目 次 Ⅰ 研 究 テ ー マ 設 定 理 由 85 Ⅱ 研 究 目 標 85 Ⅲ 研 究 仮 説 86 1 基 本 仮 説 2 作 業 仮 説 Ⅳ 研 究 構 想 図 86 Ⅴ 研 究 内 容 86 1 数 学 的 な 見 方 考 え 方 に つ い て (1) 数 学 的 な 見 方 や 考 え

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った 場 合 など 監 事 の 任 務 懈 怠 の 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 減 算 する (8) 役 員 の 法 人 に 対 する 特 段 の 貢 献 が 認 められる 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 加 算 することができる

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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

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数 学 的 な 見 方 や 考 え 方 を 育 む 数 学 的 活 動 の 工 夫 ~ 資 料 の 活 用 領 域 におけるICT 活 用 を 通 して~ 研 究 のキーワード 統 計 的 な 見 方 や 考 え 方 統 計 ソフト stathist 表 計 算 ソ フト Excel 学 び 合 い 那 覇 市 立 首 里 中 学 校 教 諭 山 里 毅

目 次 Ⅰ 研 究 テ ー マ 設 定 理 由 85 Ⅱ 研 究 目 標 85 Ⅲ 研 究 仮 説 86 1 基 本 仮 説 2 作 業 仮 説 Ⅳ 研 究 構 想 図 86 Ⅴ 研 究 内 容 86 1 数 学 的 な 見 方 考 え 方 に つ い て (1) 数 学 的 な 見 方 や 考 え 方 と は (2) 統 計 的 な 見 方 や 考 え 方 と は 2 数 学 的 活 動 に つ い て (1) 数 学 的 活 動 と は (2) 数 学 的 活 動 に ICTを 取 り 入 れる 3 ICT 活 用 に つ い て (1) 統 計 ソ フ ト stathist に つ い て (2) 表 計 算 ソ フ ト Excel に つ い て 4 学 び 合 い の 工 夫 Ⅵ 授 業 実 践 ( 第 1 学 年 ) 90 1 単 元 名 7 章 資 料 の 散 らばりと 代 表 値 第 3 節 資 料 の 活 用 2 単 元 目 標 3 指 導 と 評 価 計 画 ( 全 12 時 間 ) 4 第 7 時 の 展 開 5 第 8 時 の 展 開 ( 授 業 仮 説 1) 6 第 9 時 の 展 開 ( 授 業 仮 説 2) 本 時 Ⅶ 結 果 と 考 察 92 1 作 業 仮 説 1 の 検 証 結 果 考 察 2 作 業 仮 説 2 の 検 証 結 果 考 察 Ⅷ 成 果 と 課 題 96 1 成 果 2 課 題 主 な 参 考 文 献 - 85 -

中 学 校 数 学 科 数 学 的 な 見 方 や 考 え 方 を 育 む 数 学 的 活 動 の 工 夫 ~ 資 料 の 活 用 領 域 に お け る I C T 活 用 を 通 し て ~ 那 覇 市 立 首 里 中 学 校 教 諭 山 里 毅 Ⅰ テ ー マ 設 定 理 由 21 世 紀 は い わ ゆ る 知 識 基 盤 社 会 の 時 代 で あ る と 言 わ れ て お り, 新 し い 知 識 情 報 技 術 が 政 治 経 済 文 化 を は じ め 社 会 の あ ら ゆ る 領 域 で の 活 動 の 基 盤 と し て 飛 躍 的 に 重 要 性 を 増 し て い る こ の よ う な 状 況 に お い て, 生 き る 力 を 育 む こ と が ま す ま す 重 要 に な っ て い る 中 で も, 大 量 の 情 報 の 中 か ら 取 捨 選 択 を し, 情 報 の 表 現 や コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 効 果 的 な 手 段 と し て コ ン ピ ュ ー タ や 情 報 通 信 ネ ッ ト ワ ー ク な ど の 情 報 手 段 を 活 用 す る 能 力 が 求 め られて い る こ の よ う な 中, 教 育 の 情 報 化 に 関 す る 手 引 き ( 文 部 科 学 省 H22.10) で は, 情 報 教 育 の 充 実 や 各 教 科 等 の 目 標 を 達 成 す る た め の 効 果 的 な I C T 機 器 の 活 用 等 の 重 要 性 が 示 さ れ た 学 習 指 導 要 領 の 中 学 校 数 学 科 の 目 標 は, 数 学 的 活 動 を 通 し て, ( 中 略 ) 数 学 的 な 表 現 や 処 理 の 仕 方 を 習 得 し, 事 象 を 数 理 的 に 考 察 し 表 現 す る 能 力 を 高 め る こ と と あり, 学 習 の 過 程 に お い て 数 学 的 活 動 が よ り 一 層 重 視 さ れ た ま た, 資 料 の 活 用 領 域 が 新 設 さ れ, 情 報 化 社 会 に 生 き る 人 間 に と っ て, 情 報 を 正 し く 読 み 取 り, 合 理 的 か つ 的 確 に 判 断 で き る 能 力 を 身 に つ け る こ と が 求 め ら れ た 一 方, 本 校 で は, 平 成 25 年 度 全 国 学 力 学 習 状 況 調 査 に お い て, 資 料 の 活 用 領 域 の 数 学 B 5 (2) 資 料 の 傾 向 を 的 確 に 捉 え, 事 柄 の 特 徴 を 数 学 的 に 説 明 す る こ と の 問 題 に 対 し て, 正 答 率 16.4% ( 全 国 24.8% ), 無 解 答 率 60.1% ( 全 国 43.1% )で あ っ た ま た, 生 徒 質 問 紙 か ら 授 業 で ヒ ス ト グ ラ ム な ど か ら 分 か っ た こ と を 説 明 し た こ と が あ る か の 問 い に 当 て は ま る ど ち ら か と い え ば 当 て は ま る と 答 え た 生 徒 は 15.1% と 低 か っ た そ れ は, こ れ ま で の 授 業 の 中 で, 生 徒 が 整 理 し た 結 果 を 用 い て 主 体 的 に 考 え 判 断 し た こ と を 説 明 さ せ る こ と や, 実 体 験 を 取 り 入 れ た 数 学 的 活 動 が 少 な か っ た か ら と 考 え る ま た I C T 活 用 に 関 し て は, 問 題 の 提 示 や 説 明 の 教 具 と し て は 活 用 し て き た が, 生 徒 が 思 考 や 表 現 の 手 段 と し て 活 用 す る 場 の 設 定 が 少 な か っ た よ う に 思 う そ こ で 資 料 の 活 用 領 域 に お い て, 日 常 生 活 や 社 会 の 問 題 を 解 決 す る と い う 実 体 験 を 通 し た 数 学 的 活 動 に 取 り 組 む こ と に よ り, そ の 楽 し さ や 数 学 の よ さ を 実 感 し, 主 体 的 に 取 り 組 む 態 度 を 育 み な が ら, 数 : 学 的 な 見 方 や 考 え 方 を 高 め た い そ の 中 で, 生 徒 が I C T を 活 用 し て 資 料 の 収 集 や 処 理, 資 料 の 傾 向 を と ら え さ せ, 説 明 す る と い う 活 動 を 充 実 さ せ る こ と に よ り, 内 容 理 解 の 促 進 や 表 現 活 動 の 充 実, 思 考 の 深 ま り に つ な が る と 考 え, 本 テ ー マ を 設 定 し た Ⅱ 研 究 目 標 資 料 の 活 用 領 域 に お い て, 数 学 的 な 見 方 や 考 え 方 を 育 む た め に, I C T を 活 用 し た 数 学 的 活 動 の 工 夫 に つ い て 実 践 的 に 研 究 す る - 85 -

Ⅲ 研 究 仮 説 1 基 本 仮 説 資 料 の 活 用 領 域 に お い て, I C T 活 用 等 に よ る 数 学 的 活 動 を 工 夫 す る こ と で, 数 学 的 な 見 方 や 考 え 方 が 育 ま れ る で あ ろ う 2 作 業 仮 説 (1) 自 力 解 決 す る 場 に お い て, 統 計 ソ フ ト 等 を 用 い 分 析 さ せ る こ と で, 数 理 的 に 考 察 す る 力 が 育 ま れ る で あ ろ う (2) 比 較 検 討 す る 場 に お い て,I C T を 活 用 し て 表 現 し, 学 び 合 わ せ る こ と で, 数 学 的 な 見 方 や 考 え 方 が 育 ま れ る で あ ろ う Ⅳ 研 究 構 想 図 めざす 生 徒 像 根 拠 を 明 らかにし, 筋 道 を 立 てて 考 え, 説 明 できる 生 徒 研 究 テーマ 数 学 的 な 見 方 や 考 え 方 を 育 む 数 学 的 活 動 の 工 夫 ~ 資 料 の 活 用 領 域 におけるI C T 活 用 を 通 し て ~ 研 究 内 容 思 考 力 表 現 力 の 育 成 1 数 学 的 な 見 方 や 考 え 方 に つ い て 3 I C T 活 用 に つ い て 2 数 学 的 活 動 に つ い て 4 学 び 合 い の 工 夫 社 会 的 背 景 生 徒 の 実 態 授 業 の 反 省 教 師 の 願 い Ⅴ 研 究 内 容 1 数 学 的 な 見 方 や 考 え 方 について (1) 数 学 的 な 見 方 や 考 え 方 と は 数 学 的 な 見 方 や 考 え 方 と は, 論 理 的 体 系 的 に 物 事 を 考 え る 側 面 だ け で は ない 問 題 に 対 し て, 直 観, 類 推, 帰 納, 演 繹 な ど の 方 法 を 用 い て, 多 様 な 角 度 や 観 点 か 表 1 数 学 の 方 法 に 関 係 した 数 学 的 な 考 え 方 片 桐 重 雄 ( 2004) 帰 納 的 な 考 え 方 類 推 的 な 考 え 方 演 繹 的 な 考 え 方 統 合 的 な 考 え 方 発 展 的 な 考 え 方 抽 象 化 の 考 え 方 単 純 化 の 考 え 方 一 般 化 の 考 え 方 特 殊 化 の 考 え 方 記 号 化 の 考 え 方 - 86 -

ら 検 討 す る 見 方 や 考 え 方 が あ る ま た 統 合, 抽 象 化, 数 量 化, 記 号 化 な ど の 方 法 を 用 い て 問 題 を 分 析 整 理 す る 見 方 や 考 え 方 も あ る ( 表 1) そ れ ら の 育 成 が, 生 徒 に と っ て 将 来 生 活 を 営 む 上 で, 物 事 に 対 し て よ り 深 く 多 様 な 考 え の で き る 力 に 結 び つ く で あ ろ う そ こ に 数 学 を 学 ぶ 意 義 が あ る と 考 え る (2) 統 計 的 な 見 方 や 考 え 方 と は 木 村 捨 雄 (2005)は, 統 計 の 定 義 に つ い て, あ る 目 的 を も っ て, 一 定 の 条 件 で 定 め ら れ た 集 団 を 対 象 に, 調 べ て 集 め た デ ー タ を, 集 計, 加 工 し て 得 ら れ た 数 値 で, そ の 結 果 に 基 づ い て 行 動 の 指 針 を 決 め, 意 志 決 定 す る た め に 活 用 さ れ る も の と 述 べ ている また, 課 題 解 決 に お け る 学 習 活 動 で あ る 統 計 的 探 求 プ ロ セ ス 1 とらえる 2 あ つ め る 3 ま と め る 4 よ み と る 5 いかす の 中 で, 実 証 的 数 量 的 客 観 的 論 理 的 合 理 的 総 合 的 に 捉 え, 考 え を 深 め る こ と で, 統 計 的 な 見 方 や 考 え 方 な ど を 育 成 す る と 述 べ て い る ( 表 2) プロセス 本 研 究 で は, 統 計 的 探 究 プ ロ セ ス に お い て, 数 理 的 に 分 析 考 察 し, 論 理 的 総 合 的 客 観 的 合 理 的 に 判 断 す る, 統 計 的 な 見 方 や 考 え 方 を 育 む も の と す る 2 数 学 的 活 動 に つ い て (1) 数 学 的 活 動 と は 学 習 指 導 要 領 解 説 数 学 編 ( 以 下 数 学 編 ) に お い て, 数 学 的 活 動 は 生 徒 が 目 的 意 識 を も っ て 主 体 的 に 取 り 組 む 数 学 に か か わ り の あ る 様 々 な 営 み と さ れ て い る その 観 点 か ら, 4 領 域 を 包 括 す る 次 の 3 つ の 活 動 に 集 約 さ れ た こ れ ら の 活 動 を 単 位 時 間 の ね ら い に 応 じ て 意 図 的 に 位 置 付 け て い く こ と が 肝 要 で ある ま た, 生 徒 の 学 習 状 況 や 発 達 の 段 階 に 配 慮 し て 適 切 に 位 置 づ け る こ と が 求 め ら れ る 統 計 的 な 見 方 や 考 え 方 1 とらえる 驚 き, 疑 問 を 感 じ, 課 題 を 絞 り 込 み 設 定 す る ( 鋭 い 感 性 分 析 的 ) 2 あつめる 3 まとめる 4 よみとる 5 いかす 表 2 統 計 的 探 究 プ ロ セ ス と 統 計 的 な 見 方 や 考 え 方 ( 一 部 抜 粋 ) 集 団 の 現 象 を 事 実 実 態 に 基 づ い て 捉 え( 実 証 的 ),か つ そ れ を 数 量 的 ( 客 観 的 ) に, 調 べ る 対 象 を で き る だ け 偏 り が な い よ う に 正 確 に 調 べ る( 正 確 性 ) 得 ら れ た デ ー タ を 正 確 に 整 理 し, 集 計 し て, 散 ら ば り の あ る 現 象 の 中 か ら 安 定 的 な 傾 向 や 規 則 性 を 算 出 し, 予 測 し ( 数 理 的 論 理 的 分 析 的 ), 結 果 を 表 や グ ラ フ に ま と め る 諸 結 果 を 関 連 付 け, 矛 盾 の な い 一 般 化 し た 結 果 を 導 き 出 し ( 数 理 的 論 理 的 ), 確 率 に 基 づ い た 統 計 的 推 測 に 基 づ い て 総 合 的 に 評 価 判 断 ( 総 合 的 ) し, 結 論 を 得 る 課 題 解 決 の た め の 結 論 を 導 き, 意 志 決 定 行 動 決 定 し, 効 果 を 評 価 で き る デ ー タ を 整 え て 計 画 立 案 し, 行 動 計 画 を 立 て る( 客 観 的 合 理 的 ) 1 既 習 の 数 学 を 基 に し て 数 や 図 形 の 性 質 な ど を 見 い だ し 発 展 さ せ る 活 動 2 日 常 生 活 や 社 会 で 数 学 を 利 用 す る 活 動 3 数 学 的 な 表 現 を 用 い て 根 拠 を 明 ら か に し て 筋 道 立 て て 説 明 し 伝 え 合 う 活 動 学 習 指 導 要 領 で は, 新 し い 領 域 と し て 資 料 の 活 用 が 新 設 さ れ た 特 徴 的 な こ と は 第 1, 第 3 学 年 の 目 標 に コ ン ピ ュ ー タ を 用 い る な ど し て と 明 記 さ れ た こ と で あ る 新 井 仁 (2009)は 資 料 の 活 用 領 域 に お け る 指 導 の 最 終 目 的 は, 統 計 - 87 -

や 確 率 に 関 す る 知 識 や 表 現 処 理 技 能 を 身 に つ け る だ け で な く, 目 的 に 応 じ て 資 料 を 収 集 し, 目 的 を 持 っ て 数 値 化 し た り 視 覚 化 し た り す る こ と が で き, 合 理 的 に 判 断 し, そ の 結 果 を 他 者 に 伝 え る こ と と 述 べて い る 本 研 究 に お い て は, 数 学 的 活 動 2 3 を 取 り 入 れ, 日 常 生 活 に お け る 資 料 か ら,コ ン ピ ュ ー タ を 活 用 し て 分 析 考 察 し 判 断 し た こ と を, 根 拠 を 明 ら か に し て ま と め さ せ, そ れ を 説 明 す る と い う 活 動 を 取 り 入 れ る (2) 数 学 的 活 動 に I C T を 取 り 入 れ る 数 学 編 で は, 数 学 的 活 動 は, 基 本 的 に は 問 題 解 決 の 形 で 行 わ れ る と あ る 問 題 解 決 型 の 学 習 は, 生 徒 自 ら が 考 え, 問 題 を 解 決 し て い く,そ の 過 程 を 重 視 す る も の で あ る 問 題 解 決 型 の 学 習 過 程 に, I C T 取 り 入 れ た 授 業 例 を 以 下 に 示 す 表 3 I C T を 活 用 し た 資 料 の 活 用 領 域 の 授 業 例 ( 群 馬 県 中 部 教 育 事 務 所 資 料 参 照 ) プロ セス 学 習 活 動 指 導 の 留 意 点 ICT 活 用 問 題 知 識 技 能 を 活 用 す る 能 力 を 高 め, 数 学 を 学 ぶ 意 義 が 実 感 で き る よ う, 日 常 生 活 や 社 会 に か か わ る 問 題 他 教 科 の 学 習 と 関 連 を 図 っ た 問 題 等, 問 題 を 工 夫 す る 1 と ら え る 1 問 題 を 見 い だ し, 目 的 意 識 を 持 つ [ 既 習 の 数 学 を 発 展 させ 問 題 を 見 いだす 活 動 ] [ 日 常 生 活 や 社 会 にかかわる 場 面 の 中 に 数 学 に 関 する 問 題 を 見 いだす 活 動 ] 日 常 生 活 や 社 会 にかかわる 場 面 を 理 想 化 したり 単 純 化 したりするなどして, 問 題 を 見 いださせることを 通 して, 目 的 意 識 を 持 たせる 問 題 の 提 示 教 師 の 活 用 電 子 黒 板 PowerPoint 等 2 問 題 解 決 の 構 想 を 立 て る 自 力 解 決 の 場 4 よ み と る 3 ま と め る 2 あ つ め る [ 数 量 の 関 係 や 問 題 の 構 造 を 読 み 取 る 活 動 ] [ 既 習 の 関 連 する 内 容 を 学 び 直 す 活 動 ] [ 解 決 するための 方 法 を 構 想 する 活 動 ] 3 既 習 の 知 識 技 能 を 活 用 し 問 題 を 解 決 す る [ 既 習 の 方 法 に 帰 着 させて 考 える 活 動 ] [ 結 果 を 日 常 生 活 や 社 会 の 場 面 に 結 び 付 けて, 判 断 したり, 予 測 したりする 活 動 ] [ 数 学 的 活 動 を 振 り 返 り, 考 えたことを 評 価 した こと 等 を 表 現 する 活 動 ] 4 考 え を 説 明 し 合 う [ 根 拠 を 明 らかにして 考 えを 説 明 する 活 動 ] [ 他 の 表 現 から 考 えを 解 釈 する 活 動 ] [ 互 いの 考 えや 説 明 を 吟 味 し 洗 練 する 活 動 ] [ 多 様 な 考 え 方 を 比 較 し 考 えたことを 伝 え 合 う 活 動 ] 既 習 の 知 識 技 能 を 想 起 し, 類 似 の 場 面 を 基 に 方 法 を 推 測 させ, 解 決 の 見 通 しを 持 てるようにする 構 想 に 基 づき, 数 学 的 な 表 現 を 用 いて 試 行 錯 誤 させる 調 べた 結 果 を 基 に 予 想 の 正 否 や 資 料 の 傾 向 を 判 断 し, 未 知 の 事 柄 を 予 測 させる 思 考 過 程 や 判 断 過 程 の 根 拠 などを, 言 葉 や 表 グラフや 代 表 値 など, 数 学 的 な 表 現 を 用 いてまとめさせる 数 学 的 な 表 現 を 用 いて, 前 提 と 結 論 を 明 示 し, 根 拠 を 明 らかにしながら 順 序 良 く 説 明 させるようにする 簡 単 な 考 え 広 く 使 える 考 え 似 ている 考 え 内 容 考 え 方 法 のよさ などの 論 点 を 明 確 にして 考 えたことを 伝 え 合 わ せる 教 師 の 活 用 電 子 黒 板 PowerPoint 等 生 徒 の 活 用 イ ン タ ー ネ ッ ト サ イ ト に よ る 資 料 の 収 集 統 計 ソ フ ト 等 に よ る 資 料 の 整 理 と 分 析 練 り 合 い の 場 生 徒 の 活 用 電 子 黒 板 統 計 ソフト 等 に よる 説 明 5 い か す 5 振 り 返 っ て 学 習 の 結 果 を ま と め る [ 数 学 的 活 動 の 過 程 を 振 り 返 り, 学 んだことや 数 学 の 必 要 性 等 を 表 現 する 活 動 ] 知 識 技 能 の 意 味, 考 え 方 や 表 現 方 法 及 びそれらの 活 用 の 仕 方 や 活 用 するよさ, 数 学 を 学 ぶ 意 義 や 必 要 性 等 の 視 点 を 明 確 にしてまとめさせる 学 習 の ま と め 教 師 の 活 用 電 子 黒 板 PowerPoint 等 - 88 -

3 I C T 活 用 に つ い て 本 研 究 で は, 表 3 に 示 し た 学 習 過 程 の, 自 力 解 決 の 場 や 練 り 合 い の 場 を 中 心 に I C T を 取 り 入 れ る 授 業 実 践 で 使 用 す る 統 計 ソ フ ト と 表 計 算 ソ フ ト に つ い て 以 下 に 示 す (1) 統 計 ソ フ ト stathist に つ い て 柗 元 新 一 郎 ( 静 岡 大 )が 中 心 と な っ て 開 発 し た 統 計 ソ フ ト stathist ( 以 下 stathist)を 用 い て, 生 徒 が 資 料 の 傾 向 を 読 み 取 るこ と が で き る よ う に す る stathist は,デ ー タ の 直 接 入 力 や, エ ク セ ル か ら コ ピ ー, 貼 り 付 け を す る こ と で,ヒ ス ト グ ラ ム や 度 数 分 布 表 を 作 成 す る こ と が で き る こ の ソ フ ト の 利 点 と し て, 階 級 の 幅 や 最 初 の 階 級 の 値 を 簡 単 に 設 定 で き る 点 や 複 数 の デ ー タ を 比 較 で き る 点,そ し て 作 成 し た 度 数 分 布 表 や ヒ ス ト グ ラ ム な ど を 印 刷 で き る 点 な ど が あ る 本 研 究 で は,stathist を 活 用 し て, 3 つ の デ ー タ を 1 度 に 比 較 分 析 さ せ る 生 徒 が 傾 向 を と ら え や す い よ う に 階 級 の 幅 に 視 点 を お い て, 分 析 に 取 り 組 ませ, 印 刷 し た シ ー ト を ワ ー ク シ ー トとして 活 用 し, 考 察 さ せ た い (2) 表 計 算 ソ フ ト Excel に つ い て 図 1 統 計 ソ フ ト stathist 表 計 算 ソ フ ト Excel ( 以 下 Excel)を 用 い て, 生 徒 が 分 析 や 判 断 が で き る よ う に する 図 2 は 各 ク ラ ス の 50m 走 の デ ー タ シ ー ト で, 学 級 全 員 の デ ー タ, 男 子 の デ ータ, 女 子 のデータの 3 種 類 に 分 け て ま と め て あ る 各 表 の 上 の ボ タ ン ( 図 21) を ク リ ッ ク す る と,タ イ ム の 速 い 順 に デ ー タ を 並 び か え る こ と が で き,ま た, 各 ク ラスの デ ー タ シ ー ト か ら 図 2 2 の セ ル に 100m 走 と 400m リ レ ー に 出 場 さ せ る 選 手 の 出 席 番 号 を 入 力 す る と, 図 3 の 判 断 シ ー ト に, 各 種 目 の 順 位 や 総 合 得 点, 総 合 順 位 が 自 動 で 計 算 す る よ う に 作 成 し た 1 1 1 2 2 図 2 各 ク ラ ス の デ ー タ シ ー ト 図 3 判 断 シ ー ト - 89 -

新 井 (2009)は コ ン ピ ュ ー タ な ど で 処 理 す る こ と で 時 間 と 労 力 を 軽 減 し, 本 来 大 切 にしたい 部 分 の 学 習 に 時 間 をかけること と 述 べており, 統 計 ソ フ ト や 表 計 算 ソ フ ト を 活 用 することで,す ば や く デ ー タ の 整 理 や 処 理 を 行 わせ, 分 析 や 考 察 を ま と め る こ とや, 学 び 合 い を 充 実 さ せ た い 4 学 び 合 いの 工 夫 松 江 修 治 (2011)は, 学 び 合 い の 工 夫 に つ い て, グ ル ー プ メ ン バ ー 全 員 に, 学 習 活 動 に 即 し た 役 割 を 割 り 振 る こ と や 学 習 集 団 と し て 一 体 感 が 持 て る よ う に 話 し 合 い の 場 づ く り の 必 要 性 を 述 べ て い る ま た, 嶋 崎 幸 治 (2001)は, 他 の 考 え 解 決 方 法 と 自 分 の 考 え 解 決 方 法 と を 比 較 し 振 り 返 る こ と で, よ り 良 い 見 方 や 考 え 方, 思 考 活 動 が 磨 か れ る と 述 べ て い る こ の こ と は, 学 び 合 い を 通 し て, 責 任 感 を 持 ち 主 体 的 に 学 ぶ こ と で, 比 較 分 析 し 考 察 す る 数 学 的 活 動 が 充 実 す る も の と 考 え る 本 研 究 に お い て は, コ ン ピ ュ ー タ の 操 作 ス キ ル を 考 慮 し, ペ ア や グ ル ー プ に 別 れ, そ れ ぞ れ に 役 割 を 分 担 す る まず, ペ ア で の 解 決 の 場 を 設 定 し, ワ ー ク シ ー ト に 分 析 し た 結 果 を も と に 考 察 を ま と め さ せ る 次 に,グ ル ー プ での 練 り 合 い の 場 を 設 定 し, 作 戦 シート 各 ペ ア の ワ ー ク シ ー ト を 持 ち 寄 り, 作 戦 ボ ー ド( 図 4 ) に 掲 示 し, 情 報 を 1 つ ま と め さ せ る そ れ を 囲 み な が ら グ ル ー プ で 話 し 合 い, 作 戦 シ ー ト ( 図 4 ) に グ ル ー プ の 考 え を, 根 拠 を 明 ら か に し な が ら ま と め さ せ る 最 後 に 全 体 の 比 較 検 討 の 場 を 設 定 し, 根 拠 図 4 作 戦 ボード を 明 ら か に し て 発 表 さ せ る こ と や, 根 拠 が 正 し い か ど う か を 判 断 さ せ な が ら 聞 か せ る こ と に 留 意 す る そ し て, 各 グ ル ー プ の 考 え を, 比 較 し な が ら よ り 良 い 統 計 的 な 見 方 や 考 え 方 を 育 み た い Ⅵ 授 業 実 践 ( 第 1 学 年 ) 1 単 元 名 7 章 資 料 の 散 らばりと 代 表 値 第 3 節 資 料 の 活 用 2 単 元 目 標 数 学 へ の 関 心 意 欲 態 度 数 学 的 な 見 方 や 考 え 方 数 学 的 な 技 能 知 識 理 解 3 指 導 と 評 価 計 画 ( 全 12 時 間 ) 資 料 の 傾 向 を と ら え 説 明 す る こ と に 関 心 を も ち, 問 題 の 解 決 に 生 か そ う と し て い る 資 料 の 傾 向 や 特 徴 を 読 み 取 り, 物 事 を 判 断 し た り, 根 拠 を 明 ら か に し て 説 明 し た り す る こ と が で き る 目 的 に 応 じ て 資 料 を 整 理 し た り, 資 料 の 分 布 の 状 態 に 応 じ て 適 切 な 代 表 値 を 求 め た り す る こ と が で き る 目 的 に 応 じ た 資 料 の 収 集 や 整 理, 資 料 の 傾 向 の 読 み 取 り 方 な ど の 必 要 性 と そ の 意 味 を 理 解 し て い る 時 間 学 習 目 標 評 価 規 準 1 導 入 準 備 テ ス ト 関 分 布 の 特 徴 を 調 べ よ う と し て い る 度 数 分 布 表 やヒストグラム 技 度 数 分 布 表 や ヒスト ク ラム, 度 数 折 れ 線 に 表 す こ と が で き る に 表 す こ と が で き る 2 考 資 料 を 度 数 分 布 表 や ヒ ス ト グ ラ ム に 表 し, 資 料 の 傾 向 を よ み と り, 説 資 料 の 傾 向 を 読 み 取 り, 説 明 す る こ と が で き る 明 す る こ と が で き る - 90 -

3 4 5 6 7 ( 8 本 時 9 ) 10 11 相 対 度 数 の 意 味 やその 必 要 知 相 対 度 数 の 意 味 と そ の 必 要 性 を 理 解 し て い る 性 を 理 解 で き る 範 囲 や 代 表 値 の 意 味 の 理 解 技 資 料 の 範 囲 や 代 表 値 ( 平 均 値, 中 央 値, 最 頻 値 )を 求 め る こ と が で き る 知 資 料 の 範 囲 や 代 表 値 ( 平 均 値, 中 央 値, 最 頻 値 ) の 意 味 と 必 要 性 を 理 解 し て い る 資 料 の 範 囲 や 代 表 値 から 資 理 資 料 の 目 的 と よ う す に 応 じ て, 代 表 値 を 選 択 し な け れ ば な ら な い こ と を 料 の 傾 向 を 読 み と り, 説 明 理 解 し て い る で き る 考 資 料 の 目 的 とようすに 応 じて, 代 表 値 を 選 択 し, 特 徴 をよみとることができる 度 数 分 布 表 か 平 均 値 を 求 め る こ と が で き る 目 的 に 応 じて 資 料 を 色 々な 観 点 か ら 整 理 し, そ れ に 基 づ い て, 自 分 の 考 え を ま と め 説 明 す る こ と が で き る 近 似 値 と 誤 差 の 意 味 を 理 解 す る 有 効 数 字 の 意 味 やその 表 し 方 や そ の 良 さ に つ い て 理 解 し, 表 す こ と が で き る 12 章 の ま と め 4 第 7 時 の 展 開 技 度 数 分 布 表 か ら 平 均 値 を 求 め る こ と が で き る 関 資 料 の 傾 向 を と ら え 説 明 す る こ と に 関 心 を も ち, 目 的 に 応 じ て 資 料 を 収 集 整 理 し, 問 題 を 解 決 し よ う と し て い る 考 問 題 を 解 決 す る た め に 資 料 を 収 集 し, ヒ ス ト グ ラ ム や 代 表 値 な ど を 適 切 に 用 い て, 資 料 の 傾 向 を 読 み 取 り, 判 断 し 説 明 す る こ と が で き る 知 近 似 値 や 誤 差 の 意 味 を 理 解 し て い る 技 近 似 値 を も と に し て, 真 の 値 の 範 囲 を 不 等 号 を 使 っ て 表 す こ と が で き る 技 誤 差 の 大 き さ を 求 め る こ と が で き る 知 有 効 数 字 の 意 味 や, ( 整 数 部 分 が 1 け た の 数 ) (10 の 累 乗 ) の 表 し 方 に つ い て 理 解 し て い る 技 近 似 値 を( 整 数 部 分 が 1 け た の 数 ) (10 の 累 乗 )の 表 し 方 で 表 す こ と が で き る (1) 目 標 各 ク ラ ス の デ ー タ か ら, 何 を 分 析 し た ら よ い の か 見 通 し を 持 ち, 計 画 を 立 (2) 展 開 1 学 習 課 題 の 把 握 て る こ と が で き る S 中 学 校 1 年 B 組 は 運 動 会 で 学 年 優 勝 す る! と い う 目 標 を 立 て ま し た 学 年 優 勝 す る た め に チ ー ム 編 成 に つ い て 話 し 合 い を 持 ち ま し た 運 動 会 の 種 目 に は 下 の よ う な 種 目 が あ り ま す 1 学 年 は 全 部 で 3 ク ラ ス で す 各 種 目 の 成 績 に よ り, 1 位 は 3 点, 2 位 は 2 点, 3 位 は 1 点 が 与 え ら れ, 種 目 の 合 計 得 点 の 高 い 方 が 学 年 優 勝 になります 種 目 (1 ) 男 子 100m 走 男 子 1 名 (2 ) 女 子 100m 走 女 子 1 名 (3 ) 男 子 400mリレー 男 子 4 名 (4 ) 女 子 400mリレー 女 子 4 名 (5)(1)~ (4)に で な い 生 徒 で 構 成 す る 学 級 対 抗 リ レ ー 得 点 1 位 3 点 2 位 2 点 3 位 1 点 各 学 級 には3クラスの 50m 走 の 個 人 記 録 が 与 え ら れ た こ の 記 録 デ ー タ を 利 用 し て, ベ ス ト な チ ー ム 編 成 をたてよう (ただし,1 人 1 種 目 だけの 出 場 と す る こ と ) 2 各 ク ラ ス の デ ー タ や 既 習 内 容 か ら, ど の よ う な こ と を 調 べ れ ば よ い の か 考 え る 3 グ ル ー プ の 意 見 を 発 表 し 交 流 し, よ り 良 い 分 析 の 仕 方 を 考 え 計 画 を 立 て る 5 第 8 時 の 展 開 (1) 目 標 資 料 の 特 徴 や 傾 向 を と ら え る こ と が で き, 自 分 な り に 説 明 で き る (2) 授 業 仮 説 1 自 力 解 決 す る 場 に お い て, 統 計 ソ フ ト stathist 等 を 活 用 し, 階 級 の 幅 や 最 初 の 階 級 の 値 に 視 点 を あ て, 整 理 さ せ る こ と で, 資 料 の 特 徴 や 傾 向 を と ら え る こ と が で き る で あ ろ う (3) 展 開 1 作 業 を 分 担 し, 傾 向 や 特 徴 を 読 み 取 る 6 第 9 時 の 展 開 ( 本 時 ) 2 グ ル ー プ に 戻 り 分 析 結 果 を 報 告 し,ベ ス ト な チ ー ム 編 成 の 作 戦 を 立 て る (1) 目 標 ベ ス ト な チ ー ム 編 成 を 考 え, 説 明 で き る (2) 授 業 仮 説 2 比 較 検 討 す る 場 に お い て,I C T を 利 用 し て, 資 料 や 分 析 し た 結 果 な ど を 根 拠 に 話 し 合 わ せ る こ と で, 統 計 的 な 見 方 や 考 え 方 が 育 ま れ る で あ ろ う - 91 -

(3) 展 開 学 習 活 動 指 導 上 の 留 意 点 ICT 活 用 評 価 項 目 ( 方 法 ) 導 入 5 分 1 前 時 の 振 り 返 り 3クラスの 分 析 結 果 を 振 りかえる 2 学 習 の 確 認 をする 正 解 が 必 ず あ る わ け で は な い 根 拠 を 示 して,チーム 編 成 が 行 なうことを 指 示 する ベストなチーム 編 成 を 考 え, 説 明 しよう パソコン Excel プロジェクタ 展 開 40 分 3 作 戦 1 前 時 の 作 戦 1シートから, 男 女 100 m, 男 女 400m リレーの 選 手 を 入 力 させる 4 ペア 解 決 チーム 編 成 に 取 り 組 む 5 どのようにチーム 編 成 したのかを 記 入 する 6 作 戦 2グループで 検 討 する グループで 意 見 を 出 し 合 い, 案 をしぼる 各 ク ラ ス の 出 場 選 手 を 入 力 させる チ ー ム も 再 編 成 も さ せ な が ら,ベストなチーム 編 成 を 考 えさせる 〇 ペ ア の 一 人 は 編 成 の 流 れ を 記 録 させる 〇 判 断 シートを 印 刷 させる 〇 ワ ー ク シ ー ト に 根 拠 を 明 ら かにしてかかせる 自 分 が 編 成 した 時 の, 分 析 し た 結 果 を 根 拠 として 説 明 す ることができるようにする [ 授 業 仮 説 2の 検 証 ] ICTを 利 用 して, 資 料 や 分 析 した 結 果 を 根 拠 に 話 し 合 う 場 面 〇 グループ 案 を 出 すとき, 何 を 根 拠 としているのかを 考 えさ せる C 努 力 を 要 す る 生 徒 へ の 手 立 て 何 を 根 拠 に 考 え た の か 発 表 さ せ る Excel パソコン Excel 判 断 シート データシート 見 方 や 考 え 方 B 根 拠 を 明 ら か に し て, 自 分 な り に 説 明 す る こ と が で き る A 他 の 考 え と 比 べ て よ り よ い 作 戦 を 考 え る こ と が で き る 7 グループで 発 表 自 分 た ち の グ ル ー プ と 比 較 し, 何 を 根 拠 としているのか またそれが 正 しいのかを 考 え ながら 発 表 を 聞 かせる Excel プロジェクタ 終 末 5 分 8 本 時 を 振 り 返 り, 自 己 評 価 をする 今 日 の 授 業 で 学 んだこと,た めになったことを 書 かせる プロジェクタ Ⅶ 結 果 と 考 察 1 作 業 仮 説 1 の 検 証 自 力 解 決 す る 場 に お い て, 統 計 ソ フ ト 等 を 用 い て 分 析 さ せ る こ と で, 数 理 的 に 考 察 す る 力 が 育 ま れ る で あ ろ う 学 習 課 題 を 運 動 会 で 学 年 優 勝 す る た め の ベ ス ト な チ ー ム を 編 成 し よ う と し, A B C の 3 ク ラ ス の デ ー タ を 比 較 分 析 し て 考 察 を ワ ー ク シ ー ト に ま と め,そ れ を 持 ち 寄 り グ ル ー プ で 話 し 合 い を して, チ ー ム 編 成 を 行 う と い う 活 動 に 取 り 組 ん だ 第 8 時 で, 生 徒 は stathist を 使 っ て 度 数 分 布 表 や ヒ ス ト グ ラ ム を 作 成 し た り( 図 5 ), デ ー タ シ ー ト (p 89 図 2)の 並 び か え 機 能 を 使 っ て, 速 い 順 に 並 べ か え た り し て 分 析 し ( 図 6 ), ワ ー ク シ ー ト に 根 拠 を 示 し な が ら, 考 察 し た こ と を 記 述 し ていた 第 9 時 に 判 断 シ ー ト (p 89 図 3)を 使 い, 実 際 に グ ル ー プ で 考 え た チ ー ム 編 成 を 入 力 さ せ,ベ ス ト な チ ー ム 編 成 が で き た か ど う か を 判 断 さ せ た ま た, 結 果 に 応 じ て 再 編 成 も 行 わ せ た - 92 -

結 果 (1) stathist の 活 用 図 5-1 と 図 5-2 は 度 数 分 布 表 を 用 い て 分 析 し た 生 徒 の 記 述 で あ る 図 5-1 は 階 級 の 幅 を 0.1 秒 に 下 げ て い く こ と で,C 組 の 最 小 値 ( 一 番 速 い 女 子 )が 学 年 で ト ッ プ だ と い う こ と を 分 析 す る こ と が で き た ま た 図 5-2 は, 度 数 分 布 表 の 階 級 の 幅 を 0.3 秒 に 設 定 し, 足 の 速 い 選 手 に 着 目 し て 400m リ レ ー で B 組 が 勝 て な い こ と を 分 析 す る こ と が で き た 度 数 分 布 表 の 階 級 の 幅 を 0.1 まで 下 げ て い っ て, 女 子 100m 走 で は,C 組 には 1 番 速 い 人 が い る の が 分 か っ た か ら 出 し た 女 子 の 足 の 速 い 生 徒 を 比 較 す る と, A 組 と C 組 は 8.3 秒 以 上 8.6 秒 未 満 が 多 い A 組 と C 組 は 100m 走 と 400 m リ レ ー に か け て き そ う だ. B 組 は 400m リ レ ー は 勝 て そ う も な い (2) Excel の 活 用 図 6は, デ ー タ シ ー ト の 並 べ 替 え 機 能 を 使 っ て, 分 析 し た 生 徒 の 記 述 で あ る 各 ク ラ ス の デ ー タ を 速 い 順 に 並 べ て 最 小 値 を 比 較 し, 100m 走 に 出 場 す る 選 手 を 決 め る こ と が で き た 図 5-1 図 7 は,グ ル ー プ で 話 し 合 っ て 作 成 し た 作 戦 シ ー ト であ る 相 手 の ク ラ ス の 傾 向 を 読 み 取 り( 図 71 ), 順 位 や そ の 得 点 に 着 目 し て,チ ー ム 編 成 を 考 え る こ と が で き た ( 図 7 2) 図 5-2 図 5 度 数 分 布 表 か ら の 読 み 取 り( 根 拠, 考 察 ) 男 子 100m 走 9 番 3 位 ね ら い 根 拠 1 B 組 で 1 番 速 い 人 で も,A と C ど ち ら も 負 け て し ま う, B 組 の 1 番 遅 い 人 を だ し て, 1 番 速 い 人 に は 他 の 種 目 に で て 得 点 を 取 る 女 子 100m 走 13 番 2 位 ね ら い 根 拠 1 A 組 も C 組 も 1 番 速 い 人 を だ し た と し て も,2 位 は 確 実 に と れ る か ら 男 子 100m 走 は 最 小 値 を 比 べ て 考 え た 学 級 で 男 子 の 中 で は 1 番 は 早 か っ た け ど, 学 年 で 比 べ る と 3 位 なの で 勝 て な い ので1 番 お そ い 人 を 選 ぶ こ と に し た 図 6 EXCEL か ら の 読 み 取 り ( 根 拠, 考 察 ) 男 子 400m リ レ ー 7,10,1,15 番 1 位 ね ら い 根 拠 男 子 100m 走 が 最 下 位 だ っ た ので 400m リ レ ー は 男 子 で 2 速 い4 人 を 選 んで1 位 を と り 3 点 取 る よ う に し た 図 7 作 戦 シ ー ト 女 子 400m リ レ ー 7,20,12,6 番 3 位 ね ら い 根 拠 100m 走 で 1 番 速 い 人 が 出 る の で, 2トップ2~5 の4 人 を 出 して も3 位 な の で, 遅 い 4 人 を 出 す - 93 -

(3) 事 後 ア ン ケ ー ト の 結 果 図 8 の 問 題 解 決 の 時, stathist は 役 に 立 っ た か という 問 い に,87% の 生 徒 が 役 に 立 っ た と 答 え た 理 由 と し て, 代 表 値 な ど も 正 確 に す ば や く だ し て く れ る し, 表 に も す ぐ で き た か ら 考 え る と き に や り や す か っ た と い う 意 見 が あ っ た また, 図 9 の Excel は 役 に 立 っ た か と い う 問 い に,84% の 生 徒 が 役 に 立 っ た と 答 え た 理 由 と し て, ボ タ ン の ク リ ッ ク で, 速 い 順 に 並 び か え る 手 間 が 省 けた 色 々 な パタ ー ン で 試 す こ と が stathistは 役 に 立 ったか ウ0% エ0% イ13% ア87% Excelは 役 に 立 ったか ウ3% エ0% イ13% ア84% で き, 最 適 な デ ー タ を 見 つ け る こ と が で き た と い う 意 見 が あ っ た 考 察 の 図 5 図 6 の 生 徒 の 記 述 や, 図 8 図 9 の ア ン ケ ー ト の 結 果 か ら も,stathist や Excel の デ ー タ シ ー ト や 判 断 シ ー ト を 活 用 し た こ と で, 様 々 な シ ミ ュ レ ー シ ョ ン が す ば や く で き, 資 料 か ら そ の 傾 向 を 読 み 取 り や す い 表 や グ ラ フ を 作 成 し, 分 析 や 考 察 をま と め る こ と が で き た と 考 える また, 図 7の チ ー ム 編 成 の 作 戦 シ ー ト の 記 述 か ら,stathist や Excel で 分 析 し た 資 料 を 関 連 づ け る こ と で, 統 計 的 推 測 に 基 づ い て 総 合 的 に 判 断 す る こ と が で き た と 考 え る こ の よ う な こ と か ら, 自 力 解 決 す る 場 に お い て, 統 計 ソ フ ト 等 を 用 い て 資 料 の 収 集 や 処 理 を す る こ と が で き, 資 料 の 傾 向 を と ら え, 数 理 的 に 考 察 す る 力 が 育 ま れ た と い え る 2 作 業 仮 説 2 の 検 証 ア 役 に 立 った イ どちらかというと 役 に 立 った ウ どちらかというと 役 に 立 たなかった エ 役 に 立 たなかった 図 8 事 後 ア ン ケ ー ト の 結 果 と 表 計 算 ソ フ ト に つ い て の 評 価 ア 役 に 立 った イどちらかというと 役 に 立 った ウどちらかというと 役 に 立 たなかった エ 役 に 立 たなかった 図 9 事 後 ア ン ケ ー ト の 結 果 比 較 検 討 す る 場 に お い て,I C T を 活 用 し て 表 現 し, 学 び 合 わ せ る こ と で, 数 学 的 な 見 方 や 考 え 方 が 育 ま れ る で あ ろ う 第 7 時 で 生 徒 は 50m 走 の 記 録 の デ ー タ を 使 っ て,ど の よ う な こ と が 知 り た い の か,ど の よ う に 調 べ た ら い い の か を グ ル ー プ で 話 し 合 っ た 各 グ ル ー プ で 計 画 分 担 す る こ と で 見 通 し を 持 っ て 活 動 す る こ と が で き た 話 し 合 い の 際 に は, 作 戦 ボ ー ド (p 90 図 4) を 活 用 し て, 分 析 し た 結 果 を 根 拠 に 話 し 合 わ せ, グ ル ー プ で チ ー ム 編 成 を 発 表 さ せ た 結 果 (1) グ ル ー プ で の 学 び 合 い 図 10 は, グ ル ー プ で の 練 り 合 い の 場 で, 作 戦 ボ ー ド を 使 っ て, 100m 走 の 選 手 を 決 め る 時 の 生 徒 の 会 話 で あ る 図 に も あ る よ う に, S1 の 調 子 が 良 か っ た ら と い う 曖 昧 な 根 拠 を, S2 が 最 小 値 の 生 徒 を ど の 種 目 に 入 れ る か と 根 拠 と な る デ ー タ を 示 し な が ら, 修 正 し て い く 姿 が 見 ら れ た - 94 -

授 業 後 の S1 の ワ ー ク シ ー ト か ら 色 々 な 作 戦 を 考 え て,み ん な そ れ ぞ れ 違 う 答 え が 出 て い て,な る ほ ど と 新 し い こ と も 発 見 で き た の で と て も 良 か っ た と い う 感 想 が あ っ た (2) 全 体 で の 学 び 合 い 図 11 の 全 体 の 比 較 検 討 の 場 で は, どの クラスも2 番 目 に 速 い 生 徒 が 学 級 リ レ ー に 出 る で あ ろ う と デ ー タ に 基 づ か な い 主 観 的 な 予 測 を し た グ ル ー プ に 対 し, 他 の グ ル ー プ か ら 2 番 目 に 速 い 生 徒 を 出 す と は 限 らない と い う 意 見 が あった 授 業 後 の 感 想 には, 思 い 込 み で 考 え て は い け な い と い う 意 見 が あ っ た ( 表 4 ) また, 全 ク ラ ス 同 率 1 位 と な る チ ー ム 編 成 を 発 表 したグ ル ー プ に, C 組 は 学 級 平 均 を 見 て, 絶 対 勝 て な い と 思 っ て い た け ど,デ ー タ を 見 て 判 断 すれば 勝 てるんだ と い う 意 見 が あ っ た 表 4にある 授 業 後 の ワ ー ク シ ー ト には, 高 校 に い っ て( 運 動 会 )で リ レ ー を す る と き に 使 っ て み た い デ ー タ で 相 手 を 予 想 す る の は, と て も 使 え る と 思 った 自 分 が 入 っ て い る 部 活 動 で も 使 い た い と, 日 常 生 活 に 活 か し た い と いう 感 想 が あ っ た S1 1 位 と の 差 は 0.2 秒 し か な い か ら, 調 子 が 良 か っ た ら 勝 て る ん じ ゃ ない? S1 な る ほ ど! 表 4 授 業 後 の ワ ー ク シ ー ト の 感 想 S2 調 子 が い い と か 悪 い と か ど う や っ て 説 明 す る の? もし 最 小 値 の 生 徒 を そ の ま ま 出 場 さ せ た と し た ら, 3 点 しか 取 れ な い よ そ れ よ り,100m 走 に 遅 い 人 を 出 場 さ せ て, 400 m リ レ ー に 最 小 値 の 生 徒 を 含 む 足 の 速 い ベ ス ト 4 の 生 徒 を 出 場 さ せ る こ と で 1 位 に な っ て, 合 計 で 4 点 と れ る よ 図 10 グ ル ー プ で の 話 し 合 い の 様 子 全 ク ラ ス の 男 女 で 2 位 の 生 徒 は 学 級 リ レ ー に で る で あ ろ う! そ う と は 限 ら い な い ん じ ゃ な い! 図 11 全 体 の 話 し 合 い の 様 子 〇 勘 で は な く, 客 観 的 に し な い と い け な い と わ か っ た 〇 思 い 込 み で 考 え て は い け な い こ と が 分 か り ま し た デ ー タ を 利 用 し て 考 え て 計 画 し て い き た い 〇 この 計 画 や 予 測 を た て る こ と で, 勝 つ た め の 方 法 が い ろ い ろ 分 か り ま し た 〇 パ ソ コ ン を 使 う と よ り ベ ス ト な 作 戦 を 立 て る こ と が で き た の で, と て も す ご い な と 思 い ま し た 〇 今 度 自 分 た ち も, 試 合 や 大 会 が あ る と き デ ー タ を 使 っ て み た い 〇 高 校 に い っ て ( 運 動 会 ) で リ レ ー を す る と き に 使 っ て み た い (3) 事 前 事 後 テ ス ト から 図 12 と 表 5は 事 前 事 後 に 行 っ た テ ス ト の 結 果 で あ る 事 前 テ ス ト は 生 徒 の 登 校 時 間 に よ る 人 数 の 傾 向 を 読 み 取 る 問 題, 事 後 テ ス ト は 1990 年 と 2007 年 の 特 殊 出 生 率 ( 一 人 の 女 性 が 一 生 の う ち に 産 む 子 供 の 数 )に よ る 都 道 府 県 数 の 傾 向 を 比 較 す る 問 題 で あ る 図 12 で 正 答 率 が 38% か ら 52%と 14 ポ イ ン ト 上 昇 し た ま た 無 回 答 率 が 31% 事 前 ア38% イ31% ウ31% 事 後 ア52% イ42% ウ6% 0% 25% 50% 75% 100% ア 正 答 率 イ 誤 答 率 ウ 無 回 答 率 図 12 事 前 事 後 テ ス ト の 結 果 ( 34 名 ) - 95 -

か ら 6 % と 25 ポ イ ン ト 減 少 し た また 表 5 の S3 の 解 答 記 述 を み る と, 事 前 テ ス ト に お い て, 人 数 の 差 が 大 き い と 数 値 の 比 較 で し か 考 察 で き て い な かっ た が, 事 後 テ ス ト で は 最 頻 値 に 目 を 向 け, ま た 分 布 の 山 の 位 置 に 着 目 し て 比 較 す る こ と が で き た 考 察 図 10 図 11 か ら, ペ ア や グ ル ー プ, 全 体 での 学 び 合 い で は,デ ー タ に 基 づ か な い 主 観 的 な 根 拠 を,デ ー タ を 示 し な が ら 修 正 し て いく 姿 や,デ ー タ か ら 客 観 的 に 考 え て い な い こ と を 指 摘 す る 姿 が 見 ら れ た こ と か ら, 資 料 から 総 合 的 客 観 的 に 考 え る 統 計 的 な 見 方 や 考 え 方 が 培 わ れ た と 考 え る また, 表 4か ら 課 題 解 決 の た め の 結 論 を 導 き, 意 志 決 定 行 動 決 定 す る よ さ を 知 り, 日 常 生 活 の 中 で 活 用 し た い と い う 意 欲 が 育 ま れ た こ と か ら, 合 理 的 に 考 え る 統 計 的 な 見 方 や 考 え 方 が 育 ま れ た と 考 え る そ し て, 図 12 表 5か ら, 単 元 を 通 し て,I C T を 活 用 し て 資 料 の 収 集 や 処 理 を す ば や く 行 い, 資 料 の 傾 向 を と ら え さ せ, 説 明 さ せ る 学 び 合 い を 工 夫 す る ことで, 根 拠 を 示 し な が ら 考 察 し 表 現 で き る よ う に な っ た と 考 え る 表 5 S3 の 事 前 事 後 テ ス ト の 解 答 事 例 事 前 15 分 ~20 分 の 人 数 の 差 が 大 きい 事 後 度 数 分 布 表 か ら 1990 年 1.6 人 ~ 1.7 人 の 県 が 多 い が,2007 年 は, 1.3 人 ~1.4 人 の 県 が 多 い こ と か ら,2007 年 は 1990 年 よ り 合 計 特 殊 出 生 率 が 低 い こ と が 分 か る 度 数 分 布 折 れ 線 か ら, 形 は 2007 年,1990 年 と も に 似 て い る だ が,1990 年 の 方 が 右 に 寄 っ て い て,2007 年 は 左 に 寄 っ て い る 左 側 が 少 な い と い う こ と だ か ら,2007 年 の 方 が 特 殊 出 生 率 は 低 い こ と が 分 か る こ の よ う な こ と か ら, 比 較 検 討 す る 場 に お い て, 判 断 シ ー ト 等 の I C T を 活 用 し, ペ ア や グ ル ー プ で 考 え を 表 現 さ せ, 学 び 合 わせる 数 学 的 活 動 を 工 夫 し た こ と で, 論 理 的 総 合 的 客 観 的 合 理 的 に 考 え 判 断 す る 統 計 的 な 見 方 や 考 え 方 が 培 わ れ た と 考 え る Ⅷ 成 果 と 課 題 1 成 果 (1) 自 力 解 決 す る 場 に お い て, 統 計 ソ フ ト や 表 計 算 ソ フ ト 等 を 用 い て 分 析 し 考 察 す る こ と で, 数 理 的 に 考 え る 統 計 的 な 見 方 や 考 え 方 が 育 ま れ た (2) 比 較 検 討 す る 場 に お い て, I C T を 活 用 し て 表 現 し, 学 び 合 わ せ る こ と で, 論 理 的 総 合 的 客 観 的 合 理 的 に 考 え 判 断 す る 統 計 的 な 見 方 や 考 え 方 が 培 わ れ, 数 学 的 な 見 方 や 考 え 方 が 育 ま れ た 2 課 題 (1) 他 教 科 領 域 と 連 携 し た I C T を 活 用 し た 指 導 の 充 実 (2) 言 語 活 動 の 充 実 の 視 点 に 立 っ た 記 述 や 発 表 の 指 導 の 工 夫 主 な 参 考 文 献 中 学 校 学 習 指 導 要 領 解 説 数 学 編 文 部 科 学 省 教 育 出 版 2008 中 学 校 数 学 科 新 領 域 資 料 の 活 用 の 授 業 プラン 新 井 仁 明 治 図 書 2009 進 む 情 報 化 新 しい 知 の 創 造 社 会 の 統 計 リテラシー 木 村 捨 雄 東 洋 館 出 版 社 2005 中 学 校 新 数 学 科 の 授 業 モ デ ル 長 崎 栄 三 五 十 嵐 一 博 編 著 明 治 図 書 2001 協 同 学 習 入 門 杉 江 修 治 ナカニシヤ 出 版 2011-96 -