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2021 年度入学者選抜 (2020 年度実施 ) について 静岡大学 本学は,2021 年度入学者選抜 (2020 年度実施 ) より [ 註に明記したものは, その前年度より ], 志願者のみなさんの能力をこれまで以上に多面的に評価することを目的として, 課す教科 科目等を以下のとおりに変更いた

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24 京都教育大学教育実践研究紀要 第17号 内容 発達段階に応じてどのように充実を図るかが重要であるとされ CAN-DOの形で指標形式が示されてい る そこでは ヨーロッパ言語共通参照枠 CEFR の日本版であるCEFR-Jを参考に 系統だった指導と学習 評価 筆記テストのみならず スピーチ イン

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教科 大学入試センター試験の利用教科 科目名個別学力検査等 科目名等教科等科目名等 前期国国語国現代文 古典人文学類地歴世 A, 世 B, 日 A, 日 B, 地理 A, 地理 B 地歴世 B, 日 B, 地理 B 人文 文化公民現社, 倫, 政経, 倫 政経公民倫 学 群 数 数 Ⅰ 数 A 外

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第 2 問問題のねらい青年期と自己の形成の課題について, アイデンティティや防衛機制に関する概念や理論等を活用して, 進路決定や日常生活の葛藤について考察する力を問うとともに, 日本及び世界の宗教や文化をとらえる上で大切な知識や考え方についての理解を問う ( 夏休みの課題として複数のテーマについて調

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どのような便益があり得るか? より重要な ( ハイリスクの ) プロセス及びそれらのアウトプットに焦点が当たる 相互に依存するプロセスについての理解 定義及び統合が改善される プロセス及びマネジメントシステム全体の計画策定 実施 確認及び改善の体系的なマネジメント 資源の有効利用及び説明責任の強化

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Ⅰ 評価の基本的な考え方 1 学力のとらえ方 学力については 知識や技能だけでなく 自ら学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などの資質や能力などを含めて基礎 基本ととらえ その基礎 基本の確実な定着を前提に 自ら学び 自ら考える力などの 生きる力 がはぐくまれているかどうかを含めて学力ととらえる必要があ

卒業認定 学位授与の方針 ( ディプロマ ポリシー ) と学習評価の観点のマトリクス表 学修評価の観点 : 特に重点を置いている 〇 : 重点を置いている 知識 理解 技能 思考力 判断力 表現力 関心 意欲 態度 主体性 多様性 協働性 卒業認定 学位授与の方針 DP1 建学の理念を実践する力 D

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解禁日時新聞平成 30 年 8 月 1 日朝刊テレビ ラジオ インターネット平成 30 年 7 月 31 日午後 5 時以降 報道資料 年月日 平成 30 年 7 月 31 日 ( 火 ) 担当課 学校教育課 担当者 義務教育係 垣内 宏志 富倉 勇 TEL 直通 内線 5

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資料1 児童生徒の学習評価に関するワーキンググループ(第1~第3回)における主な意見等

必要性 学習指導要領の改訂により総則において情報モラルを身に付けるよう指導することを明示 背 景 ひぼう インターネット上での誹謗中傷やいじめ, 犯罪や違法 有害情報などの問題が発生している現状 情報社会に積極的に参画する態度を育てることは今後ますます重要 目 情報モラル教育とは 標 情報手段をいか

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推薦試験 ( 公募制 ) 募 集 人 員 296 名 出 願 資 格 高等学校若しくは中等教育学校を平成 31 年 3 月に卒業見込みの者で 次の 1~6の条件のいずれかを満たし かつ 学校長の推薦を受けたもの 1 全体の評定平均値が3.3 以上の者 2 皆勤の者 3 課外活動 ( 文化活動 体育活

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平成 28 年度 九州歯科大学入学者選抜要項 AO 入試 一般入試 ( 前期日程 )

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( その 1) 等の配点等 試験の区分国語地歴公民数学理科 外国語小論文実技面接配点合計 その他の選抜方法等 * * 1, 2 指定校推薦 社会人 計 * * 1, 2 1, 1, 2 計 1, 2 1, 1, 2 * * 指定校推薦 社会人 計 * * 1, 2 1, 1, 2 計 1, 2 1,

7 本時の指導構想 (1) 本時のねらい本時は, 前時までの活動を受けて, 単元テーマ なぜ働くのだろう について, さらに考えを深めるための自己課題を設定させる () 論理の意識化を図る学習活動 に関わって 考えがいのある課題設定 学習課題を 職業調べの自己課題を設定する と設定する ( 学習課題

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Transcription:

高大接続システム改革 : 現状と展望 日本学術振興会 安西祐一郎 学生の多面的評価を考える セミナー講演資料 2015.11.21 15:40-16:40 東京国際フォーラム東京 1

1967 年 1993 年 2018 年 1989 ベルリンの壁崩壊 1991 経済バブル崩壊 1995 インターネット 携帯商用化 1999 2014 2020 2024 2

http://www.a.u-tokyo.ac.jp/history/gallery4.html 3

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大学院博士課程の主体性養成教育文科省 博士課程リーディング教育プログラム 博士課程リーディングプログラムフォーラム 2013 2014.1.10-11 大阪梅田ナレッジキャピタル大阪大学 5

改革の目的は? 十分な知識と技能を育み これらを活用して答えのない問題に答えを見出す思考力 判断力 表現力等の能力を養うとともに 主体性をもって多様な人々と協働して学ぶ態度を身につけること ( 中教審答申 2014.12.22 より : 字句一部改変 ) Performance Competency Attitude ( 参考現行学校教育法などより ) 小学校 ( 第 30 条 2 項 ) 中学校 ( 第 49 条 ) 高等学校 ( 第 62 条 ) 生きる力 = 豊かな人間性 健康 体力 確かな学力 ( 確かな ) 学力 = 基礎的な知識および技能 これらを活用して課題を解決するために必要な思考力 判断力 表現力等の能力 主体的に学習に取り組む態度 6

高大接続システム改革 1 高等学校教育改革 : 受け身の学習から能動的学習への転換次期学習指導要領に学習方法 学習評価の記述を導入歴史総合 地理総合 数理探究 公共等の科目導入 英語 情報等の科目内容更新 2 高等学校基礎学力テスト ( 仮称 ) の導入 : 高校における知識 技能 思考力 判断力 表現力を確保するとともに 個別の学習改善 3 大学教育改革 : ディプロマ ポリシー カリキュラム ポリシー アドミッション ポリシーの一体的改革大学認証 評価制度の改革受け身の教育から能動的学修への転換 4 個別大学における多角的評価による入学者選抜 : 受検者の活動経歴評価方法の改善 高校調査書の改革 面接 集団討論方法の改善 小論文等の評価方法の改善 大学入学希望者学力評価テスト ( 仮称 ) の導入 大学認証 評価制度の改革 5 大学入学希望者学力評価テスト ( 仮称 ) の導入 : 個別大学の入学者選抜における多角的評価に資するよう 十分な知識 技能 十分な思考力 判断力 表現力などを評価する 7

知識 技能 思考力 判断力 表現力 主体性 多様性 協働性高等学校基礎学力テスト ( 仮称 ) 個別大学の多角的評価による入学者選抜 大学入学希望者学力評価テスト ( 仮称 ) 大学教育 知識 技能思考力 判断力 表現力主体性 多様性 協働性 大学入学者選抜のための仕組み 大学入学希望者学力評価テスト ( 仮称 ) 入学者選抜への活用 各大学における個別選抜 ( 小論文 プレゼンテーション 集団討論 面接 推薦書 調査書 資格試験等 ) 高校教育の質の確保 向上のための仕組み 高等学校基礎学力テスト ( 仮称 ) 高校段階における学習成果を把握するための参考資料の一部として活用可能 知識 技能思考力 判断力 表現力主体性 多様性 協働性 高等学校教育 8

具体的課題は? 1. 高等学校の教育方法 学習評価方法 ( 次期学習指導要領 ) 2. 各教科 科目についての課題 国語 地歴公民 理数 英語 情報 新科目案 ( 検討中 ): 歴史総合 地理総合 公共 数理探究 科目内容更新 ( 検討中 ): 国語 ( 文章構成など ) 歴史( 歴史的思考力の涵養 ) 英語 ( ライティング スピーキングなど ) 情報( 問題発見 解決能力の涵養など ) 3. 高等学校基礎学力テスト とその目的 実施方法 4. 高等学校教員の研修 養成 採用とその方法 5. 高等学校調査書の改訂 6. 大学入学希望者学力評価テスト とその目的 実施方法 7. 個別大学における多角的評価入学者選抜とその目的 実施方法 8. 個別大学における卒業要件 教育カリキュラム 入学者選抜の統合的実践 9. 大学認証 評価制度 国立大学法人評価制度との関係 10. 2つのテストの実施体制 11. 受検料その他の受検者支援経費 12. 改革全体の実施予算 13. その他 9

いくつかの問題 卒業生が 優秀 とはどういうことか? 良い問題 とはどんな問題のことか? 知識 技能 とは何か 知識の量 とは何か? 思考力 判断力 表現力 とは何か? 主体性 とは何か? 多様な人々と協働して学ぶ とはどういうことか? 公平 とは何か? 3 ポリシー と入学者選抜方法の関係は? AO 入試による入学者と一般入試による入学者では 入学後のカリキュラムはどう異なるのか? 入学定員より入学希望者数の方が少ない大学における 入学者選抜 とは何を意味しているのか? 10

背景例 1 国語教育に関する現状と課題について 1( 文科省資料より ) 学習指導と学習評価に対する意識調査報告書 財団法人日本システム開発研究所 ( 平成 21 年度文部科学省委託調査報告書 ) より 授業や学習指導において心がけていること ( 質問項目は一部抜粋 ) 高等学校 中学校 全体国語全体国語 教科書にあることを丁寧に教える授業 44.8% 52.8% 33.8% 35.9% 教科書などの課題に加え, 教員が独自に工夫した教材や実技の課題を扱う授業 児童生徒がグループで話し合い, 考えなどをまとめる授業 児童生徒が, 自分で課題を選択し, 調べたことや考えたことに基づいて, レポートを書いたり発表したりする授業 本時のねらいや目標を授業の導入部などでしっかり明示する授業 小テストやワークシートなどにより, 学期末などだけでなく, 日常的に児童生徒に学習状況の評価を知らせる授業 57.1% 52.8% 50.3% 44.1% 6.5% 7.3% 25.9% 34.1% 12.2% 9.3% 12.8% 17.7% 29.3% 27.5% 45.0% 49.5% 34.7% 54.4% 29.2% 48.2% 宿題を定期的に出す授業 16.2% 22.8% 8.9% 9.1% 教科書教材等への依存度が高く 主体的な言語活動が軽視され 依然として講義調の伝達型授業が行われる傾向 話合いや論述など 話すこと 聞くこと 書くこと における学習が低調 11

背景例 2 歴史的思考力 ( 日本学術会議より ) 例えば 文章や年表 地図 図表等の資料から 歴史に関する情報を整理し その時代の人々が直面した問題や現代的な視点からの課題を見いだし その原因や影響 あるいは解決策等についての仮説を立て 諸資料に基づき多面的 多角的に考察し その妥当性を検証して考えをまとめ 根拠に基づき表現する力などが考えられる ( 文科省 高大接続システム改革会議 資料より ) 12

From McDougal Littell, Modern World History: Patterns of Interaction Section 1: Reading Critically Determining main ideas Following chronological order Clarifying; Summarizing Identifying problems and solutions Analyzing causes and recognizing effects Comparing and contrasting Distinguishing fact from opinion Section 2: Higher-order Critical Thinking Categorizing Making inferences Drawing conclusions Developing historical perspective Formulating historical questions Making predictions Hypothesizing Analyzing motives Analyzing issues Analyzing biases Evaluating decisions and courses of action Forming and supporting opinions Synthesizing Section 3: Exploring Evidence: Print, Visual, Technology Sources Analyzing primary and secondary sources Visual, audio, and multimedia sources Using the Internet Interpreting maps Interpreting charts Interpreting graphs Analyzing political cartoons Section 4: Creating Presentations Writing for social studies Creating a map Creating charts and graphs Creating and using a database Creating a model Creating/interpreting a research outline Crating oral presentations Creating written presentations 英国の中学校世界史教科書に載っている生徒用ガイドの項目 13

1929 年にアメリカで大恐慌が起こった 1930 年に昭和恐慌が起こった 1932 年に日本学術振興会が誕生した 類推推論因果推論帰属推論 C 1 C 2 C n C1=E 1 C2 Cm E 14

背景例 3 初等物理学の問題 ( 多肢選択問題 ) (a) A string is wound round the axis of the yoyo A, as shown in the figure below. To which direction does A move, or does it stand still, if the string is pulled to the direction shown in the figure? Note that A may roll, but does not slide. A A Mark the sentence that you think is correct: 1) A rolls to the left (counterclockwise). 2) A rolls to the right (clockwise). 3) A does not move (is balanced). Yuichiro 15 Anzai 4) Others (Write down concretely.) Y.Anzai and T.Yokoyama,1984 15

(b) A string is wound round the axis of the yoyo B, as shown in the figure below. To which direction does B move, or does it stand still, if the string is pulled to the direction shown in the figure? Note that B may roll, but does not slide. B A Mark the sentence that you think is correct: 1) B rolls to the left (counterclockwise). 2) B rolls to the right (clockwise). 3) B does not move (is balanced). Yuichiro 16 4) Others (Write down concretely.) Anzai Y.Anzai and T.Yokoyama,1984 16

Yuichiro 17 Anzai 17

DNA の X 線写真と分子構造模型 J.D. ワトソン著 ( 中村桂子 江上不二夫訳 ) 二重らせん 講談社より 18

1 2 3 4 5 6 7 思考力 判断力 表現力を構成する諸能力の例 ( 各項目重複あり ; 項目立ての多くは PISA を参考 ) 言語 : 読解 要約 文章構成 文脈に応じた適切な表現 コミュニケーション その他 数 : 統計的思考 論理的思考 図 表 グラフなどを描く 読む その他 科学 : モデルを構成して説明する 抽象化する 内部状態を推定する 計画を立てる 大ざっぱに推測する 合理的に予測する その他 社会 : 合理的思考 的確な例示 歴史や社会の複雑な現象から問題を端的に把握する 議論を焦点化する 矛盾点を明確にする 原因と結果 / 手段と目標の構造を見出す その他 問題発見 解決 : 仮説を立てて推論する 多くの例から共通性を見出す 答えのない問題に答えを見出す 問題の構造を定義する 文脈に応じて問題解決の道筋を定める 計画を立案して実行する力 振り返り その他 情報の活用 : 的確な情報を収集する 情報を整理して体系化する 情報を的確に表現し 伝達する 映像 グラフィクスなどを活用する その他 その他 19

I. 問題の発見と解決 問題発見 解決 計画の立案と実行 問題 としての 発見 問題の理解 問題の表現 ( 定式化 ) 問題解決 問題理解 問題表現方法の探索 計画 ( プラン ) の立案 計画の実行 途中での吟味 ( 振り返り ; PDCA サイクル ) 問題発見 解決プロセスの吟味 ( 振り返り )( モニタリングと内省 ) 20

II. 推論 仮説生成 演繹的推論前提条件の確認 規則の適用 結論の導出 帰納的推論肯定的事例と否定的事例の収集 事例の一般化 事例から前提条件と結論を結ぶ規則の導出 発想推論 ( アブダクション 仮説生成推論 ) 結論の確認 規則の適用 前提条件の発見 類推推論未知の問題の特定 既知の領域の発見 既知領域から未知問題への構造写像の特定 因果推論原因としての現象 ( 外的 内的 ) の特定 結果としての現象 ( 外的 内的 ) の特定 原因から結果への関係の特定 帰属推論結果としての現象 ( 外的 内的 ) の特定 原因としての現象 ( 外的 内的 ) の発見 結果から原因への関係の特定 ( 特定された結果に対する可能な原因は一つとは限らない ) ( 帰属推論 発想推論 類推推論 問題発見 解決 ( 目標を達成する手段の発見 ) はすべて仮説生成推論 ( 結果 未知問題 目標等に対して適切な原因 既知領域 手段等を発見 ( つまり仮説を生成 ) する推論 ) であることに注意 ) 確率的推論 統計的推論事前確率分布 事後確率 条件確率等の推定 統計データからの定性的推論 ( 例 :Fermi 推定 ) 代表性バイアス( その他多様な思考バイアス ) 時間推論 空間推論 時空間推論時間 空間 時空間をパラメータとする上記の各推論 ( 時間推論の例 : 進化過程における系統樹の推定 空間推論の例 : 日本各地の緯度 海岸線 山岳地 平野等の空間的関係からの気候の推定 時空間推論の例 : 世界で並行して起こっている歴史上のできごとの関係についての推論 素粒子の反応についての推論 Yuichiro ) Anzai 21

III. 学習 創造 情報の抽出混沌とした状況の中から 問題発見 解決 推論 仮説生成等に必要な情報を発見すること 問題発見 解決 推論 仮説生成等のプロセスの中で行われる 情報の収集 蓄積と知識 技能の獲得適切な情報を既有の知識 技能やすでに収集 蓄積された情報と関連づけて収集し 蓄積して 新たな知識 技能を獲得すること 知識 技能の構造化 再構造化さまざまな状況における問題発見 解決 推論 仮説生成等に活用できるように 知識 技能を構造化し さらに再構造化を繰り返すこと 構造化 再構造化における情報間の関係づけ 知識 技能の活用とフィードバック問題発見 解決 推論 仮説生成等を 実際に知識 技能を活用して行うとともに そこで生じた事態を問題発見 解決 推論 仮説生成等にフィードバックして新たな問題発見 解決 推論 仮説生成に役立てること 創造的思考新しい知識 技能を産出すること ( 問題発見 類推推論 帰納推論 発想推論 帰属推論等はみな創造的思考のプロセスを支える推論方法 ) 22

IV. 表現 構成 表現の分類内的表現と外的表現 身体表現と非身体表現 言語表現と非言語表現 パターン表現と記号表現 ( アナログ表現とデジタル表現 ) 表現形態の種類言語表現 視覚イメージ表現 聴覚イメージ表現 ジェスチャ表現 芸術 ( 絵画 音楽 建築 工作 パフォーマンス その他 ) 表現 図 表 グラフによる表現 記号 パターン 形 色 動きによる表現 コンピュータプログラムによる表現 その他 表現の選択と情報の構成問題発見 解決のための表現とその構成 ( 例 : あなたが22 世紀初頭の歴史家だと仮定し 20 世紀後半から21 世紀にかけて発展したデジタル技術はどのような問題をもたらしたか 他者が理解しやすいように表現しなさい ( 表現方法 構成方法自由 ) ) 推論 仮説生成のための表現とその構成 ( 例 : あなたが気象学者だと仮定し 地球温暖化は本当に起こっているのか もし起こっていると考えるのであればその原因を 起こっていないと考えるのであればその理由を 他者が理解しやすいように表現しなさい ( 表現方法 構成方法自由 ) ) 情報の構成における情報間関係の特定 言語表現と言語活動文章の構成 文章による表現 言語以外の表現を含む構成 表現 発表や対話の場での表現 コミュニケーション活動 その他 23

V. 判断 意思決定 無限個ないし未知の対象からの選択無限個 ( 有限個でなく ) の情報 あるいは未知の情報の中から適切な情報を選択する判断 合理的思考でき得るかぎりの情報抽出 収集と知識 スキルを駆使し 制約条件をできるだけ特定したうえで 最も適切と考える情報を 責任をもって決定すること VI. メタ認知 批判的思考上記の問題発見 解決 推論 仮説生成 学習 創造 表現 構成 判断 意思決定等のプロセスや結果について それまでと別の観点から再考 再評価すること 振り返り 俯瞰批判的思考に含まれる 協調問題発見 解決における会話 ディスカッション等 24

VII. インタラクション 内的情報と外的情報のインタラクション 問題発見 解決 推論 仮説生成 表現 構成等のプロセスの中での情報のインタラクション 社会的な場でのインタラクション コミュニケーション 協調問題解決におけるインタラクション コミュニケーション VIII. 知識 技能との関係 領域知識と思考力 判断力 表現力の関係 基礎的な知識及び技能を習得させるとともに これらを活用して課題を解決するために必要な思考力 判断力 表現力その他の能力をはぐくみ 主体的に学習する態度を養う ( 学校教育法第 30 条 2 項より ) 25

問題発見 解決のプロセス問題の発見問題の定義解決の方向性の決定解決方法の探索計画の立案結果の予測計画の実行振り返りプロセスの中で働く思考 判断 表現等のうち 特に重視すべきものの例情報の抽出表現判断他者への働きかけ 他者との協働外部との相互作用次の問題解決へ思考学習を通じた創造的思考推論仮説の形成言語表現 言語活動 ( 記号や図表等による表現も含む ) 必ずしも一方通行の流れではない結果に基づく推論問題発見 解決に必要な情報の収集 蓄積問題発見 解決に必要な新たな知識 技能の獲得問題に応じた知識 技能の構造化知識 技能の活用結果の吟味とフィート ハ ック新たな問いの発見新たな知識やモデル等の創造問題や解法 計画等の構成 表現結果の構成 表現情報相互の関係性の構成 表現必要な情報の選択問題の明確化解決の方向性の比較 選択解法や計画の評価 選択 決定知識や情報に基づく仮説の形成抽出した情報に基づく問題の理解関連する知識や情報の検索結果の予測次の問題解決に向けた推論検討中結論に関する意思決定結論に基づく意思決定表現に関する外部との相互作用 フィードバック高大接続システム改革会議 (2015.7.13) 資料より 26

知識 技能 1. 知識 技能 : 自ら記憶した情報自ら意味づけし 関連づけした情報自ら活用できる情報他者と共通した情報 ただし知識 : 事物 できごと 性質やそれらの関係についての情報技能 : 行動 活動やそれらの関係についての情報 2. 知識 技能の活用力 : 知識 技能を文脈に応じて応用する技能 情報を抽出する 組み合わせる 抽象化する 吟味する 大事な情報を選ぶ 適切な表現の方法を創る 別の方法を工夫する 別の観点からみる 別の文脈でとらえる その他多数 27

未来への教育 経済のみならず 社会 政治 安全保障等への観点が 20 世紀とは異なる時代がひらけていく 情報 の概念を社会の基盤とする時代がひらけていく 今の子どもたち 学生たちが生きていく未来社会の構図を描かなければならない 未来への教育 はその根幹に位置する 高大接続改革は 未来への教育 を実現するための大きな歩みである 28

FSP 研究会 学びの原動力は 主体性 にあり 2011 年 7 月創設約 70 企業 20 大学が参加大学 1 年春学期を中心に約 5000 人が受講 第 5 回シンポジウム 2015 年 12 月 25 日 ( 金 )13:00~17:30 明治大学アカデミーコモン内アカデミーホール ( 東京お茶の水 ) 一般社団法人フューチャースキルズプロジェクト研究会 29

FSP 研究会 5 年間の実践による 発見 1. 学びの原動力 は 主体性 2. ( 真に ) 答えのない問題 に対し 初めて会った人たちとのチームワークで答えを見出そうと努力するトレーニングを何度も繰り返す 3. ( 大学 )1 年生の春学期が最適 4. 単位 を取れる授業として実践することが重要 5. 講師の側が 教え過ぎない 我慢する 6. 企業業種 規模 地域 大学設置形態 分野 規模 地域等によらず可能 7. 教える側の異質な関係者同士の緊密な信頼関係 目標の共有 風通しの良いコミュニケーションが必要 2015 年 3 月 第 1 期受講生 ( 当時 1 年生 ) が 大学を卒業し 就職している 30

学校内外での ICT 利用状況 OECD PISA2012 調査 31

Industrie 4.0 とは 2011 年 11 月に公布された High-Tech Strategy 2020 Action Plan( 高度技術戦略の 2020 年に向けた実行計画 ) というドイツ政府の戦略的施策の 1 つである Industrie 4.0 生産コストの上昇消費者ニーズの多様化デジタル技術 インターネット技術 クラウド技術 ビッグデータ技術 IoT 技術の発展 Digital Twin 32

雇用が減少していく仕事と減少しない仕事 アメリカにおける 702 種の仕事の将来雇用を予測 今後 10~20 年後には アメリカの雇用の約 47% が自動化される可能性が高い From C. B. Frey and M. A. Osborne, The future of employment: How susceptible are jobs to computerisation? Oxford Martin School, University of Oxford, Sept. 17, 2013. 将来雇用がかなり減少していくと予測される仕事 銀行の融資担当者 保険の審査担当者 金融機関のクレジットアナリスト 給与 福利厚生担当者 苦情処理担当者 ホテルの受付係 図書館補助員 簿記 会計等の事務職 検査 測定等の技術職 機械 電子機器の修理 建設機器の操作係 タクシーの運転手 その他 将来も雇用が減少しないと予測される仕事 セラピー 医療 教育 文化等にかかわる高度な仕事 高度なレベルのマネジメント 分析 技術の仕事 i 33