資料 4-3 国際ヒトエピゲノムコンソーシアムの動向 2011 年 3 月 7 日 科学技術振興機構 Japan Science and Technology Agency All Rights Researved. ( 出典 ) 図は IHEC ポリシーより
1. エピゲノムの歴史的経緯 米国 NIH ロードマップ / エピゲノミクス Nat. Biot. 1999 EU エピゲノム拠点プログラム ヒトゲノムプロジェクト 1990 2000 03 04 05 06 07 08 09 米国癌学会エピゲノムタスクフォース ~ ヒトエピゲノムプロジェクトを提案 ~ ( 出典 ) IHEC2010 年 1 月立ち上げ会合資料より Japan Science and Technology Agency All Rights Researved. 2
2. 国際ヒトエピゲノムコンソーシアム (IHEC) < コンソーシアムの主要な目的 > 1. 健康と疾患に関連する重要な細胞の状態に関するヒトエピゲノムについて リファレンスマップの作成を取りまとめる ヒトエピゲノムを十分にカバーするため 国際ヒトエピゲノムコンソーシアム (IHEC) は 今後 7~10 年の間に少なくとも 1000 のエピゲノムを解読するという野心的なゴールを設定する このゴールを達成するために コンソーシアムは堅固かつ有効な技術を用いて 次のものを作成する 情報を含むヒストン修飾の非常に高解像度のマップ 高解像度の DNA メチル化マップ たんぱく質をコードしている遺伝子すべての転写開始サイトのランドマークマップ non-coding RNA と small RNA の完全な一覧および発現パターン ヒトの健康および疾患に関連するモデル生物のエピゲノムマップ比較分析 2. IHEC は 幹細胞 ( としての性質 ) 不死 増殖 分化 老化およびストレスなどの重要な細胞の状態に焦点を置くことにより 健康の研究や再生医療における進展を触媒する新しい知識を生み出す 個体 家系 遺伝的に同一な双子を調べることで ゲノムおよびエピゲノムにおける世界規模のバリエーションの関係を決定できるだろう 長期的な IHEC のゴールは どの程度エピゲノムは 世代を超えてまた環境に適応して ヒトの個体群を形作ってきたのかを決定することである IHEC は ENCODE(DNA エレメントの百科事典 ) などの他の進行中プロジェクトとは異なるように また補完的であるように運営される ENCODE プロジェクトはゲノムの中の機能的な DNA 配列を定義することに重点を置いているが 一方で IHEC はそれらの配列について さまざまな初代培養細胞の中で起こっているエピジェネティックな制御パターンを定義する 3. この新しい知識を健康や疾患に適用するために すぐに極力制限なくデータを研究コミュニティ全体が使えるようにする IHEC は この重要な国際的取り組みによって生み出されるエピゲノムデータ全体を体系づけ 統合し 公開するために バイオインフォマティクスの共通スタンダード データモデルおよび分析ツールの確立に向けて調整する 4. IHECはこの国際的取り組みを統合する効率的な仕組みを立ち上げ 参加している個人 コンソーシアム ファンディングエージェンシーや国家に対応する IHECは世界中のさまざまなエピゲノムに関する取り組みとの間の重複を避ける IHECはそれらの他の国際的プロジェクト ( 国際ガンゲノムコンソーシアムやENCODE) の取り組みと交流し協力 する ( 出典 ) IHECポリシーより Japan Science and Technology Agency All Rights Researved. 3
3. 国際エピゲノムコンソーシアムの組織構成 実行委員会 (EXEC) ファンディングメンバー の代表により構成され 大所高所の立場から問題を解決する ISSC と連携する 国際科学運営委員会 (ISSC) 科学者により構成され 科学的な調整や評価などを行う ファンディングメンバー 5 年以上にわたって最低 1,000 万ドル相当 ( 間接経費等を除く ) の資金を IHEC の目的に沿ったプログラムに提供するファンディングエージェンシー 科学者グループ センターワーキンググループデータ統合センター Japan Science and Technology Agency All Rights Researved. IHEC Transition Meeting (Dec. 15, 2010) 資料より 4
4. 国際エピゲノムコンソーシアムのターゲット 1000 エピゲノム DNA メチル化, ヒストンマーク, ヒストン変異体, RNA, クロマチン関連タンパク質 1000 エピゲノム (1 つ当たり $100,000) $100,000,000 リファレンス 正常ヒト細胞, モデル動物 幹細胞 ヒト ES 細胞, ips 細胞 環境 感染 毒 栄養ストレス ガン肥満動脈硬化自己免疫疾患 疾患 自閉症精神病ぜんそく依存症 老化 データ統合 アクセス アーカイブ品質管理 $30,000,000 研究成果をヒトの健康の改善へ ( 出典 ) IHEC2010 年 1 月立ち上げ会合資料より Japan Science and Technology Agency All Rights Researved. 5
5.IHEC において解析対象となる修飾 Recommended technology Bisulfite Sequencing RNA Sequencing DnaseⅠ Profile ChIP-seq Epigenetic modification DNA メチル化 non-coding RNA Chromatin accessibilities H3K4me3 H3K9me3 H3K27me3 H3K27ac H3K4me1 H3K36me3 ヒストン修飾 6 種 老男 細胞 1 細胞 2 老女若男若女老男老女若男若女 ( 出典 ) IHEC Recommendations for Epigenomic Japan Science and Technology Agency All Rights Researved. 6 AnalysisよりJST/CRDS 作成
6.IHEC の立ち上げスケジュール 主な参加国 : 米国カナダ EU イギリスドイツフランスイタリアオランダ日本韓国中国オーストラリア ファンディングエージェンシー等の出席があった国 : 米国カナダ EU イギリスドイツ フランスイタリア日本韓国オーストラリア 下線は参加表明済 1 月下旬 ドイツが正式参加表明 2 月中旬 英国が正式参加表明 3 月上旬 カナダが正式参加表明 準備 Japan Science and Technology Agency All Rights Researved. IHEC Transition Meeting (Dec. 15, 2010) 資料よりJST/CRDS 作成 7
7. 各国の対応状況 参加表明済 参加未表明 (2011 年 3 月の Executive Committee に参加 ) 国名 米国 EU ドイツ イギリス イタリア カナダ 韓国 日本オーストラリア 予算 公募状況 2008 年 NIH ロードマップエピジェネティクスを予算額 1 億 9 千万ドルで開始 その一部で IHEC を実施 2010 年 第 7 フレームワークプログラムの枠組みで ハイインパクト研究イニシアチブとして IHEC および関連する研究に 3,000 万ユーロを支援 2011 年 1 月下旬 IHEC への参加を目的としたファンドの公募開始 Japan Science and Technology Agency All Rights Researved. 8
8.IHEC への参加申請手続き < 提出する情報 > ファンディング機関名および Executive Committee に参加する代表者名 予定予算額 Scientific Steering Committee に参加する研究者名 ( 可能な範囲で ) プログラムの簡単な説明およびその中でマッピングが提案されている細胞 / 組織のリスト ( 出典 ) IHECポリシーより Japan Science and Technology Agency All Rights Researved. 9