66 第 3 章 南 三 陸 処 理 区 の 災 害 廃 棄 物 処 理 業 務 第 1 節 震 災 後 の 状 況 第 1 項 地 域 特 性 南 三 陸 町 は 県 北 東 部 に 位 置 し, 町 西 側 の 北 上 高 地 は, 海 岸 線 付 近 まで 伸 びリアス 式 海 岸 を 構 成 し ている 市 街 地 は 北 上 高 地 を 水 源 とする 中 小 河 川 の 河 口 を 中 心 とした 海 岸 線 に 面 した 低 地 に 存 在 し ている 町 の 面 積 は164km2, 人 口 は14,566 人 ( 平 成 25 年 12 月 末 現 在 )であり, 農 業 や 漁 業 観 光 を 中 心 と した 産 業 が 盛 んである 南 三 陸 町 は 上 述 のリアス 式 地 形 のため 津 波 が 大 きくなる 傾 向 にあり, 記 録 によると 平 安 時 代 の 貞 観 地 震 以 降, 幾 度 かの 津 波 被 害 を 受 けている 南 三 陸 処 理 区 ( 南 三 陸 町 ) 第 2 項 被 災 概 要 図 3-1 気 仙 沼 ブロック 南 三 陸 処 理 区 の 位 置 図 南 三 陸 町 は, 海 岸 線 に 接 する 平 地 に 町 が 密 集 しており,リアス 式 海 岸 という 特 有 の 地 形 をしている 事 から, 特 に 津 波 遡 上 高 が 高 く, 平 地 部 は,ほぼ 全 滅 状 態 であった 町 の 主 要 産 業 である 漁 業 においても 同 様 に 漁 港 施 設, 漁 船, 養 殖 施 設 において 壊 滅 的 な 被 害 を 受 け た 表 3-1 南 三 陸 町 の 被 害 状 況 ( 平 成 25 年 12 月 31 日 現 在, 県 危 機 対 策 課 公 表 資 料 ) 人 的 被 害 ( 人 ) 住 家 被 害 ( 棟 ) 死 者 行 方 不 明 者 全 壊 半 壊 一 部 損 壊 619 219 3,143 178 1,204 写 真 3-1 南 三 陸 町 志 津 川 地 区 ( 災 害 廃 棄 物 散 乱 の 状 況 ) 写 真 3-2 南 三 陸 町 歌 津 地 区 ( 災 害 廃 棄 物 散 乱 の 状 況 )
67 第 3 項 災 害 廃 棄 物 の 特 徴 地 震 発 生 に 伴 う 津 波 被 害 直 後, 浸 水 域 の 倒 壊 した 建 物 や 車 両, 流 木, 漁 業 関 連 資 材 等 が 災 害 廃 棄 物 となり 市 街 地 を 埋 め 尽 くした 災 害 廃 棄 物 の 割 合 では 津 波 堆 積 物,コンク リートがら, 粗 大 混 合 ごみ( 不 燃 )の 割 合 が 多 い 21 万 t 26% 19 万 t 23% 3 万 t 4% 13 万 t 16% 20 万 t 24% 2 万 t 2% 4 万 t 5% 総 計 82 万 t 木 くず 粗 大 混 合 ごみ( 可 燃 ) コンクリートくず アスファルトくず 金 属 くず 粗 大 混 合 ごみ( 不 燃 ) 津 波 堆 積 物 図 3-2 災 害 廃 棄 物 の 当 初 設 計 時 の 発 生 量 見 込 み( 町 処 理 分 含 む) ( 県 災 害 廃 棄 物 処 理 構 想 ( 原 案 )) 第 4 項 一 次 仮 置 き 場 の 状 況 南 三 陸 町 内 で 発 生 した 災 害 廃 棄 物 は16ヶ 所 の 一 次 仮 置 き 場 へ 集 積 された 廃 棄 物 は 倒 壊 した 住 宅 等 から 発 生 した 建 材, 家 財, 立 木, 漁 具 等 に 津 波 に 伴 って 発 生 し た 土 砂 が 付 着 した 状 態 になっていた 写 真 3-3 志 津 川 松 原 公 園 一 次 仮 置 き 場 写 真 3-4 歌 津 字 町 向 一 次 仮 置 き 場
68 7 歌 津 字 港 8 歌 津 字 田 の 浦 11 伊 里 前 漁 港 9 歌 津 字 石 浜 14 山 庄 建 設 13 歌 津 字 北 ノ 沢 12 歌 津 字 町 向 16 志 津 川 病 院 隣 接 地 4 県 合 同 庁 舎 10 歌 津 字 板 橋 2 黒 潮 グランド 3 志 津 川 漁 港 袖 浜 地 区 1 松 原 公 園 15 志 津 川 字 上 の 山 5 戸 倉 小 学 校 二 次 仮 置 き 場 6 波 伝 谷 漁 港 国 土 地 理 院 提 供 図 3-3 仮 置 き 場 位 置 図 表 3-2 一 次 仮 置 き 場 一 覧 名 称 面 積 面 積 名 称 (ha) (ha) 1 松 原 公 園 1.5 9 歌 津 字 石 浜 0.1 2 黒 潮 グランド 1.2 10 歌 津 字 板 橋 0.3 3 志 津 川 漁 港 袖 浜 地 区 0.4 11 伊 里 前 漁 港 2.0 4 県 合 同 庁 舎 1.1 12 歌 津 字 町 向 2.7 5 戸 倉 小 学 校 1.2 13 歌 津 字 北 の 沢 0.3 6 波 伝 谷 漁 港 3.0 14 山 庄 建 設 1.0 7 歌 津 字 港 0.1 15 志 津 川 字 上 ノ 山 0.4 8 歌 津 字 田 の 浦 0.1 16 志 津 川 病 院 隣 接 地 0.2
69 第 2 節 業 務 の 基 本 的 事 項 第 1 項 災 害 廃 棄 物 の 処 理 量 と 業 務 範 囲 本 業 務 では, 南 三 陸 町 一 円 から 一 次 仮 置 き 場 に 集 積 された 災 害 廃 棄 物 のほか, 津 波 浸 水 域 の 立 ち 枯 れた 塩 害 木, 津 波 により 浸 水 した 農 地 から 発 生 した 津 波 堆 積 物 を 対 象 とした また, 公 共 建 築 物 等 36 棟 について 建 物 解 体 を 行 った 業 務 開 始 当 初 の 南 三 陸 町 内 から 発 生 した 災 害 廃 棄 物 量 は 約 82 万 tと 想 定 された このう ち 本 業 務 の 処 理 対 象 量 は 南 三 陸 町 などが 処 理 する 廃 棄 物 を 除 く 約 55 万 tであった その 後, 適 時 数 量 を 見 直 したこと 等 から, 最 終 的 に 約 66 万 tの 処 理 を 行 った 図 3-4 災 害 廃 棄 物 等 推 計 量 の 推 移 図 3-5 業 務 範 囲 第 2 項 処 理 方 針 本 業 務 を 南 三 陸 町 の 復 旧 復 興 の 単 なる 前 提 ではなく,その 後 の 発 展 の 足 掛 かりとする ために, 地 元 の 方 々の 声 を 業 務 計 画 に 反 映 させることが 重 要 であると 考 え 業 務 の 基 本 方 針 を 設 定 した 1 復 旧 復 興 事 業 への 全 面 協 力 2 廃 棄 物 早 期 撤 去, 処 理 業 務 の 早 期 完 了 3リサイクル 率 の 向 上, 災 害 廃 棄 物 の 復 興 資 材 化 の 推 進 4 浄 水 場 水 域 住 環 境 の 保 全 5 地 域 経 済 への 貢 献 と 積 極 的 な 地 元 雇 用
70 第 3 項 施 設 配 置 計 画 1 二 次 仮 置 き 場 の 地 理 的 位 置 と 志 津 川 方 面 からの 災 害 廃 棄 物 の 搬 入 を 考 え, 動 線 計 画 は 安 全 上 効 率 上 のロスを 少 なくするため 一 方 通 行 を 採 用 2 災 害 廃 棄 物 の 搬 入 仮 置 き 中 間 処 理 ( 分 別 ) 焼 却 搬 出 の 一 連 の 作 業 を 考 慮 し た A 地 区 に 焼 却 施 設,B 地 区 に 選 別 施 設 等 の 中 間 処 理 施 設,C 地 区 にはB 地 区 から 発 生 した 土 壌 洗 浄 処 理 施 設 を 設 置 3 南 三 陸 町 内 の 一 次 仮 置 き 場 から 早 期 に 災 害 廃 棄 物 を 撤 去 するために,D E 地 区 を 新 たな 仮 置 き 場 として 追 加 4 復 旧 に 伴 う 国 道 398 号 の 交 通 状 態 が 懸 念 され, 廃 棄 物 処 理 業 務 による 水 戸 部 川 にかか る 横 津 橋 の 渋 滞 緩 和 のため, 横 津 橋 の 上 流 と 下 流 に 仮 設 橋 を 設 置 仮 設 橋 D 地 区 新 たな 仮 置 き 場 E 地 区 新 たな 仮 置 き 場 仮 設 橋 図 3-6 施 設 配 置 図
第 4 項 実 施 工 程 (スケジュール) 南 三 陸 町 には 平 地 が 少 なく, 廃 棄 物 処 理 を 行 うためのまとまった 土 地 を 確 保 するために 多 くの 民 有 地 を 借 用 する 必 要 があったため, 処 理 業 務 が 完 了 した 後 に 民 有 地 を 以 前 の 状 態 ( 田 畑 等 )に 復 旧 して 地 権 者 に 返 却 する 必 要 があった 本 業 務 の 性 格 上, 復 旧 復 興 に 向 けて 早 期 着 手 迅 速 な 処 理 実 施, 適 正 かつ 確 実 な 処 理 を 念 頭 に 本 契 約 直 後 から 業 務 を 開 始 する 実 施 工 程 計 画 を 策 定 した 計 画 に 伴 って 配 慮 した 項 目 は 以 下 の 通 りである 1 新 たな 仮 置 き 場 (D,E 地 区 ) 確 保 により 一 次 仮 置 き 場 からの 早 期 搬 出 の 実 現 2 工 程 を 確 実 にするため, 余 裕 をもった 処 理 設 備 ( 焼 却 炉 )を 配 置 する 当 初 想 定 した 以 上 の 農 地 がれき 津 波 堆 積 物 の 処 理 を 余 儀 なくされ, 焼 却 処 理 終 了 後 にお いても 農 地 がれき 津 波 堆 積 物 の 選 別 作 業 を 行 わざるを 得 なかった その 結 果, 二 次 仮 置 き 場 内 で 処 理 できない 選 別 残 渣 が 発 生 し,これらを 最 終 処 分 したため に 最 終 処 分 の 実 施 時 期 が 計 画 より 長 くなった 南 三 陸 処 理 区 表 3-3 実 施 工 程 表 計 画 実 績 平 成 23 年 度 平 成 24 年 度 平 成 25 年 度 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 二 次 仮 置 き 場 施 設 建 設 二 次 仮 置 き 場 への 運 搬 破 砕 選 別 処 理 焼 却 処 理 リサイクル 最 終 処 分 解 体 撤 去 復 旧 第 5 項 環 境 への 配 慮 事 項 本 業 務 では 環 境 への 配 慮 として 以 下 の 点 に 着 目 し 業 務 を 行 った 1 着 目 点 (1) 周 辺 環 境 の 保 全 (2) 業 務 の 性 格 上 作 業 員 に 対 する 作 業 環 境 の 保 全 (3) 放 射 能 管 理 2 着 目 点 に 対 する 対 応 (1) 周 辺 環 境 の 保 全 周 辺 環 境 について 以 下 の 項 目 を 実 施 した 71
1 戸 倉 浄 水 場 への 水 質 保 全 対 策 2 戸 倉 浄 水 場 の 水 量 確 保 対 策 3 河 川 への 水 質 汚 濁 防 止 対 策 4 海 域 への 水 質 汚 濁 防 止 対 策 5 仮 設 住 宅 への 大 気 汚 染 騒 音 振 動 悪 臭 対 策 6 農 地 の 土 壌 汚 染 対 策 (2) 作 業 環 境 の 保 全 作 業 環 境 について 以 下 の 項 目 を 実 施 した 1 作 業 環 境 の 保 全 福 利 厚 生 / 健 康 管 理 女 性 高 齢 者 対 策 大 気 悪 臭 対 策 騒 音 振 動 対 策 2 安 全 衛 生 対 策 有 害 物 質 暴 露 防 止 交 通 災 害 防 止 対 策 墜 落 転 落 災 害 防 止 対 策 設 備 安 全 対 策 感 染 症 対 策 熱 中 症 対 策 防 寒 対 策 危 険 ガス 対 策 ハエ 害 虫 対 策 RC 建 築 物 等 解 体 現 場 トイレ 対 策 教 育 対 策 (3) 放 射 能 管 理 放 射 能 管 理 について 以 下 の 項 目 を 実 施 した 中 間 処 理 期 間 において 燃 え 殻, 焼 却 炉 排 ガス, 陸 域 海 域 の 放 射 性 物 質 濃 度 測 定 ( 環 境 モニタリング) 廃 棄 物 搬 入 時 のゲートモニターによる 放 射 線 量 測 定 リサイクル 原 料 製 品 の 放 射 性 物 質 濃 度 測 定 第 3 節 二 次 仮 置 き 場 造 成 工 事 第 1 項 用 地 とインフラの 概 要 二 次 仮 置 き 場 の 用 地 は,そのほとんどを 農 地 の 借 用 により 確 保 し, 面 積 はJVが 借 地 した 分 とあわせて24haである また, 電 気 については 東 北 電 力 からの 受 電 とバイオマス 発 電 でまかなった 水 道 については, 上 水 道 と 井 戸 水 を 使 用 した 72
73 第 2 項 造 成 工 事 の 概 要 二 次 仮 置 き 場 は, 津 波 で 被 害 を 受 けた 農 地 であった 二 次 仮 置 き 場 は 図 3-6に 示 すよう に,AからEの5 地 区 に 分 けられた AからC 地 区 は 主 に 中 間 処 理 施 設 区 域,DとE 地 区 はがれき 貯 留 ヤードとして 計 画 された 造 成 工 事 に 先 立 って 原 地 盤 の 土 壌 汚 染 調 査 を 実 施 した 盛 土 後 の 災 害 廃 棄 物 による 土 壌 水 質 汚 染 防 止 のため, 中 間 処 理 施 設 区 域 及 びがれき 貯 留 ヤードは, 全 面 に 遮 水 シートを 敷 設 後,アスファルト 舗 装 を 行 い 二 重 遮 水 構 造 とした また, 各 地 区 に 調 整 池 を 設 置 し, 集 められた 汚 水 は 全 て 調 整 池 に 送 水 し 排 水 処 理 施 設 で 処 理 した 後, 焼 却 炉 で 再 利 用 した 写 真 3-5 着 手 前 (C 地 区 ) 写 真 3-6 整 地 状 況 写 真 3-7 遮 水 シート 敷 設 状 況 写 真 3-8 スーパー 調 整 池 第 3 項 施 工 上 の 課 題 と 対 応 策 震 災 による 地 盤 沈 下 による 農 地 の 水 没 対 策 海 側 にあるC 地 区 は, 震 災 による 地 盤 沈 下 で 原 地 盤 が 海 面 より 低 い 所 も 発 生 し, 満 潮 時 は 大 部 分 が 水 没 している 状 態 であった この ため, 岩 ずりを 使 用 して 盛 土 施 工 した ま た, 処 理 業 務 終 了 後 は 農 地 として 復 旧 するた め, 基 面 付 近 は 岩 ずりに 岩 破 土 ( 細 砂 )を 混 ぜ, 現 場 密 度 の 向 上 を 図 った 写 真 3-9 盛 土 状 況 ( 水 中 への 盛 土 )
74 第 4 節 運 行 管 理 第 1 項 運 行 管 理 の 概 要 廃 棄 物 の 搬 出 にあたり, 一 次 仮 置 き 場 から 二 次 仮 置 き 場 へは 深 あおりダンプトラック (10t 積 )を 使 用 して 陸 上 輸 送 した また, 漁 港 ( 志 津 川 漁 港 袖 浜 地 区, 伊 里 前 漁 港 )の 廃 棄 物 は 海 上 輸 送 し 一 次 仮 置 き 場 ( 波 伝 谷 漁 港 )へ 搬 出 後,ダンプトラックにより 近 接 し た 二 次 仮 置 き 場 へ 搬 入 した 陸 上 運 搬 については,GPSを 利 用 した 運 行 管 理 システム, 海 上 運 搬 は 作 業 船 運 航 監 視 システム(COS-NET)を 利 用 した 図 3-7 運 行 管 理 概 念 図 写 真 3-10 海 上 輸 送 荷 揚 げ 状 況
75 第 2 項 運 行 管 理 上 の 課 題 と 対 応 策 陸 上 運 搬 の 基 幹 ルートとなる 国 道 45 号 の 渋 滞 対 策 ラッシュ 時 への 対 応 業 務 開 始 後 は 朝 夕 のラッシュ 時 への 配 慮 ( 運 搬 時 間 8:00~17:00), 志 津 川 高 校 通 学 への 配 慮 ( 国 道 398 号 の 運 搬 は8:30 以 降 開 始 ), 一 次 仮 置 き 場 出 入 り 口 や 信 号 のない 交 差 点 に 交 通 誘 導 員 を 配 置 した 交 通 安 全 マップ 等 による 運 転 手 の 安 全 教 育 交 通 事 故 は, 絶 対 に 起 こさないということを 念 頭 に 運 搬 経 路 に 対 応 した 交 通 安 全 マップ を 作 成 し 運 転 手 への 交 通 安 全 教 育 を 実 施 した 南 三 陸 警 察 署 の 協 力 により 安 全 講 話 の 実 施 等 を 行 い, 安 全 意 識 の 向 上 を 図 った 運 行 管 理 者 による 巡 回 パトロール 併 せて, 運 行 管 理 者 による 巡 回 パトロール(1 回 / 日 )を 実 施 し, 車 両 の 運 行 状 況 や 路 面 状 況 の 確 認 を 行 った 海 上 運 搬 による 漁 業 施 設 への 配 慮 漁 業 施 設 に 配 慮 した 海 上 輸 送 運 行 ルート 決 定 作 業 船 運 航 管 理 システムの 利 用 廃 棄 物 運 搬 船 に 作 業 船 運 航 監 視 システム(COS-NET)を 使 用 し 現 場 事 務 所 及 び 曳 船 操 船 室 のモニターに 航 行 位 置 を 表 示 し, 廃 棄 物 運 搬 船 の 運 航 経 路 を 確 認 した レーダーリフレクターの 設 置 廃 棄 物 運 搬 船 にレーダーリフレクターを 設 置 し, 荒 天 時 においても 養 殖 船 等 が 廃 棄 物 運 搬 船 の 位 置 を 確 実 に 把 握 できるようにした 写 真 3-11 作 業 船 運 航 監 視 システム (COS-NET) 写 真 3-12 レーダーリフレクター
76 第 5 節 搬 出 入 管 理 第 1 項 搬 出 入 管 理 の 概 要 タッチ 式 ICカード 認 識 装 置 とトラックスケールを 連 動 させ, 搬 入 搬 出 管 理 システムに 自 動 登 録 させた このことにより, 搬 出 入 量 に 係 るデータ( 日 時, 車 番, 廃 棄 物 の 種 類, 積 載 量 等 )がリアルタイムに 把 握 可 能 となり, 出 来 高 管 理 が 容 易 となった 図 3-8 搬 出 入 管 理 概 念 図 写 真 3-13 ICカード 認 識 装 置 第 2 項 搬 出 入 管 理 上 の 課 題 と 対 応 策 運 搬 量 の 確 実 な 把 握 災 害 廃 棄 物 は 比 重 がまちまちであることから, 運 搬 費 の 管 理 にあたり, 運 搬 量 の 計 量 を 正 確 に 行 う 必 要 があった 今 回 採 用 したICカード 認 識 装 置 を 利 用 したシステムの 導 入 により 搬 入 した 廃 棄 物 の 種 別 毎 の 搬 入 量 や 再 生 資 材 の 搬 出 量 なども 容 易 に 管 理 できた また, 業 務 途 中 から 搬 出 する 最 終 処 分 物 や 再 生 資 材 等 の 放 射 能 測 定 をシンチレーショ ンサーベイメータにより 搬 出 車 両 1 台 ごとに 行 った 写 真 3-14 ゲートモニターによる 放 射 能 測 定 状 況
77 第 6 節 処 理 の 概 要 第 1 項 破 砕 選 別 処 理 の 概 要 破 砕 選 別 処 理 は, 受 入 施 設 ~ 乾 燥 テント~ 選 別 ~ 破 砕 施 設 の 流 れで 行 われた 図 3-9 選 別 処 理 フロー 写 真 3-15 受 入 施 設 ~ 乾 燥 テント 全 景 写 真 3-16 受 入 施 設 重 機 選 別 状 況 写 真 3-17 乾 燥 テント 内 乾 燥 状 況 写 真 3-18 選 別 施 設 全 景
78 選 別 施 設 乾 燥 した 廃 棄 物 は, 二 次 選 別 施 設 に 運 ばれ 回 転 式 選 別 機 ( 以 下 トロンメルと 呼 称 )で 再 度 40mm 以 下 の 土 砂 と 混 合 廃 棄 物 に 分 別 した 混 合 廃 棄 物 は, 可 燃 物 除 去 機 ( 回 転 ロッド) でビニール 布 等 を 除 去 し, 比 較 的 小 さなガレキになったところで 手 選 別 を 行 い 可 燃 物, 不 燃 物, 金 属 類 に 再 選 別 した この 二 次 選 別 は2ラインでそれぞれ20 名 程 度 が 選 別 作 業 に あたっており,そのほとんどが 南 三 陸 町 内 から 雇 用 された 写 真 3-19 手 選 別 作 業 状 況 写 真 3-20 漁 網 破 砕 機 粗 大 廃 棄 物 処 理 施 設 布 団 や 畳, 漁 網 など 選 別 施 設 の 通 常 の 処 理 では 対 応 が 困 難 な 大 きな 廃 棄 物 を 機 械 や 人 力 により 細 分 化 処 理 する 施 設 である 布 団 や 畳 は 一 軸 破 砕 機 により 破 砕 した 漁 網 のロープや 錘 等 に 含 まれている 鉛 をバックホーに 装 着 したカッター 等 で 細 分 化 後 人 力 により 分 別 した 木 破 砕 施 設 選 別 施 設 で 分 別 搬 出 された 木 くずは 洗 浄 プールに 運 び, 付 着 した 土 砂 や 塩 分 等 を 水 洗 いし, 木 破 砕 施 設 に 運 搬 後, 焼 却 炉 の 投 入 口 のサイズに 合 わせ 破 砕 された 写 真 3-21 粗 破 砕 機 写 真 3-22 二 次 破 砕 機
被 災 した 南 三 陸 町 内 の 建 物 解 体 復 旧 復 興 の 妨 げとなっていた 鉄 筋 コンクリート 造 等 の 建 物 の 解 体 を 実 施 し, 被 災 建 物 を 速 やかに 撤 去 した また, 発 生 したコンクリートは 現 場 において 自 走 式 破 砕 機 により 破 砕 し,その 場 で 再 生 砕 石 へのリサイクルを 行 った 表 3-4 解 体 建 物 一 覧 番 号 名 称 階 数 面 積 (m2) 構 造 1 防 災 対 策 庁 舎 1 3 階 建 363.20 S 造 2 海 浜 センター 2 階 建 573.71 RC 造 3 海 浜 センター 作 業 棟 1 階 建 79.03 RC 造 4 海 浜 センター 倉 庫 1 階 建 15.02 RC 造 5 海 浜 センターアワビ 中 間 育 成 施 設 1 階 建 132.45 ALC 造 6 海 浜 センター 取 水 ポンプ 棟 1 階 建 21.56 RC 造 7 自 然 環 境 活 用 センター 2 階 建 652.63 RC 造 8 上 下 水 道 事 業 所 2 階 建 325.98 RC 造 9 伊 里 前 浄 水 場 2 階 建 134.00 RC 造 10 歌 津 保 健 センター 2 階 建 821.59 RC 造 +ALC 造 11 志 津 川 保 健 センター 2 階 建 874.80 RC 造 12 大 森 住 宅 ( 新 1 号 棟 ) 3 階 建 867.00 RC 造 13 大 森 住 宅 ( 新 2 号 棟 ) 3 階 建 867.00 RC 造 14 大 森 住 宅 ( 新 3 号 棟 ) 3 階 建 867.00 RC 造 15 松 原 住 宅 ( 新 2 棟 ) 4 階 建 3,059.40 RC 造 16 松 原 公 園 トイレ 1 階 建 35.00 RC 造 17 長 須 賀 公 衆 便 所 1 階 建 31.46 RC 造 18 館 浜 公 衆 便 所 1 階 建 14.29 RC 造 19 志 津 川 公 民 館 3 階 建 756.00 RC 造 20 戸 倉 公 民 館 2 階 建 365.40 RC 造 21 地 方 卸 売 市 場 1 階 建 516.00 S 造 +ALC 造 22 水 産 振 興 センター 2 階 建 595.26 RC 造 23 旧 ハローワーク( 分 室 庁 舎 ) 2 階 建 253.83 RC 造 24 公 立 志 津 川 病 院 5 階 建 7,700.00 RC 造 25 南 三 陸 消 防 署 2 階 建 553.34 RC 造 +ALC 造 26 南 三 陸 消 防 署 歌 津 出 張 所 2 階 建 679.39 S 造 27 旧 南 三 陸 消 防 署 歌 津 出 張 所 1 階 建 155.00 RC 造 28 戸 倉 小 学 校 3 階 建 1,839.00 RC 造 29 戸 倉 小 学 校 体 育 館 1 階 建 784.00 S 造 30 A 棟 ( 遊 技 場 ) 1 階 建 327.78 RC 造 31 B 棟 ( 店 舗 ) 5 階 建 3,743.69 RC 造 32 C 棟 ( 店 舗 居 宅 ) 3 階 建 371.22 RC 造 33 D 棟 ( 学 習 塾 居 宅 ) 2 階 建 159.85 RC 造 34 E 棟 ( 料 理 店 居 宅 ) 3 階 建 460.16 RC 造 35 F 棟 ( 共 同 住 宅 ) 3 階 建 390.84 RC 造 36 G 棟 ( 寄 宿 舎 ) 2 階 建 238.84 RC 造 37 第 2 取 水 場 2 1 階 建 10.21 RC 造 計 29,634.93 1 1 番 防 災 対 策 庁 舎 は, 平 成 26 年 1 月 23 日 付 けで 県 受 託 業 務 から 除 外 2 37 番 第 2 取 水 施 設 は, 平 成 24 年 8 月 31 日 付 けで 県 受 託 事 業 に 追 加 写 真 3-23 公 立 志 津 川 病 院 ( 解 体 前 ) 写 真 3-24 公 立 志 津 川 病 院 ( 解 体 中 ) 写 真 3-25 現 場 でのコンクリート 破 砕 79
80 第 2 項 焼 却 処 理 の 概 要 混 合 廃 棄 物 中 に 含 まれた 可 燃 物 は 選 別 処 理 後, 焼 却 施 設 で 処 理 された 当 処 理 区 では1 日 あたり95t 焼 却 可 能 な 焼 却 炉 を3 基 設 置 した 焼 却 炉 は, 炉 内 の 駆 動 部 分 が 少 ないため 故 障 頻 度 が 少 なく,また, 未 燃 ガスが 滞 留 しな いため 爆 発 のリスクが 低 い 竪 型 ストーカ 炉 を 採 用 した 選 別 施 設 から 運 び 込 まれた 可 燃 物 は,トラックスケールで 重 量 を 測 定 した 後, 燃 焼 室 へ 投 入 され,ダイオキシン 類 が 発 生 しないよう800 以 上 の 温 度 で 焼 却 した 燃 焼 により 発 生 した 排 ガスはガス 冷 却 室 で 温 度 を 下 げ, 乾 式 反 応 集 塵 機 (バグフィルター)で 不 純 物 を 取 り 除 き, 排 気 した 焼 却 炉 への 投 入 量 や 炉 内 温 度, 排 ガスに 含 まれる 有 害 物 質 等 は24 時 間 体 制 のもとリアルタイムで 管 理 しながら 運 転 を 行 った 図 3-10 竪 型 ストーカ 炉 概 念 図 写 真 3-26 焼 却 炉 全 景 写 真 3-27 焼 却 物 投 入 前 計 量 状 況 写 真 3-28 中 央 制 御 室
81 第 3 項 津 波 堆 積 物 処 理 の 概 要 津 波 堆 積 物 の 処 理 は,C 地 区 で 受 入 選 別 分 析 洗 浄 を 直 線 上 に 集 約 し, 大 量 の 津 波 堆 積 物 を 効 率 よく 処 理 するため 多 段 階 選 別 を 採 用 した 一 次 選 別 では 故 障 が 少 なくメンテナンス 性 に 富 むフィンガースクリーンを 採 用 し, 選 別 された 土 砂 は, 有 機 物 が 多 く 含 まれているため 土 壌 洗 浄 処 理 し, 骨 材 や 砂 を 取 り 出 し, 復 興 資 材 として 再 利 用 することとした 通 常, 洗 浄 では 除 去 しにくい 細 かな 木 くず 等 の 軽 比 重 物 は,アップフローカラムと 呼 ば れる 選 別 装 置 により 除 去 することで,より 品 質 の 良 い 骨 材 や 砂 を 製 造 している また, 土 壌 洗 浄 の 過 程 で 発 生 する 残 渣 は 造 粒 物 の 原 料 として 再 利 用 した 図 3-11 津 波 堆 積 物 処 理 フロー 図 写 真 3-29 土 壌 洗 浄 プラント 全 景 写 真 3-30 土 壌 洗 浄 プラント 写 真 3-31 土 壌 洗 浄 処 理 状 況 写 真 3-32 洗 浄 後 再 生 骨 材 ( 復 興 資 材 )
82 第 4 項 リサイクル 処 理 の 概 要 南 三 陸 町 の 復 興 に 役 立 てる 資 材 等 とするため, 自 区 内 でのリサイクルを 最 優 先 した 不 燃 物 及 び 焼 却 灰, 洗 浄 残 渣 を 用 いた 造 粒 再 生 砕 石 の 製 造,また, 混 合 廃 棄 物 から 選 別 された 土 砂, 津 波 堆 積 物 の 土 砂 を 土 壌 洗 浄 プラントで 洗 浄 し, 復 興 資 材 としてリサイクル した 錘 及 び 化 学 繊 維 を 原 料 としている 漁 網 等 については,その 一 部 を 有 価 物 としてリサ イクルを 行 った また, 木 質 バイオマス 発 電 及 び 焼 却 廃 熱 利 用 を 行 った 1 造 粒 再 生 砕 石 の 製 造 手 選 別 により 選 別 された 石 瓦 陶 磁 器 ガラス 等 の 不 燃 物 は, 造 粒 前 処 理 施 設 に 運 び, 破 砕 機 で 粉 砕 し 風 力 選 別, 比 重 差 選 別, 伸 縮 スクリーン 等 により 不 純 物 をより 高 い 精 度 で 除 去 し, 粒 径 6mm 以 下 の 造 粒 原 料 とした この 原 料 に, 土 壌 洗 浄 設 備 で 発 生 した 残 渣, 焼 却 施 設 で 発 生 した 焼 却 主 灰,セメント, 不 溶 化 材 を 混 合 し 造 粒 物 を 製 造 した さらに 造 粒 物 とコンクリート 砕 石 を 混 合 し 復 興 資 材 として 再 利 用 した 図 3-12 造 粒 再 生 砕 石 製 造 フロー 造 粒 物 の 原 料 として, 焼 却 主 灰, 土 壌 洗 浄 脱 水 ケーキを 使 用 したため, 重 金 属 類 の 溶 出 量 基 準 値 を 超 過 する 懸 念 があったが, 溶 出 量 基 準 値 超 過 の 懸 念 のある 重 金 属 類 と 対 応 する 不 溶 化 材 を, 以 下 の 表 3-6のとおり 選 択 し 不 溶 化 した また, 含 有 量 基 準 値 超 過 が 懸 念 さ れた 鉛 については, 図 3-13のとおり 各 造 粒 原 料 を 適 切 に 配 合 することで 基 準 値 内 に 適 合 す るように 品 質 管 理 を 行 った 表 3-5 懸 念 される 重 金 属 類 の 由 来 と 対 応 不 溶 化 材 由 来 懸 念 される 重 金 属 類 対 応 不 溶 化 材 不 燃 分 6mm 以 下 六 価 クロム 硫 酸 第 一 鉄 土 壌 洗 浄 残 渣 ヒ 素 酸 化 マグネシウム フッ 素 酸 化 マグネシウム 鉛 キレート 剤 焼 却 灰 六 価 クロム 硫 酸 第 一 鉄
83 脱 水 ケーキ 配 合 比 率 40.0% 不 燃 物 6mm 以 下 焼 却 灰 セメント 配 合 比 率 27.2% 配 合 比 率 16.3% 配 合 比 率 10.0% 鉛 含 有 量 造 粒 物 150 mg/kg 以 下 を 確 認 RC40 以 下 と 混 合 し 造 粒 砕 石 製 品 化 水 配 合 比 率 2.5% 造 粒 砕 石 薬 材 配 合 比 率 2.5% 図 3-13 鉛 含 有 量 の 品 質 管 理 例 造 粒 機 ( 造 粒 プラント)は 高 精 度 の 造 粒 能 力 を 有 するペレガイアを 選 定 した 表 3-6 造 粒 機 の 選 定 結 果 造 粒 プラント 能 力 台 数 稼 働 時 間 稼 働 日 数 全 能 力 必 要 処 理 能 力 17m3/h 1 20 300 10.2 万 m3 >7 万 m3 写 真 3-33 造 粒 施 設 全 景 写 真 3-34 造 粒 機 ペレガイア 写 真 3-35 造 粒 物 写 真 3-36 造 粒 再 生 砕 石
84 2 土 壌 洗 浄 及 び 多 段 階 選 別 多 段 階 選 別 により, 混 合 廃 棄 物 から, 土 砂 の 除 去, 可 燃 物 不 燃 物 の 選 別 を 確 実 に 行 い 選 別 された 土 砂 9.6 万 tについては, 津 波 堆 積 物 4.1 万 tとともに 土 壌 洗 浄 プラントによ り 洗 浄 し, 洗 浄 砂 3.3 万 tを 復 興 資 材 としてリサイクルした また, 不 燃 物 や 洗 浄 残 渣 については, 不 溶 化 処 理 を 行 い 造 粒 固 化 物 の 原 料 とした その 他, 金 属 スクラップ1.2 万 t,プラスチック 原 料 RPF 原 料 3.4 万 t 等 を 有 価 売 却 する 等 して,マテリアルリサイクル 率 が 向 上 した 図 3-14 多 段 階 選 別 フロー 3 漁 網 選 別 漁 網 に 取 り 付 けられた 錘 及 びロープに 編 み 込 まれた 鉛 は, 焼 却 後 の 灰 に 含 まれ る 鉛 の 濃 度 を 高 くする 原 因 となるため, 事 前 に 選 別 した 選 別 は, 機 械 のみでは 困 難 なため 地 元 の 漁 業 関 係 者 の 協 力 を 受 け 手 作 業 を 併 用 して 行 った 錘 及 び 化 学 繊 維 を 原 料 としている 漁 網 等 については,その 一 部 を 有 価 物 として マテリアルリサイクルを 行 った 写 真 3-37 漁 網 リサイクル 作 業 全 景
85 写 真 3-38 漁 網 人 力 選 別 状 況 写 真 3-39 処 理 済 の 漁 網 4 熱 利 用 (1)バイオマス 施 設 施 設 内 で 使 用 する 電 力 の 一 部 を 供 給 するため, 木 破 砕 施 設 で 一 次 破 砕 された 木 材 は, さらに50mm 以 下 に 二 次 破 砕 されバイオマス 発 電 の 燃 料 として 利 用 した 二 次 破 砕 で 粉 砕 した 木 片 はキルンで 炭 化 させ, 発 生 したガスを 利 用 してガスエンジ ンを 稼 働 させ 発 電 を 行 った 本 施 設 では,1 日 15tの 木 質 材 料 を 原 料 とし, 最 大 330kwの 発 電 を 実 施 した (2) 焼 却 炉 の 排 熱 利 用 焼 却 炉 の 廃 熱 を 利 用 した 温 水 を 乾 燥 テント 内 のコンクリート 床 版 内 に 設 置 された 配 管 に 供 給, 乾 燥 の 熱 源 とした 写 真 3-40 バイオマス 施 設 全 景 写 真 3-41 温 水 タンク 写 真 3-42 乾 燥 テント 床 版 温 水 配 管 写 真 3-43 乾 燥 テント 内 仮 置 状 況
86 第 5 項 最 終 処 分 の 概 要 当 処 理 区 で 最 終 処 分 したものは 焼 却 飛 灰 主 灰 及 び 解 体 工 事 から 発 生 した 石 綿 含 有 廃 棄 物 等 である 搬 出 した 処 分 場 は 以 下 の5か 所 である 表 3-7 最 終 処 分 先 リスト 単 位 : 万 トン 搬 出 先 品 目 埋 立 量 栗 原 市 最 終 処 分 場 焼 却 主 灰 飛 灰 0.13 登 米 市 環 境 事 業 所 クリーンセンター 焼 却 主 灰 飛 灰 0.20 宮 城 東 部 衛 生 処 理 組 合 宮 城 東 部 衛 生 処 理 センターごみ 埋 立 施 設 公 社 処 理 場 不 燃 残 渣 0.41 焼 却 主 灰 飛 灰 0.52 廃 石 綿 石 綿 含 有 等 0.01 山 形 県 民 間 処 分 場 漁 網 0.20 合 計 1.50 第 6 項 処 理 業 務 の 課 題 と 対 応 破 砕 選 別 処 理 上 の 課 題 と 対 応 策 処 理 能 力 設 定 と 廃 棄 物 の 組 成 業 務 開 始 当 初, 可 燃 混 合 廃 棄 物 1.9 万 tと 不 燃 混 合 廃 棄 物 18.3 万 tを12ヶ 月 で 選 別 する 計 画 で1 日 当 たり600tの 選 別 能 力 とした 粗 選 別 により, 木 くず, 金 属 類, 不 燃 物 (ガラス 陶 磁 器 類 )が 分 別 された( 分 別 量 約 5.7 万 t) 処 理 開 始 後, 混 合 廃 棄 物 の 組 成 が 明 らかに なり, 工 程 計 画 や 焼 却 施 設 等 の 他 の 処 理 能 力 に 合 わせるため,B 地 区 選 別 施 設 の 夜 間 操 業 や 選 別 施 設 をA 地 区 に 増 設 し 処 理 能 力 を1 日 当 たり800t 程 度 まで 増 強 した 複 雑 に 絡 み 合 った 漁 網 二 次 仮 置 き 場 に 搬 入 された 漁 網 は 複 数 の 漁 網 が 複 雑 に 絡 み 合 っており,そのままでは 鉛 を 含 有 するロープや 錘 を 人 力 によって 分 別 できなかった このため 重 機 を 使 い, 人 力 作 業 が 可 能 な 状 態 まで 分 解 する 作 業 が 必 要 となり, 漁 網 は 人 力 により 鉛 を 含 むロープと 網 に 分 別 した また, 網 をリサイクルするために, 別 途 分 別 作 業 が 必 要 となった 写 真 3-44 漁 網 処 理 状 況 写 真 3-45 回 収 された 鉛 の 錘
87 手 選 別 ラインにおける 大 粒 径 の 木 くず 除 去 手 選 別 処 理 中 に 大 粒 径 の 木 くずが 含 ま れ, 手 選 別 作 業 の 支 障 となっていた これ に 対 応 するため 手 選 別 ラインに 大 粒 径 木 く ず 除 去 の 設 備 を 増 設 した その 結 果, 手 選 別 作 業 の 精 度 が 向 上 し, 速 度 も70% 向 上 し た 写 真 3-46 除 去 された 大 粒 径 木 くず 焼 却 処 理 の 課 題 と 対 応 策 焼 却 物 の 混 合 割 合 焼 却 炉 はダイオキシン 類 が 発 生 しないよう 炉 内 温 度 800 以 上 に 維 持 する 必 要 がある 焼 却 対 象 物 は, 選 別 施 設 より 排 出 される 可 燃 物 (ビニール,プラスチック)と 木 くず 及 び 土 壌 洗 浄 施 設 から 排 出 される 浮 遊 可 燃 物 及 び 塩 害 木 である これらを 焼 却 に 適 した 配 合 とするた め 何 パターンもの 配 合 を 選 定 し 焼 却 試 験 を 行 った 結 果, 混 合 割 合 を 木 くず: 可 燃 物 : 土 壌 洗 浄 残 渣 =3:2:1(ホイールローダーのバ ケット 比 ) とすることで, 炉 内 温 度 800 以 上 を 維 持 し 安 定 的 に 操 業 する 事 が 出 来 た 焼 却 主 灰 のキレート 処 理 当 初, 薬 剤 (キレート 剤 )による 重 金 属 類 の 溶 出 抑 制 は 飛 灰 のみ 対 象 であったが, 主 灰 を 造 粒 固 化 処 理 することになったた め, 焼 却 炉 に 併 設 された 焼 却 灰 冷 却 プール にキレート 剤 添 加 装 置 を 追 加 設 置 した 写 真 3-47 主 灰 テント 内 選 別 作 業 写 真 3-48 主 灰 状 況 (ふるい 前 ) 写 真 3-49 主 灰 篩 (クリンカ 除 去 ) 状 況
88 津 波 堆 積 物 処 理 の 課 題 と 対 応 策 長 尺 物 等 の 混 入 による 機 器 の 閉 塞 篩 下 土 砂 をトロンメルで 処 理 し, 長 尺 物 を 選 別 することにより, 枝,パイプ 等 の 長 尺 物 の 混 入 による 機 器 の 閉 塞 を 低 減 した また, 布 切 れや 漁 網 などの 繊 維 質 については, 毎 日 プラントの 清 掃 を 実 施 し,プラント 機 器 の 繊 維 質 の 絡 まりを 取 り 除 くことで, 機 器 の 閉 塞 が 解 消 した スラリー 濃 度 の 維 持 管 理 凝 集 沈 殿 槽 から 引 き 抜 くスラリーの 濃 度 が 低 いとスラリー 槽 がすぐに 満 水 になってしま うため,スラリーの 濃 度 をこまめに 確 認 し 高 濃 度 を 維 持 し,スラリー 槽 の 水 位 の 上 昇 を 抑 えるように 努 めた また,2 班 体 制 でプラントを 連 続 運 転 していたが,1 班 と2 班 の 間 に プラント 停 止 時 間 を3 時 間 設 け,その 時 間 にフィルタープレスを 自 動 運 転 させることで, スラリー 槽 の 水 位 を 低 下 させることを 可 能 とした 農 地 がれきの 追 加 処 理 農 地 がれき は 集 積 場 所 に 近 接 した 志 津 川 町 松 原 公 園 内 に 処 理 量 500m3/ 日 の 処 理 施 設 を 増 設 し, 昼 夜 勤 で 対 応 した 焼 却 処 理 終 了 後 の 選 別 残 渣 への 対 応 処 理 最 終 時 点 で 選 別 残 渣 を 処 分 する 必 要 に 迫 られたため, 宮 城 東 部 衛 生 処 理 組 合 のご 協 力 の 下, 森 郷 処 分 場 に 搬 出 した 写 真 3-50 湿 式 篩 稼 働 状 況 写 真 3-51 ログウォッシャー 稼 働 状 況 写 真 3-52 スラリー 槽 状 況 写 真 3-53 宮 城 東 部 衛 生 処 理 組 合 森 郷 処 分 施 設 での 処 分
89 写 真 3-54 志 津 川 処 理 施 設 全 景 写 真 3-55 集 積 された 農 地 がれき 最 終 処 分 の 課 題 と 対 応 策 最 終 処 分 施 設 の 確 保 焼 却 灰 等 の 最 終 処 分 施 設 が 南 三 陸 町 内 にないため, 公 社 処 理 場 のほか 県 内 の2 市 ( 栗 原 市, 登 米 市 ) 及 び 宮 城 東 部 衛 生 処 理 組 合 の 協 力 を 得 て 処 分 施 設 を 確 保 した 処 理 途 上 で 発 生 した 鉛 を 含 む 漁 網 処 理 当 初 計 画 では 漁 網 の 発 生 量 は 比 較 的 少 ないものと 想 定 していたが,かなりの 量 が 発 生 し た その 処 分 は 焼 却 等 による 処 理 を 計 画 していたが,ロープ 等 に 鉛 線 が 編 み 込 まれていたた め,そのまま 焼 却 することが 困 難 となった このため, 鉛 を 含 む 廃 棄 物 を 急 遽 最 終 処 分 することになり, 山 形 県 内 の 民 間 処 分 場 に 搬 出 した
90 第 7 節 地 域 経 済 への 配 慮 事 項 第 1 項 地 元 業 者 の 活 用 JV 組 織 内 に 地 域 連 携 事 務 局 を 設 置 し 地 元 企 業 を 積 極 的 に 活 用 する 体 制 を 構 築 し, 二 次 仮 置 き 場 の 各 種 工 事 災 害 廃 棄 物 の 運 搬 業 務 などは, 南 三 陸 町 建 設 業 協 会 構 成 会 社 を 中 心 に 発 注 し, 必 要 な 資 機 材 等 は, 可 能 な 限 り 南 三 陸 商 工 会 会 員 企 業 から 調 達 した また, 海 上 運 搬 や 漁 網 の 選 別 作 業 については, 地 元 漁 協 の 協 力 を 得 るなど, 南 三 陸 町 内 企 業 関 係 団 体 との 連 携 を 積 極 的 に 行 うとともに, 地 元 調 達 が 困 難 なものについては 県 内 調 達 を 優 先 した 第 2 項 地 元 雇 用 の 推 進 各 仮 設 住 宅 や 町 内 自 治 会 で 雇 用 説 明 会 を 実 施 し, 南 三 陸 町 内 に 居 住 されている 被 災 者 の 方 だけでなく, 登 米 市 内 の 仮 設 住 宅 など 遠 方 に 避 難 されている 方 々に 対 して, 故 郷 である 南 三 陸 町 に 戻 って 安 心 して 働 ける 環 境 を 提 供 することで, 南 三 陸 町 被 災 者 の 方 の 雇 用 拡 大 に 努 めた また, 福 利 厚 生 面 でも, 常 駐 の 准 看 護 師 による 作 業 員 の 健 康 管 理 に 努 めるとともに, 南 三 陸 町 内 のみならず 登 米 市 の 仮 設 住 宅 へも 送 迎 バスを 運 行 し, 働 きやすい 職 場 環 境 の 整 備 に 努 めた 表 3-8 就 業 者 数 の 推 移 600 500 400 300 200 県 外 雇 用 者 県 内 雇 用 者 100 0 H24.4 H24.7 H24.10 H25.1 H25.4 H25.7 H25.10 H26.1 写 真 3-56 通 勤 バス 写 真 3-57 准 看 護 師 による 健 康 相 談
91 第 3 項 その 他 ( 地 域 経 済 の 振 興 につながる 取 組 など) パソコン 教 室 の 実 施 本 教 室 にて, 今 後 の 就 業 活 動 において 役 立 てるためパソコンスキルの 習 得 を 図 った 教 室 :JV 厚 生 棟 2 階 休 憩 室 内 開 催 頻 度 : 毎 週 2 回 (3/1~4/19) コ ー ス:1 初 心 者 コース 2 実 践 向 けコース 参 加 人 数 :127 名 210 名 授 業 内 容 :1PCの 基 本 操 作,word excelの 基 本 操 作 2word excelの 操 作, 一 般 事 務 等 で 必 要 とされるレイアウト 表 計 算,グラフの 作 成 等 写 真 3-58 パソコン 教 室 の 実 施 状 況 写 真 3-59 パソコン 教 室 の 実 施 状 況 写 真 3-60 パソコン 教 室 の 実 施 状 況 写 真 3-61 パソコン 教 室 の 実 施 状 況