フィリピンマカティ 概要 フィリピン経済の中心地 マカティ マカティはフィリピンの首都部 メトロ マニラ を構成する一都市であり アジアの主 要な金融センター 商業センターの一部としての役割を果たしている都市でもあります 大企業中心の経済団体である マカティ ビジネス クラブ やフィリピン証券取引所の 拠点でもあることから マカティはフィリピン金融の中心地と言われています 各国の大使館や領事館が進出していることもあり 外交面でも重要な位置づけにあります 面積は東京の品川区より少し広い 27.36 平方 km ですが 品川区の約 1.5 倍の人 (53 万人 ) が居住しています 人口密度は約 2 万人 /1 平方 km で 世界 42 位の高人口密度地域でも あります 外国人居住者数も多く 生活文化が非常に多様であることでも有名です グリーンベルトやロックウェルセンター グロリエッタ アヤラセンターなど ショッピ ング街や百貨店も充実しています マカティにはフィリピンで一番高いビル PBCom Tower(Philippine Bank of Communications Tower) があります マカティの歴史 1571 年 スペイン人ミゲル ロペス デ レガスピが 単なる沼の多い荒地 と言い捨 てたほど 今のマカティは荒涼とした土地でした それから 500 年と経過していない現在 マカティは劇的な発展を遂げた姿を私達に見せてくれています
マカティは現在のマニラの一部である広大な自治区 サンタアナマニラ (Saint Anne of the Marshes) の一部としてその歴史をスタートしました 以下 主なポイントをま とめてご紹介します : マカティは最初巡礼地だった? マカティは 1600 年代にフィリピンで最も初期に教会が建てられたこともあり 最初は巡礼の地として成長を続けました その時建てられた教会は Nuestra Señora de Gracia in Guadalupe と Church of Sts. Peter and Paul であり ほぼ当時の姿で現存しています Nuestra Señora de Gracia in Guadalupe はバロック様式の教会で メトロ マニラでは人気のウェディングスポットとなっています もう一方の Church of Sts. Peter and Paul はスペインコロニアル様式の教会で 1620 年に建てられました フィリピン中からこれらの教会に数多くの人が訪れ 1670 年には正式な自治区 San Pedro de Macati として独立することになります
上流階級の町 マカティ 1900 年以降 マカティは近代都市として歩み始めます 1910 年代には Maralco によって交通網が整備されたことでビジネス投資家たちを引き寄せ 当時は上流階級の間で 東洋で最高のダンスミュージックが流れる場所として有名だったキャバレー Santa Ana Cabaret などもこの時に建てられました 1914 年には法律により San Pedro de Macati から 現在の名称である Makati( マカティ ) に名前が変更され 1930 年には現在のアヤラトライアングル付近でルソン島初の空港が開港しました 現在のフィリピン国鉄もマカティまで伸び 国では二番目となる競馬場 Santa Ana Park もオープンしました 金融街としての成長 1939 年 ~1945 年の第二次大戦ではマカティも被害を受けましたが マカティをフィリピ ンの金融 / 商業の中心地とすべく 人々が懸命に復興に励んだ結果 マカティは急速な発 展を遂げました 不動産価格も上昇し 1950 年代には最初の計画的コミュニティがアヤラ一族の支援によ って今のバランガイフォーブスパーク等の辺りに建設され 1960 年代以降 マカティは 押しも押されぬ金融 / 商業の中心地としての地位を確立しました 特に Estrella 市長 Bañola 市長 Luciano 市長 Yabut 市長の 4 市長の代には大規模な都 市開発が行われ 国内海外問わず投資を歓迎したため 街が大きく発展しました マカティはルソン島の中心に位置するため その地理的条件から 主要企業の商業的ハブ としての役割も担うようになりました 1975 年にはマカティはリサール州を離れ フィ リピン首都部の一部を形成することとなります
ピープル パワー革命後のマカティ Corazon Aquino( コラソン アキノ ) 氏が 1986 年に大統領に就任した際 マカティの長に Jejomar C. Binay 氏を任命しました 人権派の弁護士であり 庶民派の議員であった Binary 氏の任命に関し アキノ氏は以下のように語っています : EDSA( エドゥサ革命 ) の理想を実現し 民主的な仕事を達成する それも単に人々に与えられた自由の中で行うのではなく 民主的な伝統に則り政府の適切な管理の元で行うことが出来る人物をマカティの長に据えることが私にとって非常に重要でした 私にとって それが Jojo(Binary 氏の愛称 ) だったのです "It was very important for me to place at the helm of Makati someone who would carry out the ideals of EDSA, someone who would make democracy work, not only in the freedom given to its people but also in the proper handling of government according to democratic traditions. And, to my mind, Jojo was the man" 1995 年 1 月 2 日 マカティは共和国法に則り 正式な市となりました マカティの人口動態 人口 2010 年時点の調査におけるマカティ市の人口は 529,039 人で メトロ マニラを構成する全 16 都市の内 9 番目に位置しています マカティの人口はこの 100 年で劇的に増加し わずか 2,700 人であった 1903 年と比較すると 190 倍を超える増加率となっています 驚くべきは日中人口で 本来の人口 50 万人超に対し 日中人口は 100 万人にも達すると言われています これは市中の金融街に通勤してくる人々の数がいかに多いかを示しています 言語 日常語はフィリピン語 ( マニラ地域で話されていたタガログ語の標準語とされる ) ですが メトロ マニラ地域では 教育やビジネスの場で広く英語が用いられているため ほとんどのマカティ市民が流暢に英語を話します
マカティの気候 マカティはケッペン気候区分で熱帯モンスーン気候に分類され 赤道近くに位置するため気温差が非常に少なく 20 ~38 の範囲を逸脱することはほとんどありません また 湿度が常に高いため 気温よりも暖かく感じます 1 月から5 月までが乾季 6 月から1 2 月までが雨季とされています マカティのインフラ フィリピンの高層ビルが集中 フィリピン高層ビルランキング のトップ 50 がマカティに集中しています 最も高いビルは Ayala Avenue( アヤラアベニュー ) 沿いにそびえ立つ PBCom Tower (Philippine Bank of Communications Tower) で 高さが 259m(53 階建て ) あります 東京都庁 ( 高さ 243m 48 階建 ) より高い といえばその高さがイメージいただけるかもしれません * このビルにはフィリピンの老舗銀行の一つである Philippine Bank of Communications とそのライバル銀行である East West Bank の本店があります アヤラアベニューはフィリピンの ウォール街 と呼ばれる金融街で PBCom Tower の他にも G.T. International Tower( 高さ 217m) Ayala Tower One( 高さ 160m) など のビルが点在しています PBCom Tower Ayala tower one
公共交通機関 マカティでは Metro Rail Transit(MRT: メトロレイルトランジット ) と Light Rail Transit (LRT: 高架鉄道 ) の 2 種類の鉄道が利用できます 加えて バス タクシー そしてジ プニーという乗り合いタクシーがあります MRT ジプニー 通信網 マカティはフィリピンで最も発達した通信インフラを備えています プロバイダは 2 社あ り (PLDT と Globe Telecom) 通信網密度は国の平均をはるかに上回っています 世界レベルの施設 マカティには世界レベルの各種施設が揃っており マカティシャングリラを始めとする 6 件の 5 つ星ホテル 8 つのショッピングエリア 2,901 件もの飲食店があります 特に大規模ショッピングモールであるグロリエッタが入居するアヤラセンターや グリーンベルト ロックウェルセンターなどは常に国内外からの多くの人で賑わっており これらのエリアの店舗の品揃えや質の高さ 立地の良さ 環境の良さなどが世界レベルの標準をクリアしていることを物語っています レストランやバーも非常に充実しており ローカルフードのみならず世界各国の料理を楽 しむことができます 食に対する様々なニーズを満たせるといってよいでしょう
治安 医療 教育 マカティ市警察と消防局はともに 2004 年に国の最優秀組織としての表彰を受けています 現在 ロサンゼルス警察を見本として 最先端の設備を有する警察本部を建設中です 最終的には消防局や災害対策本部なども併設し 市の治安を集中的に管理する複合施設と して生まれ変わる予定です 医療面も非常に充実しています マカティには 8 つの大病院 200 を超える医院 60 を 超える歯科医院など 数多くの病院があります 加えてマカティでは最近 国内初となる 24 時間オープンの救急ケアセンター (ACC) を設立しました ACC は Makati Medical Center などの病院を補完する役割を担っており 有資格の医師 看護師 医療アシスタントが 24 時間待機して生命を脅かす疾患や外傷の治療に対応できる体制を整えています 教育面も充実しており 小中高大学をあわせると 20 校を超えています このようにマカティは 単なる金融ビジネス街としてだけではなく 交通や治安 医療 教育面にも力を入れており その充実度もかなり高いものがあります 市民が安心して働き 暮らせる それもかなり高いレベルでそれが実現できるような市政が行われているといえるでしょう