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Transcription:

2011 年 度 修 士 論 文 タブブラウザ 上 のウェブアクセス 履 歴 の 分 析 Analyzing web access history on tab browser 指 導 教 員 藤 田 悟 教 授 法 政 大 学 大 学 院 情 報 科 学 研 究 科 情 報 科 学 専 攻 学 籍 番 号 10T0025 ほしか たくと 星 加 拓 人

Abstract A tab browser has several tab windows in which users can temporally save their favorite web pages and revisit them after a while. There are many use cases for effectively use the tab browser, and in another word, access history of tab windows might have hidden information about the visited web pages. For example, a web page from which a user creates new tab windows might be a news site. This paper analyzes web access history on the tab browser. First, the author manually examined a large set of the access history and found users' behavior patterns, such as page comparison, consecutive tab creation, permanent base page, and so on. Second, the patterns are represented in a sort of automata. The automata involve states with variables and links tagged with tab actions, such as tab creation, tab deletion, change focus, and move-to new pages. Finally, an automatic detection engine for access patterns is proposed. Streaming data of access history can be efficiently analyzed and categorized into the patterns. The examination shows that there are so many pieces of small patterns found in the access history. i

目 次 1. 序 論... 1 2. 関 連 研 究... 3 2.1. 閲 覧 時 間... 3 2.2. ページ 間 のリンク 関 係... 3 2.3. ページ 内 の 単 語 の 重 み... 4 2.4. 閲 覧 鮮 度... 4 2.5. ページのレイアウト 構 造... 4 3. 実 データを 用 いたタブ 操 作 履 歴 の 分 析... 5 3.1. 閲 覧 履 歴 の 収 集... 5 3.2. タブ 状 態 履 歴... 5 3.3. 履 歴 の 分 析... 5 3.3.1. マクロな 行 動 分 析... 6 3.3.2. ミクロな 行 動 分 析... 7 4. タブ 操 作 シーケンスのモデル 化 と 自 動 化... 9 4.1. 起 点 タブ 保 持 のパターン... 9 4.2. 比 較 のパターン... 10 4.3. 密 集 するリンクのパターン... 10 4.4. 永 続 ページのパターン... 11 5. タブ 操 作 の 自 動 分 析... 13 5.1. ストリーム 型 分 析 エンジン... 13 5.2. 実 証 実 験... 14 5.2.1. 起 点 タブ 保 持 のパターン... 14 ii

5.2.2. 比 較 のパターン... 15 5.2.3. 密 集 するリンクのパターン... 16 5.2.4. 永 続 ページのパターン... 16 5.2.5. 処 理 速 度... 17 5.3. 可 視 化 ツールによる 抽 出 とオートマトンによる 自 動 抽 出 について... 18 6. 考 察... 19 6.1. 実 験 手 法 の 妥 当 性... 19 6.2. 各 パターン 抽 出 の 活 用... 19 6.3. 閲 覧 時 間 との 組 み 合 わせ... 20 結 論... 22 謝 辞... 22 参 考 文 献... 23 iii

1. 序 論 ウェブブラウザの 本 来 の 用 途 は,インターネット 上 に 提 供 されるウェブページを 閲 覧 する ことであった.しかし, 近 年,ウェブの 利 用 目 的 が 多 様 化 しつつあり,ブラウザの 利 用 形 態 が 徐 々に 変 化 しつつある.ウェブの 新 しい 利 用 方 法 の 例 として,Gmail,twitter や SNS が ある.この 利 用 方 法 では,ブラウザは 情 報 閲 覧 ツールというよりは, 別 ユーザーとのコミ ュニケーションを 図 るためのツールと 言 う 位 置 づけになる.また,Gmail, Google Maps や Google Docs などは,Ajax を 利 用 したウェブアプリケーションであり, 従 来 であれば PC に インストールしたクライアントアプリケーションで 実 行 していた 作 業 を,ブラウザ 上 で 行 うことができるようになっている.このように, 一 般 的 な 情 報 収 集 に 留 まらない 様 々な 利 用 方 法 がブラウザ 上 に 実 現 されつつあり,ブラウザ 上 で 出 来 る 作 業 が 増 えることで,ユー ザーが 閲 覧 するページ 数 も 飛 躍 的 に 増 加 しているのが 現 状 である. 増 加 する 閲 覧 ページに 対 してユーザーの 使 いやすさを 向 上 させるために, 現 在 では,ほと んどのウェブブラウザがタブ 機 能 を 備 えるようになった.タブによってブラウザ 上 に 複 数 のページを 残 すことができ,これらを 簡 単 に 切 り 替 えることができるため,ユーザーは 状 況 に 応 じて, 様 々な 工 夫 を 持 ってタブを 利 用 している. 例 えば, 新 規 のタブを 作 成 すると いう 操 作 においても, 閲 覧 したいページへのリンクが 多 数 あって,リンク 先 から 戻 ること を 考 えて 一 時 的 なタブを 作 成 する 場 合 や,ページ 同 士 の 比 較 を 行 うために 比 較 対 象 のペー ジを 新 規 タブ 上 に 作 成 する 場 合 など, 様 々な 状 況 が 考 えられる.また,メールクライアン トのような 動 的 に 内 容 が 変 化 する Ajax タイプのページの 場 合,そのページをタブに 残 して おき, 他 のタブで 作 業 を 続 けながら, 定 期 的 にメールクライアントのタブを 確 認 するとい った 使 用 方 法 も 考 えられる.これらタブブラウザの 使 用 方 法 は, 閲 覧 するユーザーによっ ても 異 なるが, 表 示 しているページコンテンツにも 依 存 しているのではないかと 予 想 され る. ウェブブラウザの 重 要 な 機 能 として 検 索 機 能 がある.Google や Yahoo の 検 索 エンジン を 使 って 未 知 のページを 検 索 することも 重 要 であるが, 過 去 に 閲 覧 したページを 再 度 閲 覧 したいときに, 閲 覧 履 歴 を 用 いた 検 索 が 行 えることも 重 要 な 機 能 のひとつである.すなわ ち,ユーザーが 過 去 に 閲 覧 した 情 報 に 関 してもう 一 度 調 べたいと 考 えた 時 に, 大 量 の 閲 覧 履 歴 からユーザーが 興 味 を 持 っていた 対 象 を 効 率 的 に 抽 出 し,ページ 同 士 に 関 連 性 を 定 義 して 履 歴 検 索 支 援 する 機 能 の 提 供 などが 考 えられる. 一 般 に 普 及 しているタブブラウザで はあるが, 履 歴 の 分 析 においてはタブの 操 作 や,あるいは 複 数 のタブの 状 態 について 考 慮 しているブラウザは 著 者 の 知 るところでは 存 在 しない. 貴 重 な 閲 覧 履 歴 ではあるが,タブ の 操 作 情 報 を 無 視 して, 時 間 軸 上 に 閲 覧 履 歴 を 蓄 積 して,のちの 履 歴 検 索 に 利 用 している のが 現 状 である.すでに 述 べたように,タブの 利 用 方 法 を 分 析 できれば,ユーザーが 過 去 1

に 比 較 に 利 用 したウェブページや, 新 しいタブを 大 量 に 生 成 したニュースページなど,ペ ージのコンテンツに 関 する 補 助 情 報 や,タブ 利 用 パターンとしての 履 歴 検 索 方 法 など, 従 来 にない 新 しい 履 歴 検 索 が 可 能 になるのではないかと 考 える. そこで 本 研 究 では, 複 数 のタブをユーザーがどのように 扱 っているのかについての 分 析 を 行 い,タブ 利 用 パターンの 中 に 特 徴 を 抽 出 することを 研 究 目 標 とする. 実 際 に,ブラウ ザの 拡 張 機 能 を 用 いて 閲 覧 履 歴 とタブの 状 態 を 蓄 積 して, 一 連 の 状 態 から 履 歴 検 索 に 有 効 なページの 特 性 や 他 のページとの 関 連 性 を 定 義 することを 試 みる.さらに,タブの 利 用 パ ターンを 論 じるためのモデルを 提 案 することを 目 標 として 掲 げる. 第 2 節 では,これまでどのような 要 素 を 利 用 してユーザーに 対 してページの 情 報 提 供 が 行 われてきたのか, 関 連 研 究 を 例 に 紹 介 する. 第 3 節 ではタブブラウザにおける 履 歴 の 収 集 方 法 とその 分 析 結 果 について 述 べる. 第 4 節 では 前 節 の 分 析 手 法 から 発 展 させたタブ 操 作 シーケンスと,それを 用 いたパターンを 定 義 する. 第 5 節 ではタブ 操 作 履 歴 に 対 して 行 った 自 動 分 析 の 結 果 とパラメータに 対 する 評 価 について 述 べる.そして, 第 6 節 では 前 節 までの 考 察 を 行 い, 第 7 節 で 本 論 文 のまとめを 行 う. 2

2. 関 連 研 究 ウェブページの 閲 覧 履 歴 の 分 析 や,ページ 同 士 の 関 係 性 を 定 義 する 研 究 は 多 数 行 われて きた. 本 節 ではページ 閲 覧 履 歴 の 分 析 において, 重 要 指 標 として 用 いられてきた 閲 覧 時 間, ページ 間 のリンク 関 係,ページ 内 の 文 書, 閲 覧 鮮 度 についての 研 究 を 解 説 する. 2.1. 閲 覧 時 間 伊 藤 らの 研 究 では, 閲 覧 時 間 はユーザーの 興 味 の 度 合 いや,ページの 閲 覧 しやすさに 関 連 があるとしている[1]. 彼 らの 実 験 では, 被 験 者 に 対 して 予 め 指 定 されたページを 閲 覧 さ せ, 同 時 に 閲 覧 時 間 の 計 測 を 行 う. 閲 覧 終 了 後 にアンケートを 記 入 させた 結 果, 閲 覧 時 間 とユーザーの 興 味 の 度 合 いの 間 に,ある 程 度 の 相 関 性 が 確 認 された.しかし, 履 歴 検 索 支 援 において, 閲 覧 時 間 をユーザーの 興 味 の 度 合 いとして 扱 うには 幾 つか 問 題 点 がある. 一 点 目 は,ページの 表 示 時 間 を 閲 覧 時 間 と 定 めた 時 に, 実 際 はユーザーがページを 閲 覧 して いない 時 間 が 存 在 することである. 実 験 では, 観 測 者 が 直 接 計 測 を 行 なっているため,ペ ージの 表 示 時 間 と 閲 覧 時 間 は 同 一 と 見 なせる.しかし, 実 際 の 利 用 の 場 で 閲 覧 時 間 を 自 動 的 に 正 しく 計 測 する 方 法 は 困 難 であり, 応 用 上 の 問 題 点 となる. 二 点 目 は,ページに 掲 載 されているコンテンツの 量 によって 基 準 とするべき 閲 覧 時 間 が 変 化 することである.コン テンツの 量 に 依 存 してしまうことによって, 閲 覧 時 間 が 長 いからと 言 って, 一 概 に 興 味 あ るページとは 言 えず,ページ 間 での 比 較 を 難 しくしてしまう. 更 に, 文 章, 画 像, 動 画 と いったコンテンツの 種 類 が 違 う 場 合, 単 純 な 比 較 はますます 難 しくなると 言 えよう.この ように,コンテンツの 種 類 やページ 内 の 情 報 量 などの 影 響 を 排 除 して, 閲 覧 時 間 を 正 規 化 することは 簡 単 ではないと 言 える. 2.2. ページ 間 のリンク 関 係 小 澤 らは,ユーザーがリンクで 辿 ったウェブページをスレッドという 概 念 でまとめ, 曖 昧 な 入 力 に 対 応 可 能 な 閲 覧 履 歴 検 索 のインタフェースを 提 供 するという 研 究 を 行 った[2]. ここで,スレッドとは, 直 前 に 閲 覧 したページからリンクが 繋 がっているか, 既 に 閲 覧 し たことのあるページあるか,と 言 った 一 定 のルールに 従 って 分 類 されたウェブページの 集 合 である. 閲 覧 時 間 に 関 しては, 閲 覧 回 数 と 合 わせてユーザーの 興 味 の 度 合 いの 指 標 とし て 用 いられているが, 閲 覧 時 間 が 1 時 間 を 超 えた 場 合 にはユーザーがページを 閲 覧 せずに 放 置 していると 見 なして,そのページの 閲 覧 時 間 を 全 体 の 平 均 値 に 置 き 換 えるといった 後 処 置 を 行 なっている. この 他, 山 本 らはリンクと 文 章 からウェブ 空 間 の 視 覚 化 を 試 みた 事 例 を 報 告 している[3]. 3

2.3. ページ 内 の 単 語 の 重 み ページ 内 の 文 書 に 対 して TF-IDF を 使 用 して 単 語 の 重 みを 計 算 し,ページの 特 徴 を 表 す 単 語 を 決 定 するという 手 法 が 存 在 する. 前 述 の 小 澤 らの 研 究 では, 文 書 中 の 名 詞 と 未 知 語 に 対 して 重 み 付 けを 行 い,ページ 毎 に 文 書 ベクトルを 作 成 している[2]. 文 書 ベクトルに 対 し てクラスタリングを 行 うことでページを 特 徴 ごとに 纏 め, 前 述 のスレッド 内 でページの 特 徴 がどのように 遷 移 しているかを 記 録 し, 検 索 に 使 用 されるクエリの 遷 移 と 一 致 するスレ ッドをユーザーに 提 示 している. この 単 語 の 重 みを 用 いた 分 析 手 法 では, 表 記 揺 れの 単 語 がある 場 合,それらを 同 一 の 単 語 と 見 なすことができないと 重 み 付 けに 影 響 が 出 ると 言 った 問 題 があげられる. 2.4. 閲 覧 鮮 度 菱 木 らは 類 似 文 書 の 検 索 において, 指 定 文 書 だけでは 情 報 が 不 十 分 な 場 合 でも 閲 覧 履 歴 から 単 語 を 補 うことで 情 報 量 を 増 やすという 研 究 を 行 った[4]. 単 語 を 選 択 するのに TF-IDF 法 によって 単 語 の 重 み 付 けを 行 うが,ページ 自 体 にも 鮮 度 に 基 づいた 重 みを 持 たせる.こ れは 最 近 閲 覧 した 文 書 ほど 指 定 文 書 との 類 似 度 が 高 いという 仮 定 に 基 づいた 処 置 である. この 処 置 によって, 閲 覧 履 歴 から 指 定 文 書 と 無 関 係 なページから 抽 出 される 単 語 の 影 響 を 抑 えることが 出 来 ることを 明 らかにした. 2.5. ページのレイアウト 構 造 三 橋 らはデザインが 類 似 しているページでは, 提 供 する 情 報 も 類 似 しているという 仮 定 に 基 づき,レイアウトの 類 似 性 によって 検 索 を 行 う 手 法 を 提 案 している[5].レイアウトの 解 析 には 表 示 ページを 画 像 化 したものを 用 い, 画 像 のエッジを 検 出 しブロックを 定 め,そ のブロックが 文 字, 画 像 の 何 れかであるか 求 める. 4

3. 実 データを 用 いたタブ 操 作 履 歴 の 分 析 本 節 ではブラウザの 拡 張 機 能 を 用 いた 閲 覧 履 歴 とタブ 操 作 履 歴 の 収 集 方 法 と, 収 集 する データの 内 容, 分 析 結 果 について 詳 細 に 述 べる[6]. 3.1. 閲 覧 履 歴 の 収 集 タブ 操 作 履 歴 収 集 のために,Opera ブラウザの 拡 張 機 能 を 利 用 した 履 歴 収 集 ツールを 作 成 した. 履 歴 収 集 ツールは, 新 しいウェブページの 閲 覧,タブの 生 成,タブ 間 のフォーカス の 変 更,タブの 消 去 などを,その 時 刻 と 共 に 保 存 する 機 能 を 持 つ.データ 構 造 の 詳 細 につ いては,3.2 節 に 述 べる.そして, 適 用 した Opera ブラウザを 3 名 の 被 験 者 に 対 して,50 日 間 使 用 してもらい, 拡 張 機 能 が 生 成 したタブ 状 態 履 歴 を 各 クライアントの 各 ユーザーのロ ーカルデータとして 保 存 した.このローカルデータを 回 収 し,オフラインにて 分 析 を 行 う. 3.2. タブ 状 態 履 歴 履 歴 収 集 ツールでは,タブの 生 成 (Create),フォーカスの 変 更 (Focus),タブの 消 去 (Close), ページの 移 動 (Move)を 監 視 し,いずれかのイベントが 発 生 した 時 にブラウザ 上 に 存 在 する 全 てのタブに 対 して, 以 下 の 情 報 を 取 得 し,データとして 保 存 する. 1. URL 2. ページのタイトル 3. タブ 名 URL とページタイトルは,ウェブページに 固 有 の URL と,そのページタイトルである. 一 方,タブ 名 とは,ページ 側 のスクリプトによってタブに 指 定 されている 名 前 か,あるいは それが 存 在 しない 場 合 には, 拡 張 機 能 が 自 動 的 に 付 与 した 名 前 を 表 す.これらのデータを タブの 配 置 ( 相 対 位 置 )が 判 別 できるように 配 列 の 形 で 格 納 する. 同 時 に,イベントの 発 生 時 刻 と, 各 時 刻 におけるアクティブなタブを 取 得 して 格 納 する.そして,これらのデータを 時 系 列 的 に 見 ることで 被 験 者 がどのようなタブ 操 作 を 行 ったかを 分 析 できる. 3.3. 履 歴 の 分 析 実 際 に 収 集 したタブ 状 態 履 歴 について, 可 視 化 ツールを 用 いて 被 験 者 間 の 行 動 比 較 を 行 った. 履 歴 データの 分 析 は,マクロとミクロの 2 つの 視 点 から 行 った.マクロ 分 析 とは, 閲 覧 履 歴 全 体 から 各 被 験 者 のブラウザやタブの 利 用 傾 向 を 分 析 することである.ミクロ 分 析 とは, 閲 覧 履 歴 に 現 れる 行 動 の 小 片 から, 個 別 の 状 況 における 特 徴 的 なタブの 利 用 方 法 を 分 析 することである. 両 者 のそれぞれの 観 点 から 分 析 することで,より 多 くの 特 徴 を 抽 出 できるようになる. 5

図 1 履 歴 への 可 視 化 ツール 使 用 例 行 動 分 析 に 入 る 前 に, 可 視 化 ツールについて 説 明 する. 利 用 した 可 視 化 ツールでは, 横 軸 は 時 間 軸 であり, 縦 軸 はタブの 開 かれた 数 とその 位 置 を 表 す. 模 式 化 したものを 図 1 に 示 す.タブの 位 置 はブラウザ 上 では 一 番 左 のタブを 0 と 見 なしている. 丸 いプロットはフ ォーカスされているアクティブなタブを 示 し, 塗 りつぶされているプロットはページが 変 更 された 事 を 示 す. 実 線 が 他 のタブから 伸 びているタブは, 開 始 地 点 に 存 在 するタブから 生 成 されたことを 表 す. 3.3.1. マクロな 行 動 分 析 図 2 は 被 験 者 A,B,C の 操 作 履 歴 を 可 視 化 したグラフである. 被 験 者 A は 5 日 間, 被 験 者 B,C は 10 日 間 分 のデータを 載 せている. 被 験 者 A はブラウザ 起 動 時 にタブを 復 元 する 機 能 を 利 用 しており, 閲 覧 するかどうかに 関 わらず 自 身 の 研 究 のテーマに 関 連 す るページを 常 に 残 している. 被 験 者 B は 閲 覧 が 終 了 したタブを 直 ぐに 閉 じ, 常 に 新 しいタ ブで 閲 覧 を 行 うことが 多 かった. 図 1 の(1)と(2)を 比 較 しても, 被 験 者 A に 比 べて 被 験 者 B は 全 体 的 に 残 しているタブの 数 が 少 ないのが 分 かる. 被 験 者 C は PC をシャットダウン させることなく,サスペンドとリジュームを 用 いて 利 用 している. 各 種 アプリケーション も 起 動 させた 状 態 のままでサスペンドしており,ブラウザもほとんど 起 動 させたままで 停 止 させることがない.よって, 長 寿 命 のタブが 多 く 存 在 している.しかし,タブの 操 作 と いう 観 点 では, 他 のアプリケーションからウェブページを 開 く 要 求 がでた 時 に 新 しいタブ を 作 成 することが 多 く, 特 定 のタブから 別 のタブを 意 図 的 に 作 成 するといった 操 作 が 一 切 記 録 されていなかった. 閲 覧 しないタブを 長 期 間 残 したままにしてあることもあり, 余 り タブブラウザの 機 能 を 意 識 していないように 思 える. 以 上 のように 操 作 履 歴 を 可 視 化 することで, 被 験 者 ごとのタブの 扱 いの 違 いを 把 握 する ことができた. 6

(1) 被 験 者 A の 操 作 履 歴 (2) 被 験 者 B の 操 作 履 歴 (3) 被 験 者 C の 操 作 履 歴 図 2 タブ 操 作 履 歴 の 可 視 化 3.3.2. ミクロな 行 動 分 析 図 3 は 被 験 者 の 操 作 履 歴 から 特 徴 的 なタブ 操 作 について, 微 視 的 に 可 視 化 したものであ る. 図 3 (1)は, 後 々 何 度 も 閲 覧 するであろう 起 点 タブを 残 しておき,その 後 の 閲 覧 行 動 に 関 わらず 残 したページに 即 座 に 戻 れるようにするパターンである.ウェブ 上 の 学 習 教 材 を 利 用 している 時 の 記 録 であり, 教 材 一 覧 を 載 せているページのタブを 残 して 閲 覧 を 行 ってい る. 教 材 は JavaScript によるページ 遷 移 を 多 用 しており, 同 じタブで 教 材 の 最 後 まで 閲 覧 を 行 うと 教 材 一 覧 のページまで 戻 るのにかなりの 手 数 が 必 要 になるので, 別 のタブを 作 成 したと 考 えられる. 図 3 (2)は 特 定 のタブ 間 でフォーカスが 頻 繁 に 移 り 変 わっており,ページ 間 の 比 較 を 行 っ ていることが 分 かる. 被 験 者 はこのページ 間 に 何 らかの 関 連 性 を 見 出 していると 考 えられる. 実 際 には 論 文 の 比 較 を 行 っている 時 の 履 歴 であるが, 途 中 から 新 たな 論 文 を 検 索 しており,3 つのタブの 間 でフォーカスが 移 り 変 わるようになる. 図 3 (3)は 特 定 のタブから 別 のタブを 一 度 に 作 成 し,その 後 タブを 順 次 閲 覧 するという 操 作 がグラフの 左 上 に 見 られる.これはリンクが 多 数 存 在 するページにおいて,リンク 先 の ページを 一 度 にバックグラウンドに 開 いてしまいコンテンツの 閲 覧 に 集 中 したいといった 7

(1) 起 点 ページの 保 持 (2)ページ 同 士 の 比 較 (3) 密 集 するリンク 図 3 タブ 操 作 の 特 徴 的 なパターン 被 験 者 の 意 図 が 読 み 取 れる. 図 はニュースサイトを 閲 覧 している 時 の 操 作 を 示 しているが, 別 の 時 間 帯 に 同 じサイトを 閲 覧 している 時 にもこのパターンが 出 現 した. 以 上 のように 操 作 履 歴 をミクロに 分 析 することで, 状 況 に 応 じたタブ 操 作 の 特 徴 的 なパ ターンが 抽 出 できた. 8

Close A 4. タブ 操 作 シーケンスのモデル 化 と 自 動 化 前 節 に 示 した 通 り, 目 視 によって 特 徴 的 なタブ 操 作 を 確 認 することができた.しかし, この 手 法 ではパターンに 属 するかの 判 断 が 曖 昧 になり, 大 量 のログから 特 徴 的 な 操 作 を 抽 出 していくにも 限 界 がある.そこで,オートマトンを 用 いて,タブ 操 作 のパターンを 体 系 化 し, 明 確 な 定 義 を 与 えた.オートマトンの 状 態 は,あるウェブページの 閲 覧 状 態 を 示 す. 状 態 にはその 状 態 にたどり 着 くまでの 状 況 を 保 存 するための 変 数 が 割 り 当 てられる. 例 え ば, 訪 問 時 刻,ある 特 定 のタブを 繰 り 返 し 閲 覧 した 回 数 (フォーカスが 対 象 タブに 移 動 した 回 数 ), 渡 り 歩 いたタブの 種 類 などを 変 数 に 保 存 する. 状 態 間 のリンクには,タブの 操 作 ア クションが 割 り 当 てられる.タブ 操 作 アクションとしては, 既 に 3.2 節 で 取 り 上 げた Create, Focus,Close,Move がある.リンクを 通 して 次 の 状 態 に 遷 移 できる 条 件 は 前 記 のタブ 操 作 アクションが 実 行 されること,それに 加 えて 状 態 変 数 にかかる 条 件 式 がある. 例 えば,タ ブ 閲 覧 数, 訪 問 時 間 間 隔 などに 対 する 制 約 条 件 を, 条 件 式 として 与 える. 最 終 状 態 に 達 して 受 理 された 履 歴 が,パターンを 満 たしていることになる. 以 下 に4つ のパターンについて 具 体 的 なオートマトンを 示 し 詳 細 な 説 明 を 加 える. 4.1. 起 点 タブ 保 持 のパターン 起 点 タブ 保 持 のパターンとは, 後 々 何 度 でも 閲 覧 するであろうページを 残 しておき, 将 来 即 座 にそのページに 戻 れるようにするパターンである. 図 4 に 起 点 タブ 保 持 のパターン のオートマトンを 示 す. 開 始 状 態 1 から Create のメッセージを 受 け 取 る 事 で 遷 移 する.こ Create * From A Count++ if current T 1 >= 5 min Count >= 3 2Focus ^A any Focus A 4 1 Create A Close A T 1 = current Count = 0 3 any 図 4 起 点 タブ 保 持 のパターン. 9

の 時 の 操 作 対 象 のタブを A とし, 変 数 T 1 に 現 在 時 刻 current を 代 入 する. 状 態 2 はタブ A をフォーカスしている 状 態 を 表 す.この 状 態 から 変 数 Count を 増 加 させる. 状 態 3 はタブ A がフォーカスされていない 状 態 を 表 す.Focus A か Close A を 受 け 取 らない 限 り, 別 の 状 態 に 遷 移 せず 変 数 も 変 化 しない. 状 態 2,3 の 何 れの 場 合 でも Close A を 受 け 取 ると 受 理 状 態 4 に 遷 移 しようとする.この 時, 状 態 1 から 遷 移 してからの 経 過 時 間 current - T 1 と Count を 遷 移 条 件 に 用 いる. 条 件 を 満 たして 受 理 状 態 4 に 遷 移 することが 出 来 れば,タブ A を 起 点 タブとした 操 作 パターンであ ると 見 なす. 図 の 条 件 では, 対 象 タブを 3 回 以 上 訪 問 し, 最 初 の 訪 問 から 最 後 の 訪 問 まで に 5 分 以 上 経 過 しているものを 受 理 する. 4.2. 比 較 のパターン 比 較 のパターンとは, 特 定 のタブ 間 でフォーカスを 切 り 替 え,タブの 内 容 を 比 較 するパ ターンである. 図 5 にオートマトンを 示 す. 開 始 状 態 1 から Focus 以 外 のメッセージを 受 け 取 る 事 で 状 態 2 に 遷 移 する. 状 態 2 から Focus メッセージを 受 け 取 った 場 合, 変 数 Count を 増 加 させ 操 作 対 象 のタブ 名 を Set に 格 納 する. 状 態 2 の 時 に Count の 値 と Set に 格 納 さ れているタブの 個 数 を 受 理 状 態 3 への 遷 移 条 件 に 用 いる. 条 件 を 満 たして 受 理 状 態 3 に 遷 移 することが 出 来 れば,Set に 格 納 されているタブ 同 士 で 比 較 を 行 なっていたと 見 なす. 図 の 条 件 では, 繰 り 返 し 訪 問 したタブが 2 ないし 3 種 類 であり, 訪 問 の 累 計 が 5 を 超 えた 時 に 受 理 する. 4.3. 密 集 するリンクのパターン 密 集 するリンクのパターンとは, 多 数 のリンクが 存 在 するページにおいて, 複 数 のリン ク 先 を 先 にバックグラウンドで 開 いてから 閲 覧 を 行 うパターンである. 図 6 にオートマト Set taba,tabb, Set.put(*) Count++ Focus * 1 ^Focus 2 ^Focus 3 Set = [] Count = 0 if Set.size == 2, 3 Count > 5 図 5 比 較 のパターン. 10

Count++ Create * From A 1 ^Create 2 any 3 Count = 0 if Count >= 3 図 6 密 集 するリンクのパターン. ンを 示 す. 開 始 状 態 1 から Create 以 外 のメッセージを 受 け 取 る 事 で 状 態 2 に 遷 移 する. 状 態 2 から Create を 受 け 取 った 時 に Count を 増 加 させ, 生 成 元 のタブを A とする. 以 降 タブ A からバックグラウンドにタブが 生 成 される 度 に Count が 増 加 する.この 時,フォアグラウ ンドにタブを 生 成 した 場 合,Create で 遷 移 した 直 後 に Focus のメッセージを 受 け 取 るのでル ープから 抜 け 出 すことになる.Count の 値 を 条 件 に 受 理 状 態 3 への 遷 移 条 件 に 用 いる. 条 件 を 満 たして 受 理 状 態 3 に 遷 移 することが 出 来 ればタブ A のページに 密 集 するリンクが 存 在 していると 見 なす. 図 の 条 件 では,タブ A から 3 回 以 上 連 続 してバックグラウンドにタブ を 生 成 していた 時 に 受 理 する. 4.4. 永 続 ページのパターン 永 続 ページのパターンとは, 定 期 的 に 閲 覧 するページを 長 時 間 タブに 残 しておくパター any 2 if current T 1 >= 120 min Count > =3 1 Create A Focus ^A Move A Focus A Close A Count++ Close A Move A 4 T 1 = current Count = 0 3 Create * From ^A 図 7 永 続 ページのパターン. 11

ンである. 図 7 にオートマトンを 示 す. 開 始 状 態 1 から Close 以 外 のメッセージを 受 け 取 る 事 で 遷 移 する.この 時 の 操 作 対 象 のタブを A とし, 変 数 T 1 に 現 在 時 刻 current を 代 入 する. 状 態 2 はタブ A をフォーカスしていない 状 態 を 表 す.Focus A か Close A を 受 け 取 らない 限 り, 別 の 状 態 に 遷 移 せず 変 数 も 変 化 しない.Focus A を 受 け 取 った 場 合, 変 数 Count を 増 加 させつつ 状 態 3 に 遷 移 する. 状 態 3 はタブ A をフォーカスしている 状 態 を 表 す. 起 点 タブ のパターンと 違 い,タブ A でのページの 移 動,タブ A からのタブの 生 成 は 認 めていない. 状 態 2 で Close A を 受 け 取 るか, 状 態 3 で Close A か Move A を 受 け 取 ると 受 理 状 態 4 に 遷 移 しようとする.この 時, 状 態 1 から 遷 移 してからの 経 過 時 間 current - T 1 と Count を 遷 移 条 件 に 用 いる. 条 件 を 満 たして 受 理 状 態 4 に 遷 移 することが 出 来 れば,タブ A は 特 定 のペー ジを 残 して 定 期 的 に 閲 覧 するためのタブであると 見 なす. 図 の 条 件 では,タブ A からのタ ブの 生 成 やページの 移 動 を 一 切 行 わない 状 態 を 120 分 以 上 保 ち,タブ A に 対 してフォーカ スを 3 回 以 上 戻 すことで 受 理 する. 12

5. タブ 操 作 の 自 動 分 析 被 験 者 のタブ 状 態 履 歴 からタブ 操 作 シーケンスによるメッセージを 生 成 し,4 節 で 取 り 上 げたオートマトンに 対 して 送 信 し,パターンに 属 する 操 作 が 存 在 するか 検 証 した. 本 節 で は 分 析 エンジンの 詳 細 と 実 証 実 験 の 結 果 について 述 べる. 5.1. ストリーム 型 分 析 エンジン 図 8 に, 本 研 究 で 開 発 したタブ 分 析 エンジンの 仕 組 みについて 示 す. 本 エンジンでは, タブの 履 歴 が, 次 々に 分 析 エンジンに 送 り 込 まれることを 想 定 し,ストリーム 型 の 分 析 を 行 えるよう 設 計 した. 図 8 の 左 側 では, 履 歴 データを 小 さな 黒 丸 で 表 現 している. 履 歴 デ ータは,エンジンに 取 り 込 まれるとトークンと 呼 ばれる 状 態 オブジェクトを 生 成 する. 分 析 エンジンの 中 には,あらかじめ 複 数 のタブ 操 作 シーケンスのパターンがオートマト ンの 形 で 定 義 され, 準 備 されている. 各 オートマトンは, 入 力 状 態, 遷 移 状 態, 終 了 状 態 を 持 つ.エンジンに 取 り 込 まれたトークンは,まず, 入 力 状 態 に 割 り 当 てられる. 各 オー トマトンの 初 期 状 態 に 割 り 当 てられるため, 図 8 の 例 では,3 個 の 初 期 状 態 に 割 り 当 てられ る( 図 中 の(1) 参 照 ). 本 研 究 の 実 験 では,4 種 類 のオートマトンを 作 成 したため, 実 際 には 4 個 の 初 期 状 態 に 割 り 当 てられる( 図 中 の(2) 参 照 ). 続 いて, 全 てのトークンに 対 して, 履 歴 デ ータに 従 って, 状 態 間 の 遷 移 リンクの 条 件 を 満 たすかどうかを 判 定 する. 判 定 に 従 って, 遷 移 可 能 なトークンは, 遷 移 先 の 状 態 に 移 動 する. 一 方, 遷 移 候 補 が 存 在 しないトークン は,その 時 点 で 消 滅 する. 以 降, 閲 覧 履 歴 が 届 くたびに,この 操 作 を 繰 り 返 す.したがって, 分 析 エンジン 中 には, 複 数 のトークンが 複 数 の 状 態 に 割 り 当 てられた 状 態 になり, 閲 覧 履 歴 データごとに,トー クンが 並 列 的 に 状 態 間 を 遷 移 するモデルとなる. 適 当 な 時 刻 において, 終 了 状 態 に 届 いた トークンがあれば, 該 当 するオートマトンを 受 理 したことになり, 初 期 状 態 から 終 了 状 態 履 歴 1 1 (2) 1 1 (1) 1 1 受 理 図 8 ストリーム 型 分 析 エンジン 13

までの 閲 覧 履 歴 のシーケンスを 出 力 することになる. 以 上 のように, 履 歴 データ 入 力 を 連 続 的 に 処 理 して, 受 理 シーケンスを 効 率 的 に 検 出 で きるエンジンにより, 高 速 なタブ 閲 覧 分 析 を 可 能 にしている. 5.2. 実 証 実 験 実 験 では 4 節 で 定 義 したそれぞれのパターンに 関 して 検 出 件 数 と 正 解 件 数 を 示 し,ペー ジの 内 訳 や 誤 検 出 の 判 断 基 準 について 分 析 する. 5.2.1. 起 点 タブ 保 持 のパターン 表 2 は 履 歴 から 起 点 タブ 保 持 のパターンを 検 出 した 結 果 である.Count はタブ A からタブ が 生 成 された 回 数,Past はタブ A が 生 成 されてから 消 滅 するまでの 経 過 時 間 (current - T 1 )を 表 す. 検 出 された 事 例 の 中 でパターンに 属 していたのは, 情 報 ポータルサイトが 7 件,Google ニュース,アンテナサイトが 5 件 ずつ, 通 常 の Google 検 索 が 4 件, 論 文 検 索 サイト,Kinect の 情 報 をまとめたサイトが 3 件 ずつ, 学 習 教 材 のページが 2 件, 価 格 比 較, 旅 行 予 約 のサ イトが 1 件 ずつである.これらサイトには 周 辺 のページに 多 数 アクセスするような 起 点 と なるページが 存 在 する. 検 索 結 果 のページはその 典 型 例 であり,それ 以 外 にもコンテンツ が 複 数 階 層 に 分 かれているサイトは 途 中 の 階 層 を 起 点 ページとすることが 多 い. 以 上 の 結 果 から おおむね 目 的 のページを 抽 出 できていると 言 える. ユーザーの 意 思 で 作 成 されたタブではなく,かつページ 内 のコンテンツを 単 独 で 表 示 さ せるために 生 成 された 事 例 を 誤 検 出 と 判 断 した. 実 験 ではこの 時 生 成 されたタブをユーザ ーは 必 ず 15 秒 以 内 という 短 い 時 間 で 閉 じている. 受 理 条 件 の 設 定 に 関 して, 表 2 の 結 果 からタブ A 消 滅 までの 時 間 を 1 分 以 上 とすれば 起 点 となり 得 るページを 検 出 できるが,それを 保 持 するというユーザーの 操 作 を 検 出 するこ とを 目 的 としているので 最 低 でも 5 分 以 上 を 条 件 とするのが 望 ましい.タブ 生 成 数 に 関 し ては 2 個 以 上 とする. 強 制 的 に 生 成 されたタブを 正 しく 認 識 することが 可 能 になれば, 更 表 2 起 点 タブの 保 持 のパターン 検 出 結 果 正 解 件 数 / 検 出 件 数 Past(min) ~1 1~5 5~9 9~13 13~17 17~21 21~ 2 0/0 4/4 1/2 2/2 1/1 0/0 5/5 3~5 0/1 3/3 1/2 0/0 0/0 0/0 6/6 Count 6~8 0/0 2/2 1/1 1/1 0/0 0/0 2/2 9~11 0/0 0/0 0/0 0/0 0/0 0/0 1/1 12~ 0/0 0/0 0/0 0/0 0/0 0/0 0/0 14

に 正 確 な 検 出 が 出 来 ると 推 測 する. 5.2.2. 比 較 のパターン 表 3 は 履 歴 から 比 較 のパターンを 検 出 した 結 果 である.Count はフォーカスを 変 更 した 回 数,Set.size はフォーカスされたタブの 個 数 を 表 す. 検 出 された 事 例 の 中 でパターンに 属 し ていたのは,Kinect, 位 相 数 学,HDD,その 他 研 究 やレポートのための 調 査 が 合 計 で 32 件, 宿 泊 先 の 地 理 情 報 の 調 査 が 8 件,マニュアルや 参 考 にしながらの wiki の 編 集 が 3 件, 商 品 の 比 較 が 5 件,プログラムのサンプルが 3 件,その 他 の 比 較 が 8 件 と 言 った 内 訳 になって いる. 取 り 扱 われている 内 容 が 似 ているページ 同 士 での 比 較 が 多 いが, 宿 泊 地 の 情 報 ペー ジと 経 由 地 までの 経 路 を 探 索 するといった 事 例 や,ページのレイアウトを 参 考 にするため に HTML コーディングの 手 法 のページを 参 考 にするといった 事 例 等,ページ 内 容 の 比 較 か らでは 判 別 出 来 ない 事 例 も 検 出 することができた. 比 較 を 行 なっているタブとは 関 連 性 のないタブが 紛 れ 込 んだ 場 合 は 誤 検 出 としているが, タブの 個 数 に 関 して 上 限 を 大 きく 設 定 するとその 可 能 性 が 高 くなるということが 考 えられ る.しかし, 表 の 結 果 では Set.size の 条 件 を 8~11 と 定 めた 場 合 のほうが 2~3 と 定 めた 場 合 と 比 較 して 正 解 率 が 高 い. 検 出 された 事 例 は 被 験 者 がレポートの 制 作 のためにそれに 関 連 する 項 目 のタブだけ 生 成 していたという 特 殊 な 事 例 である. 極 端 にフォーカスを 変 更 する 間 隔 が 短 い 場 合 も 誤 検 出 とした.これはマウスジェスチャ ーによるタブの 切 り 替 えによって 閲 覧 したいタブとは 別 のタブをフォーカスした 場 合 等 が 考 えられる. タブ 毎 のフォーカス 回 数 の 偏 りによる 問 題 も 挙 げられる. 最 初 に 一 度 だけ 閲 覧 したタブ とそれ 以 降 何 度 も 閲 覧 した 複 数 のタブを 関 連 付 けてしまう 誤 検 出 も 確 認 された.Set.size が 2~3,Count が 12 以 上 の 事 例 に 確 認 された. 起 点 タブのパターンで 検 出 されるような,サイトのインデックスとコンテンツのページ を 比 較 のパターンとして 検 出 されたので, 誤 検 出 としている.この 事 例 はタブの 個 数 を 2 個 までと 設 定 しても 検 出 されてしまい, 単 独 のオートマトンでの 判 別 が 困 難 である. 起 点 ページのパターンの 検 出 結 果 と 比 較 して, 除 外 するような 工 夫 が 求 められる. 表 3 比 較 のパターン 検 出 結 果 正 解 件 数 / 検 出 件 数 Count Set.size 2~3 4~7 8~11 12~ 5 9/19 5/11 - - 6~8 22/32 4/8 0/0-9~11 9/11 3/5 0/0-12~ 2/6 3/5 3/4 0/0 15

表 4 密 集 するリンクのパターン 検 出 結 果 Count 正 解 件 数 / 検 出 件 数 2 2/2 3 1/1 4 3/3 5~ 0/0 5.2.3. 密 集 するリンクのパターン 表 4 は 履 歴 から 密 集 するリンクのパターンを 検 出 した 結 果 である.Count はタブ A からバ ックグラウンドにタブが 生 成 された 回 数 である. 内 訳 は, 情 報 ポータルサイトが 4 件, 掲 示 板 のログをまとめたサイトが 2 件 である. 何 れの 場 合 でもページ 内 のリンクが 集 まって いる 箇 所 が 存 在 し,その 箇 所 からリンクを 選 択 してタブを 生 成 していることが, 作 成 され たタブの 内 容 から 判 断 できた.そのため, 目 的 の 操 作 を 検 出 できていると 言 える. このパターンは 非 常 に 特 徴 的 な 操 作 を 検 出 している. 起 点 ページのパターンとの 違 いは, タブ 内 でのページの 移 動 が 認 められておらず,タブをバックグラウンドに 生 成 することに ある.ページ 側 の 制 御 による 強 制 的 なタブの 生 成 はフォアグラウンドで 行 われることが 殆 どであり,バックグラウンドに 生 成 されるのはまれである.そのため, 今 回 の 検 出 では 被 験 者 の 意 思 でタブが 生 成 された 場 合 を 検 出 している. 検 出 件 数 は 少 ないものの,ページの 性 質 に 密 接 した 検 出 が 行 えたと 考 えている. 今 回, 誤 検 出 は 存 在 しなかったが 万 全 を 期 す のであれば, 状 態 2 のループに 対 して 時 間 による 制 限 を 設 けることも 考 えられる. 5.2.4. 永 続 ページのパターン 表 5 は 履 歴 から 永 続 ページのパターンを 検 出 した 結 果 である.Count はタブ A にフォーカ スが 変 更 された 回 数,Past はタブ A が 同 じページのまま 存 在 していた 時 間 を 表 す. 内 訳 は, Kinect に 関 するページが 12 件,Kinect の 論 文 が 8 件,Google カレンダーが 2 件, 他 に 翻 訳 ツールや 天 気 予 報 に 関 するページが 検 出 された. 永 続 ページは 長 期 間 定 期 的 に 閲 覧 を 行 う タブを 検 出 することを 目 的 としている. 検 出 された 事 例 に,タブを 生 成 した 直 後 や 消 去 する 直 前 にフォーカスの 移 動 が 集 中 して 正 解 件 数 / 検 出 件 数 Count 表 5 永 続 ページのパターン 検 出 結 果 Past(min) 120~180 180~240 240~300 300~ 3~5 3/10 2/4 2/8 7/16 6~8 4/9 1/1 2/3 2/2 9~11 2/3 0/1 0/1 1/2 12~14 0/1 0/0 0/0 1/1 15~ 0/0 0/0 0/0 0/0 16

いるものが 検 出 されたが,これは 長 期 間 定 期 的 に 閲 覧 を 行 なっていないので 誤 検 出 と 判 断 した.しかし,フォーカスの 移 動 が 長 時 間 ない 場 合 でも,ある 時 間 帯 で 2 時 間 以 上 定 期 的 にフォーカスを 移 動 させていれば 永 続 ページとみなした.Past が 300 分 以 上,Count が 3~5 で 正 しく 検 出 されたものにそういった 事 例 が 多 く 含 まれる.タブ A の 存 在 時 間 を 条 件 とし たために, 最 後 にフォーカスされてからタブが 消 滅 するまでの 時 間 も 含 まれており,タブ を 放 置 するだけで 条 件 を 簡 単 に 満 たしてしまい, 誤 検 出 の 原 因 になっていると 考 えられる. Count の 条 件 を Past/20min 以 上 のように 時 間 辺 りのフォーカス 移 動 回 数 を 設 定 して,Past に よって 変 動 させる 手 法 も 考 えられる.しかし,それでは 前 述 のある 時 間 帯 だけ 定 期 的 にフ ォーカスを 移 しているタブを 検 出 できなくなってしまう. 基 準 となる 時 間 を 最 初 にフォー カスをされてから 最 後 にフォーカスされた 時 間 に 変 更 するという 処 置 が 妥 当 と 考 えられる. ただし, 閉 じる 直 前 にフォーカスされると, 基 準 となる 時 間 が 長 くなるので Count の 条 件 に 時 間 辺 りのフォーカス 回 数 を 設 定 していると 検 出 が 難 しくなる.オートマトンの 設 計 を 根 本 的 に 見 直 すのであれば,フォーカスされている 間 隔 を 監 視 し, 一 定 の 間 隔 を 超 えた 時 点 でパターンに 属 するか 判 定 を 行 い, 定 期 的 に 閲 覧 されている 時 間 帯 が 存 在 したかを 確 認 す る.そして,タブが 一 定 時 間 以 上 存 在 していた 場 合 は 永 続 タブと 見 なすといった 手 法 も 考 えられる. 別 の 問 題 として,ブラウザには 起 動 時 にブラウザ 終 了 時 のタブを 復 元 する 機 能 が 備 えら れているが, 拡 張 機 能 上 では 両 者 は 別 のタブとして 認 識 される.そのため, 最 長 でもブラ ウザを 起 動 から 終 了 までを 1 件 として 扱 って 永 続 タブの 判 定 を 行 うことになる. 両 者 を 目 視 で 確 認 して 同 一 のものと 見 なした 場 合, 誤 検 出 と 判 断 された 事 例 のうち 4 件 を 2 件 のパ ターンに 属 する 事 例 と 見 なすことが 出 来 た. 起 動 と 終 了 に 伴 うタブの 認 識 に 関 して 対 応 す ることが 出 来 れば, 更 に 長 期 的 な 視 点 で 永 続 ページの 分 析 を 行 うことが 出 来 るだろう. 5.2.5. 処 理 速 度 実 際 に 自 動 抽 出 を 行 った 実 験 環 境 を 下 記 に 示 す. PC 名 :パナソニック Let's note CF-S9 CPU:Intel Core i5 CPU M520 2.40GHz OS:Windows 7 Enterprise Service Pack 1 メモリ 量 :4GB 使 用 プログラミング 言 語 :Java 17

表 6 被 験 者 毎 の 分 析 処 理 時 間 処 理 時 間 [sec]( 検 出 数 ) 被 験 者 A(50 日 ) 被 験 者 B(50 日 ) 被 験 者 C(20 日 ) 全 履 歴 数 6813 8011 501 起 点 タブの 保 持 0.120(9) 0.313(25) 0.015(0) 比 較 0.467(34) 0.906(65) 0.031(2) 密 集 するリンク 0.067(2) 0.141(4) 0.016(0) 永 続 ページ 0.593(56) 0.037(0) 0.063(6) 同 時 分 析 1.352(101) 1.595(94) 0.082(8) 被 験 者 3 名 に 対 するそれぞれの 実 行 処 理 時 間 を 表 6 に 示 す.いずれのケースにおいても, 1-2 秒 といった 非 常 に 短 い 時 間 で 分 析 を 終 えることができた.4 種 類 のオートマトンを 同 時 に 処 理 するモデルであることを 考 えると, 十 分 な 性 能 であると 言 える. 5.3. 可 視 化 ツールによる 抽 出 とオートマトンによる 自 動 抽 出 について 表 7 に, 可 視 化 ツールによる 目 視 のパターン 抽 出 数 と,オートマトンをベースにしたス トリーム 型 検 出 エンジンによるパターン 抽 出 数 の 比 較 を 示 す. 初 期 実 験 として 行 った 目 視 による 確 認 手 法 では,それぞれのパターンについて 数 個 の 具 体 例 だけしか 検 出 できなかっ たが, 自 動 化 により, 隠 れたパターンが 多 数 検 出 できたことがわかる. 特 に, 起 点 タブの 保 持, 比 較 のパターンについては, 多 数 の 具 体 例 を 検 出 できた. 比 較 のパターンはプロッ トからパターンに 属 するか 判 断 するため, 視 覚 的 な 判 別 が 困 難 であった. 特 徴 的 なグラフ になる 起 点 ページの 保 持 のパターンは 目 視 でもある 程 度 の 件 数 を 抽 出 できているが, 大 量 のデータから 全 ての 該 当 する 事 例 を 検 出 するまでには 至 っていなかった. 永 続 タブに 関 し ては, 長 期 的 な 視 点 で 判 断 する 必 要 があるため 目 視 での 確 認 は 困 難 と 判 断 して 抽 出 を 行 な っていない.これらのパターンでは 自 動 抽 出 恩 恵 を 受 けていると 言 える. 表 7 分 析 手 法 によるパターン 抽 出 数 の 比 較 起 点 タブ 比 較 密 集 するリンク 永 続 ページ 保 持 目 視 13 13 6 - ストリーム 型 分 析 エンジン 31 60 6 25 18

6. 考 察 本 研 究 の 当 初 の 目 的 は,タブ 操 作 履 歴 を 収 集 しそれを 分 析 することによって,ウェブ 閲 覧 履 歴 履 検 索 に 活 用 することである.タブ 状 態 履 歴 から 4 つの 操 作 パターン, 起 点 タブの 保 持, 比 較, 密 集 するリンク, 永 続 ページを 発 見 することができた. 実 験 手 法 に 対 する 考 察 とこれらのパターンが 閲 覧 履 歴 検 索 やそれ 以 外 の 分 野 でどのような 活 用 方 法 があるか 述 べる. 更 に, 既 存 研 究 で 用 いられた 基 準 を 併 用 した 場 合 について,その 結 果 と 得 られる 情 報 についての 考 察 を 行 う. 6.1. 実 験 手 法 の 妥 当 性 今 回 使 用 したタブ 操 作 シーケンスの 利 点 は, 一 つのメッセージの 流 れを 追 うことで, 複 数 のタブの 状 態 を 表 現 できることにある.タブブラウザではパターンで 定 義 したような 操 作 をするタブだけではなく,それらとは 全 く 関 係 のないタブも 同 時 に 存 在 する.またタブ だけでなく, 今 回 定 義 したパターンが 同 時 に 存 在 するようなこともありうる. 状 態 として 扱 うと 全 てのタブを 並 列 に 見 る 必 要 が 出 てくるが,その 状 態 に 至 るまでの 操 作 を 追 うこと で 解 析 に 適 したデータにすることができた 言 える. タブ 操 作 シーケンスの 解 析 に 変 数 を 拡 張 したオートマトンを 使 用 した. 各 パターンの 判 定 に 必 要 な 状 態 を 定 めることで, 特 定 の 状 況 下 での 操 作 を 抽 出 することが 出 来 るようにな った. 各 パターンに 何 らかの 繰 り 返 しの 操 作 が 含 まれているため, 変 数 を 使 用 した 監 視 が 必 要 であった. 以 上 のことから, 実 証 実 験 に 変 数 を 拡 張 したオートマトンを 選 択 したこと は 妥 当 であると 言 える. 6.2. 各 パターン 抽 出 の 活 用 閲 覧 履 歴 の 分 析 では, 重 要 なページを 特 定 することが 必 要 である.この 重 要 なページと いうのは, 観 点 の 違 いから, 客 観 的 に 見 て 重 要 なページとユーザー 個 人 に 対 して 重 要 なペ ージの 2 種 類 が 存 在 する. 前 者 はサイトの 構 造 的 に 重 要 なインデックスページ, 後 者 はユ ーザーの 興 味 の 対 象 を 含 んだページが 例 に 挙 げられる. 今 回 定 義 した 4 つのタブ 操 作 パタ ーンに 関 しても, 各 々どちらの 観 点 で 重 要 なページを 抽 出 しようとしたか 違 い,それによ って 活 用 できる 分 野 が 違 ってくる. 起 点 タブ 保 持 のパターンと 密 集 するリンクのパターンと 永 続 ページのパターンは,ペー ジの 特 性 に 密 接 な 関 係 を 持 った 検 出 を 行 なっており, 客 観 的 な 重 要 性 を 持 つページを 検 出 するためのパターンだと 言 える.そのため,これらの 抽 出 情 報 は 別 のユーザーに 対 しても, 有 益 な 情 報 となる 可 能 性 がある. 例 えば,あるユーザーが 前 述 の 操 作 パターンをどのよう なサイトで 行 なっているかを 記 録 し,それを 元 にタブブラウザに 対 して 不 慣 れな 別 のユー 19

ザーに 対 して 特 定 サイトでのタブの 操 作 を 自 動 的 に 補 助 するようなシステムを 構 築 するこ とが 考 えられる. 比 較 のパターンは,ユーザー 個 人 の 重 要 なページを 検 出 するためのパターンだと 言 える. 操 作 対 象 となったタブにはユーザーの 興 味 の 対 象 となる 項 目 が 含 まれていたと 考 えられる. タブに 表 示 されていたページに 対 する 重 み 付 けを 大 きくして, 単 語 を 重 点 的 に 抽 出 してユ ーザーの 興 味 対 象 を 特 定 することが 可 能 である.また, 論 文 の 比 較 を 多 数 行 なっているユ ーザーは 学 生 や 教 員 であるといった, 比 較 ページの 種 類 からユーザーの 推 定 も 行 える. 実 験 では, 宿 泊 地 周 辺 の 情 報 と 経 由 地 までの 経 路 探 索 の 比 較 が 抽 出 されたが,これは 文 書 の 内 容 からでは 関 係 性 を 定 義 することが 難 しく,ユーザーの 出 発 地 と 宿 泊 地 の 位 置 関 係 に 依 存 するので 客 観 的 な 関 係 とは 言 えない.このような 文 書 の 内 容 に 関 係 なく,ユーザー 独 自 のページ 同 士 の 関 係 を 抽 出 することができる. 閲 覧 履 歴 検 索 の 際 には 比 較 されたページ 同 士 を 関 連 ページとして 推 薦 するような 使 用 方 法 が 考 えられる. 6.3. 閲 覧 時 間 との 組 み 合 わせ 閲 覧 履 歴 検 索 支 援 の 活 用 例 とその 可 能 性 について 述 べたが, 実 際 に 検 索 支 援 を 行 うシス テムを 作 成 する 場 合, 他 の 手 法 を 組 み 合 わせた 分 析 が 行 われることが 考 えられる.ここで は 既 存 研 究 の 用 いられた 指 標 の 中 で, 閲 覧 時 間 を 組 み 合 わせて 分 析 を 行 った 結 果 について 述 べる. 図 9 は 起 点 タブ 保 持 のパターンのオートマトンにタブ A の 閲 覧 時 間 を 加 味 して 分 析 を 行 い, 閲 覧 時 間 毎 に 分 けたものである.この 中 でアンテナサイトと Google ニュースは,1 件 の 事 例 を 除 いてタブ A の 閲 覧 時 間 が 5 分 未 満 となっている. 表 8 に 両 者 の 抽 出 されたパタ 図 9 閲 覧 時 間 を 加 味 した 起 点 ページの 保 持. 20

表 8 パターン 全 体 の 時 間 とタブ A の 閲 覧 時 間 との 比 較 パターン 全 体 の タブ A の 平 均 時 間 ( 分 ) 平 均 閲 覧 時 間 ( 分 ) アンテナサイト 40 7 Google ニュース 17 2 ーン 全 体 の 平 均 時 間 とタブ A の 平 均 閲 覧 時 間 を 示 す. 表 からパターン 全 体 に 対 して 起 点 タ ブを 閲 覧 している 時 間 が 極 端 に 短 いことが 分 かる. アンテナサイト,Google ニュースは 両 者 共 に 一 定 時 間 毎 に 他 サイトの 新 しい 記 事 の 情 報 を 収 集 して,それらの 記 事 へのリンクをページの 先 頭 に 羅 列 するという 性 質 がある.ユー ザーは 新 しく 追 加 された 記 事 から 興 味 のあるものを 選 択 して 閲 覧 すし,ある 程 度 の 場 所 で 起 点 タブを 閉 じる. Google 検 索 結 果 のページも 別 サイトへのリンクが 羅 列 されているが,ユーザーが 毎 回 違 う 検 索 クエリを 決 定 する 事 が 多 いため, 羅 列 されるサイトが 毎 回 代 わり 要 約 からサイトを 吟 味 する 時 間 が 必 要 となる.また,サイトは 情 報 の 鮮 度 で 並 んでいる 訳 ではないので,ペ ージの 下 部 にもユーザーが 訪 問 したことのないサイトが 存 在 する 可 能 性 は 十 分 あり,それ らを 求 めてある 程 度 起 点 タブの 閲 覧 に 時 間 を 掛 ける 事 が 考 えられる.これらの 要 素 がアン テナサイトと Google ニュースに 比 べて 起 点 タブの 閲 覧 時 間 が 長 い 原 因 である. このように, 起 点 タブ 保 持 のパターンを 閲 覧 時 間 と 組 み 合 わせて 分 析 することで,ペー ジの 特 性 に 関 する 付 加 的 な 情 報 を 抽 出 することができる. 21

結 論 本 論 文 はタブブラウザにおけるタブ 操 作 履 歴 を 分 析 することの 有 効 性 を 示 すために, 操 作 履 歴 を 収 集 し,タブ 操 作 をグラフ 上 に 可 視 化 するツールを 作 成 した. 可 視 化 したグラフ からユーザーごとのタブ 操 作 の 特 徴 を 分 析 することができた.また,ミクロ 分 析 を 行 うこ とで 特 徴 的 なタブの 操 作 を 抽 出 できることが 分 かった. 更 に, 分 析 進 めるためにタブ 操 作 シーケンスを 用 意 し,タブ 操 作 のパターンに 対 して 明 確 な 定 義 を 行 った. 実 証 実 験 の 結 果 から, 受 理 条 件 とオートマトンの 構 造 に 対 する 評 価 を 行 った. 定 義 したパターンに 対 して, 閲 覧 履 歴 検 索 支 援 への 活 用 方 法 を 提 示 し,タブブラウザにおいてタブ 操 作 履 歴 を 記 録 し, 分 析 することに 有 意 性 があることを 証 明 した. 謝 辞 本 研 究 と 修 士 論 文 の 作 成 において,ご 指 導,ご 教 授 を 賜 りました 主 査 の 藤 田 教 授, 並 び に 副 査 の 廣 津 教 授 に 心 から 御 礼 申 し 上 げます. 22

参 考 文 献 [1] 伊 藤 亘 介, 澤 井 政 宏, 久 保 洋, Web ページの 閲 覧 時 間 による 興 味 度 と 見 やすさの 評 価,SVBL 年 報, Vol.8, pp.87-88, Mar.2009. [2] 小 澤 崇 記, スレッドに 基 づく Web 閲 覧 履 歴 検 索 インタフェース, 修 士 論 文, 筑 波 大 学 大 学 院, 2007. [3] 山 本 仁 志, 石 田 和 成, 岡 田 勇, 太 田 敏 澄, リンク 構 造 と 共 起 関 係 を 用 いた Web 空 間 の 視 覚 化, 情 報 処 理 学 会 研 究 報 告, Vol.2004, No.36, pp.95-101, Mar.2004. [4] 菱 木 祐 介, ユーザの 閲 覧 履 歴 を 用 いた 類 似 文 書 検 索, 卒 業 論 文, 法 政 大 学, 2009. [5] 三 橋 憲 晃, 山 口 亨, 高 間 康 史, 視 覚 的 類 似 性 に 基 づく Web ページ 検 索 手 法 の 提 案, 第 17 回 人 工 知 能 学 会 全 国 大 会, 2003. [6] 星 加 拓 人, 藤 田 悟, タブブラウザ 上 のウェブアクセス 履 歴 の 分 析, 情 報 科 学 技 術 フ ォーラム, FIT 2011, 講 演 論 文 集, pp.487-488, Aug.2011. 23