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07 SDGsとCSV演習

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5. 政治経済学部 ( 政治行政学科 経済経営学科 ) (1) 学部学科の特色政治経済学部は 政治 経済の各分野を広く俯瞰し 各分野における豊かな専門的知識 理論に裏打ちされた実学的 実践的視点を育成する ことを教育の目標としており 政治 経済の各分野を広く見渡す視点 そして 実践につながる知識理論

受付番号 Panasonic NPO/NGO サポートファンド for SDGs [ 国内助成 ] 2019 年募集 新規助成応募企画書 ( 様式 1) パナソニック株式会社御中 応募要項に記載の 個人情報の取り扱い に同意の上 応募します 応募日 :2019 年月日 (1) 応募団体

1 発達とそのメカニズム 7/21 幼児教育 保育に関する理解を深め 適切 (1) 幼児教育 保育の意義 2 幼児教育 保育の役割と機能及び現状と課題 8/21 12/15 2/13 3 幼児教育 保育と児童福祉の関係性 12/19 な環境を構成し 個々 1 幼児期にふさわしい生活 7/21 12/

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社会福祉の普遍化 への新地平 ~ 平和 福祉国家としての日本再生のために ~ New Horizon of Social Welfare Universalization and for Japan Playing as Peace and Welfare State KAWAMURA, Masay

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⑴ 政策目的本件は, 我が国において開発資金のための国際連帯税 ( 国際貢献税 ) を導入し, 持続可能な開発のための 2030 アジェンダ 等, 国際的な開発目標の達成に対応 貢献するために, 世界の開発需要に対応し得る幅広い開発資金を調達するもの これは, 外務省政策評価, 基本目標 Ⅵ 経済協

地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム (SATREPS) 研究課題別中間評価報告書 1. 研究課題名 テーラーメード育種と栽培技術開発のための稲作研究プロジェクト (2013 年 5 月 ~ 2018 年 5 月 ) 2. 研究代表者 2.1. 日本側研究代表者 : 山内章 ( 名古屋大学大学

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習う ということで 教育を受ける側の 意味合いになると思います また 教育者とした場合 その構造は 義 ( 案 ) では この考え方に基づき 教える ことと学ぶことはダイナミックな相互作用 と捉えています 教育する 者 となると思います 看護学教育の定義を これに当てはめると 教授学習過程する者 と

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名称未設定-1

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により 都市の魅力や付加価値の向上を図り もって持続可能なグローバル都 市形成に寄与することを目的とする活動を 総合的 戦略的に展開すること とする (2) シティマネジメントの目標とする姿中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりという将来に向けた大規模プロジェクトの推進 並びに産業振興 都市観光 地

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本日のポイント 事業のグローバル化の進展に伴い 長期ビジョンVG2020 * と共に現在のリスクマネジメントがスタート 経営陣とオムロンらしいリスクマネジメントは何かについて議論しながら 社会的責任の遂行 等を目標とする グローバル に 統合 された仕組み作りを目指して活動をしてきた 現在 取締役会

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目次 1. 調査概要 Page 2 2. 回答者属性 Page 3 3. 問 1. 地球儀を俯瞰する外交 Page 4 4. 問 2. 日本の国連安保理非常任理事国としての取組 Page 5 5. 問 3. 東アジアの安全保障政策 Page 6 6. 問 4. 女性参画推進における国際的取組 WAW

教育 学びのイノベーション事業 ( 平成 23~25 年度 ) 総務省と連携し 一人一台の情報端末や電子黒板 無線 LAN 等が整備された環境の下で 教科指導や特別支援教育において ICT を効果的に活用して 子供たちが主体的に学習する 新たな学び を創造する実証研究を実施 小学校 (10 校 )

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評価項目 評価ポイント 所管部局コメント 評価 国際交流に関する情報の収集及び提供事業国際交流活動への住民の参加促進事業国際理解推進事業在住外国人に対する相談事業在住外国人に対する支援事業 安定 確実な施設運営管理 公正公平な施設使用許可や地域に出向いた活動に取り組むなど新たな利用者の増加に努め 利


(CANACINTRA) 等と連携を図りつつ設置する案を有しており 国家中小企業コンサルタント養成 認定制度を具現化するためにいかにして事業を進めていくかが課題となっている (2) 相手国政府国家政策上の位置づけカルデロン大統領は 近代的かつ競争力のある経済の強化及び雇用の創出 を 治安 貧困撲滅

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はじめに サントリーグループは 企業理念として定める 人と自然と響きあう と Growing for Good 及びサントリーグループ企業倫理綱領に基づき 安全 安心で高品質な商品 サービスをお届けするために 国連グローバル コンパクト 署名企業として公正 公平な取引を実施し サプライチェーン上のお

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間を検討する 締約国が提出した 貢献 は 公的な登録簿に記録される 締約国は 貢献 ( による排出 吸収量 ) を計算する また 計算においては 環境の保全 透明性 正確性 完全性 比較可能性及び整合性を促進し 並びに二重計上の回避を確保する 締約国は 各国の異なる事情に照らしたそれぞれ共通に有して

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フィンテックは資本市場と経済構造をどう変えるか 3 2 種類の意味での変化 新しいタイプのビジネスの出現 比較的短期的な革新 近年のフィンテックベンチャーの出現 より本質的な構造変化の可能性 より中長期的な革新 スマートコントラクト 仮想通貨 電子通貨 4 2 種類の意味での変化 ブロックチェーン技

基本方針 2 児童 生徒一人ひとりに応じた学習を大切にし 確かな学力の育成を図ります 基本方針 2 児童 生徒一人ひとりに応じた学習を大切にし 確かな学力の育成を図ります (1) 基礎的 基本的な学力の定着児童 生徒一人ひとりが生きる力の基盤として 基礎的 基本的な知識や技能を習得できるよう それぞ

AIの活用により、持続可能な日本の未来に向けた政策を提言

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13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

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2017 年度開講科目 1) D1801 現代世界と人間 1: 内なる国際化としての多文化共生 1 明学共通科目担当講師 : 高桑光徳先生長谷部美佳先生, 開講曜日時限 : 春学期月曜 4 横浜 C 2) D1802 現代世界と人間 2: 内なる国際化としての多文化共生 2 明学共通科目

看護部 : 教育理念 目標 目的 理念 看護部理念に基づき組織の中での自分の位置づけを明らかにし 主体的によりよい看護実践ができる看護職員を育成する 目標 看護職員の個々の学習ニーズを尊重し 専門職業人として成長 発達を支援するための教育環境を提供する 目的 1 看護専門職として 質の高いケアを提供

2019 年 G20 新潟農業大臣宣言 ( 仮訳 ) 序文 (1) 農業は 古の石器時代から現代の科学の時代にいたるまで 文明とともに発展してきた 今や我々は 我々の食料システムにとって 新たな課題と可能性の時代に突入している 増加する世界の人口に対し 食料安全保障を達成し栄養を改善するため 生産性

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OECD よりよい暮らしイニシアチブ (OECD Better Life Initiative) は 人々の生活の質を形成する重要な生活の諸側面に焦点を当てたもので 2011 年に始まりました このイニシアチブは定期的に更新される幸福指標とその分析からなっており How's Life? と題する報告


どのような便益があり得るか? より重要な ( ハイリスクの ) プロセス及びそれらのアウトプットに焦点が当たる 相互に依存するプロセスについての理解 定義及び統合が改善される プロセス及びマネジメントシステム全体の計画策定 実施 確認及び改善の体系的なマネジメント 資源の有効利用及び説明責任の強化

下の図は 平成 25 年 8 月 28 日の社会保障審議会介護保険部会資料であるが 平成 27 年度以降 在宅医療連携拠点事業は 介護保険法の中での恒久的な制度として位置づけられる計画である 在宅医療 介護の連携推進についてのイメージでは 介護の中心的機関である地域包括支援センターと医療サイドから医

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Transcription:

青年海外協力隊 日系社会青年ボランティア第二回全国 OV 教員 教育研究シンポジウム 途上国経験を SDGs 時代の 日本の教育に活かす - 協力隊を日本の文化にする @JICA 関西センター 2018 年 12 月 23 日佐藤真久東京都市大学教授 m-sato@tcu.ac.jp/ masahisasato@hotmail.com

- 第 Ⅰ 部 - これからの時代と 2030 年のありうる日本社会 2

グローバルで複雑な問題 (Global Problematique) ユースの雇用問題教育の質自然災害高齢化エネルギー問題 気候変動 グローバルな金融 経済危機ガバナンス肥満貧困格差社会的公正紛争 生物多様性喪失 人工知能に奪われる職 水問題 ( 質 量 アクセス ) 3

これからの時代 大加速化の時代 大加速化 (Great Acceralation) の時代 戦後の社会経済における大変化 ( 第二次世界大戦後に急速に進んだ人口の増加 経済のグローバリゼーション 工業における大量生産 農業の大規模化 大規模ダムの建設 都市の巨大化 テクノロジーの進歩など ) 地球環境に甚大な影響 ( 個々の加速化がもたらす更なる加速化 ) 第二次世界大戦後に急速に進んだ人口の増加 経済のグローバリゼーション 工業における大量生産 農業の大規模化 大規模ダムの建設 都市の巨大化 テクノロジーの進歩といった社会経済における大変化は 二酸化炭素やメタンガスの大気中濃度 成層圏のオゾン濃度 地球の表面温度や海洋の酸性化 海の資源や熱帯林の減少といったかたちで地球環境に甚大な影響を及ぼしている 人口の急激な増加が 都市への人口集中 ( 大都市化 ) などを促していることからも分かるとおり 個々の加速化が 更なる加速化を生み出している 4

これからの時代 : 大加速化の時代 ~ 世界人口の加速度的増加 http://maholova.net/blog/wp-content/uploads/2015/03/ スクリーンショット -2015-03-11-14.18.19.png http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/hakusyo.php3?kid=215 5

これからの時代 : 大加速化の時代 ~ 大都市化 ( メガシティ化 ) Source: United Nations World Urbanization Prospects https://www.bloomberg.com/graphics/infographics/global-megacities-by-2030.html Bloomberg L.P. Published Sep. 9, 2014 6

これからの時代 : 大加速化の時代 ~ 地球環境への大きい影響 ユースの雇用問題自然災害高齢化エネルギー問題 気候変動 グローバルな金融 経済危機ガバナンス肥満貧困格差社会的公正紛争 人工知能に奪われる職 グレート アクセラレーション ( 大加速 ) とは 20 世紀後半における人間活動の爆発的増大を指す言葉である 第二次世界大戦後に急速に進んだ人口の増加 グローバリゼーション 工業における大量生産 農業の大規模化 大規模ダムの建設 都市の巨大化 テクノロジーの進歩といった社会経済における大変化は 二酸化炭素やメタンガスの大気中濃度 成層圏のオゾン濃度 地球の表面温度や海洋の酸性化 海の資源や熱帯林の減少といったかたちで地球環境に甚大な影響を及ぼしている J. R. McNeill, The Great Acceleration: An Environmental History of the Anthropocene since 1945, Belknap Press, 2016. http://10plus1.jp/monthly/2017/01/issue-09.php 7

これからの時代 ~ 地球惑星の時代 (Torres, A. 2013) 8 地球惑星 (Global Planet) の時代 地球惑星的市民性 貧困 社会的排除問題だけではなく 地球資源制約 環境問題への対応 普遍的価値としての人権のみではなく 自然生存権への配慮 グローバルな社会と共通する人間性への帰属意識 ( グローバルな連帯 主体性 責任性を有する感覚 行動を起こすこと 普遍的な価値に基づきその価値を尊重すること ) 人間活動が全地球規模に影響を与えている今日において 惑星である地球を意識しなければならないという意味合いとして 地球惑星時代 と呼ぶこととしたい

これからの時代 ~ 混成文化の時代 (Torres, A. 2013) 9 混成文化 (Hybrid Culture) の時代 グローバルな移動と交流がもたらす文化の混成性 ( 社会基盤や文化の大きな変化 ) 公益に対するコミットメント 個人的考えに基づく 民主的 多文化的市民性 多元的な地球市民性 ( ポスト国家の世界市民性 ) 行動的な地球市民性 既存枠組で捉えない 変化への対応能力 混成文化 の時代においては 我々自身が 社会基盤や文化も常に変化をしていると自覚していないと 直面する問題を見誤ることがあることを認識する必要がある 近年の変化の激しい時代 ( 大加速化の時代や VUCA の時代 ) においては 目の前の変化を見落とすことにつながりかねない

これからの時代 ~ 外部のないグローバリゼーションの時代 10 外部のないグローバリゼーション (Globalization without Externality) の時代 1980 年代中葉以降の 経済のグローバル化 自然資源や産業 生活廃棄物のように 企業活動や生活から 外部化 し 自らの責任範囲外のものとして従来調達 処理してきたものも 全て 内部化 していかなければならない時代 外部のないグローバリゼーション の時代においては 自然資源や産業 生活廃棄物のように 企業活動や生活から 外部化 し 自らの責任範囲外のものとして従来調達 処理してきたものも 全て 内部化 していかなければならない時代に入ったと言えよう

これからの時代 ~VUCA の時代 11 VUCA( 変動 不確実 複雑 曖昧 ) 時代 Volatility( 変動性 ) Uncertainty( 不確実性 ) Complexity( 複雑性 ) Ambiguity( 曖昧性 ) 既存の枠組に基づく対応の限界 ( リスク社会 レジリエンス社会 危険社会化 格差社会化 富過剰と貧困蓄積と相互規定的対立 ) 従来の枠組みにとらわれず 社会の変化に合わせた状況的な対応力 現在のビジネスや社会が既存の枠組みでは捉えづらいことを象徴している VUCA 社会では 既存の枠組みにとって未知の状況が生じ これまでの延長上では 予測できないことを意味している 従来の枠組みにとらわれず 社会の変化に合わせた状況的な対応力が より求められていると言えよう

2030 年の ありうる日本社会 4 つの大変化と国際秩序の変動 1 人口の変化 少子化 / 長寿化 / 東京一極集中 / 世界の人口爆発 2 技術の変化 革新技術 ( 生命工学 人工知能 ロボット 自動運転 IOT) / 情報通信 / エネルギー 3 環境の変化 異常気象 / 災害 / 食糧 4 時空の変化 サイバー / グローバル化 / 宇宙 / 海洋 / 時間 国際秩序の変動 多極化 / 中国の台頭 / シーレーン安全保障 国家戦略本部 (2014) 2030 年の日本 検討 対策プロジェクト 12

- 第 Ⅱ 部 - MDGs と SDGs ~ 異なる社会背景とその前提 ~ 13

持続可能な開発目標 (SDGs) 2016-2030 14 持続可能な開発目標 とは https://youtu.be/tzxklpu9f2m?list=plne0pdysfdivs2l1ha5rhxitm7nfpwy-g 持続可能な開発目標の中心には 誰も置き去りにはしない という決意があります https://www.youtube.com/watch?v=yeqjzdryicm&index=1&list=plne0pdysfdiuqniznz79p7ixqonrgadar 193 カ国がプランを掲げた すべての人はこのプランをしっかり知らなきゃならない このプランは地球のため https://www.youtube.com/watch?v=3ajoaug1dww&list=plne0pdysfdivtdp_8z9wgoiyjnaypstzd&index=62 持続可能な開発目標 - この 1 年 https://youtu.be/klmrcrh0rua #WhatIReallyReallyWant ( わたしが本当に本当に欲しいもの ) https://youtu.be/vtgynp3avac?list=plne0pdysfdivs2l1ha5rhxitm7nfpwy-g

MDGs と SDGs ~ 異なる社会背景と問題認識 貧困 社会的排除問題の解決 貧困 社会的排除問題 / 地球環境問題の解決 MDGs(2001-2015) c 開発アジェンダ人権 社会的公正 開発 ( 経済 社会 人間 ) SDGs(2016-2030) c 開発 環境アジェンダ地球資源制約 環境保全 自然生存権 人権 社会的公正 開発 ( 経済 社会 人間 ) 2000 年代今日 貧困 飢餓 HIV/AIDS 南北問題 債務危機 紛争 衛生 水のアクセスと質 非識字 教育のアクセスと男女格差 社会的公正 など 気候変動 生物多様性喪失 自然災害 高齢化 エネルギー問題 社会的公正 ガバナンス 肥満 紛争 貧困格差 教育の質 ユースの雇用問題 人工知能に奪われる職 グローバルな金融 経済危機 15

16 MDGs と SDGs ~ その社会背景 : ありうる社会への対応 ありたい社会 ( 持続可能な社会 ) ありたい社会 ありうる社会 ( 持続可能な社会 レジリエントな社会 ) c c 2000 年代今日 貧困 飢餓 HIV/AIDS 南北問題 債務危機 紛争 衛生 水のアクセスと質 非識字 教育のアクセスと男女格差 社会的公正 など 気候変動 生物多様性喪失 自然災害 高齢化 エネルギー問題 社会的公正 ガバナンス 肥満 紛争 貧困格差 教育の質 ユースの雇用問題 人工知能に奪われる職 グローバルな金融 経済危機

MDGs と SDGs ~ その前提 : 社会の 改善 から 変容 へ 同じ社会の中での 諸課題の解決 が前提 ( 例 :MDGs) 現在社会とは異なる 社会の変容 (transformation) が前提 ( 例 : パリ協定 /SDGs) c c 人間開発 / 持続可能な開発 (1990 年代以降 ) 経済開発 社会開発 (1940 年代 1980 年代 ) 持続可能な開発 (1990 年代以降 ) パリ協定 :2015 年 12 月 産業革命前からの世界の平均気温上昇を 2 度未満の抑える さらに 1.5 度未満を目指す 17

持続可能な開発目標 (SDGs) 2016-2030 SDGs の特徴 1 誰一人取り残されることがない (No one left behind) 貧困の 削減 ではなく 根絶 が目標 2 環境 社会 経済 の統合的目標 新分野 : エネルギー 防災 国連広報局 3 全ての国に適用される普遍性 例 : 持続可能な消費と生産 ライフスタイルと教育 415 年にわたりフォローアップ & レビュー 実施状況を体系的にフォローアップ & レビュー 18

持続可能な開発目標 (SDGs) 2016-2030 http://www.stockholmresilience.org/images/18.36c25848153d54bdba33ec9b/1465905797608/sdgs-food-azote.jpg 19

持続可能な開発目標 (SDGs) 2016-2030 国際連合広報局 http://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/ 20

持続可能な開発目標 (SDGs) 2016-2030 北村 (2016) に基づき 筆者作成 21

途上国経験を SDGs 時代の日本の教育に活かす - 第 Ⅲ 部 - SDGs 時代の教育ニーズに対応する 22

23 これからの時代 コミュニケーションの質とスピードが高まる グローバル社会 地域社会への個人の関与が強まる 個人が双方向メディアに直接参加する機会が増える 背景の違う多様な人々と協働する機会が増える 知識 技能の活用力が重要になる 生涯楽しく学び続ける学習継続力が重要になる 情報を吟味する力 合理的思考力が重要になる 予想外の変化に即座に対応する臨機応変力が重要になる 自分の目標を自分で見出して実践する 主体性 が重要になる 安西祐一郎 (2014) 未来に生きる子どもたちのために ESD ユネスコ世界会議ステークホルダー会合

調査研究のプロジェクト構成 文部科学省平成 21 年度国際開発協力サポートセンター プロジェクト青年海外協力隊 現職教員特別参加制度 による派遣教員の社会貢献と組織的支援 活用の可能性 課題研究代表 佐藤真久 ( 東京都市大学 ) 研究顧問 斉藤泰雄 ( 国立教育政策研究所 ) 研究協力者 竹内啓三 ( 関西大学 ) 村松隆 ( 宮城教育大学 ) 久保田賢一 ( 関西大学 ) 丸山英樹 ( 国立教育政策研究所 ) 小路克雄 ( 国際協力機構青年海外協力隊事務局 ) 白井健道 ( 国際協力機構青年海外協力隊事務局 ) 研究協力組織 国際協力機構 (JICA) 全国都道府県の全教育委員会 (47 組織 ) 政令指定都市の全教員委員会 (18 組織 ) 筑波大学教育開発国際協力研究センター (CRICED) 宮城教育大学鳴門教育大学筑波大学附属小学校兵庫 OV 教員研究会関東教育支援ネットワーク

多様な場面での還元 貢献 25

経験教員自身の変化 26

教員による多様な場面での還元と貢献 技術協力隊 経験共有隊 経験活用隊 27

求めれるニーズ 求められるニーズ 現職教員特別参加制度 15 周年特別シンポジウム論点 2016 年 12 月 23 日 外国籍児童生徒の増加 多言語化 集住化 散在化 定住化 状況的な対応能力を有した教員の資質 能力の向上 ( アクティブ ラーニング カリキュラム マネジメント 社会に開かれた教育課程 ) 地球市民教育 多文化共生 ESD の重要性 1990 年代のグローバル化 地球規模の課題 ( 貧困 社会的排除問題 環境問題 ) への対応 混成的文化 地球惑星時代 VUCA 時代への対応 リスク社会化 格差社会化時代への対応 援助目的の MDG から ( 国際援助 ) 学び合い 力を合わせる SDGs( 国際協力 ) へ 28

途上国経験を SDGs 時代の日本の教育に活かす - 第 Ⅳ 部 - 人間的な成長と豊かな経験の獲得へ 29

1 対人関係 コミュニケーション 途上国経験が育む人間的成長と豊かな経験深く交流する 場の力を活かした異文化交流 心と心の交流 深く交流する (Deep / Slow Communication) 佐藤 (2010) 佐藤 (2013) 文部科学省 (2010) 諸富 (2017) に基づき 筆者作成 30

1 対人関係 コミュニケーション 途上国経験が育む人間的成長と豊かな経験相手の立場で考える 相手目線 自己中心性からの脱却 相手の立場で考える (Assertion) 佐藤 (2010) 佐藤 (2013) 文部科学省 (2010) 諸富 (2017) に基づき 筆者作成 31

1 対人関係 コミュニケーション 途上国経験が育む人間的成長と豊かな経験少数の立場を理解する マイノリティ 社会的に脆弱な立場の経験 少数の立場を理解する (Understanding the meaning as Minority) 佐藤 (2010) 佐藤 (2013) 文部科学省 (2010) 諸富 (2017) に基づき 筆者作成 32

2 システム思考 ( 多様性 相互性 ) 途上国経験が育む人間的成長と豊かな経験多様性を理解する 異文化理解 多様性の理解 多様性を理解する (Diversity Worldview) 佐藤 (2010) 佐藤 (2013) 文部科学省 (2010) 諸富 (2017) に基づき 筆者作成 33

2 システム思考 ( 多様性 相互性 ) 途上国経験が育む人間的成長と豊かな経験関係論的世界観を獲得する つながり かかわり 相互依存と共生 関係論的世界観 (Relations Worldview) 佐藤 (2010) 佐藤 (2013) 文部科学省 (2010) 諸富 (2017) に基づき 筆者作成 34

途上国経験が育む人間的成長と豊かな経験異なる視座と寛容性をもつ 2 システム思考 ( 多様性 相互性 ) 完璧主義 努力偏重主義からの脱却べき論から自分の心を自由にする 異なる視座と寛容性をもつ (Avoiding Irrational Belief, Tolerance) 佐藤 (2010) 佐藤 (2013) 文部科学省 (2010) 諸富 (2017) に基づき 筆者作成 35

途上国経験が育む人間的成長と豊かな経験状況に応じて臨機応変 危機に対応する 3 戦略 協働 ( 状況的な対応 チャレンジ精神 ) 状況的な対応 融通性をもつリスクを察知し リスクに対応する 臨機応変 危機対応 (Flexible Response / Risk Management) 佐藤 (2010) 佐藤 (2013) 文部科学省 (2010) 諸富 (2017) に基づき 筆者作成 36

途上国経験が育む人間的成長と豊かな経験受援力を身に着ける 3 戦略 協働 ( 状況的な対応 チャレンジ精神 ) 相手の力を借りる 助け合う自己責任のプレッシャーから解き放つ 受援力 (Help Seeking Attitude) 佐藤 (2010) 佐藤 (2013) 文部科学省 (2010) 諸富 (2017) に基づき 筆者作成 37

途上国経験が育む人間的成長と豊かな経験価値を共創する 3 戦略 協働 ( 状況的な対応 チャレンジ精神 ) チャレンジ精神 主体性をもって 他者と協働し 価値を共に創る 価値を共創する (Co-Creation of Values) 佐藤 (2010) 佐藤 (2013) 文部科学省 (2010) 諸富 (2017) に基づき 筆者作成 38

4 自己管理 自己認識 主体性 途上国経験が育む人間的成長と豊かな経験欲求不満耐性を獲得する 思いどおりにならない 忍耐力を身に着ける 欲求不満耐性 (Frustration Tolerance) 佐藤 (2010) 佐藤 (2013) 文部科学省 (2010) 諸富 (2017) に基づき 筆者作成 39

4 自己管理 自己認識 主体性 途上国経験が育む人間的成長と豊かな経験深い孤独 深い自己肯定 精神性の深みを生きる 人生の自己点検自分らしい生き方 承認欲求からの脱却 深い孤独 深い自己肯定 (Focusing / Self Esteem) 佐藤 (2010) 佐藤 (2013) 文部科学省 (2010) 諸富 (2017) に基づき 筆者作成 40

4 自己管理 自己認識 主体性 途上国経験が育む人間的成長と豊かな経験人生の使命 幸福 共同体感覚 世の中 地球のために生きること地球市民性 主体性とチャレンジ精神 人生の使命 幸福 共同体感覚 (Mission/Happiness Sense of Solidarity) 佐藤 (2010) 佐藤 (2013) 文部科学省 (2010) 諸富 (2017) に基づき 筆者作成 41

途上国経験が育む人間的成長と豊かな経験五感を活かした現在 現場志向性 3 戦略 協働 ( 状況的な対応 チャレンジ精神 ) 4 自己管理 自己認識 主体性 1 対人関係 コミュニケーション 2 システム思考 ( 多様性 相互性 ) 五感を活かして 今 ここに向き合う 現在 現場の志向性 (Mindfulness) 佐藤 (2010) 佐藤 (2013) 文部科学省 (2010) 諸富 (2017) に基づき 筆者作成 42