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1 情報セキュリティ評価について 情報セキュリティ対策ベンチマーク ISMS 適合性評価制度 情報セキュリティ監査は いずれも 組織が構築した情報セキュリティマネジメントを評価するものである 本項では これらの情報セキュリティ評価について その概要や特徴について述べる これら評価の準拠する規格は 情

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図表 11に都道府県別取得件数 ( 上位 10 位 ) を 図表 12に産業分野別取得件数 ( 上位主要産業分野 ) を 図表 13に産業分野別取得件数の推移を示します 産業分野別件数 ( 図表 12) では最も多いのが 建設 の15,084 件 次いで 基礎金属 加工金属製品 の6,434 件 電

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規格の概要前図の 作成中 及び 発行済 ( 改訂中 含む ) 規格の概要は 以下の通りです O/IEC 27000:2012 Information technology Security techniques Information security management systems Over

(2) 情報資産の重要度に応じた適正な保護と有効活用を行うこと (3) 顧客情報資産に関して 当法人の情報資産と同等の適正な管理を行うこと (4) 個人情報保護に関する関係法令 各省庁のガイドライン及び当法人の関連規程を遵守すると共に これらに違反した場合には厳正に対処すること ( 個人情報保護 )

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2 序文この規格は,2004 年に第 2 版として発行された ISO 14001:2004,Environmental management systems -Requirements with guidance for use を翻訳し, 技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工

目 次 1. 適用範囲 P4 2. 引用規格 P5 3. 用語及び定義 P5 4. 組織の状況 P7 4.1 組織及びその状況の理解 P7 4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解 P7 4.3 個人情報保護マネジメントシステムの適用範囲の決定 P7 4.4 個人情報保護マネジメントシステム P7

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ISO 制定 / 改訂の経緯 1996 年 : ISO 発行 (JIS Q14001 発行 ) 2004 年 : ISO 第 2 版発行 (JIS Q14001 発行 ) 2011 年 : ISO/TC207/SC1において 改訂を行うことを決定 2012 年 ~

する 2 利害関係者がこれを入手できる ISO14001 では利害関係者が入手可能なものとして 環境方針がある 環境方針と併せて利害関係者が要請した場合 渡すことが出来る状態にすることが必要である 一般的には自社のホームページに掲載していれば 誰でも入手可能な状態と言える (3) 環境マニュアルの例

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なぜ社会的責任が重要なのか

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第 1-4 条用語の定義 本ガイドラインにおいて, 次の各号に掲げる用語の定義は, それぞれ次に定めるところによる (1) 委託先等 とは, 委託先, 再委託先及び発注先をいう (2) 外部記憶媒体 とは, 機器に接続してそのデータを保存するための可搬型の装置をいう (3) 外部ネットワーク とは,

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目次 4. 組織 4.1 組織及びその状況の理解 利害関係者のニーズ 適用範囲 環境活動の仕組み 3 5. リーダーシップ 5.1 経営者の責務 環境方針 役割 責任及び権限 5 6. 計画 6.1 リスクへの取り組み 環境目標

3 参照基準次に掲げる基準は この基準に引用される限りにおいて この基準の一部となる - プライバシーマーク付与適格性審査実施規程 - プライバシーマーク制度における欠格事項及び判断基準 (JIPDEC) 4 一般要求事項 4.1 組織 審査業務の独立性審査機関は 役員の構成又は審査業務

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ISO/TC176/SC2/N1291 品質マネジメントシステム規格国内委員会参考訳 ISO 9001:2015 実施の手引 目次 1.0 序文 2.0 ISO 9001:2015 改訂プロセスの背景 3.0 ユーザグループ 4.0 実施の手引 4.1 一般的な手引 4.2 ユーザグループのための具

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5. 文書類に関する要求事項はどのように変わりましたか? 文書化された手順に関する特定の記述はなくなりました プロセスの運用を支援するための文書化した情報を維持し これらのプロセスが計画通りに実行されたと確信するために必要な文書化した情報を保持することは 組織の責任です 必要な文書類の程度は 事業の

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IAF ID 2:2011 Issue 1 International Accreditation Forum Inc. 国際認定機関フォーラム (IAF) IAF Informative Document ISO/IEC 17021:2006 から ISO/IEC 17021:2011 への マネ

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説明項目 1. 審査で注目すべき要求事項の変化点 2. 変化点に対応した審査はどうあるべきか 文書化した情報 外部 内部の課題の特定 リスク 機会 関連する利害関係者の特定 プロセスの計画 実施 3. ISO 14001:2015への移行 EMS 適用範囲 リーダーシップ パフォーマンス その他 (

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特定個人情報の取扱いの対応について

何故 2 つの規格としたのですか (IATF 16949:2016 及び ISO 9001:2015)? 2 つの規格となると 1 つの規格の場合より, 読んで理解するのが非常に難しくなります 1 まえがき 自動車産業 QMS 規格 IATF と ISO との間で,IATF を統合文書と

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Transcription:

情報技術 -セキュリティ技術- 情報セキュリティ管理策の実践のための規範 JIS Q 27002 :2014 (ISO/IEC 27002:2013) (JSA) 平成 26 年 3 月 20 日改正 日本工業標準調査会審議 ( 日本規格協会発行 )

Q 27002:2014 (ISO/IEC 27002:2013) 日本工業標準調査会標準部会構成表 氏名 所属 ( 部会長 ) 稲葉 敦 工学院大学 ( 委員 ) 伊藤 弘 公益財団法人住宅リフォーム 紛争処理支援センター 大橋 守 一般社団法人日本鉄鋼連盟 金丸淳子 公益財団法人共用品推進機構 河村真紀子 主婦連合会 窪塚孝夫 公益社団法人自動車技術会 高久 昇 一般財団法人日本規格協会 田中護史 一般財団法人日本船舶技術研究協会 土肥義治 公益財団法人高輝度光科学研究センター 中西英夫 一般社団法人ビジネス機械 情報システム産業協会 野口祐子 グーグル株式会社 長谷川英一 一般社団法人電子情報技術産業協会 主務大臣 : 経済産業大臣制定 : 平成 18.5.20 改正 : 平成 26.3.20 官報公示 : 平成 26.3.20 原案作成者 : 一般財団法人日本規格協会 ( 108-0073 東京都港区三田 3-13-12 三田 MT ビル TEL 03-4231-8530) 審議部会 : 日本工業標準調査会標準部会 ( 部会長稲葉敦 ) この規格についての意見又は質問は, 上記原案作成者又は経済産業省産業技術環境局基準認証ユニット管理システム標準化推進室 ( 100-8901 東京都千代田区霞が関 1-3-1) にご連絡ください なお, 日本工業規格は, 工業標準化法第 15 条の規定によって, 少なくとも 5 年を経過する日までに日本工業標準調査会の審議に付され, 速やかに, 確認, 改正又は廃止されます

Q 27002:2014 (ISO/IEC 27002:2013) 目次 ページ 0 序文 1 0.1 背景及び状況 1 0.2 情報セキュリティ要求事項 2 0.3 管理策の選定 2 0.4 組織固有の指針の策定 2 0.5 ライフサイクルに関する考慮事項 3 0.6 関連規格 3 1 適用範囲 3 2 引用規格 3 3 用語及び定義 4 4 規格の構成 4 4.1 箇条の構成 4 4.2 管理策のカテゴリ 4 5 情報セキュリティのための方針群 4 5.1 情報セキュリティのための経営陣の方向性 4 6 情報セキュリティのための組織 6 6.1 内部組織 6 6.2 モバイル機器及びテレワーキング 8 7 人的資源のセキュリティ 11 7.1 雇用前 11 7.2 雇用期間中 13 7.3 雇用の終了及び変更 15 8 資産の管理 16 8.1 資産に対する責任 16 8.2 情報分類 17 8.3 媒体の取扱い 19 9 アクセス制御 21 9.1 アクセス制御に対する業務上の要求事項 21 9.2 利用者アクセスの管理 23 9.3 利用者の責任 26 9.4 システム及びアプリケーションのアクセス制御 27 10 暗号 30 10.1 暗号による管理策 30 11 物理的及び環境的セキュリティ 32 11.1 セキュリティを保つべき領域 32 (1)

Q 27002:2014 (ISO/IEC 27002:2013) 目次 ページ 11.2 装置 35 12 運用のセキュリティ 39 12.1 運用の手順及び責任 39 12.2 マルウェアからの保護 42 12.3 バックアップ 43 12.4 ログ取得及び監視 44 12.5 運用ソフトウェアの管理 46 12.6 技術的ぜい弱性管理 47 12.7 情報システムの監査に対する考慮事項 49 13 通信のセキュリティ 50 13.1 ネットワークセキュリティ管理 50 13.2 情報の転送 51 14 システムの取得, 開発及び保守 55 14.1 情報システムのセキュリティ要求事項 55 14.2 開発及びサポートプロセスにおけるセキュリティ 57 14.3 試験データ 62 15 供給者関係 63 15.1 供給者関係における情報セキュリティ 63 15.2 供給者のサービス提供の管理 66 16 情報セキュリティインシデント管理 67 16.1 情報セキュリティインシデントの管理及びその改善 67 17 事業継続マネジメントにおける情報セキュリティの側面 71 17.1 情報セキュリティ継続 71 17.2 冗長性 73 18 順守 73 18.1 法的及び契約上の要求事項の順守 73 18.2 情報セキュリティのレビュー 76 参考文献 79 解説 81 (2)

Q 27002:2014 (ISO/IEC 27002:2013) まえがき この規格は, 工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき, 一般財団法人日本規格協会 (JSA) から, 工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり, 日本工業標準調査会の審議を経て, 経済産業大臣が改正した日本工業規格である これによって,JIS Q 27002:2006 は改正され, この規格に置き換えられた この規格は, 著作権法で保護対象となっている著作物である この規格の一部が, 特許権, 出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意を喚起する 経済産業大臣及び日本工業標準調査会は, このような特許権, 出願公開後の特許出願及び実用新案権に関わる確認について, 責任はもたない (3)

Q 27002:2014 (ISO/IEC 27002:2013) 目次 白 紙 (4)

日本工業規格 JIS Q 27002:2014 (ISO/IEC 27002:2013) 情報技術 -セキュリティ技術- 情報セキュリティ管理策の実践のための規範 Information technology-security techniques- Code of practice for information security controls 0 序文この規格は,2013 年に第 2 版として発行された ISO/IEC 27002 を基に, 技術的内容及び構成を変更することなく作成した日本工業規格である なお, この規格で点線の下線を施してある参考事項は, 対応国際規格にはない事項である 0.1 背景及び状況この規格は, 組織が,JIS Q 27001 [10] に基づく情報セキュリティマネジメントシステム ( 以下,ISMS という ) を実施するプロセスにおいて, 管理策を選定するための参考として用いる, 又は一般に受け入れられている情報セキュリティ管理策を実施するための手引として用いることを意図している また, この規格は, それぞれに固有の情報セキュリティリスクの環境を考慮に入れて, 業界及び組織に固有の情報セキュリティマネジメントの指針を作成する場合に用いることも意図している 形態及び規模を問わず, 全ての組織 ( 公共部門及び民間部門, 並びに営利及び非営利を含む ) は, 電子的形式, 物理的形式及び口頭 ( 例えば, 会話, プレゼンテーション ) を含む多くの形式で, 情報を収集, 処理, 保存及び送信する 情報には, 書かれた言葉, 数字及び画像そのものを上回る価値がある 知識, 概念, アイデア及びブランドは, そのような無形の情報の例である 相互につながった世界では, 情報も, 情報に関連するプロセス, システム, ネットワーク並びにこれらの運営, 取扱い及び保護に関与する要員も, 他の重要な事業資産と同様, 組織の事業にとって高い価値をもつ資産であり, 様々な危険から保護するに値するものであり, 又は保護する必要がある 資産は, 意図的及び偶発的な脅威の両方にさらされるが, 関連するプロセス, システム, ネットワーク及び要員には内在的なぜい弱性がある 事業のプロセス及びシステムに対する変更, 又はその他の外部の変更 ( 新しい法令, 規制など ) によって, 新たな情報セキュリティリスクが発生することもある すなわち, 脅威がぜい弱性を利用して, 組織に害を及ぼす方法が無数にあることを考え合わせると, 情報セキュリティリスクは常に存在する 有効な情報セキュリティは, 脅威及びぜい弱性から組織を保護することで, これらのリスクを低減し, これによって, 資産に対する影響を低減する 情報セキュリティは, 方針, プロセス, 手順, 組織構造, 並びにソフトウェア及びハードウェアの機能を含む, 一連の適切な管理策を実施することで達成される これらの管理策は, 組織固有のセキュリティ目的及び事業目的を満たすことを確実にするために, 必要に応じて確立, 実施, 監視, レビュー及び改善をする必要がある JIS Q 27001 [10] に規定する ISMS では, 一貫したマネジメントシステムの総合的な枠組みに基づいて, 包括的な情報セキュリティ管理策集を実施するため, 組織の情報セキュリティリスクを