Title 経尿道的切除を行った精嚢腺嚢胞の 1 例 Author(s) 石田, 健一郎 ; 柚原, 一哉 ; 蟹本, 雄右 Cittion 泌尿器科紀要 (2006), 52(3): 219-222 Issue Dte 2006-03 URL http://hdl.hle.net/2433/113804 Right Type Deprtmentl Bulletin Pper Textversion publisher Kyoto University
泌 尿 紀 要52 219 219-222,2006年 経尿 道的切 除 を行 った精嚢腺嚢胞 の1例 石 田健 一 郎,柚 原 一 哉,蟹 本 雄右 掛川市立総合病院 A SEMINAL VESICLE CYST TREATED BY RESECTION:ACASE A40-yer-old cler seminl Z)ePrtment re vesiclc resonnce resected until we imging reched proved KANIMoTo spirtion on from to be cytology. on words:seminl ves量cle 緒, Computed Thc ovlly scminl vcsiclc ethnol Jnury 14,2005. shped vcsiclc fbr by dignosis spirted Absolute Huid thc includcd i均ected The prostte. (Hinyokik Key A ncck. seminl perf()rmed. perfbrmcd bldder homogcneous Novembcr,18,2004. his comprcssion f()r deprtment Hospitl rising revcled negtivc Yuusuke our mss ncedlc unroo且ng to ic between trnsurethrl referred vsogrphy percutneous spermtozo communiction, YuHARA ひllology,1(kegwルlunicipl dysuri Bilterl REPORT Kzuy revelcd mgnetic mrgin. microscopicl The ultrsonogrphy tomogrphy IsHIDA, mn trnsbdominl Kenichiro TRANSURETHRAL Trnsurethrl Kiyo 52:219-222,2006) resection 言 精嚢 腺 嚢 胞 は ミュ ー ラ ー管 嚢 胞,前 立 腺 嚢 胞 な どで 渚 知 られ る男 子 骨 盤 腔 内嚢 胞 性 疾 患(骨 盤 深 部拡 張症) の1つ で あ り,比 較 的稀 な疾 患 で あ る.今 回 わ れ わ れ は排尿 障害 を主 訴 と し,各 種 検 査 の結 果,本 症 と診 断 され,嚢 胞 固定 お よび経 尿 道 的壁 切 除術 に て軽 快 した 磁 1例 を報 告 す る. 鞍藻 症 患 者:40歳,男 例 性,既 婚(子 Fig.1. Trnsxil ic 供2人) T2-wcighted mss rctrovesicl 主 訴:排 排 尿 量(Voided 記 す べ きこ とな し 現 病 歴:2004年6月16日,排 尿 困難 を主 訴 に近 医 受 診 し,経 腹 的 超 音 波 検 査 に て 膀 胱 後 面 に嚢 胞 状 腫 瘤 を 認 め た た め,当 科 紹 介 と な り,2005年1月13日 療 目 的 で 当 科 入 院 と な っ た.な 入 院 時 現 症:身 108/70mmHg,脈 お 射 精 障 害,血 長169,0cm,体 整,栄 thc 入 院 時 検 査 所 見:血 下)は 画 像 診 断 所 見:正)逆 行 性 尿 道 造 影(RUG):明 精液症 重70.2kg,血 室 な ど の 異 常 所 見 を認 め ず,ま 良 好 で 水 腎 症 や尿 管 狭 窄 な どの異 常 所 見 を認 め な か っ た.3)経 性 軟,圧 直 腸 的 超 音 波 検 査(TRUS)に 胱 移 行 部 か ら膀 胱 後 面 に か け て,5. 左 側 よ り に 認 め た.4)Mgnctic (MRI)(Fig.1):前 準値 flow rte) て前 立腺膀 8 5.7 4.7cm, 嚢 胞 状 腫 瘤 を正 中 か らや や 液 生 化 学 所 見 お よ び尿 所 見 に異 flow rte)7.oml/s, 側排泄 陰 内 部 均 一 でhypoechoicな 大 尿 流 率(Mx 胱 底 部の挙 た嚢 胞 は造 影 さ 滴 注 入 腎 孟 造 影(DIP):両 清PSA値(Tem-R:基 均 尿 流 率(Averge ら 圧 測 定 感 度 以 下 で あ っ た. 尿 流 測 定(UFM)は,最 残 尿(Residul 上,憩 瘤 は 触 知 し な か っ た. 常 は 認 め な か っ た.血 mlで あ っ た. か な 前 立 腺 部 尿 道 に 圧 排 像 や 延 長 像,膀 養 状 態 良 好.外 腸 診 に て 前 立 腺 は 胡 桃 大,弾 volumc)162 volume)は9.7mlで れ な か っ た.2)点 拍65/分 部 異 常 な し.直 11.2ml/s,平 in rcgion. 精査加 の 既 往 は な か っ た. 4.Ong/ml以 shows intcnsity 尿 困難 既 往 歴:特 痛 な し.腫 imge high resonnce imging 立 腺 頭 側 か ら膀 胱 後 面 にTI強 調 画 像 に て 低 信 号,T2強 調 画 像 に て著 明 高 信 号 を呈 す る 腫 瘤 を 認 め た が,造 影 さ れ る充 実 性 成 分 は 認 め な か っ た.5)精 管 造 影(Fig.2):嚢 胞 は 造 影 さ れ,両
220 泌尿紀要 52巻 3号 2006年 r! 髪 ` 黙 ゆし 箱 冶 驚 鼠 転 撫羅 轟 メ 難 鎌鐡 灘.tti,/T. 11 ilil, vsogrphy Ieft seminl communiction Seminl VeSiCle. vesicle betwecn ぎ Fig.4. by,踊 Foliow-up compression 酵 "勲L- 3P晒戸 ' CT scn 頑 誕 ノ.猷 富 }.略き Bilterl 一 マ. 雛響 Fig.2. r讐 b decrese in size. 内粘 膜 は全 体 的 に黄色 で 点状 出 血 を認 め,エ タ ノ ー ル に よる 変性 の結 果 で あ ろ う と思 わ れ た. 側 の精 管,精 嚢 腺 が 嚢 胞 に よ り著 明 に右 側 へ圧 排 され て い た, 内容 液所 見:検 鏡 にて精 子 の存 在 を認 め,細 胞 診 は 陰 性 で あ っ た.一 般 検 査 に て フ ィ ブ リ ン析 出(一), 以上 よ り精 嚢 腺 嚢 胞 と診 断 し,2005年1月14日 腰椎 麻 酔 下 に超 音 波 ガ イ ド下 経 会 陰 的 嚢 胞 穿刺,嚢 胞 内 エ タノ ー ル注 入 に よ る硬 化 療 法 お よ び経 尿 道 的 嚢胞 壁 切 除術 を施 行 した. バ ル タ(一).PSA値 は23,000 ng/ml で あ っ た. 病 理 組 織 学 的所 見:嚢 胞 壁 切 除 片 は 重 層 化 した 円柱 上 皮 お よび立 方 上 皮 の粘 膜 と平 滑 筋 が 認 め られ た.悪 手 術 所 見:超 音 波 ガ イ ド下 経 会 陰 的 嚢胞 穿刺 を施 行 し,約60mlの 比 重1,027,リ 黄 白色 漿 液 性 の内 容 液 が 吸 引 され た. 嚢 胞 造 影(Fig,3)に て嚢 胞 は恥 骨 結 合 正 中付 近 で 卵 性 所 見 は認 め な か っ た. 臨床 経 過:術 後 経 過 は 良好 で1月18日 カ 月経 過 した現 在,逆 行 性 射 精 を 認 め て い るが,排 尿 円形 を呈 し,境 界 明瞭 で,壁 不 整 や 内 部 に陰 影 欠損 を 障 害 は 軽 快 した.CT(Fig.4)で 認 め な か っ た.ま た精 路,尿 路 い ず れ と も交 通 を認 め の低 吸 収 域 が 存 在 して い る. な か っ た.無 水 エ タ ノ ー ル20mlを15分 間 注 入 し回 考 収,洗 浄 した後,造 影 剤 と イ ン ジ ゴ カル ミ ンの 混合 液 を嚢 胞 内 に50ml注 入 し穿 刺 針 を抜 去 した,続 い て切 退 院 した.4 は 同 部 位 に1.5cm 察 精 嚢 お よび 精 管 末 端 部 よ り膀 胱 後 壁 に か け て,骨 除鏡 を挿 入 した.前 立 腺 肥 大 は認 め ず,膀 胱 内 は三 角 盤 深 部 に存 在 す る嚢 胞 様 拡 張 性 病 変 を男 子 骨 盤 内嚢 部 が 底 部 よ り押 し上 げ られ て い た.透 視 お よび経 直 超 胞 性 疾 患(骨 盤 深 部 異 常 拡 張 症)と 音 波 を ガ イ ドにKnife electrodeを 用 い て正 中 よ り もや Smithl>に や 左 側 に膀 胱 頸 部 か ら切 開 を加 えて い くと,イ ンジ ゴ て報 告 され てい る ものが 最 初 とさ れ て い る.本 邦 にお し,そ の 記 載 は よ り"hydrocele seminl veside"と し カ ル ミンが 流 出 した,続 い て 切 除 ル ー プで嚢 胞 壁 を切 け る精 嚢 腺 嚢 胞 の 報 告 は1939年 中 尾 ら2)に よる もの が 除 し終 え る と嚢 胞 が 十 分 開大 した 状 態 とな っ た.嚢 胞 最 初 で,以 後 多 くの 報 告 が あ る. 欄 L 曜 岩 崎 ら3)は,① 精 嚢 腺 単 純 嚢 胞,② ミュ ー ラ ー管 の 嚢 胞 性 遺 残,③ 尿 管 の精 嚢 腺 部 異 所 開 ロ に よる 嚢胞 性 -r1. 眞 変 化,④ 精 嚢 腺 の嚢 胞 状 拡 張,⑤ そ の他,と 精 嚢腺 の "的} 嚢 胞 性 疾 患 を5つ に分 類 して い る.ま た③ の先 天性 精 嚢 腺 嚢 胞 の場 合,92%に れ,ま た80%に 同側 尿 管 の異 所 開 口 が 認 め ら 同側 腎 の発 生 異 常 を伴 う とい う報 告 も あ る4) 症 状 と して は血 精 液 症,排 尿 時 痛 な ど嚢 胞 内 の 感 染 や 炎 症 に よ る ものや,排 尿 障 害,不 妊 な どが あ るが, 排 便 障 害 を主 訴 とす る報 告5)も あ る.自 験 例 で は排 尿 障 害 を訴 え てい たが,こ 頸 部 が 圧 迫 され る こ とに よ り生 じた と考 え られ た. 1唱 Fig.3. Pelvic rdiogrph inj ected れ は腫 瘤 の増 大 に よ り,膀 胱 fter contrst. mteril 診 断 につ い て,Shbsighら6)は 経 直 腸 的超 音 波 検 査 が ミュ ー ラ ー管 嚢 胞,精 管 憩 室,精 嚢 腺 嚢 胞,前 立 腺