第二を通して ダビデの生涯の意味について考える Ⅰ. 権威ある座に上るダビデ (1~10 章 ) 1. サウルとヨナタンの死 (1:1~27) (1) 主によって開かれた扉 1 試練の中にありながら ダビデはすべての状況を主に委ねていた 2 彼

2012 年 1 月 15 日 ( 日 ) 16 日 ( 月 )53 ローマ人への手紙 14:13~15:3 キリスト者の自由 1. はじめに (1) 文脈の確認 11~8 章が教理 29~11 章がイスラエルの救い 312~16 章が適用 (2)12 章は 基本的には教会内の行動についての勧めであ

Ⅱ. 信仰生活の再建 : エズラの指導 (7~10 章 ) 1. エルサレムに到着するエズラ (7~8 章 ) 2. 民の罪を告白するエズラ (9 章 ) 3. 国を清めるエズラ (10 章 ) 結論 : 私たちへの適用 1. 悔い改めの力 2. みことばの力 エズラ記を通して リバイバルの原則につ

束の地カナンに入ることが許されなかった 9 死を前にして ヨシュアを後継者に任命し 120 歳でモアブのネボ山で死んだ 10 モーセという人は 地上のだれにもまさって非常に謙遜であった ( 民数記 12:3) 11 自分を しもべとして神の家全体のために忠実でした ( ヘフ ル 3:5) 新約聖書に

2017 年 6 月 11 日 ( 日 ) 12 日 ( 月 ) 39 回 新しいエルサレムの特徴 ( 後半 ) 新しいエルサレムの特徴 ( 後半 ) 黙 22:1~5 1. はじめに (1) 旧約聖書の預言のハイライトは メシア的王国である 1 黙示 20 章は メシア的王国が千年で終わることを啓

2012 年 1 月 22 日 ( 日 ) 23 日 ( 月 )54 ローマ人への手紙 15:4~13 希望から希望へ 1. はじめに (1) 文脈の確認 11~8 章が教理 29~11 章がイスラエルの救い 312~16 章が適用 (2)14:1~15:13 は 雑多な問題を扱っている 1 超道徳

(2) ロマ 7:1~6 の要約 1 律法の大原則 * 律法は 人に対して権限を持つ * 律法は 死んだ人には権限を持たない 2 結婚関係の例話 * 夫が生きている間は 結婚の律法によって制約されている * それを破れば 姦淫の女と呼ばれる * 夫が死ねば 結婚の律法から解放される * 再婚しても

2011 年 07 月 17 日 ( 日 ) 18 日 ( 月 )29 ローマ人への手紙 8:12~17 聖化の力 ( 聖霊 )(3) 養子の霊 1. はじめに (1) 聖化 に関する 8 回目の学びである 最終回 1 最大の悲劇は 律法を行うことによって聖化を達成しようとすること 2この理解は ク

2010 年 2 月 21 日 ( 日 ) 22 日 ( 月 ) ハーベストフォーラム東京出エジプト記 13 出エジ 13 出エジプト記 9 章 13 節 ~10 章 29 節 最後の 3 つの災い 1. 文脈の確認 (1) エジプトに主からの 10 の災いが下る (2)10 の災いの記述は 考え抜

2017 年 7 月 16 日 ( 日 ) 17 日 ( 月 ) 3 回 御使いに勝る御子 (2) 御使いに勝る御子 (2) ヘブル 2:1~9 1. はじめに (1) この手紙が書かれた理由を再確認する 1 信仰が後退しつつあった第 2 世代のメシアニック ジューたちへの励まし 2 彼らは 迫害と

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創世記5 創世記2章4節b~25

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6ユダヤ人は 人種的 宗教的理由によって サマリヤ人を軽蔑した * ユダヤの格言 私の目が サマリヤ人を見ることがないように 7サマリヤ人も ユダヤ人を軽蔑し 敵対した * ユダヤ人がエルサレムから下ることは許したが 上ることは許さなかった 8 現代もサマリヤ人の子孫たちが存在している ( 千名以下

2008 年 7 月 27 日 ( 日 ) 28 日 ( 月 ) ハーベストフォーラム東京創世記 8 創世記 8 創世記 3 章 14 節 ~24 節 アダム契約 イントロ : 1. 前回までの復習 (1) 創世記には 11 の区分 ( トルドット ) がある (2) 第 1のトルドットには 人類の

2008 年 7 月 13 日 ( 日 ) 14 日 ( 月 ) ハーベストフォーラム東京創世記 6 創世記 6 創世記 2 章 4 節 b~25 エデンの園に置かれた人 イントロ : 1. 前回の復習 : ここまでで創造の 7 日間について学んだ (1) カオスからの創造であった (2) 神は 6

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2016 年 12 月 10 日 ( 日 ) 11 日 ( 月 ) 16 回 ラッパの裁き 5 ラッパの裁き 5 黙 9:1~11 1. はじめに (1)6 章から 9 章までの流れ 16 章で 巻き物の封印が解かれる 最初の 6 つの封印 * ここから大患難時代が始まる 27 章は 挿入句である

2013 年 3 月 24 日 ( 日 ) 25 日 ( 月 ) 52 回目 Ⅵ-054 八福の教え 八福の教え 054 マタ 5:3~12 ルカ 6:20~26 1. はじめに (1) 文脈の重要性 1 文脈を無視して 山上の垂訓のある言葉を取り出すことが余りにも多い 2イエスは 神の国の福音をも

Rev 7:1 この後 私は見た 四人の御使いが地の四隅に立って 地の四方の風を堅く押さえ 地にも海にもどんな木にも 吹きつけないようにしていた (1) この後 私は見た 1 物事の時間的流れではなく ヨハネが見た幻の順番を示している 2この幻は 神の裁きが迫っていることを示唆している 3 地の四方

* オバデヤがヨエルやエレミヤよりも前の預言者であることを考えると 前者の可能性が高いと思われる * オバデヤ書は 前 845 年前後に執筆されたと考えてよいだろう 4オバデヤは 小預言書の 12 人の預言者の中で最初に登場する預言者である (4) オバデヤ書のテーマ 1イスラエルに敵対する不信仰な

た 義認 の祝福を述べたものでしょうか しかしこの 1 節は 2 節の頭に なぜなら という言葉があるように 2 節と密接に関連しています ですから 2 節を見て行くことによって 1 節の意味を確かめることができます 2 節が述べていることは何でしょうか それは罪と死の原理からの解放です 私たちが

2012 年 2 月 26 日 ( 日 ) 27 日 ( 月 )59 ローマ人への手紙総まとめ 総まとめ 1. はじめに (1) 執筆の意図 1 使徒としての使命 * 所々 かなり大胆に書いた (15:15) 2 使徒としての奉仕の原則 * 他人の土台の上に建てない (15:20) * これまで ロ

2012 年 7 月 1 日 ( 日 ) 2 日 ( 月 ) 17 回目 Ⅴ-020~021 バプテスマのヨハネの登場 バプテスマのヨハネの登場 ルカ 3:1~2 マコ 1:2~6 1. はじめに (1) 文脈の確認 1バプテスマのヨハネの誕生 2イエスの誕生 3イエスの幼少期 (2) 今日の箇所は

としたこと それに対してイエスは 今は 止めないでほしい 正しい ことをすべて行うのは 我々にふさわしいことです ( マタイ 3 15) と 言って ヨハネから洗礼をお受けになったと伝えています しかしマルコ福音書は そういうことは何も伝えていません イエス は ユダヤの全地方から集まって来た大勢の

* ユダヤ人の歴史家ヨセフスもまた同じような書き方をしている 5 テオピロは ルカの執筆活動を支援するパトロンであった可能性が高い 6 もしそうなら テオピロはローマ人クリスチャンであったと思われる (2)1~2 節は ルカの福音書の要約である 1 前の書 というのは ルカの福音書 のことである 2

聖書 :Ⅱ サムエル 20:1~26 説教題 : シェバの反乱 日時 :2019 年 2 月 10 日 ( 夕拝 ) サムエル記第二は 24 章までありますが 最後の 21~24 章は 20 章までと区別されます 最後の 4 章はサムエル記を閉じるにあたっての結びあるいは付録の部分です ですから今日

1.1 節 Rev 14:1 また私は見た 見よ 小羊がシオンの山の上に立っていた また小羊とともに十四万四千人の人たちがいて その額には小羊の名と 小羊の父の名とがしるしてあった (1) ヨハネは キリストの再臨後の状況を見ている 1 実際にキリストの再臨が起こるのは 19 章になってからである

良いこと となります ともするとクリスチャンは こう考えやすいかもしれません 私は人がどう考えるかは気にしない 神がどう思われるかだけを心に留める と 確かにそこに真理はあるのですが そのあまり 人々がどう考えるかを顧慮しない傍若無人な態度を取るのが良いのではありません パウロはここで 人々がどう見

2 イエスの戒めを守るなら イエスの愛に留まることになる (2) その教えを話した理由は 弟子たちが喜びに満たされるためである 1イエスは 自分が経験している喜びを弟子たちに与えようとしている 2イエスの喜びは 父なる神への従順 ( 喜ばせること ) によって生まれる 3ヘブ 12:2 Heb 12

2 奇跡 3 父 4 聖書 4. メッセージのゴール (1) イエスを誰だと言うか (2) イエスを信じる者の幸いとは何か このメッセージは イエスの業と主張について考えようとするものである Ⅰ. イエスと父は一体である (19~29 節 ) 1. 行動において まことに まことに あなたがたに告げ

神学総合演習・聖霊降臨後最終主日                  2005/11/16

創世記5 創世記2章4節b~25

このメッセージは メシアの義とパリサイ人の義について学ぼうとするものである Ⅰ. 真の信仰者の特徴 (5:13~16) 1. 地の塩 (13 節 ) あなたがたは 地の塩です もし塩が塩けをなくしたら 何によって塩けをつけるのでしょう もう何の役にも立たず 外に捨てられて 人々に踏みつけられるだけで

イゼベルという女は 商売繁盛のために信仰を妥協するよう しきりに教会の人々に勧めました では これらの背景を踏まえて 学びに入りましょう 今日の聖書個所には 大切なポイントが 5 つあります 1. イエスの描写 (18 節 ) ここでイエスは 燃える炎のような目と光り輝くしんちゅうのような足のお方だ

5. 章節は後代に付加せられたもので 聖書記述者の考えや霊感は反映されていな いので注意が必要 Ⅰ イエスによる預言 (42~46) 1. マタイ 21:42 は詩篇 118:22 預言からの引用 家を建てる者たちの見捨てた石 それが礎の石になった これは主のなさったことだ 私たちの目には 不思議な

ダニエル書は終末についてどのように語っているか No.2 御使いガブリエルが告げた 七十週 の預言 聖書箇所 9 章 20 節 ~27 節 はじめに 前回はダニエル書 2 章から バビロンの王ネブカデネザルの見た正夢に ついて学びました その正夢は終わりの日に起こることを示されたものでした ダニエル

牧会の祈り

4きょう取り上げる 3~5のパターンは ユダヤ的に解釈する必要がある 5イエス時代のユダヤ教のラビたちの旧約聖書引用法 * 直接引用とその成就 * その箇所の解釈ではなく 適用である * きょうの3~5 のパターンは すべて適用である 6マタイは 5 つの引用によってイエスのメシア性を証明しようとし

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Rev 17:2 地の王たちは この女と不品行を行い 地に住む人々も この女の不品行のぶどう酒に酔ったのです (1) 大淫婦と不品行 1 旧約聖書では 淫婦 は 偽の宗教 を象徴する言葉である 2 淫行 は 偶像礼拝を象徴する言葉である 霊的姦淫である * 通常は 真の神を信じると告白しながら 偶像

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Nah 1:2 主 はねたみ 復讐する神 / 主 は復讐し 憤る方 / 主 はその仇に復讐する方 / 敵に怒りを保つ方 (1) ナホムは 傲慢な町ニネベに対して 滅び の預言を語ろうとしている 1ニネベを滅ぼす神は どういうお方なのかという情報を冒頭に置いている (2) 主 はねたみの神 復讐する神

バプテスマのヨハネが逮捕されました その詳細はこのマルコの福音書 6 章に記されていますが ここではイェシュアが福音を宣べ伝え始めるきっかけとなっているように記されています つまりヨハネが捕らえられることと イェシュアがガリラヤに行って福音を宣べ伝え始めることには何等かの結びつきがあるということです

(1) イゼベル 彼にとっては ネバテの子ヤロブアムの罪のうちを歩むことは軽いことであった それどころか彼は シドン人の王エテバアルの娘イゼベルを妻にめとり 行ってバアルに仕え それを拝んだ (1 列 16:31) 1オムリの子アハブは イゼベルと結婚し バアル礼拝をイスラエルに導入した 2 預言者

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マルコの福音書のヘブル的考察 黙れ 出て行け マルコの福音書 1:23~28 はじめに今日はイエス キリストの十字架の死からの復活を祝う イースター という祭りの日にあたり 世界中の教会でこれにちなんだ催しや取り組みがなされています ところで皆さんは イースター という名前の意味を御存知でしょうか

2016 年 10 月 2 日 ( 日 ) 3 日 ( 月 ) 7 回 フィラデルフィアの教会 フィラデルフィアにある教会 黙 3:7~13 1. はじめに (1) 黙示録の 3 区分 1 黙 1:19 は 黙示録を 3 区分している Rev 1:19 そこで あなたの見た事 今ある事 この後に起こ

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2017 年 2 月 5 日 ( 日 ) 6 日 ( 月 ) 22 回 イスラエルに対する戦い (2) イスラエルに対する戦い (2) 黙 12:7~17 1. はじめに (1) キリストの再臨の前に何が起こるかを見ている 110 章 ~14 章は 挿入箇所である * 物語の進展はなく 状況の説明が

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Ⅰ. 管理人の不正の発覚 (1~2 節 ) 1.1 節 a Luk 16:1 イエスは 弟子たちにも こういう話をされた (1) イエスは 弟子たちに話している 1これは 弟子訓練のためのたとえ話である 2 聴衆が誰かを判断することが たとえ話の解釈のために重要である (2) その周りで パリサイ人

裁きます けれども 実は自分たち自身も その基準には到達できていないのです これが偽善の始まりです 律法主義に陥ると 相手をこき下ろし けれども こき下ろしている基準に自分自身が満ちていないことが起こります 高らかに主張している人ほど 実はその教えを行なっていないという問題が起こるのです パウロは

出してくれます 私たちの間 その周りでは平和は保たれているでしょうか パウロは あなたがたは 自分に関する限り すべての人と平和を保ちなさい ( ローマ 12:18) と教えました しかし現実は そうでないことがあります ある事をされて 酷い目にあったのであれば その人とは会いたくないと思います あ

(3) まっすぐにしなさい 1 されば衰へたる手 弱りたる膝を強くし ( 文語訳 ) 2ギリシア語の アノルソオウ である 上げる まっすぐにする 強くする 3ルカ 13:13(18 年も病の霊につかれ 腰が曲がって 伸ばすことができない ) Luk 13:13 手を置かれると 女はたちどころに腰が

牧会の祈り

カインの性格

3 仲介者としての祭司たちが存在していた (2) 新約時代の状態 1すべての信者が まことの聖所に入ることができる * 天の聖所で 神の臨在の前に出ることができる 2これは 万人祭司の教えである 3 訳文の比較 こういうわけですから 兄弟たち 私たちは イエスの血によって 大胆にまことの聖所に入るこ

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1 それは キリストにのみ適用される御名である (2) 旧約聖書では 御使いたちは 神の子たち と呼ばれた Job 38:7 そのとき 明けの星々が共に喜び歌い / 神の子たちはみな喜び叫んだ 1 新約聖書では 信者が 神の子たち と呼ばれる ( ヨハ 11:52) 2しかし 御子 ( ヒュイオス

は歯が痛くなるとズキンズキンとして何をしていても繰り返し襲って来る痛みに悩まされますが そのように 絶えず痛みがある と言わずにいられないような痛みを感じ続けていた 一体それはどんな悲しみ 痛みだったのでしょうか それが同胞ユダヤ人の不信仰に関することでした パウロがどんなに同胞 同国人のことを思っ

みことばから学ぼう メッセージを聴こう 士師 2:11-19 主のさばきつかさ 何が良いことで神に受け入れられるか 士師 2: 12 士師記とはクリスチャンが親しんでいる 聖書 =Bible( バイブル ) は ギリシヤ ラテン語で Biblia( ビブリア ) の 文書 ( 複数形 ) に由来しま

2009 年 1 月 25 日 ( 日 ) 26 日 ( 月 ) ハーベストフォーラム東京創世記 30 創世記 30 創世記 19 章 1 節 ~38 節 ソドムとゴモラの滅び イントロ : 1. 前回までの復習 (1) 神はアブラムを選び 彼とその子孫を通して全人類を救おうとされた (2) それが

2017 年 7 月 2 日 ( 日 ) 3 日 ( 月 ) 1 回 ヘブル人への手紙のテーマ ヘブル人への手紙のテーマ ヘブル 1:1~3 1. はじめに (1) 著者 1いくつかの名が上げられてきた * パウロ * ルカ ( パウロがヘブル語で書いたものを ルカがギリシア語に翻訳した ) * バ

(1) 神殿の聖所と至聖所を分ける幕である 1 長さが約 18 メートル 厚さが約 10 センチ 2この幕の内側に入れたのは 大祭司だけである それも年に一度だけ 3 大祭司 アロンの家系 ケハテ氏族 レビ族 イスラエルの民 全人類 (2) この幕が 上から下まで真っ二つに裂けた 1 神の御手がこれ

1イエスがバプテスマを受けたとき 天が開かれて聖霊が鳩のように下った 2ここでは 天が開かれて再臨のメシアが地に下ってこられる 3 黙 4:1 では ヨハネを招くために天が開かれた 4ここでは キリストが地に下るために天が開いた (2) 白い馬に乗った方 1ローマ軍の将軍は 白い馬に乗った 2 再臨

学習指導要領

2019 年 7 月 28 日 ( 日 ) 29 日 ( 月 ) 70 回 12 人の弟子たちの救い 12 人の弟子たちの救い 使徒 19:1~7 1. はじめに (1) 第三次伝道旅行が始まった 1 使 18:23~21:17( 紀元 53 年の春から 56 年の春 ) 2パウロは ひとりで出かけ

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牧会の祈り

このメッセージは 父なる神について考えようとするものである Ⅰ. 聖書が使用する比喩的言葉 1. 神という言葉について (1) ヘブル語でエロヒム ( エル ) ギリシア語でセオス 1 普通名詞 神々を指す言葉である 2 日本語の神も 多くの神々を指す言葉である 3 聖書の神は どういう神かを示す必

エレミヤは 悪者が栄えているのを見て これは自分の心が試されている 神への信仰が試されていることを感じていました そして 4 節はユダの地が荒廃している様子であります 彼らの罪のために 神がこのようにされているのですが 神は自分の最期については見ない つまり自分の終わりは定めていないと嘯いているので

いでしょう (1)2 重の質問 1 弟子たちは いくつかのたとえ話とその解き明かしを聞いてきた 2ここでイエスは 弟子たちに考えるチャンスを与えている 3 弟子たちは 奥義としての王国 の性質について考え始める (2) イエスのたとえ話は 弟子たちが想像したものとは大いに異なる 1 種のたとえでは

24:24 それで わたしたちの仲間が数人 墓に行って見ますと 果して女たちが言ったとおりで イエスは見当りませんでした 24:25 そこでイエスが言われた ああ 愚かで心のにぶいため 預言者たちが説いたすべての事を信じられない者たちよ 24:26 キリストは必ず これらの苦難を受けて その栄光に入

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神殿とは 神の住まいです 自分の中に神が住まわれたということが救いであり このよ うにしてイエス様とつながっているから イエス キリストを知ることができるようになる のです 神とのつながりを断ち切ることはできない わたしは彼らに永遠のいのちを与えます 彼らは決して滅びることがなく また だれ もわた

(1) 千年王国の最後に サタンが底知れぬ所から再び解き放たれる 1 その理由は 再び人類を試すためである 2 神は 人類がいかに堕落しているかを証明される (2) 千年王国にも罪は存在する 1 千年王国が始まった時点では 未信者は存在しない 2 千年王国では ほぼ理想に近いような生活環境が実現する

の詩や歌があるかもしれません もちろん 賛美歌が挿入されることもあります しかし ほとんど の場合 礼拝のこの部分は 信経または信仰の宣言をそのクライマックスとして持つことが適切です 準備言葉の典礼が明らかになると それに対する準備とそれに対する祈りの反応がどのように適合しているかが分かりやすくなり

子たちも オリーブ山から神殿を眺めて これはまあ 何とみごとな石でしょう 何とすばらしい建物でしょう ( マルコ 13:1) と感嘆の声を挙げました しかし イエス様は この大きな建物を見ているのですか 石がくずされずに 積まれたままで残ることは決してありません ( マルコ 13:2) と言われたの

比喩:その他

平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

2011年度 牧羊者 第Ⅳ巻

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中央部での戦い失敗に対する神の裁き北部での戦いⅠ東部での戦い北部での戦いⅡ南部での戦い偶像礼拝の罪西部での戦いイスラエルの不道徳の罪内戦の罪征服完了の失敗Ⅲ.C. 士師記 士師記は ヨシュア記と非常に対照的な書です ヨシュア記では 従順な人々が神の力への信頼を通して約束の地を征服しました しかし士師記では 不従順で偶像礼拝をする人々が神への反逆のゆえにしばしば打ち負かされています 顕著な 7 つの罪のサイクルにおいて 士師記は イスラエルが神の律法を いかにわきに追いやり めいめいが自分の目に正しいと見えることを行なっていた (21:25) ことを書き記しています そして その結果として 内部からの腐敗と外部からの圧迫が生じました 折にふれて神は 奴隷のくびきを打ち払い イスラエルに純粋な礼拝を取り戻すために 軍事的擁護者を起こされました しかし イスラエルの霊的温度が着実に冷えていくにつれて あまりにも早く 罪のサイクル が再び始まっています 焦点腐敗救出堕落 梗概 1:1 2:1 3:5 4:1 6:1 10:6 12:8 13:1 17:1 19:1 20:1 1:36 3:4 3:31 5:31 10:5 12:7 12:15 16:31 18:31 19:30 21:25 話題 サイクルの原因 カナン人との生活 サイクルの呪い カナン人との戦い サイクルにおける条件 カナン人のような生活 場所 カナン 時間 約 350 年 51

はじめに ヘブル語の書名は ショフェティーム で その意味は 士師 judges 支配者 rulers 救出者 deliverers 救い手 saviors である ショフェット ( 単数形 ) は 正義を保つとか 論争を終わらせるなどの意味を持つだけではなく 解放し 自由にする ということもかつては意味した 士師たちはまず人々を救出し そのあと 人々を支配し正義を行なった 70 人訳聖書では 同義語の Kritai を用いた ラテン語のウルガータは リベル ユディクム Liber Judicum( 士師の本 ) と呼んだ この書は 失敗の書 と呼ぶこともできる 著者 不明 しかし サムエルまたは彼の預言者学校の生徒の一人が書いたと思われる ユダヤ教の伝承タルムードによれば 士師記はサムエルが書いたとしている 確かに サムエルは 士師の時代と王の時代との間で 重要なつなぎ役であった 士師記は サムエルの時代に書かれた 1 この書が シロから契約の箱が奪われた (1 サムエル 4:3~11) あとに書かれたことは 次の 2 つの節 (18:31 20:27) から明らかである 2 何度も出てくる そのころ イスラエルには王がなく (17:6 18:1 21: 25 19:1) という表現は 士師記が書かれたのが サウルの治世の開始よりもあとで 王国分裂の前であることを示している 3 エブス人がエルサレムに 今日まで (1:2) 住んでいるという事実は 士師記が 1004 年 B.C. にダビデがエブス人を打った (2 サムエル 5:6~9) 時よりも前に書かれたことを意味する サムエルが口伝と書かれたものからこの書を編集したというのは 大いにありえる サムエルの預言者としての働きは 士師記の道徳的状況と一致している 首尾一貫した文体と秩序のある構想は 編集者が一人であることを示している 18:30 に 国の捕囚の日まで という表現が使われていて それゆえに 士師記がサムエルの時代に書かれたものではない という主張につながっている もしこれを 722 年 B.C. のアッシリヤ捕囚と取れば この部分のみ のちの時代の編集者によって挿入されたと考えられる しかし この箇所は 士師の時代にペリシテ人によって捕囚されたことへの言及というのが最もありそうなことである この時の出来事は 詩篇 78:61 では 捕囚 と記述されている ( 佐々木注 日本語の聖書では 何と訳されているのかもわかりづらい ) 年代と背景 もし 士師記がサムエルによって書かれたのでなければ この書は 少なくとも 1043 年 B.C.( サウルの治世の開始 ) から 1004 年 B.C.( ダビデのエルサレム制服 ) の間で サムエルと同時に生きた人のうちの誰かによって書かれた ヨシュア記の 7 年間の征服は大まかなもので 所有すべき地は多く残されていた ( ヨシュア 13:1) 各部族によって取られるべきカナン人の重要な拠点は 残されていた カナン人のうちのいくつかの民族は イスラエルをテストする (3:1 4) ため 残されていた 52

この当時 エジプト人は海岸沿いの土地に対しては強い支配権を振るっていたが イスラエルが主に入り込んだ山岳地帯には関心がなかった 士師記が取り扱っている時代は 1380 年 B.C. ごろから 1045 年 B.C. である しかし 士師が活躍した時代は 実際には さらに 30 年長くなる というのは サムエルが最後の士師であるが サムエルのことは士師記に含まれていないからである 士師記は 南部 (3:7~31) 北部 (4:1~5:31) 中央部 (6:1~10:5) 東部 (10:6~12:15) 西部 (13:1~16:31) での 背教 抑圧 救出のサイクルを記述している 背教の広がりは 全領土に及んでいる テーマと目的 士師記の歴史的な目的は イスラエルの物語をヨシュアの死からサムエルの時代 統一王国の始まりにまでつなぐことである 士師記は サウルの治世 (1043 年 ~1011 年 B.C.) の間か ダビデの治世の最初の 7 年間 (1011 年 ~1004 年 B.C.) の間に書かれた 士師記は イスラエルの王制を説明し 擁護している (17:6 18:1 19:1 21:25) イスラエルは 正しい王によって統一される必要があった 他の歴史的な書と同じく 士師記は テーマに沿って選ばれた歴史的事実を示している たとえば 17 章から 21 章までは 時間的には 3 章から 16 章よりも前のことである しかしこれらの章は 当時を支配していた道徳的状態を示すために 士師記の最後に置かれた 士師記は 背教の広がりを示すために地理的概観を また 背教の深まりを示すために時間的概観を記述している 17 章 ~21 章で そのクライマックスに達し それにふさわしい要約として 21:25 が書かれている 神学的には 士師記は イスラエルの偶像礼拝 不道徳 暴力 と ヤーウェの契約への忠実さと恵み深い救出 との間の明確なコントラストを示している 忍耐深い愛のゆえに 神は イスラエルが悔い改めるたびに彼らを赦された イスラエルは しばしば 愚かで 恩を忘れ 頑固で 反抗的な行動をし これが 敗北へとつながった 罪は常に 災いにつながり 悔い改めは常に救出へとつながる 士師記の鍵 鍵になる言葉 : サイクル 鍵になる節 2:20~21 それで 主 の怒りがイスラエルに向かって燃え上がった 主は仰せられた この民は わたしが彼らの先祖たちに命じたわたしの契約を破り わたしの声に聞き従わなかったから わたしもまた ヨシュアが死んだとき残していた国民を 彼らの前から一つも追い払わない 21:25 そのころ イスラエルには王がなく めいめいが自分の目に正しいと見えることを行っていた 鍵になる章 :2 章この章は 神に従う世代から従わない世代への移り変わり 罪のサイクルの形 53

式 そして カナン人を滅ぼしつくさなかった神の目的が書かれていて 士師記全体のミニチュアである 士師記の中のキリスト それぞれの士師は 救い手であり支配者であり 霊的 政治的救出者である それゆえ 士師は 民の救い主であり王であるキリストを描写している 士師記は また 正しい王の必要を示している サムエル記第一を含めて 全部で 17 人の士師が書かれている ある者は戦士で支配者 ( たとえば オテニエルやギデオン ) であり 祭司 ( エリ ) であり 預言者 ( サムエル ) であった このことは キリストの 3 つの役割を表現したことになっている キリストは 彼の前に登場したどの人よりも優れており キリストが 究極の預言者 祭司 王である 聖書への貢献 士師記は 信仰と従順の欠如ゆえの神政政治の失敗を記録している 彼らは 神である王に不忠実であって この世の王を追い求めやすいことが のちにわかった 士師記は ヨシュア記とはっきりと対比されるヨシュア記士師記自由くびき前進後退信仰による征服不信仰による敗北 私たちが主を捨てて ほかの神々に こうして イスラエル人は 主の目の前に悪を仕えるなど 絶対にそんなことはありま行ない 彼らの神 主を忘れてバアルやアシェせん (24:16) ラに仕えた (3:7) イスラエルは神に仕えた (24:31) イスラエルは自分自身に仕えた (21:25) イスラエルは 神の人格も神の力も知イスラエルは神の人格も神の力も知らなかったっていた (24:16~18 31) (2:10) 客観的道徳性主観的道徳性イスラエルは前方へ押し進んでいたイスラエルはらせん状に後退していた罪は裁かれた罪は容認された信仰と従順信仰と従順の欠如 概略 ヨシュアの死後 イスラエルは 350 年の暗黒時代に突入した ヨシュアと征服に関わった世代が死ぬと 主 を知らず また 主がイスラエルのためにされたわざも知らないほかの世代が起こった (2:10 2:7~10 ヨシュア 24:31 参照 ) 士師記は イスラエルの腐敗の記述によって始まり 圧迫と救出の 7 つのサイクルが続き イスラエルの堕落の 2 つの物語で終わっている 腐敗 (1:1~3:4) 士師記は ヨシュアの死後の短い期間の軍事的成功をもって始まっているが すぐに 敵を追い払うことに関して すべての部族が失敗を繰り返すという状況に変わっている イスラエルは 中心的なリーダーがいないためだと思っていたが 失敗の根本的な理由は 神への信仰と従順の欠如である (2:1~3) 妥協は 54

争いと混沌へとつながった イスラエルは先住民を追い払わなかった (1:21 27 29~30) カナン人によって広がっていた道徳的癌を取り去る代わりに イスラエルは 癌と契約を結んだ カナン人の神々は 文字通りイスラエルにとってわなとなった (2:3) 2 章 11~23 節は 士師記 3~16 章で見られるパターンの縮図である 救出 (3:5~16:31) この区分は 7 つの背教 ( 神から離れること ) 7 つの隷属 そして 7 つの救出を記述している 7 つのサイクルのそれぞれに 5 つの段階がある : 罪 隷属 嘆願 救出 そして 平安である これらは また 反逆 悪の報い 悔い改め 回復 そして 休息とも記すことができる 7 つのサイクルは 下方へ向かう罪の螺旋 (2:19) として繰り返されている イスラエルは 継続的に失敗を犯し 失敗から学ぶことなしに 従順と背教の間で揺れ動いていた 背教は進んだが 反逆は継続的なものではなかった 休息と平安の時は 束縛の時よりも長かった イスラエルの罪の単調さは 神の救出の方法の創造性と比較できる士師たちは 同盟が弱くなったこの時期の 軍事的市民的リーダであった 13 人が士師記の中で言及され 4 人はサムエル記第一に書かれている ( エリ サムエル ヨエル アビヤ ) 圧迫された平和だったサイクル圧迫者救出者年数年数 1(3:7~11) メソポタミア人 8 オテニエル 40 2(3:12~30) モアブ人 18 エフデ 80 挿入 (3:31) ペリシテ人 ~ シャムガル ~ 3(4:1~5:31) カナン人 20 デボラ / バラク 40 4(6:1~8:32) ミデヤン人 7 ギデオン 40 5(8:33~10:5) アビメレク 3 トラ / ヤイル 45 エフタ / イブツァン 6 7 6(10:6~12:15) アモン人 18 エロン / アブドン 10 8 7(13:1~16:31) ペリシテ人 40 サムソン 20 合計 114 合計 296 堕落 (17:1~21:25) これらの章は 士師の時代の (1) 宗教的背教 (17~18 章 ) と (2) 社会的道徳的堕落 (19~21 章 ) を表している 19~21 章に 聖書の中で最も悪い不名誉な話の 1 つを含んでいる士師記は この時代を理解するために鍵となる表現をもって終わっている そのころ イスラエルには王がなく めいめいが自分の目に正しいと見えることを行っていた (21:25) 人々は 自分たちの目に悪いことをしていたのではなかったが 主の目に邪悪なこと をしていた 55