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日 本 赤 十 字 社 との 活 動 について 明 治 学 院 が 横 浜 にヘボン 塾 を 開 いてから 150 年 に 当 たる 2013 年 は 赤 十 字 の 歴 史 においても 五 人 委 員 会 が 誕 生 し 赤 十 字 規 約 赤 十 字 の 標 章 が 決 められた 節 目 の 年 でもあった 4 月 5 日 には 日 本 赤 十 字 社 明 治 学 院 大 学 共 同 宣 言 -ボランティア パートナーシップ ビヨンド 150 - というパートナーシ ップを 結 び 調 印 式 を 行 った 共 同 宣 言 文 の 序 文 は 次 のとおりである 共 同 宣 言 文 150 年 の 時 を 経 て 今 もなお 創 始 者 のボランティア 精 神 が 息 づく 日 本 赤 十 字 社 と 明 治 学 院 大 学 私 たちは 今 年 記 念 すべき 年 を 迎 え これからの 日 本 を 世 界 を 思 い ともに 力 を 合 わせて 行 動 を 起 こします 日 本 赤 十 字 社 が 展 開 する 人 道 支 援 活 動 は 地 震 台 風 火 災 などの 国 内 災 害 支 援 地 域 や 人 のニーズに 応 じた 社 会 福 祉 活 動 病 気 やけがの 治 療 のために 血 液 を 必 要 としている 人 に 対 して 献 血 活 動 を 通 じて 医 療 機 関 に 届 ける 血 液 事 業 国 外 で 災 害 病 気 戦 争 により 苦 しむ 人 々を 支 援 する 国 際 活 動 身 近 なところ で 発 生 する 事 故 けがに 対 応 すべく 知 識 技 能 を 学 ぶ 講 習 活 動 など 多 岐 にわたっている 赤 十 字 は 名 称 は 変 われども 世 界 各 国 で 同 様 の 活 動 を 展 開 している 日 本 では 東 日 本 大 震 災 発 生 後 国 民 の 多 くが 現 地 で 足 を 運 んだり 募 金 など 何 らかの 形 で 支 援 した しかし 震 災 後 3 年 になろうとする 今 復 興 半 ばの 現 状 にありながら 支 援 の 熱 は 冷 めているのが 現 状 であ る また 若 年 層 のボランティア 全 般 への 関 心 は 必 ずしも 高 いとはいえない しかし 大 勢 の 学 生 がボラ ンティア 活 動 を 行 っている 明 治 学 院 大 学 には 日 本 赤 十 字 社 が 求 めるニーズに 応 える 下 地 がある 昨 年 夏 に 開 催 された 北 海 道 ルスツリゾートを 会 場 に 行 われた サマーキャンプ ( 東 北 3 県 の 子 ども 約 2000 人 が 参 加 )は 共 同 宣 言 後 初 の 企 画 であったが 10 名 の 派 遣 枠 に 対 して 70 名 を 越 える 学 生 からの 応 募 があった 同 時 期 に 白 金 キャンパスで 開 催 された 若 者 向 けボランティア 啓 発 イベント JOIN! 赤 十 字 はあなたの 力 を 待 っている では AKB 48 グループのタレントとともに 30 名 を 越 える 学 生 が ボランティア 活 動 への 参 加 を 呼 びかけた このイベントではこうした 日 本 赤 十 字 社 の 活 動 に 携 わるため にボランティアセンターの 元 で 結 成 された 明 学 レッドクロス も 紹 介 された 明 学 レッドクロスのメ ンバーは 救 急 講 習 や 日 本 赤 十 字 社 本 部 見 学 などで 学 びながら 年 末 恒 例 の NHK 海 外 たすけあい 運 動 に 企 画 から 参 加 するなど 徐 々にではあるが 活 動 の 幅 を 広 げている 次 頁 からは 今 年 度 の 活 動 に 参 加 した 学 生 4 名 による 活 動 報 告 である いずれも 今 後 の 活 動 に 期 待 が 持 てる 内 容 である ご 一 読 いただきたい ( 波 多 野 ) ( 参 考 資 料 ) 赤 十 字 情 報 プラザ 図 書 史 料 展 示 情 報 公 開 [ ご 案 内 ] INTERNATIONAL RED CROSS 2013( 日 本 赤 十 字 社 ) 29
明 学 レッドクロス 明 学 レッドクロス 発 足 本 年 は 赤 十 字 思 想 が 誕 生 150 周 年 であり また 明 治 学 院 は 創 立 150 周 年 という 記 念 すべき 年 であっ た 日 本 赤 十 字 社 と 明 治 学 院 大 学 ( 以 下 明 学 )はボランティア パートナーシップを 結 び 今 後 ともに 活 動 を 行 っていく 事 を 宣 言 した これとともに 今 夏 に 発 足 したのが 明 学 レッドクロス である 初 期 メンバーは9 名 であったが 現 在 では 19 名 となり 活 動 のさらなる 活 性 化 を 目 標 としている 本 年 度 の 主 な 活 動 内 容 まず 今 夏 に 日 本 赤 十 字 社 の 2013 年 度 の 新 キャンペーン JOIN! 赤 十 字 は あなたの 力 を 待 って いる の 記 者 発 表 会 が 白 金 校 舎 で 行 われた この 記 者 会 見 には 震 災 当 初 から 継 続 的 に 東 北 支 援 を 行 っ ている AKB48 の 渡 辺 麻 友 さんと SKE48 の 木 崎 ゆりあさんが 参 加 し 多 数 のメディア 機 関 が 来 校 す るなど 大 々 的 な 記 者 会 見 となった また 二 人 は 学 生 とともに 炊 き 出 しを 行 い 塩 むすびと 復 興 支 援 活 動 を 展 開 している 岩 手 県 大 槌 町 吉 里 吉 里 地 区 の 郷 土 料 理 こまこま 汁 を 作 った 10 月 白 金 校 舎 で 行 われた 献 血 の 際 には 明 学 レッドクロスと 海 外 プログラム 事 業 部 がともに 献 血 促 進 のためプラカードを 持 って 宣 伝 活 動 を 行 った 白 金 キャンパスの 献 血 活 動 に 学 生 が 参 加 するのは 今 回 が 初 めてであり 今 後 も 若 者 の 献 血 活 動 促 進 に 努 めたいと 考 えている 12 月 には 大 森 支 社 での 講 習 会 と 日 本 赤 十 字 社 の 本 社 見 学 に 参 加 し 社 員 の 方 々から 赤 十 字 の 歴 史 や 今 までの 主 な 活 動 内 容 今 後 の 展 望 についての 説 明 をしていただいた メンバー 一 同 日 本 赤 十 字 社 に 対 する 知 識 を 深 め 今 後 の 活 動 におけるヒントを 得 る 事 ができたと 感 じている また 今 回 の 見 学 で 創 立 150 周 年 である 他 にも 多 数 の 共 通 点 がある 事 を 知 り 明 学 レッドクロスとして 活 動 する 事 の 使 命 感 を 再 認 識 できた 場 ともなった 新 しい 団 体 であるからこそ 明 学 レッドクロスの 今 後 の 可 能 性 は 無 限 大 で ある 今 後 も 知 名 度 普 及 活 動 のさらなる 貢 献 に 努 めたい 日 本 赤 十 字 社 本 部 社 員 との 集 合 写 真 日 本 赤 十 字 社 社 員 からの 説 明 を 受 ける 様 子 ( 経 済 学 部 国 際 経 営 学 科 2 年 中 島 由 葵 ) 30
サマーキャンプ 2013 年 8 月 に 東 北 3 県 の 子 ども 達 を 対 象 とし たサマーキャンプに 参 加 した 今 回 のサマーキャ ンプへの 参 加 は 非 常 に 責 任 感 を 感 じると 同 時 に 子 どもという 存 在 の 大 きさを 感 じるキャンプだった 震 災 を 経 験 した 子 ども 達 が 参 加 し また 心 に 傷 を 負 っている 子 がほとんどで その 中 での 彼 らへ の 接 し 方 には 慎 重 になった また 今 回 の 子 ども 達 の 参 加 は 彼 らの 家 族 の 思 いが 詰 まっているキャ ンプであり 子 ども 達 にとって 一 生 の 思 い 出 に 残 るようなキャンプにしたい そのような 思 いで 臨 んだ 最 初 子 ども 達 は 人 見 知 りが 激 しく 一 緒 のグループの 子 とも 打 ち 解 けずにいた しかし 時 間 が 経 つにつれて 子 ども 達 は 周 りに 多 くの 友 達 を 作 っていた それと 同 時 に 笑 顔 も 増 えていっ た 子 ども 達 が 笑 顔 で 無 邪 気 に 外 で 遊 ぶ 姿 を 今 でも 覚 えている 私 もその 姿 を 見 て 楽 しい 気 持 ちと 幸 せな 気 持 ちが 心 の 中 にあった そこで 震 災 の 被 害 にあった 子 ども 達 ではなく 無 邪 気 に 遊 ぶ 子 ども 達 に 気 持 ちが 変 わり 自 分 も 一 緒 になって 走 り 回 った 単 純 に 楽 しかったのを 覚 えている この 子 達 が 住 んでいる 町 の 方 達 も 同 じような 気 持 ちなのだろうな と 感 じた 子 ども 達 の 元 気 な 姿 を 見 ていると 楽 しくなり 幸 せな 気 持 ちになる その 気 持 ちが 町 の 人 の 元 気 にもつながるのかなと 感 じた 子 どもは 地 域 にとってかけがえのない 存 在 である 今 回 のキャンプでの 子 ども 達 の 笑 顔 や 思 い 出 は 彼 らの 住 んでいる 地 域 の 人 達 に 元 気 や 勇 気 を 与 えると 信 じている 震 災 からの 復 興 に 子 ども 達 の 笑 顔 は 欠 かせない このキャンプの 終 わり 際 子 ども 達 から 一 人 ひとりメッセージを 頂 いた メッセージには 一 緒 に 遊 んでくれてありがとう みんなを 笑 わせてくれてありがとう 仲 良 くなれてうれしかった と 書 いてあった 大 人 も 子 ども 達 と 一 緒 になって 楽 しむ それが 地 域 にとっても 子 どもにとっても 大 切 なことなのだと 感 じた ( 学 生 メンバー 国 際 学 部 国 際 学 科 2 年 若 松 健 太 ) 31
JOIN! 概 要 この 活 動 は 4 月 にボランティア パートナーシップを 結 んだ 本 学 が 日 本 赤 十 字 社 に 全 面 的 に 協 力 し 日 本 赤 十 字 社 による 若 者 へ 向 けたボランティア 啓 発 キャンペーンのPRの 他 炊 き 出 し 訓 練 を 白 金 キ ャンパスで 行 ったものである 新 たに 発 足 した 明 学 レッドクロスの 紹 介 をした 活 動 内 容 日 本 赤 十 字 社 のオフィシャルメッセンジャーを 務 めるAKB 48 グループの 渡 辺 麻 友 さんと 木 崎 ゆり あさんが 登 場 し ご 自 身 が 参 加 した 赤 十 字 でのボランティア 体 験 を 伝 えながら ボランティア 活 動 への 参 加 を 呼 びかけた 赤 十 字 と 連 携 しボランティア 活 動 を 行 うため 新 たに 結 成 された 私 たち 明 学 レッド クロス のメンバーも 登 壇 し 今 後 の 活 動 への 抱 負 と 意 気 込 みを 熱 く 語 った また 炊 き 出 し 訓 練 では 本 学 学 生 達 が 定 期 的 にボランティア 活 動 で 訪 れている 岩 手 県 大 槌 町 吉 里 吉 里 地 区 の 郷 土 料 理 こまこま 汁 と 塩 むすびを 配 り 日 ごろの 訓 練 の 重 要 性 を 互 いに 確 認 することができた 感 想 日 本 赤 十 字 社 との 連 携 ボランティア 活 動 の 為 の 決 意 表 明 の 場 であった 当 日 は 想 像 をはるかに 超 えた 報 道 陣 や 赤 十 字 社 の 社 員 の 方 々がおり しっかりと 活 動 していかなければならないと 感 じた 活 動 内 容 がはっきりしていない 中 での 決 意 表 明 であった 為 インタビュー 等 でははっきりしたことが 伝 えられず 残 念 だった ボランティア 活 動 には 今 後 さらに 若 者 の 力 が 必 要 とされていると 感 じるので 本 学 の 明 学 レッドクロスから 日 本 赤 十 字 社 のボランティア 活 動 その 他 ボランティア 活 動 を 若 者 に 呼 びかけていき たいと 感 じた 明 学 レッドクロスとして 今 後 積 極 的 に 活 動 していきたい JOIN! 集 合 写 真 炊 き 出 し 訓 練 塩 むすびを 作 っている 様 子 ( 社 会 学 部 社 会 福 祉 学 科 3 年 藤 田 好 美 ) 32
海 外 たすけあい 海 外 たすけあいボランティアのメンバーは 16 人 そのうち 明 学 生 はおよそ7 割 を 占 めていた 他 大 学 では 明 治 大 学 中 央 大 学 跡 見 女 子 学 園 大 学 などから 来 ており 日 本 赤 十 字 社 での 活 動 をサ ークルで 行 っている 人 が 多 く そのノウハウもあってか 活 動 はとてもスムーズに 行 われた 活 動 では 主 にチラシ 動 画 アンケート 募 金 チームなどに 分 かれ 掛 け 持 ちをしたり お 手 伝 い をしたり その 時 々で 楽 しみながら 活 動 ができた 特 に シンポジウムのお 手 伝 い 等 もメンバーへ 要 請 があった 為 チラシとアンケートは 多 く 配 布 され 回 収 できていた 印 象 に 残 っているのは 日 本 赤 十 字 社 の 近 衛 忠 煇 社 長 にインタビューする 機 会 を 持 てた 事 と 募 金 活 動 ができた 事 である インタビューでは 堅 苦 しいものだけでなく 学 生 生 活 や 仕 事 で 行 った 先 で 楽 しか った 国 やおいしかった 料 理 など さまざまなお 話 が 聞 けた 特 にワニを 食 べた 話 は 興 味 深 く 品 種 によ って 味 が 違 うのか 自 分 でも 確 かめに 行 きたくなるほどだった また 赤 新 月 などの 新 マーク 作 成 の 秘 話 など なかなか 聞 けない 話 をたくさん 聞 くことができ とても 楽 しかった ( 写 真 : 日 本 赤 十 字 社 提 供 ) 近 衛 社 長 とともに 記 念 撮 影 街 頭 で 募 金 を 呼 びかける 様 子 募 金 活 動 は 職 員 の 方 の 手 を 借 りながら 横 浜 駅 や 品 川 駅 などの 主 要 な 駅 で 土 日 13 時 から2 時 間 ほど 街 頭 募 金 を 行 った 人 通 りの 激 しい 中 声 をかけ 続 ける 気 力 や ちらりと 一 瞥 される 圧 力 に 耐 えな がら 立 つ2 時 間 は 大 変 だがとても 楽 しく どうすればより 募 金 がしやすく 気 持 ちよく 募 金 ができるの か とても 考 えさせられる 活 動 だった 日 本 赤 十 字 社 では 献 血 や 病 院 事 業 などがよく 知 られているが 海 外 への 人 道 支 援 はあまり 知 られてい ないようだ これをキッカケに 多 くの 人 に 海 外 たすけあいについて 知 ってもらい もっと 国 内 外 の 支 援 活 動 につ いて 知 ってもらえるよう 今 後 も 活 動 を 続 けていきたいと 思 う ( 社 会 学 部 社 会 福 祉 学 科 1 年 酒 井 昂 杜 ) 33
画 像 でふりかえるサマーキャンプ ルスツリゾートでの 活 動 の 様 子 をスタッフの 目 線 でまとめた キャンプ 前 日 スタッフ 対 象 の 事 前 講 習 第 1 日 入 村 式 の 様 子 第 2 日 毛 布 を 使 っての 担 架 搬 送 訓 練 の 様 子 第 3 日 選 択 プログラムでクライミングに 挑 戦 第 3 日 選 択 プログラムでレザーワークに 挑 戦 第 4 日 最 終 日 にスタッフとして 見 送 り 画 像 提 供 : 日 本 赤 十 字 社 34