19500839 研究成果報告書

様 式 C-19 科 学 研 究 費 補 助 金 研 究 成 果 報 告 書 平 成 22 年 5 月 20 日 現 在 研 究 種 目 : 基 盤 研 究 (C) 研 究 期 間 :2007 年 ~ 2009 年 課 題 番 号 :19500839 研 究 課 題 名 ( 和 文 ) 誤 り 類 型 化 と 授 業 内 容 構 造 化 による 学 習 支 援 と 教 育 改 善 : 情 報 教 育 におけるシステム 開 発 研 究 課 題 名 ( 英 文 ) Development of the IT literacy education system by structuring course content and categorized learner's mistake to be effect for learning-support and educational improvement 研 究 代 表 者 藤 井 美 知 子 (FUJII MICHIKO) 長 崎 大 学 大 学 教 育 機 能 開 発 センター 教 授 研 究 者 番 号 :00156829 研 究 成 果 の 概 要 ( 和 文 ): 情 報 処 理 の 基 礎 教 育 から 応 用 まで 幅 広 く 教 育 されている 表 計 算 を 対 象 に 学 生 の 理 解 状 況 に 沿 った 学 習 ができ 授 業 時 間 中 あるいは 時 間 以 外 でも 表 計 算 の 練 習 問 題 の 解 を 学 習 者 自 身 で 見 つけ 出 すことができるようにサポートし 自 らが 問 題 を 解 決 できることを 目 的 と した 表 計 算 の 学 習 支 援 システムの 構 築 を 行 った 本 システムを 学 生 の 授 業 で 実 際 に 使 用 し アンケート 調 査 を 行 った 結 果 学 生 の 多 くから 肯 定 的 な 評 価 が 得 られた 研 究 成 果 の 概 要 ( 英 文 ): Information processing education has been widely introduced in secondary and high school education in Japan. Recently, many of the students, before entering a university, have gained basic computer operation skills and have learned computer literacy. Since their level of information processing varies from student to student, classes and programs should be tailored to meet the students levels and needs. We developed a lesson support system for learning spreadsheet and evaluated it using questionnaire for the students educated with the system. The system can support students to learn spreadsheet (Excel) according to their understanding level and the students can learn by them selves using the system even though outside the class time. The questionnaire results indicated that most of the students had positive evaluation on this system. 交 付 決 定 額 ( 金 額 単 位 : 円 ) 直 接 経 費 間 接 経 費 合 計 2007 年 度 900,000 270,000 1,170,000 2008 年 度 1,100,000 330,000 1,430,000 2009 年 度 900,000 270,000 1,170,000 総 計 2,900,000 870,000 3,770,000 研 究 分 野 : 総 合 領 域 科 研 費 の 分 科 細 目 : 科 学 教 育 教 育 工 学 教 育 工 学 キーワード: 情 報 教 育 表 計 算 学 習 支 援 授 業 改 善 誤 り 分 析 1. 研 究 開 始 当 初 の 背 景 情 報 処 理 の 基 礎 教 育 から 応 用 教 育 で 最 も 多 く 利 用 されているアプリケーションソフ ト 表 計 算 (Excel) の 学 習 ではその 操 作 や 機 能 を 学 ぶことが 多 く 関 数 の 使 い 方 などを 主 にとり 上 げており あらかじめ 用 意 された

表 の 空 欄 を 埋 める 形 式 の 学 習 方 法 をとるこ とが 多 い この 方 法 は 操 作 や 機 能 を 学 ぶこと には 適 しているが 実 社 会 で 出 会 うと 思 われ る 具 体 的 な 問 題 の 解 決 方 法 を 学 ばせるには 教 材 や 教 育 方 法 に 工 夫 がいる それには ま ず 学 習 者 自 身 が 何 を 学 習 し 理 解 しているか を 確 認 しながら 学 習 を 続 けることができる ようにすることである しかしそれを 実 践 するには 教 師 の 負 担 が 大 きくなるため 教 師 活 動 を 助 ける 授 業 支 援 システムを 導 入 しなくてはならない 学 習 者 は 教 師 から 学 習 内 容 の 説 明 を 受 け さまざまな 演 習 等 で 知 識 の 確 認 を 行 う その 過 程 で 学 習 者 はつまずくが そのつまずきを 教 師 が 推 定 することは 容 易 でない つまずい たままでいると 学 習 者 は 学 習 意 欲 を 失 う そ こで 学 習 者 が 自 己 の 理 解 状 況 を 判 断 し 各 自 が 自 分 にあったペースで 問 題 を 選 択 して 学 習 を 進 めることができ 誤 りに 対 して 適 切 な 教 師 から 支 援 できる 学 習 環 境 が 必 要 である 2. 研 究 の 目 的 本 研 究 は 情 報 処 理 の 基 礎 教 育 から 応 用 教 育 で 最 も 多 く 利 用 されている 表 計 算 を 使 っ た 問 題 解 決 授 業 における 学 習 支 援 システム の 構 築 を 目 的 とする また 学 習 者 への 支 援 だ けではなく 教 師 が 授 業 を 設 計 する 上 での 補 助 となる 教 師 への 支 援 さらに 授 業 設 計 した 後 の 教 育 改 善 に 貢 献 するシステムを 目 指 し システム 構 築 を 行 うことが 研 究 目 的 である 情 報 教 育 において 社 会 から 求 められる 問 題 解 決 能 力 を 高 めることができる 授 業 が 行 えるように 授 業 設 計 を 行 い それを 実 現 す るための 授 業 支 援 システムを 構 築 し 短 期 大 学 大 学 だけではなく 高 等 学 校 工 業 高 等 専 門 学 校 等 で 行 う 表 計 算 授 業 の 授 業 モデルを 作 成 中 である 学 習 者 の 支 援 教 師 の 授 業 改 善 への 支 援 をシステム 構 築 し 学 習 環 境 を 構 築 する 3. 研 究 の 方 法 本 研 究 は 表 計 算 を 対 象 とした 学 習 支 援 を 行 うことにより 学 習 者 の 理 解 向 上 を 目 的 と する 1 学 習 者 が 解 いた Excel 演 習 問 題 課 題 を 学 習 者 ごと 演 習 問 題 ごと 等 で 学 習 者 が 起 こした 誤 りを 類 型 化 し 誤 り 傾 向 を 分 析 する その ため 学 習 者 の 演 習 問 題 課 題 とチェック 後 の 内 容 を 収 集 し 正 しく 内 容 が 把 握 できたとこ ろと 関 数 など 誤 って 使 用 しているところを 分 類 し 今 回 は 誤 りの 情 報 について 注 目 し 分 析 を 行 う そのため 学 習 者 が 問 題 を 解 く 過 程 の 情 報 を Excel の 問 題 に 埋 め 込 み 学 習 者 の 学 習 履 歴 を 収 集 し 学 習 者 が 問 題 を 解 く ときの 誤 りを 調 査 2 演 習 問 題 ごとに 学 習 者 の 誤 った 内 容 をも とに 学 習 者 へ 助 言 する 機 能 および 答 え 合 わ せができる 機 能 を 組 み 込 む 32の 学 習 支 援 機 能 付 き 練 習 問 題 を 授 業 で 利 用 し 学 習 成 果 システムの 有 効 性 を 調 査 4. 研 究 成 果 本 報 告 書 の 研 究 成 果 概 要 は 雑 誌 論 文 1か ら 抜 粋 したものと 情 報 教 育 に 係 わる 雑 誌 論 文 等 から 抜 粋 したものである 4.1 学 習 支 援 機 能 付 き 練 習 問 題 構 築 大 学 における 情 報 教 育 では 主 として 情 報 活 用 能 力 を 養 う 教 育 が 行 われている 学 生 の 情 報 処 理 に 関 する 知 識 技 術 力 を 高 めるため に 多 くの 大 学 では 表 計 算 (Excel)を 対 象 とした 授 業 が 実 施 されている しかし 大 学 入 学 時 の 学 生 の 情 報 処 理 に 関 する 習 得 度 は 異 なっており 多 様 な 学 習 状 況 の 学 生 を 対 象 とした 授 業 が 必 要 となる 情 報 処 理 の 基 礎 教 育 から 応 用 まで 幅 広 く 教 育 されている 表 計 算 を 対 象 に 学 生 の 理 解 状 況 に 沿 った 学 習 が でき 授 業 時 間 中 あるいは 時 間 以 外 でも 表 計 算 の 練 習 問 題 の 解 を 学 習 者 自 身 で 見 つけ 出 すことができるようにサポートし 自 らが 問 題 を 解 決 できることを 目 的 とした 表 計 算 の 学 習 支 援 システムの 構 築 を 行 った 本 シス テムを 学 生 の 授 業 で 実 際 に 使 用 し アンケー ト 調 査 を 行 った 結 果 学 生 の 多 くから 肯 定 的 な 評 価 が 得 られた 教 師 と 学 習 者 間 の 支 援 の 流 れを 図 1 に 示 す 教 師 練 習 問 題 作 成 ( 問 題 と 正 解 ) 教 師 支 援 ツー ルを 使 用 し 学 習 支 援 機 能 付 き Excel 練 習 問 題 の 教 材 を 作 成 教 師 支 援 ツー ルを 使 用 し 学 習 者 が 解 いた Excel 練 習 問 題 の 正 解 率 誤 っ ているところ 等 を 把 握 学 習 者 学 習 支 援 機 能 付 き 練 習 問 題 を 解 く 教 師 は 学 習 者 に 対 して 理 解 が 不 十 分 な ところについ て 補 足 説 明 図 1 教 師 と 学 習 者 の 間 の 支 援 の 流 れ 学 習 者 に 提 供 する 表 計 算 練 習 問 題 は 練 習 問 題 を 解 く 過 程 において 自 分 が 入 力 した 関 数 が 正 解 であるかどうかをチェックでき 利 用 すべき 関 数 が 分 からないときには 助 言 を

得 る 機 能 を 組 み 込 んでいる このような 機 能 を 持 つ 練 習 問 題 を 解 くこ とによって 学 習 者 は 必 要 な 時 期 に 正 解 かど うかの 答 え 合 わせができ 誤 って 関 数 を 使 用 していても 適 切 な 関 数 を 知 りたいと 思 えば 助 言 を 練 習 問 題 画 面 で 確 認 できる 図 2 に 解 答 をチェックする 機 能 と 助 言 を 得 たいとき の 選 択 画 面 を 示 す 図 3 は 助 言 例 である 図 2 学 習 支 援 ツールメニュー 図 3 助 言 例 学 習 状 況 の 把 握 は 学 習 者 から 提 出 された 練 習 問 題 は 自 動 採 点 機 能 により 採 点 され 練 習 問 題 毎 に 学 習 者 番 号 と 採 点 結 果 が 表 示 される 練 習 問 題 は 学 習 者 が 練 習 問 題 を 解 いたときの 学 習 履 歴 を 記 録 することにして おり 学 習 者 から 返 却 されたファイルを 検 証 することで 学 習 者 の 理 解 状 況 の 把 握 ができ る 学 習 者 の 理 解 状 況 は 学 習 者 が 利 用 した 支 援 機 能 の 答 え 合 わせや 助 言 の 回 数 練 習 問 題 を 完 成 するまでの 時 間 正 解 率 等 各 種 アン ケート 情 報 の 一 覧 から 知 ることができる 授 業 の 実 践 を 2007 年 4 月 から 表 計 算 に 関 する 授 業 において 実 施 し 表 計 算 授 業 支 援 シ ステムを 利 用 している 2008 年 10 月 から 2009 年 2 月 の N 大 学 E 学 部 の 情 報 処 理 入 門 ( 教 養 教 育 科 目 )で 利 用 した 授 業 実 践 の 分 析 を 示 す 従 来 型 の Excel 授 業 終 了 後 に 関 数 の 理 解 度 アンケートを 実 施 し その 後 学 習 支 援 機 能 付 き 練 習 問 題 を 学 習 者 に 利 用 させた 後 再 度 関 数 の 理 解 度 アンケートを 実 施 した 本 研 究 で 構 築 したシステムを 利 用 した 授 業 内 容 は 情 報 基 礎 (Windows 基 礎 電 子 メ ール CMS 利 用 方 法 等 ) 情 報 倫 理 (e-learning 使 用 ) 文 書 作 成 (Word) 表 計 算 (Excel) Web ページ 作 成 である 表 計 算 は 15 回 の 授 業 中 4 回 行 い 説 明 し た 関 数 は SUM AVERAGE MAX MIN COUNT COUNTA RANK TODAY ROUNDDOWN IF VLOOKUP ISERROR である 表 計 算 課 題 等 は レポート 8 個 最 終 確 認 テストとして Excel 問 題 1 問 を 行 った 授 業 時 間 以 外 の 学 習 として 学 習 支 援 機 能 付 き 練 習 問 題 を 20 問 解 かせた な お 教 材 レポート 提 出 テストの 実 施 お よび 本 学 習 支 援 機 能 付 き 練 習 問 題 の 学 生 へ の 提 示 ファイルの 回 収 等 は Web 教 育 指 導 支 援 システム iportfolio Maker を 使 用 した( 学 会 発 表 8) 情 報 処 理 入 門 授 業 中 に 各 種 のアンケート 調 査 を 行 った 学 習 支 援 機 能 付 き 練 習 問 題 を 使 用 する 前 と 後 に 行 ったアンケート 調 査 お よび 支 援 機 能 付 き 練 習 問 題 に 組 み 込 んでい るアンケート 調 査 の 結 果 の 一 部 からシステ ムの 有 効 性 を 検 証 した 結 果 を 述 べる 授 業 中 に 説 明 した 関 数 および 説 明 しなか った 関 数 も 含 めた 練 習 問 題 を 20 問 用 意 して 学 生 に 解 かせた 学 生 に 対 しては 練 習 問 題 を 解 いた 結 果 は 成 績 に 反 映 させると 説 明 し 20 問 で 10 点 配 分 とした 293 名 中 282 名 が 2 問 以 上 20 問 解 いており 166 名 (57%)が 20 問 32 名 (11%)が 19 問 解 いていた 各 問 題 の 正 解 率 は 平 均 81%から 97%であり 約 半 数 の 学 生 が 20 問 全 て 100%の 正 解 率 であ った 本 システムを 利 用 する 前 と 利 用 後 の 学 生 がその 関 数 について 利 用 できると 解 答 し た 割 合 を 表 1に 示 す 表 1 練 習 問 題 を 利 用 する 前 と 利 用 後 の 説 明 できる と 回 答 した 結 果 授 業 で 説 明 した 12 個 の 関 数 の 全 ての 関 数 が Excel 授 業 終 了 時 の 調 査 より 学 習 支 援 機 能 付 き 練 習 問 題 を 解 いた 後 の 調 査 のほうが 説 明 できる の 割 合 が 増 えていた しかし 理 解 の 困 難 な 関 数 と 容 易 に 理 解 できる 関 数 が あり さらに 助 言 の 内 容 を 改 善 することが 必 要 であることがわかる 解 答 チェックおよび 助 言 の 機 能 について 支 援 機 能 付 き 練 習 問 題 を 解 いた 学 生 282 名 の 学 生 から 得 られた 評 価 を 5 段 階 で 示 したもの を 表 2 に 示 す 支 援 機 能 付 き 練 習 問 題 20 問

の 問 題 別 に 解 答 チェックと 助 言 の 機 能 につ いて 5: 良 い 4:やや 良 い 3: 普 通 2: やや 悪 い 1: 悪 いの 5 段 階 で 評 価 した 学 生 の 回 答 結 果 である 解 答 チェック 機 能 の 平 均 は 4.4 から 4.9 助 言 は 平 均 が 4.0 から 4.8 であった これらの 評 価 は 符 号 検 定 により 全 て 0.1% 以 下 の 有 意 確 率 で 良 好 であることが 確 認 された 表 3 は 問 題 毎 に 解 答 チェックの 機 能 を 利 用 した 学 生 の 人 数 である 多 くの 学 生 は 解 答 チェックと 助 言 の 両 方 の 機 能 を 利 用 しなが ら 練 習 問 題 を 解 いていた 解 答 チェックの 機 能 だけであれば 練 習 問 題 を 完 成 することが できず 助 言 を 利 用 することにより 高 い 正 解 率 を 得 ることができたと 考 えられる 表 2 学 生 の 評 価 表 3 利 用 状 況 ープロ 表 計 算 等 の 習 得 レベルも 同 様 である しかし 教 養 で 行 う 情 報 教 育 は 多 くの 大 学 で は 多 人 数 での 一 斉 授 業 を 行 わざるを 得 ない 状 況 である そこで 大 学 入 学 前 の 学 生 の 情 報 に 関 する 履 修 状 況 および Word や Excel をどの 程 技 能 として 身 につけて 入 学 しているのか さらにその 学 生 の 授 業 の 学 習 過 程 習 得 状 況 および 授 業 終 了 時 の 各 学 生 の 学 習 成 果 を 調 査 し 習 得 状 況 の 異 なった 学 生 が 一 斉 授 業 を 行 っている 情 報 処 理 入 門 での 学 習 成 果 へ の 影 響 等 について 調 査 した これらを 調 査 分 析 することで 授 業 の 設 計 さらには 授 業 中 アンケートの 実 施 によ り 授 業 改 善 への 一 方 策 を 提 案 できた 2006 年 度 に 初 めて 高 校 教 科 情 報 を 学 習 したであろう 学 生 が 大 学 に 入 学 したが 2006 年 度 は 77%が 高 等 学 校 で 情 報 を 学 習 した と 答 え 2009 年 度 では 92%となり ほぼ 全 員 が 情 報 科 目 を 学 習 している アプリケーションソフトの 使 用 経 験 では Excel と PowerPoint が 2009 年 度 も 70% 台 の 使 用 率 で 他 のソフトより 使 用 率 が 低 くなっ ている 本 報 告 での 対 象 者 は 2008 年 度 後 期 開 講 の E 学 部 の 8 クラス 中 6 クラス( 担 当 教 員 : 藤 井 と 丹 羽 の 2 名 )である 調 査 は 高 等 学 校 までに 学 習 した 情 報 教 育 に 関 する 内 容 や 技 術 の 習 得 度 等 についてアンケート 調 査 また 表 4 調 査 内 容 今 回 対 象 とした 授 業 では 授 業 時 間 外 に 利 用 させたが 授 業 時 間 中 にシステムを 利 用 し ながら 授 業 を 行 うこともできるため 学 習 者 の 知 識 技 術 レベルが 異 なった 一 斉 授 業 の 中 で 有 効 に 活 用 することが 可 能 である その 場 合 の 教 育 方 法 については 今 後 の 課 題 である 学 習 者 の 履 歴 情 報 を 分 析 することにより 次 回 の 授 業 および 次 期 への 授 業 の 改 善 に 役 立 てることができる 4.2 情 報 処 理 教 育 における 授 業 構 築 と 授 業 改 善 大 学 における 教 養 としての 情 報 教 育 の 内 容 を 検 討 するにあたって 入 学 生 の 高 等 学 校 までの 情 報 教 育 の 実 施 状 況 およびその 学 生 が 大 学 で 情 報 教 育 を 受 講 した 結 果 の 成 績 等 を 調 査 することが 必 要 とされている 初 等 中 等 教 育 で 情 報 教 育 が 行 われること になってから 大 学 入 学 時 の 学 生 の 情 報 に 対 する 知 識 や 技 術 の 習 得 状 況 は 様 々であり ワ 調 査 時 期 授 業 開 始 前 各 回 の 授 業 終 了 時 各 単 元 終 了 時 最 終 授 業 調 査 内 容 (1) 情 報 教 育 に 関 するアンケート 受 講 前 の 時 点 における 学 生 の 情 報 教 育 に 関 する 教 科 の 履 修 状 況 や 情 報 リテラシーの 習 得 状 況 (2) 実 技 テスト 受 講 前 の 時 点 における Wordと Excelの 利 用 能 力 (3) 授 業 中 課 題 授 業 中 アンケート レポート 各 回 の 授 業 で 課 題 を 提 出 当 該 授 業 に 対 する 感 想 授 業 内 容 の 理 解 度 授 業 への 要 望 (4) 各 単 元 についてのアンケート Wordを 取 り 上 げた 授 業 の 内 容 (5)Excel 関 数 の 理 解 度 調 査 (1) 授 業 で 取 り 上 げたExcelの 関 数 の 理 解 度 (6)Excelの 最 終 確 認 テスト Excelの 確 認 テスト (7)Excel 関 数 の 理 解 度 調 査 (2) 授 業 および 練 習 問 題 (eラーニン グ)で 取 り 上 げたExcelの 関 数 の 理 解 度 (8) 学 生 による 授 業 評 価 長 崎 大 学 が 全 学 的 に 実 施

授 業 開 始 前 の 学 生 の Word Excel の 習 熟 度 調 査 授 業 中 のレポート 課 題 やテスト 毎 回 の 授 業 アンケート 等 を 対 象 として 分 析 を 行 っ た 表 4 の 調 査 を 行 った 結 果 の 一 部 を 述 べる Word と Excel では 若 干 異 なった 傾 向 がみら れた Word の 学 習 に 関 しては 授 業 前 にかな りできる 学 生 Word を 学 習 していない 学 生 等 それまでの 学 習 経 験 に 差 があるが 授 業 終 了 時 には 全 く Word を 学 習 していなかった 学 生 も 既 に 学 習 していた 学 生 と 同 様 の 成 果 を 上 げていることが 分 かった Excel については 学 生 間 に 入 学 前 の 学 習 状 況 にかなりの 差 があることが 従 来 より 言 われていたが 実 際 に 授 業 前 にテストを 行 っ た 結 果 テストができている 学 生 できてい ない 学 生 等 さまざまであった Excel では 授 業 前 に 取 ったアンケート 中 の Excel の 使 用 程 度 と 授 業 前 に 行 ったテスト の 点 および 授 業 終 了 後 に 行 った 試 験 の 点 に 違 いがあるといえず Excel についてはさら に 検 討 が 必 要 である 情 報 処 理 科 目 における 授 業 中 の 様 々な 調 査 は 毎 年 授 業 当 該 授 業 で 行 っており 各 年 度 ごとに 問 題 点 を 抽 出 し 次 期 授 業 の 授 業 へ 調 査 結 果 を 反 映 さることにより 授 業 改 善 を 行 うことができる 5. 主 な 発 表 論 文 等 ( 研 究 代 表 者 研 究 分 担 者 及 び 連 携 研 究 者 に は 下 線 ) 雑 誌 論 文 ( 計 7 件 ) 1 藤 井 美 知 子 中 島 信 恵 二 木 映 子 佐 野 繭 美 松 永 公 廣 表 計 算 授 業 における 授 業 支 援 システムの 構 築 情 報 コミュニケ ーション 学 会 誌 査 読 有 Vol.9,No.1 2010( 掲 載 予 定 ) 2 藤 井 美 知 子 中 島 信 恵 二 木 映 子 佐 野 繭 美 松 永 公 廣 表 計 算 授 業 支 援 システ ムを 使 用 した 授 業 実 践 長 崎 大 学 大 学 教 育 機 能 開 発 センター 紀 要 査 読 無 1 号 81-86(2010) 3 藤 井 美 知 子 直 野 公 美 井 ノ 上 憲 司 古 賀 掲 維 丹 羽 量 久 入 学 前 の 情 報 処 理 学 習 状 況 の 調 査 結 果 と 情 報 処 理 入 門 科 目 授 業 における 理 解 度 との 関 連 長 崎 大 学 大 学 教 育 機 能 開 発 センター 紀 要 査 読 無 1 号 55-65(2010) 4 藤 井 美 知 子 中 島 信 恵 高 本 明 美 大 学 短 大 新 入 生 を 対 象 とした 教 科 情 報 に 関 するアンケート 調 査 分 析 人 間 生 活 科 学 研 究 査 読 有 Vol.44 19-25(2008) 5 中 島 信 恵 藤 井 美 知 子 高 本 明 美 教 科 情 報 の 出 身 学 科 別 分 析 と 大 学 短 期 大 学 における 情 報 処 理 教 育 人 間 生 活 科 学 研 究 査 読 有 Vol.44 27-31(2008) 学 会 発 表 ( 計 28 件 ) 1 丹 羽 量 久 直 野 公 美 藤 井 美 知 子 情 報 処 理 入 門 における 教 育 指 導 支 援 システ ムiPortfolioMakerを 用 いた 授 業 アンケ ートと 授 業 へのフィードバック 教 育 シ ステム 情 報 学 会 研 究 会 2010 年 3 月 13 日 畿 央 大 学 ( 奈 良 県 ) 2 藤 井 美 知 子 直 野 公 美 丹 羽 量 久 情 報 処 理 入 門 科 目 における 授 業 中 の 教 え 合 い について 情 報 コミュニケーショ ン 学 会 2010 年 2 月 28 日 明 治 大 学 ( 東 京 都 ) 3 藤 井 美 知 子 丹 羽 量 久 直 野 公 美 井 ノ 上 憲 司 古 賀 掲 維 情 報 処 理 入 門 科 目 における 学 習 者 の 状 況 把 握 のための 調 査 分 析 平 成 21 年 度 情 報 教 育 研 究 集 会 2009 年 11 月 15 日 東 北 大 学 ( 宮 城 県 ) 4 二 木 映 子 恋 河 内 敦 中 島 信 恵 高 本 明 美 藤 井 美 知 子 初 心 者 のためのタイピ ングソフトの 開 発 と 誤 り 傾 向 について 平 成 21 年 度 情 報 教 育 研 究 集 会 2009 年 11 月 15 日 東 北 大 学 ( 宮 城 県 ) 5 藤 井 美 知 子 丹 羽 量 久 直 野 公 美 古 賀 掲 維 井 ノ 上 憲 司 ソフト 利 用 技 術 に 着 目 した 入 学 時 と 授 業 実 施 後 における 習 熟 度 の 把 握 第 58 回 九 州 地 区 大 学 一 般 教 育 研 究 協 議 会 2009 年 9 月 11 日 宮 崎 市 厚 生 年 金 会 館 ( 宮 崎 県 ) 6 藤 井 美 知 子 中 島 信 恵 二 木 映 子 佐 野 繭 美 松 永 公 廣 学 習 支 援 機 能 付 きExcel 練 習 問 題 を 利 用 した 授 業 の 実 践 教 育 シ ステム 情 報 学 会 第 6 回 研 究 会 2009 年 3 月 14 日 長 崎 大 学 ( 長 崎 県 ) 7 藤 井 美 知 子 丹 羽 量 久 直 野 公 美 井 ノ 上 憲 司 古 賀 掲 維 授 業 開 始 前 における 情 報 教 育 に 関 するアンケートとソフトの 実 利 用 技 術 の 関 係 教 育 システム 情 報 学 会 第 6 回 研 究 会 2009 年 3 月 14 日 長 崎 大 学 ( 長 崎 県 ) 8 古 賀 掲 維 井 ノ 上 憲 司 坂 井 一 也 新 田 高 士 飛 永 三 奈 直 野 公 美 藤 井 美 知 子 丹 羽 量 久 教 育 指 導 支 援 システム iportfoliomaker の 開 発 教 育 システ ム 情 報 学 会 第 6 回 研 究 会 2009 年 3 月 14 日 長 崎 大 学 ( 長 崎 県 ) 9 直 野 公 美 藤 井 美 知 子 丹 羽 量 久 井 ノ 上 憲 司 古 賀 掲 維 テキストマイニング を 活 用 した 授 業 理 解 度 判 定 のためのアン ケートの 検 討 教 育 システム 情 報 学 会 第 6 回 研 究 会 2009 年 3 月 14 日 長 崎 大 学 ( 長 崎 県 ) 10 藤 井 美 知 子 中 島 信 恵 二 木 映 子 佐 野 繭 美 松 永 公 廣 Excel 学 習 支 援 システム を 利 用 した 授 業 実 践 とシステムの 評 価 情 報 コミュニケーション 学 会 第 6 回 全 国 大 会 2009 年 2 月 28 日 園 田 学 園 女 子 大 学 ( 兵 庫 県 )

11 古 賀 掲 維 井 ノ 上 憲 司 飛 永 三 奈 新 田 高 士 坂 井 一 也 直 野 公 美 藤 井 美 知 子 丹 羽 量 久 継 続 的 授 業 改 善 を 可 能 とする 教 育 指 導 支 援 システムの 開 発 と 授 業 実 践 情 報 コミュニケーション 学 会 第 6 回 全 国 大 会 2009 年 2 月 28 日 園 田 学 園 女 子 大 学 ( 兵 庫 県 ) 12 藤 井 美 知 子 中 島 信 恵 二 木 映 子 佐 野 繭 美 松 永 公 廣 学 習 者 を 支 援 するExcel 演 習 問 題 の 構 築 と 授 業 実 践 学 習 者 を 支 援 するExcel 演 習 問 題 の 構 築 と 授 業 実 践 2008 年 12 月 6 日 宮 崎 観 光 ホテル( 宮 崎 県 ) 13 丹 羽 量 久 直 野 公 美 藤 井 美 知 子 坂 井 慎 吾 古 賀 掲 維 教 育 情 報 のテキストマ イニング 分 析 を 利 用 した 教 育 改 善 活 動 の 実 践 第 57 回 九 州 地 区 大 学 一 般 教 育 研 究 協 議 会 2008 年 9 月 19 日 長 崎 大 学 ( 長 崎 県 ) 14 直 野 公 美 坂 井 慎 吾 藤 井 美 知 子 古 賀 掲 維 丹 羽 量 久 テキストマイニングを 利 用 した 教 育 改 善 のためのアクション リサーチの 実 践 教 育 システム 情 報 学 会 第 33 回 全 国 大 会 2008 年 9 月 5 日 熊 本 大 学 ( 熊 本 県 ) 15 藤 井 美 知 子 坂 井 慎 吾 直 野 公 美 古 賀 掲 維 丹 羽 量 久 高 校 教 科 情 報 の 履 修 状 況 と 大 学 での 授 業 記 録 からみた 一 般 情 報 処 理 教 育 の 現 状 と 課 題 教 育 システ ム 情 報 学 会 第 33 回 全 国 大 会 2008 年 9 月 5 日 熊 本 大 学 ( 熊 本 県 ) 16 中 島 信 恵 藤 井 美 知 子 二 木 映 子 佐 野 繭 美 松 永 公 廣 表 計 算 学 習 における 学 習 者 の 誤 り 傾 向 とその 助 言 教 育 システ ム 情 報 学 会 第 33 回 全 国 大 会 2008 年 9 月 5 日 熊 本 大 学 ( 熊 本 県 ) 17 藤 井 美 知 子 中 島 信 恵 二 木 映 子 佐 野 繭 美 松 永 公 廣 表 計 算 を 支 援 すること を 目 的 とした 学 習 者 の 誤 り 分 析 教 育 シ ステム 情 報 学 会 研 究 会 2008 年 3 月 15 日 静 岡 大 学 ( 静 岡 県 ) 18 藤 井 美 知 子 坂 井 慎 吾 直 野 公 美 古 賀 掲 維 丹 羽 量 久 アンケートの 分 析 結 果 からみた 一 般 情 報 処 理 教 育 教 育 システ ム 情 報 学 会 研 究 会 2008 年 3 月 15 日 静 岡 大 学 ( 静 岡 県 ) 19 藤 井 美 知 子 中 島 信 恵 二 木 映 子 佐 野 繭 美 松 永 公 廣 表 計 算 を 支 援 すること を 目 的 とした 学 習 者 の 誤 り 分 析 教 育 シ ステム 情 報 学 会 第 32 回 全 国 大 会 2007 年 9 月 13 日 信 州 大 学 ( 長 野 県 ) 20 藤 井 美 知 子 中 島 信 恵 高 本 明 美 高 校 出 身 学 科 別 に 夜 教 科 情 報 の 知 識 履 修 状 況 分 析 について 教 育 システム 情 報 学 会 第 32 回 全 国 大 会 2007 年 9 月 13 日 信 州 大 学 ( 長 野 県 ) 6. 研 究 組 織 (1) 研 究 代 表 者 藤 井 美 知 子 (FUJII MICHIKO) 長 崎 大 学 大 学 教 育 機 能 開 発 センター 教 授 研 究 者 番 号 :00156829 (2) 研 究 分 担 者 二 木 映 子 (NIKI EIKO) 宇 部 工 業 高 等 専 門 学 校 経 営 情 報 学 科 助 手 研 究 者 番 号 :20290794 高 本 明 美 (TAKAMOTO AKEMI) 宇 部 フロンティア 大 学 人 間 社 会 学 部 教 授 研 究 者 番 号 :10154907 中 島 信 恵 (NAKASHIMA NOBUE) 宇 部 フロンティア 大 学 短 期 大 学 部 情 報 シ ステム 学 科 講 師 研 究 者 番 号 :90280213 ( 平 成 19 年 平 成 20 年 ) (3) 研 究 協 力 者 松 永 公 廣 (MATSUNAGA KIMIHIRO) 摂 南 大 学 経 営 情 報 学 科 教 授 佐 野 繭 美 (SANO MAYUMI) 摂 南 大 学 情 報 メディアセンター 技 官 丹 羽 量 久 (NIWA KAZUHISA) 長 崎 大 学 大 学 教 育 機 能 開 発 センター 教 授