情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report Vol.2014-IOT-27 No.7 Vol.2014-SPT-11 No /10/9 仮設住宅および復興公営住宅における買い物支援のため のプリペイド型簡易商店システムの運用と評価 寺澤拓也 1 齊藤信人 1

Similar documents
1. World Trade Center 5). 6).. 3. Massive 3.1 Massive Massive D 2 7)8). Massive.. Maya 3 9) Massive ). 2 c2011 Information Processing Soc

IPSJ SIG Technical Report PIN(Personal Identification Number) An Examination of Icon-based User Authentication Method for Mobile Terminals Fum

Web Web [4] Web Web [5] Web 2 Web 3 4 Web Web 2.1 Web Web Web Web Web 2.2 Web Web Web *1 Web * 2*3 Web 3. [6] [7] [8] 4. Web 4.1 Web Web *1 Ama

IPSJ SIG Technical Report Vol.2010-GN-75 No /3/19 1. Proposal and Evaluation of Laboratory Experiments for understanding Offshore Software Deve

資料 4 平成 29 年 1 月 27 日記者会見 土地区画整理事業に関する土地利活用意向調査の実施結果について 復興推進本部都市整備推進室 1 土地利活用意向調査の目的 市内 4 地区の土地区画整理事業は 平成 29 年度末を目標に全ての宅地引渡しが完了できるよう鋭意工事を進めております 地権者へ

AP AP AP AP AP AP AP( AP) AP AP( AP) AP AP Air Patrol[1] Air Patrol Cirond AP AP Air Patrol Senser Air Patrol Senser AP AP Air Patrol Senser AP

Trial Study to Aggregate the Flow of Relief Funds for the Great East Japan Earthquake: Matrix of Relief Fund Inflow and Outflow Abstract The 2011 Grea

研究報告用MS-04

IPSJ SIG Technical Report 3,a),b),,c) Web Web Web Patrash Patrash Patrash Design and Implementation of 3D interface for Patrash: Personalized Autonomo

平成27年国勢調査の5つのポイントと12の新たな取り組み

プレスリリース

先端社会研究 ★5★号/4.山崎

untitled


00.\...ec5

H24/08/00


untitled

IPSJ SIG Technical Report Vol.2014-EIP-63 No /2/21 1,a) Wi-Fi Probe Request MAC MAC Probe Request MAC A dynamic ads control based on tra

2reA-A08.dvi

: ( ) ( ) 1 *1 *2 *3 [1] *4 () *1 *2 e-portfolio *3 *4 [2] [1] (1) (2) ICT *5 CMS / LMS *6 ([3], ) 2 Mahara[4] () *7 *5 Information and Commu

HMD VR VR HMD VR HMD VR Eye-Gaze Interface on HMD for Virtual Reality Hiromu MIYASHITA Masaki HAYASHI Kenichi OKADA Faculty of Science and Technology,

IPSJ SIG Technical Report Vol.2010-GN-74 No /1/ , 3 Disaster Training Supporting System Based on Electronic Triage HIROAKI KOJIMA, 1 KU

IPSJ SIG Technical Report Vol.2016-CLE-19 No /5/20 1,a) 2,b) 3,c) Proposal of self-reflection using the video-sharing site NISHIOKU Kazukiyo 1,a

PowerPoint プレゼンテーション

PPT090_提案書テンプレート

IPSJ SIG Technical Report Vol.2014-CE-123 No /2/8 Bebras 1,a) Bebras,,, Evaluation and Possibility of the Questions for Bebras Contest Abs

10_細川直史.indd

国際社会文化研究所紀要 14号☆/目次


PRESS RELEASE < 報道関係各位 > 2019 年 7 月 18 日 株式会社ジェーシービー < キャッシュレス決済に関する調査 > 6 割の人が週に 1 回以上キャッシュレス決済を利用 2 人に 1 人は キャッシュレスが使えないと来店意欲が減少! 会計担当者の 8 割は少額でもキャッ

untitled

DPA,, ShareLog 3) 4) 2.2 Strino Strino STRain-based user Interface with tacticle of elastic Natural ObjectsStrino 1 Strino ) PC Log-Log (2007 6)

平成 31 年度 税制改正の概要 平成 30 年 12 月 復興庁

untitled

★保健医療科学_第67巻第2号.indb

情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report Vol.2013-GN-88 No.19 Vol.2013-SPT-5 No /5/17 災害コミュニケーション支援に関わる研究の紹介 1 村山優子 1 齊藤義仰 1 西岡大 1 佐藤英彦 1 向井未来 本予稿で

Tsuken Technical Information 1

目次 1. はじめに サービス概要 決済手段概要 契約体系 エンドユーザー向け購入手順 エンドユーザー向けサービス利用条件 エンドユーザー向け決済時認証方法..

<31322D899C8CA982D982A95F985F95B65F2E696E6464>

Windows7 OS Focus Follows Click, FFC FFC focus follows mouse, FFM Windows Macintosh FFC n n n n ms n n 4.2 2

Kyushu Communication Studies 第2号


IPSJ SIG Technical Report Vol.2016-CSEC-75 No /12/1 3DCG CAPTCHA 1,a) (3D) 3DCG CAPTCHA CAPTCHA 3 3D CAPTCHA CAPTCHA 1 CAPTCHA 3 1. Web CA

design071024

IPSJ SIG Technical Report Vol.2012-GN-82 No.13 Vol.2012-CDS-3 No /1/19 Development and Application of the System which Promotes Sharing of Feel

行っている方からは 自宅に閉じこもりがちであったが 外出するきっかけができた との声をい ただいている 3 活動の特徴 1 活動の中で見られた工夫や活動が上手く進んだポイント 大規模仮設住宅以外の被災者を対象に支援を展開前述したように支援物資の配布を通じた訪問活動を行う中で 大規模仮設住宅以外で生活



揃 Lag [hour] Lag [day] 35

1: A/B/C/D Fig. 1 Modeling Based on Difference in Agitation Method artisoc[7] A D 2017 Information Processing

1 UD Fig. 1 Concept of UD tourist information system. 1 ()KDDI UD 7) ) UD c 2010 Information Processing S

Vol.2.indb

首都直下地震における地方財政への影響

1. 手 続 の 流 れ( 補 助 金 の 申 請 から 受 け 取 りまで) 加 美 町 申 請 者 受 付 審 査 補 助 金 交 付 申 請 書 ( 様 式 第 1 号 ) 申 請 交 付 決 定 申 込 順 に 予 算 の 範 囲 内 で 決 定 します 交 付 決 定 通 知 書 ( 様

March 2011

システム開発プロセスへのデザイン技術適用の取組み~HCDからUXデザインへ~

172309_XP_天理大学学報第227輯(体育編)

<30375F97E996D88E812E696E6464>

卒業論文2.dvi

UNIQLO の販売活動についての一考察 前田ひばり 高知工科大学マネジメント学部 1. 概要現在日本のほとんどの人がUNIQLOという日本企業のブランドを知っているだろう さらに UNIQL Oは着る人を選ばないインナーで圧倒的な知名度がある 日本だけではなく 世界でも多数の店舗を

3_23.dvi

中継サーバを用いたセキュアな遠隔支援システム

問 2. 現在 該当区域内に居住していますか 1. 居住している % 2. 居住していない % 無回答 % % 単位 : 人 1.9% 32.7% 65.4% 1. 居住している 2. 居住していない無回答 回答者のうち 居住者が約 65


研究レビューミーティング プレゼン資料 テンプレート

Web-ATMによる店舗向けトータルATMサービス

千葉中央バス株式会社 消費税率引上げに伴う運賃改定の認可についてのお問い合わせ (FAQ) Q 年 10 月 1 日の消費税率引き上げによって バス運賃の値上げを行いますか? A 年 10 月 1 日より 消費税率引き上げ分についてのみ転嫁致します 一般路線バスにつ いて

IPSJ SIG Technical Report Vol.2013-IS-126 No /12/ CIO Examination of Strategic Decision Making for System Planning Phase Yukio Amagai

平成 24 年 11 月 6 日 大熊町住民意向調査調査結果 ( 速報版 ) 復興庁福島県大熊町 調査の概要 1. 調査対象 : 全世帯主 ( 分散避難している場合は それぞれの代表者 ) 5,378 世帯 2. 調査時期 : 平成 24 年 9 月 7 日 ( 金 )~9 月 24 日 ( 月 )

pp DC 2,

Admissions Assistance Office

<30372D985F95B62D8E52967B8C4F8E7190E690B62E706466>

*.E (..).R

わが国における女性管理職研究の展望 Research on Women in Management Positions in Japan Kieko HORII 5 Abstract Japanese society is struggling with a low percentage of wo

三税協力の実質化 : 住民税の所得税閲覧に関する国税連携の効果

PowerPoint プレゼンテーション

セブン-イレブン・ジャパン ニュースリリース 『nanaco』資料

Microsoft PowerPoint - 【FWEST】@Researcher導入効果_ ppt [互

1 5 1) 2 5 Web CMS 3. CMS CMS CMS ( 1 ) ( 2 ) ( 3 ) CMS IT CMS CMS CMS CMS Web Web Web CMS TIFF JPEG MB GB

DOUSHISYA-sports_R12339(高解像度).pdf

NO

<4D F736F F D BC696B18F88979D939D90A782F08D6C97B682B582BD A DD975E8AC7979D CC8D5C927A2E6

Core Ethics Vol. -

Microsoft PowerPoint - interfax_jirei7.ppt [互換モード]

<4D F736F F D B4C8ED294AD955C8E9197BF816988C4816A817A C55F936391BA8E738F5A96AF88D38CFC92B28DB892B28DB88C8B89CA817991AC95F194C5817A2E646F6378>

九州新幹線 久留米駅についてのアンケート の主な結果概要 福岡県立大学人間社会学部公共社会学科 2017 年度社会調査実習 九州新幹線調査 グループ担当教員田代英美学生調査グループ一同 回答者のプロフィール 久留米市の旧久留米市域にお住いの 18 歳 ~79 歳の方から無作為で ( くじ引きのような

2 33,**. + : +/* /++** +/* /++** +/* /++** /** /** F+ +*** F+ +*** / 1*42.,43 /14+,*42 /, , 134,.,43 / 0-41,*42.4, -/41,*43,34,,+4. +

tagawasaisei

Powered by TCPDF ( Title 地理情報科学を用いた外国人観光客向け観光防災地図と政策提案 : 鎌倉市をケーススタディーとして Sub Title Geographical Information Science in tourism/evacuatio

鹿大広報149号

Mimehand II[1] [2] 1 Suzuki [3] [3] [4] (1) (2) 1 [5] (3) 50 (4) 指文字, 3% (25 個 ) 漢字手話 + 指文字, 10% (80 個 ) 漢字手話, 43% (357 個 ) 地名 漢字手話 + 指文字, 21

16_.....E...._.I.v2006

Present Situation and Problems on Aseismic Design of Pile Foundation By H. Hokugo, F. Ohsugi, A. Omika, S. Nomura, Y. Fukuda Concrete Journal, Vol. 29

Webサービス本格活用のための設計ポイント

622 3) 4 6) ) 8) , ,921 40, ) ) 10 11) ) ) ,434 43, ,18

資料 3 第 32 回インターネット消費者取引連絡会 ( テーマ : オンラインチケットサービス ( チケット不正転売禁止法 ) ) 国民生活センター報告資料 平成 31 年 3 月 7 日独立行政法人国民生活センター相談情報部


5_【資料2】平成30年度津波防災教育実施業務の実施内容について

論文題目 大学生のお金に対する信念が家計管理と社会参加に果たす役割 氏名 渡辺伸子 論文概要本論文では, お金に対する態度の中でも認知的な面での個人差を お金に対する信念 と呼び, お金に対する信念が家計管理および社会参加の領域でどのような役割を果たしているか明らかにすることを目指した つまり, お

Transcription:

仮設住宅および復興公営住宅における買い物支援のため のプリペイド型簡易商店システムの運用と評価 寺澤拓也 1 齊藤信人 1 西岡大 1 山口政義 2 村山優子 1 東日本大震災から 3 年が経過した現在でも, 未だに多くの人々が仮設住宅での生活を余儀なくされてい る 仮設住宅周辺では買い物をする場所が少なく, 住民にとって不便な状況である また, 復興公営住宅 においても, 市街地から離れた場所に立地している場合が多いため, 仮設住宅同様, 買い物への不便さ を抱える住民が存在する 本研究では, 仮設住宅および復興公営住宅の住民が自由に買い物をできない という課題を解決するため, プリペイド型簡易商店システムを仮設住宅および復興公営住宅に設置し, 運用実験を実施してきた 本論文では, 運用実験やインタビュー調査を実施し, それにより判明した課題 および, システムの利便性向上への対応について報告する Report on the Assessment and Use of a Prepaid Store System at a Temporary Housing as well as Housing for Reconstruction TAKUYA TERASAWA 1 MAKOTO SAITOU 1 DAI NISHIOKA 1 MASAYOSHI YAMAGUCHI 2 YUKO MURAYAMA 1 Even now that three years have passed since the Great East Japan Earthquake, have been forced to live in temporary housing many people still. The place to shop is few in temporary housing around; it is an inconvenient situation for residents. In addition, in the reconstruction public housing, because if you are located away from the city is large, temporary housing Similarly, residents face the inconvenience of shopping there. In this study, in order to solve the problems residents of reconstruction public housing and temporary housing cannot be a shopping freely, was placed in a reconstruction public housing and temporary housing the pre-paid simple shopping system, we have been implementing the operational experiment. In this paper, challenges and conducted interviews and surveys operational experiment, was found by it, we report on the response to the improved convenience of the system. 1. はじめに 問題解決のためには 住民がいつでも手軽に買い物をでき る商店が有効なのではないかと考えた しかし 従来の移 2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災によって 未 動販売やインターネット通販では 決められた日時でしか だに多くの被災者が 仮設住宅や復興公営住宅等の施設で 買い物ができなかったり 住民の居住地が配達地域外であ の生活を余儀なくされている[1] それらの施設の住民の中 ったりするため 自由に買い物ができない場合がある そ には 周辺の商店が津波で流されてしまい営業を停止した こで 2012 年度の研究[9]では 岩手県立大学村山研究室で ことや居住施設の立地などにより 遠方の市街地まで買い 運用を続けているプリペイド型簡易商店システムを宮古市 物に出かけなければない人もいる[2] また 津波等の影響 赤前仮設住宅に設置 運用した このシステムは路上の無 により被災車両は約 40 万台に上った[3]ことからも分かる 人販売露店をモデルとし セルフサービス方式で 24 時間い 通り 自家用車を失った人も多い 公共交通機関への影響 つでも商品の購入が可能である このシステムを村山研究 も大きく 岩手県沿岸の路線バスについては ほとんどの 室で作成 設置している背景としては 岩手県立大学の周 路線で通常運行している[4]ものの 未だに一部運休及び経 辺には コンビニやスーパー等の小売店が少なく容易に買 路を変更して運行している路線バスがある 鉄道について い物に行くことが難しいことや 課題や研究等で深夜まで は 震災前と現在を比較すると約 95%が復旧しているが 講座内に残る学生が多いことが挙げられる そのため 講 路線ごとで復旧状況のばらつきが大きく 復旧が 24%しか 座内で 24 時間いつでも買い物ができ かつ店員が常時滞在 進んでいないなど 全区間再開の目途が立っていない路線 する必要のない このシステムが運用されている 学生の が依然として存在している[5] 加えて 仮設住宅住民にお 場合は学生証 教員の場合は教員証をプリペイドカードに ける高齢者の割合が高い[6][7]ことも要因となり 自由に買 応用し 予めシステム管理者に現金を渡し入金しておくこ い物が出来ない問題を抱えている住民が多い[8] これらの とで それらの利点を見出している 佐藤[9]が実施した 4 週間の運用実験の結果 システムの利便性を確認すること 1 岩手県立大学 ソフトウェア情報学部 Faculty of Software and Information Science Iwate Prefectural University 2 釜石リージョナルコーディネーター 釜援隊 Kamaishi Regional Coordinator Kamaentai が出来たが 管理者に大きな負担がかかる事や 高齢者の 中でシステムの利用を敬遠する人がいたこと等の課題が明 1

らかになった.2013 年度の研究 [10] では, 管理者の負担軽 減を図るための運用実験を再び赤前仮設住宅にて開始し, 現在も継続中である. また,2014 年 4 月からは新たに, 岩 手県釜石市唐丹町花露辺地区の復興公営住宅にて, プリペ イド型簡易商店システムの運用を開始した. 本研究では, 昨年度の研究で展望として挙げられた, ど の年齢層の人にも使用しやすいインタフェースの作成 を 行う. また, システムの利用履歴を解析し,2 カ所のシス テム設置場所ごとの利用率の算出を行った. 2. 関連研究及び既存システム 本章では無人販売商店及び農地直売所における, ネット ワークを介したオンライン上での在庫管理を行う関連研究 及び被災地への物資提供における関連研究を述べる. 2.1 産直システム 農地直売所 ( 以下, 産直とする ) とは, 生産者が商品を消 費者に対して直接販売する場所である. 複数の生産者が 1 つの大きな施設で販売する産直では次の 3 つの問題を抱え ている. まず, 生産者は日常的に農業に従事しているため, 店内における在庫の販売状況を把握することが出来ず, 販 売機会を損失する場合があることが 1 つ目の問題として挙 げられる.2 つ目の問題は, 生産者が行う値段や販売量の 設定, 出荷時刻といった意思決定の際に必要な店内の在庫 状況や販売傾向における情報の取得が難しいことである. 最後に, 産直は都市部から離れた場所に多いため, 消費者 が来店した際に, 目的の商品が品切れを起こしている場合 があることが 3 つ目の問題として挙げられる. そこで, 半 澤ら [10] が, 生産者毎の入荷の管理を行う入荷管理システ ム,POS レジからの売上情報と入荷管理システムからの入 荷情報を用いて在庫情報を生成する売上管理システム, 産 直のイベントや生産者の紹介を行う販売促進システムで構 成される産直システムを考案した. そして, 葛西ら [11] は, 産直システムに在庫情報を店内の消費者に公開する棚位置 管理システムと, 遠隔地からの在庫状況の閲覧を対応する 機能を付与した販売促進システムを構築し, 実際に産直に 導入した. 2.2 移動販売 移動販売とは, 商品を自動車, 例えばトラックの荷台や マイクロバスに積み込み, 一定の消費者が居住する地域を 巡回するという方法である [12]. 移動販売では, 巡回する 地域やコースがほぼ一定であるため, 売上の傾向を把握し, その地域で需要のある物資を予め用意しておくことが出来 る. また, 生鮮食品などにおいても, 商品を手にとって自 身の目で見ることが出来るため, 品質や鮮度を確認できる こともメリットとして挙げられる. 一方で, トラックの荷 台やマイクロバスを用いるため, 商品の積載数に制限があ ることや, 指定された時間内でしか買い物ができないこと から, 消費者は自由に買い物ができない場合がある. 2.3 宅配サービス 宅配サービスとは, 消費者から商品の注文を受け, それ らの商品を揃え, 消費者の手元まで運ぶという方法である [12]. 消費者にとってはわざわざ店舗に出向く必要もなく, また前述の移動販売の様に指定された時間を待っている必 要もなく, 自宅から商品を注文することができ, 注文した 商品を自宅で受け取ることができる. さらに, この宅配サ ービスでは商品数の制限がないため, 消費者は自身の必要 なものを注文し, 入手することが出来る. 加えて, 消費者 と宅配担当者間において, コミュニケーションが生まれる と言ったこともメリットとして挙げられる. 一方, デメリ ットとして, 宅配サービスを実現させるためには多くの人 手が必要になることに加え, 消費者 1 人あたりの単価が低 い傾向にあるため, サービスを継続的に行うのが困難であ ることが挙げられる. 2.4 Information Systems for Emergency Management Jillson[13] は, 被災地への物資提供において, 必要な物資 が定義されていないことを課題として挙げている. どの様 な種類の災害なのか, また被災した地域はどの様な地形な のか等といった多数の要因が絡み合い, それぞれのパター ンで異なる必要物資を定義するのは困難であるとしている. また, 倫理的な観点で, どのような手法を用いて物資の分 配を行えば, 被災者に平等に物資を提供できるかという事 も課題の 1 つとして挙げている. 被災地, もしくは被災者 が必要としている物資をどの様に調査し, 用意するのか, また, 平等に物資を提供する手法が求められている. 3 本研究の経緯 本章では, これまでの研究を記述する. 3.1 バーコードを利用したプリペイド式の学内実験シス テムの構成と運用 市澤 [14] は, 岩手県立大学内で学生によって運営されて いる学内実験用商店には, 管理上の様々な問題があるとし ている. 問題としては, つり銭の計算間違い, 代金の支払 い忘れ, 盗難を挙げている. その原因は, 路上における野 菜の無人販売と同様の方式であることによる, 利用者任せ の決済であるとしている. そのため, 利用者任せの現金決 済ではなく, プリペイド方式の支払いを実現した簡易商店 システムを構築した. これは, 一般的に POS システムと呼 ばれるものであるが, 企業が販売する POS システム [15] や フリーウェアの POS システム [16] より機能が不足している ため, 簡易商店システムと呼ぶことにしている. 図 2 にシ ステム構成を示す. 簡易商店システムは, 利用者が購入を 行うための 購入システム, 管理者が利用者管理, 商品管 理を行うための 管理用システム, 商店システムのバック アップを行う バックアップサーバ の 3 つから構成され ている. 利用者は岩手県立大学の学生, 教員に限定し, 学 生証に付与されている各自固有のバーコードを用いること c 2014 Information Processing Society of Japan 2

で利用者の認証を可能にした プリペイド方式を採用する ことで つり銭の計算間違い 代金の支払いミスの問題を 解決した また 管理者は信頼のある利用者のみを登録し 利用を制限することによって盗難の問題を解決した 4 システム概要 本章ではシステム概要を記述し 各管理者がすべき作業 をまとめた また システムに追加した機能や改良点を述 べる システム作成には JAVA(JDK7)を使用した 4.1 システム構成 システム構成を図 3 に示す 2012 年度の研究[9]では 利 用者管理 商品管理の手間や移動の手間によって管理者に 対して 体力的に大きな負担がかかることが課題として挙 げられていた そのため 本研究では大学側と仮設住宅側 の双方に管理者を設定し 大学側管理者の管理の手間を現 地のシステムに対し 3G ネットワークを利用した遠隔管理 によって解決する 図 2 本研究におけるシステム構成 図 1 システム構成 3.2 被災地の仮設住宅における遠隔管理機能を導入した プリペイド型簡易商店システムの社会実装 東日本大震災以降 多くの人々が仮設住宅での生活を余 儀なくされている その上 被災地の仮設住宅周辺には 津波の影響により生活に必要なものを購入する場所が近く にない また通院 通学 買い物等生活に必要な移動手段 である公共交通機関などへの被害も大きく 自家用車を保 有していない高齢者や障害を持つ住民にとって不便な状況 となっている 以上の要因から 仮設住宅の住人が 自由 に買い物ができないという問題が出てきた 本課題解決に 向け 先行研究[9]では 岩手県宮古市赤前地区仮設住宅に プリペイド型簡易商店システムを設置し 4 週間の運用を 4.1.1 各管理者の作業 ここで 大学側管理者と仮設住宅側管理者の各作業につ いて表 2 にまとめた 行った その結果 商品管理作業を現地でしか行うことが できないため 管理者の負担が大きいことが判明した こ の負担を軽減するため 市川[10]は商品管理を遠隔により 行うシステムを実装した 商品管理の遠隔化に伴い 赤前 仮設住宅の自治会長に仮設住宅側管理者としての作業を依 頼し 作業の分担を行った 運用実験の結果 2012 年度の 研究と比較し作業時間を約 72%削減することができた 表 1 作業 1 回あたりの作業量の比較 本研究 管理者1人 管理者2人 大学 仮設住宅 大学 1時間 1時間 仮設住宅への移動 5時間 なし 商品登録 陳列作業 値札作成 仮設住宅 15分 合計 8時間 2時間 値札の取り付け 値札の作成 カードの販売 商品の発送 回収した現金の管理 カード残高の把握 4.1.2 両管理者の作業の流れ バへ登録する 商品の値札を作成し 商品と共に発送する その他に カードの新規発行 各カードの残高の把握 及 3分 なし 商品の陳列 商品登録 買い出しを行う そして その購入した商品の情報をサー 15分 商品発送準備 商品の買い出し 大学側管理者はまず 仮設住宅に発送するための商品の 15分 カード販売 仮設住宅側管理者の作業 在庫の確認 30分 2時間 大学側管理者の作業 入金管理 新規登録 2012年度の研究 先行研究 商品の買い出し 表 2 各管理者がすべき作業 18分 び追加入金が可能である そして 商店システムの管理者 クライアントから在庫数を閲覧することで在庫を把握する 仮設住宅側管理者は 送られてきた商品を商品スペースに 陳列し 同封の値札を棚に貼り付ける その他 利用者が 3

カードの購入を希望した際に 現金との引換えを行う 4.2 本研究におけるシステム 本章では 2013 年度のシステムに対して必要となった 追加機能や改良点を説明していく 4.2.1 残金統合システム 本講座で使用しているシステムでは 予め利用者が所持 している学生証または教員証に現金で支払われた金額を入 金する形式で運用しているため それらをプリペイドカー ドとして使用が可能である 仮設住宅に設置する際にも 個別のプリペイドカードを発行することも可能であるが 今回は実験ということもあり 使い捨てが可能な紙媒体の プリペイドカードを使用している そのため 中途半端な 図 5 購入画面改良後 残額になった場合に有効に使用出来ないことがあると考え られるため 2 枚のカードの残額を 1 枚のカードに統合す るシステムを作成 付与した 図 4 に残金統合機能の画面 5 運用 本システムは 仮設住宅等の集会所に設置することで運 を示す 用を行う 仮設住宅には その世帯数に応じて 住民同士 の交流を深める目的で 談話室 もしくは集会所が設けら れる 70 世帯以下の小規模な仮設住宅には 1 部屋構成の 談話室が設けられ 70 世帯以上の大規模な仮設住宅には 集会室 台所 物置など 数部屋で構成されている集会所 が設けられる 商店システムを設置するには 商品管理や 利用者管理を行うための PC や 操作用ディスプレイ バ ーコードリーダー 商品陳列のためのスペースが必要であ るため そのスペースを確保することが可能な施設を選択 する必要があった そのことを踏まえ 宮古市赤前仮設住 宅 と 釜石市唐丹地区花露辺復興公営住宅 の各集会所 図 3 残金統合機能画面 4.2.2 GUI の文字フォント及び大きさの調整 で運用を行っている 5.1 宮古市赤前仮設住宅 図 5 に改良前と 図 6 に改良後を示す 本講座で使用し 商店システムを設置する前の 2013 年 8 月 22 日(木)に ていたシステムからの変更点として 表記される文章の変 赤前仮設住宅を訪問し 自治会長と打ち合わせをおこなっ 更を行った また 仮設住宅の住民における高齢者の割合 た そして 今回設置するシステムの説明や 2012 年度の研 は高い[5][6]ため 文字のフォントをゴシック体にし サイ 究[9]との違いなどの説明を行い 9 月 11 日(水)に商店シス ズも大きいものにして 高齢者でも表示された文字が見や テムを設置し 運用を開始した すいように配慮した 5.1.1 運用状況 赤前仮設住宅におけるシステムの運用状況を 表 3 に示 す 商店システムを利用できる時間は 集会所が開放され ている時間帯のみのため 利用時間は 7 時から 19 時となっ ている 表 3 赤前仮設住宅でのシステム運用状況 設置場所 宮古市赤前地区仮設住宅集会所 運用期間 2013 年 9 月 11 日 水 継続中 利用時間 7 00 ~ 19 00 利用対象者 住民約 160 名 支払い方法 プリペイドカード及び現金 管理委託者 赤前地区仮設住宅自治会長 図 4 購入画面改良前 4

5.1.2 運用目的 始以降のデータをシステムのログから算出した 内容は下 2012 年度の研究[9]では 管理者に対して大きな負担がか 記の図 7 の通り 設置からデータ集計までの運用期間 購 かることや 商品購入の際にシステムの利用を敬遠する人 入動作を行った回数 購入された商品の合計数 売上金額 がいること等が課題として挙げられた 2013 年度の研究 の合計 また 1 回の買い物における商品の平均購入個数 [10]では 2012 年度の研究[9]の課題である大学側管理者の 平均購入金額 同一の商品を複数個購入する割合 購入商 作業の手間を システムの遠隔管理を行うことによって解 品の種類数の最大値となっている ただし 赤前仮設住宅 決した 本研究では システムの利用を敬遠する人がいる での現金による商品購入は システムに記録されていない という課題解決のため 利用者にとって使いやすいインタ ため この結果には含まれていない 改良したインタフェ フェースを作成し 運用を行っている ースについては 今後聞き取り調査等で評価を行う予定で 5.2 釜石市唐丹地区花露辺復興公営住宅 ある 2014 年 3 月 23 日(日)に花露辺復興公営住宅を訪問し 自 治会長と打ち合わせを行った 加えて 公営住宅の住民及 び花露辺地区にお住まいの方に対してシステムの利用方法 等の説明会を行った また 2014 年 4 月 19 日(土)にも同様 の形式で説明会を行った 5.2.1 運用状況 花露辺復興公営住宅におけるシステムの運用状況を 表 4 に示す 表 4 花露辺復興公営住宅でのシステム運用状況 設置場所 釜石市 唐丹地区 花露辺復興公営住宅 集会所 運用期間 2014 年 4 月 28 日(月) 継続中 利用時間 24 時間 利用対象者 公営住宅の住民及び花露辺地区の住民 図 6 2 カ所の設置場所におけるシステムの運用結果 6.2 考察 図 7 に示した平均購入金額を比較すると 花露辺復興公 約 100 世帯 支払い方法 プリペイドカードのみ 営住宅における購入金額の方が上回っている この理由の 管理委託者 釜石リージョナルコーディネーター 一つとして 花露辺復興公営住宅では生活用品を中心とし た品ぞろえをしているため お菓子類を中心としている赤 5.2.2 運用目的 前仮設住宅よりも商品の値段が高く設定されていることが システム設置当初は赤前仮設住宅同様 大学側管理者と 考えられる よって 1 回の買い物における平均購入金額 公営住宅側管理者を設置し 作業をそれぞれ分担して行っ から 現在 1000 円が最高額のプリペイドカードに より高 た しかし システム設置から一月程度経過した後 現地 額な金額設定をすることが挙げられる また 1 回の買い に居住している公営住宅側管理者にシステムに対する商品 物における平均購入個数から システムにおける 1 度の買 登録や利用者登録等の 大学側管理者が行っていたことも い物で購入できる商品種類数を 現在の 15 種類から削減す 試験的に行って頂いた そのことにより 公営住宅側管理 ることが挙げられる これにより システムの購入画面に 者の作業負担が増加したが この運用を通して本システム 余剰なスペースが生まれるため 文字フォントの調整など の管理を一般の方に委託することで どの様な課題が出て より画面を見やすくするための自由度を向上させることが くるのかを調査する また 作年度の研究で使用している できると考えられる システムに 残金統合機能の付与 利用画面の文字フォ 7 ント変更 をしたことにより 利用者のシステム利用に対 する抵抗感も聞き取り調査によって評価を行う 6 評価 おわりに 本章では今回の運用結果及びフィードバックを基に 今 後の課題等についてまとめる 7.1 今後の課題 本章では 以上の章で述べた実証実験等を基に得られた 今後の課題として 3 つの点が挙げられる 1 つ目は 現 結果や フィードバックをまとめ 運用結果および今後の 金利用者への対策である 今回 管理を依頼した赤前仮設 システムの改良点について考察した 住宅の住民に聞き取り調査を実施した結果 システムを利 6.1 運用結果 用せず現金で買い物をしている利用者も多いことが判明し 赤前仮設住宅及び花露辺復興公営住宅における 運用開 た 現金を利用する場合 バーコードリーダー等の操作を 5

せず 現金をそのまま専用の貯金箱に入れ商品と引き換え るため システム上では現金利用の場合在庫の変動がない そのため システム上での在庫と実在庫との間に差異が発 生し 正確な商品数の把握が困難である 対策として 商 店システムに現金を利用した場合でも システム上で在庫 数の変動を確認できるシステムの追加をすること等が挙げ られる 2 つ目は 現金の回収である 現金を現地まで回収に行 かなければ 新たに商品の購入や商品の発送が出来ない 今回 商品の発送は 2 週間ごとに行った それに際して 月に 1 回仮設住宅を訪問し 現金の回収を行った 今後 より長期的な設置を考えた場合の対策としては 本学から 現金の回収に行かなくとも 現地でその現金を利用し 地 域に還元できる様なビジネスモデルの検討や 仮設住宅側 管理者にお金を口座へ振り込んでもらう等といった方法が 挙げられる 3 つ目は インタフェースの更なる改良である 機械に 対して抵抗を感じている世代への配慮として 出来るだけ 機械に触れることなく決済が可能なセルフレジのような形 式をとることや より利用者の興味を引くシステムにする ことが必要である 以上の 3 点を今後の課題として挙げたが 今後 継続的 な商店システムの運用を目指す上で 現金利用者が商品の 購入を行った際のシステム上での対処や 仮設住宅側管理 者にシステム管理を委託した際の負担の軽減についても課 題になってくる 7.2 まとめ 2012 年度の研究[9]では 仮設住宅の住民が自由に買い物 を出来ない という問題を解決するためプリペイド型簡易 商店システムの社会実装を行った その結果として 管理 者の負担が大きい という課題が挙げられた この課題を 解決するため 2013 年度の研究[10]では商品管理のオンラ イン化および 大学側と仮設住宅側でそれぞれ一人ずつの 管理者を設置することにした 運用機関については 9 月 11 日(水)から現在も継続中である 赤前仮設住宅側管理者 への聞き取り調査の結果としては 負担ではないが 機械 1) 復興庁 東日本大震災からの復興の状況に関する報告 http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat1/sub-cat1-1/20131112_ kokkaihoukoku.pdf (2013.5) 2) 厚生労働省 応急仮設住宅の居住環境等に関するアンケート 調査 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001svlt-att/2r9852000001 svr9.pdf (2011.09.30) 3) 日本自動車工業会 東日本大震災と自動車のリサイクル http://www.jama.or.jp/lib/jamagazine/201110/01.html (2011.10) 4) 福本雅之 加藤博和 星野雄二 東日本大震災直後における路 線バス事業者の対応に関する調査研究 第 45 回土木計画学研究発 表会(春大会) http://www.urban.env.nagoya-u.ac.jp/sustain/paper/2012/jiyu/12j_hoshi no1.pdf 5) TESUDO.COM 鉄道復旧状況 http://www.tetsudo.com/special/disaster2011/ 6) 宮城県 平成 24 年度応急仮設住宅(プレハブ)入居者健康調査 の結果 http://www.pref.miyagi.jp/uploaded/life/224542_278755_misc.pdf (2013.07.29) 7) 国土交通省 東日本大震災を巡る対応について http://www.mlit.go.jp/common/000193750.pdf (2012) 8) 岩手大学 大槌町仮設住宅住民アンケート調査報告書 http://www.iwate-u.ac.jp/reconstruct/file/otsuchi_question.pdf (2012.03) 9) 佐藤英彦 齊藤義仰 村山優子 被災地の仮設住宅におけるプ リペイド型簡易システムの運用 全国大会講演論文集 2013(1) 379-381 10) 市川潤 西岡大 齊藤義仰 村山優子 被災地の仮設住宅に おける遠隔管理機能を導入したプリペイド型簡易商店システムの 社会実装 情報処理学会第 76 回全国大会, Vol.4, pp.563-564 (2014). 11) 半澤幸恵 葛西翔太 菅野幸貴 竹野健夫 堀川三義 菅原 光政 産地直売所における生産 出荷調整支援システムの開発 情報処理学会報告書 2007-IS-102 pp.21-28 (2007) 12) 葛西翔太 竹野健夫 堀川三義 菅原光政 農産物直売所に おける在庫管理システムの運用と消費者行動の分析 情報処理学 会 研究報告 2009(32) 55-62 13) 赤坂嘉宣 加藤司 買物弱者 対策と事業採算性 経営研 究 第 63 巻 第 3 号 http://dlisv03.media.osaka-cu.ac.jp/infolib/user_contents/kiyo/dba0630 302.pdf 14) Irene Anne Jillson: Protecting the Public, Addressing Individual Rights, In B.V.D Walle, M. Turoff, S.R. Hiltz Information Systems for Emergency Management AMIS, Chapter 3, pp. 46-61 (2010) 15) 市澤浩史 井上智貴 藤原光照 山根信二 村山優子 バー コードを利用した学内実験システムの構築と運用 情報科学技術 フォーラム講演露論文集 pp.191-192 (2002) 16) 株式会社ビジコム http://www.busicom に触れたくない人もいる という回答を得ることが出来た 本研究ではこの課題に対応すべく プリペイド型簡易商店 システムにおける 購入画面の改良を行った また 花露 辺復興公営住宅でもシステムの運用を実施し 赤前仮設住 宅と運用結果を比較し 今後のシステムへの改良案を考察 した 加えて 本システムは災害時用の備蓄としても有効であ ると考えられるため 今後システムを改良する際にはその ことを考慮した機能を付与することで さらに質の高いシ ステムになると考えられる 参考文献 6