Company Research and Analysis Report FISCO Ltd. http://www.fisco.co.jp Important disclosures and disclaimers appear at the back of this document. 企 業 調 査 レポート 執 筆 客 員 アナリスト 柴 田 郁 夫 伪 伪 申 込 件 数 及 び 取 扱 高 が 大 きく 伸 び 大 幅 増 収 増 益 で 着 地 <6030> は 格 安 航 空 券 予 約 販 売 サイト skyticket (スカイチケット) の 運 営 を 主 力 とするとともに 世 界 中 のオプショナルツアー 等 の 予 約 サイト WannaTrip (ワナ トリップ) や 訪 日 外 国 人 向 けのインバウンド 事 業 などにも 注 力 している LCC の 躍 進 等 を 背 景 として 横 断 検 索 の 需 要 が 高 まるなかで 利 便 性 (ネットで 24 時 間 横 断 検 索 や 予 約 が 可 能 ) や 価 格 優 位 性 ( 割 引 航 空 券 の 取 扱 い) 多 言 語 化 (18 ヶ 国 語 対 応 ) による 価 値 提 供 に より 事 業 を 拡 大 してきた LCC だけでなく JAL や ANA などの 大 手 を 含 め 国 内 線 13 社 国 際 線 400 社 以 上 の 幅 広 い 航 空 券 を 取 り 扱 っているところにも 強 みを 有 する 顧 客 層 の 中 心 は 20 代 から 30 代 であり 40% 前 後 の 高 いリピート 率 を 誇 る 2014 年 12 月 に 東 証 マザーズに 上 場 した 2015 年 6 月 期 の 業 績 は 営 業 収 益 が 前 期 比 69.1% 増 の 1,510 百 万 円 営 業 利 益 が 同 413.6% 増 の 158 百 万 円 経 常 利 益 が 同 473.9% 増 の 148 百 万 円 当 期 純 利 益 が 同 421.7% 増 の 110 百 万 円 と 大 幅 な 増 収 増 益 であった LCC の 路 線 数 拡 大 や 訪 日 外 国 人 の 大 幅 な 増 加 を 背 景 として 申 込 件 数 及 び 取 扱 高 が 大 きく 伸 びたことが 増 収 に 寄 与 した ただ 会 社 予 想 に 対 して 営 業 収 益 で 上 回 ったものの 営 業 利 益 で 下 回 る 結 果 となったのは 好 調 な 外 部 環 境 を 好 機 と 捉 えて 将 来 の 成 長 を 見 据 えた 広 告 宣 伝 費 を 積 極 投 入 したこと 及 び 繁 忙 期 を 前 に 株 主 優 待 券 を 大 量 に 購 入 したことが 要 因 となっている 同 社 は 短 期 的 視 点 で 業 績 予 想 を 見 積 もることが 困 難 であることから 2016 年 6 月 期 の 業 績 予 想 を 開 示 していない ただ 引 き 続 き 既 存 事 業 におけるシェアの 拡 大 や 取 扱 商 品 の 拡 充 による 利 益 率 の 改 善 に 注 力 するとともに 中 国 を 始 めとしたアジア 諸 国 からのインバウンド 需 要 を 取 り 込 むことにより 増 収 増 益 を 継 続 する 見 通 しとなっている 同 社 の 成 長 戦 略 の 軸 は 既 存 事 業 におけるシェア 拡 大 に 加 えて インバウンド 事 業 の 強 化 と 事 業 領 域 の 拡 充 である 特 に 事 業 領 域 の 拡 充 については 旅 行 関 連 への 横 展 開 から さらには 生 活 関 連 への 参 入 を 図 ることにより 総 合 予 約 プラットフォームを 確 立 するところにあ る 市 場 の 大 きな 旅 行 業 界 においては 規 模 や 認 知 度 の 面 でまだこれからのステージにあると 考 えられるが 航 空 券 予 約 という 旅 行 の 入 り 口 で 顧 客 接 点 を 握 る 同 社 にとって そこから 展 開 できる 事 業 機 会 の 可 能 性 は 大 きく M&A を 含 めた 他 社 との 提 携 にも 注 目 していきたい 伪 伪 Check Point 格 安 航 空 券 予 約 販 売 サイトの 運 営 が 主 力 新 規 事 業 にも 注 力 LCC の 本 格 的 な 取 扱 開 始 により 成 長 が 加 速 広 告 宣 伝 費 を 積 極 投 入 も 大 幅 増 収 によって 吸 収 し 営 業 利 益 率 は 上 昇 1
( 百 万 円 ) 業 績 推 移 営 業 収 益 ( 左 軸 ) 経 常 利 益 ( 右 軸 ) ( 百 万 円 ) 期 期 期 伪 伪 会 社 概 要 格 安 航 空 券 予 約 販 売 サイトの 運 営 が 主 力 新 規 事 業 にも 注 力 (1) 事 業 内 容 同 社 は 格 安 航 空 券 予 約 販 売 サイト skyticket (スカイチケット) の 運 営 を 主 力 とすると ともに 世 界 中 のオプショナルツアー 等 の 予 約 サイト WannaTrip (ワナトリップ) や 訪 日 外 国 人 向 けのインバウンド 事 業 などの 新 規 事 業 にも 注 力 している skyticket は 国 内 及 び 海 外 の 格 安 航 空 券 国 内 及 び 海 外 ツアーを 中 心 とした 各 種 旅 行 商 品 をオンラインで 予 約 可 能 なサイトである LCC だけでなく JAL や ANA などの 大 手 を 含 め 国 内 線 13 社 国 際 線 400 社 以 上 の 幅 広 い 航 空 券 を 取 り 扱 っている LCC の 躍 進 等 を 背 景 として 複 数 の 航 空 会 社 をまたいで 価 格 やサービス 比 較 のほか スケジュール 確 認 が できる 横 断 検 索 の 需 要 が 高 まるなかで 利 便 性 (ネットで 24 時 間 横 断 検 索 や 予 約 が 可 能 ) や 価 格 優 位 性 ( 割 引 航 空 券 の 取 扱 い) 多 言 語 化 (18 ヶ 国 語 対 応 ) による 価 値 提 供 により 事 業 を 拡 大 してきた WannaTtrip は 世 界 中 のオプショナルツアーやアクティビティ ( 旅 行 先 の 遊 び) の 予 約 ができるサイトである 新 規 事 業 として 2014 年 9 月 から 運 営 を 開 始 した 各 旅 行 会 社 やアク ティビティ 催 行 会 社 との 提 携 ( 約 100 社 ) により 1,500 を 超 える 商 品 を 取 り 揃 えている こち らも 多 言 語 化 を 図 っており 利 用 者 の 92% は 外 国 人 となっている 同 社 では 航 空 券 の 周 辺 領 域 として 裾 野 が 広 い 市 場 であることから 長 期 的 な 視 点 で 大 きく 育 てる 方 針 としている また 新 規 事 業 として 2015 年 7 月 から 本 格 的 に 開 始 したインバウンド 事 業 は 中 国 等 の アジア 圏 を 中 心 としたインバウンドの 手 配 ( 日 本 での 宿 泊 先 やレストランの 予 約 等 ) を 行 うも のである 特 に 中 国 からの 団 体 旅 行 者 需 要 の 取 り 込 みを 狙 って 中 国 人 インバウンド 専 門 の 旅 行 代 理 店 である ( 株 ) アルバックスとの 事 業 提 携 を 開 始 しており 7 月 単 月 で 約 1,000 人 の 受 け 入 れからスタートした 2
会 社 概 要 事 業 セグメントは オンライン 事 業 の 単 一 である (2015 年 6 月 期 ) 2015 年 6 月 期 までの 実 績 では skyticket による 業 績 貢 献 が 大 部 分 を 占 めている 連 結 子 会 社 には 発 券 の 手 続 き 等 を 行 うビッグハートトラベルエージェンシー ( 株 ) のほか スマートフォンアプリの 企 画 を 行 う AppAge Limited ( 香 港 ) がある 航 空 会 社 や 旅 行 会 社 から 航 空 券 等 を 仕 入 れ 利 用 者 に 直 接 販 売 (2) 事 業 モデルと 収 益 構 造 同 社 は 航 空 会 社 や 旅 行 会 社 から 航 空 券 や 各 種 旅 行 商 品 等 を 仕 入 れ ネットを 通 じて 国 内 外 の 利 用 者 ( 旅 行 者 ) に 直 接 販 売 するサービスを 提 供 している 当 社 事 業 の 紹 介 業 績 出 所 : 会 社 資 料 一 般 の 会 社 の 売 上 高 に 当 たる 営 業 収 益 は 利 用 者 からの 販 売 手 数 料 のほか 航 空 会 社 (あ るいは 旅 行 会 社 ) からのコミッション ( 紹 介 料 ) によって 構 成 されている したがって 基 本 的 には 利 用 者 への 販 売 総 額 である 取 扱 高 に 連 動 するが 取 扱 高 に 対 して 一 律 に 販 売 手 数 料 やコミッションが 定 められているわけではない 特 に コミッションについては 航 空 会 社 や 路 線 によって 違 いがあるうえ その 時 々の 需 給 の 状 況 や 航 空 会 社 との 交 渉 等 により 変 動 するも のである また 販 売 手 数 料 については 同 社 の 営 業 政 策 的 な 判 断 が 反 映 されている 過 去 の 実 績 を 見 ると 取 扱 高 の 10% から 13% が 営 業 収 益 として 計 上 されている ただ 航 空 会 社 の 販 売 方 針 等 により 影 響 を 受 けるコミッションについては 業 績 の 変 動 リスクとなることに 注 意 が 必 要 である 取 扱 高 と 営 業 収 益 の 推 移 ( 単 位 : 百 万 円 ) 2012 年 6 月 期 2013 年 6 月 期 2014 年 6 月 期 2015 年 6 月 期 取 扱 高 (A) 2,029 5,215 6,845 11,917 営 業 収 益 (B) 204 635 893 1,510 比 率 (B/A) 10.1% 12.2% 13.1% 12.7% 出 所 : 成 長 可 能 性 に 関 する 説 明 資 料 より 3
会 社 概 要 一 方 費 用 構 造 のほうは 経 営 効 率 の 高 いオンライン 事 業 であることから 人 件 費 や 管 理 費 等 が 少 ない 半 面 広 告 宣 伝 費 の 比 率 が 極 端 に 高 いところに 特 徴 がある 2015 年 6 月 期 の 広 告 宣 伝 費 は 1,012 百 万 円 営 業 費 用 全 体 に 占 める 比 率 は 75.0% となっている したがって 広 告 宣 伝 費 のかけ 方 次 第 で 利 益 水 準 を 高 めることは 可 能 であるが 顧 客 獲 得 のための 重 要 な 先 行 費 用 として 捉 える 必 要 がある また カード 会 社 等 に 支 払 う 資 金 決 済 のための 手 数 料 については 取 引 量 の 拡 大 を 図 ることで 交 渉 力 が 働 く 性 質 のものであり 今 後 も 引 き 下 げの 余 地 があるものと 考 えられる 営 業 費 用 の 内 訳 ( 年 月 期 ) 人 件 費 広 告 宣 伝 費 支 払 手 数 料 その 他 ( 単 位 : 百 万 円 ) また 事 業 特 性 から 業 績 に 季 節 要 因 があるところにも 注 意 が 必 要 である 夏 休 みのある 第 1 四 半 期 (7 月 9 月 ) と 大 型 連 休 のある 第 4 四 半 期 (4 月 6 月 ) が 繁 忙 期 となる 傾 向 が みられる 回 復 局 面 での 積 極 的 な 投 資 が 同 社 を 大 きく 飛 躍 させる 転 機 に (3) 沿 革 同 社 は 2006 年 12 月 に 株 式 会 社 サイバートラベルとして 設 立 された 現 社 長 の 中 村 俊 一 (な かむらしゅんいち) 氏 が 学 生 時 代 に 設 立 した 旧 株 式 会 社 (ネットの 広 告 代 理 店 ) の 子 会 社 として 設 立 されたが 経 営 効 率 を 高 める 目 的 から 2013 年 6 月 に 親 会 社 である 旧 株 式 会 社 を 吸 収 合 併 すると 社 名 を 株 式 会 社 に 変 更 した インターネットの 普 及 により 日 本 でも e チケットが 導 入 されるとともに LCC の 参 入 といった 航 空 会 社 の 仕 組 みが 変 化 してきたところに 着 眼 し 既 に 米 国 などでは 市 場 が 拡 大 していた 航 空 券 のオンライン 販 売 を 開 始 したことが 設 立 の 経 緯 である 2008 年 6 月 に skyticket の 運 用 を 開 始 創 業 時 は JAL や ANA の 航 空 券 をメインに 取 り 扱 っていたが LCC の 参 入 により 航 空 会 社 の 数 が 増 えたことにより 横 断 検 索 の 需 要 が 高 まったことが 同 社 の 事 業 拡 大 を 後 押 しした また 2011 年 から 2012 年 には 東 日 本 大 震 災 や JAL の 破 綻 などの 影 響 により 業 界 全 体 が 低 迷 したが 同 業 他 社 が 撤 退 や 縮 小 を 余 儀 なく されるなかで 残 存 者 利 益 を 享 受 するとともに 回 復 局 面 で 積 極 的 な 投 資 を 行 ってきたことが 2013 年 以 降 同 社 を 大 きく 飛 躍 させる 転 機 となった さらには 外 部 環 境 の 影 響 を 強 く 受 け る 業 界 の 中 で 事 業 を 安 定 的 に 継 続 するためには 株 式 上 場 により 財 務 基 盤 の 強 化 や 認 知 度 及 び 社 会 的 信 用 を 向 上 させる 必 要 性 を 強 く 感 じたことが 上 場 を 目 指 すきっかけともなった 4
会 社 概 要 2014 年 には 新 規 事 業 である WannaTrip の 運 用 開 始 やインバウンド 需 要 に 対 応 する 多 言 語 化 に 取 り 組 むなど 事 業 基 盤 の 更 なる 強 化 を 図 り 2014 年 12 月 に 東 証 マザーズへ 上 場 を 果 たした 他 社 に 先 駆 けて 独 自 のポジショニングを 確 立 (4) 特 長 ( 強 み) OTA とは オンライントラベル エージェント の 略 で 店 舗 を 持 っ て 営 業 活 動 を 行 っている 従 来 型 の 旅 行 会 社 に 対 し インターネッ ト 上 だけで 取 引 を 行 う 旅 行 会 社 のこと 独 自 のポジショニングを 確 立 同 社 が 成 長 できた 理 由 は e コマースや LCC の 普 及 に 伴 い 既 に 海 外 で 大 きく 伸 びていた OTA の 仕 組 みを 日 本 に 持 ち 込 み 先 行 者 利 益 ( 及 び 残 存 者 利 益 ) を 享 受 しながら 利 便 性 や 価 格 優 位 性 さらには 多 言 語 化 による 差 別 化 を 図 ることで 他 社 に 先 駆 けて 独 自 のポジ ショニングを 確 立 したところにあると 考 えられる 大 手 にとっては 航 空 会 社 との 兼 ね 合 いや 既 存 事 業 とのコンフリクト ( 利 益 相 反 ) により 参 入 が 難 しい 市 場 であり ベンチャー 企 業 にとっ ても 広 告 宣 伝 費 を 含 めた 営 業 施 策 などの 面 で 規 模 の 経 済 を 生 かせる 同 社 が 大 きな 壁 に なっていると 考 えられる ロイヤリティの 高 い 魅 力 的 な 顧 客 基 盤 同 社 の 顧 客 層 の 中 心 は 20 代 から 30 代 であり 40% 前 後 の 高 いリピート 率 を 誇 っている 高 いリピート 率 の 背 景 には 2 回 目 以 降 の 割 引 制 度 などによる 営 業 施 策 の 効 果 のほか 利 便 性 の 高 さが 大 きく 影 響 しているとみられる これからの 若 い 世 代 を 顧 客 基 盤 に 取 り 込 むとと もに 高 いリピート 率 を 維 持 することは いずれ 購 買 力 の 高 い 顧 客 層 に 成 長 することを 想 定 す れば その 潜 在 力 は 大 きいと 考 えられる また 魅 力 的 な 顧 客 基 盤 を 持 つことは 他 社 との 提 携 を 優 位 に 進 められることを 含 め 今 後 の 事 業 拡 大 の 可 能 性 を 広 げている 伪 伪 業 界 構 造 ニッチな 市 場 で 独 自 のポジショニングを 確 立 フォーカスライト Japan の 調 査 によれば 国 内 線 の 市 場 規 模 (2013 年 度 ) は 約 2 兆 2,000 億 円 であり そのうちオンライン 市 場 は 約 1 兆 円 規 模 と 推 定 されている ただ 国 内 線 のオ ンライン 市 場 は 80% 強 を JAL や ANA といった 大 手 航 空 会 社 の 直 販 が 占 めているところに 特 徴 がある これは 大 手 航 空 会 社 が 直 販 を 重 視 してきたことを 反 映 するもので 最 近 では LCC の 参 入 により 国 内 線 の OTA 市 場 も 伸 びているものの 全 体 からすればまだまだ 小 さい と 言 える また 同 社 のように LCC だけでなく JAL や ANA を 含 めてすべての 国 内 線 を 取 り 扱 っ ている 同 業 他 社 (パックを 除 く) は 上 場 会 社 には 存 在 しない 大 手 航 空 会 社 における 直 販 政 策 の 動 向 が 同 社 にとっても 何 らかの 影 響 を 及 ぼす 可 能 性 は 否 定 できないが その 一 方 で 直 販 比 率 の 高 さが 他 社 の 参 入 を 阻 んできたとの 見 方 もできるため 同 社 がニッチな 市 場 で 独 自 のポジショニングを 確 立 できた 要 因 の1つにもなっているとも 考 えられる 一 方 今 後 の OTA 市 場 の 動 向 に 大 きな 影 響 を 与 える LCC については 航 空 会 社 数 の 増 加 とともに 路 線 数 も 順 調 に 拡 大 している ただ 2014 年 の 国 内 LCC 比 率 は 7.5% であり 北 米 (30%) 西 欧 (39%) 中 南 米 (32%) 東 南 アジア (52%) に 比 べて 極 めて 低 い 水 準 に とどまっている ( 国 土 交 通 省 ) 海 外 の LCC 比 率 については 2012 年 の LCC 座 席 シェア 比 率 ( 座 席 キロベース) 5
業 績 推 移 また 同 社 が 事 業 領 域 の 拡 充 をもくろむ 旅 行 市 場 全 体 ( 宿 泊 を 伴 う 国 内 旅 行 にかかる 宿 泊 施 設 及 び 運 送 機 関 の 総 販 売 額 ) で 見 ると 約 8 兆 7,000 億 円 の 大 きな 市 場 を 形 成 してい るが そのうち OTA による 取 扱 高 は 約 1 兆 1,000 億 円 規 模 であり 順 調 に 伸 びている OTA の 上 位 には 楽 天 トラベル リクルート (じゃらん) を 2 大 勢 力 として i.jtb や 一 休 <2450> などが 存 在 する (フォーカスライト Japan) 伪 伪 業 績 推 移 LCC の 本 格 的 な 取 扱 開 始 により 成 長 が 加 速 過 去 の 業 績 推 移 を 振 り 返 ると 2011 年 6 月 期 から 2012 年 6 月 期 に 業 績 が 低 迷 したのは 東 日 本 大 震 災 や JAL の 破 綻 の 影 響 により 航 空 会 社 からのコミッションが 縮 小 したことによ るものである ただ 2013 年 6 月 期 以 降 は 航 空 会 社 の 経 営 が 安 定 したことによるコミッショ ンの 改 善 に 加 え LCC の 本 格 的 な 取 扱 開 始 により 申 込 件 数 及 び 取 扱 高 が 拡 大 したことで 同 社 の 成 長 が 加 速 された 2013 年 6 月 期 から 3 年 間 の 推 移 を 見 ると LCC 比 率 が 24.5% から 58.5% に 上 昇 したことに 伴 って 申 込 件 数 が 106 千 件 から 288 千 件 に 増 加 している また 利 益 面 でも 広 告 宣 伝 費 による 先 行 費 用 等 により 低 い 水 準 で 推 移 してきたものの 売 上 高 の 拡 大 とともに 経 常 利 益 も 大 きく 伸 びており 2016 年 6 月 期 の 経 常 利 益 率 は 9.8% に まで 改 善 している 一 方 財 務 基 盤 の 安 定 性 を 示 す 自 己 資 本 比 率 も 低 い 水 準 で 推 移 してきたが 株 式 上 場 に 伴 う 新 株 発 行 により 2015 年 6 月 期 は 54.0% となっている 上 場 による 財 務 基 盤 の 強 化 は 積 極 的 な 広 告 宣 伝 費 による 顧 客 基 盤 の 拡 大 や M&A を 含 めた 事 業 拡 大 を 目 指 す 同 社 にとっ て その 根 底 を 支 えるものと 捉 えることができる 営 業 収 益 及 び 経 常 利 益 の 推 移 ( 百 万 円 ) 営 業 収 益 ( 左 軸 ) 経 常 利 益 ( 右 軸 ) ( 百 万 円 ) 期 単 期 単 期 単 期 連 期 連 期 連 6
業 績 推 移 申 し 込 み 件 数 及 び 取 扱 高 の 推 移 ( 百 万 円 ) 取 扱 高 ( 左 軸 ) 申 し 込 み 件 数 ( 右 軸 ) ( 千 件 ) 期 期 期 期 国 内 比 率 の 推 移 期 期 期 LCC 比 率 は 以 外 の 取 扱 高 の 比 率 出 所 : 会 社 資 料 伪 伪 決 算 動 向 広 告 宣 伝 費 を 積 極 投 入 も 大 幅 増 収 によって 吸 収 し 営 業 利 益 率 は 上 昇 (1) 2015 年 6 月 期 決 算 の 概 要 2015 年 6 月 期 の 業 績 は 営 業 収 益 が 前 期 比 69.1% 増 の 1,510 百 万 円 営 業 利 益 が 同 413.6% 増 の 158 百 万 円 経 常 利 益 が 同 473.9% 増 の 148 百 万 円 当 期 純 利 益 が 同 421.7% 増 の 110 百 万 円 と 大 幅 な 増 収 増 益 であった ただ 会 社 予 想 に 対 しては 営 業 収 益 で 上 回 っ たものの 各 利 益 では 下 回 る 結 果 となった 好 調 な 外 部 環 境 を 好 機 と 捉 えて 将 来 の 成 長 を 見 据 えた 広 告 宣 伝 費 を 積 極 投 入 したことが 要 因 である 7
決 算 動 向 LCC の 路 線 数 拡 大 や 訪 日 外 国 人 の 大 幅 な 増 加 を 背 景 として skyticket における 申 込 件 数 及 び 取 扱 高 が 大 きく 伸 びたことが 増 収 に 寄 与 した なお 2014 年 9 月 から 運 用 を 開 始 し た WannaTrip による 業 績 貢 献 は 需 要 が 拡 大 しているインバウンド 事 業 の 立 ち 上 げにリソー スを 優 先 させたこともあって まだわずかな 水 準 にとどまっている 模 様 である また インバ ウンド 事 業 についても 本 格 的 な 業 績 貢 献 は 2016 年 6 月 期 からとなっている 利 益 面 でも 広 告 宣 伝 費 を 1,012 百 万 円 ( 前 期 比 62.2% 増 ) と 積 極 投 入 したものの 大 幅 な 増 収 によって 十 分 に 吸 収 できたことから 営 業 利 益 率 は 10.5% ( 前 期 は 3.5%) に 上 昇 した 財 務 面 でも 上 場 に 伴 う 新 株 発 行 により 自 己 資 本 比 率 は 54.0% ( 前 期 末 は 4.7%) に 大 きく 改 善 している 2015 年 6 月 期 決 算 の 概 要 ( 単 位 : 百 万 円 ) 14/6 期 15/6 期 15/6 期 増 減 実 績 実 績 通 期 予 算 達 成 率 構 成 比 構 成 比 増 減 率 構 成 比 営 業 収 益 893-1,510-616 69.1% 1,350-111.9% 営 業 費 用 862 96.5% 1,351 89.5% 489 56.7% 1,173 86.9% 115.0% 人 件 費 80 9.0% 87 5.8% 7 8.8% 87 6.4% 100.1% 広 告 宣 伝 費 624 69.8% 1,012 67.0% 388 62.2% 852 63.1% 118.8% 支 払 手 数 料 42 4.7% 64 4.2% 22 52.4% 64 4.7% 99.4% その 他 115 12.9% 185 12.2% 70 60.9% 168 12.4% 110.1% 営 業 利 益 30 3.5% 158 10.5% 127 413.6% 176 13.0% 89.8% 経 常 利 益 25 2.9% 148 9.8% 122 473.9% 170 12.6% 87.1% 純 利 益 21 2.4% 110 7.3% 89 421.7% 130 9.6% 84.8% 取 扱 高 6,845 11,917 5,072 74.1% 12,031 99.1% 総 資 産 371 1,903 1,532 412.8% 純 資 産 17 1,028 1,010 5761.4% 自 己 資 本 比 率 4.7% 54.0% 高 い 水 準 での 増 収 増 益 も 今 後 の 業 績 推 移 に 注 目 (2) 2016 年 6 月 期 の 業 績 予 想 同 社 は 短 期 的 視 点 で 業 績 予 想 を 見 積 もることが 困 難 であることから 2016 年 6 月 期 の 業 績 予 想 を 開 示 していない ただし 引 き 続 き 既 存 事 業 におけるシェアの 拡 大 や 取 扱 商 品 の 拡 充 による 利 益 率 の 改 善 に 注 力 するとともに 中 国 を 始 めとしたアジア 諸 国 からのインバウンド 需 要 を 取 り 込 むことにより 増 収 増 益 を 継 続 する 見 通 しである 弊 社 では 7 月 から 順 調 に 立 ち 上 がったインバウンド 事 業 による 上 乗 せが 期 待 できることに 加 えて 積 極 的 な 宣 伝 広 告 費 の 効 果 及 び skyticket のサイトリニューアルやスマートフォ ンアプリの 開 始 等 により 高 い 水 準 での 増 収 増 益 は 可 能 であるとみており 今 後 の 業 績 推 移 に 注 目 したい 8
伪 伪 成 長 戦 略 既 存 事 業 のシェア 拡 大 インバウンド 事 業 の 強 化 などが 成 長 戦 略 の 軸 同 社 の 成 長 戦 略 の 軸 は 既 存 事 業 のシェア 拡 大 に 加 えて インバウンド 事 業 の 強 化 と 事 業 領 域 の 拡 充 である 特 に 事 業 領 域 の 拡 充 については 旅 行 関 連 への 横 展 開 から さらに は 生 活 関 連 への 参 入 を 図 るものである 中 期 的 な 目 標 として インバウンドの 強 化 を 含 めた 既 存 事 業 の 拡 大 により 2020 年 の 取 扱 高 500 億 円 を 目 指 している さらには 長 期 的 な 成 長 イ メージとして 生 活 関 連 への 参 入 による 総 合 予 約 プラットフォームの 確 立 により 2030 年 の 取 扱 高 1 兆 円 を 掲 げている 弊 社 では 足 元 で 大 きく 伸 びているインバウンド 需 要 の 取 り 込 みに 期 待 が 集 まる 一 方 で 顧 客 基 盤 の 拡 大 による 既 存 事 業 のシェア 拡 大 に 注 目 している 既 存 事 業 でのプレゼンスを 高 めることが 更 なる 事 業 拡 大 を 優 位 に 進 めることにつながるうえ 総 合 予 約 プラットフォーム の 確 立 を 目 指 す 同 社 にとっては 認 知 度 の 向 上 と 顧 客 基 盤 の 拡 大 が KFS ( 成 功 のカギ) を 握 ると 考 えられるからである 同 社 は これまでのリスティング 依 存 型 からオーガニック 検 索 の 強 化 に 取 り 組 んでいるが SEO 対 策 などの 強 化 により 顧 客 獲 得 のペースがさらに 加 速 する 余 地 は 大 きいとみている 一 方 事 業 領 域 の 拡 充 については まずは 交 通 手 段 の 拡 大 (タクシー 鉄 道 バス 等 ) や 旅 行 商 品 数 の 拡 充 (アクティビティ ホテル 旅 行 保 険 等 ) による 旅 行 関 連 の 横 展 開 を 目 指 しているが 航 空 券 予 約 という 旅 行 の 入 り 口 で 顧 客 接 点 を 握 る 同 社 にとって そこから 展 開 できる 事 業 機 会 の 可 能 性 は 大 きいとみている また 総 合 予 約 プラットフォームについても 旅 行 関 連 で 積 み 上 げた 顧 客 基 盤 や 認 知 度 を 活 かせることでアドバンテージが 働 くものと 考 え られ M&A を 含 めた 他 社 との 提 携 にも 注 目 していきたい 伪 伪 株 主 還 元 将 来 的 には 株 主 に 対 する 利 益 還 元 にも 積 極 的 に 取 り 組 む 方 針 同 社 は 設 立 以 来 成 長 ステージにあることや 財 務 基 盤 が 脆 弱 であったことから 配 当 の 実 績 はない また 2016 年 6 月 期 も 無 配 を 予 定 している ただ 将 来 的 には 業 績 及 び 財 務 の 状 況 や 投 資 計 画 等 を 勘 案 した 上 で 株 主 に 対 する 利 益 還 元 にも 積 極 的 に 取 り 組 む 方 針 の ようだ また 個 人 株 主 対 策 として 同 社 ならではの 株 主 優 待 制 度 の 導 入 も 検 討 しているも ようである 9
ディスクレーマー ( 免 責 条 項 ) 株 式 会 社 フィスコ ( 以 下 フィスコ という ) は 株 価 情 報 および 指 数 情 報 の 利 用 について 東 京 証 券 取 引 所 大 阪 取 引 所 日 本 経 済 新 聞 社 の 承 諾 のもと 提 供 しています JASDAQ INDEX の 指 数 値 及 び 商 標 は 株 式 会 社 東 京 証 券 取 引 所 の 知 的 財 産 であり 一 切 の 権 利 は 同 社 に 帰 属 します 本 レポートはフィスコが 信 頼 できると 判 断 した 情 報 をもとにフィスコが 作 成 表 示 したものですが その 内 容 及 び 情 報 の 正 確 性 完 全 性 適 時 性 や 本 レポートに 記 載 された 企 業 の 発 行 する 有 価 証 券 の 価 値 を 保 証 または 承 認 するものではありません 本 レポートは 目 的 のいかんを 問 わず 投 資 者 の 判 断 と 責 任 において 使 用 されるようお 願 い 致 します 本 レポートを 使 用 した 結 果 について フィスコはいかなる 責 任 を 負 うものではありません また 本 レポートは あくまで 情 報 提 供 を 目 的 としたものであり 投 資 その 他 の 行 動 を 勧 誘 するものではありません 本 レポートは 対 象 となる 企 業 の 依 頼 に 基 づき 企 業 との 電 話 取 材 等 を 通 じて 当 該 企 業 より 情 報 提 供 を 受 けていますが 本 レポートに 含 まれる 仮 説 や 結 論 その 他 全 ての 内 容 はフィスコの 分 析 によるもので す 本 レポートに 記 載 された 内 容 は 資 料 作 成 時 点 におけるものであり 予 告 なく 変 更 する 場 合 があり ます 本 文 およびデータ 等 の 著 作 権 を 含 む 知 的 所 有 権 はフィスコに 帰 属 し 事 前 にフィスコへの 書 面 による 承 諾 を 得 ることなく 本 資 料 およびその 複 製 物 に 修 正 加 工 することは 堅 く 禁 じられています また 本 資 料 およびその 複 製 物 を 送 信 複 製 および 配 布 譲 渡 することは 堅 く 禁 じられています 投 資 対 象 および 銘 柄 の 選 択 売 買 価 格 などの 投 資 にかかる 最 終 決 定 は お 客 様 ご 自 身 の 判 断 でなさ るようにお 願 いします 以 上 の 点 をご 了 承 の 上 ご 利 用 ください 株 式 会 社 フィスコ