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77 682 2781-2788 2012 12 J. Archit. Plann., AIJ, Vol. 77 No. 682, 2781-2788, Dec., 2012 J.R. Juan Ramon JIMENEZ VERDEJO, Shuji FUNO and Kentaro WAKAMATSU Authors have been conducting the field research under the title Origin, Transformation, Alteration and Conservation of Urban Space of Colonial cities since 1999. Focusing on the Spanish Colonial urban process and formation in Cuba,authors wrote several papers through the analysis of the colonial maps AGI(The Archive of the Indies in Seville- Archivo de Indias de Sevilla) collected. We pick up Habana, which was the capital of Cuba and one of the 14 walled Spanish colonial cities, as a target city here. Habana is thought as a prototype of early Spanish colonial cities. This paper discusses the formation of Habana Vieja (Intramuros) based on the analysis of the relationships between street blocks and house types. The average size of street blocks is 80vara 80vara and that of lots is 12vara 26vara. The houses are divided into three major types, sizes which are 20vara 40vara, 25vara 30vara, and 40vara 40vara. These numbers shows some basic method of planning existed, thought the whole street system does not follow strict gridiron pattern. Keywords:Habana, Spanish colonial city, Laws of Indies, House type, Block formation ハバナ, スペイン植民都市, インディアス法, 住居類型, 街区構成 1 研究の目的と背景本稿では, 初期スペイン植民都市の代表, その原像といっていいハバナ旧市街 ( ハバナ ヴィエハ ) に焦点を当て, かつてのイントラムロス intramuros( 城壁内 ) の空間構成について, 街区構成すなわち街区の形状, 敷地分割と住居類型についての考察をもとにその特性を明らかにする ハバナは, 先行するサント ドミンゴ ( ドミニカ共和国 ) とともに, インディアス法 ( フェリペ Ⅱ 世の勅令 1573 年 ) に理念化されることになる都市計画以前に都市建設が行われた都市であり, 必ずしも明快なグリッド パターンを見ることが出来ない ただ, 部分的に整然と区画された地区もあり, その街区割りとインディアス法を比較すること, すなわち, インディアス法につながる萌芽が見られるかどうかが大きな視点となる 前稿注 1) では, 主として歴史的な都市図をもとにして都市形成過程を明らかにし 特に街路体系に着目してその特性を明らかにした 本稿で注目するのは, 住居形態と街区形態との関係である 第一に, ハバナ旧市街 イントラムロスを悉皆調査し, 敷地 建物, 用途, 構造, 階数などの分布を明らかにした 臨地調査は, 2007 年 9 月 3 日 ~9 月 17 日に (J.R. ヒメネス べルデホ, 布野修司 ), および 2009 年 10 月 21 日 ~29 月 (J.R. ヒメネス べルデホ, 若松堅太郎, 塩田哲也, 菅野愛実 ) に行った 住居の実測は行うことができなかったが,4 つの文献注 2) によってハバナ旧市街に点在する 55 軒の住居 ( 図 9) の平面構成が得られている また, ハバナに関する歴史的地図については, セビーリャのインディアス古文書館 Archivo General de Indias(AGI) に収蔵されている 188 枚, マドリードにある陸軍博物館 Servicio Historico Militar (SHM) に収蔵されているもの 44 枚, マドリード Madrid にある海軍博物館 Museo Naval, ハバナにあるキューバ国立古文書館 Archivo Nacional de Cuba の各 1 枚, 計 234 枚を得ている注 3) ハバナおよびキューバの都市に関する主要な文献は末尾に示す通りである注 4) スペイン植民都市に関する論文は枚挙にいとまがないが, これまでの論考注 5) に示している 日本語文献については, 布野修司編 近代世界システムと植民都市 ( 京都大学学術出版会, 2005) に文献リストを挙げている 2 ハバナ旧市街の街区構成臨地調査を行ったハバナ旧市街を含む調査地域は,229 の街区, 3,449 の敷地からなっている ( 図 2) 229 街区のうち, ハバナ旧市図 1 ハバナとキューバ島 Assoc. Prof., Graduate School of Environmental Planning, University of Shiga Prefecture, Ph. D. Prof., Graduate School of Environmental Planning, University of Shiga Prefecture, Dr. Eng. FOB Association FOB Association, Master (Environmental Science) 2781

壁内の街区に限定し さらに臨地調査から 20 世紀以降に大きな 年 が示すような定型化される以前のスペイン植民都市の初期の形 開発が行われた敷地 教会 修道院など宗教施設を含む街区を除 態を示している 以下に 街区 敷地 宅地 の規模を中心にハバ くと 158 の街区 2,825 の敷地がある ナ旧市街の構成を概観したい ハバナ旧市街の街路体系はグリッド状をしているけれど不整形で 2-1 建造物の概要 あり 街区は必ずしも一定の形をしているわけではない また ハバナ旧市街が アルマス広場 図 2 の 1 から 海岸通りに沿 街区は 一定のパターンによって分割されているわけではない って発展し また 北から南へ向かって形成されてきたことは 前 すなわち ハバナはインディアス法 フェリペⅡ世の勅令 1573 稿において 都市地図をもとに明らかにした また 前稿において ハバナ旧市街の全ての敷地の用途について示している 全体の 68.9% 2,375 敷地 棟 3,449 敷地 棟 が専用住居で 店舗 併用住居を含めると 81.6%が住居系用地 建物である 店舗併用住 居は全域に分散しているが 主要な通りに集中している 図 5 に建造物の階数分布 図 6 に建造物の構造別分布を示す ハ バナ旧市街の 2,825 の敷地のうち 広場や空き地や駐車場といった オープンスペースが 152 敷地 4% ある その他の敷地には基本 的に敷地一杯に建物が建設されている ただ その他に廃屋となっ た建物が 99 棟 敷地 2.9% ある レンガ造がほとんど 2907 棟 84% で RC 造 7% 247 棟 石造 3% 135 棟 鉄骨造 2 8 棟 である 1 階建てが 17% 589 棟 2 階建て 42% 1454 棟 3 階建て 24% 809 棟 4 階建て 9% 307 棟 5 階建て以上 4% 138 棟 であり 2,3 階建ての建 物が 66%を占めている 1 階建てから 4 階建ての建物のほとんどは 住居 店舗 店舗併用住居である 5階建て以上の建物は集合住宅 やホテル あるいは事務所である 327 軒の建物にアーケードが付属する 図 7 アーケードは 公 共空間であり 主要な街路や広場に形成されている アルマス広場 に 4 面 プラザ ヴィエハに 4 面 カテドラル広場に 2 面 サン フランシスコ広場に 2 面 クリスト広場に 1 面 ベレン修道院前の プラスエラにも 1 面 確認できた 18 世紀つくられたパウラ並木道 図2 ハバナ旧市街の街路体系と主要施設 1-アルマス広場, 2- プラサ ヌエヴァ プラサ ビエハ, 3-フエ ルサ要塞(1558-1577), 4-プンタ Punta 要塞(1589-1600), 5-サン フランシスコ San Francisco 広場 6-サンタ クララ アシス Santa Clara de Asis (1638-1650)修道院, 7-San Francisco de Sales (17 世紀)学校, 8-San Ambrosio (17 世紀)学校, 9-Santo Cristo del Buen Viaje (1640 )教会, 10-Santa Teresa de Jesus (1707) 教会 修道院, 11-ヌエストラ セニョーラ デ ベレン 図3 宅地数と街区面積 図4 街区の平均宅地面積の分布 Nuestra Señora de Belen (1712-)教会 修道院, 12-サン フラン シスコ アシス San Francisco de Asis (1738)教会 修道院, 13サン フランシスコ デパウラ San Francisco de Paula (1745), 14-サン カルロス イ アンブロジオ San Carlos y San Ambrosio (1774)神学校, 15-カ テ ド ラ ル と 広 場 Catedral and Plaza de Catedral(1748-1777), 16-セグンド カボ邸 Palacio del Segundo Cabo(1770), 17- 総 督邸 Palacio de los Capitanes Generales (1776-1791), 18- エ ス ペ リ ト ゥ サ ン ト Espiritu Santo (1638-1720)教会, 19-テンプレテ Templete (1828), 20-ラ メルセ ド La Merced (1755-1867 )教会 修道院, 21-サント アンゲル デル クストディオ Santo Angel del Custodio (1871 )教会 2782

図5 建物階数の分布 図7 広場とアーケードの分布 プラド遊歩道の両遊歩道にも確認できた 最も多く集中するのは 1863 年の市壁解体後に計画された跡地である 1855 年に主要街路 のアーゲード義務化によるものである 2-2 街区規模 158 の街区について その規模を見ると 平均 4,598 最小 1,095 最大 11,796 である 最小のものは ハバナを植民地化する スペイン人が初めてミサを行った場所であり 現在は テンプレテ が建てられている街区である 最大のものは 海岸沿いのプンタ要 塞とレアル フェルサ要塞の間にある広場である イベロアメリカ のスペイン植民都市の場合 80 ヴァラ vara 注 6 80 ヴァラ vara 4600 の街区が多いが注 7 ハバナの街区規模の平均はスペイン 植民都市に一般的な規模である ヴァラ単位で 街区の規模の分布をみると 50 ヴァラ平方以下が 14 ある 51 60 ヴァラ平方が 18 61 70 ヴァラ平方が 37 71 ヴ ァラ 80 ヴァラ平方が 56 81 90 ヴァラ平方が 40 91 100 ヴ ァラ平方が 25 101 110 ヴァラ平方が 20 で ばらつきはあるが 大半は 100 ヴァラ平方以下である 小さな街区と大きな街区がそれ ぞれ集中している地区が見られる 小規模な街区が集中するのは タコン Tacon 通りとキューバ通りの交点から南下し オビスポ通り との交点から西へ進み モンセラテ Monserrate 通りの交点から北 上しタコン通りとで結ばれる地区とアコスタ Acosta 通りを境に南 の地区 この 2 地区に多く集中している 大きな街区が集中して見られる領域はタコン通りを南下し さら に エンペレアド Empedrado 通りとタコン通りの交点から南下 図6 建築構造の分布 アルマス Armas 広場を通り オフィシオス Oficios 通りを南下し 2783

350 300 250 200 150 100 50 0 間口 (varas) 3~3.99 4~4.99 5~5.99 6~6.99 7~7.99 8~8.99 9~9.99 10~10.99 11~11.99 12~12.99 13~13.99 14~14.99 15~15.99 16~16.99 17~17.99 18~18.99 19~19.99 20~20.99 21~21.99 22~22.99 23~23.99 24~24.99 25~25.99 26~26.99 27~27.99 28~28.99 29~29.99 30~ 図 8 住居の間口と奥行ムラーヤ Muralla 通りとの交点から西へ進み, モンセラテ通りの交点から一街区分北上し, テニエンテ レイ Teniente Rey 通りの交点を東へ進み, キューバ通りとの交点からタコン通りまで北上し結ばれる地区である この地区は, 初期に計画でつくられた通りである南北街路のオフィシオス通り, メルカデレス Mercaderes 通りと東西街路のテニエンテ レイ通り, ムラーヤ通りに囲まれ, また,5 つの広場と接する領域でもある 2-3 街区と宅地数街区規模と街区を構成する敷地 ( 宅地 ) 数を図 3, 街区毎の平均敷地 ( 宅地 ) 面積を図 4 に示す 敷地 ( 宅地 ) 規模は,50 m2から 1,000 m2を超すものまであるが 150 m2 200 m2未満に多く集中している 比較的大きな規模の宅地が残る街区の領域は, エンペレアド通りとタコン通りの交点から南下, アルマス広場を通り, オフィシ 160 140 120 100 80 60 40 20 0 5~5.99 7~7.99 9~9.99 11~11.99 13~13.99 15~15.99 17~17.99 奥行 (varas) 19~19.99 21~21.99 23~23.99 25~25.99 27~27.99 29~29.99 31~31.99 33~33.99 35~35.99 37~37.99 39~39.99 41~41.99 43~43.99 45~45.99 47~47.99 49~49.99 51~51.99 オス通りを南下し, アコスタ通りとの交点から西へ進み, キューバ通りの交点から北上し, ムラーヤ通りとの交点から西へ進み, コンポステイア通りとの交点を北上し, テニエンテレイ通りの交点から東へ進み, アギアル通りとの交点を北上し, エンペレアド通りを西へ進みタコン通りとで結ばれる地区である 一方, 南北街路のアグアカーテ通り, モンセラテ通りと東西街路のテニエンテ レイ通り, ムラーヤ通りに囲まれた一区画は, 街区規模は大きいが, 宅地規模は小さい 街区規模が小さいが宅地規模が大きな区画は, 南北街路のサン イグナシオ通り, アギアル通りと東西街路のオレーリー通り, ムラーヤ通りに囲まれた一区画と南北街路のオフィシオス通り, キューバ通りと東西街路のムラーヤ通りとアコスタ通りに囲まれた一区画である 前者は, カテドラル広場, サン フェリペ ネリ教会, プラザ ビエハが隣接し, 後者は, プラザ ビエハ, サンタ クララ修道院, エスピリトゥ サント教会に隣接し, 海岸に沿った街区である注 8) 2-4 敷地規模 2,825 筆の敷地 ( 宅地 ) の間口, 奥行についてみると以下のようである 間口は, 最小 2.87m, 最大 53.86m, 平均 9.83m である ( 図 8) 奥行は, 最小 4.77m, 最大 61.09m, 平均 22.37m である 面積は, 最小 27.29 m2, 最大 2784.99 m2, 平均 232.87 m2である 全体的には, 間口 20m 以下, 面積 500 m2以下の敷地が多数を占めている 平均的宅地ということでは,10m 弱の間口で 20m 強の奥行きの敷地 ( 宅地 ) が一般的な宅地形状 ( ヴァラを単位とすると 12 ヴァラ 26 ヴァラ ) ということになる 図 9 類型化の対象となる住居の立地 3 住居類型 3-1 住居の分類文献から得られるハバナ旧市街に点在する 55 軒 2784

図 10 ハバナの住居例 55 2785

図 11 ハバナの住居類型 図 12 住居類型間の関係 の住居の位置を図 9 に示す まず, 単純な指標として, 中庭の数と建物の階数に目して,Ⅰ.1 階建てのもの,Ⅱ.2 階建てのもの, Ⅲ.3 階建て以上のもの,0. 中庭がないもの,1. 中庭が1つのもの,2. 中庭が2つのもの,3. 中庭が3つ以上のもの, を区別する 12 に分類できるが,3 つのタイプは存在せず 9 タイプが区別される さらに, 主要な構造壁, 柱によって区切られる間口数に着目することで大きく 2 つに分類してみる すなわち, 細長い短冊形のタイプと間口と奥行きの長さが比較的近い大型のタイプである 仮に, ⅰ. 間口数 4 以下,ⅱ. 間口数 5 以上に分ける 以上を示すと図 10 のようになる 図 10 には, 主要入口, 各住居の接道状況 ( 角地 ( 二面が道路に接する ), 三面が道路に接する ), 中二階の有無, 独立住宅か集合住宅かの区別を示している 3-2 住居の基本要素住居の平面構成は, 図 10 のように, 宅地規模や宅地形状, 宅地分割によって多様であるが, いくつかの共通した要素を確認でき, その有無によって, 類型化ができることがわかる 1 まず, 住居の基本要素として, 通りに面するエントランスの空間 ( 応接空間, クルヒア マヨール Crujia Mayor(CM)), 一般の部屋 ( クルヒア メノール Crujia Menor(Cm)), 中庭 ( パティオ Patio(P)), 台所 ( コシナ Cocina(K)) がある クルヒアとはスパンのことで, 大きいスパンと小さなスパンが一般に区別される 奥行に応じて裏庭 ( トランスパティオ Traspatio (Tp)) が設けられる 裏庭には, 井戸, 浴室, トイレが配置され また, 中庭と裏庭の間の部屋が台所と食堂 ( コメドール Comedor) が設けられる さらに多くのパティオが設けられる大規模な住居もある 2 中庭に接して半屋外のガレリア Galeria(G) が設けられる場合がある 二階建ての住居には, その上部にバルコニーが設けられる 各室から中庭へのアプローチはガレリアを介する 3 街路に面する出入口としてザファン Zaguán(Z) という部屋が配置される場合がある ザファンは内部空間と外部空間を結ぶための主動線となる 4 2 階建ての場合, クルヒア マヨールに階段が設けられる場合と, ガレリアに階段が設けられる場合がある また, 集合住宅の場合には, ヴェスティブロ Vestibulo(V) と呼ばれる階段室 2786

が設けられる場合がある 5 大規模な2 階建ての場合, 家事労働者の部屋が中二階に設けられるものがある 3-3 住居類型以上のような基本要素に着目すると, 次のような住居類型を区別することができる 典型的なものを図 11 に示す まず, 平屋のみについてみると A. 原型 : クルヒア マヨール, クルヒア メノール, パティオ, コシナからなるもの No.32 (No.31):2 階建て No.10, 29(No.30) B. 基本型 : 原型 +ガレリア No.27,28(No.52) C. 標準型 X: 原型 +ガレリア+ザフアン No.34, 36, 37(No.21,33, 35):2 階建て No.9(No.3,13, 26,40,41,50,51,53,55) という3つが区別できる それぞれにトランスパティオがあるものを下位分類 ( 括弧内 ) できる また,2 階建てのものを区別することができる 但し,Bタイプに 2 階建てのものは実例がない 続いて,2 階建て以上を見ると, 平屋については実例がないが, 以下を区別できる D 標準型 Y: 標準型 Xに,CM,Cmが付加されて, 中庭型となるもの ギャラリーは中庭の一面のみに設けられる No22, 39, (No.1,2,4,6,7,20,38,54) E 標準型 Z : 中庭の周囲にギャラリーが設けられる No14,15,16 (No.5,8,11,12,17,18,23,24,25) この,D,Eについても, それぞれにトランスパティオがあるものを下位分類 ( 括弧内 ) できる そして, F 集合住宅 : 専用の階段室ヴェスティブをもつもの (F1,No. 45,46,47) を区別できる 集合住宅として, 共用のザフアンをもつもの F2(No.19,42), 直階段で二階以上と繋がるもの F3(No.43,44,48,49) を下位分類とすることができるが, 基本型は A~E である 2 例 (F3:No.48,49) を除いて全て中庭型住居である 店舗併設住居で 1 階が店舗,2 階以上が住居の集合住宅である 一階は, ワンルームとなっており,RC 造のため可能となった建築類型である 以上を模式化すると図 12 のようになる 矢印は, あくまで推定であるが, 類型間の関係を示す 実例としては,C,D,E が多数を占めている D,E についても, 現在は実例はないが, ハバナにおいても平屋のタイプはあったのではないかと推定される 3-4 住居類型と住居規模 55 の事例について, 間口と奥行をみると図 12 のようになる 間口の平均は 19.59m(23.10vara), 最大 52.52m(61.93vara) (No.24), 最小 6.43m(7.58vara)(No.31), 奥行の平均は 31.01m (36.57vara), 最大 53.27m(62.82vara)(No.3), 最小 14.55m (17.16vara)(No.28), 平均面積 612.57 m2, 最大 2554.44 m2, 最小 94.38 m2である 括弧内はヴァラに換算した価である 図 13 を見ると, 間口,6 m 8m,12 m 14m,20 m 22m, にある 図 13 住居の間口と奥行 (A~F は各住居類型の平均 ) 程度集中していることがわかる そこで, 上で分けた類型 A~F 毎に間口と奥行の平均を見ると, ヴァラ単位で,A:13.17 29.98,B: 10.22 26.55,C:19.63 38.21,D:25.47 35.48,E:42.79 42.78,F:9.80 34.03 となる 間口, 奥行について,10 ヴァラ,20 ヴァラ,25 ヴァラ,30 ヴァラ, 35 ヴァラ,40 ヴァラといった単位が用いられていることがわかる 3-5 住居類型とその立地 55 軒の立地をみると以下のようである 第一に指摘できるのは,E タイプの住居が, アルマス広場を中心としたハバナ旧市街の建設初期の街区に集中してみられることである 上述のように間口, 奥行が 40 ヴァラ強の正方形に近いタイプである また, サン イグナシオ通りに沿って,C タイプの住居が点々と分布していることがわかる さらに,D タイプも含めて, 主要な C,D,E のタイプは東に偏って分布していることが指摘できる それに対して,F タイプの集合住宅は, ハバナ旧市街の周辺部, 西部に分布しているのが対比的である もちろん,55 の住居の選定の仕方によるが, 代表的な歴史的建造物は含まれており, およその傾向を示していると考えられる すなわち, 住居類型 C,D.E は, ハバナの街区を構成する主要な型として成立したものである 4 まとめハバナ旧市街の街区と住居類型について 以上をまとめると以下のようになる 1 街区規模の平均は 80 ヴァラ 80 ヴァラである 全体はグリッド パターンによって一律に計画されてはいないが 街区規模について一定の単位が設定されていたことを示している スペイン植民都市の多くが 単純に芯々 100 ヴァラ 100 ヴァラを計画単位としていくが 街路幅を 10 ヴァラとすれば 街区面積は 90 ヴァラ 90 ヴァラである ハバナ旧市街の場合 若干小さめの設定になっている 2 敷地規模は 平均 12 ヴァラ 26 ヴァラである 1と合わせて単純なモデル化はできないが 街区を7 3 に分割する規模となる 街区当りの宅地数の平均 20 程度である 3 建造物の 81.6% が住居系であり また レンガ造が 84% 59% が二階建て以下である すなわち 以上の建造物が全体の基盤を形成している 2787

4 住居は 平面構成要素 ( 部屋 ) の組合せによって明快に類型化できる また その類型間の関係について 一定の変容 ( 増改築 ) パターンを想定できる 集合住宅 F については 基本的に A ~E をもとにして成立したと考えられる 5 住居類型の中で C,D,E が主要な類型として成立している それぞれの規模は およそ C:20 ヴァラ 40 ヴァラ (19.63 38.21),D:25 ヴァラ 35 ヴァラ (25.47 35.48),E:40 ヴァラ 40 ヴァラ (42.79 42.78) である 街区を 80 ヴァラ 80 ヴァラとすると C タイプは 街区を 8 分割 E タイプは街区を 4 分割する類型となる C~E については 初期に建設された地区に見られ 住居類型と街区構成は当初から意識され 計画されていたと考えられる 以上のように 本稿において ハバナ旧市街における住居類型と街区構成の一定の関係を明らかにした 続いて スペイン植民都市の全体を視野に納めて 街区と住居類型の関係を明らかにする作業を行いたい 参考文献 1)Antonio Núñez Jimênez: San Cristobal de la Habana, Ediciones Caribbean s colors S.A, 1995. 2) Angel Luis Valladares y Morales: Urbanismo y Costruccion, P. Fernandez y Cia, La Habana. 1947. 3) Enrique Capablanca: La Habana Vieja Trinidad, Editorial Letras,1998. 4) Cartografia y Relaciones Historicas de Ultramar. Tomo IX. Grandes y Pequeñas Antillas, Ministerio de Defensa, Madrid, 1999. 5) F. Prat Puig: El Pre Barroco en Cuba, Diputación de Barcelona,1947. 6) Francisco Bedoya Pereda: La Habana desaparecida, Ediciones Boloña,2008. 7) Guillermo de Zendegui: Las primeras ciudades cubanas y sus antecedentes urbanisticos, Cuban National Heritage, Miami, 1997. 8) Herman van Hooff: Una experiencia singular, Ediciones Boloña, 2006. 9) Juan de Las Cuevas Torayas: 500 años de construcciones en Cuba, Chavin Sericios Graficos y Editoriales,S.L. Madrid, 2001. 10) Joaquin E. Weiss: La arquitectura Colonial Cubana, Junta de Andalucía, Instituto Cubano del Libro,1996. 11) Julio Gonzalez: Catalogo de mapas y Planos de Santo Domingo, Archivo General de Indias. Direccion General de Archivos y Bibliotecas, Madrid, 1973. 12) Madeline Menéndez: La Casa Habanera, Ediciones Boloña, 2007. 13) Mario Coyula: La Habana Colonial, Junta de Andalucia, Ciudad de La Habana, 1993. 14) Oficina del Historiador de la Ciudad de la Habana, Regulaciones Urbanisticad de la Ciudad de la Habana, La habana Vieja, Centro Historico, Direccion General de Planificacion Fisica, Ciudad de la Habana, 2008. 15) Ramón Gutiérrez: La Ciudad Hispanoamerican El Sueño de un Orden, Ministro de Fomento, Secretaría Técnica,Centro de Publicaciones,1999. 16) Roberto Segre,Mario Coyula,Joseph I.Scarpaci, HABANA Two Faces of The Antillean Metropolis,Jhohn WIley&Song,1997. 17) Salvador Larrua Guedes: Sobre la fundacion de la villa de San Cristóbal de la Habana en el Puerto de Carenas. Gabinete de Arqueología, n.4,pag. 135-139, Oficina del Historiador de la Ciudad de la Habana, 2005. 18) Siomara Sanchez Robert: La Habana, puerto y ciudad, Historia y leyenda, Ediciones Boloñas, Oficina del Historiador de la Ciudad de la Habana, La Habana, 2001. その他として以下がある いずれも修士論文である a) 宇野悠里 : ハバナの位相, 東京大学,2000 b) 樋口智幸 : ハバナ旧市街地における二層の街路空間システムの再開発とその評価, 東京大学,2009 c) 若松賢太郎 : ハバナ旧市街 ( キューバ ) における空間構成とその変容に関する考察, 滋賀県立大学,2010 注注 1) 参考文献 5)10)12)13) 注 2)234 枚の内訳は, 都市図 84 枚, 要塞, 市壁図 89 枚, 建築図面 61 枚である 都市図のうち, 街区構成や街路体系が描かれているものが 34 枚 (AGI18 枚,SHM14 枚, その他 2 枚 ), 宅地の分割が描かれているものが 36 枚 (AGI36 枚 ), ハバナとその周辺環境は描かれているが, 都市形態は描かれていない地図が 6 枚 (AGI2 枚 SHM4 枚 ) ある 他は, 公園 1 枚 (AGI1 枚 ), 港 4 枚 (AGI3 枚,SHM1 枚 ), インフラ ( 橋梁, 道路 ) 関連図 3 枚 (AGI) である 注 3) ハバナの街路体系については, 梗概でもあり断片的な指摘であるが, 岩本馨, 伊藤毅他 ハバナビエハ旧市街の形成過程 ( 日本建築学会学術講演梗概集 F-2,2001) がある 注 4) J.R. ヒメネス べルデホ, 布野修司, 齋木崇人, スペイン植民都市図に見る都市モデル類型に関する考察 Considerations on Typology of City Model described in Spanish Colonial City Map, 日本建築学会計画系論文集, 第 616 号, 2007 年 6 月 J.R. ヒメネス ベルデホ, 布野修司, 山田協太 : キューバのスペイン植民都市モデルの類型に関する考察, Colonial City Model in Cuba, 日本建築学会計画系論文集, 第 623 号, 2008 年 1 月 ヌエヴァ パス ( キューバ ) の都市形成と街区分割に関する考察,Considerations on Urban Formation and Block Division of Nueva Paz (Cuba), 日本建築学会計画系論文集, 第 623 号, 2008 年 1 月 ハトとコラル : キューバにおけるスペイン植民領域分割システムに関する考察,Hatos and Corrales: Considerations on Spanish Colonial Territory Division System in Cuba, 日本建築学会計画系論文集, 第 625 号 pp579-585, 2008 年 3 月 シエンフエゴス ( キューバ ) の都市形成と街区分割に関する考察 Considerations on Urban Formation and Block Division of Cienfuegos (Cuba), 日本建築学会計画系論文集, 第 626 号,2008 年 4 月 サン アントニオ デ ロス バニョス ( キューバ ) の都市形成と街区分割に関する考察,Considerations on Urban Formation and Block Division of San Antonio de los Baños (Cuba), 日本建築学会計画系論文集, 第 629 号,2008 年 7 月 カルデナス ( キューバ ) の都市形成と街区分割に関する考察, Considerations on Urban Formation and Block Division of Cardenas (Cuba), 日本建築学会計画系論文集, 第 633 号,2008 年 11 月他 注 5) J.R. ヒメネス べルデホ, 布野修司, 若松堅太郎, ハバナ旧市街の都市形成と街路体系に関する考察, 日本建築学会計画系論文集, 第 675 号,2012 年 5 月 注 6) ヴァラは, ピエ pie とともに, 身近なスケールについて用いられる ピエは 足 を意味し, ほぼフット ( フィート ) と同じである 1pie は約 1 フィート= 0.278635m( 12 プルガダ pulgada( インチ )) pie は 足,pulgata は 親指の大きさ を意味する ヴァラは 木組, 足場 に由来し, 細長い棒 を意味するが,3 ピアの長さをいう 他にパルマ palma( 手のひら ), ブラサ braza という単位が用いられ, 1 ヴァラは 4 パルマ, 2 ヴァラが 1 ブラサである 具体的には 1 ピエ =0.2786m,1 ヴァラ =0.8359m とされている ただ, キューバ ヴァラ vara cubana は 0.848m とされる ) 注 7) J.R. ヒメネス べルデホ, 布野修司, 齋木崇人, スペイン植民都市図に見る都市モデル類型に関する考察 Considerations on Typology of City Model described in Spanish Colonial City Map, 日本建築学会計画系論文集, 第 616 号, 2007 年 6 月 注 8) 現在は, 埋め立てによって新たな街区や街路があるが, 建設当初はオフィシオス通りが最も海岸に近い街路であった 2012 10 2012 23 2788