インターネットにおける 簡 易 型 本 人 認 証 システム の 調 査 開 発 報 告 書 平 成 21 年 3 月 財 団 法 人 ニューメディア 開 発 協 会 この 事 業 は 競 輪 の 補 助 金 を 受 けて 実 施 したものです URL: http://ringring-keirin.jp/
序 わが 国 経 済 の 安 定 成 長 への 推 進 にあたり 情 報 機 械 産 業 をめぐる 経 済 的 社 会 的 諸 条 件 は 急 速 な 変 化 を 見 せており 社 会 生 活 における 環 境 都 市 防 災 住 宅 福 祉 教 育 等 直 面 する 問 題 の 解 決 を 図 るためには 技 術 開 発 力 の 強 化 に 加 えて 多 様 化 高 度 化 する 社 会 的 ニーズに 適 応 する 情 報 機 械 システムの 研 究 開 発 が 必 要 であります このような 社 会 情 勢 の 変 化 に 対 応 するため 財 団 法 人 ニューメディア 開 発 協 会 では 財 団 法 人 JKAから 自 転 車 等 機 械 工 業 振 興 事 業 に 関 する 補 助 金 の 交 付 を 受 けて ニューメディアを 開 発 普 及 する 補 助 事 業 を 実 施 しております 本 インターネットにおける 簡 易 型 本 人 認 証 システムの 調 査 開 発 は ニ ューメディア 情 報 システム 開 発 事 業 の 一 環 として 当 協 会 がイデアコラボレー ションズ 株 式 会 社 に 委 託 し 実 施 した 成 果 をまとめたもので 関 係 諸 分 野 の 皆 様 方 にお 役 に 立 てれば 幸 いであります 平 成 21 年 3 月 財 団 法 人 ニューメディア 開 発 協 会
目 次 1 調 査 開 発 の 概 要...1 1.1 調 査 開 発 の 目 的...1 1.2 調 査 開 発 の 内 容...1 2 既 存 の 認 証 方 法 および 認 証 技 術 の 調 査...3 2.1 既 存 の 認 証 システムの 認 証 方 法 および 認 証 技 術...3 2.1.1 既 存 の 認 証 方 法...6 2.1.2 既 存 の 認 証 技 術...8 2.2 既 存 の 認 証 システムの 考 察...11 2.2.1 有 効 性 および 信 頼 性...11 2.2.2 ユーザの 利 便 性...13 2.2.3 運 用 面 での 課 題...16 2.2.4 関 連 技 術...18 2.3 既 存 の 認 証 システムの 評 価...21 2.4 既 存 の 認 証 システムにおける 課 題...23 3 簡 易 型 本 人 認 証 システムの 実 現 モデルの 検 討...24 3.1 既 存 の 認 証 システムと 簡 易 型 本 人 認 証 システム...24 3.2 簡 易 型 本 人 認 証 システムの 実 現 モデルの 検 討...25 3.2.1 簡 易 型 本 人 認 証 システム...25 3.2.2 考 えられる 実 現 モデルの 例...26 3.3 簡 易 型 本 人 認 証 システムとしての 成 人 認 証 システム...28 3.3.1 さまざまな 認 証 のレベル...28 4 成 人 認 証 システムのデモシステムの 検 討...31 4.1 成 人 認 証 システムのデモシステムの 開 発...31 4.1.1 設 計 思 想...31 4.1.2 年 齢 認 証 の 考 え 方...32 4.1.3 トークンとしての 携 帯 電 話...33 4.1.4 基 本 設 計...33 4.1.5 携 帯 電 話 を 使 用 した 認 証 システム...39 4.1.6 要 約 図...40 4.2 成 人 認 証 システムのデモシステムの 検 証...41 5 関 連 する 既 存 特 許...42 6 まとめ...56 7 付 録...57 7.1 既 存 の 本 人 認 証 システム...58 7.2 キーワードで 検 索 した 既 存 特 許...59 i
1 調 査 開 発 の 概 要 1.1 調 査 開 発 の 目 的 本 調 査 開 発 は 行 政 機 関 や 各 民 間 企 業 によって 提 供 されている 本 人 認 証 システムの 課 題 整 理 や 各 方 式 の 比 較 分 析 を 通 じて 従 来 のような 厳 格 な 本 人 認 証 ではなく 年 齢 などサ ービスに 必 要 な 利 用 者 の 特 定 属 性 だけを 認 証 するような 簡 易 型 の 本 人 認 証 システムを 提 示 することを 目 的 とする 1.2 調 査 開 発 の 内 容 簡 易 型 本 人 認 証 システムとして 昨 今 のインターネット 環 境 においてこれまで 以 上 にそ の 必 要 性 が 指 摘 されている 成 人 認 証 に 焦 点 を 当 て 簡 易 型 本 人 認 証 システムの 実 現 モデル となり 得 る 新 しいシステムを 検 討 する 検 討 する 成 人 認 証 システムは 単 に 新 しいシステ ムであるだけでなく 既 存 の 本 人 認 証 システムが 抱 える 課 題 を 解 決 しながら 導 入 や 運 用 の 面 からも 普 及 を 阻 害 することのないような 仕 組 みに 基 いたものとする また これを 実 現 する 技 術 についても 可 能 な 限 りシンプルであり かつ 幅 広 い 応 用 性 を 持 つ 技 術 を 使 用 することを 目 指 す さらに これらの 調 査 研 究 結 果 から 構 成 される 成 人 認 証 システムの デモシステムを 開 発 し 運 用 時 における 課 題 等 を 整 理 する (1) 既 存 の 認 証 方 法 及 び 認 証 技 術 の 調 査 現 状 での 本 人 認 証 システムの 課 題 を 明 らかにするため インターネット 上 での 認 証 に 限 らず 本 人 認 証 システムとして 実 際 に 運 用 されているシステムや 技 術 について 広 く 調 査 を 行 い 既 存 のシステムとしてどのような 認 証 方 法 や 認 証 技 術 が 存 在 するかを 調 査 する また それらの 既 存 のシステムの 有 効 性 や 信 頼 性 ユーザの 利 便 性 運 用 面 での 課 題 関 連 技 術 などについても 考 察 を 加 える これらの 調 査 結 果 および 考 察 を 総 合 的 に 評 価 し 簡 易 型 本 人 認 証 システムを 開 発 するうえでの 課 題 等 を 整 理 する (2) 簡 易 型 本 人 認 証 システムの 実 現 モデルの 検 討 年 齢 に 関 する 属 性 のみを 認 証 する 成 人 認 証 システム に 焦 点 を 当 てることで 簡 易 型 本 人 認 証 システムの 実 現 モデルを 検 討 する 成 人 ではない 人 物 からのアクセスを 拒 否 することを 可 能 にする 成 人 認 証 システムとして なりすまし の 防 止 など 信 頼 性 の 維 持 を 実 現 しながら 導 入 や 保 守 などの 運 用 コストを 必 要 最 小 限 に 留 め 操 作 性 などのユーザの 利 便 性 も 損 なわない 新 しい 仕 組 みを 設 計 提 案 する この 仕 組 みにつ いては シンプルかつ 応 用 性 に 富 む 技 術 考 え 方 を 取 り 入 れることで 成 人 認 証 以 外 の 簡 易 型 本 人 認 証 システムへの 応 用 を 視 野 に 入 れたものとする 1
(3) 成 人 認 証 システムのデモシステムの 検 討 ユーザが 実 際 に 認 証 を 受 けて アクセス 制 限 された Web ページにアクセスする( 認 証 を 受 けていないユーザはアクセスできない) 成 人 認 証 システムのデモシステムを 開 発 し 実 装 面 での 検 証 を 行 う このデモシステムは 認 証 を 受 けようとするユーザに とって 操 作 が 容 易 でありながら 認 証 の 信 頼 性 が 損 なわれないようなものをイメージ して 開 発 する 2
2 既 存 の 認 証 方 法 および 認 証 技 術 の 調 査 この 章 では 現 状 での 本 人 認 証 システムの 課 題 を 明 らかにするため インターネット 上 で の 認 証 に 限 らず 本 人 認 証 システムとして 実 際 に 運 用 されているシステムや 技 術 について 広 く 調 査 を 行 い 既 存 のシステムとしてどのような 認 証 方 法 や 認 証 技 術 が 存 在 するかを 調 査 し た 結 果 を 示 す また それらの 既 存 のシステムの 有 効 性 や 信 頼 性 ユーザの 利 便 性 運 用 面 での 課 題 関 連 技 術 などについても 考 察 を 加 え これらの 調 査 結 果 および 考 察 を 総 合 的 に 評 価 し 簡 易 型 本 人 認 証 システムを 開 発 するうえでの 課 題 等 を 整 理 した 結 果 を 示 す 2.1 既 存 の 認 証 システムの 認 証 方 法 および 認 証 技 術 この 節 では 既 存 の 認 証 システムとしてどのような 認 証 方 法 や 認 証 技 術 が 存 在 するかを 調 査 した 結 果 を 示 した 具 体 的 には インターネット 上 での 認 証 に 限 らず 本 人 認 証 システムとして 実 際 に 運 用 されているシステムや 技 術 について 図 書 館 などで 使 用 されている 利 用 者 カード 磁 気 定 期 券 から 最 新 技 術 を 用 いた 入 退 室 管 理 システムまで 広 く 調 査 を 行 った 既 存 の 本 人 認 証 シ ステムの 認 証 方 法 や 認 証 技 術 の 特 徴 および 具 体 的 なサービス 例 についてまとめた 結 果 を 示 したものが 表 2.1-1 既 存 の 本 人 認 証 システムの 代 表 例 である 表 2.1-1 既 存 の 本 人 認 証 システムの 代 表 例 では 本 人 認 証 システムとして 実 際 に 運 用 されているシステムや 技 術 について それぞれ 認 証 のために 何 の 情 報 を 比 較 するか ( 認 証 属 性 ) 比 較 するために 登 録 する 情 報 をどのように 登 録 するか( 認 証 属 性 登 録 方 法 ) 登 録 した 情 報 をどこに 保 存 するか( 登 録 情 報 の 保 管 場 所 ) 属 性 情 報 をどうやっ て 取 り 出 すか( 認 証 属 性 の 取 得 方 法 ) について 調 査 した 結 果 を 示 した また それぞれ の 認 証 システムにおける 課 題 を 示 した 3
表 2.1-1 既 存 の 本 人 認 証 システムの 代 表 例 1 2 3 4 5 6 認 証 システムの 名 前 何 の 情 報 を 比 較 するか ( 認 証 属 性 ) 情 報 をどのように 登 録 するか ( 認 証 属 性 登 録 方 法 ) 登 録 情 報 をどこに 保 存 するか ( 登 録 情 報 の 保 管 場 所 ) 属 性 情 報 をどのように 取 り 出 す か( 認 証 属 性 の 取 得 方 法 ) 年 齢 制 限 のあるWebサイト なし なし なし なし(インターネット(ブラウザ)) Webメールなど 図 書 館 カード( 港 区 立 図 書 館 ) 磁 気 定 期 券 Suica PASMO 定 期 券 Tカード(TSUTAYA 等 ) (1)ID (2)パスワード カードに 搭 載 された 情 報 ( 所 有 していることをもって 本 人 とみ なす ) カードに 搭 載 された 情 報 ( 所 有 していることをもって 本 人 とみ なす ) カードに 搭 載 された 情 報 ( 所 有 していることをもって 本 人 とみ なす ) カードに 搭 載 された 情 報 ( 所 有 していることをもって 本 人 とみ なす ) インターネット(ブラウザ)で 登 録 す る 本 人 がその 場 で 登 録 する ( 証 明 書 などで 本 人 であることを 認 証 ) 本 人 がその 場 で 登 録 する ( 証 明 書 などで 本 人 であることを 認 証 ) 本 人 がその 場 で 登 録 する ( 証 明 書 などで 本 人 であることを 認 証 ) 本 人 がその 場 で 登 録 する ( 証 明 書 などで 本 人 であることを 認 証 ) 運 用 サーバ 運 用 サーバ (1)カードの 磁 気 部 分 および (2) 運 用 サーバ (1)カードに 搭 載 されたICチップ および (2) 運 用 サーバ (1)カードの 磁 気 部 分 および (2) 運 用 サーバ なし(インターネット(ブラウザ)) バーコードリーダ( 紙 カード) 磁 気 カードリーダ ICカードリーダ ICカードリーダ 日 本 国 パスポート 顔 ( 顔 写 真 ) 交 付 時 に 登 録 される (1)パスポートに 記 載 なし( 目 視 ) 運 転 免 許 証 顔 ( 顔 写 真 ) 交 付 時 に 登 録 される (1)カードに 記 載 なし( 目 視 ) 住 民 基 本 台 帳 カード クレジットカード(DCカード) ICチップ 付 きクレジットカード (DCカード) 生 体 認 証 ICキャッシュカード ( 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 ) 生 体 認 証 ICキャッシュカード ( 三 井 住 友 銀 行 ) 電 子 マネーカード(Edy) 電 子 マネー( 携 帯 電 話 ) Webマネー(インターネット 専 用 のプリペイド 型 電 子 マネー) (1)カードに 搭 載 された 情 報 (2)パスワード (3) 顔 ( 顔 写 真 入 りカードの 場 合 ) 署 名 ( 所 有 していることと 署 名 をもって 本 人 とみなす ) (1)ID( 数 字 16 桁 ) (2)パスワード( 数 字 4 桁 ) 手 のひら 静 脈 指 静 脈 カードに 搭 載 された 情 報 ( 所 有 していることをもって 本 人 とみ なす ) カードに 搭 載 された 情 報 ( 所 有 していることをもって 本 人 とみ なす ) (1)ID (2)パスワード BitCash(インターネット 専 用 のプ (1)ID リペイド 型 電 子 マネー) (2)パスワード 成 人 識 別 ICカード(TASPO) 出 入 国 管 理 システム( 米 国 ) US-Visit 入 退 室 管 理 システム(DNP) 通 常 の 使 用 については 所 有 してい ることをもって 本 人 とみなす 顔 写 真 は 付 いている (1)ビザに 記 録 されているデータ (2) 指 紋 ( 左 右 の 人 差 し 指 の 指 紋 ) および 顔 写 真 (1)ID (2) 顔 本 人 がその 場 で 登 録 する ( 証 明 書 などで 本 人 であることを 認 証 ) 本 人 がその 場 または 郵 送 などで 登 録 する ( 証 明 書 などで 本 人 である ことを 認 証 ) 本 人 がその 場 で 登 録 する ( 証 明 書 などで 本 人 であることを 認 証 ) 本 人 がその 場 で 登 録 する ( 証 明 書 などで 本 人 であることを 認 証 ) 本 人 がその 場 で 登 録 する ( 証 明 書 などで 本 人 であることを 認 証 ) 本 人 がその 場 または 郵 送 などで 登 録 する ( 証 明 書 などで 本 人 である ことを 認 証 ) 本 人 がその 場 で 登 録 する ( 証 明 書 などで 本 人 であることを 認 証 ) インターネット(ブラウザ)で 登 録 す る インターネット(ブラウザ)で 登 録 す る 本 人 がその 場 または 郵 送 などで 登 録 する ( 証 明 書 などで 本 人 である ことを 認 証 ) ビザ 取 得 時 に 登 録 される 本 人 がその 場 で 登 録 する ( 証 明 書 などで 本 人 であることを 認 証 ) (1)カードに 搭 載 されたICチップ および (2) 運 用 サーバ (1)カードの 磁 気 部 分 および (2) 運 用 サーバ (1)カードに 搭 載 されたICチップ および (2) 運 用 サーバ (1)カードに 搭 載 されたICチップ および (2) 運 用 サーバ (1)カードに 搭 載 されたICチップ および (2) 運 用 サーバ (1) 運 用 サーバ および (2)カードに 搭 載 されたICチップ (1) 運 用 サーバ および (2)カードに 搭 載 されたICチップ 運 用 サーバ 運 用 サーバ (1)カードに 搭 載 されたICチップ および (2) 運 用 サーバ (1)ビザに 搭 載 されたICチップ および (2) 運 用 サーバ 運 用 サーバ ICカードリーダ 磁 気 リーダ( 磁 気 カード) (1)ICカードリーダ (2)パスワード 入 力 装 置 (1)ICカードリーダ (2) 生 体 情 報 読 取 装 置 ( 静 脈 ) (1)ICカードリーダ (2) 生 体 情 報 読 取 装 置 ( 静 脈 ) ICカードリーダ ICカードリーダ なし(インターネット(ブラウザ)) なし(インターネット(ブラウザ)) ICカードリーダ ビザ 読 み 取 り 装 置 指 紋 スキャナ 撮 影 カメラ 顔 認 証 センサ 課 題 IDとパスワードを 使 用 するためセキュリ ティ 強 度 はやや 上 がるが それほど 高 く はない IDとパスワードを 使 用 するためセキュリ ティ 強 度 はやや 上 がるが それほど 高 く はない 所 持 者 = 所 有 者 としているため セキュリ ティ 強 度 が 低 い 所 持 者 = 所 有 者 としているため セキュ リティ 強 度 が 低 い 備 考 http://www.lib.city.minato.tokyo.jp/j/g uide2-1.html http://www.jreast.co.jp/suica/howtoget/commute 01.html http://www.pasmo.co.jp/procedure/index.html 所 持 者 = 所 有 者 としているため セキュ リティ 強 度 が 低 い https://tsite.jp/wentry/index.pl?_op=012 所 持 者 = 所 有 者 としているため セキュ リティ 強 度 が 低 い 現 在 は 顔 写 真 のみが 電 磁 的 記 録 されているが 将 顔 写 真 が 含 まれているため 目 視 による 来 的 には 生 体 認 証 ( 虹 彩 認 証 指 紋 認 証 顔 認 証 など)を 利 用 した 出 入 国 管 理 を 行 う 計 画 があり 認 証 が 可 能 であり セキュリティ 強 度 は 中 現 在 関 係 省 庁 において 実 験 (e-passport 連 携 実 程 度 証 実 験 ) 及 び 検 討 が 行 なわれている 顔 写 真 が 含 まれているため 目 視 による http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/menkyo/sub 認 証 が 可 能 であり セキュリティ 強 度 は 中 menu.htm 程 度 http://www.soumu.go.jp/cgyousei/daityo/juki_card.html 登 録 手 続 きが 面 倒 ほとんど 普 及 していない 所 持 者 = 所 有 者 としているため セキュ リティ 強 度 が 低 い パスワードを 使 用 するためセキュリティ 強 度 は 上 がるが パスワードが 漏 れる 可 能 性 がる カード 受 取 後 銀 行 窓 口 へ 行 き 生 体 認 証 情 報 を 登 録 (バイオ 認 証 付 加 の 場 合 ) カード 受 取 後 銀 行 窓 口 へ 行 き 生 体 認 証 情 報 を 登 録 (バイオ 認 証 付 加 の 場 合 ) http://www.bk.mufg.jp/kouza/card/visa/card_lineu p/request_other.html#mado http://www.bk.mufg.jp/kouza/card/visa/card_lineu p/request_other.html#mado http://www.edy.jp/howto/get/index.html 所 持 者 = 所 有 者 としているため セキュ リティ 強 度 が 低 い http://www.edy.jp/howto/get/index.html 所 持 者 = 所 有 者 としているため セキュ リティ 強 度 が 低 い IDとパスワードを 使 用 するためセキュリ http://www.webmoney.jp/guide/index.html ティ 強 度 はやや 上 がるが それほど 高 く はない IDとパスワードを 使 用 するためセキュリ http://www.bitcash.jp/ ティ 強 度 はやや 上 がるが それほど 高 く はない 顔 写 真 が 含 まれているため 目 視 による http://www.taspo.jp/ 認 証 が 可 能 であり セキュリティ 強 度 は 中 支 払 は 現 金 程 度 あるいは 電 子 マネー ビデル 運 用 コストが 膨 大 ただし セキュリティ 強 度 はかなり 高 い 顔 認 証 とIDを 使 用 するためセキュリティ 強 度 は 格 段 に 上 がるが 運 用 コストやレ スポンス 時 間 が 課 題 となる 4
表 2.1-1 既 存 の 本 人 認 証 システムの 代 表 例 に 示 した 認 証 システムは 用 途 や 特 徴 などから 6 つのグループにまとめることができる 1 つめのグループは 年 齢 制 限 のある Web サイト Web メール である これらの サービスでは サービスを 受 ける 際 に ID/PW を 使 用 した 本 人 認 証 を 行 うため 一 定 のセキ ュリティ 強 度 を 持 つが なりすまし などに 対 応 していないため セキュリティ 強 度 は 低 い 2 つめのグループは 図 書 館 カード ( 磁 気 ) 定 期 券 IC チップ 付 き 定 期 券 T カード を 使 用 した 認 証 システムである これらの 認 証 システムは ある 程 度 の 厳 密 な 本 人 確 認 を 行 ったうえで 本 人 情 報 の 登 録 および 認 証 カードの 発 行 が 行 われるが 認 証 カード を 使 用 した 認 証 を 受 ける 際 には 認 証 カードを 持 っていることをもって 本 人 であると 見 な す 運 用 が 行 われる そのため 本 人 認 証 の 信 頼 性 は 低 くなる 3 つめのグループは 日 本 国 パスポート 運 転 免 許 証 住 民 基 本 台 帳 カード を 使 用 した 認 証 システムである これらの 認 証 システムは 極 めて 厳 密 な 本 人 確 認 を 行 った うえで 本 人 情 報 の 登 録 および 発 行 が 行 われるため 原 則 として 本 人 以 外 が 認 証 カードを 持 つこと(あるいは 身 元 を 偽 った 情 報 によって 発 行 された 認 証 カードを 持 つこと)はない と 考 えられること および 認 証 カードに 添 付 された 写 真 により 使 用 者 本 人 であることを 目 視 で 確 認 することにより 本 人 認 証 の 信 頼 性 は 一 定 程 度 高 くなる 4 つめのグループは クレジットカード IC チップ 付 きクレジットカード IC チ ップ 付 き 生 体 認 証 キャッシュカード を 使 用 した 認 証 システムである これらの 認 証 シス テムは 一 定 の 厳 密 性 を 伴 った 本 人 確 認 を 行 ったうえで 本 人 情 報 の 登 録 および 認 証 カード の 発 行 が 行 われるが 認 証 カードを 使 用 した 認 証 を 受 ける 際 に IC カードに 登 録 された 情 報 と 認 証 を 受 ける 際 に 入 力 する 情 報 が 同 一 であることをもって 本 人 であると 見 なす そ のため 本 人 認 証 の 信 頼 性 は 一 定 程 度 高 くなる 特 に 生 体 認 証 を 使 用 した 認 証 システム では 本 人 以 外 が 本 人 に なりすます ことが 困 難 であるため その 信 頼 性 はより 高 いと 考 えられる 5 つめのグループは 電 子 マネーカード(Edy) 電 子 マネー( 携 帯 電 話 ) Web マ ネー BitCash は 電 子 マネーサービスを 提 供 するシステムである このうち 電 子 マネーカード(Edy) 電 子 マネー( 携 帯 電 話 ) は 電 子 マネーカードや 携 帯 電 話 を 持 っ ていることをもって 本 人 であると 見 なす 運 用 が 行 われるため 本 人 認 証 の 信 頼 性 は 低 い また Web マネー BitCash は ID/PW を 使 用 した 本 人 認 証 を 行 うため 電 子 マネー カード(Edy) 電 子 マネー( 携 帯 電 話 ) と 比 較 してセキュリティ 強 度 はやや 上 がるも のの 絶 対 的 な 強 度 を 持 つセキュリティ 強 度 とはならない 6 つめのグループは 成 人 識 別 IC カード(TASPO) 出 入 国 管 理 システム( 米 国 ) US-Visit 入 退 室 管 理 システム(DNP) である これらの 認 証 システムは それぞれの 目 的 に 応 じた 認 証 システムである 成 人 識 別 IC カード(TASPO) は 自 動 販 売 機 でた ばこを 購 入 する 際 に 本 人 が 成 人 であることを 証 明 するカードであり 成 人 認 証 のみを 行 う 5
システムである 出 入 国 管 理 システム( 米 国 )US-Visit は 米 国 に 入 国 または 米 国 から 出 国 する 際 に 発 行 されたビザにあらかじめ 登 録 された 指 紋 データと 本 人 から 採 取 した 指 紋 を 用 いて 認 証 を 行 う セキュリティ 強 度 は 極 めて 高 いが 運 用 コストは 膨 大 になる 2.1.1 既 存 の 認 証 方 法 この 項 では 2.1 既 存 の 認 証 システムの 認 証 方 法 および 認 証 技 術 で 調 査 した 結 果 をもとに 認 証 方 法 の 特 徴 に 従 って 既 存 の 認 証 システムにおける 認 証 方 法 を 以 下 の 3 つに 整 理 した 1) 自 己 申 告 制 の 認 証 2) 物 理 的 な 手 段 を 使 用 しない 認 証 3) 物 理 的 な 手 段 を 使 用 する 認 証 3 つに 整 理 した 認 証 方 法 の 特 徴 とサービス 例 を 表 2.1.1-1 既 存 の 認 証 システムの 特 徴 に 示 した 表 2.1.1-1 既 存 の 認 証 システムの 特 徴 (1) 自 己 申 告 制 の 認 証 ア) 特 徴 登 録 不 要 Yes/No 方 式 ( 例 : 18 歳 以 上 ですか? ) (2) 物 理 的 な 手 段 を 使 用 しない 認 証 事 前 にサーバへ ID/PW 等 の 情 報 登 録 が 必 要 (3) 物 理 的 な 手 段 を 使 用 する 認 証 物 理 デバイスが 必 要 事 前 にサーバや 物 理 デバイスへの 情 報 登 録 が 必 要 イ)サービス 例 一 部 の Web サイト Web メール 会 員 制 Web サイト アクセス 制 御 交 通 系 サービス 金 融 系 サービス( 物 理 デバイスは 磁 気 カ ード/IC カード/IC チ ップ 付 携 帯 電 話 等 ) 6
3 つに 整 理 した 認 証 方 式 の 特 徴 およびサービス 例 の 詳 細 は 以 下 のとおりである (1) 自 己 申 告 制 の 認 証 自 己 申 告 制 の 認 証 とは 成 人 向 けのコンテンツなどを 含 む Web サイトにアクセス しようとするときに 所 定 の 年 齢 以 上 であるかの 問 いかけに Yes/No で 答 えるこ とでアクセスが 可 能 となるような 認 証 方 法 である ア) 特 徴 自 己 申 告 された 情 報 が 正 しいものであるかどうかの 確 認 は 行 わないため 虚 偽 の 申 告 も 可 能 であり 信 頼 性 はほとんどない サービス 提 供 側 にとっては ( 自 己 申 告 制 ではあるものの)ユーザの 確 認 を 実 施 したということになるために 用 いられ ることが 多 い イ)サービス 例 自 己 申 告 制 の 認 証 を 使 用 するサービスの 例 としては 成 人 向 けのコンテンツを 含 む 一 部 の Web サイトなどが 挙 げられる (2) 物 理 的 な 手 段 を 使 用 しない 認 証 物 理 的 な 手 段 を 使 用 しない 認 証 とは サービス 利 用 者 があらかじめ 自 分 の 情 報 を 登 録 して 自 分 専 用 の ID と PW(パスワード)の 発 行 を 受 け サービス 利 用 時 に ID と PW(パスワード)を 入 力 させ 登 録 されている 情 報 と 同 一 であるかを 照 合 し 同 一 であればサービス 利 用 者 であることを 認 証 する 認 証 方 法 である ア) 特 徴 上 記 (1) 自 己 申 告 制 の 認 証 に 比 べ セキュリティの 強 度 は 高 くなる ただ し ID と PW さえ 同 一 であれば 本 人 であると 判 断 されるため 本 人 であることの 認 証 の 度 合 はそれほど 強 いものではない つまり 他 人 であっても ID と PW を 入 手 できれば いわゆる なりすまし が 可 能 であり なりすまし を 意 図 しない 場 合 でもランダムに 入 力 した ID と PW が 偶 然 一 致 すれば 本 人 と 認 証 とされてしま う このため ID/PW の 厳 重 な 管 理 が 必 要 である また ID/PW の 設 定 には 一 定 の 強 度 が 必 要 となる イ)サービス 例 物 理 的 な 手 段 を 使 用 しない 認 証 を 使 用 するサービスの 例 としては 一 般 的 に Web メールと 呼 ばれる 電 子 メールサービスや 会 員 制 の Web サイトなどが 挙 げられ る 7
(3) 物 理 的 な 手 段 を 使 用 する 認 証 物 理 的 な 手 段 を 使 用 する 認 証 とは デバイス 内 に 格 納 された 情 報 とアクセスを 要 求 するユーザの 情 報 が 同 一 であるかを 照 合 し 同 一 であればサービス 利 用 者 である ことを 認 証 する 認 証 方 法 であり 大 きく 2 つの 認 証 方 法 が 存 在 する 一 つは デバ イス 内 に 格 納 された 情 報 と あらかじめサーバに 登 録 してある 情 報 との 照 合 を 行 う 方 法 である もう 一 つは デバイス 内 に 格 納 された 情 報 と ユーザの 入 力 した 情 報 との 照 合 を 行 う 方 法 である いずれの 方 法 でもカード 等 の 物 理 デバイスおよび 読 み 取 りデバイスが 必 要 となる ア) 特 徴 物 理 的 な 手 段 を 使 用 する 認 証 では 上 記 (2) 物 理 的 な 手 段 を 使 用 しない 認 証 に 比 べセキュリティ 強 度 はさらに 高 くなる ただし デバイス 内 に 格 納 された 情 報 と あらかじめサーバに 登 録 してある 情 報 との 照 合 を 行 う 方 法 では デバイス 内 に 格 納 された 情 報 の 持 ち 主 と デバイス の 持 ち 主 が 同 一 であることを 検 証 しないため セキュリティ 強 度 はその 分 低 くな る つまり 本 来 の 持 ち 主 ではない 人 物 がそのデバイスを( 不 正 に) 取 得 した 場 合 など なりすまし が 可 能 となる 可 能 性 がある 一 方 物 理 デバイスに 加 えて 他 の 入 力 (たとえば ID/PW 等 )も 必 要 な 認 証 方 式 であればセキュリティ 強 度 は 高 くなる イ)サービス 例 物 理 的 な 手 段 を 使 用 する 認 証 を 使 用 するサービスの 例 としては 図 書 館 利 用 者 カードや IC チップ 付 き 銀 行 キャッシュカードが 挙 げられる また 物 理 的 な 手 段 を 使 用 した 認 証 サービスのうち ハードウェアトークンを 使 用 したサービスの 例 として 住 民 基 本 台 帳 カードなどの IC カードや IC チップ 付 携 帯 電 話 が 挙 げられ る 2.1.2 既 存 の 認 証 技 術 この 項 では 2.1 既 存 の 認 証 システムの 認 証 方 法 および 認 証 技 術 で 調 査 した 結 果 をもとに 認 証 技 術 の 特 徴 に 従 って 既 存 の 認 証 システムにおける 主 な 認 証 技 術 を 以 下 の 3 つに 整 理 した 1)ID/PW 認 証 2)カード 認 証 3) 生 体 認 証 8
整 理 した 認 証 技 術 の 特 徴 とサービス 例 を 表 2.1.2-1 既 存 の 認 証 技 術 の 特 徴 に 示 した 表 2.1.2-1 既 存 の 認 証 技 術 の 特 徴 (1)ID/PW 認 証 (2)カード 認 証 (3) 生 体 認 証 ア) 特 徴 事 前 にサーバへ ID/PW 等 の 情 報 登 録 が 必 要 事 前 にカードの 発 行 が 必 要 認 証 時 にカードの 所 持 が 必 要 物 理 デバイスが 必 要 事 前 にサーバや 物 理 デバイスへの 生 体 情 報 登 録 が 必 要 イ)サービス 例 一 部 の Web サイト 銀 行 などの ATM クレジットカード TASPO アクセス 制 御 金 融 系 サービス(/IC カード 等 ) 3 つに 整 理 した 認 証 技 術 の 特 徴 およびサービス 例 は 以 下 のとおりである (1)ID/PW 認 証 ID/PW 認 証 とは サービス 利 用 者 があらかじめ 自 分 の 情 報 を 登 録 し 自 分 専 用 の ID と PW(パスワード)の 発 行 を 受 け サービス 利 用 時 に ID と PW(パスワード) を 入 力 させ 登 録 されている 情 報 と 同 一 であるかを 照 合 し 同 一 であればサービス 利 用 者 であることを 認 証 する 認 証 技 術 である ア) 特 徴 ID と PW さえ 同 一 であれば 本 人 であると 判 断 されるため 本 人 であることの 認 証 の 度 合 はそれほど 強 いものではない つまり 他 人 であっても ID と PW を 入 手 できれば いわゆる なりすまし が 可 能 であり なりすまし を 意 図 しない 場 合 でもランダムに 入 力 した ID と PW が 偶 然 一 致 すれば 本 人 と 認 証 とされてしまう このため ID/PW の 厳 重 な 管 理 が 必 要 である また ID/PW の 設 定 には 一 定 の 強 度 が 必 要 となる イ)サービス 例 自 己 申 告 制 の 認 証 を 使 用 するサービスの 例 としては 一 般 的 に Web メールと 呼 ばれる 電 子 メールサービスや 会 員 制 の Web サイトなどが 挙 げられる (2)カード 認 証 カード 認 証 とは カードの 所 有 者 (カードホルダー)をサービス 利 用 者 とみなす 9
認 証 技 術 である ア) 特 徴 カードの 種 類 は 紙 カードや 磁 気 カード IC カード 等 がある サービスを 利 用 しようとする 者 が そのサービスに 必 要 なカードの 本 来 の 所 有 者 であることを 確 認 するために 各 々 次 のような 認 証 手 段 をもつ イ)サービス 例 - 紙 カード: 写 真 付 の 場 合 は 応 対 者 による 目 視 確 認 が 可 能 である - 磁 気 カード: 入 力 された 暗 証 番 号 の 照 合 による 確 認 が 可 能 である - IC カード: 入 力 された PIN 番 号 の 照 合 による 確 認 が 可 能 である (3) 生 体 認 証 生 体 認 証 とは サービス 利 用 者 の 身 体 の 特 定 部 位 の 情 報 を あらかじめ 登 録 して いる 情 報 と 照 合 し その 近 似 度 により サービス 利 用 者 であることを 認 証 する 認 証 技 術 である ア) 特 徴 比 較 的 多 く 用 いられている 技 術 は 指 紋 照 合 静 脈 照 合 顔 照 合 である また そのほかに 虹 彩 照 合 音 声 照 合 等 も 製 品 化 されてきている 生 体 認 証 の 場 合 は 生 体 認 証 のみで 認 証 を 完 結 させるのではなく 暗 証 番 号 入 力 等 の 他 の 認 証 と 組 み 合 わせて 用 いられる 場 合 が 多 い イ)サービス 例 - 指 紋 照 合 :PC のログオンや 入 退 室 の 認 証 金 融 系 ATM の 認 証 等 種 々の 分 野 で 用 いられている - 静 脈 照 合 : 主 に 金 融 系 ATM の 認 証 で 採 用 されており 指 静 脈 や 手 のひら 静 脈 による 認 証 技 術 がある - 顔 照 合 : 主 に 入 退 室 の 認 証 に 用 いられる - 虹 彩 照 合 : 主 に 入 退 室 の 認 証 に 用 いられる - 音 声 照 合 : 主 に 入 退 室 の 認 証 に 用 いられる 10
2.2 既 存 の 認 証 システムの 考 察 この 節 では 2.1 既 存 の 認 証 システムの 認 証 方 法 および 認 証 技 術 で 調 査 した 結 果 を もとに 既 存 の 認 証 システムの 以 下 の 点 に 対 して 考 察 を 加 える 1) 有 効 性 および 信 頼 性 2)ユーザの 利 便 性 3) 運 用 面 での 課 題 4) 関 連 技 術 2.2.1 有 効 性 および 信 頼 性 2.1 既 存 の 認 証 システムの 認 証 方 法 および 認 証 技 術 で 調 査 した 既 存 の 認 証 シス テムの 有 効 性 および 信 頼 性 について 考 察 を 加 える 認 証 システムの 有 効 性 および 信 頼 性 とは 認 証 時 における 本 人 確 認 の 精 度 ( 本 人 確 認 レベル)がより 高 いことであると 考 えることができる 表 2.2.1-1 認 証 の 有 効 性 および 信 頼 性 は 2.1.1 既 存 の 認 証 方 法 で 整 理 した 3 つの 認 証 方 法 毎 に それぞ れの 有 効 性 および 信 頼 性 を 示 したものである 表 2.2.1-1 認 証 の 有 効 性 および 信 頼 性 ア) 自 己 申 告 制 の イ) 物 理 的 な 手 段 を ウ) 物 理 的 な 手 段 を 認 証 使 用 しない 認 証 中 程 度 (ID/PW を 不 正 取 得 され 悪 用 される 可 能 性 あり) 使 用 する 認 証 高 い( 物 理 デバイスお よび 認 証 情 報 が 必 要 ) 有 効 性 および 低 い( 虚 偽 申 請 の 回 避 困 難 ) 信 頼 性 3 つの 認 証 方 法 毎 の 有 効 性 および 信 頼 性 について 考 察 した 結 果 の 詳 細 は 以 下 のとお りである ア) 自 己 申 告 制 の 認 証 自 己 申 告 制 の 認 証 における 認 証 では 自 己 申 告 された 情 報 が 正 しいものである かどうかの 確 認 は 行 わないため 虚 偽 の 申 告 も 可 能 であり 有 効 性 および 信 頼 性 は ほとんどないと 考 えられる 11
イ) 物 理 的 な 手 段 を 使 用 しない 認 証 物 理 的 な 手 段 を 使 用 しない 認 証 を 行 うサービスにおいては 事 前 に 情 報 を 登 録 した 利 用 者 本 人 しか 知 りえない 情 報 によって 本 人 である 照 合 を 行 うため 上 記 ア) 自 己 申 告 制 の 認 証 に 比 べ 有 効 性 および 信 頼 性 は 高 くなる ただし ID と PW さえ 同 一 であれば 本 人 であると 判 断 されるため 本 人 であることの 認 証 の 度 合 はそれほど 強 いものではない つまり 他 人 であっても ID と PW を 入 手 でき れば いわゆる なりすまし が 可 能 であり なりすまし を 意 図 しない 場 合 で もランダムに 入 力 した ID と PW が 偶 然 一 致 すれば 本 人 と 認 証 とされてしまう 可 能 性 がある ウ) 物 理 的 な 手 段 を 使 用 する 認 証 物 理 的 な 手 段 を 使 用 する 認 証 では 上 記 イ) 物 理 的 な 手 段 を 使 用 しない 認 証 に 比 べ 有 効 性 および 信 頼 性 はより 高 くなる ただし デバイス 内 に 格 納 された 情 報 と あらかじめサーバに 登 録 してある 情 報 との 照 合 を 行 う 方 法 では デバイス 内 に 格 納 された 情 報 の 持 ち 主 と デバイス の 持 ち 主 が 同 一 であることを 検 証 しないため 有 効 性 および 信 頼 性 はその 分 低 く なる つまり 本 来 の 持 ち 主 ではない 人 物 がそのデバイスを( 不 正 に) 取 得 した 場 合 など なりすまし が 可 能 となる 可 能 性 がある 一 方 物 理 デバイスに 加 えて 他 の 入 力 たとえば ID/PW 等 も 必 要 な 認 証 方 式 で あれば 有 効 性 および 信 頼 性 は 高 くなる また 物 理 的 な 手 段 を 使 用 する 認 証 では デバイス 内 に 格 納 された 情 報 と あらかじめサーバに 登 録 してある 情 報 との 照 合 を 行 う 方 法 では デバイス 内 に 格 納 された 情 報 の 持 ち 主 と デバイスの 持 ち 主 が 同 一 であることは 認 証 の 際 には 検 証 されない そのため 本 来 認 証 されてはいけない 人 を 認 証 してしまう 可 能 性 は 中 程 度 と 考 えられるが 物 理 デバイスに 加 えて 他 の 入 力 (たとえば ID/PW 等 )も 必 要 な 認 証 方 式 では 物 理 デバイスを 所 持 し かつ 認 証 情 報 が 合 致 する 必 要 があるため 本 来 認 証 されてはいけない 人 を 認 証 してしまう 可 能 性 は 格 段 に 低 くなると 考 えられ る また 物 理 的 な 手 段 を 使 用 する 認 証 には 使 用 者 自 身 を 認 証 することとは 別 に 不 正 な 機 器 を 使 用 したアクセスを 制 限 するために 使 用 されているハードウェア を 保 証 する 認 証 ( 端 末 認 証 など)がある 12
2.2.2 ユーザの 利 便 性 認 証 システムがユーザにとって 便 利 なものであるためには ユーザが 認 証 を 受 けたい ときに 認 証 を 受 けることができるシステムである 必 要 がある 一 方 で 認 証 を 伴 うサー ビスの 提 供 を 受 けるためには ユーザは ユーザの 情 報 を 登 録 する 登 録 手 続 き と ユーザがサービスを 要 求 する 際 に 行 う 認 証 手 続 き を 行 う 必 要 がある 登 録 手 続 き は 原 則 としてサービス 利 用 開 始 前 に 行 っておく 必 要 がある 手 続 きであり 通 常 は 1 回 のみ 行 う 認 証 手 続 き は 登 録 手 続 きの 完 了 後 ( 登 録 手 続 き 不 要 のサービスもあ る) サービス 利 用 のたびに 認 証 を 受 ける 手 続 きである 以 下 では ユーザの 利 便 性 として 登 録 手 続 き と 認 証 手 続 き の 2 つの 観 点 か らそれぞれについて 考 察 する (1) 登 録 手 続 き ここでは 2.1 既 存 の 認 証 システムの 認 証 方 法 および 認 証 技 術 で 調 査 した 既 存 の 認 証 システムの 登 録 手 続 き について 考 察 を 加 える 表 2.2.1-1 登 録 手 続 き は 2.1.1 既 存 の 認 証 方 法 で 整 理 した 3 つの 認 証 方 法 毎 に それぞれの 登 録 手 続 きを 示 したものである 表 2.2.2-1 登 録 手 続 き ア) 自 己 申 告 制 の 認 証 基 本 的 に 事 前 登 録 は 不 要 イ) 物 理 的 な 手 段 を 使 用 しない 認 証 ID/PW 等 を 事 前 にサ ーバへ 登 録 ウ) 物 理 的 な 手 段 を 使 用 する 認 証 所 定 の 情 報 を 事 前 に 物 理 デバイスやサーバ へ 登 録 登 録 手 続 き 3 つの 認 証 方 法 毎 の 登 録 手 続 について 考 察 した 結 果 の 詳 細 は 以 下 のとおりであ る ア) 自 己 申 告 制 の 認 証 自 己 申 告 制 の 認 証 を 行 うサービスにおいては ユーザがサービス 要 求 時 に 自 己 申 告 する 情 報 に 基 づいて 認 証 を 行 うため 事 前 にユーザの 情 報 を 登 録 する 必 要 は ない イ) 物 理 的 な 手 段 を 使 用 しない 認 証 物 理 的 な 手 段 を 使 用 しない 認 証 を 行 うサービスにおいては 事 前 に ID/PW をサ ーバに 登 録 しておく 必 要 がある Web メールや 会 員 制 の Web サイト 等 がその 例 で 13
ある ウ) 物 理 的 な 手 段 を 使 用 する 認 証 物 理 的 な 手 段 を 使 用 する 認 証 を 行 うサービスでは 所 定 の 情 報 を 事 前 に 物 理 デ バイスやサーバに 登 録 しておく 必 要 がある 物 理 的 な 手 段 を 使 用 する 認 証 を 行 う 代 表 的 なサービスについて 登 録 をする 場 合 の 認 証 用 証 明 書 の 例 登 録 場 所 登 録 に 必 要 な 書 類 等 登 録 方 法 を 表 2.2.2-2 認 証 証 明 書 の 登 録 例 に 示 した 表 2.2.2-2 認 証 証 明 書 の 登 録 例 認 証 用 証 明 書 登 録 区 分 証 明 書 名 登 録 場 所 登 録 に 必 要 な 物 登 録 方 法 行 政 図 書 館 カード( 港 区 立 図 書 館 ) 図 書 館 窓 口 住 所 確 認 のできるもの( 健 康 保 険 証 等 ) 図 書 館 窓 口 へ 提 出 住 民 基 本 台 帳 カード 資 格 証 明 運 転 免 許 証 ( 更 新 ) 役 所 窓 口 電 信 携 帯 電 話 (ドコモ 新 規 契 約 ) 販 売 店 交 通 Suica 定 期 券 運 転 免 許 試 験 場 運 転 免 許 更 新 センター 指 定 警 察 署 みどりの 窓 口 ネットワーク( 申 込 ) 本 人 確 認 書 類 ( 運 転 免 許 証 等 ) 写 真 ( 写 真 付 きカードの 場 合 ) 免 許 証 更 新 連 絡 ハガキ(なくとも 手 続 きは 可 能 ) 役 所 窓 口 へ 提 出 登 録 場 所 へ 手 数 料 とと もに 提 出 本 人 確 認 書 類 (パスポート 住 民 基 本 台 帳 カード 等 )および 金 融 機 関 届 出 印 と 口 座 番 号 がわかる 販 売 店 へ 提 出 もの 申 込 書 提 出 通 学 証 明 書 ( 通 学 定 期 の 場 合 ) ネットワーク 申 込 PASMO 定 期 券 駅 窓 口 通 学 証 明 書 ( 通 学 定 期 の 場 合 ) 駅 窓 口 へ 申 込 書 提 出 金 融 銀 行 カード(MUFGカード) 銀 行 カード(SMBCカード) 銀 行 窓 口 郵 送 銀 行 窓 口 郵 送 届 出 印 および 本 人 確 認 書 類 ( 運 転 免 許 証 等 ) 届 出 印 および 本 人 確 認 書 類 ( 運 転 免 許 証 等 ) 銀 行 窓 口 へ 提 出 郵 送 銀 行 窓 口 へ 提 出 郵 送 Edy 登 録 不 要 (カード 購 入 ) - カード 購 入 電 子 マネー Webマネー(インターネット 専 用 のプリペイド 型 電 子 マネー) コンビニやネットで WebMoneyを 購 入 不 要 - BitCash(インターネット 専 用 のプ リペイド 型 電 子 マネー) コンビニやネットで BitCashを 購 入 不 要 - ポイント Tカード(TSUTAYA 等 ) 登 録 申 請 書 物 品 購 入 TASPO 郵 送 中 学 生 は 保 護 者 の 同 意 書 が 必 要 な 場 合 あり 小 学 生 は 必 ず 保 護 者 の 同 意 書 が 必 要 本 人 確 認 書 類 ( 運 転 免 許 証 等 )および 顔 写 真 登 録 申 請 書 提 出 郵 送 表 2.2.2-2 認 証 証 明 書 の 登 録 例 では 認 証 証 明 書 の 登 録 例 として それぞ れ 登 録 を 行 う 場 所 ( 登 録 場 所 ) 登 録 に 必 要 なもの 登 録 方 法 に 示 した 表 2.2.2-2 認 証 証 明 書 の 登 録 例 から 物 理 的 な 手 段 を 使 用 する 認 証 はさま ざまである これは 登 録 に 必 要 となる 物 や 登 録 方 法 は その 用 途 やサービスの 内 容 に 応 じてさまざまな 形 態 を 取 るためであると 考 えられる 14
(2) 認 証 手 続 き ここでは 2.1 既 存 の 認 証 システムの 認 証 方 法 および 認 証 技 術 で 調 査 した 既 存 の 認 証 システムの 登 録 手 続 き について 考 察 を 加 える 表 2.2.2-3 認 証 手 続 き は 2.1.1 既 存 の 認 証 方 法 で 整 理 した 3 つの 認 証 方 法 毎 に それぞれの 認 証 手 続 きについて 示 したものである 表 2.2.2.-3 認 証 手 続 き ア) 自 己 申 告 制 の イ) 物 理 的 な 手 段 を ウ) 物 理 的 な 手 段 を 認 証 使 用 しない 認 証 ID/PW 等 のキー 入 力 (サーバ 内 の 情 報 と 照 合 ) 使 用 する 認 証 物 理 デバイス 内 情 報 の 読 取 り キー 入 力 や 生 体 情 報 読 取 り( 入 力 情 報 と 物 理 デバイス 内 やサーバ 内 の 情 報 と 照 合 ) 認 証 手 続 き 質 問 に Yes/No で 回 答 ( 虚 偽 の 回 答 の 回 避 困 難 ) 3 つの 認 証 方 法 毎 の 認 証 手 続 きについて 考 察 した 結 果 の 詳 細 は 以 下 のとおりで ある ア) 自 己 申 告 制 の 認 証 自 己 申 告 制 の 認 証 を 行 うサービスにおいては 基 本 的 に 質 問 に 対 して 単 純 に Yes/No 等 で 答 えることで 認 証 を 受 ける 所 定 の 年 齢 以 上 であるかの 問 いかけに Yes/No で 答 えることでアクセスが 可 能 となるような 一 部 の Web サイト 等 が 挙 げられる イ) 物 理 的 な 手 段 を 使 用 しない 認 証 物 理 的 な 手 段 を 使 用 しない 認 証 を 行 うサービスにおいては 入 力 した ID/PW が 事 前 にサーバに 登 録 しておいたものと 一 致 するかの 照 合 をする 一 般 的 に Web メールと 呼 ばれる 電 子 メールサービスや 会 員 制 の Web サイトなど が 挙 げられる ウ) 物 理 的 な 手 段 を 使 用 する 認 証 物 理 的 な 手 段 を 使 用 する 認 証 を 行 うサービスにおいては 基 本 的 には 物 理 デバ イス 内 の 情 報 を 読 取 り 照 合 を 行 う 照 合 先 となるのは 利 用 者 の 入 力 データや 15
サーバに 事 前 に 登 録 されている 情 報 である 物 理 的 な 手 段 を 使 用 する 認 証 を 行 う 代 表 的 なサービスについて 事 前 登 録 した 物 理 デバイスを 運 用 するにあたって その 物 理 デバイスの 受 取 方 法 と 使 用 場 所 お よび 認 証 方 法 を 表 2.2.2-4 認 証 証 明 書 の 認 証 例 に 示 した 表 2.2.2-4 認 証 証 明 書 の 認 証 例 認 証 用 証 明 書 運 用 区 分 証 明 書 名 受 取 方 法 使 用 場 所 認 証 方 法 行 政 図 書 館 カード( 港 区 立 図 書 館 ) 図 書 館 窓 口 図 書 館 バーコード 情 報 読 取 り 住 民 基 本 台 帳 カード 役 所 窓 口 役 所 ほか カード 内 情 報 の 読 取 り 資 格 証 明 運 転 免 許 証 ( 更 新 ) 登 録 場 所 または 郵 送 運 転 中 に 携 帯 義 務 あり 免 許 証 記 載 内 容 を 目 視 確 認 暗 証 番 号 (IC 免 許 証 の 場 合 ) 電 信 携 帯 電 話 (ドコモ 新 規 契 約 ) 販 売 店 店 頭 常 時 暗 証 番 号 ( 設 定 してある 場 合 ) 交 通 金 融 Suica 定 期 券 PASMO 定 期 券 みどりの 窓 口 または 駅 の 発 売 機 駅 窓 口 銀 行 カード(MUFGカード) 郵 送 ATM 銀 行 カード(SMBCカード) 郵 送 ATM 改 札 機 Suica 利 用 加 盟 店 マンション 等 住 宅 のセキュリティ 改 札 機 PASMO 利 用 加 盟 店 マンション 等 住 宅 のセキュリティ カード 内 情 報 の 読 取 り カード 内 情 報 の 読 取 り カード 内 情 報 の 読 取 り 手 や 指 で 照 合 (バイオ 認 証 付 加 の 場 合 ) カード 内 情 報 の 読 取 り 手 や 指 で 照 合 (バイオ 認 証 付 加 の 場 合 ) Edy (カード 購 入 後 チャージ) Edy 利 用 加 盟 店 なし 電 子 マネー Webマネー(インターネット 専 用 のプリペイド 型 電 子 マネー) BitCash(インターネット 専 用 のプ リペイド 型 電 子 マネー) - 希 望 サイトの 決 済 画 面 - 希 望 サイトの 決 済 画 面 WebMoneyに 記 載 された 16 桁 のプリペイド 番 号 の 入 力 BitCashに 記 載 された 16 桁 のひらがなIDの 入 力 ポイント Tカード(TSUTAYA 等 ) 郵 送 ポイントプログラム 参 加 企 業 カード 内 情 報 の 読 取 り 物 品 購 入 TASPO 郵 送 タスポ 対 応 たばこ 自 動 販 売 機 カード 内 情 報 の 読 取 り 表 2.2.2-4 認 証 証 明 書 の 認 証 例 では 認 証 証 明 書 の 認 証 方 法 の 例 として それぞれ 認 証 証 明 書 の 受 取 方 法 認 証 証 明 書 の 使 用 場 所 認 証 証 明 書 の 認 証 方 法 に 示 した 表 2.2.2-4 認 証 証 明 書 の 認 証 例 から 物 理 的 な 手 段 を 使 用 する 認 証 はさま ざまである これは 登 録 に 必 要 となる 物 や 登 録 方 法 は その 用 途 やサービスの 内 容 に 応 じてさまざまな 形 態 を 取 るためであると 考 えられる 2.2.3 運 用 面 での 課 題 認 証 システムは 有 効 性 および 信 頼 性 が 高 く かつユーザの 利 便 性 が 高 いことが 望 ま しい ただし その 実 現 を 阻 害 する 要 因 の 一 つとして 挙 げられる 課 題 が 運 用 コストで ある 認 証 をともなうサービスで 発 生 するコストには 利 用 者 側 の 導 入 コストと 運 用 コ 16
スト および 運 用 者 側 の 導 入 コストと 運 用 コストがある 導 入 コストは 認 証 サービ ス 導 入 時 に 必 要 なコストであり 導 入 時 にかかるコストである 運 用 コストは 認 証 サ ービス 導 入 の 完 了 後 認 証 サービスを 継 続 するうえで 必 要 となるコストである これらのコストの 種 類 について 表 2.2.3-1 コストの 種 類 に 示 した 表 2.2.3-1 コストの 種 類 運 用 者 側 導 入 コスト サーバ 導 入 費 認 証 ソフトの 購 入 費 物 理 デバイスの 購 入 費 など 運 用 コスト サーバストレージ 費 利 用 者 側 物 理 デバイスの 購 入 費 ここでは 運 用 面 での 課 題 として 2.1 既 存 の 認 証 システムの 認 証 方 法 および 認 証 技 術 で 調 査 した 既 存 の 認 証 システムの 導 入 コスト および 運 用 コスト の 2 つの 観 点 から それぞれについて 考 察 を 加 える 表 2.2.3-2 認 証 のコスト は 2.1.1 既 存 の 認 証 方 法 で 整 理 した 3 つの 認 証 方 法 毎 に それぞれの 導 入 コスト/ 運 用 コストを 示 したものである 表 2.2.3-2 認 証 のコスト ア) 自 己 申 告 制 の イ) 物 理 的 な 手 段 を ウ) 物 理 的 な 手 段 を 認 証 使 用 しない 認 証 使 用 する 認 証 導 入 コスト サーバ 導 入 費 ( 運 用 サーバ 導 入 費 ( 運 用 物 理 デバイスの 購 入 者 ) 者 ) 費 ( 利 用 者 ) 認 証 ソフトの 購 入 費 読 み 取 りデバイスの ( 運 用 者 ) 購 入 費 ( 運 用 者 ) サーバ 導 入 費 ( 運 用 者 ) 認 証 ソフトの 購 入 費 ( 運 用 者 ) 運 用 コスト サーバストレージ 費 サーバストレージ 費 サーバストレージ 費 ( 運 用 者 ) ( 運 用 者 ) ( 運 用 者 ) 17
また 3 つの 認 証 方 法 毎 のコストについて 考 察 した 結 果 の 詳 細 は 以 下 のとおりであ る ア) 自 己 申 告 制 の 認 証 自 己 申 告 制 の 認 証 を 行 うサービスにおいては サービス 利 用 者 が 質 問 に 対 して 単 純 に Yes/No 等 で 答 えるものが 多 い この 場 合 認 証 を 行 うために 必 要 とな る 目 的 のサービスをユーザに 提 供 するプログラムを 保 存 するためのサーバの 導 入 費 およびそのサーバの 運 用 費 のみである イ) 物 理 的 な 手 段 を 使 用 しない 認 証 物 理 的 な 手 段 を 使 用 しない 認 証 を 行 うサービスにおいては サービスを 要 求 す るサービス 利 用 者 が 入 力 した ID/PW が 事 前 にサーバに 登 録 されていたものと 一 致 するかの 照 合 を 行 うため 目 的 のサービスをユーザに 提 供 するプログラムを 保 存 するためのサーバの 導 入 費 / 運 用 費 以 外 に 登 録 データを 登 録 するサーバの 導 入 費 がコストに 含 まれることになる また サービスを 要 求 するサービス 利 用 者 が 入 力 した ID/PW が 事 前 にサーバ に 登 録 されていたものと 一 致 するかの 照 合 を 行 うためのプログラム( 認 証 ソフト) の 導 入 費 も 必 要 となる ウ) 物 理 的 な 手 段 を 使 用 する 認 証 物 理 的 な 手 段 を 使 用 する 認 証 を 行 うサービスにおいては 物 理 的 な 手 段 を 使 用 する 認 証 で 必 要 となる 導 入 コスト および 運 用 コスト に 加 え サービス 利 用 者 が 物 理 デバイスを 購 入 するコストが 必 要 となる また 運 用 側 においても 物 理 デバイスを 読 み 取 るための 機 器 の 導 入 が 必 要 と なる 2.2.4 関 連 技 術 ここでは 2.1.2 既 存 の 認 証 技 術 で 整 理 した 既 存 の 認 証 システムにおける 主 な 認 証 技 術 に 関 連 する 技 術 の 利 便 性 有 効 性 および 信 頼 性 を 中 心 に 考 察 を 加 える (1)ID/PW 認 証 に 関 連 する 技 術 ID/PW 認 証 に 関 連 する 技 術 として SSL およびワンタイムパスワードについて 考 察 を 加 える 18
SSL SSL は インターネット 上 で 情 報 を 暗 号 化 して 送 受 信 するプロトコルである 現 在 インターネットで 広 く 使 われている WWW や FTP などのデータを 暗 号 化 し プライバシーに 関 わる 情 報 やクレジットカード 番 号 などを 安 全 に 送 受 信 すること ができる 点 で 有 効 性 および 信 頼 性 が 高 く 利 便 性 も 高 いといえる ワンタイムパスワード ワンタイムパスワードは パスワードを 盗 まれても 同 じパスワードでは 二 度 と アクセスできないため パスワードが 盗 まれてしまうと 簡 単 にセキュリティを 破 られてしまうという 従 来 のパスワード 認 証 の 弱 点 を 克 服 している 点 で 有 効 性 およ び 信 頼 性 が 高 く 利 便 性 も 高 いといえる (2)カード 認 証 に 関 連 する 技 術 カード 認 証 に 関 連 する 技 術 として 磁 気 カードおよび IC カードについて 考 察 を 加 える 磁 気 カード データの 保 存 管 理 を 磁 気 によって 行 う 磁 気 カードは 情 報 の 登 録 や 発 行 にか かるコストが 比 較 的 低 いなど 利 便 性 が 高 い 反 面 で 偽 造 や 変 造 が 比 較 的 行 いやす いため 信 頼 性 はそれほど 高 くない IC カード IC カードは 搭 載 している 半 導 体 集 積 回 路 (IC チップ)に 記 録 できるデータの 量 が 磁 気 カードの 約 100 倍 と 格 段 に 大 きく 利 便 性 が 高 いことに 加 え データの 暗 号 化 も 可 能 で 偽 造 や 変 造 が 困 難 であることから 磁 気 カードに 比 べて 有 効 性 およ び 信 頼 性 が 高 い (3) 生 体 認 証 に 関 連 する 技 術 生 体 認 証 に 関 連 する 技 術 として 指 紋 照 合 静 脈 照 合 虹 彩 照 合 および 顔 照 合 について 考 察 を 加 える これらの 技 術 を 利 用 した 生 体 認 証 では 認 証 に 生 体 情 報 を 利 用 することから パス ワードを 失 念 するなどの 可 能 性 がない 点 で 利 便 性 が 高 いといえる 指 紋 照 合 指 紋 は 同 じ 指 紋 を 持 つ 人 が 存 在 する 確 率 が 極 めて 低 く 身 体 の 成 長 や 歳 月 の 19
経 過 によっても 紋 様 は 変 化 しないため 有 効 性 および 信 頼 性 は 高 い ただし パ ターンマッチング 方 式 の 指 紋 照 合 では 指 紋 画 像 を 撮 影 するため ユーザがプライ バシーについて 不 安 を 持 つ 可 能 性 があることが 課 題 となる 静 脈 照 合 静 脈 パターンは 体 の 中 にある 情 報 であることから 外 部 から 盗 み 見 られる 危 険 性 が 低 く 生 涯 を 通 じて 不 変 であるため 有 効 性 および 信 頼 性 は 高 い また 指 紋 照 合 に 比 べ ユーザがプライバシーについて 不 安 を 持 つ 可 能 性 が 少 ないと 期 待 される 虹 彩 照 合 虹 彩 の 模 様 は 個 人 毎 に 異 なり 生 涯 を 通 じて 不 変 であると 考 えられている ま た 身 体 的 特 徴 の 中 でも 虹 彩 は 特 に 安 定 性 が 高 く かつ 周 囲 の 環 境 から 受 ける 影 響 が 少 ないため 高 い 認 証 精 度 が 得 られることから 有 効 性 および 信 頼 性 は 高 い といえる 顔 照 合 あらかじめ 登 録 した 顔 イメージとの 照 合 によって 認 証 を 行 う 顔 照 合 は 他 の 生 体 認 証 と 比 較 して 心 理 的 抵 抗 感 が 少 なく ユーザにとって 受 容 性 が 高 い ただし 識 別 のための 特 徴 点 が 目 鼻 口 眉 などに 限 られていることや 表 情 の 変 化 等 に より 指 紋 照 合 静 脈 照 合 虹 彩 照 合 と 比 べて 認 証 精 度 が 低 いため 有 効 性 およ び 信 頼 性 の 面 で 課 題 がある 20
2.3 既 存 の 認 証 システムの 評 価 上 記 2.2.1 から 2.2.4 で 既 存 の 認 証 システムに 対 して 考 察 した 結 果 から 自 己 申 告 制 の 認 証 物 理 的 な 手 段 を 使 用 しない 認 証 および 物 理 的 な 手 段 を 使 用 しない 認 証 の 分 類 毎 に 評 価 を 行 い それぞれの 特 徴 やメリット/デメリットとして 整 理 した 結 果 を 表 2.3-1 認 証 のメリット/デメリット に 示 した 表 2.3-1 認 証 のメリット/デメリット 自 己 申 告 制 の 物 理 的 な 手 段 を 物 理 的 な 手 段 を 認 証 使 用 しない 認 証 使 用 する 認 証 特 徴 登 録 不 要 ID/PW 等 を 事 前 にサ 物 理 デバイスが 必 要 はい/いいえ 方 式 (18 ーバへ 登 録 所 定 の 情 報 を 事 前 に 歳 以 上 ですか?) 物 理 デバイスやサーバ へ 登 録 メリット 利 用 者 側 / 運 用 者 側 アクセス 制 限 可 能 物 理 的 な 手 段 を 使 用 ともに 運 用 が 簡 単 しない 場 合 に 比 してア コストほぼゼロ クセス 制 限 が 強 力 デメリット 信 頼 性 ほとんどなし 運 用 側 の 登 録 手 続 き 利 用 者 側 に 物 理 デバ アクセス 制 限 ほぼ 不 に 手 間 がかかる イスの 購 入 コストが 発 可 不 正 利 用 される 可 能 生 性 有 り 運 用 側 に 物 理 デバイ スと 本 人 との 紐 付 けが 必 要 また アクセス 制 限 の 強 度 運 用 コスト および 利 便 性 の 観 点 から 評 価 した 結 果 の 詳 細 は 以 下 のとおりである (1)アクセス 制 限 の 強 度 ( 信 頼 性 ) 自 己 申 告 制 の 認 証 においては 質 問 に 対 して はい という 答 えをすれば 認 証 を 通 過 するものが 典 型 的 であり アクセス 制 限 はないに 等 しい 物 理 的 な 手 段 を 使 用 しない 認 証 においては 登 録 してある ID/PW を 知 らない 限 り はアクセス 不 可 であり 強 度 は 高 いといえる ただし これは 逆 を 言 えば ID/PW を 知 ってしまえば 他 人 が 自 由 にアクセス 可 能 であることを 意 味 している 他 人 が ID/PW を 知 る 手 段 としては ID/PW を 記 入 したメモを 見 る 入 力 した ID/PW を 盗 聴 21
するなどさまざまである これらと 比 較 して 物 理 的 な 手 段 を 使 用 する 認 証 においては 物 理 デバイスを 所 持 していなければアクセス 不 可 であり 強 度 はさらに 高 いといえる ただし これ も 他 人 が 物 理 デバイスを 入 手 すればアクセス 可 能 であることになる このため 単 に 物 理 デバイスのみで 認 証 するのではなく 他 の 認 証 手 段 と 組 み 合 わせることが 勧 められる 組 み 合 わせる 他 の 認 証 手 段 とは ID/PW 入 力 や 生 体 認 証 が 有 力 な 手 段 と して 挙 げられる このように 認 証 を 受 けるための 手 続 きが 複 雑 になるほど アク セス 制 限 の 強 度 が 高 くなるといえる (2) 運 用 コスト 前 記 で アクセス 制 限 の 強 度 が 高 いのは 物 理 的 な 手 段 を 使 用 した 場 合 の 認 証 で あると 述 べたが これは 利 用 者 側 に 物 理 デバイスのコスト 負 担 を 強 いることになる 場 合 がある ここで 新 規 に 物 理 デバイスを 用 意 するのではなく すでに 広 く 普 及 している 物 理 デバイスを 利 用 することができれば この 課 題 を 解 決 することができ ると 考 えられる また その 物 理 デバイスにより 属 性 の 認 証 が 可 能 であれば 適 格 といえる (3) 利 便 性 認 証 を 行 うためのデバイスとして 物 理 デバイスを 使 用 する 認 証 システムでは 信 頼 性 を 高 めることができる 一 方 ユーザの 利 便 性 が 損 なわれる 場 合 がある 具 体 的 には 以 下 のような 点 でユーザの 利 便 性 が 損 なわれる 可 能 性 があると 考 えられる ア) 物 理 デバイスにあらかじめ 本 人 の 情 報 を 登 録 しておく 必 要 がある イ) 物 理 デバイスがないと 認 証 を 要 求 できない( 認 証 を 要 求 するときに 物 理 デバ イスを 持 ち 合 わせておく 必 要 がある) ウ) 物 理 デバイスには 紛 失 盗 難 の 可 能 性 がある また 紛 失 盗 難 の 結 果 と して 他 人 に 悪 用 される 危 険 性 がある エ) 物 理 デバイスの 保 守 が 必 要 である( 不 具 合 損 壊 の 可 能 性 がある) 22
2.4 既 存 の 認 証 システムにおける 課 題 調 査 結 果 および 考 察 の 結 果 を 総 合 的 に 評 価 した 結 果 から 簡 易 型 本 人 認 証 システムを 開 発 するうえでの 課 題 等 を 整 理 した 2.3 既 存 の 認 証 システムの 評 価 で 行 った 既 存 の 認 証 システムの 評 価 の 結 果 およ び 表 2.3-1 認 証 のメリット/デメリット から 既 存 の 認 証 システムにおける 課 題 と して 以 下 の 2 つが 挙 げられる 1) 信 頼 性 の 維 持 と 利 便 性 が 両 立 され 利 便 性 とアクセス 制 限 の 強 度 が 妥 当 なものでな ければならない 2) 利 用 者 側 およびと 運 用 側 における 手 間 コストはできるだけ 低 く 妥 当 なものでな ければならない (1) 信 頼 性 と 利 便 性 の 両 立 課 題 : 信 頼 性 を 高 めると 利 便 性 が 損 なわれる 解 決 案 :サービスの 内 容 に 応 じて 必 要 とされる 認 証 レベルを 設 定 し その 認 証 レベルを 満 たす 認 証 システムとする メリット:サービスの 内 容 に 応 じた 認 証 レベルを 設 定 し その 認 証 レベルを 満 た す 認 証 システムとすることで 必 要 となる 認 証 レベルを 最 低 限 満 たし ながら 利 便 性 を 損 なわない 認 証 システムとすることができる (2) 利 用 者 側 および 運 用 側 のコスト ア) 利 用 者 側 のコスト 課 題 : 新 しい 物 理 的 手 段 ( 物 理 デバイス)の 購 入 には コストがかかる 解 決 案 :すでに 普 及 しているデバイスを 物 理 的 手 段 として 使 用 する メリット:すでに 普 及 しているデバイスを 使 用 することができれば 新 規 購 入 の 必 要 がない イ) 運 用 側 のコスト 課 題 :ユーザ 情 報 の 登 録 と 管 理 にコストがかかる 解 決 案 : 物 理 デバイス 自 体 に 情 報 を 持 たせる メリット: 物 理 デバイス 自 体 に 情 報 を 持 たせることができれば 認 証 サーバ 上 へ 個 々の 情 報 を 登 録 する 必 要 がない また 認 証 サーバ 上 で 登 録 した 情 報 を 管 理 する 必 要 もないため 登 録 情 報 の 管 理 および 保 守 ( 情 報 の 更 新 やセキュリティ 対 策 を 含 む)を 行 う 必 要 がない 23
3 簡 易 型 本 人 認 証 システムの 実 現 モデルの 検 討 この 章 では 年 齢 に 関 する 属 性 のみを 認 証 する 成 人 認 証 システム に 焦 点 を 当 てること で 簡 易 型 本 人 認 証 システムの 実 現 モデルを 検 討 する 成 人 ではない 人 物 からのアクセスを 拒 否 することを 可 能 にする 成 人 認 証 システムとして なりすまし の 防 止 など 信 頼 性 の 維 持 を 実 現 しながら 導 入 や 保 守 などの 運 用 コストを 必 要 最 小 限 に 留 め 操 作 性 などのユーザ の 利 便 性 も 損 なわない 新 しい 仕 組 みを 設 計 提 案 する この 仕 組 みについては シンプルか つ 応 用 性 に 富 む 技 術 考 え 方 を 取 り 入 れることで 成 人 認 証 以 外 の 簡 易 型 本 人 認 証 システム への 応 用 を 視 野 に 入 れたものとする 3.1 既 存 の 認 証 システムと 簡 易 型 本 人 認 証 システム 2.1 既 存 の 認 証 システムの 認 証 方 法 および 認 証 技 術 および 2.2.1 有 効 性 および 信 頼 性 より 既 存 の 認 証 システムにおける 本 人 認 証 の 仕 組 みでは そのサービス 内 容 に よって サービスへのアクセスを 要 求 する 利 用 者 ( 認 証 を 求 めている 利 用 者 )が 本 人 であ ることをどの 程 度 要 求 するかが 異 なることがわかった 2.3 既 存 の 認 証 システムの 評 価 より サービスへのアクセスを 要 求 する 利 用 者 ( 認 証 を 求 めている 利 用 者 )が 本 人 であることをより 厳 密 に 要 求 するためには より 高 度 な 認 証 システムが 必 要 となり そのことでサービスの 利 用 者 およびシステムの 運 用 者 にかかる コストとして 導 入 コストのみならず 運 用 コストが 増 大 することがわかった また 2.4 既 存 の 認 証 システムにおける 課 題 で 示 したとおり 既 存 の 認 証 システム における 課 題 には 以 下 の 2 点 が 挙 げられる 1) 信 頼 性 の 維 持 と 利 便 性 の 両 立 信 頼 性 がサービスの 内 容 に 対 して 妥 当 なものであること 2) 導 入 運 用 の 面 で 普 及 を 阻 害 しない 利 用 者 側 および 運 用 側 における 手 間 コストが 妥 当 なものであること このことより サービスへのアクセスを 要 求 する 利 用 者 ( 認 証 を 求 めている 利 用 者 )の 本 人 性 ( 本 人 確 認 の 精 度 )を 損 なうことなく サービスの 利 用 者 およびシステムの 運 用 者 への 負 担 が 少 ない 目 的 に 応 じた 認 証 システムのあり 方 として 簡 易 型 本 人 認 証 システム を 検 討 する また この 簡 易 型 本 人 認 証 システムでは 簡 易 型 であるためにシステムの 導 入 および 運 用 コストの 負 担 がより 少 なくなるようなシステムでありながら サービス 提 供 のために 必 要 な 認 証 レベルが 確 保 されるシステムであることが 求 められる 24
ここでは 簡 易 型 であることの 要 件 として 以 下 の 2 つを 定 義 する 1) 認 証 を 行 うために 使 用 する 属 性 は 1 つとする 2) 本 人 性 ( 本 人 確 認 の 精 度 )は 認 証 の 用 途 目 的 に 応 じて 必 要 最 低 限 のレベルが 確 保 されればよいものとする このことを 踏 まえ 簡 易 型 本 人 認 証 システムの 実 現 モデルとなり 得 る 新 しいシステムを 検 討 する 3.2 簡 易 型 本 人 認 証 システムの 実 現 モデルの 検 討 2.4 既 存 の 認 証 システムにおける 課 題 および 3.1 既 存 の 認 証 システムと 簡 易 型 本 人 認 証 システム では 簡 易 型 本 人 認 証 システムで 解 決 されるべき 既 存 の 認 証 システム の 課 題 として 以 下 の 2 つが 挙 げられることを 示 した 1) 信 頼 性 の 維 持 と 利 便 性 を 両 立 すること 2) 導 入 運 用 の 面 で 普 及 を 阻 害 しないこと また 3.1 既 存 の 認 証 システムと 簡 易 型 本 人 認 証 システム で 簡 易 型 であるこ との 要 件 として 以 下 の 2 つを 定 義 した 1) 認 証 を 行 うために 使 用 する 属 性 は 1 つとする 2) 本 人 性 ( 本 人 確 認 の 精 度 )は 認 証 の 用 途 目 的 に 応 じて 必 要 最 低 限 のレベルが 確 保 されればよいものとする このことより 簡 易 型 本 人 認 証 システムの 実 現 モデルを 検 討 するにあたってポイントと なるのは 以 下 の 点 であると 考 えられる - なりすまし の 防 止 など 信 頼 性 が 維 持 される - 導 入 や 保 守 などの 運 用 コストを 必 要 最 小 限 に 留 める - 操 作 性 などのユーザの 利 便 性 を 損 なわない - 目 的 に 応 じた 認 証 方 法 および 認 証 レベルによる 認 証 である 3.2.1 簡 易 型 本 人 認 証 システム 前 章 で 抽 出 された 課 題 のうちもっとも 大 きなものは 本 人 であることを 認 証 する ために 必 要 となる 登 録 と その 情 報 の 維 持 管 理 および 認 証 にコストが かかるということである この 場 合 コストとは 金 銭 的 な 費 用 のみならず 人 時 間 25
物 理 的 場 所 も 含 まれる 次 に 簡 易 型 本 人 認 証 システムにおける 登 録 および 認 証 の 利 便 性 を 考 える 登 録 の 利 便 性 とは 登 録 情 報 の 一 部 をデバイスに 持 たせることによって 登 録 サ ーバの 負 荷 を 軽 減 することをいう 登 録 情 報 の 全 部 をデバイスに 持 たせる 場 合 は 登 録 サーバが 不 要 となる ( 不 要 となるのは 登 録 サーバ サーバへの 登 録 作 業 登 録 情 報 の 保 守 ( 維 持 更 新 削 除 など) 登 録 情 報 との 照 合 である )あるいは 本 人 で あることの 認 証 を 行 わず 属 性 情 報 が 条 件 にあてはまっているかどうかのみを 判 定 する 認 証 であれば 登 録 サーバなどが 不 要 となる 認 証 の 利 便 性 としては 特 定 の 属 性 1 つのみを 持 って 認 証 するため 登 録 および 照 合 が 簡 単 になることである 3.2.2 考 えられる 実 現 モデルの 例 簡 易 型 本 人 認 証 システムとして 考 えられる 実 現 モデルの 例 を 下 記 に 示 した (1)Web サイトへのアクセス Web サイトへアクセスする 場 合 であり 簡 便 なものは 年 齢 等 の 質 問 への 回 答 によ り アクセスを 承 認 するモデルである ただし このモデルでは 質 問 に 対 して 虚 偽 の 申 告 をすることが 可 能 であるため アクセスしている 利 用 者 が 正 当 な 利 用 者 で あるという 確 証 を 得 ることがむずかしい そのほかに ID/PW の 入 力 により 照 合 結 果 でアクセスを 承 認 するモデルがある このモデルでは ID/PW を 知 らない 人 はアクセス 不 可 で ID/PW を 知 り 得 る 人 を 使 用 者 本 人 であるとしているので 本 人 認 証 の 機 能 を 果 たしている ただし この ID/PW を 他 人 が 不 正 に 入 手 してしまうと 本 人 になりすましてアクセスすることが 可 能 となり 本 人 認 証 機 能 を 果 たせなくなくなる 危 険 性 がある (2) 入 退 室 の 制 御 事 務 所 や 工 場 への 入 退 室 の 制 御 をするモデルである 入 室 / 退 室 に 認 証 を 課 す 方 式 は 下 記 の 二 通 りある - 入 室 のみに 認 証 を 行 い 退 室 はフリーとする 社 員 証 カードで 事 務 所 へ 出 入 りす る 場 合 に 用 いられる 場 合 が 多 い - 入 室 と 退 室 の 双 方 ともに 認 証 を 行 う 部 外 者 入 室 禁 止 等 の 厳 密 なチェックを 要 するエリアへ 出 入 りする 場 合 に 用 いられる 場 合 が 多 い 26
制 御 の 手 段 としてはカードを 用 いるものが 主 流 であり 最 近 は 磁 気 カードに 代 り IC カードを 採 用 する 例 が 増 えてきた この 場 合 はカード 保 持 者 (カードホルダ)を 使 用 者 本 人 であるとしている ただ し カードを 読 み 取 らせるだけで 扉 が 開 くような 仕 様 になっていると 他 人 が 不 正 にカードを 入 手 してしまうと 本 人 になりすまして 自 由 に 出 入 りできる 危 険 性 があ る この 危 険 性 を 防 止 するために カードを 読 み 取 らせたうえで さらに 使 用 者 に 何 らかの 操 作 をさせる 仕 様 の 入 退 室 システムがある 操 作 の 内 容 としては ID/PW の 入 力 を 必 要 とするものや 生 体 情 報 の 読 取 り( 生 体 認 証 )を 必 要 とするもの 等 がある (3) 自 販 機 での 物 品 購 入 自 動 販 売 機 で 物 品 を 購 入 する 場 合 の 購 入 可 否 を 制 御 するモデルである たばこ 等 の 成 人 認 証 に 用 いられているのが 例 である たばこ 販 売 の 場 合 は TASPO カードを 自 販 機 にかざすことにより たばこの 購 入 が 可 能 となる この 場 合 はカード 保 持 者 (カードホルダ)を 使 用 者 本 人 であるとしている ただ し カードを 読 み 取 らせるだけで 認 証 が 完 了 し たばこが 購 入 できるため 未 成 年 者 でもカードを( 一 時 的 にでも) 所 持 していれば 購 入 が 可 能 となる また カード 所 有 者 が 故 意 に 他 人 に 貸 与 した 場 合 でも 商 品 の 購 入 が 可 能 となる (4)その 他 考 えられる 例 例 として コンビニエンスストアやスーパーマーケットでの 酒 類 たばこ 成 人 向 け 書 籍 などの 販 売 が 挙 げられる これは 自 動 販 売 機 での 物 品 購 入 の 場 合 と 同 様 に 購 入 する 商 品 に 一 定 の 年 齢 制 限 がある 場 合 に 年 齢 を 証 明 することができるも のを 提 示 することでサービスを 受 けることができるようにする 考 え 方 である 認 証 カードなどをデバイスとする 場 合 カード 保 持 者 (カードホルダ)を 使 用 者 本 人 と 想 定 して 認 証 を 行 うことになるが 他 人 が 不 正 にカードを 入 手 してしまった 場 合 に 本 人 になりすまして 不 正 にカードを 使 用 する 可 能 性 を 排 除 できない そのため カードに 顔 写 真 を 記 載 するなど 本 人 性 を 確 保 する 要 素 を 併 せ 持 った デバイスを 使 用 することが 必 要 となる 27
3.3 簡 易 型 本 人 認 証 システムとしての 成 人 認 証 システム 簡 易 型 本 人 認 証 システムとして ある 属 性 のみを 使 用 する 本 人 認 証 システムを 考 えるう えで 成 人 認 証 システムに 着 目 する 成 人 認 証 で 使 用 する 属 性 は 生 年 月 日 情 報 であるた め 個 人 がひとつしか 持 ち 得 ないこと 属 性 の 内 容 が 永 久 的 に 変 化 しないこと 事 前 の 登 録 が 不 要 であること 認 証 ではなく 年 齢 の 算 出 を 行 うこと などがある 3.3.1 さまざまな 認 証 のレベル ここでは 成 人 認 証 システムに 最 低 限 求 められる 本 人 確 認 のレベルについて 検 討 する 通 常 認 証 時 における 本 人 確 認 の 精 度 ( 本 人 確 認 レベル)がより 高 く かつ 確 認 内 容 に 対 する 公 的 な 保 証 が 存 在 すれば 認 証 システムの 有 効 性 および 信 頼 性 もより 高 くなると 考 えられるため 本 人 認 証 における 本 人 確 認 レベルはより 厳 格 であることが 望 ましいと 考 えられる その 一 方 で 一 般 的 には 認 証 システムの 有 効 性 および 信 頼 性 が 高 くなるほど ユーザの 利 便 性 や 運 用 性 が 損 なわれる 場 合 が 多 い 認 証 システムの 有 効 性 および 信 頼 性 と ユーザの 利 便 性 および 運 用 性 の 関 係 を 示 したものが 図 3.3.1-1 有 効 性 および 信 頼 性 と ユーザの 利 便 性 および 運 用 性 の 関 係 である 高 有 効 性 お よ び 信 頼 性 レベル4 レベル3 レベル2 住 民 基 本 台 帳 カードなど ICカードを 用 いた ATMなど 端 末 認 証 など 低 レベル1 成 人 認 証 システム 低 ユーザの 利 便 性 および 運 用 性 高 図 3.3.1-1 有 効 性 および 信 頼 性 と ユーザの 利 便 性 および 運 用 性 の 関 係 28
図 3.3.1-1 有 効 性 および 信 頼 性 と ユーザの 利 便 性 および 運 用 性 の 関 係 における 有 効 性 および 信 頼 性 と ユーザの 利 便 性 および 運 用 性 については 以 下 のとおりである (1) 有 効 性 および 信 頼 性 1)レベル 1 レベル 1 は 本 人 性 の 保 証 の 必 要 性 が 比 較 的 低 い 認 証 システム である 例 と して ID/PW のみを 使 用 した 認 証 システムが 挙 げられる 本 人 確 認 のレベルが 高 くなく 有 効 性 および 信 頼 性 は 低 くなる 2)レベル 2 レベル 2 は 使 用 するためには 本 人 性 の 保 証 が 必 要 となる 機 器 に 対 する 認 証 を 行 うことで 本 人 性 の 保 証 が 求 められる 認 証 システム である このレベルの 本 人 認 証 システムは 認 証 を 求 める 利 用 者 の 環 境 が 不 正 ではないことを 保 証 する システムであり 一 定 程 度 の 本 人 性 が 保 証 されていると 考 えことができる レベ ル 1 の 本 人 認 証 システムより 有 効 性 および 信 頼 性 は 高 くなるが 利 用 者 環 境 の 保 証 を 行 うために 運 用 コストがレベル 1 よりも 高 くなる 3)レベル 3 レベル 3 は 本 人 性 機 密 性 の 保 証 が 求 められる 認 証 システム である この レベルの 本 人 認 証 システムでは レベル 2 での 利 用 者 の 環 境 が 不 正 ではないこ との 保 証 に 加 えハードウェアによる 使 用 者 の 保 証 を 行 う レベル 2 の 本 人 認 証 システムより 有 効 性 および 信 頼 性 は 高 くなる 4)レベル 4 レベル 4 は 実 印 相 当 の 署 名 行 為 が 求 められる 認 証 システム である レベル 3 の 認 証 システムに 加 え 公 的 な 保 証 を 用 いた 認 証 システムであり 本 人 確 認 のレ ベルが 極 めて 高 い 有 効 性 および 信 頼 性 がもっとも 高 い 認 証 システムと 考 えられ る (2)ユーザの 利 便 性 および 運 用 性 ユーザの 利 便 性 および 運 用 性 とは 認 証 システムの 導 入 や 運 用 にかかるコスト およびユーザがユーザ 情 報 を 登 録 するための 手 続 きや 認 証 を 得 るための 手 続 きが 簡 易 かどうかについての 相 対 的 な 尺 度 となる 認 証 システムの 導 入 や 運 用 にかかるコストがより 高 くなる またはユーザの 登 録 29
手 続 や 認 証 手 続 がより 複 雑 になると ユーザの 利 便 性 および 運 用 性 は 低 くなる Web 認 証 で 成 人 認 証 が 必 要 とされる 場 合 多 くの 場 合 は 厳 密 に 本 人 であることを 認 証 する 必 要 はなく アクセス 許 可 を 求 めているユーザの 年 齢 が 条 件 にあてはまる かどうかのみを 判 定 することができればよい そのため 成 人 認 証 では 厳 格 な 本 人 認 証 ではなく 年 齢 などサービスに 必 要 な 利 用 者 の 属 性 だけを 認 証 すればよい と 考 えることができる そのため 成 人 認 証 システム で 最 低 限 求 められる 本 人 確 認 レベルは レベル 1 相 当 の 本 人 確 認 レベル( 有 効 性 および 信 頼 性 )かつ 利 便 性 の 高 いシステムであると 考 えることができる 30
4 成 人 認 証 システムのデモシステムの 検 討 この 章 では 簡 易 型 本 人 認 証 システムの 一 例 として 成 人 認 証 システムを 取 り 上 げ その 成 人 認 証 システムのデモシステムを 開 発 し 実 装 面 での 検 証 を 行 う このデモシステムは 認 証 を 受 けようとするユーザにとって 操 作 が 容 易 でありながら 認 証 の 信 頼 性 が 損 なわれない ようなものをイメージして 開 発 する 4.1 成 人 認 証 システムのデモシステムの 開 発 ここでは ユーザが 実 際 に 認 証 を 受 けて アクセス 制 限 された Web ページにアクセス する( 認 証 を 受 けていないユーザはアクセスできない) 成 人 認 証 システムのデモシステム を 開 発 するために 簡 易 型 としての 本 人 認 証 システムに 必 要 となる 考 え 方 や 課 題 となる 点 をまとめ デモシステムを 設 計 するための 設 計 思 想 として 整 理 する その 設 計 思 想 に 基 づ き 成 人 認 証 システムのデモシステムの 基 本 設 計 を 行 う 4.1.1 設 計 思 想 成 人 認 証 システムの 開 発 を 検 討 するにあたり 既 存 の 本 人 認 証 システムの 課 題 の 解 決 を 目 的 とする 2.4 既 存 の 認 証 システムにおける 課 題 において 既 存 の 本 人 認 証 システムの 課 題 として 以 下 の 2 つを 挙 げた 1) 信 頼 性 と 利 便 性 の 両 立 ア) 必 要 な 信 頼 性 が 確 保 されている イ) 操 作 が 簡 単 である 2) 導 入 運 用 の 面 で 普 及 を 阻 害 しない ア) 利 用 者 側 のコストが 妥 当 である イ) 運 用 側 のコストが 妥 当 である このことを 踏 まえ 成 人 認 証 システムのデモシステムを 検 討 するために 以 下 の 要 素 を 設 計 思 想 とする 1) 信 頼 できる 2) 誰 にでも 使 える 31
3) 簡 単 である 4) 便 利 である 5) 比 較 的 廉 価 である( 追 加 的 費 用 が 発 生 しない) 以 下 では この 設 計 思 想 にもとづき 成 人 認 証 システムのデモシステムを 検 討 する この 設 計 思 想 にもとづく 認 証 システムを 実 現 するために 必 要 となる 考 え 方 として 以 下 の 2 つに 着 目 することとする 1) 年 齢 のみを 認 証 する 2)ハードウェアトークンとして 携 帯 電 話 を 使 用 する 4.1.2 年 齢 認 証 の 考 え 方 成 人 認 証 システムにおいて 必 要 となるのは 認 証 を 要 求 している 者 が 成 人 ( 満 20 歳 以 上 )であることを 認 証 することに 他 ならない この 成 人 認 証 で 求 められるのは 本 人 認 証 が 本 人 であることを 認 証 する のに 対 して サービスを 要 求 している 人 が 成 人 であることを 認 証 するものである この 成 人 であることの 認 証 のみに 着 目 する 場 合 必 ずしも 本 人 であることの 認 証 を 要 求 するものではない つまり 具 体 的 には 認 証 を 要 求 する 者 の 生 年 月 日 が 正 しいこ とが 担 保 され かつ その 生 年 月 日 情 報 に 基 づいて 算 出 された 認 証 要 求 者 の 年 齢 が 満 20 歳 以 上 であることが 認 証 されればよいと 考 えることができる この 場 合 成 人 であることの 認 証 を 行 うために 必 要 となるのは 生 年 月 日 とい う 属 性 のみである 属 性 による 認 証 が 可 能 であれば 属 性 を 変 更 することで 他 の 認 証 へ の 応 用 が 可 能 となり 成 人 認 証 以 外 の 認 証 システムへの 拡 張 性 を 広 げることも 可 能 とな る 本 人 認 証 では 通 常 はその 本 人 の 情 報 をあらかじめ 登 録 しておき サービス 要 求 のた びに 認 証 局 に 本 人 情 報 を 送 信 し その 情 報 がそこで 登 録 されている 情 報 と 一 致 するこ とをもって 本 人 であることを 証 明 する この 場 合 認 証 局 では 情 報 の 登 録 および 登 録 情 報 の 維 持 更 新 という 運 用 コストがかかることになる この 課 題 は ユーザにトーク ンを 持 たせることで 回 避 できる つまり ユーザがサービス 要 求 を 行 うたびにワンタイ ムパスワードを 発 行 し そのワンタイムパスワードで 認 証 を 行 う 方 法 である ただし ワンタイムパスワードでは 本 人 であることを 認 証 する 度 合 が 弱 まり なり すましの 防 止 は 困 難 となる 32
4.1.3 トークンとしての 携 帯 電 話 認 証 を 行 うハードウェアトークンとして 携 帯 電 話 を 考 えた 場 合 携 帯 電 話 はすでに 契 約 台 数 が 1 億 台 を 超 えており 一 人 一 台 と 言 っても 差 し 支 えないほど 普 及 しているため 認 証 システムのために 新 しくデバイスを 購 入 したりする 必 要 がなく 認 証 を 受 けたいと きにその 場 で 認 証 を 受 けられる 点 から 使 用 する 側 の 利 便 性 は 高 いと 考 えられる また 携 帯 電 話 の 特 徴 として 複 製 改 ざんが 容 易 ではない 点 が 利 点 として 挙 げられる また 携 帯 電 話 の 貸 し 借 りには 精 神 的 なハードルが 高 いことも 利 点 として 挙 げられる 4.1.1 年 齢 認 証 の 考 え 方 では 成 人 認 証 においては 本 人 認 証 を 必 ずしも 厳 密 に 要 求 はされないことを 示 したが 携 帯 電 話 をトークンとして 使 用 することの 特 徴 から 一 定 の 本 人 性 ( 本 人 確 認 の 精 度 )は 確 保 できると 考 えることもできる 携 帯 電 話 に 生 年 月 日 情 報 を 登 録 するには 携 帯 電 話 端 末 を 購 入 する 際 に 販 売 店 代 理 店 にて 登 録 を 行 う 方 法 がもっとも 有 力 である 通 常 携 帯 電 話 を 購 入 する 際 には 住 民 票 運 転 免 許 証 など 本 人 確 認 性 の 強 い 身 分 証 明 書 の 提 示 などが 必 要 であるため 携 帯 電 話 へ の 生 年 月 日 情 報 の 確 認 登 録 を 正 確 に 行 うことができるものと 考 えられる 携 帯 電 話 を 使 用 した 認 証 システムの 案 として コンピュータなどから 認 証 が 必 要 な Web ページを 閲 覧 する 際 に 携 帯 電 話 を 使 用 して 認 証 サーバにアクセスし 携 帯 電 話 が 持 つ 識 別 番 号 によって 認 証 を 受 けて 使 い 捨 てのトークンを 受 け 取 ることで Web ペー ジにアクセスができるような 仕 組 みを 考 えることができる このように 使 用 するハードウェアトークンとして 携 帯 電 話 はもっとも 有 力 なデバ イスであると 考 えられる 4.1.4 基 本 設 計 成 人 認 証 システムのデモシステムとして この 報 告 書 における 開 発 では 携 帯 電 話 を 使 用 した 認 証 システムを 例 としてあげた すなわち 携 帯 電 話 にあらかじめ 生 年 月 日 情 報 を 登 録 しておき ユーザがサービスを 利 用 するときに 登 録 されている 生 年 月 日 情 報 を 確 認 するものである 携 帯 電 話 を 使 用 した 認 証 システムの 仕 組 みを 下 記 に 従 って 説 明 する 1)ユースケース 図 システムの 利 用 のしかたをシステム 外 部 の 視 点 から 記 述 したユースケース 図 によ り 成 人 認 証 システムのデモシステムの 俯 瞰 およびシステムの 使 用 機 能 と 外 部 環 境 との 関 連 を 示 す 33
2) 配 置 図 システムの 利 用 のしかたをシステムの 観 点 から 記 述 した 配 置 図 により 成 人 認 証 システムのデモシステムの 構 成 を 示 す 3)シーケンス 図 システムの 利 用 のしかたをワークフローの 観 点 から 記 述 したシーケンス 図 により 成 人 認 証 システムのデモシステムのフローを 示 す 4.1.4.1 ユースケース 携 帯 電 話 を 使 用 した 成 人 認 証 システムの 仕 組 みをユースケース 図 によって 示 した ものが 下 の 図 である サービス 認 証 番 号 認 証 番 号 サービス 提 供 認 証 番 号 + 年 齢 情 報 年 齢 確 認 センター 認 証 番 号 + 生 年 月 日 情 報 図 4.1.4.1-1 ユースケース 図 下 記 は ユースケース 図 をユースケース 記 述 として 示 したものである ユースケース 名 : 成 人 認 証 ユースケース ゴール: 成 人 であることの 認 証 を 受 け 目 的 のサービスを 受 ける 事 前 条 件 : 所 持 する 携 帯 電 話 に 生 年 月 日 情 報 が 登 録 されていること 34
(1)アクター1:ユーザ 1.サービスを 受 けるサイトにアクセスする 2.サービスを 受 けるサイトから 認 証 番 号 を 受 け 取 る 3. 携 帯 電 話 を 使 用 し あらかじめ 携 帯 電 話 に 登 録 されている 生 年 月 日 情 報 お よび 認 証 番 号 を 年 齢 確 認 センターに 送 信 する 4.サービスを 受 けるサイトにアクセスし 目 的 のサービスの 提 供 を 受 ける (2)アクター2:サービス 1.サービスの 提 供 を 要 求 するユーザからのアクセスを 受 ける 2. 認 証 サーバに 認 証 番 号 を 要 求 する 3. 認 証 サーバから 受 け 取 った 認 証 番 号 をユーザに 提 示 する 4. 認 証 サーバから 認 証 番 号 と 年 齢 情 報 を 受 け 取 る 5. 受 け 取 った 年 齢 情 報 を 基 に サービス 提 供 の 可 否 を 決 定 する 6.サービス 提 供 が 可 能 である 場 合 サービスを 提 供 する (3)アクター3: 年 齢 確 認 センター 1.サービスからの 要 求 に 基 づき 認 証 番 号 を 発 行 し サービスに 送 信 する 2.ユーザから 認 証 番 号 と 生 年 月 日 情 報 を 受 け 取 る 3. 生 年 月 日 情 報 からユーザの 年 齢 を 算 出 する 4. 認 証 番 号 と 算 出 した 年 齢 情 報 をサービスに 送 信 する 35
4.1.4.2 配 置 図 携 帯 電 話 を 使 用 した 認 証 システムの 仕 組 みを 配 置 図 に 基 づいて 示 す 年 齢 確 認 センター 認 証 番 号 発 行 機 能 認 証 番 号 および 年 齢 情 報 送 信 機 能 認 証 番 号 および 生 年 月 日 情 報 受 信 機 能 年 齢 算 出 機 能 ユーザ( 携 帯 電 話 ) サービス ユーザ 情 報 ( 生 年 月 日 情 報 ) 登 録 機 能 認 証 番 号 入 力 機 能 情 報 送 信 機 能 提 供 サービス 機 能 認 証 番 号 取 得 および 表 示 機 能 年 齢 確 認 (サービス 提 供 可 否 決 定 ) 機 能 図 4.1.4.2-1 配 置 図 (1) 携 帯 電 話 ユーザが 持 つ 携 帯 電 話 は 以 下 の 機 能 を 備 えるものとする 1)ユーザ 情 報 ( 生 年 月 日 情 報 ) 登 録 機 能 :ユーザの 生 年 月 日 情 報 データを 登 録 保 持 する 機 能 2) 認 証 番 号 入 力 機 能 : 年 齢 認 証 センターから 発 行 された 認 証 番 号 を 入 力 する 機 能 3) 情 報 送 信 機 能 :ユーザの 生 年 月 日 情 報 データおよびユーザが 入 力 した 認 証 番 号 を 年 齢 確 認 センターに 送 信 する 機 能 (2)サービス ユーザが 認 証 を 要 求 する 先 のサービスは 以 下 の 機 能 および 機 能 を 備 えるもの とする 1) 提 供 サービス 機 能 :ユーザに 対 してサービスを 提 供 する 機 能 36
2) 認 証 番 号 取 得 および 表 示 機 能 : 年 齢 確 認 センターから 認 証 番 号 を 受 け 取 り ユーザに 提 示 する 機 能 3) 年 齢 確 認 (サービス 提 供 可 否 決 定 ) 機 能 : 年 齢 確 認 センターから 受 信 した サービスを 要 求 しているユーザの 年 齢 情 報 と 認 証 番 号 に 基 づき サービスを 要 求 しているユーザにサービスを 提 供 するかどうかを 決 定 する 機 能 (3) 年 齢 確 認 センター 年 齢 確 認 センターは 以 下 の 機 能 および 機 能 を 備 えるものとする 1) 認 証 番 号 発 行 機 能 :サービスからの 要 求 に 基 づき 認 証 番 号 を 発 行 する 機 能 2) 認 証 番 号 および 年 齢 情 報 送 信 機 能 :サービスからの 要 求 に 基 づき 発 行 した 認 証 番 号 およびユーザから 受 信 した 生 年 月 日 情 報 に 基 づき 算 出 したユーザ の 年 齢 情 報 を 送 信 する 機 能 3) 認 証 番 号 および 生 年 月 日 情 報 受 信 機 能 :ユーザから 送 信 される 認 証 番 号 お よび 生 年 月 日 情 報 を 受 信 する 機 能 4) 年 齢 算 出 機 能 :ユーザから 受 信 したユーザ 情 報 ( 生 年 月 日 情 報 )に 基 づき ユーザの 年 齢 を 算 出 する 機 能 37
4.1.4.3 シーケンス 図 携 帯 電 話 を 使 用 した 認 証 システムの 仕 組 みをシーケンス 図 に 基 づいて 示 す ユーザ 携 帯 電 話 サービス 年 齢 確 認 センター サービス 開 始 要 求 認 証 番 号 要 求 認 証 番 号 発 行 認 証 番 号 提 示 認 証 番 号 入 力 認 証 番 号 + 生 年 月 日 情 報 認 証 番 号 + 年 齢 情 報 サービス 提 供 可 否 決 定 サービス 提 供 図 4.1.4.3-1 シーケンス 図 1.ユーザは サービスに 対 してサービス 要 求 を 行 う 2.サービスは 年 齢 確 認 センターに 対 して 認 証 番 号 の 要 求 を 行 う 3. 年 齢 確 認 センターは サービスに 対 して 認 証 番 号 の 発 行 および 送 信 を 行 う 4.ユーザはサービスから 認 証 番 号 を 取 得 する 5.ユーザは 所 持 する 携 帯 電 話 に 認 証 番 号 を 入 力 する 6.ユーザは 入 力 した 認 証 番 号 および あらかじめ 携 帯 電 話 に 登 録 されてい る 生 年 月 日 情 報 を 年 齢 確 認 センターに 対 して 送 信 する 7. 年 齢 確 認 センターは ユーザから 送 信 された 生 年 月 日 情 報 に 基 づいてユーザ の 年 齢 を 算 出 し 算 出 した 年 齢 および 認 証 番 号 をサービスに 送 信 する 8.サービスは 年 齢 確 認 センターより 受 信 したユーザの 年 齢 に 基 づいて ユー ザに 対 してサービスを 提 供 するかどうかを 決 定 する 9.ユーザに 対 してサービスを 提 供 することを 決 定 した 場 合 サービスはユーザ にサービスを 提 供 する 38
4.1.5 携 帯 電 話 を 使 用 した 認 証 システム 携 帯 電 話 を 使 用 した 認 証 システムの 仕 組 み および 認 証 を 受 けるまでの 流 れを 下 記 の 図 に 示 す 7 年 齢 を 算 出 し 認 証 番 号 と 紐 付 け る 8 認 証 番 号 と 年 齢 情 報 を 送 信 3 認 証 番 号 発 行 年 齢 確 認 センター 6 認 証 番 号 と 生 年 月 日 情 報 を 通 信 4 認 証 番 号 を 表 示 5 認 証 番 号 入 力 携 帯 電 話 あらかじめ 生 年 月 日 情 報 を 登 録 しておく 2 認 証 番 号 要 求 9 年 齢 を 確 認 し てサービスを 開 始 直 接 入 力 ( QRコード) ( IR 通 信 ) 1アクセス Webページ 情 報 家 電 自 販 機 など ユーザ 図 4.1.5-1 携 帯 電 話 を 使 用 した 認 証 システム 1.ユーザは 提 供 を 受 けたいサービスにアクセスする 2.サービスは 年 齢 確 認 センターに 認 証 番 号 の 発 行 を 要 求 する 3. 年 齢 確 認 センターは サービスからの 要 求 に 基 づき 認 証 番 号 をサービスに 発 行 する 4.サービスは 年 齢 確 認 センターから 受 け 取 った 認 証 番 号 をユーザに 提 示 する 5.ユーザは サービスから 提 示 された 認 証 番 号 を 携 帯 電 話 に 入 力 する 6.ユーザは 携 帯 電 話 を 使 用 して 入 力 した 認 証 番 号 および 携 帯 電 話 にあらか じめ 登 録 されている 生 年 月 日 情 報 を 年 齢 確 認 センターに 送 信 する 7. 年 齢 確 認 センターは ユーザから 受 け 取 った 生 年 月 日 情 報 に 基 づき 年 齢 を 算 出 する 8. 年 齢 確 認 センターは 算 出 した 年 齢 情 報 と 認 証 番 号 と 紐 付 けて サービスに 送 信 する 9.サービスは 年 齢 確 認 センターから 受 け 取 ったユーザの 年 齢 情 報 に 基 づき サービスの 提 供 可 否 を 決 定 する サービスの 提 供 が 可 能 である 場 合 には ユー ザへのサービス 提 供 を 開 始 する 39
4.1.6 要 約 図 本 報 告 書 で 提 案 をしている 成 人 認 証 システム を 要 約 した 図 を 下 記 に 示 す 5. 年 齢 確 認 構 成 要 素 及 び 要 素 間 の 関 係 動 作 4. 認 証 番 号 + 生 年 月 日 情 報 送 信 年 齢 確 認 サーバ 1. 認 証 番 号 発 行 6. 年 齢 情 報 送 信 生 年 月 日 情 報 携 帯 電 話 3. 認 証 番 号 入 力 認 証 番 号 提 示 表 示 表 示 サービス 2. 認 証 番 号 出 力 7.サービス 提 供 携 帯 電 話 を 使 用 した 認 証 システム( 本 報 告 書 の 案 ) 40
4.2 成 人 認 証 システムのデモシステムの 検 証 成 人 認 証 システムのデモシステムを 実 際 に 運 用 する 際 の 課 題 は 表 4.2-1 成 人 認 証 シ ステムの 課 題 に 整 理 した 表 4.2-1 成 人 認 証 システムの 課 題 ユーザ 運 用 側 導 入 時 サービスに 対 応 していない 携 帯 電 話 を 持 っている 場 合 追 加 コストが 必 要 ( 端 末 の 買 い 替 え 等 ) 携 帯 電 話 販 売 店 での 登 録 作 業 ( 登 録 作 業 の 複 雑 化 登 録 内 容 の 信 頼 度 等 ) 運 用 時 携 帯 電 話 を 不 正 利 用 される 可 能 性 ( 紛 失 盗 難 ) 携 帯 電 話 を 不 正 利 用 される 可 能 性 (ユーザが 意 図 的 に 他 人 に 貸 与 した 場 合 等 ) 41
5 関 連 する 既 存 特 許 本 報 告 書 で 提 案 している 成 人 認 証 システム に 関 連 する 既 存 特 許 を 特 許 庁 のデータベース 1 から 検 索 した 結 果 を 表 5-1 関 連 する 既 存 特 許 に 示 す 検 索 に 使 用 したキーワードは 本 人 認 証 AND 携 帯 電 話 および 携 帯 電 話 AND 生 年 月 日 である これらの 既 存 特 許 では 本 報 告 書 で 提 案 する 成 人 認 証 システム やそれに 関 連 する 本 人 認 証 システム を 検 討 するうえで 参 考 になる 考 え 方 や 技 術 が 含 まれており 本 報 告 書 で 提 案 する 成 人 認 証 システム を 理 解 するうえでも 役 立 つものと 考 えられる 1 独 立 行 政 法 人 工 業 所 有 権 情 報 研 修 館 特 許 電 子 図 書 館 (http://www.ipdl.inpit.go.jp/tokujitu/tokujitu.htm) 42
表 5-1 関 連 する 既 存 特 許 No. 特 許 番 号 タイトル 特 徴 要 点 1 特 開 2008-193578 携 帯 電 話 機 携 帯 電 話 機 器 に 生 年 月 日 を 登 録 し 現 在 時 刻 と 比 較 することで 使 用 者 の 年 齢 を 算 出 して 年 齢 制 限 のあるアプリケー ションの 起 動 判 定 を 行 う 2 特 開 2008-021366 コンテンツ 再 生 装 置 コンテンツ 再 生 方 法 コンピュータプログラ ム 及 びコンピュータプログラム 記 録 媒 体 携 帯 端 末 に 生 年 月 日 再 生 許 可 されたパスワード 端 末 IDを 登 録 する コンテンツ(DVD 等 )を 再 生 する 際 に 利 用 者 および 周 辺 の 携 帯 端 末 保 持 者 の 生 年 月 日 パスワードIDをコンテンツ 再 生 装 置 が 取 得 し 装 置 内 の 年 月 日 情 報 と 比 較 することで 再 生 許 可 を 行 う 3 特 開 2006-146441 本 人 確 認 情 報 登 録 済 携 帯 電 話 携 帯 電 話 を 使 用 した 本 人 確 認 シス テム 及 び 本 人 認 証 装 置 携 帯 電 話 に 顔 写 真 画 像 運 転 免 許 証 の 番 号 パスポート 番 号 などをあらかじめ 読 出 専 用 として 登 録 し 顔 写 真 を 画 面 へ 表 示 もしくはネットワークに 送 信 し 認 証 を 行 うことで 掲 載 を 行 う 4 特 開 2004-021748 認 証 情 報 通 知 方 法 及 び 認 証 システム 並 びに 情 報 端 末 装 置 5 特 開 2003-281099 生 体 情 報 画 像 認 証 システムと 生 体 情 報 画 像 認 証 方 法 携 帯 認 証 装 置 ( 情 報 端 末 装 置 )へのアクセスが 見 込 まれる 個 人 の 認 証 用 個 人 情 報 を 端 末 内 に 登 録 し アクセスしよう とする 人 の 個 人 情 報 を 取 得 し 登 録 してある 個 人 情 報 と 照 合 し 照 合 情 報 に 基 づいて 個 人 の 認 証 情 報 を 作 成 して 身 元 確 認 システム( 相 手 側 端 末 )に 作 成 した 情 報 を 通 知 し 利 用 者 の 確 認 を 行 ってサービスを 行 う 顔 画 像 認 証 センタサーバに 利 用 者 の 顔 データと 利 用 する 携 帯 端 末 を 示 す 情 報 を 登 録 しておき ホームLANシステム 等 の 装 置 を 利 用 する 際 に 利 用 者 の 顔 画 像 を 取 得 し 認 証 センタで 利 用 可 能 な 人 物 かどうか 認 証 を 行 う 6 特 開 2002-094616 法 人 又 は 個 人 の 人 格 を 証 する 資 格 を 有 する 携 帯 電 話 ( 移 動 体 通 信 端 末 ) 様 々なカードの 代 わりに 携 帯 電 話 の 余 力 記 憶 媒 体 やサーバ 等 へ 個 人 情 報 ( 氏 名 生 年 月 日 など)を 一 定 のルールに 従 い 登 録 し 法 人 または 個 人 の 人 格 を 証 する 資 格 を 所 有 させ 日 常 生 活 に 係 る 手 続 き 上 の 証 明 および 処 理 手 段 に 利 用 する 7 特 開 2002-014934 本 人 認 証 システム 本 人 認 証 方 法 またはビジネス 方 法 生 体 認 証 ( 掌 紋 指 紋 声 音 など)を 行 い 認 証 結 果 をサーバに 送 付 しサーバは 取 り 引 き 先 に 認 証 結 果 を 送 付 すること で 取 り 引 き 先 との 認 証 のやりとりをする 必 要 がなくなる 43